(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022064047
(43)【公開日】2022-04-25
(54)【発明の名称】フラットなまつげカール器
(51)【国際特許分類】
A45D 2/48 20060101AFI20220418BHJP
【FI】
A45D2/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020172544
(22)【出願日】2020-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】アレクシ・レオナール
(72)【発明者】
【氏名】エノラ・マナック
(57)【要約】 (修正有)
【課題】持ち運びしやすいまつげカール器を提供する。
【解決手段】カール器1は、近位端と遠位端を有する下プレート10であって、近位端に一対の下隆起部110a,110bを備え、まつげを受ける弾性パッド190を備え、パッドが隆起部110a,110b間溝120に配置される下プレートと、近位端と遠位端を有する上プレート20であって、近位端に上隆起部210を備え、隆起部210がパッドと協働でまつげを挟圧できる上プレートを備える。上下プレートは結合され不使用または使用待機位置となる。不使用位置では上プレートが下プレートと密着し、前者が後者に対して枢動できないよう結合される。待機位置ではパッドと隆起部が互いに面し、上プレートがパッドと隆起部の間でまつげを挟圧するために下プレートに対して枢動できるよう結合される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
まつげ(F)をカールさせるために使用されるまつげカール器(1)であって、
中心軸(A1)、近位端(100a)、および遠位端(100b)を有する下プレート(10)であって、前記近位端(100a)に、前記下プレート(10)の前記中心軸(A1)と交差する方向に延びる一対の下隆起部(110a、110b)を備え、カールさせる前記まつげ(F)を受けるための弾性パッド(190)をさらに備え、前記弾性パッド(190)が前記下隆起部(110a、110b)間に画定される溝(120)に配置される、下プレート(10)と、
中心軸(A2)、近位端(200a)、および遠位端(200b)を有する上プレート(20)であって、前記近位端(200a)に、前記上プレート(20)の前記中心軸(A2)と交差する方向に延びる上隆起部(210)を備え、前記上隆起部(210)が、前記弾性パッド(190)と協働して、カールさせる前記まつげ(F)を挟圧することができるように構成される、上プレート(20)と
を備え、
前記下プレート(10)および前記上プレート(20)が、互いに結合されて不使用位置または使用待機位置のいずれかになることができるように構成され、
前記不使用位置では、前記上プレート(20)が前記下プレート(10)と密着していて、前記上プレート(20)が前記下プレート(10)に対して枢動することができないように、前記下プレート(10)および前記上プレート(20)が互いに結合され、
前記使用待機位置では、前記弾性パッド(190)および前記上隆起部(210)が互いに面し、前記上プレート(20)が前記弾性パッド(190)と前記上隆起部(210)との間でカールさせる前記まつげ(F)を挟圧するために、前記下プレート(10)に対して枢動することができるように、前記下プレート(10)および前記上プレート(20)が互いに結合される、まつげカール器(1)。
【請求項2】
前記不使用位置での前記下プレート(10)に対する前記上プレート(20)の向きが、前記使用待機位置での前記下プレート(10)に対する前記上プレート(20)の向きと反対である、請求項1に記載のまつげカール器(1)。
【請求項3】
前記下プレート(10)が、前記近位端(100a)に溝穴(130)をさらに備え、前記下プレート(10)および前記上プレート(20)が互いに結合されて前記不使用位置になるとき、前記上プレート(20)の前記上隆起部(210)が前記溝穴(130)に入ることができる、請求項2に記載のまつげカール器(1)。
【請求項4】
前記下プレート(10)が、前記遠位端(100b)に、前記下プレート(10)の前記中心軸(A1)に直交する方向に広がる開口(140)をさらに備え、前記上プレート(20)の前記遠位端(200b)が、前記開口(140)の幅(W1)よりも小さい幅(W2)を有し、前記使用待機位置では、前記下プレート(10)および前記上プレート(20)が、前記上プレート(20)の前記遠位端(200b)が前記下プレート(10)の前記開口(140)を通り抜けるように互いに結合される、請求項1から3のいずれか一項に記載のまつげカール器(1)。
【請求項5】
前記使用待機位置では、前記下プレート(10)および前記上プレート(20)が直線に沿って互いに接触しており、前記使用待機位置において前記下プレート(10)および前記上プレート(20)がそれに沿って互いに接触する前記直線が、仮想枢動軸(B)を定め、これを中心として前記上プレート(20)が前記下プレート(10)に対して枢動する、請求項4に記載のまつげカール器(1)。
【請求項6】
