(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022064387
(43)【公開日】2022-04-26
(54)【発明の名称】電動射精促進装置
(51)【国際特許分類】
A61H 19/00 20060101AFI20220419BHJP
A61F 5/41 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
A61H19/00
A61F5/41
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020172980
(22)【出願日】2020-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】507099572
【氏名又は名称】SODクリエイト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100073210
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100173668
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 吉之助
(72)【発明者】
【氏名】野本 義晃
【テーマコード(参考)】
4C074
4C098
【Fターム(参考)】
4C074AA01
4C074CC11
4C074DD01
4C074EE01
4C074FF01
4C074FF05
4C074GG14
4C098AA05
4C098EE02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】専用品に限らず市販された任意の射精促進カップを取り付けることができ、この取り付けられた射精促進カップを確実に固定することで優れた使用感を得ることができると共に、VR作品を視聴しながら十分な没入感を得ることができる電動射精促進装置を提供する。
【解決手段】射精促進カップを取り付けて固定する装着部2と、該装着部に取り付けられた射精促進カップを動かす駆動部5と、を有する電動射精促進装置1であって、前記装着部は、筒状の外筒部と、その内側に螺合により取り付けられた内筒部4からなり、前記内筒部は、前記射精促進カップの側面を係止又は押圧することで固定する係止部を有し、前記係止部が、前記外筒部と前記内筒部との螺合によって締緩し、前記射精促進カップを固定又は解放する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
射精促進カップを取り付けて固定する装着部と、該装着部に取り付けられた射精促進カップを動かす駆動部と、を有する電動射精促進装置であって、
前記装着部は、筒状の外筒部と、その内側に螺合により取り付けられた内筒部からなり、
前記内筒部は、前記射精促進カップの側面を係止又は押圧することで固定する係止部を有し、
前記係止部が、前記外筒部と前記内筒部との螺合によって締緩し、前記射精促進カップを固定又は解放する構成であることを特徴とする電動射精促進装置。
【請求項2】
外筒部は、内側面にテーパー部を有し、該テーパー部と、内筒部に設けられた係止部とが当接することで、該係止部が締緩する構成であることを特徴とする請求項1に記載の電動射精促進装置。
【請求項3】
外筒部と内筒部との螺合位置の調節によって、該外筒部のテーパー部の位置が軸方向に移動し、係止部の締緩が調節される構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動射精促進装置。
【請求項4】
係止部が3以上設けられ、外筒部の内側面に沿った位置に設けられたことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の電動射精促進装置。
【請求項5】
係止部が、外筒部の内側面に沿って等間隔に設けられた構成であることを特徴とする請求項4に記載の電動射精促進装置。
【請求項6】
装着部と駆動部が、磁力により固定され、
前記装着部に設けられた凸部又は凹部と、前記駆動部に設けられた凹部又は凸部とが対応しており、これらの凸部及び凹部を一組として嵌合した状態で取り付けられた構成であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の電動射精促進装置。
【請求項7】
装着部の上下位置、左右位置又はその両方の位置を調節するアーム部が設けられ、
前記アーム部には、2以上の回動部が設けられ、該回動部の上下、左右又はその両方の回動調整によって、装着部の位置を調整する構成であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の電動射精促進装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動の射精促進装置に関し、詳しくは、男性器に摩擦刺激を与えて射精を促す射精促進カップを装着し、この射精促進カップを電動で動かすことができる電動射精促進装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、男性器に摩擦刺激を与えて射精を促す器具(「射精促進カップ」ともいう。)が種々知られている。
