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特開2022-64035商品提案システム、商品提案方法及び商品提案プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022064035
(43)【公開日】2022-04-25
(54)【発明の名称】商品提案システム、商品提案方法及び商品提案プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20220418BHJP
【FI】
G06Q30/06 330
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020172523
(22)【出願日】2020-10-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】519344969
【氏名又は名称】株式会社PocketRD
(74)【代理人】
【識別番号】230112911
【弁護士】
【氏名又は名称】三和 圭二郎
(72)【発明者】
【氏名】籾倉 宏哉
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB26
(57)【要約】
【課題】衣料品等の商品の販売において、顧客の属性に応じて適正な商品を提案する技術を実現する。
【解決手段】個々の顧客に関する情報を取得するための顧客情報取得装置1と、顧客情報取得装置1によって取得された情報等に基づき個々の顧客に対し推奨商品を選定する商品選定装置2と、商品選定装置2によって選定された装置を顧客に対し表示する商品表示装置3とによって構成される。商品選定装置2は、店舗における在庫情報を取得する在庫情報取得部9と、在庫情報取得部9にて取得した情報を記録する在庫データベース10と、属性に対応した商品及び複数の商品間の組合せに関する情報等を記録する商品データベース11と、商品を選択する商品選択部12と、選択した商品の表示態様を選択する表示態様選択部13とを有する。
【選択図1
図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々の顧客の具備する属性に応じて適正な商品を提案する商品提案システムであって、
個々の商品と1以上の属性との間における相関関係を記憶した商品データベースを参照して、前記顧客が具備する属性と相関関係を有する商品を複数選択する商品選択手段と、
前記商品選択手段によって選択された複数の商品からなる商品群について、相関関係を有する属性のうち前記顧客が具備する属性と一致する属性の個数が多い商品を優先的に表示するよう表示態様を定める表示態様選択手段と、
前記表示態様選択手段が定めた表示態様によって表示された個々の商品について、当該商品の表示領域に対する前記顧客の操作の時間、回数及び内容のうち1以上の要素に基づき、当該商品に対する前記顧客の関心度を判定する関心度判定手段と、
を備え、前記表示態様選択手段は、前記関心度判定手段による関心度の判定後に関心度の高い商品が優先的に表示されるよう表示態様を改めることを特徴とする商品提案システム。
【請求項2】
前記商品データベースは、商品同士の組合せ類型についても記憶し、
前記商品選択手段は、前記関心度判定手段によって関心度が高いと判定された商品と組合せ類型を構成する別商品も選択し、
前記表示態様選択手段は、前記別商品について、関心度が高いと判定された商品の次に優先的に表示されるよう表示態様を選択することを特徴とする請求項1記載の商品提案システム。
【請求項3】
前記商品選択手段は、前記商品データベースに記載された商品について販売頻度及び在庫品数の少なくとも一方と商品在庫の有無について記憶した在庫データベースを参照して、個々の商品のうち商品在庫のあるものの中から商品選択を行い、
前記表示態様選択手段は、前記在庫データベースを参照して、表示対象となる個々の商品について販売頻度及び在庫品数の少なくとも一方を表示する表示態様を選択することを特徴とする請求項1又は2記載の商品提案システム。
【請求項4】
個々の顧客の具備する属性に応じて適正な商品を提案する商品提案方法であって、
個々の商品と1以上の属性との間における相関関係を記憶した商品データベースを参照して、前記顧客が具備する属性と相関関係を有する商品を複数選択する商品選択ステップと、
前記商品選択ステップにおいて選択された複数の商品からなる商品群について、相関関係を有する属性のうち前記顧客が具備する属性と一致する属性の個数が多い商品を優先的に表示するよう表示態様を定める表示態様選択ステップと、
前記表示態様選択ステップにて定められた表示態様によって表示された個々の商品について、当該商品の表示領域に対する前記顧客の操作の時間、回数及び内容のうち1以上の要素に基づき、当該商品に対する前記顧客の関心度を判定する関心度判定ステップと、
を含み、前記表示態様選択ステップにおいて、前記関心度判定ステップによる関心度の判定後に関心度の高い商品が優先的に表示されるよう表示態様を改めることを特徴とする商品提案方法。
【請求項5】
前記商品選択ステップにおいて、前記商品データベースに記載された商品について販売頻度及び在庫品数の少なくとも一方と商品在庫の有無について記憶した在庫データベースを参照して、個々の商品のうち商品在庫のあるものの中から商品選択を行い、
前記表示態様選択手段において、前記在庫データベースを参照して、表示対象となる個々の商品について販売頻度及び在庫品数の少なくとも一方を表示する表示態様を選択することを特徴とする請求項4記載の商品提案方法。
【請求項6】
個々の顧客の具備する属性に応じて適正な商品をコンピュータに提案させる商品提案プログラムであって、
前記コンピュータに対し、
個々の商品と1以上の属性との間における相関関係を記憶した商品データベースを参照して、前記顧客が具備する属性と相関関係を有する商品を複数選択する商品選択機能と、
前記商品選択機能において選択された複数の商品からなる商品群について、相関関係を有する属性のうち前記顧客が具備する属性と一致する属性の個数が多い商品を優先的に表示するよう表示態様を定める表示態様選択機能と、
