(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022064020
(43)【公開日】2022-04-25
(54)【発明の名称】操作ログ管理方法、操作ログ管理プログラム及び操作ログ管理装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20220418BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20220418BHJP
【FI】
H05K13/04 Z
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020172497
(22)【出願日】2020-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 泰幸
【テーマコード(参考)】
3C100
5E353
【Fターム(参考)】
3C100AA22
3C100AA38
3C100AA56
3C100AA62
3C100BB13
3C100BB27
3C100BB33
3C100EE07
5E353AA01
5E353CC01
5E353CC03
5E353CC22
5E353EE23
5E353EE51
5E353EE89
5E353HH29
5E353LL04
5E353QQ05
5E353QQ08
5E353QQ11
(57)【要約】
【課題】オペレータによって行われた変更操作によって作業の品質が低下することを抑制すること。
【解決手段】基板に対する作業を行う基板作業装置の動作を変更する画面操作(変更操作)の操作ログを管理する操作ログ管理方法であって、操作ログを取得する取得工程と、取得工程で取得された操作ログを記憶部52に記憶させる記憶工程と、記憶部52に記憶された操作ログに、当該操作ログによって示される画面操作に起因して作業の品質が低下したか否かを示す品質情報を付加する付加工程と、取得工程で新たに取得された操作ログによって示される画面操作が、作業の品質が低下する可能性がある画面操作であるか否かを、記憶部52に記憶されている他の操作ログに基づいて判断する判断工程と、を含む。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対する作業を行う基板作業装置の動作を変更する変更操作の操作ログを管理する操作ログ管理方法であって、
前記操作ログを取得する取得工程と、
前記取得工程で取得された前記操作ログを記憶部に記憶させる記憶工程と、
前記記憶部に記憶された前記操作ログに、当該操作ログによって示される前記変更操作に起因して前記作業の品質が低下したか否かを示す品質情報を付加する付加工程と、
前記取得工程で新たに取得された前記操作ログによって示される前記変更操作が、前記作業の品質が低下する可能性がある前記変更操作であるか否かを、前記記憶部に記憶されている他の前記操作ログに基づいて判断する判断工程と、
を含む、操作ログ管理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の操作ログ管理方法であって、
前記判断工程で前記作業の品質が低下する可能性がある前記変更操作であると判断した場合に、前記変更操作を行っているオペレータに、前記作業の品質が低下する可能性がある前記変更操作であることを報知する第1の報知工程を含む、操作ログ管理方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の操作ログ管理方法であって、
前記判断工程において、前記新たに取得された前記操作ログによって示される前記変更操作が、前記作業の品質が低下したことを示す前記品質情報が付加されている他の前記操作ログによって示される前記変更操作と類似する場合に、前記作業の品質が低下する可能性がある前記変更操作であると判断する、操作ログ管理方法。
【請求項4】
請求項3に記載の操作ログ管理方法であって、
前記判断工程において、前記新たに取得された前記操作ログによって示される前記変更操作が、前記作業の品質が低下したことを示す前記品質情報が付加されている他の前記操作ログによって示される前記変更操作と同じであるか、又は、前記新たに取得された前記操作ログによって示される前記変更操作の変更後の設定値と前記他の前記操作ログによって示される前記変更操作の変更後の設定値との差の絶対値が所定値以下である場合に、前記他の前記操作ログによって示される前記変更操作と類似すると判断する、操作ログ管理方法。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の操作ログ管理方法であって、
前記品質情報は、前記変更操作に起因して前記作業でトラブルが発生したか否かを示す情報であり、
前記作業の品質が低下したことを示す前記品質情報は、前記トラブルが発生したことを示す前記品質情報である、操作ログ管理方法。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の操作ログ管理方法であって、
前記判断工程において、前記新たに取得された前記操作ログによって示される前記変更操作が、前記作業の品質が向上したことを示す前記品質情報が付加されている他の前記操作ログによって示される前記変更操作と相反する場合に、前記作業の品質が低下する可能性がある前記変更操作であると判断する、操作ログ管理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の操作ログ管理方法であって、
前記品質情報は、動作を変更する前の前記作業の成功率を示す変更前成功率と、動作を変更した後の前記作業の成功率を示す変更後成功率とを示す情報であり、
前記作業の品質が向上したことを示す前記品質情報は、前記変更後成功率が前記変更前成功率より高い前記品質情報である、操作ログ管理方法。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の操作ログ管理方法であって、
前記相反する前記変更操作は、変更前に比べて設定値を大きくすることによって前記作業の品質が向上した前記他の前記変更操作の変更前の設定値より小さい設定値に変更する前記変更操作、及び、変更前に比べて設定値を小さくすることによって前記作業の品質が向上した前記他の前記変更操作の変更前の設定値より大きい設定値に変更する前記変更操作の少なくとも一方である、操作ログ管理方法。
【請求項9】
請求項6又は請求項7に記載の操作ログ管理方法であって、
前記変更操作は、前記基板作業装置が備える機能の有効と無効とを切り替える操作であり、
前記相反する前記変更操作は、前記他の前記変更操作で前記機能を有効にすることによって前記作業の品質が向上した場合に前記機能を無効にする前記変更操作である、操作ログ管理方法。
【請求項10】
請求項7に記載の操作ログ管理方法であって、
前記新たに取得された前記操作ログによって示される前記変更操作が、前記作業の品質が向上したことを示す前記品質情報が付加されている他の前記操作ログによって示される前記変更操作と類似する場合に、当該他の前記操作ログの前記変更後成功率が基準値未満である場合は、前記変更操作を行っているオペレータに、前記作業の成功率が前記基準値に満たない可能性があることを報知する第2の報知工程を含む、操作ログ管理方法。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の操作ログ管理方法であって、
前記記憶部に記憶されている複数の前記操作ログによって示される前記変更操作を表示部に時系列で表示することにより、前記変更操作を事後的に再生する再生工程を含む、操作ログ管理方法。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の操作ログ管理方法であって、
