(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022064420
(43)【公開日】2022-04-26
(54)【発明の名称】テーブル
(51)【国際特許分類】
A47B 13/00 20060101AFI20220419BHJP
【FI】
A47B13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020173041
(22)【出願日】2020-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】松岡 純
(72)【発明者】
【氏名】上林 里衣
(72)【発明者】
【氏名】大木 一毅
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NP02
3B053NQ06
3B053NQ10
(57)【要約】
【課題】天板の下方に収納領域を設けたテーブルにおいて、多くの物品を収納した場合に、収納領域が大きく下方に撓んで下肢空間が狭くなってしまう不具合を解消しつつ、テーブルを多人数で使用するにあたって、収納領域に利用者が気兼ねなく個人的なアイテムを収納できるようにする。
【解決手段】天板1の下方に収納領域SAを設けたテーブルTにおいて、収納領域SAが、複数に区画されたもので、天板1の下面11とその下面11を被覆する変形可能なシート部材4とによって構成されているようにする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板の下方に収納領域を設けたテーブルであって、
前記収納領域は、複数に区画されたもので、天板の下面とその下面を被覆する変形可能なシート部材とによって構成されているテーブル。
【請求項2】
前記収納領域は、天板の最大利用人数に対応した数に区画されている請求項1記載のテーブル。
【請求項3】
前記シート部材は、1枚のシート素材から構成されている請求項1又は2記載のテーブル。
【請求項4】
前記シート部材は、伸縮性のない素材で構成されている請求項1、2又は3記載のテーブル。
【請求項5】
前記シート部材は、縁近傍が複数の固定部によって前記天板に固定されており、それら固定部と固定部との間に開口部を形成している請求項1、2、3又は4記載のテーブル。
【請求項6】
前記固定部は、前記天板の長手方向に沿って直線状に設けられている請求項5記載のテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板の下方に収納領域を設けたテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のテーブルとして、天板の下面に可撓性のあるシートを取り付け、そのシートと天板の下面との間に収納領域を設け、その収納領域に机上の電源アウトレットに電源供給するためのOAタップ等を収納できるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところが、単一の収納領域を可撓性のある素材で構成すると、その収納領域に多くの物品を収納した場合に、収納領域が大きく下方に撓んで下肢空間が狭くなってしまう。
【0004】
また、多人数用のテーブルにかかる構成を採用すると、収納領域が利用者毎に仕切られていないので、利用者が気兼ねなく個人的なアイテムを収納するのが難しく、収納領域が利用されない傾向がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述した課題を解消することができ使い勝手の良いテーブルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明に係るテーブルは、天板の下方に収納領域を設けたものであって、前記収納領域が、複数に区画され、天板の下面とその下面を被覆する変形可能なシート部材とによって構成されているものである。
【0008】
請求項2記載の発明に係るテーブルは、請求項1記載のものであって、前記収納領域が天板の最大利用人数に対応した数に区画されているものである。
【0009】
請求項3記載の発明に係るテーブルは、請求項1又は2記載のものであって、前記シート部材が、1枚のシート素材から構成されているものである。
【0010】
請求項4記載の発明に係るテーブルは、請求項1、2又は3記載のものであって、前記シート部材が、伸縮性のない素材で構成されているものである。
【0011】
請求項5記載の発明に係るテーブルは、請求項1、2、3又は4記載のものであって、前記シート部材は、縁近傍が複数の固定部によって前記天板に固定されており、それら固定部と固定部との間に開口部を形成しているものである。
【0012】
請求項6記載の発明に係るテーブルは、請求項5記載のものであって、前記固定部が前記天板の長手方向に沿って直線状に設けられているものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、収納領域が複数に区画されているため、シート部材が全体的に大きく変形して下肢空間を狭めるのを有効に抑制することができ、また、複数人でテーブルを使用する場合に収納領域を個別に使い易くなり、使い勝手が良好なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係るテーブルを示す全体斜視図。
【
図4】同実施形態に係るテーブルの要部を示す断面図。
【
図5】同実施形態に係るテーブルを示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を
図1~
図5を参照して説明する。
【0016】
この実施形態は、本発明を最大6人での使用を想定したテーブルTに適用した場合のものである。
【0017】
このテーブルTは、
図1~
図3に示すように、天板1の四隅部を脚2により支持してなるもので、各脚2はブラケット3を介して天板1の下面11に止着されている。
【0018】
天板1は、例えば、
図1及び
図3に示すように、左右に細長い平面視長方形状のもので、長辺をそれぞれ使用端1aとして前後両側に3人ずつ対面して着座することができるように想定されている。天板1の下面11における前後方向中央には、補強フレーム12が固設されている。補強フレーム12は、例えば、金属製の角柱パイプ素材により作られたもので、両端にキャップ121が蓋着されており、天板1の短辺との間に余地を残して当該天板1の下面11にねじ等により固着されている。
