(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022064485
(43)【公開日】2022-04-26
(54)【発明の名称】包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 75/36 20060101AFI20220419BHJP
B65D 5/42 20060101ALI20220419BHJP
B65D 5/54 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
B65D75/36
B65D5/42 K
B65D5/54 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020173145
(22)【出願日】2020-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴▲崎▼ 雅教
(72)【発明者】
【氏名】川崎 洋平
(72)【発明者】
【氏名】大矢 祐司
【テーマコード(参考)】
3E060
3E067
【Fターム(参考)】
3E060AC07
3E060BB02
3E060BC04
3E060CB06
3E060CC14
3E060CE04
3E060CE07
3E060CE12
3E060CE15
3E060CE23
3E060CF05
3E060DA25
3E060DA26
3E060EA06
3E067AA11
3E067AB41
3E067AB99
3E067AC01
3E067BA10A
3E067BA15A
3E067BB01A
3E067BB11A
3E067BB14A
3E067BB25A
3E067CA01
3E067CA11
3E067CA24
3E067EA04
3E067EA06
3E067EE09
3E067EE20
3E067EE59
3E067FA01
3E067FB01
3E067FB02
3E067FC01
3E067GD07
(57)【要約】
【課題】被包装物を輸送する際の包装を簡素化および省力化できる包装体を提供する。
【解決手段】包装体2は、第1台紙部と、第2台紙部20と、収容部60とを備えている。第2台紙部20は第1台紙部に重ねられている。収容部60には被包装物70が収容される。収容部60は第2台紙部20に固定されている。第2台紙部20は、周囲にミシン目が形成された分離部を有している。収容部60は分離部に固定されている。分離部は第1台紙部に固定されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枚葉状の第1台紙と、
前記第1台紙に重ねられた枚葉状の第2台紙と、
前記第2台紙に固定され、被包装物が収容される収容部とを備え、
前記第2台紙は、周囲にミシン目が形成された分離部を有し、
前記収容部は前記分離部に固定されており、
前記分離部は前記第1台紙に固定されている、包装体。
【請求項2】
前記第1台紙と前記第2台紙との各々の両縁部同士が互いに留め付けられている、請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記第1台紙と前記第2台紙との少なくともいずれか一方に、前記被包装物を前記収容部から取り出す際に切り離される開封用ミシン目が形成されている、請求項2に記載の包装体。
【請求項4】
前記第1台紙と前記第2台紙との少なくともいずれか一方に、厚み方向に貫通する貫通孔が形成されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被包装物を包装するシュリンクフィルム(熱収縮性フィルム)と、シュリンクフィルムが表面に貼着された台紙とから構成され、組み立てて箱部を有するシュリンクフィルム付カートンとなるシュリンクフィルム付台紙が提案されている(たとえば、特許第6750231号公報(特許文献1)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献には、シュリンクフィルム付台紙を組み立てたシュリンクフィルム付カートンの箱部とシュリンクフィルムとに被包装物を同時に収納することを可能とする技術が開示されている。被包装物を輸送する際には、被包装物を収納したカートンごと、または被包装物をカートンから取り出して、別の箱へ入れて輸送される。この別の箱への箱詰め作業が繁雑であり、包装資材が過剰包装になる。
【0005】
