IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

2022-64675ゲーミングマシン、ゲーミング方法およびプログラム
<>
  • -ゲーミングマシン、ゲーミング方法およびプログラム 図1
  • -ゲーミングマシン、ゲーミング方法およびプログラム 図2
  • -ゲーミングマシン、ゲーミング方法およびプログラム 図3
  • -ゲーミングマシン、ゲーミング方法およびプログラム 図4
  • -ゲーミングマシン、ゲーミング方法およびプログラム 図5
  • -ゲーミングマシン、ゲーミング方法およびプログラム 図6
  • -ゲーミングマシン、ゲーミング方法およびプログラム 図7
  • -ゲーミングマシン、ゲーミング方法およびプログラム 図8
  • -ゲーミングマシン、ゲーミング方法およびプログラム 図9
  • -ゲーミングマシン、ゲーミング方法およびプログラム 図10
  • -ゲーミングマシン、ゲーミング方法およびプログラム 図11
  • -ゲーミングマシン、ゲーミング方法およびプログラム 図12
  • -ゲーミングマシン、ゲーミング方法およびプログラム 図13
  • -ゲーミングマシン、ゲーミング方法およびプログラム 図14
  • -ゲーミングマシン、ゲーミング方法およびプログラム 図15
  • -ゲーミングマシン、ゲーミング方法およびプログラム 図16
  • -ゲーミングマシン、ゲーミング方法およびプログラム 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022064675
(43)【公開日】2022-04-26
(54)【発明の名称】ゲーミングマシン、ゲーミング方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/80 20140101AFI20220419BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20220419BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20220419BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20220419BHJP
   A63F 5/04 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
A63F13/80 H
A63F13/53
A63F13/52
A63F13/69 510
A63F5/04 540
A63F5/04 651
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020173437
(22)【出願日】2020-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】501405122
【氏名又は名称】コナミゲーミング インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100161425
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】工藤 啓久
【テーマコード(参考)】
2C518
【Fターム(参考)】
2C518EA01
2C518EC24
(57)【要約】
【課題】プレイヤーがゲームの進行を理解しやすい態様でゲームを提供するゲーミングマシンを提供する。
【解決手段】シンボル表示領域を有する表示部、制御部および記憶部を備えたゲーミングマシンであって、制御部は記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより、複数のシンボルをシンボル表示領域に表示し、表示しているシンボルを変動させ、所定の順で停止させることにより、シンボル表示領域にシンボル組み合わせをゲーム結果として表示するシンボル表示機能と、シンボル表示機能によって複数のシンボルのうちの一部のシンボルを停止させ残余のシンボルを変動させているときに、停止済みのシンボルによって当選し得る入賞組み合わせの個数をシンボル表示領域に表示するチャンス表示機能と、シンボル表示領域にゲーム結果として表示されたシンボル組み合わせが、入賞組み合わせを有する場合に特典を付与する特典付与機能とを実現してゲームを提供する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンボル表示領域を有する表示部、制御部および記憶部を備えたゲーミングマシンであって、前記制御部は、前記記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより、
複数のシンボルを前記シンボル表示領域に表示し、表示しているシンボルを変動させ、所定の順で停止させることにより、前記シンボル表示領域にシンボル組み合わせをゲーム結果として表示するシンボル表示機能と、