前記上プレート(20)の前記遠位端(200b)が、前記上プレート(20)の主面エリア(200c)に垂直な方向に前記上プレート(20)の前記主面エリア(200c)からずれており、前記開口(140)の遠位に位置する前記下プレート(10)の部分は、前記下プレート(10)の主面エリア(100c)に垂直な方向に前記下プレート(10)の前記主面エリア(100c)から少なくとも部分的にずれている、請求項4または5に記載のまつげカール器(1)。
【請求項7】
前記下プレート(10)に窓(150)が形成され、前記上プレート(20)に窓(250)が形成され、前記下プレート(10)の前記窓(150)および前記上プレート(20)の前記窓(250)が、少なくとも前記不使用位置で少なくとも部分的に互いに重なる、請求項1から6のいずれか一項に記載のまつげカール器(1)。
【請求項8】
前記下プレート(10)の前記窓(150)および前記上プレート(20)の前記窓(250)が、互いとは異なるサイズおよび/または形状を有する、請求項7に記載のまつげカール器(1)。
【請求項9】
前記下プレート(10)の前記下隆起部(110a、110b)および前記上プレート(20)の前記上隆起部(210)の両方が、それらの前記遠位端に向かって凸であるように湾曲している、請求項1から8のいずれか一項に記載のまつげカール器(1)。
【請求項10】
前記まつげカール器(1)が、ロッキング機構をさらに備え、前記ロッキング機構が、前記下プレート(10)および前記上プレート(20)が互いに結合されて前記不使用位置になるとき、前記上プレート(20)が前記下プレート(10)から非意図的に分離するのを防ぐように構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載のまつげカール器(1)。
【請求項11】
前記ロッキング機構が、前記下プレート(10)の前記溝穴(130)の内周面から前記溝穴(130)に突出する少なくとも1つのボス(160)を備える、請求項3に従属するときの請求項10に記載のまつげカール器(1)。
【請求項12】
前記ボス(160)が、前記上プレート(20)の前記上隆起部(210)が前記溝穴(130)に入るとき引っ込み、前記上プレート(20)の前記上隆起部(210)に押圧力を加えるように構成される、請求項11に記載のまつげカール器(1)。
【請求項13】
前記下プレート(10)および前記上プレート(20)のうちの少なくとも一方が、プラスチック材料、木材、および竹材のグループから選択される非金属材料で作られる、請求項1から12のいずれか一項に記載のまつげカール器(1)。
【請求項14】
前記下プレート(10)および前記上プレート(20)のうちの少なくとも一方が、プラスチック材料で作られる、請求項1から13のいずれか一項に記載のまつげカール器(1)。
【請求項15】
前記下プレート(10)および前記上プレート(20)のうちの少なくとも一方が、透明または半透明のプラスチック材料で作られる、請求項1から14のいずれか一項に記載のまつげカール器(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容処理ツールの一種であるまつげカール器に関し、詳細には、フラットタイプのまつげカール器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在多くの女性が、美容上の目的で日常的にまたは時々まつげカール器を使用している。よく知られているように、まつげカール器は、上まぶたの天然まつげを上にカールさせる、または天然まつげに取り付けられたつけまつげを天然まつげと一緒に上にカールさせるように構成される。まつげのそのようなカール処理は、自宅だけでなく、様々な場所および出先でも行われ得ることが望ましい。したがって、様々なタイプのまつげカール器が、持ち運びされるように設計されている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、本体と、本体の周囲に回転可能に連結された連結体と、第1の接触体を含む第1の眉毛把持部と、本体の一方の端部に装着された第2の眉毛把持部と、本体の他方の端部に装着された第3の眉毛把持部とを備える、まつげカール器が記載されている。
【0004】
特許文献2には、シェルと、引きピースと、可動クランピングピースと、可動クランピングピース上で作用するばねとを含むまつげカール器が記載されている。引きピースは、枢動モードでシェル上に配置され、可動クランピングピースは、摺動モードでシェル内に組み立てられる。シェルは、可動クランピングピースの末端部分と合わせられる固定クランピングピースを設けられる。可動クランピングピースは、引きピースの影響下で固定クランピングピースを留める。
【0005】
特許文献3には、互いに向かっておよび互いから離して動かすことができる、2つのサンドイッチ状にはさむ面を含むまつげカール器が記載されている。まつげは、これらの2つのサンドイッチ状にはさむ面の間で留められ得る。サンドイッチ状にはさむ面は、まつげの実際の状態に合うように成形される。
【0006】
特許文献4には、まつげの一方の側を挟圧するための第1の挟圧部が設けられた受け部材と、まつげの他方の側を挟圧するための第2の挟圧部が設けられた摺動部材と、摺動部材を受け部材に押圧できるように摺動部材を移動させるための操作部材とを含むまつげカール器が記載されている。
【0007】
特許文献5には、まつげを上方から押圧する上押圧部と、まつげを下方から押圧する下押圧部とを含むまつげカール器が記載されている。各押圧部は、挟圧部を有する。まつげカール器が使用されるときまぶたと接触する上押圧部の正面の少なくとも一部に、その摩擦係数が上押圧部の摩擦係数よりも大きいまぶた当てが取り付けられる。
