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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022006432
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】紙容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 3/20 20060101AFI20220105BHJP
   B65D 5/40 20060101ALI20220105BHJP
   B65D 3/08 20060101ALI20220105BHJP
   B65D 3/26 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
B65D3/20
B65D5/40
B65D3/08
B65D3/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020108649
(22)【出願日】2020-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】滝田 亮一
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA17
3E060AB01
3E060BA01
3E060CE04
3E060CE12
3E060CE22
3E060CF05
3E060CG12
3E060DA18
3E060EA03
(57)【要約】
【課題】液体等の内容物を注出容器などに詰め替えやすくできるように、開封時に注ぎ口を形成し、かつ、密封性の高い紙容器を得る。
【解決手段】紙を基材とし、少なくとも内面に融着可能な樹脂層を有する積層シート(10)からなり、円錐台、又は角に曲面を有する角錐台、あるいは筒状の側面形状を有する胴部(2)と、胴部の一方を下端とし、下端に底部(3)を有した自立性の紙容器(1)であって、胴部の他方を上端とし、上端を押しつぶして、内面同士が平面状に融着した閉鎖部(4)を形成し、該閉鎖部が、左右いずれか一方に底部からの高さが高い高閉鎖部(41)と、他方に底部からの高さが前記高閉鎖部より低い低閉鎖部(42)と、を有し、該高閉鎖部の融着下端より下方を通り、かつ、上記低閉鎖部の融着下端より上方を通る脆弱線(5)を設けたことを特徴とする紙容器。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙を基材とし、少なくとも内面に融着可能な樹脂層を有する積層シートからなり、
円錐台、又は角に曲面を有する角錐台、あるいは筒状の側面形状を有する胴部と、
胴部の一方を下端とし、下端に底部を有した自立性の紙容器であって、
胴部の他方を上端とし、上端を押しつぶして、内面同士が平面状に融着した閉鎖部を形成し、
該閉鎖部が、左右いずれか一方に底部からの高さが高い高閉鎖部と、他方に底部からの高さが前記高閉鎖部より低い低閉鎖部と、を有し、
該高閉鎖部の融着下端より下方を通り、かつ、上記低閉鎖部の融着下端より上方を通る脆弱線を設けたことを特徴とする紙容器。
【請求項2】
前記脆弱線が、高閉鎖部範囲で底部からの高さを高くし、低閉鎖部範囲で高さを低くし、高閉鎖部における高さから低閉鎖部における高さに変化する段差部を低閉鎖部内に有する段差付脆弱線であることを特徴とする請求項1に記載の紙容器。
【請求項3】
脆弱線が、開封用ミシン目であることを特徴とする請求項1又は2に記載の紙容器。
【請求項4】
積層シートが、バリア層を有することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の紙容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙を基材とし底部を有する自立性紙容器であって、内容物を注出用容器などに詰め替えし易い紙容器に関する。
【背景技術】
【0002】
紙容器は、一定の剛性があって、特に底面を有する紙容器は、内容物が入っている時でも、内容物を注出中や注出後であっても、左右から容器胴部をつかんで持ち上げることが可能なので、使い易く、かつ、廃棄しやすい容器であり、液体や顆粒状の内容物など、多種の容器に用いられている。