前記表示態様選択機能にて定められた表示態様によって表示された個々の商品について、当該商品の表示領域に対する前記顧客の操作の時間、回数及び内容のうち1以上の要素に基づき、当該商品に対する前記顧客の関心度を判定する関心度判定機能と、
を実現させるものであり、かつ、前記表示態様選択機能が、前記関心度判定機能による関心度の判定後に関心度の高い商品が優先的に表示されるよう表示態様を改める機能を含むことを特徴とする商品提案プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個々の顧客の具備する属性に応じて適正な商品を提案する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
男女、年齢、用途及びサイズの違いに応じて多品種少量生産とならざるを得ない衣料品販売において、アパレル業者は、購買者に対して適切な衣料品を販売することについて様々な工夫を行ってきた。
【0003】
例えば、特許文献1は、衣料品販売において、複数の商品の過去の購買情報に基づき売れ筋となった商品及びその購買者層に着目し、当該購買者層の購入動向を分析することによって将来的に売れ筋となる商品を推測する技術を開示する。これにより、何が売れ筋商品となるかを予測して当該商品の在庫を大量に確保し、その他の商品の在庫を少なくすることで、過剰在庫を抱えることなく商品を大量に販売できるシステムの実現が期待できる。
【0004】
また、特許文献2は、複数の店舗からなる衣料品販売チェーン等において、衣料品の組合せ(コーディネイト)能力に優れた一部店舗の店員によるコーディネイトの例を他店舗で参照可能とする技術を開示する。これにより、優れたコーディネイト例に関する情報を各店舗で共有することによって顧客に対し適切なコーディネイトを提案でき、もって顧客の購買意欲を高めることが期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-133816号公報
【特許文献2】特開2005-099891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1、2にて開示された技術は、個々の顧客の特性に着目していないという問題を有する。例えば特許文献1の技術は、売れ筋商品の予測を目的としたものに過ぎぬ以上、顧客満足度の向上には必ずしもつながらない。店舗側にとって売れ筋商品の予測は大変重要である一方、顧客にとってみれば、どの店にも置いてある流行商品を購入できるという利点が生じるのみであり、顧客との関係では、他店舗との差別化要因とはならない。また、衣料品販売は売れ筋商品のみの取り扱いで十分な収益を上げられるものではなく、それ以外の多種多様な商品の中から適切な商品を適切な顧客に広く販売することも重要である。しかしながら、特許文献1の技術はこの面において資するところはない。
【0007】
一方、特許文献2は個々の顧客に提示するコーディネイトに関する情報を各店舗で共有する技術であるところ、こちらも、個々の顧客の特性に着目したものではない。特許文献2におけるコーディネイト例は、特定の商品に対する組合せとして一般的に適すると思われるものに過ぎず、個々の顧客との相性等を考慮したものではないため、顧客によっては全く的外れな提案をすることとなるリスクも否定できない。
【0008】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、衣料品等の商品の販売において、顧客の属性に応じて適正な商品を提案する技術を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる商品提案システムは、個々の顧客の具備する属性に応じて適正な商品を提案する商品提案システムであって、個々の商品と1以上の属性との間における相関関係を記憶した商品データベースを参照して、前記顧客が具備する属性と相関関係を有する商品を複数選択する商品選択手段と、前記商品選択手段によって選択された複数の商品からなる商品群について、相関関係を有する属性のうち前記顧客が具備する属性と一致する属性の個数が多い商品を優先的に表示するよう表示態様を定める表示態様選択手段と、前記表示態様選択手段が定めた表示態様によって表示された個々の商品について、当該商品の表示領域に対する前記顧客の操作の時間、回数及び内容のうち1以上の要素に基づき、当該商品に対する前記顧客の関心度を判定する関心度判定手段とを備え、前記表示態様選択手段は、前記関心度判定手段による関心度の判定後に関心度の高い商品が優先的に表示されるよう表示態様を改めることを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するため、請求項2にかかる商品提案システムは、上記の発明において、前記商品データベースは、商品同士の組合せ類型についても記憶し、前記商品選択手段は、前記関心度判定手段によって関心度が高いと判定された商品と組合せ類型を構成する別商品も選択し、前記表示態様選択手段は、前記別商品について、関心度が高いと判定された商品の次に優先的に表示されるよう表示態様を選択することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3にかかる商品提案システムは、上記の発明において、前記商品選択手段は、前記商品データベースに記載された商品について販売頻度及び在庫品数の少なくとも一方と商品在庫の有無について記憶した在庫データベースを参照して、個々の商品のうち商品在庫のあるものの中から商品選択を行い、前記表示態様選択手段は、前記在庫データベースを参照して、表示対象となる個々の商品について販売頻度及び在庫品数の少なくとも一方を表示する表示態様を選択することを特徴とする。
【0012】