前記取得工程で前記操作ログが取得される毎に、取得された前記操作ログによって示される前記変更操作を表示部に表示することにより、前記変更操作をリアルタイムで再生する再生工程を含む、操作ログ管理方法。
【請求項13】
基板に対する作業を行う基板作業装置の動作を変更する変更操作の操作ログを管理する操作ログ管理プログラムであって、
前記操作ログを取得する取得処理と、
前記取得処理で取得された前記操作ログを記憶部に記憶させる記憶処理と、
前記記憶部に記憶された前記操作ログに、当該操作ログによって示される前記変更操作に起因して前記作業の品質が低下したか否かを示す品質情報を付加する付加処理と、
前記取得処理で新たに取得された前記操作ログによって示される前記変更操作が、前記作業の品質が低下する可能性がある前記変更操作であるか否かを、前記記憶部に記憶されている他の前記操作ログに基づいて判断する判断処理と、
をコンピュータに実行させる、操作ログ管理プログラム。
【請求項14】
基板に対する作業を行う基板作業装置の動作を変更する変更操作の操作ログを管理する操作ログ管理装置であって、
記憶部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記操作ログを取得する取得処理と、
前記取得処理で取得された前記操作ログを前記記憶部に記憶させる記憶処理と、
前記記憶部に記憶された前記操作ログに、当該操作ログによって示される前記変更操作に起因して前記作業の品質が低下したか否かを示す品質情報を付加する付加処理と、
前記取得処理で新たに取得された前記操作ログによって示される前記変更操作が、前記作業の品質が低下する可能性がある前記変更操作であるか否かを、前記記憶部に記憶されている他の前記操作ログに基づいて判断する判断処理と、
を実行する、操作ログ管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、操作ログ管理方法、操作ログ管理プログラム及び操作ログ管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板に対する作業を行う基板作業装置として、基板に回路パターンを印刷するスクリーン印刷装置、スクリーン印刷された回路を検査する印刷検査機、基板に接着剤を塗布するディスペンサ、基板に部品を実装する表面実装機、部品が実装された後の基板の外観を検査する実装後外観検査機、半田ペーストを高温下で溶解させるリフロー装置、溶解された半田ペーストが硬化した後に基板の外観を検査する硬化後外観検査装置などが知られている。
一般に基板作業装置は各種の設定値を変更するための操作部を備えており、オペレータは操作部を操作して設定値を変更できる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した操作部でオペレータが不適切な変更操作を行うと、その変更操作に起因して作業の品質が低下することがある。作業の品質が低下するとは、例えば変更操作に起因して何らかのトラブルが生じること、作業の成功率が低下することなどをいう。
しかしながら、従来は、オペレータによって行われた変更操作によって作業の品質が低下することを抑制することについて十分に検討されていなかった。
【0005】
本明細書では、オペレータによって行われた変更操作によって作業の品質が低下することを抑制する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一局面によれば、基板に対する作業を行う基板作業装置の動作を変更する変更操作の操作ログを管理する操作ログ管理方法は、前記操作ログを取得する取得工程と、前記取得工程で取得された前記操作ログを記憶部に記憶させる記憶工程と、前記記憶部に記憶された前記操作ログに、当該操作ログによって示される前記変更操作に起因して前記作業の品質が低下したか否かを示す品質情報を付加する付加工程と、前記取得工程で新たに取得された前記操作ログによって示される前記変更操作が、前記作業の品質が低下する可能性がある前記変更操作であるか否かを、前記記憶部に記憶されている他の前記操作ログに基づいて判断する判断工程と、を含む。
【0007】
上記の「変更」とは、既に設定されている値を異なる値に変えることをいう。なお、「変更」は、何も設定されていない状態で初めて値を設定すること、及び、既に設定されている値を異なる値に変えることの両方であってもよい。
【0008】
上記の操作ログ管理方法によると、新たに取得された操作ログによって示される変更操作が、作業の品質が低下する可能性がある変更操作であるか否かを、他の操作ログに基づいて判断する。このため、作業の品質が低下する可能性がある変更操作であると判断した場合は、作業の品質が低下する可能性が低減されるようにオペレータが変更操作をやり直すことにより、作業の品質が低下することを抑制できる。
よって上記の操作ログ管理方法によると、オペレータによって行われた変更操作によって作業の品質が低下することを抑制できる。
【0009】
(2)本発明の一局面によれば、前記判断工程で前記作業の品質が低下する可能性がある前記変更操作であると判断した場合に、前記変更操作を行っているオペレータに、前記作業の品質が低下する可能性がある前記変更操作であることを報知する第1の報知工程を含んでもよい。
【0010】
上記の操作ログ管理方法によると、作業の品質が低下する可能性がある変更操作であると判断した場合は、変更操作を行っているオペレータに作業の品質が低下する可能性がある変更操作であることを報知するので、報知されたオペレータが、作業の品質が低下する可能性が低減されるように変更操作をやり直すことにより、作業の品質が低下することを抑制できる。
【0011】
(3)本発明の一局面によれば、前記判断工程において、前記新たに取得された前記操作ログによって示される前記変更操作が、前記作業の品質が低下したことを示す前記品質情報が付加されている他の前記操作ログによって示される前記変更操作と類似する場合に、前記作業の品質が低下する可能性がある前記変更操作であると判断してもよい。
【0012】
作業の品質が低下したことを示す品質情報が付加されている操作ログによって示される変更操作と類似する変更操作が行われた場合は、その変更操作によって作業の品質が低下する可能性が高い。
上記の操作ログ管理方法によると、作業の品質が低下したことを示す品質情報が付加されている操作ログによって示される変更操作と類似する変更操作であるか否かを判断することにより、作業の品質が低下する可能性がある変更操作であるか否かを判断できる。
【0013】
(4)本発明の一局面によれば、前記判断工程において、前記新たに取得された前記操作ログによって示される前記変更操作が、前記作業の品質が低下したことを示す前記品質情報が付加されている他の前記操作ログによって示される前記変更操作と同じであるか、又は、前記新たに取得された前記操作ログによって示される前記変更操作の変更後の設定値と前記他の前記操作ログによって示される前記変更操作の変更後の設定値との差の絶対値が所定値以下である場合に、前記他の前記操作ログによって示される前記変更操作と類似すると判断してもよい。
【0014】
作業の品質が低下したことを示す品質情報が付加されている操作ログによって示される変更操作と同じ変更操作、あるいは、当該操作ログによって示される変更操作の変更後の設定値との差の絶対値が所定値以下である場合は、作業の品質が低下する可能性が高い。
上記の操作ログ管理方法によると、新たに取得された操作ログによって示される変更操作が、作業の品質が低下したことを示す品質情報が付加されている他の操作ログによって示される変更操作と同じであるか否か、又は、他の操作ログによって示される変更操作の変更後の設定値との差の絶対値が所定値以下であるか否かを判断することにより、他の操作ログによって示される変更操作と類似する変更操作であるか否かを判断できる。
【0015】
