(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022064026
(43)【公開日】2022-04-25
(54)【発明の名称】設置台及び台車
(51)【国際特許分類】
B62B 1/26 20060101AFI20220418BHJP
【FI】
B62B1/26 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020172509
(22)【出願日】2020-10-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】516171573
【氏名又は名称】吉村 正年
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】吉村 正年
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050AA11
3D050BB01
3D050DD01
3D050EE15
3D050GG00
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で運搬時の揺れを抑えて積載物の安定性を向上させる。
【解決手段】設置台11は、設置部11Aと、支持部13とを備える。設置部11Aには、室内機21及び室内機21と共に用いられる室外機22が並べて設置される。支持部13は、設置部11Aに設置された室内機21及び室外機22を支持する。支持部13は、設置部11Aにおいて、室内機21の設置場所と室外機22の設置場所との間に設けられる。支持部13は、1組又は複数組の柱31及び梁32を有する。梁32の第1面は、室内機21に対向する。梁32の第2面は、室外機22に対向する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風機及び前記送風機と共に用いられる排気装置が並べて設置される設置部と、
前記設置部に設置された前記送風機及び前記排気装置を支持する支持部と
を備え、
前記支持部は、前記設置部において、前記送風機の設置場所と前記排気装置の設置場所との間に設けられ、
前記支持部は、1組又は複数組の柱及び梁を有し、
前記梁の第1面が前記送風機に対向し、前記梁の第2面が前記排気装置に対向する、設置台。
【請求項2】
前記支持部は、第1連結部と、第2連結部との少なくとも一方を更に有し、
前記第1連結部は、複数の前記梁のうちの一部又は全部の前記第1面同士が連結され、
前記第2連結部は、複数の前記梁のうちの一部又は全部の前記第2面同士が連結される、請求項1に記載の設置台。
【請求項3】
前記第1面及び前記第1連結部の少なくとも一方が前記送風機と溶接され、前記第2面及び前記第2連結部の少なくとも一方が前記排気装置と溶接される、請求項1又は請求項2に記載の設置台。
【請求項4】
前記送風機及び前記排気装置の少なくとも一方を、前記梁と接続して固定する固定部を更に備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の設置台。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の設置台と、
複数の車輪と、
グリップ部と
を備え、
前記複数の車輪及び前記グリップ部は、前記設置台に取り付けられる、台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設置台及び台車に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、エアコンの室内機及び室外機等の重量物は、台車に積載されて運搬される。
【0003】
特許文献1に記載の運搬台車は、物品の運搬に用いる運搬台車に関し、特に荷台の滑り止め機能と、車輪のストッパー機能を兼ね備える滑り止めストッパーを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の運搬台車を用いて運搬する場合、滑り止め機能で接触面の動きを抑制できても、積載物が揺れて安定が悪くなる。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成で運搬時の揺れを抑えて積載物の安定性を向上させることが可能な設置台及び台車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る設置台は、設置部と、支持部とを備える。前記設置部には、送風機及び前記送風機と共に用いられる排気装置が並べて設置される。前記支持部は、前記設置部に設置された前記送風機及び前記排気装置を支持する。前記支持部は、前記設置部において、前記送風機の設置場所と前記排気装置の設置場所との間に設けられる。前記支持部は、1組又は複数組の柱及び梁を有する。前記梁の第1面は、前記送風機に対向する。前記梁の第2面は、前記排気装置に対向する。
【0008】
本発明に係る台車は、設置台と、複数の車輪と、グリップ部とを備える。前記複数の車輪及び前記グリップ部は、前記設置台に取り付けられる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、簡易な構成で運搬時の揺れを抑えて積載物の安定性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る台車1の構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る設置台11の構成を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る支持部13の構成を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る設置台11を上方から見た図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る設置台11を側面から見た図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る台車111の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0012】