また、請求項4にかかる商品提案方法は、個々の顧客の具備する属性に応じて適正な商品を提案する商品提案方法であって、個々の商品と1以上の属性との間における相関関係を記憶した商品データベースを参照して、前記顧客が具備する属性と相関関係を有する商品を複数選択する商品選択ステップと、前記商品選択ステップにおいて選択された複数の商品からなる商品群について、相関関係を有する属性のうち前記顧客が具備する属性と一致する属性の個数が多い商品を優先的に表示するよう表示態様を定める表示態様選択ステップと、前記表示態様選択ステップにて定められた表示態様によって表示された個々の商品について、当該商品の表示領域に対する前記顧客の操作の時間、回数及び内容のうち1以上の要素に基づき、当該商品に対する前記顧客の関心度を判定する関心度判定ステップとを含み、前記表示態様選択ステップにおいて、前記関心度判定ステップによる関心度の判定後に関心度の高い商品が優先的に表示されるよう表示態様を改めることを特徴とする。
【0013】
また、請求項5にかかる商品提案方法は、上記の発明において、前記商品選択ステップにおいて、前記商品データベースに記載された商品について販売頻度及び在庫品数の少なくとも一方と商品在庫の有無について記憶した在庫データベースを参照して、個々の商品のうち商品在庫のあるものの中から商品選択を行い、前記表示態様選択手段において、前記在庫データベースを参照して、表示対象となる個々の商品について販売頻度及び在庫品数の少なくとも一方を表示する表示態様を選択することを特徴とする。
【0014】
また、請求項6にかかる商品提案プログラムは、個々の顧客の具備する属性に応じて適正な商品をコンピュータに提案させる商品提案プログラムであって、前記コンピュータに対し、個々の商品と1以上の属性との間における相関関係を記憶した商品データベースを参照して、前記顧客が具備する属性と相関関係を有する商品を複数選択する商品選択機能と、前記商品選択機能において選択された複数の商品からなる商品群について、相関関係を有する属性のうち前記顧客が具備する属性と一致する属性の個数が多い商品を優先的に表示するよう表示態様を定める表示態様選択機能と、前記表示態様選択機能にて定められた表示態様によって表示された個々の商品について、当該商品の表示領域に対する前記顧客の操作の時間、回数及び内容のうち1以上の要素に基づき、当該商品に対する前記顧客の関心度を判定する関心度判定機能と、を実現させるものであり、かつ、前記表示態様選択機能が、前記関心度判定機能による関心度の判定後に関心度の高い商品が優先的に表示されるよう表示態様を改める機能を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、個々の顧客の具備する属性に応じて適正な商品を提案できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施の形態にかかる商品提案システムの構成を示す模式図である。
図2】実施の形態にかかる商品提案システムの動作のうち、体型情報の取得について示すフローチャートである。
図3】実施の形態にかかる商品提案システムの動作のうち、関心情報の取得について示すフローチャートである。
図4】実施の形態にかかる商品提案システムの動作のうち、商品選択及び表示態様選択の動作について示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施の形態においては、本発明の実施の形態として最も適切と考えられる例について記載するものであり、当然のことながら、本発明の内容を本実施の形態にて示された具体例に限定して解すべきではない。同様の作用・効果を奏する構成であれば、実施の形態にて示す具体的構成以外のものであっても、本発明の技術的範囲に含まれることは勿論である。
【0018】
まず、実施の形態にかかる商品提案システムについて説明する。図1に示すとおり、本実施の形態にかかる商品提案システムは、個々の顧客に関する情報を取得するための顧客情報取得装置1と、顧客情報取得装置1によって取得された情報等に基づき個々の顧客に対し推奨商品を選定する商品選定装置2と、商品選定装置2によって選定された装置を顧客に対し表示する商品表示装置3とによって構成される。
【0019】
顧客情報取得装置1は、顧客の3次元画像を撮影するための3次元撮像部4と、3次元画像等から顧客の属性情報を生成する属性情報取得部5とを有する。また、商品選定装置2は、店舗における在庫情報を取得する在庫情報取得部9と、在庫情報取得部9にて取得した情報を記録する在庫データベース10と、属性に対応した商品及び複数の商品間の組合せに関する情報等を記録する商品データベース11と、商品を選択する商品選択部12と、選択した商品の表示態様を選択する表示態様選択部13とを有する。商品表示装置3は、選択した商品の組合せを表示する表示部14と、表示部14の表示内容に対する関心度を計測する関心度判定部15とを備える。
【0020】
3次元撮像部4は、商品提案の対象となる顧客の3次元画像を取得するためのものである。3次元撮像部4は、具体的には複数の異なる方向からの画像を取得する機能を有し、これらの画像を合成することによって顧客の3次元画像を生成する。3次元撮影部4の構成としては、全方向から画像を取得するための複数のカメラ及び合成処理を行う電子計算機によって構成されることが望ましいが、例えば、単一もしくは少数のカメラを撮影時に適宜移動させることによって全方向から画像を取得する構成等としてもよい。好ましくは、3次元撮像部4は衣料品販売店等の店頭入口付近に設置し、顧客が入店前に中に入って自身を撮影する態様とする。
【0021】
属性情報取得部5は、顧客の属性情報を取得するためのものである。本実施の形態において顧客の属性情報とは、当該顧客の性別、年齢等の本来的な属性のほか、体型、肌の色、髪の色、目の色といった外観に関する情報、過去に購買した商品に関する情報を含むものとする。これらの属性情報については、顧客自らが入力する態様でもよいが、本実施の形態では、3次元撮像部4によって取得された3次元画像を活用して属性情報を特定する構成を採用する。例えば体型、肌の色、髪の色、目の色を含む外観情報については、3次元画像を解析することにより特定することとする。
【0022】