本開示では、被包装物を輸送する際の包装の簡素化および省力化を可能とする、包装体が提案される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従うと、枚葉状の第1台紙と、第1台紙に重ねられた枚葉状の第2台紙と、第2台紙に固定され、被包装物が収容される収容部とを備える、包装体が提案される。第2台紙は、周囲にミシン目が形成された分離部を有している。収容部は分離部に固定されている。分離部は第1台紙に固定されている。
【0007】
上記の包装体において、第1台紙と第2台紙との各々の両縁部同士が互いに留め付けられていてもよい。
【0008】
上記の包装体において、第1台紙と第2台紙との少なくともいずれか一方に、被包装物を収容部から取り出す際に切り離される開封用ミシン目が形成されていてもよい。
【0009】
上記の包装体において、第1台紙と第2台紙との少なくともいずれか一方に、厚み方向に貫通する貫通孔が形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示に従う包装体によれば、被包装物を輸送する際の包装の簡素化および省力化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第一実施形態における台紙を示す平面図である。
【
図2】
図1に示される第2台紙部および収容部の分解斜視図である。
【
図3】第一実施形態における包装体を示す平面図である。
【
図4】第一実施形態における箱体を示す平面図である。
【
図5】
図4に示されるV-V線に沿う、箱体の断面図である。
【
図8】窓部が送り状で覆われた箱体を示す平面図である。
【
図9】第二実施形態における台紙を示す平面図である。
【
図10】第二実施形態における包装体を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態について図面に基づいて説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0013】
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態における台紙1を示す平面図である。台紙1は、平板状の形状を有している。台紙1の材質は、紙、樹脂、または金属であってもよい。紙としては、腰のある厚紙を用いることができる。紙は表面処理されていてもよい。紙に表面処理剤が塗工されていてもよく、紙の表面に金属層が蒸着されていてもよい。
【0014】
図1に示されるように、台紙1は、第1台紙部10と、第2台紙部20とを備えている。
図1に示される第1台紙部10と第2台紙部20とは、各々平板状の形状を有している。
【0015】
第1台紙部10は、主シート部11と、折り畳み部12とを有している。主シート部11と折り畳み部12とは、折り線13を介して接続されている。折り線13、および後述するその他の折り線には、いずれも折り罫線が形成されている。主シート部11は略矩形状の形状を有している。折り畳み部12は、主シート部11のなす略矩形の長辺に接続されている。折り畳み部12は、主シート部11よりも幅が細く形成されている。折り畳み部12は、略台形状の形状を有しており、台形の下底において主シート部11に接続されている。
【0016】
主シート部11には、開封用ミシン目15が形成されている。主シート部11は、開封用ミシン目15に沿って容易に切断可能に構成されている。開封用ミシン目15は略V字状に形成されており、その略V字の先端部に指掛け部16が形成されている。
【0017】
折り畳み部12には、台紙接着部17が設けられている。台紙接着部17は、折り畳み部12の長手方向に延びている。主シート部11には、分離部接着部18,19が設けられている。分離部接着部18,19は、主シート部11の長手方向に延びている。分離部接着部18と分離部接着部19とは、主シート部11の短手方向に間隔を空けて、略平行に設けられている。
【0018】
台紙1の、
図1において紙面表側の面は、台紙1を変形させて後述する包装体2としたときに包装体2の外表面を形成する。第1台紙部10の、
図1において紙面裏側の面は、包装体2を形成したときに第2台紙部20に対向する対向面となる面である。分離部接着部18,19は、主シート部11の、
図1において紙面裏側の面に設けられている。台紙接着部17は、折り畳み部12の、
図1において紙面表側の面に設けられている。
【0019】
第2台紙部20は、主シート部21と、底部22と、蓋部23と、側面形成部24,25とを有している。主シート部21は略矩形状の形状を有している。主シート部21と底部22とは、折り線33を介して接続されている。主シート部21と蓋部23とは、折り線32を介して接続されている。底部22と蓋部23とは、主シート部21のなす略矩形の短辺に接続されている。底部22と蓋部23とは、略同一形状とされている。