まず、
図1を参照して、本発明の実施形態に係る台車1の構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る台車1の構成を示す図である。
図1には、互いに直交するL軸、W軸及びH軸を記載している。L軸及びW軸は、水平面と平行である。H軸は、鉛直方向と平行(高さ)である。
図2以降の図についても同様である。
【0013】
台車1は、設置台11と、4つの車輪12とを備える。例えば、台車1は、エアコンの室内機21及び室内機21と共に用いられる室外機22を一緒に運搬するために使用される。室内機21は、送風機の一例である。室外機22は、排気装置の一例である。
【0014】
具体的には、設置台11は、設置部11Aを備える。例えば、設置部11Aの一部には、高さを調節するための調節部11Bが設けられる。設置部11A及び調節部11Bは、例えば、複数の金属製フレームを組み合わせて構成される。また、例えば、設置部11A及び調節部11Bの上面には、天板が設けられてもよい。
【0015】
図1では、設置部11Aには、室内機21及び室外機22が、W軸方向に所定の距離を離して並べて設置される。例えば、室内機21は、調節部11Bの上に設置される。室外機22は、設置部11Aの上に設置される。なお、室内機21及び室外機22の設置場所は上記に限定されない。また、設置部11Aには、調節部11Bが設けられなくてもよい。
【0016】
次に、
図1及び
図2を参照して、本発明の実施形態に係る設置台11について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る設置台11の構成を示す図である。説明を簡単にするため、
図2では、調節部11Bが設けられていない設置台11を示す。
【0017】
例えば、室内機21及び室外機22を台車1に積載して運搬すると、室内機21及び室外機22が揺れて安定性が悪くなることがある。
【0018】
本実施形態において、このような室内機21及び室外機22の揺れを抑えるため、設置台11は支持部13を有する。支持部13は、設置部11Aにおいて、室内機21の設置場所と室外機22の設置場所との間に設けられる。
【0019】
次に、
図2及び
図3を参照して、本発明の実施形態に係る支持部13について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る支持部13の構成を示す図である。
【0020】
支持部13は、設置部11Aに設置された室内機21及び室外機22を支持する。具体的には、支持部13は、設置部11Aから伸びる2組の柱31A及び梁32Aと、柱31B及び梁32Bとを有する。柱31A及び柱31Bは、L軸方向に所定の距離を離して設けられる。梁32A及び梁32Bは、例えば、それぞれ、柱31A及び柱31B上部の先端に設けられる。具体的には、梁32A及び梁32Bは、例えば、H軸方向において、室内機21又は室外機22の全高と同じ高さの位置に設けられる。柱31A、31B及び梁32A、32Bは、例えば、金属製フレームである。
【0021】
梁32Aの第1面321Aは、室内機21に対向する。梁32Aの第2面322Aは、室外機22に対向する。また、梁32Bの第1面321Bは、室内機21に対向する。梁32Bの第2面322Bは、室外機22に対向する。第1面321A、321Bは、室内機21に接触していてもよいし、接触していなくてもよい。第2面322A、322Bは、室外機22に接触していてもよいし、接触していなくてもよい。
【0022】
また、支持部13は、第1連結部33Aと、第2連結部33Bとを有する。第1連結部33Aは、例えば、梁32Aの第1面321A、及び梁32Bの第1面321Bを連結する金属製フレームである。第2連結部33Bは、例えば、梁32Aの第2面322A、及び梁32Bの第2面322Bを連結する金属製フレームである。
【0023】
本実施形態において、第1面321A、321B又は第1連結部33Aは、室内機21が運搬時に揺れて動くことを抑制する。第2面322A、322B又は第2連結部33Bは、室外機22が運搬時に揺れて動くことを抑制する。
【0024】
このように、梁32A、梁32B、第1連結部33A及び第2連結部33Bに金属製フレームを用いることで、支持部13を簡易な構成にすることができる。
【0025】
また、このような金属製フレームが組まれた構成により、室内機21及び室外機22の間の空間の通気性が良くなる。これにより、例えば、室内機21及び室外機22が設置台11に積載された状態で使用される場合、室内機21及び室外機22の放熱に有利である。典型的には、室内機21及び室外機22は、室内機21の送風方向と室外機22の排気方向が反対向きになるように設置台11に積載される。
【0026】
更に、室内機21及び室外機22からの配管及びケーブル等を柱31A及び柱31Bにインシュロック等を用いて簡単に固定することができるため、配管及びケーブル等の取り回しが良くなる。
【0027】
次に、
図2~
図4を参照して、本発明の実施形態に係る支持部13による室内機21及び室外機22の支持方法の一例について説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る設置台11を上方から見た図である。
【0028】
例えば、第1連結部33Aは、室内機21との接触面S1が溶接され、室内機21と固定される。また、第2連結部33Bは、室外機22との接触面S2が溶接され、室外機22と固定される。このように、室内機21及び室外機22が台車1に固定されることで、運搬時の揺れを抑えて室内機21及び室外機22の安定性を向上させることができる。
【0029】
なお、本実施形態において、支持部13は、第1連結部33Aと、第2連結部33Bとを有しない構成であってもよい。この場合、例えば、梁32Aの第1面321A、及び梁32Bの第1面321Bが室内機21と溶接され固定される。また、梁32Aの第2面322A、及び梁32Bの第2面322Bが室外機22と溶接され固定される。
【0030】
このように、室内機21及び室外機22が支持部13に固定されることで、運搬時の揺れにより強くなる。
【0031】