【0008】
特許文献6には、まつげを挟圧するための一対の上下押圧部を含むまつげカール器が記載されている。対にされた押圧部はそれぞれ、長さ方向に延在する複数の突条を有する。これらの突条は、まつげを押圧するための挟圧部として機能する。
【0009】
特許文献7には、まつげを上方から押えるための上押え部を有する本体と、まつげを下方から押えるための下押え部を有する摺動部材とを含むまつげカール器が記載されている。摺動部材は、一定の摺動範囲にわたって垂直方向に摺動可能となるように本体に取り付けられる。摺動部材を案内するためのガイド手段が、摺動部材と本体との間に置かれている。ガイド手段は、下押え部の各端部には存在せず、下押え部の下方に存在している。
【0010】
そのような知られているまつげカール器は、一般に、それらの複雑な構造のために比較的かさばる傾向があり、結果として持ち運び時に大きな空間量を占め、したがって、持ち運びしやすいとは言われない。まつげカール器の持ち運びをより容易にするために、さらなる改善が必要とされる。持ち運びしやすいことに加えて、まつげカール器の構造を単純化することによってそれの製造コストを下げる必要もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国特許出願公開第20130003164号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開第203314330号明細書
【特許文献3】特許第5324932号公報
【特許文献4】特許第4559263号公報
【特許文献5】特許第4473641号公報
【特許文献6】特許第4226924号公報
【特許文献7】特開2001‐204535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、既存のまつげカール器の上述の問題を解決することである。より具体的には、本発明の目的は、持ち運びしやすい新規のまつげカール器、言い換えれば、持ち運び時に占める空間が小さいまつげカール器を提供することである。具体的には、本発明の目的は、持ち運びしやすいが、使用時に優れた操作性を有する新規のまつげカール器を提供することである。本発明のさらなる目的は、構造が単純であり、したがって低コストで製造することができる新規のまつげカール器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明は、まつげをカールさせるために使用されるまつげカール器を提供し、このまつげカール器は、中心軸、近位端、および遠位端を有する下プレートであって、近位端に下プレートの中心軸と交差する方向に延びる一対の下隆起部を備え、カールさせるまつげを受けるための弾性パッドをさらに備え、弾性パッドが下隆起部の間に画定される溝に配置される、下プレートと、中心軸、近位端、および遠位端を有する上プレートであって、近位端に上プレートの中心軸と交差する方向に延びる上隆起部を備え、上隆起部が弾性パッドと協働して、カールされるまつげを挟圧することができるように構成される、上プレートとを備え、下プレートおよび上プレートが、互いに結合されて不使用位置または使用待機位置のいずれかになることができるように構成され、不使用位置では、上プレートが下プレートと密着していて、上プレートが下プレートに対して枢動することができないように下プレートおよび上プレートが互いに結合され、使用待機位置では、弾性パッドおよび上隆起部が互いに面し、弾性パッドと上隆起部との間でカールさせるまつげを挟圧するために、上プレートが下プレートに対して枢動できるように、下プレートおよび上プレートが互いに結合される。
【0014】
本発明では、まつげカール器によってカールさせるまつげは、天然まつげ、天然まつげにすでに取り付けられたもしくは取り付けられることになる房状のつけまつげ、または天然まつげと房状のつけまつげの両方であってもよい。
【0015】
本発明によれば、美容処理に使用されていないとき、まつげカール器の下プレートおよび上プレートは、上プレートが下プレートに密着するように、互いに結合することができる。言い換えれば、この不使用位置では、本発明によるまつげカール器は、最小限のかさを有するフラットな形状をとることができ、持ち運び時に小さい空間しか必要としない。このように、比較的大きいかさを有する従来のまつげカール器と比較して、持ち運びしやすさまたは携帯性は著しく増加する。一方、結合されて使用待機位置になると、本発明によるまつげカール器は、美容処理の優れた操作性を示すことができる。すなわち、本発明によるまつげカール器で、まつげを簡単な操作によって安全にカールさせることができ、カールさせるまつげは、下プレートの弾性パッドと上プレートの上隆起部との間にはさまれ、次いで上プレートが下プレートに対して枢動される。これに加えて、本発明によれば、まつげカール器は、本質的にわずか2つのプレート、すなわち上プレートおよび下プレートから成る。したがって、本発明によるまつげカール器は、構造が著しく単純であり、したがって、既存のまつげカール器と比較して低コストで製造することができる。
【0016】
本発明の好ましい一態様によれば、不使用位置での下プレートに対する上プレートの向きは、使用待機位置での下プレートに対する上プレートの向きと反対であってもよい。