なお、外観情報は、生来的な外観に関する情報に限定されず、望ましくは現状における外観についても情報として含むものとする。例えば、目にカラーコンタクトを装着する顧客に関しては、装着後の目の色を外観情報として記録し、髪の色も、地毛の色ではなくカラーリング後の色についても外観情報として登録する。肌の色に関しても、日焼け後の色、あるいは化粧後の色についても登録する。
【0023】
体型に関する情報取得については、例えば3次元撮影装置を個室内に設置した上で脱衣状態の顧客を撮影することとしてもよいが、本実施の形態では、着衣状態で撮影した上で、顧客が着用する衣服について画像分析を行うことにより、体型推定を行うものとする。例えば、属性情報取得部5は、撮影した衣服の画像に基づき商品データベース11内のデータを参照し、当該衣服の商品名等の情報を取得する。撮影した衣服そのものの商品名等の情報が存在しない場合は、商品データベース11内のデータから、一番類似すると思われる商品の商品名等の情報を取得する。さらに属性情報取得部5は、商品名に基づき当該衣服の構造(サイズに応じた具体的な寸法等)に関する情報を取得し、3次元撮影装置によって得られた3次元的に取得できた衣服の一部における寸法(上衣であれば肩幅、身幅、着丈、袖丈等の寸法、下衣であれば腰回り、股上、ワタリ等の寸法)と対比して、顧客が着用している衣服の、当該商品におけるサイズ(S、M、Lなど)を推定する。サイズが判明すれば商品情報から他の部分の寸法も明らかとなり、最終的に、当該衣類を着用している顧客の体格に関する情報を取得することができる。
【0024】
在庫情報取得部9は、店舗において取り扱っている商品の在庫に関する情報を取得するとともに、在庫に関する情報を在庫データベース10に出力するためのものである。在庫情報取得部9が取得する在庫情報としては、少なくとも特定の商品の在庫の有無に関する情報を含み、好ましくは在庫が確保されている商品について販売頻度・残り品数等に関する情報も含むものとする。具体的には、在庫情報取得部9は、いわゆるPOS(Point of sale)システムと連携することにより、在庫情報の取得・出力を行うものとする。
【0025】
在庫データベース10は、在庫情報取得部9にて取得された在庫情報を記憶し、必要に応じて商品選択部12及び表示態様選択部13に対し出力する機能を有する。なお、在庫データベース10の具体的構成としては、後述する商品データベース11と同様に、HDD、SSD及びUSBメモリ等の記憶装置によって構成される。
【0026】
商品データベース11は、個々の商品に関する情報、例えば商品の名称、製造業者名、外観に関する情報及び寸法に関する情報を記録するとともに、顧客の属性と商品の相関関係に関する情報である相関関係情報を記録する。相関関係情報は、顧客の属性に応じた、例えば男性用、女性用、成人用、子供用といった基本的な適合性の他、属性情報に含まれる体型、肌の色、髪の色、目の色等の外観と上衣・下衣等の商品の色・デザイン等の外観との間における適正な組み合わせを提示するものである。組合せの決定方法としては、特定の属性を有する過去の顧客によって購入された商品、特定の属性を有する顧客が関心を示した商品の他、色情報(色相、明度、彩度等)に関して特定の属性と所定の関係(同一色相配色、類似色相配色、同一トーン配色、類似トーン配色、補色色相配色、対称色相配色等)となる商品や、デザイナー等によって特定の外観と組み合わせることに適すると判断された商品を選択している。商品データベース11においては、顧客に関する特定の属性及びその内容(例えば目の色・青)に応じて、組合せの対象となる商品を抽出できる態様にて、データが記録されている。なお、相関関係情報の態様としては、1以上の属性に対し単一の商品を組み合わせたもののみならず、複数の商品を組み合わせた態様としてもよいし、当該複数の商品を組み合わせる際に商品間における外観面の適正な組み合わせ(色情報に関する所定の関係性や、デザイナー等による判断等)を考慮する態様としてもよい。
【0027】
商品選択部12は、顧客に提示する商品を選択するためのものである。商品選択部12は、在庫データベース10に記録された在庫情報と、属性情報取得部5によって取得された特定顧客の属性情報と、当該属性情報に含まれる属性と関連付けられた商品の相関関係情報と、関心度判定部15によって判定された特定顧客の関心情報に基づき、表示部14にて特定顧客に向けて表示する商品を選択する機能を有する。
【0028】
具体的には、商品選択部12は、在庫情報に基づき、特定顧客の体型に適合した商品のうち在庫として確保されている商品について、表示する商品の候補として抽出する機能を有する。
【0029】
また、商品選択部12は、相関関係情報について、属性情報取得部5にて取得された属性情報に基づき、商品データベース11の中から、当該属性情報に関する相関関係情報として関連付けられた商品を選択する機能を有する。
【0030】
さらに、商品選択部12は、後述する関心情報に基づき、商品データベース11に記録された商品の中から、顧客の関心度の高い商品と組合せ類型の対象として記憶されている別種の商品(例えば、上衣に対する下衣、靴、帽子等)についても抽出し、表示対象として選択する機能を有する。
【0031】
表示態様選択部13は、商品選択部12によって選択された複数の商品の表示態様について選択するためのものである。具体的には、商品態様選択部13は、属性情報との結びつきの強いものを優先的に表示するよう、表示態様を定めるものとする。より具体的には、選相関関係情報にて関連付けられた特定顧客の属性の個数が多い商品ほど、優先的に表示させる。例えば、特定顧客の属性情報のうち目の色とのみ関連付けられた商品Aと、特定顧客の属性情報のうち性別、髪の色及び肌の色に関連付けられた商品Bが存在する場合に、関連付けられた属性の個数が多い商品Bを優先的に表示するよう、表示態様選択部13は表示態様を定めるものとする。
【0032】
なお、「優先的に表示」とは、表示部14の画面上において、対象となる商品に関する表示領域の面積を他の商品よりも大きくすること、閲覧者にとって視認しやすい領域(例えば、表示画面の中央、あるいは左上側の領域)に表示すること、異なる商品を交互に表示する態様の場合は対象となる商品に関する表示時間を長くすること及び/又は表示回数を増加させること等を意味する。