ところで、密封可能とする紙容器は、詰め替え用容器などに使用すると、容器の廃棄などしやすく、便利である。一般的には、紙カップなどの紙容器の上面を蓋資材でシールし、密封する方法が一般的で、スナック菓子などの固形内容物を収納する容器で、多く使用されていた。
しかしながら、固形内容物以外の液体を内容物とし、蓋材を上端にシールする場合には、密封性が低く、かつ、液咬みシール等ができないので、空気等の基体が内部に多く入ってしまい、劣化の原因になりやすいなどの問題を有していた。
【0003】
これらの問題に対して、特許文献1では、
底面と、前記底面の周縁部に密着した筒状の壁面とを有した紙容器であって、
前記壁面の頂部には、内面同士を直線状に貼り合わせた頂部閉鎖部を有し、
前記底面は、前記頂部閉鎖部の伸びる方向の差し渡しが、前記頂部閉鎖部と直交する方向の差し渡しより長いことを特徴とする紙容器を提案している。
【0004】
この特許文献1の紙容器の場合には、液体等の内容物を充填することは可能で、密封性も高くすることができるが、開封して注出容器などに詰め替える時など、詰め替え容器として使用する場合、注ぎ口がないので、詰め替える時に内容物が漏れてしまい易いなどの問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2019/044279号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、液体等の内容物を注出容器などに詰め替えやすくできるように、開封時に注ぎ口を形成し、かつ、密封性の高い紙容器を得ることが、本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る折り畳み可能な紙カップは、
紙を基材とし、少なくとも内面に融着可能な樹脂層を有する積層シートからなり、
円錐台、又は角に曲面を有する角錐台、あるいは筒状の側面形状を有する胴部と、
胴部の一方を下端とし、下端に底部を有した自立性の紙容器であって、
胴部の他方を上端とし、上端を押しつぶして、内面同士が平面状に融着した閉鎖部を形成し、
該閉鎖部が、左右いずれか一方に底部からの高さが高い高閉鎖部と、他方に底部からの高さが前記高閉鎖部より低い低閉鎖部と、を有し、
該高閉鎖部の融着下端より下方を通り、かつ、上記低閉鎖部の融着下端より上方を通る脆
弱線を設けたことを特徴とする紙容器である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の紙容器は、上端の内面同士が平面状に融着した閉鎖部を形成するので、密封性は高く、液体等も収納可能である。
さらに、閉鎖部が、左右いずれか一方の内側に高い高さ位置の高閉鎖部を有し、高閉鎖部だけが開封され、注ぎ口を形成するので、注出容器などに詰め替えるなどには、注ぎ口を注出容器に挿入可能となり、周囲に内容物をこぼすことなく、液体等を注ぎ入れることが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の紙容器の第一実施形態例を示す平面図と縦断面図と、その一部を拡大した部分拡大図である。
図2】本発明の紙容器の第一実施形態例を開封する工程と、開封後、内容物を注出容器へ内容物を詰め替える状況を示す図である。
図3】本発明の紙容器を紙カップの状態から、上部をシールする工程を示す図である。
図4】本発明の紙容器に使用する積層シートの構成例を示す模式図である。
図5】本発明の紙容器の第二実施形態例で、シール前の形状が、円筒形状の紙カップで、その外観を示す斜視図と、その紙カップ上端をシールした状態を示す斜視図である。
図6】本発明の紙容器の第三実施形態例で、シール前の形状が、角錐台形状の紙カップで、その外観を示す斜視図と、その紙カップ上端をシールした状態を示す斜視図である。
図7】本発明の紙容器の第四実施形態例で、シール前の形状が、第一実施形態例と同じ円錐台形状の紙カップであるが、その紙カップ上方のシールした面に設ける脆弱線が底部に平行な直線とした紙容器の形状を示す斜視図と、その紙容器を開封して内容物を注出する状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の紙容器における実施の形態例について、図を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の紙容器の第一実施形態例を示す図で、図1-1が平面図、図1-2がその縦断面図である。