(5)本発明の一局面によれば、前記品質情報は、前記変更操作に起因して前記作業でトラブルが発生したか否かを示す情報であり、前記作業の品質が低下したことを示す前記品質情報は、前記トラブルが発生したことを示す前記品質情報であってもよい。
【0016】
上記の操作ログ管理方法によると、変更操作に起因してトラブルが発生することを抑制できる。
【0017】
(6)本発明の一局面によれば、前記判断工程において、前記新たに取得された前記操作ログによって示される前記変更操作が、前記作業の品質が向上したことを示す前記品質情報が付加されている他の前記操作ログによって示される前記変更操作と相反する場合に、前記作業の品質が低下する可能性がある前記変更操作であると判断してもよい。
【0018】
作業の品質が向上したことを示す品質情報が付加されている操作ログによって示される変更操作と相反する変更操作が行われた場合は、その変更操作によって作業の品質が低下する可能性が高い。
上記の操作ログ管理方法によると、作業の品質が向上したことを示す品質情報が付加されている操作ログによって示される変更操作と相反する変更操作であるか否かを判断することにより、作業の品質が低下する可能性がある変更操作であるか否かを判断できる。
【0019】
(7)本発明の一局面によれば、前記品質情報は、動作を変更する前の前記作業の成功率を示す変更前成功率と、動作を変更した後の前記作業の成功率を示す変更後成功率とを示す情報であり、前記作業の品質が向上したことを示す前記品質情報は、前記変更後成功率が前記変更前成功率より高い前記品質情報であってもよい。
【0020】
上記の操作ログ管理方法によると、作業の品質が向上したことを示す品質情報であるか否かを判断できる。
【0021】
(8)本発明の一局面によれば、前記相反する前記変更操作は、変更前に比べて設定値を大きくすることによって前記作業の品質が向上した前記他の前記変更操作の変更前の設定値より小さい設定値に変更する前記変更操作、及び、変更前に比べて設定値を小さくすることによって前記作業の品質が向上した前記他の前記変更操作の変更前の設定値より大きい設定値に変更する前記変更操作の少なくとも一方であってもよい。
【0022】
変更前の設定値より大きくすることによって作業の品質が向上した場合に、当該変更前の設定値より小さくすることは、作業の品質が向上した変更操作と相反する変更操作であるといえる。逆に、変更前の設定値より小さくすることによって作業の品質が向上した場合に、当該変更前の設定値より大きくすることは、作業の品質が向上した変更操作と相反する変更操作であるといえる。
【0023】
(9)本発明の一局面によれば、前記変更操作は、前記基板作業装置が備える機能の有効と無効とを切り替える操作であり、前記相反する前記変更操作は、前記他の前記変更操作で前記機能を有効にすることによって前記作業の品質が向上した場合に前記機能を無効にする前記変更操作であってもよい。
【0024】
基板作業装置が備える機能を有効にすることによって作業の品質が向上した場合に、当該機能を無効にすることは、作業の品質が向上した変更操作と相反する変更操作であるといえる。
【0025】
(10)本発明の一局面によれば、前記新たに取得された前記操作ログによって示される前記変更操作が、前記作業の品質が向上したことを示す前記品質情報が付加されている他の前記操作ログによって示される前記変更操作と類似する場合に、当該他の前記操作ログの前記変更後成功率が基準値未満である場合は、前記変更操作を行っているオペレータに、前記作業の成功率が前記基準値に満たない可能性があることを報知する第2の報知工程を含んでもよい。
【0026】
作業の成功率が向上した変更操作と類似する変更操作は、作業の成功率が向上する可能性がある。しかしながら、作業の成功率が向上したとしても、変更後の成功率が基準値に満たない場合は、十分な品質の向上が見込めない。
上記の操作ログ管理方法によると、類似する他の操作ログによって示される変更操作の変更後成功率が基準値に満たない場合は、オペレータが行った変更操作では作業の成功率が基準値に満たない可能性があることをオペレータに報知するので、オペレータが変更操作をやり直すことにより、作業の成功率が基準値に達する可能性が高くなる。
【0027】
(11)本発明の一局面によれば、前記記憶部に記憶されている複数の前記操作ログによって示される前記変更操作を表示部に時系列で表示することにより、前記変更操作を事後的に再生する再生工程を含んでもよい。
【0028】
従来、変更操作の操作ログを記憶し、変更操作に起因するトラブルが発生した場合に、操作ログを解析して原因を特定することが行われている。しかしながら、従来は記憶されている操作ログをそのまま解析していたため、原因の特定に時間を要していた。また、操作ログを解析するためには操作ログのデータフォーマットを理解している必要があり、データフォーマットを理解していない場合は更に時間を要していた。
上記の操作ログ管理方法によると、操作ログによって示される変更操作を表示部に表示することによって変更操作を再生するので、操作ログをそのまま解析する場合に比べ、トラブルの原因となった変更操作を特定することが容易になる。
【0029】
(12)本発明の一局面によれば、前記取得工程で前記操作ログが取得される毎に、取得された前記操作ログによって示される前記変更操作を表示部に表示することにより、前記変更操作をリアルタイムで再生する再生工程を含んでもよい。
【0030】
上記の再生方法によると、変更操作をリアルタイムで再生するので、オペレータによる変更操作を監視する監視者が、再生された変更操作をリアルタイムで監視し、作業の品質が低下する変更操作であると判断した場合はオペレータにその旨を伝えることにより、作業の品質が低下する可能性を低減できる。
【0031】
本明細書によって開示される発明は、装置、方法、これらの装置または方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現できる。
【発明の効果】
【0032】
オペレータによって行われた変更操作によって作業の品質が低下することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図5】操作ログ管理装置の電気的構成を示すブロック図
【
図9】フィーダ減速設定画面の操作系テーブルの模式図
【
図12】実施形態2に係る部品情報設定画面の操作系テーブルの模式図
【発明を実施するための形態】
【0034】
<実施形態1>
実施形態1を
図1ないし
図11に基づいて説明する。以降の説明では
図2に示す左右方向をX軸方向、前後方向をY軸方向、
図3に示す上下方向をZ軸方向という。また、以降の説明では
図1に示す右側を上流側、左側を下流側という。また、以降の説明では同一の構成要素には一部を除いて図面の符号を省略している場合がある。
【0035】
(1)基板生産設備
図1を参照して、基板に部品を実装する基板生産設備1について説明する。基板生産設備1は、基板に部品を実装する生産ライン2、操作ログ管理装置3、及び、1つ以上の変更支援装置4(
図1に示す例では2つ)を備えており、これらがLAN(Local Area Network)などの通信ネットワーク5を介して通信可能に接続されている。
図1に示す例では生産ライン2が1ラインのみであるが、基板生産設備1は生産ライン2を複数備えてもよい。1つの生産ライン2は基板を搬送する基板搬送レーンを1レーンだけ備えていてもよいし、複数レーン備えていてもよい。
【0036】
生産ライン2はローダー10、スクリーン印刷機11、印刷検査機12、ディスペンサ13、複数台の表面実装機14、実装後外観検査機15、リフロー装置16、硬化後外観検査装置17、アンローダー18などの複数の設備を備えており、これらの設備が複数のコンベア19を介して直列に接続されている。これらの設備はそれぞれ基板作業装置の一例である。各設備はそれぞれ当該設備の動作を変更するための操作部を備えている。オペレータは操作部に表示される画面を操作することによって設備の動作を変更できる。