【0017】
本発明の好ましい一態様によれば、具体的には、不使用位置の上プレートの向きが、使用待機位置のそれの向きと反対にされる場合、下プレートは、近位端に溝穴をさらに備えてもよく、下プレートおよび上プレートが互いに結合されて不使用位置になるとき、上プレートの上隆起部がこの溝穴に入ることができる。この態様は、不使用位置のまつげカール器をフラットにし、コンパクトにするのに特に有利である。
【0018】
本発明の好ましい一態様によれば、下プレートは、遠位端に、下プレートの中心軸に直交する方向に広がる開口をさらに備えてもよい。この場合、上プレートの遠位端は、下プレートの開口の幅よりも小さい幅を有してもよい。さらに、この場合、使用待機位置では下プレートおよび上プレートは、上プレートの遠位端が下プレートの開口を通り抜けるように互いに結合されてもよい。この好ましい態様は、有利には一種のはさみ機構を可能にし、カールさせるプロセスの間の優れた操作性を実現する。すなわち、この好ましい態様によれば、カール器は、たとえば洗濯ばさみのように容易に操作することができる。本発明のより好ましい態様によれば、使用待機位置では下プレートおよび上プレートは、直線に沿って互いに接触していてもよい。この場合、使用待機位置において下プレートおよび上プレートが互いにそれに沿って接触する線は、仮想枢動軸を定めてもよく、これを中心として上プレートは下プレートに対して枢動する。
【0019】
本発明の好ましい一態様によれば、上プレートの遠位端は、上プレートの主面エリアに垂直な方向に上プレートの主面エリアからずれていてもよい。具体的には、上プレートの遠位端は、上隆起部と同じ方向にずれていてもよい。さらに、上プレートの遠位端がずれている場合、開口の遠位に位置する下プレートの一部分は、下プレートの主面エリアに垂直な方向に下プレートの主面エリアから少なくとも部分的にずれていてもよい。具体的には、下プレートの一部分は、下隆起部とは反対方向にずれていてもよい。これに加えて、下プレートの一部分をずらすことによって形成された空洞は、上プレートのずれた遠位端を収容することができてもよい。不使用位置での下プレートに対する上プレートの向きが、使用待機位置での下プレートに対する上プレートの向きと反対にされる場合、この態様は特に有利である。これは、下プレートおよび上プレートの意図的でない分離が容易に起きない不使用位置(すなわち、下プレートおよび上プレートが堅く結合された状態)を実現するからである。
【0020】
本発明の好ましい一態様によれば、窓が下プレートに形成されてもよく、対応する窓が上プレートに形成されてもよい。この場合、下プレートの窓および上プレートの窓は、少なくとも不使用位置では互いに少なくとも部分的に重なってもよい。さらに、本発明のさらに好ましい一態様によれば、下プレートの窓および上プレートの窓は、互いに異なるサイズおよび/または形状を有してもよい。この好ましい態様によれば、使用者は、窓の1つを通して鏡に映された使用者の顔の一部、特に使用者の眼および使用者のまつげの周りのエリアを目で見て確認することができる。それだけでなく、2つの窓が互いに異なるサイズおよび/または形状を有する場合、2つのプレートを分離するとき、一方のプレートを、他方のプレートに形成された窓を通して指先で押し出すことができる。その結果、使用者が不使用位置から使用待機位置により容易に切り替えることが可能である。
【0021】
本発明の好ましい一態様によれば、下プレートの下隆起部と上プレートの上隆起部の両方が、それらの遠位端に向かって凸になるように湾曲していてもよい。下隆起部および上隆起部の湾曲は、たとえば、円、楕円、放物線、双曲線、または他のどんな曲線であってもよい。さらに、下隆起部および上隆起部は、部分的に直線部分を含んでもよい。
【0022】
本発明の好ましい一態様によれば、まつげカール器は、ロッキング機構をさらに備えてもよい。この場合、ロッキング機構は、下プレートおよび上プレートが互いに結合されて不使用位置になっているとき、上プレートが下プレートから非意図的に分離するのを防ぐように構成されてもよい。本発明のさらに好ましい一態様によれば、ロッキング機構は、下プレートの溝穴の内周面から溝穴に突出する少なくとも1つのボスを備えてもよい(溝穴が存在する場合)。この場合、ボスは、上プレートの上隆起部が溝穴に入るとき引っ込み、上プレートの上隆起部に押圧力を加えるように構成されてもよい。この態様は、下プレートおよび上プレートの意図的でない分離が容易に起きない不使用位置(すなわち、下プレートおよび上プレートが堅く結合された状態)を実現するのにも有利である。
【0023】
本発明の好ましい一態様によれば、上プレートおよび下プレートのうちの少なくとも一方が、プラスチック材料、木材、および竹材のグループから選択される非金属材料で作られてもよい。具体的には、上プレートおよび下プレートのうちの少なくとも一方、より好ましくは両方が、プラスチック材料で作られてもよい。さらに、本発明の好ましい一態様によれば、下プレートおよび上プレートのうちの少なくとも一方、より好ましくは両方が、透明または半透明のプラスチック材料で作られてもよい。下プレートと上プレートの両方が透明なプラスチック材料で作られる場合、使用者がプレートを通して鏡に映った使用者の顔の一部、特に使用者の眼および使用者のまつげの周りのエリアを目で見て確認することが可能である。
【0024】