本発明の紙容器1は、紙を基材とした積層シート10から形成され、胴部2と底部3から構成されている。
使用される積層シート10は、図4に示すように、基材層11に紙を使用し、少なくとも内面に融着可能な樹脂層12を有している。内容物が腐敗し易いものである場合には、内面の融着可能な樹脂層12と紙基材層11との間に、サンド樹脂15や接着剤層を介して金属箔層や、蒸着フィルム層、あるいはバリア性樹脂層、などのバリア層13を設けることが望ましい。
さらに、外面側にも、融着可能な樹脂層14を設けた積層シート10であれば、より強度の高い底部3や胴部2を形成することができる。
【0011】
図1の第一実施形態例では、円錐台の側面形状を有する胴部2と、胴部2の一方を下端とし、下端に底部3を有した自立性の紙容器1に形成されている。
図1-2の部分拡大図に示すように、底部3は、底板31の周縁を底面に対して垂直に立てた立壁32を設け、その立壁32を表裏から胴部下端21で巻き込んだ状態にして融着する。この為、底部3は、強度の高い糸尻210に形成されるので、手で持つのに力を入れても変形しにくく、つかみやすいホールド部とすることができる。
【0012】
第一実施形態例の胴部2は、円錐台の側面形状をとなっているが、その胴部上端22は、押しつぶして、内面同士が平面状に融着した閉鎖部4を形成している。
該閉鎖部4は、左右いずれか一方に底部3からの高さが高い高閉鎖部41と、他方に底部
3からの高さが前記高閉鎖部41より低い低閉鎖部42と、ができるように、内側に段差を設けた閉鎖部4としている。
そして、紙容器を開封する時に切り裂いて、開口できるようにする脆弱線5は、該高閉鎖部41の融着下端より下方を通り、かつ、上記低閉鎖部42の融着下端より上方を通るように設けている。
脆弱線5は、ここでは、開封用のミシン目状に容易に切断可能な部分と、一定の強度を保持する部分とが交互に、飛び飛びの線状に形成された線で構成されている。
容易に切断可能な部分は、図4示す脆弱線5で示すように、基材層11等が容易に破断しやすいよう切り欠かれているが、破断し易い層を繋げて密封性が確保した半抜き状態であってもかまわない。
【0013】
上記脆弱線5は、高閉鎖部41の融着下端411より下方を通り、かつ、上記低閉鎖部42の融着下端421より上方を通すように設けている。
第一実施形態例の脆弱線5は、高閉鎖部41における高位脆弱線51が、低閉鎖部42における低位脆弱線52に対し、底部よりより離れた高い位置に形成され、その高低の差で段差を形成し、該段差を低閉鎖部42の領域に設けた変位脆弱線53によって繋げ、段差付脆弱線としている。
【0014】
図2-1は、本発明の紙容器の第一実施形態例を開封する工程を示す図である。
脆弱線5に沿って引き裂くと、高閉鎖部41では、脆弱線5が高閉鎖部41の融着下端411より下方を通っているので、完全に開封され、高閉鎖部は除去され、紙容器1内部が外気に繋がる。
【0015】
しかし、低閉鎖部42の領域では、低位脆弱線52が低閉鎖部42の融着下端421より上方を通っているので、閉鎖部を上下に引き裂く状態になる。
引き裂いた開封後も、低閉鎖部42の領域では、内面同士が平面状に融着した低閉鎖下部422が紙容器側に残る。
この為、内面同士が平面状に融着した低閉鎖下部422は、開封後の紙容器1に残り、手で持つのに力を入れても変形しにくく、つかみやすいホールド部とすることができる。
【0016】
図2-2は、開封した本発明の紙容器1から、注出容器6へ内容物を詰め替える状況を示す図である。
本発明の紙容器1における第一実施形態例では、図2-1に示す脆弱線5は、高閉鎖部41における高位脆弱線51が、低閉鎖部42における低位脆弱線52に対し、底部よりより離れた高い位置に形成され、その高低差を段差の状態で低閉鎖部42の領域に設けた変位脆弱線53によって繋げた段差付脆弱線になっている。