【0037】
変更支援装置4は、生産ライン2を構成している各設備の動作をリモートで変更するための装置である。前述したようにオペレータは各設備が備える操作部で設備の動作を変更することができるが、変更支援装置4の表示部53(
図5参照)に表示される画面を操作することによって設備の動作をリモートで変更することもできる。
【0038】
操作ログ管理装置3は、各設備の操作部や変更支援装置4で行われた画面操作の操作ログを管理する装置である。画面操作は変更操作の一例である。詳しくは後述するが、操作ログ管理装置3は、各設備の操作部や変更支援装置4で行われた画面操作の操作ログを記憶する機能や、基板に部品を実装する作業の品質が低下する可能性がある画面操作が行われた場合にオペレータに報知する機能などを有している。
【0039】
上述したように生産ライン2を構成する設備にはローダー10、スクリーン印刷機11、印刷検査機12、ディスペンサ13、表面実装機14などの各種の設備があるが、以降の説明では設備として表面実装機14を例に説明する。
【0040】
(2)表面実装機の構成
図2を参照して、表面実装機14の構成について説明する。表面実装機14はスクリーン印刷機11によって回路が印刷された基板Pに電子部品などの部品Eを実装(作業の一例)する装置である。表面実装機14は基台20、搬送コンベア21、図示しないバックアップ装置、4つのテープ部品供給装置22、ヘッドユニット24、ヘッド移動部25などを備えている。表面実装機14は後述する制御部30(
図4参照)や操作部31(
図4参照)なども備えている。
【0041】
基台20は平面視長方形である。
図2において二点鎖線で示す矩形枠Aは基板Pに部品Eを実装するときの作業位置(以下、作業位置Aという)を示している。
【0042】
搬送コンベア21は基板PをX軸方向の上流側から作業位置Aに搬入し、作業位置Aで部品Eが実装された基板Pを下流側に搬出する。搬送コンベア21はX軸方向に循環駆動する一対のコンベアベルト21A及び21B、それらのコンベアベルトを駆動するコンベア駆動モータ44(
図4参照)などを備えている。後側のコンベアベルト21AはY軸方向に移動可能であり、基板Pの幅に応じて2つのコンベアベルト21Aと21Bとの間隔を調整できる。
【0043】
図示しないバックアップ装置は作業位置Aの下方に配されている。バックアップ装置は複数のバックアップピンを備えている。作業位置Aに基板Pが搬送されるとバックアップ装置が上昇し、複数のバックアップピンによって基板Pが下から支持される。
テープ部品供給装置22は搬送コンベア21のY軸方向の両側においてX軸方向に並んで2箇所ずつ、計4箇所に配されている。これらのテープ部品供給装置22には複数のフィーダ23がX軸方向に横並び状に整列してセットされている。以降の説明では各フィーダ23がセットされている位置をそのフィーダ23のセット位置という。
【0044】
各フィーダ23は所謂テープフィーダであり、複数の部品Eが収容された部品テープが巻回されたリール、及び、リールから部品テープを引き出す電動式のテープ送出装置等を備えており、搬送コンベア21側の端部に設けられた部品供給位置から部品Eを一つずつ供給する。
ここでは部品供給装置としてテープ部品供給装置22を例に説明するが、部品供給装置は部品Eが載置されているトレイを供給する所謂トレイフィーダであってもよいし、半導体ウェハを供給するものであってもよい。
【0045】
ヘッドユニット24は一列に配列されている複数の実装ヘッド28を備えている。ヘッドユニット24の構成については後述する。
ヘッド移動部25はヘッドユニット24を所定の可動範囲内でX軸方向及びY軸方向に移動させるものである。ヘッド移動部25はヘッドユニット24をX軸方向に往復移動可能に支持しているビーム26、ビーム26をY軸方向に往復移動可能に支持している一対のY軸ガイドレール27、ヘッドユニット24をX軸方向に往復移動させるX軸サーボモータ40、ビーム26をY軸方向に往復移動させるY軸サーボモータ41などを備えている。
【0046】
図3を参照して、ヘッドユニット24について説明する。ヘッドユニット24は一列に配列されている複数の実装ヘッド28、各実装ヘッド28を個別に昇降させるZ軸サーボモータ42(
図4参照)、複数の実装ヘッド28を軸周りに一斉に回転させるR軸サーボモータ43(
図4参照)などを有している。
【0047】
実装ヘッド28は部品Eを吸着及び解放するものであり、ノズルシャフト28Aと、ノズルシャフト28Aの下端部に着脱可能に取り付けられている吸着ノズル28Bとを有している。吸着ノズル28Bにはノズルシャフト28Aを介して図示しない空気供給装置から負圧及び正圧が供給される。吸着ノズル28Bは負圧が供給されることによって部品Eを吸着し、正圧が供給されることによってその部品Eを解放する。
ここでは複数の実装ヘッド28が一列に配列されているインライン型のヘッドユニット24を例に説明するが、ヘッドユニット24は例えば複数の実装ヘッド28が円周上に配列された所謂ロータリーヘッドであってもよい。
【0048】
図4を参照して、表面実装機14の電気的構成について説明する。表面実装機14は制御部30及び操作部31を備えている。制御部30は演算処理部32、モータ制御部33、記憶部34、外部入出力部35、フィーダ通信部36、通信部37などを備えている。
【0049】
演算処理部32はCPU、RAMなどを備えており、記憶部34に記憶されている制御プログラムを実行することによって表面実装機14の各部を制御する。
モータ制御部33は演算処理部32の制御の下でX軸サーボモータ40、Y軸サーボモータ41、Z軸サーボモータ42、R軸サーボモータ43、コンベア駆動モータ44などの各モータの運転、停止及び回転速度を制御する。
【0050】
記憶部34は電源をオフにしてもデータが消えない書き換え可能な記憶媒体(ハードディスク等)を有する記憶装置であり、各種のプログラムやデータが記憶されている。各種のデータには生産が予定されている基板Pの種類(基板名)、各種類の基板Pを生産する順序、生産する枚数、各基板Pの基板データ、各基板Pに実装する部品Eの種類(部品名)、各部品Eを実装する順序、各部品Eの装着位置、装着角度、各部品Eの部品データなどが含まれる。
【0051】
外部入出力部35はいわゆるインターフェースであり、表面実装機14の本体に設けられている各種センサ類45から出力される検出信号が取り込まれるように構成されている。また、外部入出力部35は演算処理部32から出力される制御信号に基づいて各種アクチュエータ類46に対する動作制御を行うように構成されている。
フィーダ通信部36はフィーダ23に接続されており、フィーダ23を統括して制御する。
【0052】
通信部37は通信ネットワーク5に接続されている他の機器と通信するための回路である。
操作部31は液晶ディスプレイなどの表示装置31Aと、タッチパネルなどの入力装置31Bとを備えている。作業者は操作部31を操作して表面実装機14の動作の変更や動作の指示などを行うことができる。
【0053】
(3)操作ログ管理装置及び変更支援装置の電気的構成
操作ログ管理装置3の電気的構成と変更支援装置4の電気的構成とは実質的に同一であるのでここでは操作ログ管理装置3を例に説明する。
図5を参照して、操作ログ管理装置3の電気的構成について説明する。操作ログ管理装置3は所謂パーソナルコンピュータであり、CPU50(制御部の一例)、RAM51、記憶部52、表示部53、操作部54、通信部55などを備えている。
【0054】
記憶部52は電源をオフにしてもデータが消えない書き換え可能な記憶媒体(ハードディスク等)を有する記憶装置であり、各種のプログラムやデータが記憶されている。操作ログ管理装置3の場合、各種のプログラムには操作ログを管理するための操作ログ管理プログラムが含まれる。また、操作ログ管理装置3の場合、各種のデータには後述する遷移系テーブル、操作系テーブル、部品情報テーブルなどが含まれる。変更支援装置4の場合、各種のプログラムには後述する動作変更プログラムが含まれる。