ここで、本発明の非限定的で代表的な実施形態について、添付の図面を参照して以下で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態によるまつげカール器の、まつげカール器がフラットな不使用位置である斜視図である。
【
図2】
図1に示すまつげカール器の、まつげカール器が使用待機位置である斜視図である。
【
図3】
図1および
図2に示すまつげカール器の下プレートの斜視図である。
【
図4】
図1および
図2に示すまつげカール器の下プレート部の平面図である。
【
図5】
図1および
図2に示すまつげカール器の下プレートの、
図4の線X
3-X
3に沿った断面図である。
【
図6】
図1および
図2に示すまつげカール器の上プレートの斜視図である。
【
図7】
図1および
図2に示すまつげカール器の上プレートの平面図である。
【
図8】
図1および
図2に示すまつげカール器の上プレートの、
図7の線X
4-X
4に沿った断面図である。
【
図9】
図1に示すまつげカール器の、
図1の線X
1-X
1に沿った断面図である。
【
図10】
図2に示すまつげカール器の、
図2の線X
2-X
2に沿った断面図である。
【
図11】フラットな不使用位置から使用待機位置へ、
図1および
図2に示すまつげカール器を結合し直すプロセスを示す概略図である。
【
図12】
図1および
図2に示すまつげカール器を使用して使用者がまつげをカールさせるために行うステップを示す概略図である。
【
図13】使用待機位置からフラットな不使用位置へ、
図1および
図2に示すまつげカール器を結合し直すプロセスを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、
図1から
図13を参照しながら、本発明のいくつかの例示的な実施形態について説明する。各図では、各要素の幅、長さ、高さ、直径などの縮尺比率は一定ではない場合がある。いくつかの図では、いくつかの要素または特徴が、強調のために実際よりも大きくまたは小さく描かれていることに留意されたい。
【0027】
本明細書で使用する「上」、「下」、「上に」、「下に」、「上方」、「下方」、「上部」、「下部」、「右」、「左」などの方向に関係する用語は、図中のカール器の向きに関係して理解されるべきであり、その向きは使用時の実際の向きに一致するまたは一致しない場合がある。さらに、当業者には明らかであるように、本明細書では、「遠位」という用語は、使用者がまつげをカールさせるためにカール器を使用しているとき、使用者のまつげから離れている側を意味する。一方、「近位」という用語は、使用者がまつげをカールさせるためにカール器を使用しているとき、使用者のまつげにより近い側を意味する。
【0028】
図1および
図2は、いくつかの図では参照番号「F」によって示されるまつげをカールさせるために使用される、本発明の一実施形態によるまつげカール器1を概略的に示す。具体的には、
図1は、以下で詳細に説明するように完全にフラットな「不使用」位置のまつげカール器1を示す。
図2は、以下で詳細に説明するように「使用待機」位置の同じまつげカール器1を概略的に示す。
【0029】
図1および
図2からわかるように、まつげカール器1は、下プレート10と、上プレート20とを備える。この実施形態では、上プレート10と下プレート20の両方が、プラスチック材料、具体的には透明プラスチック材料で作られる(後で説明する弾性パッドを除く)。下プレート10および上プレート20は、たとえば射出成形プロセスによって形成されてもよい。下プレート10および上プレート20は、共に柔軟性および剛性を必要としている。たとえば、PCTA(ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタラート)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PETG(ポリエチレンテレフタラート共重合体)、PP(ポリプロピレン)が、両プレート10および20を形成するためのプラスチック材料として使用されることがある。しかしながら、別の実施形態では、下プレート10および上プレート20の一方のみが、プラスチック材料で作られてもよい。さらに、また別の実施形態では、下プレート10および上プレート20の一方のみが、透明プラスチック材料で作られてもよい。代替的に、下プレート10および上プレート20の一方または両方が、半透明プラスチック材料で作られてもよい。下プレート10および上プレート20の一方または両方が、木材または/および竹材など、他の非金属材料で作られてもよい。
【0030】
図3から
図5に示すように、下プレート10は、中心軸(すなわち、縦軸)A
1と、近位端100aと、遠位端100bと、近位端100aと遠位端100bとの間に広がる主面エリア100cとを有する。
図3から
図5は、様々な方向から見た下プレート10を示している。すなわち、
図3は、下プレート10の斜視図であり、
図4は、下プレート10の平面図であり、
図5は、
図4の線X
3-X
3に沿った下プレート10の断面図である。図示のように、下プレート10の近位端100aは、遠位端100bに向かって凸である湾曲凹部102を有する。凹部102の曲率は、この製品(まつげカール器)が供給されるエリアまたは地域の人種の顔の解剖学的特徴に従って適切に選択される。たとえば、一般的には、白色人種のまぶたの輪郭の曲率半径は、アジア人の曲率半径よりも小さい値を有する。この解剖学的知識は、凹部102の曲率(曲率半径)を決定するために使用されてもよい。