前記シンボル表示機能によって複数のシンボルのうちの一部のシンボルを停止させ残余のシンボルを変動させているときに、停止済みのシンボルによって当選し得る入賞組み合わせの個数を前記シンボル表示領域に表示するチャンス表示機能と、
前記シンボル表示領域に前記ゲーム結果として表示されたシンボル組み合わせが、前記入賞組み合わせを有する場合に特典を付与する特典付与機能と
を実現してゲームを提供するように構成されるゲーミングマシン。
【請求項2】
前記シンボル表示領域は、シンボルを表示可能なセルを複数含み、
前記入賞組み合わせは、前記シンボル表示領域の複数のセルに跨がって設けられた入賞ライン上に停止したシンボルについて設定され、
前記シンボル表示機能は前記複数のセルにシンボルを順に停止し、
前記チャンス表示機能は、停止済みのシンボルによって当選し得る入賞ラインの本数を、次にシンボルを停止させるセルに表示する請求項1に記載のゲーミングマシン。
【請求項3】
前記制御部は、前記シンボル表示機能によって複数のシンボルのうちの一部のシンボルを停止させ残余のシンボルを変動させているときに、停止済みのシンボルによって当選した入賞組み合わせの個数を前記シンボル表示領域に表示する入賞表示機能をさらに実現する請求項1または2に記載のゲーミングマシン。
【請求項4】
前記シンボル表示領域は、シンボルを表示可能なセルを複数含み、
前記入賞組み合わせは、前記シンボル表示領域の複数のセルに跨がって設けられた入賞ライン上に停止したシンボルについて設定され、
前記シンボル表示機能は前記複数のセルにシンボルを順に停止し、
前記入賞表示機能は、停止済みのシンボルによって当選した入賞ラインの本数を当該シンボル上に表示する請求項3に記載のゲーミングマシン。
【請求項5】
前記制御部は、入賞ラインの一覧を前記表示部に表示するライン表示機能をさらに実現し、
前記ライン表示機能は、当選した前記入賞ラインを強調表示する請求項2~4の何れか一項に記載のゲーミングマシン。
【請求項6】
前記ライン表示機能は、前記シンボル表示機能によって複数のシンボルのうちの一部のシンボルを停止させ残余のシンボルを変動させているときに、当選した前記入賞ラインを強調表示する請求項5に記載のゲーミングマシン。
【請求項7】
前記ライン表示機能は、強調表示された前記入賞ラインに当該入賞ラインの当選額を表示する請求項6に記載のゲーミングマシン。
【請求項8】
シンボル表示領域を有する表示部を備えたゲーミングマシンにおいて実行されるゲーミング方法であって、
複数のシンボルを前記シンボル表示領域に表示し、表示しているシンボルを変動させ、所定の順で停止させることにより、前記シンボル表示領域にシンボル組み合わせをゲーム結果として表示するシンボル表示ステップと、
前記シンボル表示ステップにおいて複数のシンボルのうちの一部のシンボルを停止させ残余のシンボルを変動させているときに、停止済みのシンボルによって当選し得る入賞組み合わせの個数を前記シンボル表示領域に表示するチャンス表示ステップと、
前記シンボル表示領域に前記ゲーム結果として表示されたシンボル組み合わせが、前記入賞組み合わせを有する場合に特典を付与する特典付与ステップと
を含むゲーミング方法。
【請求項9】
シンボル表示領域を有する表示部を備えたゲーミングマシンを動作させるプログラムであって、前記プログラムは、前記ゲーミングマシンを、
複数のシンボルを前記シンボル表示領域に表示し、表示しているシンボルを変動させ、所定の順でおよび停止させることにより、前記シンボル表示領域にシンボル組み合わせをゲーム結果として表示するシンボル表示機能と、
前記シンボル表示機能によって複数のシンボルのうちの一部のシンボルを停止させ残余のシンボルを変動させているときに、停止済みのシンボルによって当選し得る入賞組み合わせの個数を前記シンボル表示領域に表示するチャンス表示機能と、
前記シンボル表示領域に前記ゲーム結果として表示されたシンボル組み合わせが、前記入賞組み合わせを有する場合に特典を付与する特典付与機能と
を実現してゲームを提供するように機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲーミングマシン、ゲーミング方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、スロットゲームを提供するゲーミングマシンを開示する。このゲーミングマシンは、リールをスピンおよび停止させ、ゲーム結果として表示されたシンボル組み合わせが入賞組み合わせを有する場合に特典を付与する。表示されるシンボルはクレジット値が付与されたシンボルを含む。ゲーミングマシンは、クレジット値が付与されたシンボルが入賞組み合わせを構成する場合には、当該クレジット値に係る額を特典として付与する。ゲーミングマシンは、第1リールおよび第2リールにワイルドシンボルが停止表示された場合、続いて停止させる第3リール、第4リールおよび第5リールの表示領域を拡張する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】豪州特許出願公開2018236797号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載のゲーミングマシンにおいては、第1リールおよび第2リールにワイルドシンボルが停止表示された場合には入賞の可能性が高い状態となり、クレジット値が付与されたシンボルによる高額当選の期待も高くなる。