表示部53は例えば液晶ディスプレイである。操作部54はキーボード、タッチパネル、マウスなどで構成されている。通信部55はCPU50が通信ネットワーク5を介して他の装置と通信するための回路である。
【0055】
(4)操作画面
図6を参照して、各設備の動作の変更を行うための操作画面について説明する。前述したように各設備の動作の変更は各設備が備える操作部で行うこともできるし、変更支援装置4で行うこともできる。各設備が備える操作部で変更を行う場合と変更支援装置4で変更を行う場合とでは操作画面の画面遷移が一部異なる。ここでは変更支援装置4で変更を行う場合を例に説明する。
【0056】
オペレータが変更支援装置4で動作変更プログラムを起動すると設備選択画面60が表示される。設備選択画面60は、生産ライン2の選択、及び、選択した生産ライン2を構成している設備の中から動作の変更の対象となる設備の選択を受け付ける画面である。以降の説明では設備として表面実装機14が選択されたものとして説明する。
なお、各設備が備える操作部で変更を行う場合は、設備選択画面60は表示されず、メニュー画面61が表示される。各設備が備える操作部で変更を行う場合はその設備とその設備が属する生産ライン2とが自動で選択される。
【0057】
オペレータが設備選択画面60で設備を選択するとメニュー画面61が表示される。設備として表面実装機14を選択した場合、メニュー画面61には部品情報設定、フィーダ減速設定、設備設定などのメニュー項目が表示される。なお、メニュー画面61に表示されるメニュー項目は選択した設備の種類によって異なる。
【0058】
メニュー画面61でオペレータが部品情報設定を選択すると、部品Eの種類の選択を受け付ける部品選択画面62が表示される。部品選択画面62でオペレータが部品Eの種類を選択すると部品情報設定画面63が表示される。部品情報設定画面63は、選択された部品Eに関する各種の情報を変更するための画面である。
具体的には、
図6に示す例では、ノズル下降減速率、ノズル上昇減速率、ノズル下降量などが変更される。ノズル下降減速率は、選択された部品Eを吸着するために吸着ノズル28Bを下降させるときに標準の下降速度の何%分だけ下降速度を遅くするかが設定される設定項目である。ノズル上昇減速率は、部品Eを吸着した後に吸着ノズル28Bを上昇させるときに標準の上昇速度の何%分だけ上昇速度を遅くするかが設定される設定項目である。ノズル下降量は、部品Eを吸着するときに吸着ノズル28Bを下降させる量が設定される設定項目である。例えば、ノズル下降量が小さい場合は、吸着ノズル28Bの先端と部品Eとの間に隙間が生じることによって吸着に失敗することがある。逆に、ノズル下降量が大きいと吸着ノズル28Bが部品Eを押し込むことになるので部品破損に繋がり易い。
【0059】
メニュー画面61でオペレータがフィーダ減速設定を選択すると、フィーダ減速設定画面64が表示される。フィーダ減速設定画面64は、フィーダ23によって部品テープを送り出すときの送り出し速度を標準の送り出し速度の何%分だけ遅くするかを示す減速率を、フィーダ23がセットされているセット位置毎に変更するための画面である。
【0060】
メニュー画面61でオペレータが設備設定を選択すると、設備設定画面65が表示される。表面実装機14は、テープ部品供給装置22に間違った部品テープがセットされた場合に、基板Pに間違った部品Eが搭載されることを防止する機能(誤搭載防止機能)を有している。表面実装機14の設備設定画面65では、誤搭載防止機能の有効/無効を変更できる。
図6では省略しているが、各操作画面には終了ボタンなどの各種のボタンも表示される。
【0061】
(5)操作ログ
図7から
図10を参照して、操作ログについて説明する。表面実装機14あるいは変更支援装置4は、部品情報設定画面63、フィーダ減速設定画面64、設備設定画面65などの操作画面が操作される毎に、その操作の操作ログを操作ログ管理装置3に送信する。操作ログ管理装置3は表面実装機14あるいは変更支援装置4から送信された操作ログを受信することによって操作ログを取得する(取得工程の一例)。
【0062】
操作ログには、画面遷移のログである遷移系ログと、各画面で行われた操作のログである操作系ログとがある。操作ログ管理装置3の記憶部52には、遷移系ログが登録されるデータテーブルである遷移系テーブル(
図7参照)と、操作系ログが登録されるデータテーブルである操作系テーブル(
図8参照)とが記憶されている。これらのテーブルに操作ログを登録することは、操作ログを記憶部52に記憶させる記憶工程の一例である。
【0063】
図7を参照して、遷移系テーブルについて説明する。遷移系テーブルは、データ項目として操作ID、画面ID、時刻(開始時刻、終了時刻)、生産ライン番号、及び、設備番号を有している。
【0064】
操作IDは、各操作画面が表示される毎に付与される。例えば部品情報設定画面63が表示されると、部品情報設定画面63の表示に対して一意の操作IDが付与される。オペレータが部品情報設定画面63で変更を行って部品情報設定画面63を閉じた後に再度部品情報設定画面63を表示させた場合は、新たに表示された部品情報設定画面63に対して別の操作IDが付与される。
【0065】
画面IDは、表示した操作画面に付与されている画面IDが登録されるデータ項目である。画面IDは数字やアルファベットなどからなる文字コードであるが、理解を容易にするため、
図7では画面名をそのまま画面IDとして示している。
時刻は操作画面が表示された時刻(開始時刻)、及び、操作画面が閉じられた時刻(終了時刻)が登録されるデータ項目である。
【0066】
生産ライン番号は、設備選択画面60で選択された生産ライン2に付与されている番号(設備が備える操作部で変更を行っている場合はその設備が属する生産ライン2の番号)が登録されるデータ項目である。
設備番号は、設備選択画面60で選択された設備の設備番号(設備が備える操作部で変更を行っている場合はその設備の設備番号)が登録されるデータ項目である。
【0067】
図8から
図10を参照して、操作系テーブルについて説明する。操作系テーブルは操作画面毎に設けられている。
図8に示す操作系テーブルは部品情報設定画面63の操作系テーブルである。部品情報設定画面63の操作系テーブルは、データ項目として操作ID、部品ID、設定項目ID、設定値(変更前)、設定値(変更後)及びトラブルフラグ(品質情報の一例)を有している。
【0068】
部品IDには前述した部品選択画面62で選択された部品Eの部品IDが登録される。
操作IDは前述した操作IDと同じである。例えば部品情報設定画面63を表示して設定値を変更すると、操作IDにはそのとき表示した部品情報設定画面63に付与されている操作IDと同じ操作IDが登録される。これにより操作画面と操作とが関連付けられる。
【0069】
設定項目IDは、設定値が変更された設定項目に付与されているIDである。理解を容易にするため、
図8では設定項目名をそのまま設定項目IDとして示している。
設定値(変更前)は、部品情報設定画面63で設定値が変更された場合に、変更前の設定値が登録されるデータ項目である。
設定値(変更後)は変更後の設定値が登録されるデータ項目である。
【0070】
トラブルフラグは、トラブルの原因となった画面操作であるか否かを示すデータ項目である。例えばある設定項目Aの設定値をBからCに変更して基板Pを生産した場合に、生産中にトラブルが発生したとする。そして、オペレータがトラブルの原因を調査した結果、上述した設定項目Aの設定値をBからCに変更したことが原因であったとする。この場合、オペレータは設定項目Aの設定値をBからCに変更した操作の操作ログのトラブルフラグに、トラブルの原因となった画面操作であることを示す値を設定する(付加工程の一例)。トラブルフラグの値は0又は1である。1はトラブルの原因となった画面操作であることを示しており、0はトラブルの原因となった画面操作ではないことを示している。1はトラブルが発生したことを示す品質情報の一例である。トラブルフラグのデフォルト値は0である。
