IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 凸版印刷株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-スタンディングパウチ 図1
  • 特開-スタンディングパウチ 図2
  • 特開-スタンディングパウチ 図3
  • 特開-スタンディングパウチ 図4
  • 特開-スタンディングパウチ 図5
  • 特開-スタンディングパウチ 図6
  • 特開-スタンディングパウチ 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022006433
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】スタンディングパウチ
(51)【国際特許分類】
   B65D 30/16 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
B65D30/16 D
B65D30/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020108650
(22)【出願日】2020-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】藤本 雄斗
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AB25
3E064AB26
3E064BA17
3E064BA26
3E064BA29
3E064BA30
3E064BA36
3E064BA37
3E064BA46
3E064BA54
3E064BB03
3E064BC08
3E064BC18
3E064EA04
3E064EA07
3E064FA04
3E064GA04
3E064HF09
3E064HG07
3E064HN05
(57)【要約】
【課題】スタンディングパウチの底フィルムが開きやすく、容易に自立し易く、かつ、優れた耐落下衝撃性を実現するためのパウチを提供すること。
【解決手段】2枚の本体フィルム及び2つ折りされた底フィルムからなり、サイドシール部、ボトムシール部を少なくとも有するステンディングパウチにおいて、前記ボトムシール部の一部にパンチシール部が配置されており、前記パンチシール部は前記2枚の本体フィルム同士が接合され、前記パンチシール部の接合境界線が、前記サイドシール部の接合境界の延長線よりスタンディングパウチ内側に位置している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚の本体フィルム及び2つ折りされた底フィルムからなり、サイドシール部、ボトムシール部を、少なくとも有するステンディングパウチにおいて、
前記ボトムシール部の一部にパンチシール部が配置されており、
前記パンチシール部は前記2枚の本体フィルム同士が接合され、
前記パンチシール部の接合境界線が、前記サイドシール部の接合境界の延長線よりスタンディングパウチ内側に位置していることを特徴とするスタンディングパウチ。
【請求項2】
前記パンチシール部の接合境界線が、前記サイドシール部の接合境界の延長線よりステンディングパウチ内側に3mm以上4mm以下の範囲に位置していることを特徴とする、請求項1に記載のスタンディングパウチ。
【請求項3】
前記本体フィルムおよび前記底フィルムの下端部を下に凸の曲線状にカットしたことを特徴とする、請求項1または2に記載のスタンディングパウチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体状の薬剤や、液体洗剤、柔軟剤、漂白剤などのトイレタリー用品、あるいは、濃縮コーヒーのような液体食品などの液体を収容する自立性のあるパウチで、落下しても破袋しにくいパウチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体状の薬剤や、液体洗剤、柔軟剤、漂白剤などのトイレタリー用品、あるいは、濃縮コーヒーのような液体食品などの液体を収容する容器として、スタンディングパウチは広く使われている。このような容器は、従来のガラス瓶や、ブローボトル、チューブ容器などの硬質容器に比べて、材料の使用量を少なく抑え、資源を節約できるメリットがある。
【0003】
従来、スタンディングパウチの課題の一つとして、液体を充填した状態で落下試験をおこなった際に、特定の部位で破袋しやすいという問題があった。
破袋しやすい部位としては、2つ折りにした底フィルムの折り返し部分が、サイドシールと交差する部位、すなわちボトムシールとサイドシールのシール交点が該当する。落下試験の衝撃によって、前記シール交点にひずみが集中し、底フィルムに破袋あるいはピンホールが発生する恐れがある。
【0004】
この耐落下衝撃性の問題に対して、例えば先行特許文献1には、シール交点から伸びる直線と底面の円弧と、それらを滑らかに結ぶ直線からなるボトムシール線において、シール交点から伸びる直線と底フィルム折り返し線のなす角度によって強度が変わることを示し、適した一定の範囲にすることで、強度向上を狙ったものである。しかしながら、内容物を充填した状態での耐落下衝撃性において結果にばらつきを生じるため、必ずしも性能を満足するものではなかった。
【0005】