【0033】
また、表示態様選択部13は、商品について、販売頻度・残り品数に関する情報を付加し、これらの情報も表示することとするとともに、販売頻度の高い商品、残り品数の少ない商品について優先的に表示するよう、表示態様を定めるものとする。
【0034】
さらに、表示態様選択部13は、属性情報、相関関係情報及び在庫情報に基づき表示部14にて所定態様の商品表示を実施した後、当該表示に対する特定顧客の関心情報にも基づき、関心度が高い商品について優先的に表示するよう、表示態様を改めるものとする。なお、関心情報に基づき商品選択部12が新たに選択した組合せ類型に属する別商品については、関心度が高い商品の次に優先的に表示されるよう、表示態様を選択するものとする。
【0035】
表示部14は、商品選択部12によって選択された商品について、商品選択部12の選択した表示態様に従って、顧客に向けて表示するためのものである。表示部14の具体的な構成としては、CRT、液晶又は有機EL等の画像表示装置と、画像表示装置に表示された画像領域に関する操作を行うための入力装置とを備える。入力装置の構成としては、キーボード及びマウス等のポインティングデバイスを備える構成、タブレット端末のように表示画面に感圧機構を備え直感的な操作を行う構成、音声入力によって操作する構成、内蔵カメラによって感知した顧客視線に基づき操作を行う構成等、画像領域に対する何らかの操作が行えるものであれば、どのような形態のものも含まれる。
【0036】
関心度判定部15は、表示部14によって表示された商品情報に対する顧客の関心度を判定するためのものである。具体的には、関心度判定部15は、表示部14に対する特定顧客の操作状況に基づき、特定顧客がどの商品にどの程度の関心を寄せているかを判定するものであって、表示部14に表示されたコンテンツのうち、特定商品について表示した領域における操作の時間、回数及び内容に関する検出結果に基づき、特定商品に対する特定顧客の関心度の大小について示す情報である関心情報を生成する。より具体的には、関心度判定部15は、特定商品が表示されている時間(表示が開始されてから他の表示に切り替えられるまでの時間)と、表示領域中に特定商品に関係したハイパーリンク、ボタン、文字入力領域が存する場合はこれらに対するクリック・文字入力等の回数及び特定商品の画像に対する拡大・縮小・回転操作の回数について、望ましくはそれぞれの重要度に応じた重み係数を付した上で、それぞれを乗算した値の大小により、関心度の大小を表すものとする。
【0037】
なお、関心度判定部が参照する「操作状況」は、上述のような積極的な操作に加え、消極的な操作も含むものとする。例えば、表示部14が複数の商品について順次表示する態様にて表示する場合において、商品画像の切替を妨げる操作を行った場合も「操作状況」に含まれ、また、同様に画面を切り替えることにより個々の商品を順次表示する態様の場合に、特定商品を表示する画面から他の商品表示画面に「切り替えない」という消極的な操作状況についても、「操作状況」として関心度判定の対象としている。
【0038】
次に、本実施の形態にかかる商品提案システムの動作について説明する。以下では、属性情報取得部5における属性情報取得のうち顧客の体型情報取得に関する動作、関心度判定部15による関心情報取得に関する動作及び商品選択部12による商品選択及び表示態様選択に関する動作について順次説明する。
【0039】
まず、属性情報取得部5による体型情報の取得について、図2に示すフローチャートを参照しつつ説明する。まず、属性情報取得部5は、3次元撮像部によって撮像された顧客の3次元外観画像を取得し(ステップS101)、この画像から、衣料品等の商品が表示されている領域を抽出する(ステップS102)。そして、画像領域として抽出された商品について、1以上の要素(上衣であれば肩幅、身幅、着丈、袖丈等またはこれらの一部)に関する寸法測定を行う(ステップS103)。
【0040】
今回使用する画像は3次元画像であるため、始点と終点の絶対的な位置座標を特定でき、また、始点から終点に至るまでの経路についても3次元曲線にて表現できることから、抽出された商品画像における一部要素の寸法について高精度の推定が可能である。なお、寸法推定を行う要素数は1か所でもよいが、後述するサイズ判定処理の精度を向上させる観点からは、複数個所とすることが望ましい。
【0041】
その後、属性情報取得部5は、抽出した商品画像について画像比較処理等を行うことにより、具体的な商品特定作業を行う(ステップS104)。具体的な商品特定に成功した場合(ステップS104、Yes)は、ステップS103で測定した1以上の要素の寸法と、商品データベース11に記憶された当該商品の寸法情報に基づき、顧客が着用している商品の各要素に関する寸法特定を行う(ステップS105)。具体的な商品特定ができない場合(ステップS104、No)は、商品画像について画像分析を行うことにより、商品ブランドの特定を行う(ステップS106)。画像分析の内容としては、形状的な特徴、表面の模様における特徴の他、例えば左胸部分に付された商品ブランド独自のエンブレム等によって、その商品がどの商品ブランドによって製造されたものであるかを特定する。
【0042】
商品ブランドを特定できた場合(ステップS106、Yes)は、予め取得した当該商品ブランドの商品情報を参照して最も近似する商品を抽出し、当該商品の寸法情報とステップS103で測定した1以上の要素の寸法とに基づき、顧客が着用している商品の各要素に関する寸法特定を行う(ステップS107)。商品ブランドが特定できなかった場合(ステップS106、No)は、商品データベース11に記憶された商品の中で顧客が着用している商品に最も近似した外観からなる商品を抽出し(ステップS108)、その商品の寸法情報ステップS103で測定した1以上の要素の寸法とに基づき、顧客が着用している商品の各要素に関する寸法特定を行う(ステップS109)。
【0043】