特許文献1に記載の技術は、『長手方向一端面が開口した非円筒状の容器本体と、該容器本体の開口部に着脱して開閉するキャップと、から成る容器と、前記容器本体内に収容され、長手方向一端面の挿入口から内部に延びる挿入空所を有したゲル状樹脂製のコア部材と、前記コア部材と前記容器本体内壁との間に介在するスポンジ層と、を備えた精子採取装置において、前記容器本体は、長手方向両端部の外径よりも中間部の外径が小さい非円筒体であると共に、前記キャップの上面は定置に適した平坦面であり、前記開口部と反対側の容器本体端部は定置に適さない円弧状面である構成』という内容である。
【0003】
この特許文献1に記載の技術によれば、容器本体に形成された抜気用の小孔3bを、使用者が指で開閉することによって、容器内の空気圧を調整し、コア部材内壁とペニスとの間の密着度、密着感を調整することが可能な構成である。
なお、この特許文献1における『コア部材内壁とペニスとの間の密着度や密着感』とは、この種の器具の性能や効能を示す指標の一つとして表現されることがあり、当業者の中には、他にバキューム又はバキューム感などと呼称する者もいる。
【0004】
しかし、特許文献1に記載の技術では、使用者自らが射精促進カップを動かす必要があり、これを煩わしいと感じる者から不満の声があるという問題があった。更に、怪我や障害によって自らの手で射精促進カップを動かすことができない者にとっては、この射精促進カップを使用することができないという問題があった。
【0005】
昨今、VR(バーチャル・リアリティ)技術の発展により、VRによる映像作品を視聴しながら射精促進カップを使用したいという要望がある。
しかし、視聴者はVRゴーグル等と呼称されるヘッドマウントディスプレイを装着する必要があり、この状態では手元を視認できず、射精促進カップを扱い難いという問題があった。また、VR映像作品を視聴することで、この作品への没入感を味わいたいという要望が多いところ、自らが射精促進カップを動かすことで没入感を十分に得られないという問題もある。
そこで、次に示す特許文献2に開示された技術が提案されている。
【0006】
特許文献2には、『樹脂により伸縮可能で後側が閉塞された筒状に形成されて前部の前面にペニスの挿入口が設けられたマッサージ部と、前面が開口した中空状に形成されて当該前面から内部に前記マッサージ部を収容する収容体と、前記マッサージ部の前部側を前記収容体に固定する固定手段と、前記固定手段により前部側が前記収容体に固定された前記マッサージ部を前後方向に伸縮させる駆動手段とを備え、前記マッサージ部の前部側よりも後側には伸縮部を介して前記ペニスのマッサージを行うマッサージ部本体が形成され、前記駆動手段は、前面が開口した筒状に形成されて前記収容体の内部に配置され前記マッサージ部本体を内部に収容して固定する筒体と、前記筒体を電動で前後方向に往復移動させて前記マッサージ部本体を前後方向に往復移動させることにより前記伸縮部を前後方向に伸縮させる駆動手段本体とを備える構成』という技術が開示されている。
【0007】
この特許文献2に記載の技術によれば、『マッサージ部の前部側を固定手段により収容体に固定したので、駆動時にマッサージ部は前部側が固定された状態で前後方向に伸縮する。このため、マッサージ部の内部にペニスを挿入してもペニスの一部がマッサージ部から出てしまうことがない。したがって、ペニス全体を安定してマッサージすることができ、射精に要する時間を短縮することが可能になる。よって、本発明の射精促進装置は、射精効率を上げることができる。』という効果がある。
【0008】
しかし、特許文献2に記載の技術では、収容体に固定するマッサージ部(「射精促進カップ」に相当。)は、いわゆる専用品であり、任意の射精促進カップを取り付けることを想定していない。仮に、他の射精促進カップを収容体に取り付けたとしても十分に固定されず、脱落等の問題から使用感が悪いという問題があった。即ち、射精促進カップの愛用者の中には、摩擦動作を自動的に行う装置を使用したいが、好みの射精促進カップを使用できないことが不満との声が多く、需要に十分に応えることができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006-334176
【特許文献2】特開2015-097909
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明の課題は、専用品に限らず市販された任意の射精促進カップを取り付けることができ、この取り付けられた射精促進カップを確実に固定することで優れた使用感を得ることができると共に、VR作品を視聴しながら十分な没入感を得ることができる電動射精促進装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記本発明の課題は、下記の手段により達成される。
1.射精促進カップを取り付けて固定する装着部と、該装着部に取り付けられた射精促進カップを動かす駆動部と、を有する電動射精促進装置であって、
前記装着部は、筒状の外筒部と、その内側に螺合により取り付けられた内筒部からなり、
前記内筒部は、前記射精促進カップの側面を係止又は押圧することで固定する係止部を有し、
前記係止部が、前記外筒部と前記内筒部との螺合によって締緩し、前記射精促進カップを固定又は解放する構成であることを特徴とする電動射精促進装置。
【0012】
2.外筒部は、内側面にテーパー部を有し、該テーパー部と、内筒部に設けられた係止部とが当接することで、該係止部が締緩する構成であることを特徴とする請求項1に記載の電動射精促進装置。
【0013】
3.外筒部と内筒部との螺合位置の調節によって、該外筒部のテーパー部の位置が軸方向に移動し、係止部の締緩が調節される構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動射精促進装置。