【0071】
図9に示す操作系テーブルはフィーダ減速設定画面64の操作系テーブルである。フィーダ減速設定画面64の操作系テーブルは、データ項目として操作ID、セット位置番号、設定値(変更前)、設定値(変更後)及びトラブルフラグを有している。
【0072】
図10に示す操作系テーブルは設備設定画面65の操作系テーブルである。設備設定画面65の操作系テーブルは、データ項目として操作ID、機能ID、設定値(変更前)、設定値(変更後)及びトラブルフラグを有している。機能IDは各設備が備える機能に付されている番号である。理解を容易にするため、
図10では機能名をそのまま機能IDとして示している。
【0073】
(7)操作ログ管理方法
操作ログ管理装置3は、オペレータが画面操作を行っている装置(変更支援装置4又は各設備の操作部)から操作ログを取得すると、取得した操作ログを遷移系テーブル及び操作系テーブルに登録するとともに、その操作ログによって示される画面操作が、トラブルの原因となる可能性がある画面操作であるか否かを、遷移系テーブル及び操作系テーブルに登録されている他の操作ログに基づいて判断する(判断工程の一例)。
【0074】
具体的には、操作ログ管理装置3は、取得した操作ログによって示される画面操作が、トラブルフラグに1が設定されている他の操作ログによって示される画面操作(言い換えるとトラブルの原因となった画面操作)と類似するか否かを判断し、類似する場合に、トラブルの原因となる可能性がある画面操作であると判断する。
上述した画面操作の類似には、設定値の差の絶対値が所定値以下である場合と、画面操作が同じである場合とがある。以下、それぞれについて説明する。
【0075】
(7-1)設定値の差の絶対値が所定値以下である場合
例えば
図8に示す例では、オペレータが部品Eaのノズル下降量を3.31mmから3.34mmに変更したことが原因でトラブルが生じ、ノズル下降量を3.34mmに変更したときの操作ログのトラブルフラグに1が設定されている。その場合に、オペレータが、部品Eaと形状が類似する別の種類の部品Ebについて、ノズル下降量の設定値を3.34mmに近い値である3.33mmに変更したとする。この場合、変更後の設定値3.33mmは、部品Ebと形状が類似する部品Eaでトラブルの原因となった設定値3.34mmに近い値であるため、トラブルの原因となる可能性がある。
【0076】
このため、操作ログ管理装置3は、形状が類似する部品Eの操作ログのうちトラブルフラグに1が設定されている操作ログの変更後の設定値との差の絶対値が所定値以下である場合は、トラブルの原因となった画面操作と類似する画面操作であると判断する。
【0077】
先ず、部品Eの類似について説明する。操作ログ管理装置3の記憶部52には各種類の部品Eの形状を表す図示しない部品情報テーブルが記憶されている。理解を容易にするため、ここでは部品Eの形状は直方体であるとする。
図11に示すように、ここでは部品Eの左右方向の幅を寸法X,前後方向の幅を寸法Y,上下方向の幅を厚さZと定義する。図示しない部品情報テーブルには、部品Eの形状を表すデータとして、各種類の部品Eの寸法X,Y,Zが登録されている。
【0078】
以下の表1に示すように、操作ログ管理装置3には類似の基準となる交差が設定されている。表1に示す例では寸法Xの交差として±30%、寸法Yの交差として±20%、厚さの交差として±10%が変更されている。操作ログ管理装置3は、ある部品Ebの寸法X、Y、Zに対する別の部品Eaの寸法X、Y、Zの差が全て交差以内であれば、部品Ebは部品Eaに類似していると判断する。
【表1】
【0079】
操作ログ管理装置3は、ある部品Ebのある設定項目(ここでは設定項目Dという)の設定値を変更する画面操作が行われてその画面操作の操作ログ(新たに取得された操作ログの一例)を取得すると、部品Ebと形状が類似する部品Eを部品情報テーブルから検索する。そして、例えば部品Ebと形状が類似する部品Eとして部品Eaが検索された場合、操作ログ管理装置3は、過去に部品Eaの設定項目Dの設定値を変更した操作ログの中に、トラブルフラグに1が設定されている操作ログがあるか否かを判断する。
【0080】
操作ログ管理装置3は、トラブルフラグに1が設定されている操作ログがある場合は、部品Ebの変更後の設定値と、トラブルフラグに1が設定されている操作ログの変更後の設定値との差の絶対値が所定値以下であるか否かを判断する。所定値は固定で設定されていてもよいし、類似する部品Eaの変更後の設定値の所定%に相当する値であってもよい。操作ログ管理装置3は、上述した差の絶対値が所定値以下である場合は、トラブルの原因となった画面操作と類似する画面操作であると判断する。
【0081】
操作ログ管理装置3は、トラブルの原因となった画面操作と類似する画面操作であると判断した場合は、オペレータが画面操作を行っている装置(変更支援装置4又は各設備の操作部)に、トラブルの原因となる可能性がある画面操作(言い換えると作業の品質が低下する可能性がある画面操作)であることを示すメッセージを送信する。当該装置は、メッセージを受信すると、受信したメッセージを画面に表示する。これによりオペレータに報知する。オペレータへの報知は音声によって行われてもよい。
ここでは部品情報設定画面63を例に説明したが、フィーダ減速設定画面64についても同様である。
【0082】
(7-2)画面操作が同じである場合
例えば、オペレータが設備選択画面60である表面実装機14を選択し、設備設定画面65で誤搭載防止機能を有効から無効に変更したとする。この場合、操作ログ管理装置3は、選択された設備と類似する設備の操作ログの中から、誤搭載防止機能を有効から無効にする操作を行った操作ログ(言い換えると同じ画面操作を行った操作ログ)を抽出する。ここで、選択された設備と類似する設備とは、例えば選択された設備が表面実装機14である場合は、類似する設備には、選択された表面実装機14自体の他、他の全ての表面実装機14が含まれる。他の設備についても同様である。
【0083】
操作ログ管理装置3は、抽出した操作ログ(類似する設備において誤搭載防止機能を有効から無効にする操作を行った操作ログ)の中にトラブルフラグが1である操作ログがあるか否かを判断し、トラブルフラグが1である操作ログがある場合は、トラブルの原因となった画面操作と同じ画面操作であると判断する。操作ログ管理装置3は、トラブルの原因となった画面操作と同じ画面操作であると判断した場合は、オペレータが画面操作を行っている装置に、トラブルが発生する可能性がある画面操作であることを示すメッセージを送信する。
【0084】
(8)実施形態の効果
実施形態1に係る操作ログ管理方法によると、新たに取得された操作ログによって示される画面操作が、トラブルが発生する可能性がある画面操作(言い換えると作業の品質が低下する可能性がある画面操作)であるか否かを、他の操作ログに基づいて判断する。このため、トラブルが発生する可能性がある画面操作であると判断した場合は、トラブルが発生する可能性が低下するようにオペレータが画面操作をやり直すことにより、トラブルが発生することを抑制できる。このため、オペレータによって行われた画面操作によってトラブルが発生することを抑制できる。
【0085】
上記の操作ログ管理方法によると、トラブルが発生する可能性がある画面操作であると判断した場合は、画面操作を行っているオペレータにトラブルが発生する可能性がある画面操作であることを報知するので、報知されたオペレータが、トラブルが発生する可能性が低下するように画面操作をやり直すことにより、トラブルが発生することを抑制できる。
【0086】