【0031】
湾曲凹部102に沿って、下プレート10は、近位端100aに一対の下隆起部110a、110bを備える。これらの下隆起部110a、110bは、下プレート10の中心軸A1と交差する方向に延びる。下プレート10はさらに、使用時にカールさせるまつげを受けるための弾性パッド190を備える。一対の下隆起部110a、110bは、協働してそれらの間に溝120を画定する。弾性パッド190は、下隆起部110a、110bの間に画定された溝120に配置される。弾性パッド190は、下隆起部110a、110bと同じ伸長範囲にわたって溝120に延びる。この実施形態では、弾性パッド190の丸みのある上端は、溝120の開口からわずかに突出する。また、この実施形態では、両方の下隆起部110a、110bが、遠位端100bに向かって凸であるように、たとえば、所与の曲率半径(変動することがある)を有する円形の輪郭に沿って湾曲している。さらに、この実施形態では、弾性パッド190は、たとえば、シリコーンゴムでできているが、他の好適な弾性材料を使用して構成されてもよい。
【0032】
一方、
図6から
図8に示すように、上プレート20は、中心軸(すなわち、縦軸)A
2と、近位端200aと、遠位端200bと、近位端200aと遠位端200bとの間に広がる主面エリア200cとを有する。
図6から
図8は、様々な方向から見た上プレート20を示している。すなわち、
図6は、上プレート20の斜視図であり、
図7は、上プレート20の平面図であり、
図8は、
図7の線X
4-X
4に沿った上プレート20の断面図である。図示のように、上プレート20の近位端200aは、遠位端200bに向かって凸である凹部202を有する。凹部202の曲率もまた、上記のように適切に選択される。
【0033】
湾曲凹部202に沿って、上プレート20は、近位端200aに上隆起部210を備える。上隆起部210は、上プレート20の中心軸A2と交差する方向に延びる。以下で詳細に説明するように、上隆起部210は、下プレート10の弾性パッド190と協働して、カールさせるまつげを挟圧することができるように構成される。この実施形態では、上隆起部210もまた、遠位端200bに向かって凸であるように、下隆起部110a、110bの湾曲に対応して湾曲している。
【0034】
下プレート10の隆起部110a、110bおよび上プレート20の隆起部210は、様々な断面を有してもよい。この実施形態では、丸みのある端部を有する細長い長方形が、これらの隆起部の断面形状として採用されている。しかしながら、隆起部の断面形状は、台形(もしくは逆台形)または任意の他の好適な形状であってもよい。
【0035】
再び
図1および
図2を参照すると、下プレート10および上プレート20は、互いに結合されて不使用位置または使用待機位置になることができるように構成される。具体的には、この実施形態では、不使用位置での下プレート10に対する上プレート20の向きは、使用待機位置での下プレート10に対する上プレート20の向きと反対である。不使用位置での、
図1の線X
1-X
1に沿った、
図1に示すまつげカール器1の断面である
図9からもわかるように、下プレート10および上プレート20は、上プレート20が下プレート10と密着するように互いに結合される。この密着状態では、上プレート20は下プレート10に対して枢動することができない。したがって、
図1および
図2に示すまつげカール器1は、「フラットなまつげカール器」と呼ぶことができる。
【0036】
一方、使用待機位置では、下プレート10および上プレート20は、弾性パッド190および上隆起部210が互いに面するように互いに結合される。そのような結合状態では、上プレート20はレバーアームとして機能することができる。すなわち、上プレート20は、(必要ならばまたは場合によっては上プレート20の適切な弾性変形を用いて)弾性パッド190と上隆起部210との間でカールさせるまつげを挟圧するために下プレート10に対して枢動することができる。使用待機位置での、
図2の線X
2-X
2に沿った、
図2に示すまつげカール器1の断面である
図10からもわかるように、下プレート10および上プレート20は、直線に沿って互いに接触している。使用待機位置において下プレート10および上プレート20が互いにそれに沿って接触する直線は、仮想枢動軸Bを定め、これを中心として上プレート20は下プレート10に対して枢動する。
【0037】
再び
図3から
図5を参照すると、下プレート10は、それの近位端100aに溝穴130をさらに備える。下プレート10および上プレート20が互いに結合されて不使用位置になるとき、上プレート20の上隆起部210は、この溝穴130に入ることができる。これに加えて、下プレート10もまたそれの遠位端100bに、下プレート10の中心軸A
1に直交する方向に広がる開口140を備える。上プレート20の遠位端200bは、開口140の幅W
1よりも小さい幅W
2を有する(
図4および
図7参照)。したがって、使用待機位置では、下プレート10および上プレート20は、上プレート20の遠位端200bが下プレート10の開口140を通り抜けるように互いに結合される。
【0038】