【0020】
側面形成部24,25は、主シート部21よりも幅の細い矩形状に形成されている。側面形成部24,25は、略同一形状とされている。主シート部21と側面形成部24とは、折り線34を介して接続されている。主シート部21と側面形成部25とは、折り線35を介して接続されている。側面形成部24,25は、主シート部21のなす略矩形の長辺に接続されている。側面形成部24はまた、折り線14を介して、第1台紙部10に、具体的には主シート部11に接続されている。側面形成部24は、主シート部11のなす略矩形の長辺に接続されている。
【0021】
折り畳み部26は、折り線37を介して、底部22に接続されている。折り線37の両端部に、切り込み線49,50が形成されている。底部22と折り畳み部26との間に切り込み線49,50が形成されており、切り込み線49,50によって底部22と折り畳み部26とは分け離されている。
【0022】
折り畳み部27は、折り線36を介して、蓋部23に接続されている。折り線36の両端部に、切り込み線47,48が形成されている。蓋部23と折り畳み部27との間に切り込み線47,48が形成されており、切り込み線47,48によって蓋部23と折り畳み部27とは分け離されている。折り畳み部27には、貫通孔51が形成されている。貫通孔51は、折り畳み部27を厚み方向に貫通している。
【0023】
折り畳み部28は、折り線39を介して、側面形成部24に接続されている。折り畳み部28と底部22との間に切り込み線44が形成されており、切り込み線44によって底部22と折り畳み部28とは分け離されている。折り畳み部29は、折り線41を介して、側面形成部25に接続されている。折り畳み部29と底部22との間に切り込み線46が形成されており、切り込み線46によって底部22と折り畳み部29とは分け離されている。
【0024】
折り畳み部30は、折り線38を介して、側面形成部24に接続されている。折り畳み部30と蓋部23との間に切り込み線43が形成されており、切り込み線43によって蓋部23と折り畳み部30とは分け離されている。折り畳み部31は、折り線40を介して、側面形成部25に接続されている。折り畳み部31と蓋部23との間に切り込み線45が形成されており、切り込み線45によって蓋部23と折り畳み部31とは分け離されている。
【0025】
第2台紙部20、具体的には主シート部21には、収容部60が固定されている。
図2は、
図1に示される第2台紙部20および収容部60の分解斜視図である。
【0026】
収容部60は、一般的にブリスターパックと呼ばれるものである。収容部60は、略矩形枠状の平板形状を有する収容部接着部61と、収容部接着部61から突出する空間形成部62とを有している。
図1においては、空間形成部62は、紙面垂直方向の手前側に突出している。空間形成部62は、有底の容器状の形状を有しており、その内部には中空の空間が形成されている。収容部接着部61は、空間形成部62の開口部から周囲に張り出した平坦なフランジ状の形状を有している。
【0027】
収容部60のうち、少なくとも空間形成部62は、透明な材料で形成されている。空間形成部62は、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラートに代表される樹脂材料で形成されていてもよい。収容部接着部61は、空間形成部62と同じ材料で形成されていてもよい。一体の樹脂製の平板を適宜切断、折り曲げ、および接合することで、収容部60を成形してもよい。
【0028】
空間形成部62の中空の内部空間に、被包装物70が収容される。被包装物70は、日用品、電子機器など、任意の物品であってもよい。本明細書中の説明においては、被包装物70が細長い円柱状の物品である例について説明する。
【0029】
図2に示されるように、第2台紙部20の主シート部21は、分離部52を有している。分離部52は、ミシン目53に囲まれている。分離部52の周囲に、ミシン目53が形成されている。ミシン目53によって分離部52が区画されている。分離部52は、収容部接着部61の外縁形状と略同一の形状を有している。
図2に示される分離部52は、略矩形の形状を有している。
図1に示されるように、分離部52は、主シート部21の中央の位置から外れた位置に配置されている。分離部52は、主シート部21の短手方向において片寄った位置に配置されている。
【0030】