上記の操作ログ管理方法によると、トラブルフラグに1が設定されている操作ログ(すなわち作業の品質が低下したことを示す品質情報が付加されている操作ログ)によって示される画面操作と類似する画面操作であるか否かを判断することにより、トラブルが発生する可能性がある画面操作であるか否かを判断できる。
【0087】
上記の操作ログ管理方法によると、新たに取得された操作ログによって示される画面操作の変更後の設定値と、トラブルフラグに1が設定されている他の操作ログによって示される画面操作の変更後の設定値との差の絶対値が所定値以下であるか否かを判断することにより、他の操作ログによって示される画面操作と類似する画面操作であるか否かを判断できる。
【0088】
上記の操作ログ管理方法によると、新たに取得された操作ログによって示される画面操作の変更後の設定値が、トラブルフラグに1が設定されている他の操作ログによって示される画面操作の変更後の設定値と同じであるか否かを判断することにより、他の操作ログによって示される画面操作と類似する画面操作であるか否かを判断できる。
【0089】
上記の操作ログ管理方法によると、品質情報は、画面操作に起因して作業でトラブルが発生したか否かを示す情報であり、作業の品質が低下したことを示す品質情報は、トラブルが発生したことを示す品質情報であるので、画面操作に起因してトラブルが発生することを抑制できる。
【0090】
<実施形態2>
実施形態2に係る操作ログ管理装置3は、基板Pに部品Eを実装する作業の品質が向上した画面操作と相反する画面操作が行われた場合に、作業の品質が低下する可能性がある画面操作であることをオペレータに報知する(第1の報知工程の一例)。以下の説明では、作業の品質として、吸着ヘッドによって部品Eを吸着するときの吸着率(吸着を試みた回数に対する吸着に成功した回数の割合)、及び、正常搭載率(搭載を試みた回数に対する部品Eを間違えずに搭載できた回数の割合)を例に説明する。吸着率及び正常搭載率は作業の成功率の一例である。
【0091】
図12に示す操作系テーブルは部品情報設定画面63の操作系テーブルである。実施形態2に係る部品情報設定画面63の操作系テーブルは、実施形態1に係る操作系テーブルのトラブルフラグに替えて吸着率(変更前吸着率、変更後吸着率)を有している。
図12に示す部品Eaの場合、ノズル下降量を3.31mmから3.34mmに変更すると吸着率が99.93%から99.96%に向上している。この場合、ノズル下降量を3.31mmより大きくすることによって吸着率が向上していることから、ノズル下降量を3.31mmより小さくすると吸着率が低下する可能性が高い。このため、部品Eaと形状が類似する部品Eについて、設定値を3.31mm(変更前に比べて設定値を大きくすることによって作業の品質が向上した他の画面操作の変更前の設定値)より小さくする画面操作が行われたとすると、その画面操作は、吸着率が向上した他の画面操作と相反する画面操作であるといえる。設定値を3.31mmより小さくする画面操作は、作業の品質が低下する方向の画面操作ということもできる。
【0092】
図12に示す部品Ecの場合、ノズル下降量を3.33mmから3.29mmに変更すると吸着率が99.90%から99.91%に向上している。この場合、ノズル下降量を3.33mmより小さくすることによって吸着率が向上していることから、ノズル下降量を3.33mmより大きくすると吸着率が低下する可能性が高い。このため、部品Ecと形状が類似する部品Eについて、設定値を3.33mmより大きくする画面操作が行われたとすると、変更前に比べて設定値を小さくすることによって吸着率が向上した他の画面操作の変更前の設定値より大きい設定値に変更されることから、その画面操作は、吸着率が向上した他の画面操作と相反する画面操作であるといえる。設定値を3.33mmより大きくする画面操作は、作業の品質が低下する方向の画面操作ということもできる。
【0093】
図13に示す操作系テーブルは設備設定画面65の操作系テーブルである。実施形態2に係る設備設定画面65の操作系テーブルもトラブルフラグに替えて作業の品質(変更前正常搭載率、変更後正常搭載率)を有している。
図13に示すID006の画面操作の場合、誤搭載防止機能を無効から有効に変更すると正常搭載率が99.94%から99.97%に向上している。このため、誤搭載防止機能を有効から無効にする画面操作が行われたとすると、その画面操作は、正常搭載率が向上した他の画面操作と相反する画面操作であるといえる。機能を有効から無効にする変更も、作業の品質が低下する方向の画面操作ということができる。
【0094】
実施形態2に係る操作ログ管理装置3は、作業の品質が低下する方向の画面操作が行われた場合は、オペレータが画面操作を行っている装置(変更支援装置4又は各設備の操作部)に、作業の品質が低下する可能性がある画面操作であることを示すメッセージを送信する。
【0095】
ここで、
図12に示す部品Ecの場合、ノズル下降量を3.33mmから3.29mmに変更すると吸着率が99.90%から99.91%に向上している。しかしながら、例えば吸着率の基準値が99.95%であるとすると、変更後の吸着率は基準値未満である。この場合に、オペレータが、部品Ecと形状が類似する部品Eについて、ノズル下降量を3.33mmより小さい設定値である3.30mmに変更したとする。この画面操作は作業の品質が低下する方向の画面操作ではないが、3.29mmと近い値であるので、吸着率が基準値に満たない可能性がある。このため、操作ログ管理方法は、作業の品質が低下する方向の画面操作ではなくても、変更後の設定値と3.29mmとの差の絶対値が所定値未満である場合は、作業の成功率(吸着率)が基準値に満たない可能性があることをオペレータに報知する(第2の報知工程の一例)。
【0096】
実施形態2に係る操作ログ管理方法によると、作業の品質(吸着率、正常搭載率)が向上したことを示す品質情報が付加されている操作ログ(変更後吸着率が変更前吸着率より高い操作ログ、あるいは、変更後正常搭載率が変更前正常搭載率より高い操作ログ)によって示される画面操作と相反する画面操作であるか否かを判断することにより、作業の品質が低下する可能性がある画面操作であるか否かを判断できる。
【0097】
上記の操作ログ管理方法によると、品質情報は、動作を変更する前の作業の成功率を示す変更前成功率(変更前吸着率、変更前正常搭載率)と、動作を変更した後の作業の成功率を示す変更後成功率(変更後吸着率、変更後正常搭載率)とを示す情報であり、作業の品質が向上したことを示す品質情報は、変更後成功率が変更前成功率より高い品質情報であるので、作業の品質が向上したことを示す品質情報であるか否かを判断できる。
【0098】
上記の操作ログ管理方法によると、相反する画面操作は、変更前に比べて設定値を大きくすることによって作業の品質が向上した他の画面操作の変更前の設定値より小さい設定値に変更する画面操作、及び、変更前に比べて設定値を小さくすることによって作業の品質が向上した他の画面操作の変更前の設定値より大きい設定値に変更する画面操作の少なくとも一方である。変更前の設定値より大きくすることによって作業の品質が向上した場合に、当該変更前の設定値より小さくすることは、作業の品質が向上した画面操作と相反する画面操作であるといえる。逆に、変更前の設定値より小さくすることによって作業の品質が向上した場合に、当該変更前の設定値より大きくすることは、作業の品質が向上した画面操作と相反する画面操作であるといえる。
【0099】
上記の操作ログ管理方法によると、相反する画面操作は、他の画面操作で誤搭載防止機能を有効にすることによって正常搭載率(作業の品質、作業の成功率)が向上した場合に誤搭載防止機能を無効にする画面操作である。誤搭載防止機能を有効にすることによって作業の品質が向上した場合に、誤搭載防止機能を無効にすることは、作業の品質が向上した画面操作と相反する画面操作であるといえる。
【0100】