【0014】
4.係止部が3以上設けられ、外筒部の内側面に沿った位置に設けられたことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の電動射精促進装置。
【0015】
5.係止部が、外筒部の内側面に沿って等間隔に設けられた構成であることを特徴とする請求項4に記載の電動射精促進装置。
【0016】
6.装着部と駆動部が、磁力により固定され、
前記装着部に設けられた凸部又は凹部と、前記駆動部に設けられた凹部又は凸部とが対応しており、これらの凸部及び凹部を一組として嵌合した状態で取り付けられた構成であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の電動射精促進装置。
【0017】
7.装着部の上下位置、左右位置又はその両方の位置を調節するアーム部が設けられ、
前記アーム部には、2以上の回動部が設けられ、該回動部の上下、左右又はその両方の回動調整によって、装着部の位置を調整する構成であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の電動射精促進装置。
【発明の効果】
【0018】
上記1に示す発明によれば、幅広いサイズの射精促進カップを装着部に取り付けることができ、専用品に限らず市販された任意の射精促進カップを使用可能な電動射精促進装置を提供することができる。
具体的には、外筒部と内筒部の螺合によって係止部が締緩し、この係止部が締まることで射精促進カップを係止又は押圧し、幅広いサイズの射精促進カップを確実に固定することができる。しかも、外筒部と内筒部との螺合という簡単な手段でもって、幅広いサイズの射精促進カップを確実に固定することができる。
これらの作用によって、任意の射精促進カップを固定可能な電動射精促進装置を提供することができ、使用者に対して優れた使用感や満足感を提供することができる。
【0019】
また、上記1に示す電動射精促進装置を、床や壁又は机等任意の場所に固定して使用すれば、フリーハンドで使用することができるので、この電動射精促進装置を使用しながら、視聴するVR作品に対して十分な没入感を得ることができる。
【0020】
上記2に示す発明によれば、外筒部の内側面に設けられたテーパー部と、内筒部に設けられた係止部とが当接することで、この係止部が締緩する構成であるため、簡易な構成で確実に締緩作業を行うことができる。また、簡易な構成であるため、耐久性を高めることもできる。
【0021】
上記3に示す発明によれば、外筒部と内筒部との螺合位置の調節によって、該外筒部のテーパー部の位置が軸方向に移動し、係止部の締緩が調節される構成であるため、簡単な方法で確実に射精促進カップを固定することができる。
【0022】
上記4に示す発明によれば、係止部が少なくとも3点で、射精促進カップを係止乃至押圧する構成であるため、より確実に固定することができると共に、駆動部から大きな動きや振動が加えられたとしても、この射精促進カップが不意に移動することや脱落等する可能性を抑制することができる。
【0023】
上記5に示す発明によれば、係止部が外筒部の内側面に沿って等間隔に設けられた構成であるため、いかなる方向から動きや振動が加えられたとしても、射精促進カップを安定して固定することができる。
【0024】
上記6に示す発明によれば、装着部と駆動部が磁力により固定された構成であるため、装着部と駆動部を簡単かつ確実に固定することができる。また、この装着部に設けられた凸部又は凹部と、駆動部に設けられた凹部又は凸部とが対応しており、これらの凸部及び凹部を一組として嵌合した状態で取り付けることにより、駆動部で発生させた動きや振動等を装着部に対して確実に伝達し、この装着部に装着された射精促進カップにもこの動きや振動等を確実かつ正確に伝達することができる。
【0025】
上記7に示す発明によれば、装着部の上下位置、左右位置又はその両方の位置を調節するアーム部が設けられ、このアーム部には、2以上の回動部が設けられ、該回動部の上下、左右又はその両方の回動調整によって、装着部の位置を調整することができる構成である。このため、例えば、このアーム部を万力等の手段によって机に固定すれば、この机の位置を基準として、装着部の位置を使用者にとって最適な位置に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】装着部と駆動部とが展開された状態における電動射精促進装置の一実施例を表す概略斜視図
【
図2】電動射精促進装置の他の実施例を表す概略斜視図
【
図5】射精促進カップを取り付けた状態における装着部を表す概略断面図
【
図6】外筒部と内筒部とが展開された状態における装着部を表す概略斜視図
【
図11】参考発明に係る装着部を表す概略分解構成図
【
図12】参考発明に係る装着部を長手方向に切断した状態を表す概略断面図
【
図13】参考発明に係る装着部に射精促進カップが挿入された状態を表す概略断面図
【
図14】参考発明に係る装着部を前方から観察した概略正面図
【
図15】参考発明に係る装着部が動作する様子を表す概略断面図
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明に係る電動射精促進装置(以下、単に「電動射精促進装置」という。)1について、図面に従って説明する。
【0028】
図1は、電動射精促進装置1の一実施例を表す概略斜視図である。