また、特許文献2は、底フィルムの折り返し線を、ボトムシール部内に位置させることで、シール交点への応力集中を緩和し、強度向上を狙ったものである。しかしながら、このスタンディングパウチは、底フィルムの上端で表裏2枚の本体フィルムが融着しているので、底フィルムの起点が閉じた状態に固定され、底部が開きにくい問題があった。底部が開きにくいと、自立性も低下し、非常に使いにくいパウチになっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6079091号公報
【特許文献2】特開2015-214352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これに対して本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、スタンディングパウチの底フィルムが開きやすく、容易に自立し易く、かつ、優れた耐落下衝撃性を実現するためのパウチを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明者らは、上記の課題を解決するために有限要素法による応力シミュレーションを活用し、破袋の原因となるシール交点のひずみの集中を緩和させる施策の検討をした。その結果、パンチシールの位置を調整することで、落下衝撃で生じる内圧によってシール交点が必要以上に開口するのを防ぎ、シール交点近傍の底フィルムに生じるひずみを低減できることを見出した。
【0009】
これを利用して、本発明に係るスタンディングパウチは、
2枚の本体フィルム及び2つ折りされた底フィルムからなり、サイドシール部、ボトムシール部を、少なくとも有するステンディングパウチにおいて、
前記ボトムシール部の一部にパンチシール部が配置されており、
前記パンチシール部は前記2枚の本体フィルム同士が接合され、
前記パンチシール部の接合境界線が、前記サイドシール部の接合境界の延長線よりスタンディングパウチ内側に位置していることを特徴とするスタンディングパウチである。
【0010】
また、本発明に係るスタンディングパウチは、
前記パンチシール部の接合境界線が、前記サイドシール部の接合境界の延長線よりスタンディングパウチ内側に3mm以上4mm以下の範囲に位置していてよい。
【0011】
また、本発明に係るスタンディングパウチは、
前記本体フィルムおよび前記底フィルムの下端部を下に凸の曲線状にカットしたものであってもよい。
【発明の効果】
【0012】
このような本発明に係るスタンディングパウチによれば、落下衝撃で生じる内圧によってシール交点が開口するのを防ぎ、底フィルムのシール交点近傍に生じるひずみを低減させ、底フィルムの破袋あるいはピンホールの発生を抑制することが可能となる。特に無理なく製造可能であることから、生産性も高く、安定した生産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明第1実施形態例に係る正面図。
図2】従来採用されているスタンディングパウチの正面図。
図3】本発明の構造を示す斜視図。
図4】本発明第2実施形態例に係る正面図。
図5】実施例に示す有限要素解析モデル。
図6】有限要素法による解析結果。(底部における最大主ひずみコンター図)
図7】有限要素法による解析結果。(底フィルム交点近傍の最大主ひずみの比較)
【発明を実施するための形態】
【0014】
一般にスタンディングパウチは、2つ折りされた底フィルムを2枚の本体フィルムの間に挿入し、両端縁を接合したサイドシール部、下端縁を接合したボトムシール部を形成する。前記本体フィルムと前記底フィルムにて形成された空間内に、内容物を充填した後、前記本体フィルムの上端縁を接合したトップシール部を形成して封緘される。
底フィルムは、内容液充填時に拡開されることで、容器としての立体形状をもたらす。この際、底フィルムの両端縁を穿孔し、パンチ孔(貫通孔)を形成することで、前記本体フィルム同士がパンチ孔を介して接合されたパンチシール部を形成し、自立性を付与している。
【0015】
フィルム同士の接合には、熱融着や圧着、超音波溶着等の公知の方法を用いてよい。
【0016】
前記パンチシール部について説明する。従来採用されているスタンディングパウチでは、パンチシール部11の接合領域は図2の斜線部で示される。図2でパンチシール部11の接合領域の境界線は、サイドシール部5の延長線10に沿って、あるいは、サイドシール部5の接合境界の延長線10よりも外側に形成されている。
【0017】
以下は、本発明のスタンディングパウチについて詳細に説明する。
本発明に係るスタンディングパウチ1は、図3に示すように、第一の本体フィルム2と第2の本体フィルム3の間に折り曲げ線6を介して2つ折りされた底フィルム7を挿入し、上端縁部を接合したトップシール部4、両端縁部を接合したサイドシール部5、下端縁部を接合したしたボトムシール部8から構成される。底フィルム7の両端縁部には、パンチ孔9を施すことで、第1の本体フィルム2と第2の本体フィルム3同士が前記パンチ孔9を介して接合され、パウチの底部を拡げたときの底部形状が安定することで、パウチに自立性を付与している。図3には、左右1か所ずつにパンチシール部を設けているが、スタンディングパウチの形状、サイズ等、スタンディングパウチの内容物に応じて、左右に複数個所ずつパンチシール部を設けてよい。
【0018】
図1は、本発明に係るスタンディングパウチの第1実施形態例を示す正面図である。
本発明に係るスタンディングパウチ1では、2枚の本体フィルムを接合させたパンチシール部11(斜線部で示す)が、サイドシール部5の延長線10より内側まではみ出して形成されていることに特徴がある。