【0019】
この天板1の下方には、複数に区画された収納領域SAが形成されている。収納領域SAは、
図1及び
図3に示すように、天板1の最大利用人数に対応した数の区域SAaに区画されており、この実施形態の場合は、6人分、すなわち6つの区域SAaに区画されている。収納領域SAは、天板1の下面11とその下面11を被覆する変形可能なシート部材4とによって構成されており、シート部材4は1枚の伸縮性のないシート素材から構成されている。
【0020】
詳述すれば、シート部材4は、
図1、
図3及び
図5に示すように、天板1よりも一回り小さな平面視長方形状のものであり、補強フレーム12を下から覆うようにして天板1の下面11に装着されている。シート部材4は、
図1~
図4に示すように、縁4a近傍が複数の固定部41によって天板1に固定されており、それら固定部41と固定部41との間に開口部42を形成している。具体的には、天板1の一方の使用端1aに対応するシート部材4の長辺に沿って4つの固定部41が略等間隔で配されており、隣接する固定部41間に一方の使用端1aに向かって開放された3つの開口部42がそれぞれ形成されている。また、天板1の他方の使用端1aに対応するシート部材4の長辺に沿って4つの固定部41が略等間隔で配されており、隣接する固定部41間に他方の使用端1aに向かって開放された3つの開口部42がそれぞれ形成されている。各固定部41は、例えば、
図5に示すように、シート部材4の縁4a近傍に設けられねじ挿通孔を有するハトメ411と、天板1に埋設された埋設ナット412と、ハトメ411を通過させて埋設ナット412に螺着されたビス413とによってそれぞれ構成されている。固定部41は、天板1の長手方向に沿って直線状に設けられている。
【0021】
ここで、
図1は本実施形態のテーブルTを示す全体斜視図であり、
図2は同正面図、
図3は同底面図である。
図4の(a)、(b)及び(c)は、それぞれ、
図2におけるA-A線、B-B線及びC-C線に沿った断面図である。
図5は、シート部材4の天板1への取付け態様を示す分解斜視図である。各図において、シート部材4は薄く塗りつぶして示している。
【0022】
このような構成のものであれば、収納領域SAが複数の区域SAaに区画されているため、シート部材4が全体的に大きく変形して脚2間に形成される下肢空間Sを狭めるのを有効に抑制することができる。すなわち、単一のシート部材4により複数の区域SAaを形成するには、シート部材4の四隅以外の部位も天板1に固定する必要が生じるため、1枚のシート部材4により単一の収納領域を形成する場合に比べてシート部材4が下方に膨らむ現象を大幅に抑制することが可能となる。
【0023】
また、利用者はテーブルTを利用する位置に応じた区域SAaを収納に利用することが可能となり、共用品以外の個人所有のアイテム等も収納することができる。すなわち、かかる構成によれば、他人の持ち物と混ざり合うことも抑制することができるため、各利用者が気兼ねなく収納領域SAを使用することが可能となる。
【0024】
しかも、複数の区域SAaを1枚のシート部材4により形成しているため、複数枚のシート部材を用いて複数の区域を形成する場合に比べて部品点数が少なく、構造の簡略化を図ることができる。すなわち、簡易な構成で個別利用も可能な収納領域SAを形成することができる。
【0025】
そして、固定部41を天板1の長手方向に沿って直線状に設けているので、シート部材4を天板1の下面11に固定部41によって固定して収納領域SAを構成するのと同時に当該収納領域SAを複数に区画することが可能となる。そのため、製作に要する工数を無理なく削減することができる。
【0026】
なお、本発明は、以上説明したものに限定されないのは勿論であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0027】
収納領域は、内部まで完全に複数に仕切られたものでなくてもよく、少なくとも、開口部さえ区画されていればよい。例えば、図示実施形態では、天板下面の前後方向中央に補強フレームが存在する場合について説明したが、かかる補強フレーム等がないテーブルにも同様に適用が可能である。この場合、前後方向中央にも固定部を設けてもよいが、設けなくてもよい。しかしながら、かかる補強フレームがあれば、収納領域を一方の使用端側と他方の使用端側とに明確に仕切ることができるため、多人数で利用する場合に使い勝手がよい。また、かかる補強フレームが存在すれば、シート部材を前後に比較的強い張力を与えて天板に固定しても収納領域の上下方向寸法が確保される。そのため、不使用時も見栄えが良好なものとなる。
【0028】
また、図示実施形態では、最大6人で使用することができるテーブルの天板下方に収納領域を設定し、その収納領域を6つに区画しているが、天板の幅寸法やテーブルの最大使用人数は任意に設定してよく、収納領域に設定する区画の数も任意に設定してよい。
【0029】
さらに図示実施形態では、伸縮性のない素材によりシート部材を構成し、このシート部材を利用して収納領域を形成しているが、シート部材の素材も任意のものを採用してよい。但し、伸縮性のない素材によりシート部材を構成した場合、収納領域に物品を収納した際にシート部材の伸縮による垂れ下がりが生じないので、物品を収納した際に下肢空間が狭くなることを抑制することができる。
【0030】
そして、シート部材の縁近傍を複数の固定部によって天板に固定し、それら固定部と固定部との間に開口部を形成する際に、開口部の配置は任意に設定してよい。但し、図示実施形態のように、固定部を天板の長手方向に沿って直線状に設ければ、前述したように、シート部材を天板1の下面に固定部によって固定して収納領域を構成するのと同時に当該収納領域を複数に区画することが可能となるので、製作に要する工数を無理なく削減することができる。
【0031】
その他、天板や脚の材質や形状を任意に設定する等、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変形してよい。
【符号の説明】
【0032】
T…テーブル
1…天板
11…天板の下面
4…シート部材
4a…シート部材の縁
41…固定部
42…開口部
SA…収納領域