この実施形態では、まつげカール器1は、ロッキング機構をさらに備える。このロッキング機構は、下プレート10および上プレート20が互いに結合されて不使用位置になっているとき、上プレート20が下プレート10から非意図的に分離するのを防ぐように構成される。より具体的には、ロッキング機構は、下プレート10の溝穴130の内周面から溝穴130に突出するボス160を備える。
図4に最も良く示されるように、ボス160の幅よりもわずかに大きい幅を有する溝穴170が、下プレート10のボス160の後ろに、すなわちボス160と隆起部110aとの間に形成される。このために、ボス160は、上プレート20の上隆起部210が
図1に示すように溝穴130に入るとき、わずかに引っ込むことができる。この引っ込んだ状態では、ボス160は、上プレート20の上隆起部210に押圧力を加えることができる。単一のボスを有する実施形態について本明細書で説明したが、複数のボスがあってもよいことが当業者には諒解されよう。
【0039】
図8からわかるように、上プレート20の遠位端200bは、上プレート20の主面エリア200cから、主面エリア200cに垂直な方向にずれている。同様に、
図5からわかるように、開口140の遠位に位置している下プレート10の遠位端100bの一部分は、主面エリア100cに垂直な方向に下プレート10の主面エリア100cから部分的にずれている。上述のように、不使用位置では、下プレート10に対する上プレート20の向きは、使用待機位置での下プレート10に対する上プレート20の向きと反対にされる。したがって、
図9に示すように、フラットな不使用位置では、上プレート20の遠位端200bは、下プレート10の遠位端100bの一部分をずらすことによって形成された空洞180(
図3から
図5参照)内にぴったり合うことができる。これは、上隆起部210と下プレート10の溝穴130との係合によってもたらされるさらなる分離防止効果と組み合わせて、下プレート10および上プレート20の意図的でない分離を効果的に防ぐ。
【0040】
再び
図4を参照すると、下プレート10に窓150が形成されている。同様に、
図7に示すように、上プレート20に窓250が形成されている。下プレート10の窓150および上プレート20の窓250は、不使用位置と使用待機位置の両方で、互いに部分的に重なるように構成される。すなわち、下プレート10の窓150および上プレート20の窓250は、互いとは異なるサイズおよび形状を有する。この実施形態では、窓150は、一方の側が湾曲した長方形(やや台形の長方形)であり、窓250は、同じく一方の側が湾曲した正方形(やや台形の正方形)である。しかしながら、窓150、250は、任意の他の形状であってもよい。たとえば、正方形形状および長方形形状以外の、多角形形状、半円形形状、円形形状、楕円形形状などが窓150、250に採用され得る。別の実施形態では、窓は、下プレート10および上プレート20のうちの一方のみに設けられてもよい。また別の実施形態では、両方のプレート10、20に窓がなくてもよい。窓250を設けることによって、使用者は、窓250を通して、鏡に映された使用者の顔の一部、特に使用者の眼および使用者のまつげの周りのエリアを目で見て確認することができる。これに加えて、2つの窓150、250は互いとは異なるサイズおよび形状を有するので、2つのプレート10、20は、まつげカール器1を不使用位置から使用待機位置に変えるとき、容易に分離することができる。これを行うために、使用者は、下プレート10の窓150にある(またはそこから見える)上プレート20の主面200cの一部分(
図7の網目模様の部分)を使用者の指先で押し出すだけでよい。
【0041】
以下では、上記で説明したまつげカール器1を使用して天然まつげをカールさせるための方法について説明する。しかしながら、カールさせるまつげは、天然まつげに取り付けられた房状のつけまつげ、または天然まつげとつけまつげの両方であってもよい。参考として、つけまつげは一般に、複数の個別のまつげ繊維と、これらのまつげ繊維を互いに実質的に平行につなぐまたは連結するベースラインとを備える。まつげ繊維は、合成繊維または天然繊維であってもよい。たとえば、まつげ繊維は、絹繊維、綿繊維、ウール繊維、亜麻繊維、セルロース繊維、レーヨン繊維、ポリアミド(ナイロン(登録商標))繊維、ビスコース繊維、アセテート繊維、アクリルポリマー繊維、ポリオレフィン繊維、ポリエチレンテレフタラート(PET)繊維、ポリブチレンテレフタラート(PBT)繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、炭素繊維、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標)など)繊維、不溶性コラーゲン繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル繊維もしくはポリ塩化ビニリデン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維、キトサン繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレンフタラート繊維、人毛、または上述のポリマーなどのポリマーの混合から形成される繊維、たとえばポリアミド/ポリエステル繊維であってもよい。
【0042】
カールさせるために使用する前に、まつげカール器1は、使用待機位置に変えられる。すなわち、下プレート10および上プレート20は、不使用位置から使用待機位置に結合し直される。このために、上プレート20は、まず下プレート10から分離される(