【0019】
これにより、落下衝撃で生じる内圧によって、サイドシール部5とボトムシール部8との交点であるシール交点12が開口するのを防ぎ、底フィルム7のシール交点12近傍に生じるひずみを低減させ、底フィルムの破袋あるいはピンホールの発生を抑制することが可能となる。
【0020】
パンチシール部11がサイドシール部5の接合境界の延長線10からはみ出る長さaは3mm以上4mm以下の範囲が望ましい。4mm以上はみ出ると、充填時に底が拡開しにくくなり、自立形状を損なう恐れがある。3mm以上4mm以下の範囲に設計すれば、自立形状を損なうことなく、耐落下衝撃性の向上を図ることができる。パンチシール部を2か所以上設ける場合には、前述の長さaは同一の長さでも良いし、異なる長さでも良い。
【0021】
パンチシール部11の形状は図1のような半長穴形状でも良いが、特に限定はなく、例えば円形状や長方形状でもかまわない。パンチシール部を2か所以上設ける場合には、同じ形状でも良いし、異なる形状にしても良い。
【0022】
パンチシール部11の縦の長さbは、底フィルム7の折り込み高さに応じて自由に設定してよいが、パンチシール部11の縦の長さbが短いと、落下衝撃時に耐えられずに折れ曲がる可能性が高くなるため、5mm以上とすることが望ましい。
【0023】
パンチシール部11と前記シール交点12の間の距離cは、底フィルム7の折り込み高さに応じて自由に設定してよいが、距離cが長いと、落下衝撃で生じる内圧によってシール交点12が開口しやすくなり、ピンホールや破袋が発生する可能性が高くなるため、20mm以下とすることが望ましい。
【0024】
図4は、本発明に係るスタンディングパウチ1の第2実施形態例を示す正面図である。
前記はみ出し長さaが大きくなると、立体形状に膨らんだときにパウチ下端部の中央が浮き上がり、自立性が低下する恐れがある。そのため、図4に示すように、表本体フィルム2と裏本体フィルム3と底フィルム7の下端部13を下に凸の曲線状にすることで、立体形状に膨らんだときもパウチ下端部を床と平行にすることができ、自立性を確保することができる。
【0025】
本発明に係るスタンディングパウチの内容物は、液体に限らず、粉体や粒体、あるいは、流体よりも多少大きく内部で移動可能な大きさの多数の固体物などにおいても、適用することが可能である。
【0026】
本発明に係るスタンディングパウチの本体フィルムおよび底フィルムに使用するフィルムは、単層フィルムでも良いし多層フィルムでも良い。
【0027】
本体フィルムおよび底フィルムに使用する多層フィルムは少なくとも基材層、シーラント層からなる。多層フィルムにする方法としては、ドライラミネート法等で基材層とシーラント層の間に接着層を設けて貼り合わせても良い。また、エクストルーダーラミネーション機で、基材層にシーラント層を製膜しながら貼り合せても良いし、サンドポリエチレン加工しても良い。
【0028】
貼り合わせ法にて多層フィルムを形成する場合、必要に応じて、内容物の保存性を向上させるバリア層や落下時に破袋しにくいような柔軟性を付与する層などの中間層、内容物に係る情報等を示すための印刷層等を設けることが好ましい。
【0029】
基材層としては、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ナイロンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルムなどが挙げられる。機械的強度や寸法安定性を有するものであれば、特に限定されない。特に二軸延伸されたフィルムが好ましい。また、これらのフィルムにアルミニウム蒸着層を設けたものでもよい。基材層の厚みとしては、10μm以上200μmの範囲であることが好ましい。
【0030】
前述の印刷層は、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系などのバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料および可塑剤、乾燥剤、安定剤などを添加されてなるインキにより印刷された層である。印刷方法としては、例えば、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷などの公知の印刷方法を用いることができる。また基材層の表面を、予め前処理としてコロナ処理またはオゾン処理を施すことにより、印刷層の密着性を向上させることができる。
【0031】
シーラント層としては、ポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EAA)、アイオノマー、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が使用できる。これらの樹脂をTダイ、あるいはインフレーションなどの押出し機により製膜可能である。シーラント層は単層または複層でもよい。フィルムの厚みとしては、50~200μmの範囲であることが好ましい。
【0032】
基材層とシーラント層を貼り合わせる接着層としては、ドライラミネート用接着剤が使用できる。例えば、二液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエーテルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤などを使用することができる。
【0033】
また、本発明のステンディングパウチの諸物性を向上する必要があれば、例えば、積層フィルムの剛性や落下強度、突き刺し強度などを向上させる場合、水蒸気や酸素ガスなどのバリア性を向上させる場合、などには中間層を設けることも可能である。
【0034】
バリア性を向上させるための中間層としては、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着ポリエステルフィルム、無機酸化物蒸着ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルムなどを使用することができる。また、中間層を積層するには、接着層を介してドライラミネート法にて貼り合わせることができる。
【0035】
無機酸化物としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化カリウム、酸化錫、酸化ナトリウム、酸化ホウ素、酸化チタン、酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムなどの金属の酸化物が使用できる。中でも生産性、価格面から酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどが好ましい。
【0036】
ボトル等への詰め替え用途として、トップシール部4に注出口を設けても良い。
【0037】
本発明のスタンディングパウチは、以上のようなものであるため、自立性が高く、かつ安価で、落下強度や耐荷重強度が高いパウチである。
特にフィルム構成を肉厚にしたりせずに、底フィルムにパンチ孔を形成するための抜型の形状と表裏の本体フィルムを接合するヒートシールバーの形状だけで、落下衝撃に対するパウチの強度を向上させることができるので、生産性も高く、かつ、設備費用もほとんどわずかで、安定して製造可能であるなど、本発明のメリットは大きい。
【実施例0038】
以下、実施例として有限要素解析により本発明の有効性および妥当性を説明する。
【0039】
有限要素解析により、スタンディングパウチに落下衝撃が作用したときの底フィルム交点近傍における最大主ひずみを計算した。解析手段には有限要素解析ソフトLS-DYNA(R11.1、LSTC社)を用いた。
【0040】
図5は、作成した有限要素解析モデルである。従来構成の、サイドシール部5の接合境界の延長線に沿ってパンチシール部11が形成されたスタンディングパウチ14(図5左)と、本発明に係る、サイドシール部5の接合境界の延長線より内側(はみ出し長さa=3mm)までパンチシール部11がはみ出して形成されたスタンディングパウチ15(図5右)を比較する。
【0041】
スタンディングパウチは四辺形シェル要素、内容液は六面体ソリッド要素とし、ALE法を用いてモデル化した。解析するスタンディングパウチのサイズは、幅120mm×高さ220mmとし、内容液は320mlの水とした。材料特性は外層側よりONy(15μm)/LLDPE(130μm)の物性値を使用した。境界条件は、パウチに落下高さ1m相当の鉛直方向初速度4.4m/secを与え、剛体壁に衝突させた。
【0042】
図6は、図5の有限要素解析モデルにおける解析結果の一例で、落下衝撃時におけるパウチの底部における最大主ひずみ分布を示す。
この分布において、従来構成の、サイドシール部5の接合境界の延長線10に沿ってパンチシール部11が形成されたスタンディングパウチ14(図6左)よりも、本発明に係るサイドシール部の接合境界の延長線10より内側(a=3mm)までパンチシール部11がはみ出して形成されたスタンディングパウチ15(図6右)の方が、ピンホールや破袋が生じやすい底フィルムのシール交点12近傍における最大主ひずみが小さい傾向がわかる。
【0043】
図7は、上記の有限要素解析結果から、落下衝撃時におけるピンホールや破袋が生じやすい底フィルムのシール交点12近傍の最大主ひずみの要素平均値を比較したグラフである。ここで要素平均値とは、シール交点に位置する節点を共有するすべての要素の平均値であり、シール交点近傍の変形状態の指標とする。
従来のスタンディングパウチ14に比べて、本発明のスタンディングパウチ15の方が、最大主ひずみが小さく、優れた耐落下衝撃性を有することが示唆された。
【符号の説明】
【0044】
1・・・・・・スタンディングパウチ
2・・・・・・表本体フィルム
3・・・・・・裏本体フィルム
4・・・・・・トップシール部
5・・・・・・サイドシール部
6・・・・・・折り曲げ線
7・・・・・・底フィルム
8・・・・・・ボトムシール部
9・・・・・・パンチ孔
10・・・・・サイドシール部5の接合境界の延長線
11・・・・・パンチシール部
12・・・・・シール交点
13・・・・・表本体フィルム2と裏本体フィルム3と底フィルム7の下端部
14・・・・・従来の、サイドシール部の接合境界の延長線に沿って、パンチシール部1が形成されたスタンディングパウチの、有限要素モデル
15・・・・・本発明に係る、サイドシール部5の接合境界の延長線より内側(a=3mm)までパンチシール部11がはみ出して形成されたスタンディングパウチの、有限要素モデル
a・・・・・・パンチシール部11がサイドシール部5の接合境界の延長線10から内側にはみ出る長さ
b・・・・・・パンチシール部11の縦の長さ
c・・・・・・パンチシール部11とシール交点12の間の距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7