しかしながら、このようなゲーミングマシンに所定数(例えば30ライン,40ライン,50ライン等)のペイラインを設定し、停止表示された個々のシンボルが同時に複数のペイラインにおいて入賞組み合わせをなし得る構成とした場合、プレイヤーはゲーム提供中に停止済みのシンボルが入賞組み合わせを構成し得るのか、既に入賞組み合わせを構成しているのか、あるいは入賞組み合わせを構成し得ないのかを即座に判別できないことがある。このようにプレイヤーのゲームの進行(ゲーム開始からゲーム結果が全て表示されるまでの過程)に対する理解が追いつかないと、リールが停止して次のシンボルが表示されることへの関心が薄れ、結果としてゲームをプレイする時間が短くなるおそれがある。このため、より魅力的なゲームをプレイヤーに提供するという観点からは改善の余地がある。
【0005】
本開示は、プレイヤーがゲームの進行を理解しやすい態様でシンボルを用いたゲームを提供するゲーミングマシン、ゲーミング方法およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係るゲーミングマシンは、シンボル表示領域を有する表示部、制御部および記憶部を備えたゲーミングマシンであって、制御部は、記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより、複数のシンボルをシンボル表示領域に表示し、表示しているシンボルを変動させ、所定の順で停止させることにより、シンボル表示領域にシンボル組み合わせをゲーム結果として表示するシンボル表示機能と、シンボル表示機能によって複数のシンボルのうちの一部のシンボルを停止させ残余のシンボルを変動させているときに、停止済みのシンボルによって当選し得る入賞組み合わせの個数をシンボル表示領域に表示するチャンス表示機能と、シンボル表示領域にゲーム結果として表示されたシンボル組み合わせが、入賞組み合わせを有する場合に特典を付与する特典付与機能とを実現してゲームを提供するように構成される。
【0007】
このゲーミングマシンにおいては、複数のシンボルのうちの一部のシンボルを停止させ残余のシンボルを変動させているときに、停止済みのシンボルによって当選し得る入賞組み合わせの個数がシンボル表示領域に表示される。このため、ゲーミングマシンは、停止済みのシンボルによって当選し得る入賞組み合わせの個数をゲームの進行中にプレイヤーに把握させることができる。これにより、ゲーミングマシンは、最終的に表示されるゲーム結果に含まれ得る入賞組み合わせの最大個数を、ゲーム結果を全て表示する前のゲーム進行中にプレイヤーに理解させ、プレイヤーに対して次に停止するリールに関心を向けさせることができる。よって、このゲーミングマシンは、プレイヤーがゲームの進行を理解しやすい態様でシンボルを用いたゲームを提供することができる。
【0008】
一実施形態においては、シンボル表示領域は、シンボルを表示可能なセルを複数含み、入賞組み合わせは、シンボル表示領域の複数のセルに跨がって設けられた入賞ライン上に停止したシンボルについて設定され、シンボル表示機能は複数のセルにシンボルを順に停止し、チャンス表示機能は、停止済みのシンボルによって当選し得る入賞ラインの本数を、次にシンボルを停止させるセルに表示してもよい。この場合、ゲーミングマシンは、注目すべきセルをプレイヤーに容易に理解させることができる。
【0009】
一実施形態においては、制御部は、シンボル表示機能によって複数のシンボルのうちの一部のシンボルを停止させ残余のシンボルを変動させているときに、停止済みのシンボルによって当選した入賞組み合わせの個数をシンボル表示領域に表示する入賞表示機能をさらに実現してもよい。この場合、ゲーミングマシンは、最終的に表示されるゲーム結果に含まれ得る入賞組み合わせの最小個数を、ゲーム結果を全て表示する前にプレイヤーに理解させ、プレイヤーに対して次に停止するリールに関心を向けさせることができる。
【0010】
一実施形態においては、シンボル表示領域は、シンボルを表示可能なセルを複数含み、入賞組み合わせは、シンボル表示領域の複数のセルに跨がって設けられた入賞ライン上に停止したシンボルについて設定され、シンボル表示機能は複数のセルにシンボルを順に停止し、入賞表示機能は、停止済みのシンボルによって当選した入賞ラインの本数を当該シンボル上に表示してもよい。この場合、ゲーミングマシンは、注目すべきセルをプレイヤーに容易に理解させることができる。
【0011】
一実施形態においては、制御部は、入賞ラインの一覧を表示部に表示するライン表示機能をさらに実現し、ライン表示機能は、当選した入賞ラインを強調表示してもよい。この場合、ゲーミングマシンは、当選した入賞ラインをプレイヤーに提示することができる。
【0012】