収容部接着部61の主シート部21に対向する面、および/または、分離部52の周縁部に、接着剤が塗布される。分離部52の周縁部に接着剤を印刷してもよい。この状態で、空間形成部62の内部に被包装物70が収容されるようにして収容部接着部61を分離部52に接触させて、収容部接着部61を分離部52に接着固定する。このようにして、収容部60が第2台紙部20の分離部52に固定され、収容部60の内部に被包装物70が収容される。収容部接着部61は、分離部52に熱圧着により固定されてもよい。
【0031】
収容部60を、開閉可能に構成してもよい。たとえば、空間形成部62の側面のうちの一面を、開閉可能な蓋としてもよい。この場合、収容部60を第2台紙部20に固定させた後に、蓋を開閉することで収容部60の内部に被包装物70を収容することが可能になる。
【0032】
図3は、第一実施形態における包装体2を示す平面図である。
図3に示される包装体2は、
図1,2を参照して説明した台紙1を、折り線34から二つ折りにすることで形成されている。包装体2は、枚葉状の第1台紙部10と、枚葉状の第2台紙部20とを備えており、第1台紙部10と第2台紙部20とが互いに重ね合わされている。
【0033】
図1に示される折り畳み部12は、折り線13から折り畳まれている。この折り畳み部12の折り畳みと、台紙1の二つ折りとによって、折り畳み部12に設けられている台紙接着部17が、第2台紙部20の側面形成部25に対向する。台紙接着部17に接着剤を塗布した状態で、折り畳み部12を側面形成部25に接触させて、折り畳み部12を側面形成部25に接着固定する。
【0034】
台紙1を折り線34から二つ折りにすることで、主シート部11に設けられている分離部接着部18,19が、第2台紙部20の分離部52に対向する。分離部接着部18,19に接着剤を塗布した状態で、主シート部11を分離部52に接触させる。これにより分離部52が、第1台紙部10の主シート部11に固定される。第1台紙部10は、台紙1を二つ折りにしたときに第2台紙部20の主シート部21に対向する対向面(
図1においては、紙面裏側の面)を有しており、分離部52はその対向面に固定されている。
【0035】
包装体2において、第1台紙部10と第2台紙部20との一方の縁部(
図3においては図中の左側の縁部)は、一体の台紙1が折り線34において折り曲げられて形成されたものであり、互いに留め付けられている。包装体2において、第1台紙部10と第2台紙部20との他方の縁部(
図3においては図中の右側の縁部)は、折り畳み部12が側面形成部25に接着固定されることにより、互いに留め付けられている。第1台紙部10と第2台紙部20との各々の両縁部同士が、互いに留め付けられている。
【0036】
第1台紙部10と第2台紙部20との縁部の留め付けは、一体の紙の折り曲げまたは接着に限られない。ステイプラーの針で第1台紙部10と第2台紙部20とを綴じるなど、他の手段によって第1台紙部10と第2台紙部20との縁部を留め付けてもよい。
【0037】
折り畳み部27に形成されている貫通孔51は、包装体2を吊り下げ展示するための吊り下げ孔として用いることができる。実店舗などで、商品展示台に設けられたフックなどを貫通孔51に挿通することで、1つまたは複数個の包装体2を店頭で吊り下げ展示できるようになっている。空間形成部62が透明であることにより、店頭で包装体2を見た購入者は、収容部60に収容されている被包装物70の実物を目で見て確認することができる。
【0038】
図4は、第一実施形態における箱体80を示す平面図である。
図5は、
図4に示されるV-V線に沿う、箱体80の断面図である。
図4,5に示される箱体80は、
図3を参照して説明した包装体2を組み立てて箱形状とすることで形成されている。
【0039】
箱体80の組み立てについて説明する。
図6は、箱体80の組み立て工程を示す第1の図である。まず、第2台紙部20の主シート部21に形成されているミシン目53に沿って、分離部52を切り離す。
図6に示されるように、作業者が、蓋部23または底部22のいずれか一方または両方の側から、第1台紙部10と第2台紙部20との間に手指を挿し入れることで、分離部52を主シート部21から容易に分離させることが可能である。
【0040】
上述した通り、分離部52は第1台紙部10に接着固定されている。ミシン目53において分離部52が主シート部21から分離された後、分離部52に接着固定された収容部60と、収容部60に収容された被包装物70とは、第1台紙部10に取り付けられた状態となる。
【0041】