その後、属性情報取得部5は、外観画像から把握しうる商品すべてについて表示領域の抽出を行った否かの確認を行い(ステップS110)、未了のものがある場合(ステップS110、No)は、ステップS102に戻って、顧客の3次元外観画像から別の衣料品等の新たな商品について表示領域の抽出を行い(ステップS102)、その後はステップS103以下の動作を繰り返す。すべての商品について表示領域の抽出が完了し新たな抽出ができなくなった段階で(ステップS110、Yes)、それまでに取得した各商品の寸法情報に基づき、これらの商品を着用している顧客の体型推定を行う(ステップS111)。以上で、属性情報取得部5による体型情報の取得動作は終了する。
【0044】
次に、関心度判定部15による関心情報取得に関する動作について、図3に示すフローチャートを参照しつつ説明する。まず、関心度判定部15は、関心情報取得の対象となる特定商品について、表示部14上で表示が開始されたか否かの判定を行い(ステップS201)、表示開始が確認できた場合(ステップS201、Yes)は、確認した時刻を表示開始時刻として記録する(ステップS202)。
【0045】
その後、関心度判定部15は、特定商品の表示領域内で顧客による操作の有無の判定を繰り返す(ステップS203)。顧客による操作が行われた場合(ステップS203、Yes)は、操作の種類に応じた重み係数を付与した値を操作値として記録する(ステップS204)。特定商品に関する表示が終了するまでの間(ステップS205、No)、顧客による操作の有無及び操作の種類に応じた操作値の記録を繰り返す。
【0046】
特定商品に関する表示が終了すると(ステップS205、Yes)、関心度判定部15は、ステップS202にて記録した数値を用いて表示時間を算定し(ステップS206)、算定した表示時間と、ステップS204にて記録した操作値の合計とを乗算する(ステップS207)。最後に、関心度判定部15は、乗算結果を関心情報として商品選択部に対し出力し(ステップS208)、関心情報取得に関する動作は終了する。
【0047】
次に、商品選択部12による商品選択動作及び表示態様選択部13による商品の表示態様の選択動作について、図4に示すフローチャートを参照しつつ説明する。まず、商品選択部12は、属性情報取得部5から顧客の属性情報に含まれる体型情報を取得し(ステップS301)、在庫情報取得部9から得られた在庫情報に基づき顧客の体型に適合したサイズの商品を抽出する(ステップS302)。
【0048】
そして、商品選択部12は、属性情報取得部5から顧客の属性情報を取得し(ステップS303)、ステップS302にて抽出された商品の中から、相関関係情報に基づき顧客の属性と関連付けられる1以上の商品を、表示対象の商品として選択する(ステップS304)。商品の選択が完了すると(ステップS305,Yes)、表示態様選択部13は、関連付けられた属性情報のうち顧客の属性情報と一致する個数が多いものほど優先的に表示されるよう、表示態様を調整する(ステップS306)。さらに、表示態様選択部13は、属性情報の一致個数が等しい商品間において、在庫情報取得部9より取得した在庫情報に基づき、販売頻度が高いものほど優先的に表示されるよう、表示態様を調整する(ステップS307)。また、表示態様選択部13は、属性情報の一致個数及び販売頻度において等しい商品間において、在庫情報取得部9より取得した在庫情報に基づき、在庫の残数が少ないものほど優先的に表示されるよう、表示態様を調整する(ステップS308)。その後、表示態様選択部13は、選択した商品を選択した表示態様にて、表示部14に表示させる(ステップS309)。
【0049】
ステップS309による商品表示の実施後、商品選択部12は、当該商品表示に対する顧客の関心情報を、関心度判定部15から取得する(ステップS310)。そして、商品選択部12は、顧客の関心度が高い商品と共通の属性情報と組み合わされた商品を新たに選択し(ステップS311)、さらに、顧客の関心度が高い商品と組合せ類型を構成する別種の商品についても新たに選択した上で(ステップS312)、表示態様選択部13は、関心度の高い商品及び新たに選択された商品が優先的に表示されるよう、表示態様を調整する(ステップS313)。なお、新たに選択された商品間における表示上の優先度は、ステップS306ないしS308に準じて行うこととする。
【0050】
その後、表示態様選択部13はステップS309に戻り(S314、No)、新たな商品を含む対象商品を新たな表示態様にて表示部14に表示させ、その後はステップS310以下の動作を繰り返す。そして、表示態様の更新回数が所定回数Nに達するまで同様の動作を繰り返し行い、表示態様の調整回数がN回に達した時点(ステップS314、Yes)で、すべての動作を終了する。
【0051】
次に、本実施の形態にかかる商品提案システムの利点について説明する。まず、本実施の形態にかかる商品提案システムは、商品購入を行う特定の顧客の属性情報を取得し、当該属性情報に含まれる顧客特有の属性と相関関係を有する商品を選択することで、顧客の個性に応じた適正な商品を提案できるという利点を有する。
【0052】
特に、衣料品のように日常的に顧客が使用し顧客の外観の一部を構成する商品の場合、外観面における適合性(組合せの適正)は重要である。本実施の形態では、商品データベース11にて外観情報を含む属性情報と商品の色・デザイン等の外観との間の適正性について相関関係情報として記録しているため、個々の顧客の外観的な属性に対し、適正な外観を有する商品を提案できるという利点がある。また、同じ属性を有する他の顧客が購入した商品に関する情報も相関関係情報として記録されているため、共通した嗜好を有する傾向のある同一属性の顧客に対し、適切な商品を提案できるという利点も有する。
【0053】
また、本実施の形態にかかる商品提案システムは、選択した商品の中で相関関係にある属性が顧客属性と一致する数が多い商品ほど優先的に表示するよう表示態様が選択される。属性の一致数が多い商品ほど当該顧客にとって適した商品である可能性が高いため、かかる商品を優先的に表示することにより、顧客は適正な商品を見逃すことがなく、かつ、適正な商品を発見するまでに長時間を要することなく、商品選択を行えるという利点が生ずる。販売側にとっても、顧客による購入可能性が高い商品を優先的に表示するシステムとすることにより、販売機会を逸するリスクを低減できるという利点がある。