引き裂く脆弱線が段差付脆弱線になっている為、変位脆弱線部53より高位脆弱線51側の部分は、低位脆弱線部52よりも飛び出した注出口510を形成している。
この注出口510が飛び出した状態になるので、図2-2に示すように、注出容器6の開口部に、該注出口510を挿入できる為、周囲に漏れ出ることが無いように、詰め替えることができる。
【0017】
図3は、第一実施形態例において、胴部2に底部3を付けた状態から、本発明の紙容器1に加工する工程を示す図である。
図3-1は、円錐台の側面形状をした胴部2の一方の小径側を胴部下端21とし、胴部下端21側に底部3を取り付けた初期の状態である。
【0018】
図3-2の工程では、まず、胴部2の他方の大径側を胴部上端22とし、胴部上端22側を平面状に押しつぶす。
【0019】
図3-3の工程では、押しつぶした胴部上端22をヒートシールするなどして、閉鎖部4に加工する。
左右いずれか一方に底部からの高さが高い高閉鎖部41と、他方に底部からの高さが前記高閉鎖部41より低い低閉鎖部42の、内側に段差のある閉鎖部4を形成させる。
【0020】
図3-4の工程は、脆弱線5を加工する工程である。脆弱線5は、高閉鎖部41の融着下端411より下方を通り、かつ、低閉鎖部42の融着下端421より上方を通る。
この実施形態例では、脆弱線が、注出口が飛び出す段差付脆弱線になっている。
【0021】
図4は、本発明の紙容器に使用する積層シートの構成例を示す模式図である。
先に記載したように、本発明の紙容器に用いる積層シート10は、少なくとも、紙からなる基材層11と、最内面に融着可能な樹脂層12を有している。
図4の例では、基材層11と融着可能な樹脂層12との間に、サンド層15を介してバリア層13を設け、さらに、基材層11の外側にも、融着可能な樹脂層14を設けている。
【0022】
ここに、積層シートに加工する脆弱線5は、半抜きのミシン目状に、ビク刃でプレス加工したり、ロータリー刃で加工したり、レーザー光を走査して加工する。
ビク刃やロータリー刃の加工は、図3-4の形状の、ミシン目形状に合わせた刃を作成し、対抗する受け板や受けロールなどとの間に、紙容器の閉鎖部を挟むようにプレスして押し当て、加工する。
【0023】
レーザー光によるミシン目の加工は、レーザー光として、炭酸ガスレーザーや窒素レーザーなどのガスレーザーや、ルビーレーザー、YAGレーザーなどの固体レーザーなどを用いることができるが、特に確実に基材層を除去するには、炭酸ガスレーザーが好ましい。
脆弱線の加工の例としては、波長10.6μmの炭酸ガスレーザーを21ワットの出力で、2500mm/秒の速度のような条件に設定し、図3-4の脆弱線など、ミシン目形状に、飛び飛びに走査し、表面から基材層を通りバリア層までの深さに表裏両面に加工するなどして対応する。
バリア層が金属箔の場合には、レーザー光がバリア層表面で反射し、バリア層は破断しなくても、金属箔が切り裂きに弱く、容易に切り裂くことができるので、基材層の30~60パーセントの深さまで照射して破断しておけば、容易に切り裂くことができるので、深さに無理なく脆弱線を作成することができる。
脆弱線をミシン目状に加工しないで、ハーフカットだけで直線状に加工する方法であっても良い。この場合には、脆弱線の深さは、基材厚みの20~40パーセント程度の深さとする。
ハーフカットの場合にも、ビク刃やロータリー刃、レーザー光の走査などで加工することができる。
【0024】
図5は、本発明の紙容器の第二実施形態例で、図5-1に上端の閉鎖部をシールする前の形状を斜視図で示した。
このように、シール前の胴部2形状は、傾斜した曲面でなく、筒状であっても良い。
図5-2は、内容物を充填後、胴部2上端を閉鎖し、閉鎖した閉鎖部4に脆弱線5を加工した状態を示した。
シール前の胴部形状が円筒状なので、押しつぶした上端の閉鎖部4の幅は、底部3の直径のπ/2倍になる。
底部3は、第一実施形態例と同じように、胴部2下端を底部3に巻き込んだ糸尻が形成されているので、ホールド性は確保できる。このように、本発明の紙容器は、シール前の胴部形状が、傾斜した曲面でなく、筒状であっても良い。
【0025】
図6は、本発明の紙容器の第三実施形態例で、図6-1に上端の閉鎖部をシールする前の形状を斜視図で示した。
第三実施形態例では、シール前の形状が、胴部2を四隅が曲面とした角錐台形状とした紙容器である。