図7は、箱体80の組み立て工程を示す第2の図である。分離部52を主シート部21から分離した後、第2台紙部20を折り線35において折り曲げて、第1台紙部10の主シート部11に対して側面形成部25を略直立させる。また台紙1を折り線14において折り曲げて、主シート部11に対して側面形成部24を略直立させる。このようにして、第1台紙部10の主シート部11から第2台紙部20の主シート部21が離隔した、
図7に示される構造が得られる。
【0042】
主シート部21から分離部52が切り離されたことにより、主シート部21に、
図7および
図5に示される窓部81が形成される。
【0043】
その後、折り畳み部30を折り線38で折り曲げ、折り畳み部31を折り線40で折り曲げ、折り畳み部28を折り線39で折り曲げ、折り畳み部29を折り線41で折り曲げる。さらに、底部22を折り線33で折り曲げるとともに折り畳み部26を折り線37で折り曲げ、蓋部23を折り線32で折り曲げるとともに折り畳み部27を折り線36で折り曲げ、主シート部11と主シート部21との間に形成された空間に折り畳み部26,27を差し込む。このようにして、
図4,5に示される箱体80が組み立てられる。
【0044】
箱体80において、収容部60と被包装物70とは、第1台紙部10の主シート部11と第2台紙部20の主シート部21との間に配置されている。
図3に示される包装体2は、収容部60および被包装物70を内蔵する容器に変形可能である。
【0045】
図4に示される平面視した箱体80において、窓部81を通して、収容部60の一部が視認可能である。収容部60の一部分は、主シート部21に覆われて見えなくなっている。収容部60は、窓部81からずれて配置されている。箱体80の厚み方向(
図4においては紙面垂直方向、
図5においては上下方向)において、主シート部21と収容部60とが重なっている。箱体80の厚み方向に作用する荷重に対して、収容部60が主シート部21を支持する構造体とされている。これにより、箱体80の強度が向上されており、主シート部11,21の変形が抑制されている。
【0046】
図5に示される収容部60では、空間形成部62と主シート部21との間に隙間が形成されているが、空間形成部62と主シート部21とが隙間を介さずに面接触する構成であってもよい。
【0047】
図8は、窓部81が送り状90で覆われた箱体80を示す平面図である。箱体80に、郵便番号、宛先の住所および氏名などの、発送に必要な情報が記載された送り状90を貼り付けることにより、箱体80ごと被包装物70の発送が可能になる。送り状90を貼り付ける際に、
図8に示されるように窓部81を覆うように貼り付ける。箱体80の内部に収容された被包装物70を送り状90で隠すことで、何の物品が発送されるのかを外観上わからなくしている。
【0048】
発送された箱体80を受け取った受取人は、指掛け部16(
図1)に手指をかけて開封用ミシン目15を切り離すことで、容易に箱体80を開封できる。これにより、被包装物70の取り出しを容易に行なうことができる。
【0049】
箱体80は、郵便ポストに投函可能な厚みを有していてもよい。箱体80の厚みを抑えることで、箱体80の集配が容易になり、箱体80の輸送時の取扱性を向上できる。
【0050】
上述した説明と一部重複する記載もあるが、本実施形態の特徴的な構成および作用効果について、以下に列挙する。
【0051】
図1~3に示されるように、包装体2は、第1台紙部10と、第2台紙部20と、収容部60とを備えている。第2台紙部20は第1台紙部10に重ねられている。収容部60には被包装物70が収容される。収容部60は第2台紙部20に固定されている。第2台紙部20は、周囲にミシン目53が形成された分離部52を有している。収容部60は分離部52に固定されている。分離部52は第1台紙部10に固定されている。
【0052】
ミシン目53に沿って分離部52を切り離すことで、分離部52に固定された収容部60と、収容部60に収容される被包装物70とは、第1台紙部10に取り付けられた状態となる。この第1台紙部10と、分離部52が切り離された後の第2台紙部20とによって、収容部60および被包装物70を内部に収容する容器、具体的には箱体80を形成できる。この箱体80の状態で、被包装物70を輸送することが可能である。被包装物70を輸送する際に、別の箱へ箱詰めしたり、包装資材を別途必要としない。したがって、被包装物70を輸送する際の包装の簡素化および省力化を実現することができる。
【0053】
図1,3に示されるように、第1台紙部10と第2台紙部20との各々の両縁部同士が互いに留め付けられていてもよい。第1台紙部10と第2台紙部20との互いに留め付けられた両縁部を、組み立てられた箱体80の側面を形成する側面形成部24,25とすることで、箱体80を容易に組み立てることができる。側面を有する箱体80の内部に被包装物70が収容されることで、輸送時の被包装物70の保護が可能になる。