図1に示される通り、電動射精促進装置1は、少なくとも装着部2及び駆動部5から構成される。装着部2は、射精促進カップCを取り付けて固定するための構成部材であり、駆動部5は、電動でピストン、回転又は振動等を発生させ、これらの動作を装着部2及びこれに取り付けられた射精促進カップCに伝達するための構成部材である。
【0029】
また、
図2の電動射精促進装置1の他の実施例を表す概略斜視図に示される通り、装着部2及び駆動部5に加えて、装着部2を任意の位置に移動・固定するためのアーム部6や、机や壁などの固定物に前記アーム部6を固定するための固定部7を有する構成とすることもできる。
【0030】
まず、装着部2について、
図3~5に従って説明する。
図3は、装着部2の一実施例を表す概略斜視図である。
図4~5は、装着部2の一実施例を表す概略断面図であり、
図4が射精促進カップCを取り付けていない状態、
図5が射精促進カップCを取り付けた状態を表している。なお、
図4~5共に、断面部分を表すハッチングを省略している。
【0031】
装着部2は、
図2に示されるように、射精促進カップCを取り付けて固定するための部材である。
図3~5に示されるように、装着部2は、外筒部3と内筒部4から構成され、これらが螺合によって取り付けられる構成である。
【0032】
外筒部3は、筒状の形状であり、一方の開口から射精促進カップCが挿入され、他方の開口から内筒部4が挿入される構成である。
【0033】
図4に示されるように、外筒部3の内側面には、テーパー部31が設けられる。このテーパー部31は、筒状体である外筒部3の内側面全周にわたって設けられ、換言すれば、すり鉢状・漏斗状の形状であり、
図4における上方側が狭く絞られ、下方側が広く拡開された形状である。
その他、外筒部3の内側面には、内筒部4と螺合するための雌ねじ部32が設けられる。この雌ねじ部32は、後述する雄ねじ部43と螺合が可能なように対応している。
【0034】
内筒部4は、必ずしも筒状体でなくてもよく、中空でない円柱の如き形態であってもよい。
図4に示されるように、内筒部4には、係止部41が設けられる。この係止部41は、一端が内筒部4の基部42に取り付けられ、他端が何処にも取り付けられずフリーの状態であり、舌片の如き態様である。
【0035】
他端側の内側には、係止片41aが設けられることが好ましい。係止片41aの形状に限定はないが、
図4に示されるように、係止部41の一部が内側に突出した態様を例示することができる。後述するが、この係止片41は、射精促進カップCの側面を係止乃至押圧して、固定するために有効である(
図5(b)参照)。
【0036】
係止部41は、3つ以上設けられることが好ましい。
これにより、係止部41が少なくとも3点で、射精促進カップCを係止乃至押圧する構成となり、より確実に固定することができると共に、駆動部5から大きな動作や振動が加えられたとしても、この射精促進カップCが脱落等する可能性を抑制することができる。
【0037】
また、係止部41は、外筒部3の内側面に沿って等間隔に設けられることが好ましい。
これにより、いかなる方向から動きや振動が加えられたとしても、射精促進カップCを安定して固定することができる。
【0038】
内筒部4の基部42には、外筒部3の雌ねじ部32に対応した雄ねじ部43が設けられる。
また、これも詳しくは後述するが、基部42の駆動部5側(
図4における下方側)には凸部44が設けられる。
【0039】
係止部41による射精促進カップCの固定手段について、以下に説明する。
前述の通り、装着部2は射精促進カップCを取り付けて固定するための構成部材であり、特に、装着部2に設けられた係止部41によって、射精促進カップCの側面が係止又は押圧されることによって固定される構成である。
【0040】
図4(a)は、外筒部3と内筒部4の螺合が浅い状態であり、テーパー部31が比較的上方に位置し、係止部41とは当接していないか又は上部がわずかに当接した状態である。この状態では、係止部41はテーパー部31と接触した影響をほとんど受けず、外筒部3の内側面に沿って起立した状態であり、換言すれば、締緩のうち緩の状態、開閉のうちの開の状態である。
【0041】
一方で、
図4(b)は、外筒部3と内筒部4の螺合が深い状態であり、テーパー部31が比較的下方に位置し、係止部41と当接して、この係止部41を内側に傾倒させた状態である。この状態では、係止部41はテーパー部31との当接に従って次第に内側に倒されており、締緩のうち締の状態、開閉のうちの閉の状態である。
【0042】
このように、外筒部3と内筒部4との螺合位置の調節によって、テーパー部31の位置が軸方向に移動し、係止部41の締緩(開閉)が調節される構成である。
【0043】
続いて、
図5に従って、装着部2に射精促進カップCが挿入された状態において、係止部41が締緩する様子を説明する。
図5(a)は、
図4(a)に対応した図である。外筒部3と内筒部4の螺合が浅い状態であり、係止部41は緩んだ状態である。この緩んだ状態において、係止部41の係止片41aは、射精促進カップCの側面と接触しておらず、係止乃至押圧をしていない状態である。即ち、射精促進カップCは装着部2に挿入されたものの、固定されておらず簡単に抜き取ることが可能な状態である。
【0044】
一方で、
図5(b)は、
図4(b)に対応した図である。外筒部3と内筒部4の螺合が深い状態であり、係止部41は締緩のうち締まった状態である。この締まった状態において、係止部41の係止片41aは、射精促進カップCの側面と接触しており、係止及び押圧した状態である。即ち、射精促進カップCは装着部2に挿入され、更に固定された状態である。