図11(a)参照)。これは、たとえば、下プレート10の窓150を通して、上プレート20の主面エリア200cを指先で押すことによって、容易に行うことができる。その後、上プレート20は、不使用位置の向きと反対の向きで、もう一度下プレート10と結合される。これは、まず上プレート20をひっくり返し、次いでこの反転した上プレート20の遠位端200bを下プレート10の開口140に挿入することによって容易に行うことができる(
図11(b)および(c)参照)。その結果、まつげカール器1は、今では使用待機位置にある(
図11(d)参照)。
【0043】
不使用位置から使用待機位置に変えられたまつげカール器1を使用してカールさせるプロセスは、次のように行われてもよい。まず、使用者は、まつげFがカール器1の上隆起部210と弾性パッド190との間に位置するように、顔の前方にまつげカール器1を配置する(
図12(a)参照)。その後、使用者は、下プレート10および上プレート20の近位端100a、200aが互いに近づくように、指先で上下からそれらに力を加えることによって、下プレート10に対して上プレート20を枢動させる。これは、弾性パッド190および上隆起部210が、まつげFを上にカールさせるために共に働くようにする(
図12(b)参照)。この状態で、弾性パッド190の上端は、上隆起部210によって弾性的につぶされ、凹状になる。上述のように、上プレート20の枢動には、それの適度な弾性変形が伴う可能性がある。
【0044】
まつげFが押圧されると、使用者は、上プレート20を下プレート10に対して反対方向に枢動させ、それらの近位端100a、200aが互いから離れて間隔をあけられるようにする(
図12(c)参照)。これは、下プレートおよび上プレート10、20の遠位端100b、200bに指先を使って上下から力を加えることによって容易に行うことができる。上記のプロセスは、通常、まつげFが挟圧される位置がまつげFの先端に向かってわずかに移されて、必要に応じて複数回繰り返される。その結果、まつげFは、今では全体として上にカールされる。
【0045】
まつげFのカール処理が完了された後、カール器は、持ち運びまたは保管のために完全にフラットな不使用位置に変えられる。すなわち、下プレート10および上プレート20は、使用待機位置から不使用位置に結合し直される。このために、上プレート20は、もう一度下プレート10から分離される(
図13(a)参照)。これは、下プレート10の開口140から、上プレート20の遠位端200bを引き出すことによって容易に行うことができる。その後、上プレート20は、使用待機位置の向きと反対の向きで、もう一度下プレート10と結合される。これは、まず下プレート10をひっくり返し、次いで上プレート20の遠位端200bを、反転した下プレート10の開口140にもう一度挿入することによって容易に行うことができる(
図13(b)および(c)参照)。最後に、上プレート20の上隆起部210は、上記のようにロッキング機構の抵抗に打ち勝つことによって、下プレート10の溝穴130に挿入される。その結果、まつげカール器1は、今では持ち歩くのに便利な完全にフラットな不使用位置にある(
図13(d)参照)。
【0046】
上記で説明したように、美容処理に使用されていないとき、まつげカール器1の下プレート10および上プレート20は、上プレート20が下プレート10と密着するように、互いに結合することができる。すなわち、不使用位置では、まつげカール器1は、最小限のかさを有する完全にフラットな形状をとることができ、持ち運びおよび保管に小さい空間しか必要としない。したがって、比較的大きいかさを有する従来のまつげカール器と比較して、持ち運びしやすさまたは携帯性は著しく増加する。一方、結合されて使用待機位置になると、まつげカール器1は、美容処理の優れた操作性を示す。すなわち、まつげカール器1を用いて、まつげFは、簡単な操作によって安全にカールさせることができ、カールさせるまつげFは弾性パッド190と上隆起部210との間にはさまれ、次いで上プレート20は下プレート10に対して枢動される。これに加えて、まつげカール器1は本質的に、たとえば射出プロセスによって得られるわずか2つのプレート、すなわち下プレート10と、上プレート20とから成るので、まつげカール器1は、構造が単純であり、したがって既存のまつげカール器と比較して低コストで製造することができる。
【0047】
本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して詳細に上記で説明した。しかしながら、本発明は、これらの実施形態に限定されず、本発明の範囲から逸脱することなく、上記で説明した実施形態に、様々な修正および変更が行われる場合があり、そのような修正および変更もまた、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
1 まつげカール器
10 下プレート
20 上プレート
100a 近位端
100b 遠位端
100c 主面エリア
102 湾曲凹部
110a 下隆起部
110b 下隆起部
120 溝
130 溝穴
140 開口
150 窓
160 ボス
170 溝穴
180 空洞
190 弾性パッド
200a 近位端
200b 遠位端
200c 主面エリア
210 上隆起部
250 窓
【外国語明細書】