一実施形態においては、ライン表示機能は、シンボル表示機能によって複数のシンボルのうちの一部のシンボルを停止させ残余のシンボルを変動させているときに、当選した入賞ラインを強調表示してもよい。この場合、ゲーミングマシンは、当選した入賞ラインを、ゲーム結果を全て表示する前にプレイヤーに提示することができる。
【0013】
一実施形態においては、ライン表示機能は、強調表示された入賞ラインに当該入賞ラインの当選額を表示してもよい。この場合、ゲーミングマシンは、入賞ラインごとの当選額をプレイヤーに提示することができる。
【0014】
本開示の他の側面に係るゲーミング方法は、シンボル表示領域を有する表示部を備えたゲーミングマシンにおいて実行されるゲーミング方法であって、複数のシンボルをシンボル表示領域に表示し、表示しているシンボルを変動させ、所定の順で停止させることにより、シンボル表示領域にシンボル組み合わせをゲーム結果として表示するシンボル表示ステップと、シンボル表示ステップにおいて複数のシンボルのうちの一部のシンボルを停止させ残余のシンボルを変動させているときに、停止済みのシンボルによって当選し得る入賞組み合わせの個数をシンボル表示領域に表示するチャンス表示ステップと、シンボル表示領域にゲーム結果として表示されたシンボル組み合わせが、入賞組み合わせを有する場合に特典を付与する特典付与ステップとを含む。
【0015】
このゲーミング方法によれば、上述したゲーミングマシンと同様に、プレイヤーがゲームの進行を理解しやすい態様でシンボルを用いたゲームを提供することができる。
【0016】
本開示の他の側面に係るプログラムは、シンボル表示領域を有する表示部を備えたゲーミングマシンを動作させるプログラムであって、プログラムは、ゲーミングマシンを、複数のシンボルをシンボル表示領域に表示し、表示しているシンボルを変動させ、所定の順でおよび停止させることにより、シンボル表示領域にシンボル組み合わせをゲーム結果として表示するシンボル表示機能と、シンボル表示機能によって複数のシンボルのうちの一部のシンボルを停止させ残余のシンボルを変動させているときに、停止済みのシンボルによって当選し得る入賞組み合わせの個数をシンボル表示領域に表示するチャンス表示機能と、シンボル表示領域にゲーム結果として表示されたシンボル組み合わせが、入賞組み合わせを有する場合に特典を付与する特典付与機能とを実現してゲームを提供するように機能させる。
【0017】
このプログラムによれば、上述したゲーミングマシンと同様に、プレイヤーがゲームの進行を理解しやすい態様でシンボルを用いたゲームを提供することができる。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、プレイヤーがゲームの進行を理解しやすい態様でシンボルを用いたゲームを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】ゲーミングマシンの一例を示す斜視図である。
図2】ゲーミングマシンの構成の一例を示すブロック図である。
図3】ゲーミングマシンの表示領域の概略図である。
図4】仮想リールセットおよびシンボルを示す図である。
図5図3の表示領域で設定されるペイラインの一例を示す図である。
図6図2のメモリに格納されるプログラムおよびデータを示すディレクトリ構成図およびブロック図である。
図7】ゲーミングマシンにかかるシステムのブロック図である。
図8図7のゲームアプリケーションプログラムのブロック図である。
図9図7のシステムアプリケーションプログラムのブロック図である。
図10】ゲーミングマシンの動作を説明するフローチャートである。
図11】ゲーミングマシンの動作を説明するフローチャートである。
図12】特別ゲームを説明する概要図である。
図13】ゲーミングマシンの動作を説明するフローチャートである。
図14】ゲーミングマシンの動作を説明するフローチャートである。
図15】特別ゲームを説明する概要図である。
図16】特別ゲームを説明する概要図である。
図17】特別ゲームを説明する概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して実施形態にかかるゲーミングマシンについて説明する。なお、各図において同一または相当部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】
図1は、実施形態に係るゲーミングマシンの一例を示す斜視図である。図1に示されるゲーミングマシン10は、所定のゲーム価値をプレイヤーから受け付け、ゲーム結果を生成し、ゲーム結果およびペイテーブルに応じてプレイヤーに配当を提供し得る。本実施形態に係るゲーミングマシン10が提供するゲームはビデオスロットゲームであり、ゲーミングマシン10は、例えば、通常ゲーム、フリーゲーム、および特別ゲームを提供する。通常ゲーム、フリーゲーム、および特別ゲームは、所定の条件が満たされたときに提供される。通常ゲーム、フリーゲーム、および特別ゲームにおいては、表示領域に表示されるシンボルが、ゲーム結果であるシンボルの組み合わせを構成し、その組合せで入賞が判定される。特別ゲームにおいては、ゲームのルールに関わる特別な条件(以下、フィーチャー機能という)が提供され、フィーチャー機能を発揮した状態でゲームが提供される。