上記の操作ログ管理方法によると、オペレータが画面操作を行った場合に、その画面操作と類似する他の画面操作の変更後の作業の成功率(吸着率、正常搭載率)が基準値に満たない場合は、作業の成功率が基準値に満たない可能性があることをオペレータに報知するので、オペレータが画面操作をやり直すことにより、作業の成功率が基準値に達する可能性が高くなる。
【0101】
<実施形態3>
実施形態3に係る操作ログ管理装置3は、操作ログに基づいて、オペレータが行った画面操作を表示部53に時系列で表示することによって画面操作を再生する。
図14を参照して、操作ログに基づく画面操作の再生について説明する。操作ログ管理装置3は、画面操作の再生が指示されると、
図14に示す画面操作再生画面70を表示する。画面操作再生画面70には、開始時刻70A、終了時刻70B、生産ライン番号70C、設備番号70D、再生形式選択欄70E(ライブ又は履歴)、再生/停止ボタン70F、巻き戻しボタン70G、早送りボタン70Hなどが表示される。
【0102】
開始時刻70A及び終了時刻70Bは、何時から何時までの間に行われた画面操作を再生するかが指定される項目である。
生産ライン番号70Cは、画面操作の再生の対象とする生産ライン2の番号が指定される項目である。
【0103】
設備番号70Dは、指定された生産ライン2を構成している設備のうち、画面操作の再生の対象とする設備の設備番号が指定される項目である。設備番号には「全て」を指定することもできる。「全て」を指定した場合は、指定した生産ライン番号によって示される生産ライン2を構成している全ての設備に対して行われた画面操作が再生の対象となる。
再生形式選択欄70Eは、オペレータが行っている画面操作をリアルタイムで再生(ライブ再生)するか、または、過去に行われた画面操作を事後的に再生(履歴再生)するかが指定される項目である。
【0104】
画面操作再生画面70でオペレータが再生/停止ボタン70Fを押下すると、遷移系テーブルに登録されている画面IDの順で操作画面が横並びに表示される。画面操作再生画面70には操作時刻が早い操作画面ほど左側に表示される。各操作画面を表示した直後は、各操作画面の各設定項目には変更前の設定値が表示される。各操作画面の上には変更の対象となった設備の設備番号が表示される。
【0105】
(1)履歴再生、及び、ライブ再生
前述したように、画面操作の再生にはライブ再生と履歴再生とがある。以下、それぞれについて説明する。
【0106】
(1-1)履歴再生
履歴再生とは、遷移系ログや操作系ログに基づいて、過去に行われた画面操作を操作ログ管理装置3上で事後的に再生することをいう。例えばトラブルが発生した場合、オペレータは設定値の変更がトラブルの原因であったか否かを判断するために画面操作を履歴再生させる。
具体的には、操作ログ管理装置3は、画面操作再生画面70で指定された条件(開始時刻、終了時刻、生産ライン番号など)に基づいて遷移系テーブルから操作画面IDを抽出し、抽出した操作画面IDによって示される操作画面を、画面操作再生画面70に表示する。そして、操作ログ管理装置3は、操作系テーブルに登録されている操作ログに基づいて、各操作画面で行われた画面操作を時系列で表示する(再生工程の一例)。
【0107】
例えば、
図8に示す操作系ログでは、ID001の画面操作でノズル下降減速率が19%から20%に変更されており、その後にノズル下降量が3.31mmから3.34mmに変更されている。この場合、操作ログ管理装置3は、再生/停止ボタン70Fが押下されると、例えば最初の1秒間は部品選択画面62のノズル下降減速率及びノズル下降量に変更前の値を表示し、1秒が経過するとノズル下降減速率を20%に変更する。そして、更に1秒が経過するとノズル下降量を3.34mmに変更する。これにより画面操作が再生される。
【0108】
ただし、画面操作再生画面70を見ているオペレータは、どの設定項目の設定値が変更されたかが判り難い可能性もある。このため、操作ログ管理装置3は、どの設定項目の設定値が変更されたかを識別可能に表示することが好ましい。具体的には例えば、変更前の設定値を黒色の文字(あるいは数字)で表示し、変更後の設定値を赤色の文字(あるいは数字)で表示してもよい。
【0109】
どの設定項目の設定値が変更されたかを識別可能に表示する方法はこれに限られるものではない。例えば設定値が変更された設定項目の背景色を、設定値が変更されていない設定項目の背景色とは異なる色で表示することによって識別可能に表示してもよいし、設定値が変更された設定項目を赤色の枠で囲むなどによって識別可能に表示してもよい。あるいは、変更後の設定値を赤色の文字(あるいは数字)で、且つ、太字で表示してもよい。
【0110】
(1-2)ライブ再生
ライブ再生とは、遷移系テーブルや操作系テーブルに操作ログが登録される毎に、その操作ログによって示される画面操作を表示部53に表示することをいう(再生工程の一例)。例えば、不慣れなオペレータが間違った画面操作を行わないように監視者がオペレータの画面操作を監視することがある。ライブ再生ではオペレータが画面操作を行って操作ログが登録される毎にその操作ログによって示される画面操作を表示するので、僅かな時間差は生じるものの、監視者はオペレータが行っている画面操作をほぼリアルタイムで監視できる。
【0111】
(2)実施形態の効果
実施形態3に係る操作ログ管理方法によると、操作ログによって示される画面操作を表示部53に表示することによって画面操作を再生するので、操作ログをそのまま解析する場合に比べ、トラブルの原因となった画面操作を特定することが容易になる。
【0112】
上記の操作ログ管理方法によると、画面操作をリアルタイムで再生するので、オペレータによる画面操作を監視する監視者が、再生された画面操作をリアルタイムで監視し、作業の品質が低下する画面操作であると判断した場合はオペレータにその旨を伝えることにより、作業の品質が低下する可能性を低減できる。
【0113】
<他の実施形態>
本明細書によって開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書によって開示される技術的範囲に含まれる。
【0114】
(1)上記実施形態では基板作業装置として表面実装機14を例に説明したが、基板作業装置は表面実装機14に限られない。例えば、基板作業装置はスクリーン印刷機11、印刷検査機12、ディスペンサ13、実装後外観検査機15、リフロー装置16、硬化後外観検査装置17などであってもよい。
【0115】
(2)上記実施形態では、作業の成功率として吸着率を例に説明したが、成功率はこれに限られない。例えば、吸着ノズル28Bによって部品Eを吸着するとき、吸着ノズル28Bに対する部品Eの位置がずれることがある。吸着ノズル28Bに対する部品Eの位置ずれ量が所定値以下である場合を成功と定義した場合、成功率は、吸着ノズル28Bによって部品Eを吸着する動作を複数回行った場合に位置ずれ量が所定値以下であった割合であってもよい。また、例えば、吸着ノズル28Bによって吸着されている部品Eを基板Pに搭載するとき、基板Pに対する部品Eの位置がずれることがある。基板Pに対する部品Eの位置ずれ量が所定値以下である場合を成功と定義した場合、成功率は、吸着ノズル28Bによって吸着されている部品Eを基板Pに搭載する動作を複数回行った場合に位置ずれ量が所定値以下であった割合であってもよい。
【符号の説明】
【0116】
3…操作ログ管理装置
10…ローダー(基板作業装置の一例)
11…スクリーン印刷機(基板作業装置の一例)
12…印刷検査機(基板作業装置の一例)
13…ディスペンサ(基板作業装置の一例)
14…表面実装機(基板作業装置の一例)
15…実装後外観検査機(基板作業装置の一例)
16…リフロー装置(基板作業装置の一例)
17…硬化後外観検査装置(基板作業装置の一例)
18…アンローダー(基板作業装置の一例)
50…CPU(制御部の一例)
52…記憶部
53…表示部