【0054】
さらに、本実施の形態に係る商品提案システムは、当初定めた表示態様に従った商品表示を行った後、当該表示に対する顧客の関心度を判定し、判定した関心度に応じて、関心度の高い商品を優先的に表示する構成を採用する。かかる構成とすることにより、顧客は自らが関心を寄せる商品を中心に商品群を閲覧することが可能となり、購買意欲が刺激され購入可能性がさらに向上するという利点を有する。
【0055】
また、本実施の形態にかかる商品提案システムは、当初表示により関心度が高いと判定された商品と組合せ類型を構成する他の商品についても選択することで、関心度の高い商品のみならず、当該商品とコーディネイトする関係等にある商品についても提案できるという利点を有する。これにより顧客は、自らが高い関心を示した商品のみならず、当該商品と組み合わせられる商品についても商品選択が可能となり、販売側も、多数の商品について販売機会を得られるという利点を享受することとなる。
【0056】
また、本実施の形態にかかる商品提案システムは、在庫情報に基づき、対象となる店舗等にて商品在庫として確保されている商品を抽出した後、その中から、属性と相関関係を有する商品を選択している。これにより、顧客は提案された商品について必ずその場で購入することが可能となるため、顧客満足度を向上させられるという利点を有するとともに、販売側についても販売機会を逸することなく商品販売を行えるという利点が生じる。
【0057】
さらに、本実施の形態にかかる商品提案システムは、選択した商品について、販売頻度及び在庫品数の少なくとも一方を表示する表示態様を採用している。かかる情報を表示することにより、顧客は、購入すべきか否かの判断を急ぐべきか否かを認識することができることから、本実施の形態にかかる商品提案システムは、顧客の便宜を図ることができるという利点を有する。
【0058】
以上、実施の形態において本発明の内容について説明したが、もとより本発明の技術的範囲は実施の形態に記載した具体的構成に限定して解釈されるべきではなく、本発明の機能を実現できるものであれば、上記実施の形態に対する様々な変形例、応用例についても、本発明の技術的範囲に属することはもちろんである。
【0059】
例えば、本実施の形態では3次元撮像部4によって属性情報を取得する構成としているが、これは必須ではなく、例えば顧客自身による自己申告に基づき属性情報を取得する態様としてもよいし、同一顧客について過去に取得した属性情報を流用しつつ、必要に応じて更新する構成としてもよい。写真撮影する場合でも、3次元画像ではなく2次元画像にて撮影することとしてもよく、また、外観情報については視覚的画像を記録するのではなくテキスト情報の形式にて記録する態様でもよい。
【0060】
また、表示された商品群の画像に対する顧客操作については、積極的な操作以外に、現在の表示画面をそのまま維持する(変化させない)といった消極的な操作も含むものとする。例えば、ある商品について表示されている表示画面の構成を「変化させない」という消極的な操作についても操作に含むこととし、「変化させない」時間を顧客の操作の時間として評価することとしてもよい。
【0061】
さらに、在庫情報取得部9より取得した在庫情報に基づく表示態様選択部13による表示態様の選択態様についても、本実施の形態にて述べたものに限定して解釈すべきではない。例えば、在庫数そのものに基づき表示態様を選択するのではなく在庫数を生産数にて除算した値である在庫率によって表示態様を選択することも有効である。また、発売直後の商品に関心が集まる傾向がある点に鑑みて、表示態様選択部13が、販売開始日からの経過日数が小さい商品を優先的に表示するよう表示態様を調整することも好ましい。
【0062】
また、本実施の形態では具体的な「システム」として本発明の説明を行ったが、もとより本発明の形態は「システム」に限定されるのではなく、「方法」又は「コンピュータプログラム」によって実現することも可能である。さらに、商品として衣料品以外のものを対象としたシステム等でもよいし、実店舗にて利用する態様はもとよりインターネットモール等における通信販売にて利用する態様でも本発明を適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、個々の顧客の具備する属性に応じて適正な商品を提案する技術として利用可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 顧客情報取得装置
2 商品選定装置
3 商品表示装置
4 3次元撮像部
5 属性情報取得部
9 在庫情報取得部
10 在庫データベース
11 商品データベース
12 商品選択部
13 表示態様選択部
14 表示部
15 関心度判定部
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2021-05-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
個々の顧客の具備する属性に応じて適正な商品を提案する商品提案システムであって、
個々の商品と1以上の属性との間における相関関係を記憶した商品データベースを参照して、前記顧客が具備する属性と相関関係を有する商品を複数選択する商品選択手段と、
前記商品選択手段によって選択された複数の商品からなる商品群について、相関関係を有する属性のうち前記顧客が具備する属性と一致する属性の個数が多い商品を優先的に表示するよう表示態様を定める表示態様選択手段と、
前記表示態様選択手段が定めた表示態様によって表示された個々の商品について、当該商品の表示領域に対する前記顧客の操作の時間、回数及び内容のうち1以上の要素に基づき、当該商品に対する前記顧客の関心度を判定する関心度判定手段と、