【0054】
図1に示されるように、第1台紙部10に、被包装物70を収容部60から取り出す際に切り離される開封用ミシン目15が形成されていてもよい。輸送された被包装物70を受け取った受取人は、開封用ミシン目15に沿って箱体80を容易に開封できるので、被包装物70の収容部60からの取り出しが容易になる。
【0055】
図1,3に示されるように、第2台紙部20に、厚み方向に貫通する貫通孔51が形成されていてもよい。このようにすれば、貫通孔51を吊り下げ孔として用いて包装体2を吊り下げ展示することができる。
【0056】
[第二実施形態]
図9は、第二実施形態における台紙1を示す平面図である。第2実施形態の台紙1においては、第1台紙部10は、主シート部11と、折り畳み部12と、底部22Aと、蓋部23Aとを有している。主シート部11と折り畳み部12との間に、開封用ミシン目15Aが形成されている。底部22Aは、折り線33Aを介して主シート部11に接続されている。蓋部23Aは、折り線32Aを介して主シート部11に接続されている。底部22Aには、切り欠き部22Bが形成されている。蓋部23Aには、切り欠き部23Bが形成されている。
【0057】
主シート部11には、第一実施形態と同様の分離部接着部18,19が設けられている。折り畳み部12には、台紙接着部17が設けられている。第二実施形態の台紙接着部17は、折り畳み部12の、
図9において紙面裏側の面に設けられている。
【0058】
第2台紙部20は、主シート部21と、折り畳み部29と、底部22と、蓋部23とを有している。主シート部21は、第1台紙部10の主シート部11と、折り線14を介して接続されている。主シート部21と折り畳み部29との間に、開封用ミシン目15Bが形成されている。底部22は、折り線33を介して主シート部21に接続されている。蓋部23は、折り線32を介して主シート部21に接続されている。蓋部23には、貫通孔51が形成されている。
【0059】
第2台紙部20の主シート部21は、分離部52を有している。分離部52は、略矩形の形状を有している。分離部52の周囲に、ミシン目53が形成されている。分離部52は、主シート部21の短手方向において、主シート部21の中央の位置に配置されている。
【0060】
収容部60は、分離部52に固定されている。第二実施形態の収容部60は、シュリンクフィルムである。収容部60は、熱収縮性を有する素材から形成されている。収容部60は、平坦なフィルム状の樹脂材料をその縁部が重なるように筒状に丸めて成形されている。
【0061】
図9に示される収容部60は、中空筒状に成形したシュリンクフィルムを、筒をつぶすように折り畳んで矩形にしたものである。
図9に示される収容部60は、矩形の長辺が分離部52の略矩形の長辺よりも短く、矩形の短辺が分離部52の略矩形の短辺よりも長い。
【0062】
図9に示される収容部60に被包装物70を収容するには、まず、折り畳まれた収容部60を展開して筒状にし、その筒状の中に被包装物70を上下の開口部より挿入して位置決めする。続いて、収容部60を加熱して収縮させるシュリンク包装を行なうことで、収容部60を被包装物70に密着させる。このようにして、収容部60の内部に被包装物70が収容される。
【0063】
図10は、第二実施形態における包装体2を示す平面図である。
図10に示される包装体2は、
図9を参照して説明した台紙1を折り線14から二つ折りにすることで形成されている。包装体2は、枚葉状の第1台紙部10と、枚葉状の第2台紙部20とを備えており、第1台紙部10と第2台紙部20とが互いに重ね合わされている。
【0064】
台紙1を折り線14から二つ折りにすることで、折り畳み部12に設けられている台紙接着部17が、第2台紙部20の折り畳み部29に対向する。台紙接着部17に接着剤を塗布した状態で、折り畳み部12を折り畳み部29に接触させて、折り畳み部12を折り畳み部29に接着固定する。
【0065】
台紙1を折り線14から二つ折りにすることで、主シート部11に設けられている分離部接着部18,19が、第2台紙部20の分離部52に対向する。分離部接着部18,19に接着剤を塗布した状態で、主シート部11を分離部52に接触させる。これにより分離部52が、第1台紙部10の主シート部11に固定される。
【0066】
図10に示される収容部60には、被包装物70が収容されている。このとき収容部60は、筒状に変形しているため、平面視において分離部52の略矩形の短辺よりも幅が狭くなっている。
【0067】