また、本実施形態において、梁32A、32B、第1連結部33A及び第2連結部33Bは、室内機21又は室外機22と溶接されなくてもよい。
【0032】
次に、
図5を参照して、本発明の実施形態に係る支持部13による室内機21及び室外機22の支持方法の他の例について説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る設置台11を側面から見た図である。
【0033】
設置台11は、1又は複数の固定部34を備える。
図5では、設置台11の一面に2つの固定部34A、34Bを備える。また、図示しない反対側の面には、同様に2つの固定部34を備る。
【0034】
固定部34Aは、室内機21と梁32Aとを接続して固定する。具体的には、固定部34Aの一方の端が、ネジ35によって室内機21にネジ止めされ、固定部34Aの他方の端が、ネジ35によって梁32Aにネジ止めされる。
【0035】
固定部34Bは、室外機22と梁32Aとを接続して固定する。具体的には、固定部34Bの一方の端が、ネジ35によって室外機22にネジ止めされ、固定部34Aの他方の端が、ネジ35によって梁32Aにネジ止めされる。
【0036】
なお、
図5では、2つの固定部34A、34Bが室内機21及び室外機22とそれぞれ固定される構成としたが、これに限らず、例えば、1つの固定部34で室内機21及び室外機22と梁32Aとが固定される構成であってもよい。
【0037】
具体的には、固定部34の一方の端が、ネジ35によって室内機21にネジ止めされ、固定部34の中央部が、ネジ35によって梁32Aにネジ止めされ、固定部34の他方の端が、ネジ35によって室外機22にネジ止めされる。
【0038】
このように、固定部34を用いることで、溶接するより簡単に室内機21及び室外機22を支持部13に固定することができる。なお、室内機21及び室外機22と支持部13とを溶接し、更に、固定部34が用いられてもよい。
【0039】
本実施形態において、支持部13は、2組の柱31A及び梁32Aと、柱31B及び梁32Bとを有する構成としたが、これに限らず、1組の柱31及び梁32を有する構成であってもよい。また、支持部13は、3組以上の柱31及び梁32を有する構成であってもよい。
【0040】
本実施形態において、支持部13は、第1連結部33A及び第2連結部33Bの両方を有する構成としたが、これに限らず、いずれか一方を有する構成であってもよい。
【0041】
本実施形態において、梁32が設けられる位置は、柱31の上部の先端に限らず、また、室内機21及び室外機22の全高と同じ高さの位置に限らない。
【0042】
例えば、室内機21及び室外機22の上部が蓋である場合、それぞれの蓋と、梁32A、32B、第1連結部33A及び第2連結部33Bとを溶接することで、室内機21及び室外機22のメンテナンス性を低下させることなく、運搬時の安定性を向上させることができる。
【0043】
次に、
図6を参照して、本発明の実施形態に係る台車111について説明する。
図6は、本発明の実施形態に係る台車111の構成を示す図である。
【0044】
台車111は、設置台11と、4つの車輪12と、グリップ部14とを備える。4つの車輪12は、設置台11における設置部11Aの下部に取り付けられる。
【0045】
グリップ部14は、例えば、設置部11Aに取り付けられる。例えば、人がグリップ部14を掴んで力を掛けて台車111を移動させる。また、グリップ部14が台車111に設けられていることで、室内機21及び室外機22を台車111に積載して運搬する場合、室内機21及び室外機22に直接触れることなく台車111を動かして、運搬時における室内機21及び室外機22の揺れを抑えることができる。
図6では、グリップ部14は、設置部11Aに取り付けられているが、支持部13に取り付けられてもよい。
【0046】
以上、図面(
図1~
図6)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、物の運搬の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1、111 :台車
11 :設置台
11A :設置部
11B :調節部
12 :車輪
13 :支持部
14 :グリップ部
21 :室内機
22 :室外機
31、31A、31B :柱
32、32A、32B :梁
33A :第1連結部
33B :第2連結部
34、34A、34B :固定部
35 :ネジ
321A、321B :第1面
322A、322B :第2面
S1、S2 :接触面
【手続補正書】
【提出日】2020-12-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風機及び前記送風機と共に用いられる排気装置が並べて設置される設置部と、
前記設置部に設置された前記送風機及び前記排気装置を支持する支持部と
を備え、
前記支持部は、前記設置部において、前記送風機の設置場所と前記排気装置の設置場所との間に設けられ、
前記支持部は、1組又は複数組の柱及び梁を有し、
前記梁は、前記柱の上部に設けられ、前記梁の第1面が前記送風機に対向して接触し、前記梁の第2面が前記排気装置に対向して接触する、設置台。
【請求項2】
前記支持部は、第1連結部と、第2連結部との少なくとも一方を更に有し、
前記第1連結部は、複数の前記梁のうちの一部又は全部の前記第1面同士が連結され、
前記第2連結部は、複数の前記梁のうちの一部又は全部の前記第2面同士が連結される、請求項1に記載の設置台。
【請求項3】
前記第1面及び前記第1連結部の少なくとも一方が前記送風機と溶接され、前記第2面及び前記第2連結部の少なくとも一方が前記排気装置と溶接される、請求項2に記載の設置台。
【請求項4】
前記送風機及び前記排気装置の少なくとも一方を、前記梁と接続して固定する固定部を更に備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の設置台。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の設置台と、
複数の車輪と、
グリップ部と
を備え、
前記複数の車輪及び前記グリップ部は、前記設置台に取り付けられる、台車。