を備え、前記表示態様選択手段は、前記関心度判定手段による関心度の判定後に、前記関心度判定手段により関心度高いと判定された商品が優先的に表示されるよう表示態様を改めることを特徴とする商品提案システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項4】
個々の顧客の具備する属性に応じて適正な商品を提案する商品提案方法であって、コンピュータが実行するステップとして、
個々の商品と1以上の属性との間における相関関係を記憶した商品データベースを参照して、前記顧客が具備する属性と相関関係を有する商品を複数選択する商品選択ステップと、
前記商品選択ステップにおいて選択された複数の商品からなる商品群について、相関関係を有する属性のうち前記顧客が具備する属性と一致する属性の個数が多い商品を優先的に表示するよう表示態様を定める表示態様選択ステップと、
前記表示態様選択ステップにて定められた表示態様によって表示された個々の商品について、当該商品の表示領域に対する前記顧客の操作の時間、回数及び内容のうち1以上の要素に基づき、当該商品に対する前記顧客の関心度を判定する関心度判定ステップと、
を含み、前記表示態様選択ステップにおいて、前記関心度判定ステップによる関心度の判定後に、前記関心度判定ステップにおいて関心度高いと判定された商品が優先的に表示されるよう表示態様を改めることを特徴とする商品提案方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項6】
個々の顧客の具備する属性に応じて適正な商品をコンピュータに提案させる商品提案プログラムであって、
前記コンピュータに対し、
個々の商品と1以上の属性との間における相関関係を記憶した商品データベースを参照して、前記顧客が具備する属性と相関関係を有する商品を複数選択する商品選択機能と、
前記商品選択機能において選択された複数の商品からなる商品群について、相関関係を有する属性のうち前記顧客が具備する属性と一致する属性の個数が多い商品を優先的に表示するよう表示態様を定める表示態様選択機能と、
前記表示態様選択機能にて定められた表示態様によって表示された個々の商品について、当該商品の表示領域に対する前記顧客の操作の時間、回数及び内容のうち1以上の要素に基づき、当該商品に対する前記顧客の関心度を判定する関心度判定機能と、
を実現させるものであり、かつ、前記表示態様選択機能が、前記関心度判定機能による関心度の判定後に、前記関心度判定機能により関心度高いと判定された商品が優先的に表示されるよう表示態様を改める機能を含むことを特徴とする商品提案プログラム。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる商品提案システムは、個々の顧客の具備する属性に応じて適正な商品を提案する商品提案システムであって、個々の商品と1以上の属性との間における相関関係を記憶した商品データベースを参照して、前記顧客が具備する属性と相関関係を有する商品を複数選択する商品選択手段と、前記商品選択手段によって選択された複数の商品からなる商品群について、相関関係を有する属性のうち前記顧客が具備する属性と一致する属性の個数が多い商品を優先的に表示するよう表示態様を定める表示態様選択手段と、前記表示態様選択手段が定めた表示態様によって表示された個々の商品について、当該商品の表示領域に対する前記顧客の操作の時間、回数及び内容のうち1以上の要素に基づき、当該商品に対する前記顧客の関心度を判定する関心度判定手段とを備え、前記表示態様選択手段は、前記関心度判定手段による関心度の判定後に、前記関心度判定手段により関心度高いと判定された商品が優先的に表示されるよう表示態様を改めることを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、請求項4にかかる商品提案方法は、個々の顧客の具備する属性に応じて適正な商品を提案する商品提案方法であって、コンピュータが実行するステップとして、個々の商品と1以上の属性との間における相関関係を記憶した商品データベースを参照して、前記顧客が具備する属性と相関関係を有する商品を複数選択する商品選択ステップと、前記商品選択ステップにおいて選択された複数の商品からなる商品群について、相関関係を有する属性のうち前記顧客が具備する属性と一致する属性の個数が多い商品を優先的に表示するよう表示態様を定める表示態様選択ステップと、前記表示態様選択ステップにて定められた表示態様によって表示された個々の商品について、当該商品の表示領域に対する前記顧客の操作の時間、回数及び内容のうち1以上の要素に基づき、当該商品に対する前記顧客の関心度を判定する関心度判定ステップとを含み、前記表示態様選択ステップにおいて、前記関心度判定ステップによる関心度の判定後に、前記関心度判定ステップにおいて関心度高いと判定された商品が優先的に表示されるよう表示態様を改めることを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
また、請求項6にかかる商品提案プログラムは、個々の顧客の具備する属性に応じて適正な商品をコンピュータに提案させる商品提案プログラムであって、前記コンピュータに対し、個々の商品と1以上の属性との間における相関関係を記憶した商品データベースを参照して、前記顧客が具備する属性と相関関係を有する商品を複数選択する商品選択機能と、前記商品選択機能において選択された複数の商品からなる商品群について、相関関係を有する属性のうち前記顧客が具備する属性と一致する属性の個数が多い商品を優先的に表示するよう表示態様を定める表示態様選択機能と、前記表示態様選択機能にて定められた表示態様によって表示された個々の商品について、当該商品の表示領域に対する前記顧客の操作の時間、回数及び内容のうち1以上の要素に基づき、当該商品に対する前記顧客の関心度を判定する関心度判定機能と、を実現させるものであり、かつ、前記表示態様選択機能が、前記関心度判定機能による関心度の判定後に、前記関心度判定機能により関心度高いと判定された商品が優先的に表示されるよう表示態様を改める機能を含むことを特徴とする。