【0045】
このように、外筒部3と内筒部4との螺合位置の調節によって、係止部41の締緩が調節され、射精促進カップCが固定又は解放される構成である。係止部41の締緩が調節可能な構成であるため、大きさ(特に径)が異なる多種多様な射精促進カップを対象として、確実に固定することができる。
【0046】
図5では、この図に示された射精促進カップCの側面の中央部に溝乃至凹部があり、この溝乃至凹部に、係止部41の係止片41aが引っ掛かり、係止及び押圧によって固定される構成であるが、この溝乃至凹部が存在しなくても、係止部41による側面への押圧でもって、射精促進カップCは固定される。
この点からも、大きさや形状が異なる多種多様な射精促進カップを対象として、確実に固定することができる。
【0047】
駆動部5は、装着部2及び/又はこれに装着された射精促進カップCに対して、振動、ピストン運動又は回転・回動等の動きを与えるための機構が備えられた部材であり、モーター、電源、バッテリー、操作機構等が備えられる。モーター、電源、バッテリー、操作機構の具体的構成に限定はなく、公知公用のモーター等を特別の制限なく採用することができる。
【0048】
駆動部5による振動等の動作は、操作機構により任意に設定でき、更には、VR映像作品からの信号を受信して、その映像に合わせた動作を行う構成とすることもできる。
また、振動、ピストン運動又は回転・回動等の動きを選択できる他、これらの組み合わせを選択することもできると共に、振動等の強弱を調整することもできる。
【0049】
具体的には、振動は強弱を段階的に調節でき、ピストン運動は速度を段階的に調整できることに加えて、継続して同じ速度で運動する動作や断続的に速度を変更しながら運動する動作などを組み合わせることができ、回転・回動は回転方向や速度を変更できると共に、右回り又は左回りをパターン切り替え可能であり、これらの振動、ピストン運動又は回転・回動を組み合わせて任意のパターンで設定可能な構成である。
【0050】
操作機構は、駆動部5の一部に設けられ、これに加えて、リモコン等によって操作可能な構成としてもよい。
【0051】
駆動部5は、上述したモーター等の他、スピーカーやイヤホンジャックを備える構成としてもよいし、その他の機能を加えるために必要な構成を付加しても良い。
【0052】
図6に示されるように、駆動部5には、凹部51が設けられる。この凹部51は、装着部2における内筒部4の凸部44と対応しており、これと嵌合することができる。装着部2と駆動部5が取り付けられた状態において、凸部44と凹部51とが嵌合することによって、駆動部5で発生させた動作や振動等を装着部2(及び装着部2に取り付けられた射精促進カップC)に対して確実に伝達することができる。
また、
図6においては、装着部2に凸部、駆動部5に凹部が設けられた例を表したが、この凹凸は反対でもよく、これらが嵌合可能な構成であればよい。
【0053】
図2に示されるように、電動射精促進装置1には、上述した装着部2及び駆動部5の他、アーム部6及び固定部7が設けられる。
【0054】
まず、アーム部6について説明する。
アーム部6は、駆動部5と固定部7を接続する位置に設けられ、装着部2(即ち、これに取り付け固定される射精促進カップC)の位置や角度(以下、「ポジション」ともいう。)を調整するための機構である。
アーム部6には、回動部41が設けられ、角度の調整が可能であることが好ましい。また、回動部41を複数設け、それぞれの回動方向を異にすれば、角度や位置など細かく調整することができる。
【0055】
図2に示される実施例では、回動部41の数が1つであるが、2以上の回動部41を備える構成であっても良い。また、2以上の回動部41を備える構成では、それぞれの回動部41で異なる方向に回動するよう設置すれば、1方向の角度調整のみならず、多方向への角度調整が可能となり、アーム部6によるポジションの調整が自在に行えるようになる。
また、
図2に示される実施例では、回動部41は1方向への回動が可能な構成であるが、回動部の軸が球体のものを採用すれば、1つの回動部で多方向への角度調整が可能となる。
【0056】
アーム部6は、角度や位置の調整を行う構成部(例えば、回動部41。)について、固定又は解除をすることができる構成であることが好ましい。詳述すると、固定状態においては、アーム部6を動かすことができず射精促進カップCを取り付ける装着部2の位置を固定することができ、解除状態においては、アーム部6を動かすことができ、射精促進カップCを取り付ける装着部2の位置や角度を調整することができる構成が好ましい。
【0057】
かかる構成を採用すれば、まず解除状態において、射精促進カップCを取り付ける装着部2の位置や角度を、使用者の好みの位置や角度に調節し、その後、固定状態に切り替えることで、この好みの位置や角度を保持したまま電動射精促進装置1を使用することができる。
【0058】
アーム部6の固定又は解除の方法に限定はなく、公知公用の手段を特別の制限なく採用することができる。例えば、ボルトとツマミ(操作部)からなる部材を締緩することで、回動部41を固定又は解除する手段を挙げることができる。詳しくは、
図7~10に示されたアーム部6の実施例(第1~第4)において、摺動固定部64及び回動固定部65を挙げて説明する。
【0059】