第三実施形態例の底部も、胴部の積層シートを巻き込んだ糸尻が形成されているので、ホールド性は確保できる。
【0026】
図6-2は、胴部2上端を押しつぶして閉鎖した閉鎖部4と、脆弱線を形成した斜視図であるが、図のように角錐台の胴部2に合わせて、上端面における対角線の方向に合わせて押しつぶして閉鎖部4を作成しても良いが、向かい合った2辺を等分するように押しつぶして閉鎖部を形成してもかまわない。
【0027】
図7は、本発明の紙容器の第四実施形態例で、シール前の胴部形状が、第一実施形態例と同じ円錐台形状の紙カップであるが、その紙カップ上方のシールした面に設ける脆弱線が底部に平行な直線とし、段差付脆弱線を使用しない紙容器の実施形態例である。
図7-1がその外観を示す斜視図で、図7-2に、その紙容器を開封して内容物を注出する状態を斜視図で示した。
閉鎖部4が高位閉鎖部41と低位閉鎖部42とに分けて形成しているので、脆弱線5が底部に平行な直線状のミシン目であっても、切り裂いた時に、高位閉鎖部の範囲だけ開封され、高位閉鎖部の範囲だけに注出口510が形成される。
注出口が高位閉鎖部の範囲だけ開封されても、注出口の周囲の高さは同じ高さなので、注出先に突っ込むことはできないが、開放的な容器であれば、端部に注出口510が形成されているので、注出しやすい形状になっている。
【0028】
本発明の紙容器に使用する積層シートの紙基材は、カップ原紙と呼ばれる、坪量150~400g/mの板紙が用いられる。
最内層や最外層に用いる融着可能な樹脂層、および基材層とバリア層を貼り合せるサンド樹脂に用いる熱可塑性樹脂は、低密度ポリエチレンや、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、高密度ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体など、使用する温度に適した素材を選択して使用する。
また、バリア層としては、金属箔であるアルミニウム箔や、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに酸化珪素などの酸化金属を蒸着したフィルムを積層しても良い。
これらの積層化には、エクストラミネーション機で積層するか、接着剤を塗布して、ドライラミネーション機やウエットラミネーション機で貼り合せる。
基材の紙とバリア層との貼り合わせには、間に低密度ポリエチレンなどのエチレン系の熱可塑性樹脂やポリプロピレン系の熱可塑性樹脂をサンドする。このサンド樹脂15の厚さは、12~40μmとするが、エッジプロテクトする場合には、内面側の熱可塑性樹脂層を40~60μmまで厚目にする。
【0029】
本発明は、以上のようなもので、本発明の紙容器は、上端の閉鎖部の密封性が高く、液体等も収納可能である。糸尻によって剛性を有する底部と、上端を押しつぶして融着した閉鎖部とを有し、上端の端部に注出部を設けているので、持ちやすく、かつ、注ぎやすい。
さらに、紙容器であることから、廃棄する時にも焼却などしやすく、紙カップの製造ラインを応用すれば、高速で、かつ、安価に製造可能であるなど、本発明のメリットは大きい。
【符号の説明】
【0030】
1・・・・・・・・・紙容器
10・・・・・・・・積層シート
11・・・・・・・・基材層
12・・・・・・・・融着可能な樹脂層(内面)
13・・・・・・・・バリア層
14・・・・・・・・融着可能な樹脂層(外面)
15・・・・・・・・サンド樹脂
2・・・・・・・・・胴部
21・・・・・・・・胴部下端
210・・・・・・・糸尻
22・・・・・・・・胴部上端
3・・・・・・・・・底部
31・・・・・・・・底板
32・・・・・・・・立壁
4・・・・・・・・・閉鎖部
41・・・・・・・・高閉鎖部
411・・・・・・・(高閉鎖部の)融着下端
42・・・・・・・・低閉鎖部
421・・・・・・・(低閉鎖部の)融着下端
422・・・・・・・低閉鎖下部
5・・・・・・・・・脆弱線
51・・・・・・・・高位脆弱線
510・・・・・・・注出口
52・・・・・・・・低位脆弱線
53・・・・・・・・変位脆弱線
6・・・・・・・・・注出容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7