図10に示される包装体2を組み立てて箱体にするには、まず、ミシン目53に沿って分離部52を主シート部21から切り離す。ミシン目53において分離部52が主シート部21から分離された後、分離部52に接着固定された収容部60と、収容部60に収容された被包装物70とは、第1台紙部10に取り付けられた状態となる。
【0068】
分離部52を主シート部21から分離した後、底部22Aを折り線33Aにおいて折り曲げ、続いて底部22を折り線33において折り曲げて、底部22を底部22Aに重ねる。また、蓋部23Aを折り線32Aにおいて折り曲げ、続いて蓋部23を折り線32において折り曲げて、蓋部23を蓋部23Aに重ねる。このようにして、扁平な筒状の箱体が組み立てられる。箱体において,収容部60と被包装物70とは、第1台紙部10の主シート部11と第2台紙部20の主シート部21との間に配置されている。
【0069】
このように形成された箱体に送り状90を貼り付けることにより、箱体ごと被包装物70の発送が可能になる。主シート部21から分離部52を切り離すことで形成される窓部を覆うように送り状を貼り付けることで、箱体に収容された被包装物70を隠すことが可能になる。
【0070】
発送された箱体を受け取った受取人は、開封用ミシン目15A,15Bのいずれか一方または両方を切り離すことで、容易に箱体を開封できる。これにより、被包装物70の取り出しを容易に行なうことができる。
【0071】
第二実施形態の包装体2においても、第一実施形態と同様に、ミシン目53に沿って分離部52を切り離すことで、分離部52に固定された収容部60と、収容部60に収容される被包装物70とは、第1台紙部10に取り付けられた状態となる。この第1台紙部10と、分離部52が切り離された後の第2台紙部20とによって、収容部60および被包装物70を内部に収容する容器を形成できる。この状態で、被包装物70を輸送することが可能である。被包装物70を輸送する際に、別の箱へ箱詰めしたり、包装資材を別途必要としない。したがって、被包装物70を輸送する際の包装の簡素化および省力化を実現することができる。
【0072】
第一実施形態のブリスターパックの収容部60と比較して、第二実施形態のシュリンクフィルムの収容部60は、使用する樹脂材料が低減されている。被包装物70の輸送に使用した後に廃棄されるプラスチックゴミを低減できる点で、第二実施形態のシュリンクフィルムの収容部60が有利である。
【0073】
これまでの実施形態の説明においては、包装体2に貫通孔51が形成されており、包装体2を吊り下げ展示可能な例について説明した。包装体2は、自立可能に構成されていてもよい。包装体2は、別体の支持部材によって支持されて展示されてもよい。包装体2には、貫通孔51が必ずしも形成されていなくてもよい。
【0074】
第一実施形態で説明したブリスターパックの収容部60を、第二実施形態の扁平な筒状の箱体に適用してもよい。第二実施形態で説明したシュリンクフィルムの収容部60を、第一実施形態の矩形箱状の箱体80に適用してもよい。
【0075】
実施形態の説明においては、第1台紙部10と第2台紙部20とが一枚の厚紙などから一体的に成形される例について説明した。包装体2は、別々の枚葉状の紙などで形成された第1台紙と第2台紙とを備えてもよい。第1台紙と第2台紙とを別体としても、第2台紙の分離部に収容部を固定し、分離部を第1台紙に固定することで、分離部を第2台紙から分離させた後、収容部と被包装物とは第1台紙に取り付けられた状態となる。その後に、たとえば第1台紙と第2台紙とをテープで止めるなどによって、第1台紙と第2台紙との間に収容部を収容する容器を形成できる。したがって、包装を簡素化および省力化できる上述した効果を、同様に得ることができる。
【0076】
以上のように実施形態について説明を行なったが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0077】
1 台紙、2 包装体、10 第1台紙部、11,21 主シート部、12,26,27,28,29,30,31 折り畳み部、13,14,32,32A,33,33A,34,35,36,37,38,39,40,41 折り線、15,15A,15B 開封用ミシン目、16 指掛け部、17 台紙接着部、18,19 分離部接着部、20 第2台紙部、22,22A 底部、22B,23B 切り欠き部、23,23A 蓋部、24,25 側面形成部、43,44,45,46,47,48,49,50 切り込み線、51 貫通孔、52 分離部、53 ミシン目、60 収容部、61 収容部接着部、62 空間形成部、70 被包装物、80 箱体、81 窓部、90 送り状。