アーム部6は、装着部2や駆動部5を支持すると共に、駆動部5から発生するピストン運動や振動等の動作が加えられたとしても、変形や破損等しないような強度が要求される。そのため、鉄やステンレス等強度を有する金属で形成されることが好ましい。
【0060】
アーム部6の構成として、
図7~10に示される第1~第4の実施例を挙げることができる。
【0061】
図7は、アーム部6の構成を表す第1の実施例であり、
図7(a)はアーム部6を上方から観察した概略平面図、
図7(b)はアーム部6を側方から観察した概略側面図である。この
図7に示されるアーム部6は、机Dに設置された万力型又はクランプ型の固定部7から、垂直方向に垂直軸部62が設けられ、この垂直軸部62に対して固定又は解除することができる摺動固定部64と、2つの左右回動部61a及び1つの上下回動部61bから構成された例である。
【0062】
垂直軸部62は、固定部7が設置された机Dの面に対して垂直方向に設けられた軸体であり、アーム部6の上下位置を調節するための構成部材である。
図7では、固定部7の下方(即ち、机Dの下方。)に垂直軸部62が設けられているが、反対に固定部7の上方に設けられてもよい。
垂直軸部62は、アーム部6やこれに接続された装着部2及び駆動部5の重量に耐える必要がある。また、駆動部5から発生するピストン運動や振動等の動作が加えられたとしても、変形や破損等しないような強度が要求される。そのため、鉄やステンレス等強度を有する金属で形成されることが好ましい。
【0063】
摺動固定部64は、垂直軸部62に対してスライドして移動すると共に、任意位置で固定又はこの固定を解除することができる構成部材である。摺動固定部64の構成に限定はなく、この種の分野で用いられる公知公用の摺動部分における固定部材を特別の制限なく採用することができる。例えば、ボルトの如き螺合体を締緩することで、固定又は解除を行うことができる構成を挙げることができる。
【0064】
なお、この摺動固定部64は、取り付けられる上下位置を調節することができると共に、垂直軸部62に対して左右方向(水平方向)に回動(垂直軸部62を軸として取付けの水平方向を移動)させることができるので、ここで左右の位置・方向をも調節することができる。
【0065】
左右回動部61aは、アーム部6を左右方向(水平方向)に振ることができ、これにより装着部2のポジションを調整するための構成部材である。左右回動部61aの構成に限定はなく、この種の分野で用いられる公知公用の回動部材を特別の制限なく採用することができる。
【0066】
上下回動部61bは、アーム部6を上下方向(垂直方向)に振ることができ、これにより装着部2のポジションを調整するための構成部材である。上下回動部61bの構成に限定はなく、この種の分野で用いられる公知公用の回動部材を特別の制限なく採用することができる。
【0067】
図7に示されるアーム部6の第1の実施例では、左右回動部61a、上下回動部61b及び摺動固定部64の調節の組み合わせでもって、装着部2のポジションを任意に調節することができる。
【0068】
図8は、アーム部6の構成を表す第2の実施例であり、
図8(a)はアーム部6を上方から観察した概略平面図、
図8(b)はアーム部6を側方から観察した概略側面図である。この
図8に示されるアーム部6は、3つの上下回動部61bと、それぞれの上下回動部61bに設けられた回動固定部65から構成された例である。
【0069】
回動固定部65は、回動部61における回動動作について、固定又は解除をするための構成部材である。
図8に示される第2の実施例では、上下回動部61bに対して取り付けられるので、上下方向への回動について固定又は解除を行うことができる。回動固定部65の構成に限定はなく、この種の分野で用いられる公知公用の回動部分における固定部材を特別の制限なく採用することができる。例えば、操作部(ツマミ)を有するボルトの如き螺合体を締緩することで、固定又は解除を行うことができる構成を挙げることができる。
【0070】
図8に示されるアーム部6の第2の実施例では、3つの上下回動部61bを自在に動かすことで、装着部2のポジション、特に上下位置と机Dからの距離を任意に調節することができる。更に、回動固定部65を回すという簡単な操作で、これらの上下回動部61bの回動動作を固定又は解除することができるので、装着部2のポジションを容易に調節することができると共に、この調節したポジションを確実に固定することができる。
【0071】
図9は、アーム部6の構成を表す第3の実施例であり、水平軸部63を有する構成である。水平軸部63を有する構成である点を除けば、
図8に示される第2の実施例と同様の構成である。なお、他の部分を表すために装着部2及び駆動部5を破線で表し、更に透明に描いている。
【0072】
電動射精促進装置1を設置する机Dに、万力型の固定部7と、机上載置型の固定部7aが取り付けられ、これらを接続するように水平軸部63が設けられる。
【0073】
水平軸部63は、机Dの面に対して水平方向に設けられた軸体であり、アーム部6の左右位置(水平方向の位置)を調節するための構成部材である。
図9では、万力型の固定部7に向かって右側に水平軸部63が設けられているが、この方向に限定はない。
水平軸部63は、アーム部6やこれに接続された装着部2及び駆動部5の重量に耐える必要がある。また、駆動部5から発生するピストン運動や振動等の動作が加えられたとしても、変形や破損等しないような強度が要求される。そのため、鉄やステンレス等強度を有する金属で形成されることが好ましい。
【0074】
この水平軸部63に、
図8に示される第2の実施例に係るアーム部6が取り付けられる。この取り付けられたアーム部6は、水平軸部63を摺動して左右に移動することができる。第2の実施例では、アーム部6が左右に移動する手段を有さない構成であったが、この
図9に示される構成であれば、装着部2の左右位置を任意に調整することが可能である。
また、この水平軸部63上での左右位置を固定し、これを解除するため、
図7における摺動固定部6を設けてもよい(
図9では図示しない)。
【0075】
図10は、アーム部6の構成を表す第4の実施例であり、垂直軸部62を有する構成である。垂直軸部62を有する構成である点を除けば、
図8に示される第2の実施例と同様の構成である。なお、他の部分を表すために装着部2及び駆動部5を破線で表し、更に透明に描いている。
【0076】
電動射精促進装置1を設置する机Dに、万力型の固定部7が取り付けられ、この固定部7が机Dに対して垂直方向に向かって垂直軸部62が設けられる。
垂直軸部62は、机Dの面に対して垂直方向に設けられた軸体であり、アーム部6の上下位置(垂直方向の位置)を調節するための構成部材である。
図10では、固定部7上方に水平軸部63が設けられているが、下方に設けられる構成としてもよい。
垂直軸部62は、アーム部6やこれに接続された装着部2及び駆動部5の重量に耐える必要がある。また、駆動部5から発生するピストン運動や振動等の動作が加えられたとしても、変形や破損等しないような強度が要求される。そのため、鉄やステンレス等強度を有する金属で形成されることが好ましい。
【0077】
この水平軸部62に、
図8に示される第2の実施例に係るアーム部6が取り付けられる。この取り付けられたアーム部6は、垂直軸部62を摺動して上下に移動することができる。第2の実施例では、アーム部6が上下に移動する手段を有さない構成であったが、この
図10に示される構成であれば、装着部2の上下位置を任意に調整することが可能である。
また、この垂直軸部62上での上下位置を固定し、これを解除するため、
図7における摺動固定部6を設けてもよい(
図10では図示しない)。
【0078】
続いて、固定部7について説明する。
固定部7は、床、壁又は机など固定物に対して、電動射精促進装置1を取り付けるための部材である。
図2に示される実施例は、固定部7を吸盤の如き態様としており、この構成により、床、壁又は机などのうち平滑な面に対して取り付けが可能である。その他、固定部7の形態として、例えば、机など板状の固定物に挟んで固定する場合は、クランプや万力の如き態様を挙げることができる。
【0079】
固定部7の構成として、
図7~10に示されるように、万力又はクランプの如き態様を採用することが好ましい。特に、机やテーブルに設置する場合、固定力が高いばかりでなく、幅広い机やテーブルの厚みに対応することができる。
【0080】
電動射精促進装置1に、アーム部6と固定部7が設けられることにより、使用者はフリーハンドで使用することができるばかりでなく、自身の好み通りにポジションを調整して使用することができる。また、床や机等の固定物に電動射精促進装置1を固定して使用することができるため、選択・調整したポジションを確実に保持することができ、安全に使用することもできる。
【0081】
ここで、本発明に係る電動射精促進装置1の参考発明について説明する。以下に示す参考発明は、電動射精促進装置1の装着部2に相当する部分について、異なる構成としたものである。
【0082】
図11~12に示されるように、装着部12には、嵌合部121が設けられる。
嵌合部121は、リング状凸部122、テーパー部123から構成され、溝部124や周壁部125を加えた構成とすることができる。
【0083】
図11~12に示されるように、リング状凸部122は、筒状に形成された嵌合部121の外周から内周に向かって、リング状の凸部が突出した構成である。更に、このリング状凸部122が、長手方向に連続して設けられた構成である。換言すれば、筒状体の内壁(後述する周壁部126)に、襞の如き形態が形成された構成である。
なお、
図12では、切断面のうちリング状凸部122のみにハッチングを施し、その他の切断面についてはハッチングを施していない。
【0084】
リング状凸部の厚みは、適度な柔軟性を得るために1~3mmの範囲内であることが好ましく、1.5~1.9mmの範囲内であることがより好ましい。また、リング状凸部が長手方向に連続して設けられる間隔は、厚みと同じく適度な柔軟性を得るために1~3mmの範囲内であることが好ましく、1.6~2.1mmの範囲内であることがより好ましい。当該間隔は、等間隔であることが好ましい。
【0085】
また、リング状凸部122の内径dが、前方から後方に向かって次第に小さく形成されることによって、嵌合部121の内側面にテーパー部123が設けられた構成である。
詳述すると、最も前方に設けられたリング状凸部122の内径dが最大であって、後方に向かうに従って順に内径dは小さくなり、最も後方に設けられたリング状凸部122の内径dが最小となる。換言すれば、嵌合部121に形成されたリング状凸部122のうち、装着部12の最も前方に設けられたリング状凸部22の内径d1から、後方に向かって順に内径d2、d3、d4・・・の関係は、常に「d1>d2>d3>d4・・・」となる。
【0086】
このテーパー部123が設けられることによって、装着部12の前方から射精促進カップCを挿入した際に、射精促進カップCの直径とリング状凸部122の内径dが略一致した位置に到達すると、射精促進カップCと嵌合部121が当接する。この当接した位置から、射精促進カップCを更に押し込むことで、当接した位置のリング状凸部122は歪み、射精促進カップCが嵌合部122に嵌り込む態様となる(
図13参照。)。この作用によって射精促進カップCは装着部12に固定され、後述する駆動部15によって振動やピストン運動が加えられても脱落等することがない。
【0087】
リング状凸部122の内径について、以下に例示する。
リング状凸部122の内径は、現在市販されている種々の射精促進カップCの外径に対応できるように設定される。
【0088】
本出願人による調査では、現在市販されている種々の射精促進カップCの外径に対応するため、装着部12の最も前方に設けられたリング状凸部122の内径、即ちリング状凸部122のうち最大となる内径dmaxは、70~85mmの範囲であることが好ましく、72~78mmの範囲であることがより好ましい。また、装着部2の最も後方に設けられたリング状凸部22の内径、即ちリング状凸部22のうち最小となる内径dminは、55~69mmの範囲であることが好ましく、60~64mmの範囲であることがより好ましい。
【0089】
装着部12には、溝部124が設けられる。
図14は、装着部12を前方から観察した概略正面図である。
図14に示されるように、溝部124は、装着部12におけるリング状凸部122の一部を切欠き等して形成され、装着部12の前方から後方に至るまで直線状に溝が掘られた態様である。溝部124は、1又は2以上を形成することができる。
【0090】
なお、
図14では、装着部12を前方から観察した場合における左右に溝部124が形成されているが、溝部124を形成する位置に限定はなく、
図14における上下に1又は2以上の溝部を設けることもできる。
【0091】
この溝部124は、装着部12の内部と外部との通気を可能とするために設けられる。射精促進カップの中には、給気又は抜気のために通気手段の確保を要する種類があるところ、嵌合部121の内側面に、長手方向に直線状の溝部124が設けられた構成により、この通気手段を確保することができる。
【0092】
嵌合部121にリング状凸部122を形成する手段として、筒状の周壁部125を基材とし、これにリング状凸部122を一定の間隔で長手方向に連続して形成する手段を挙げることができる。
図11~14に示される実施例は、かかる手段によってリング状凸部122が形成された構成である。
この手段によって形成すれば、嵌合部121は、リング状凸部122、テーパー部123、溝部124及び周壁部125を一体的に成形することができ、リング状凸部122の位置ずれを防止することができるのに加え、装着部12の内部を清掃する際にも便宜である。
【0093】
嵌合部121は、シリコン樹脂を材料として形成することが好ましい。
シリコン樹脂で形成することにより、特にリング状凸部122は適度な摩擦力や柔軟性を得ることができ、射精促進カップCを嵌合により固定するのに適する。
【0094】
図11~12等に示されるように、装着部2には、嵌合部121を収容する外装体126が設けられる。外装体126の構成に限定はないが、次のような構成を例示することができる。
外装体126は、
図12に示されるように、装着部2の前方から後方に向かって順に、前方カバー126a、中間カバー126b及び後方カバー126cから構成される。
【0095】
中間カバー126bは、嵌合部21を収容可能な筒状体であり、嵌合部121を収容した状態で前方カバー126aを取り付けることで、嵌合部121が外装体126から脱落しない構成となる。
後方カバー126cは、中間カバー126bに接続される部材であり、中間カバー126bの後方を包持する構成である。中間カバー126bと後方カバー126cは固定されず、接続部分でもって摺動又は回転・回動が可能な構成である。この構成により、後述する駆動部15の作用によって、嵌合部121を振動又はピストン運動等をさせることができ、更に、取り付けられた射精促進カップCに対して振動を与え又はピストン運動や回転・回動等をさせることができる(
図15参照。)。
【0096】
外装体126は、軽量かつ一定の保形性を有する材質で形成することが好ましく、例えば、硬質プラスティックやアルミニウム等の材質を挙げることができる。
【0097】
装着部12の内部、特に嵌合部121の内部には、空隙部127を設けることが好ましい。この空隙部127は、
図12等に示されるように、嵌合部121の後方に設けられる。
図13に示されるように、空隙部127は、嵌合部121に射精促進カップCが挿入された場合において、この射精促進カップCが固定された位置よりも後方に位置することが好ましい。
【0098】
射精促進カップの中には、上部に通気孔が設けられたものが多く存在する。これは、射精促進カップの内部の空気圧を調整し、バキュームを調整するため、給気又は抜気のために通気手段を確保する必要があるためである。
射精促進カップCによる給気又は抜気は、直接的には空隙部127に対して行われ、この空隙部127が溝部124を介して装置外部と接続する構成であれば、射精促進カップC内の空気圧に必要な通気量を十分に確保することができる。
【符号の説明】
【0099】
1 電動射精促進装置
2 装着部
3 外筒部
31 テーパー部
32 雌ねじ部
4 内筒部
41 係止部
42 基部
43 雄ねじ部
44 凸部
5 駆動部
51 凹部
6 アーム部
61 回動部
61a 左右回動部
61b 上下回動部
62 垂直軸部
63 水平軸部
64 摺動固定部
65 回動固定部
7 固定部
7a 机上載置型の固定部
C 射精促進カップ
D 机