【0022】
図1に示されるように、ゲーミングマシン10は、ディスプレイ16(表示部の一例)およびキャビネット12を備える。キャビネット12は、ゲーミングマシン10の構成要素を制御する制御部22(図2参照)も収容する。
【0023】
ディスプレイ16は、液晶ディスプレイ装置や有機ELディスプレイ装置などの平面パネルディスプレイ装置である。ディスプレイ16は、制御部22を介して制御されることによって、ゲーム画面をプレイヤーへ提供する。ディスプレイ16の周囲には、装飾的な照明を提供するイルミネーション36が設けられてもよい。
【0024】
キャビネット12は、ディスプレイ16の下側に配置される。キャビネット12には、その前面に前方へ張り出すようにしてコントロールパネル18が設けられる。コントロールパネル18には、プレイヤートラッキングユニット20、スピーカ26、紙幣/チケット識別ユニット28、プリンタユニット30、および、操作部32が設けられる。
【0025】
プレイヤートラッキングユニット20は、プレイヤー識別カードを認識するカードリーダー、データをプレイヤーに提示するディスプレイ、およびプレイヤーによる入力を受け付けるキーパッドを含む。プレイヤートラッキングユニット20は、制御部22または外部システムと共に協調動作することによって、プレイヤーによってカードリーダーに挿入されたプレイヤー識別カードに記録された情報を読み取り、その情報および/または外部システムと通信することによって取得された情報をディスプレイ上に表示する。さらに、プレイヤーからの入力がキーパッドによって受け付けられ、ディスプレイがその入力に従って変更され、必要に応じて外部システムとの通信が実行される。
【0026】
スピーカ26は、コントロールパネル18の左右に設けられる。スピーカ26は、制御部22を介して制御されることによってサウンドをプレイヤーに提供する。
【0027】
紙幣/チケット識別ユニット28は、紙幣/チケットが挿入される挿入開口部を露出させた状態でキャビネット12に収容され得る。挿入口の内側には各種センサで紙幣/チケットを識別する識別部が設けられる。識別部の出力口側には紙幣/チケット貯留部が設けられる。紙幣/チケット識別ユニット28は、ゲーム価値である紙幣/チケット(バウチャーおよびクーポンを含む)を受け付けて、ゲーム価値として識別し、制御部22に通知する。
【0028】
プリンタユニット30は、チケットが出力されるチケット出力口を露出させた状態でキャビネット12に収容され得る。チケット出力口の内側には所定情報を印刷用紙に印刷する印刷部が設けられ、印刷部の用紙入口側には印刷用紙を収容する収容部が設けられる。プリンタユニット30は、制御部22の制御下で、情報を用紙に印刷し、クレジット払い出し処理に従ってゲーミングマシン10からチケットを出力する。出力されたチケットは、別のゲーミングマシンの紙幣/チケット識別ユニット28に挿入されることによって、払い出されたクレジットをゲームプレイに利用することも可能であり、または、カジノ内のキオスク端末またはカジノケージで換金され得る。
【0029】
操作部32は、プレイヤーの操作を受け付ける。操作部32は、ゲーミングマシン10のプレイヤーから種々の指示を受け付けるボタンのグループを含む。例えば、操作部32は、スピンボタンおよび設定ボタンのグループを含んでもよい。スピンボタンは、ゲームのインスタンスを開始する(リールの回転を開始する)ための指示を受け付ける。設定ボタンのグループは、ライン設定ボタンのグループ、ベットボタンのグループおよびキャッシュアウトボタンなどを含む。ベットボタンのグループは、プレイヤーからのベットのクレジット額(ベット額)に関する指示操作を受け付ける。キャッシュアウトボタンは、ゲーミングマシン10に蓄積されたクレジットの払い出しを指示する指示操作を受け付ける。
【0030】
図2は、ゲーミングマシンの構成の一例を示すブロック図である。ゲーミングマシン10は、制御部22を含む。制御部22は、制御部22を構成するプロセッサを含むCPU(Central Processing Unit)38、インターフェイスユニット40、メモリ42、およびストレージ44などを備える。制御部22は、制御ボードとしてキャビネット12の内部に収容され得る。制御部22は、インターフェイスユニット40を介して各部と通信可能に構成され、CPU38のメモリ42(記憶部の一例)またはストレージ44(記憶部の一例)に記録されたプログラムを実行することによって各部の動作を制御し、ゲームをプレイヤーに提供する。
【0031】
インターフェイスユニット40は、CPU38に接続されたメモリバス、各種拡張バス、シリアルインターフェイス、USB(Universal Serial Bus)インターフェイス、イーサネット(登録商標)インターフェイスなどのCPU38の通信機能を提供するチップセットを含む。
【0032】
メモリ42は、揮発性の記憶媒体であるRAM(Random Access Memory)、不揮発性の記憶媒体であるROM(ReadOnly Memory)、および書き換え可能な不揮発性の記憶媒体であるEEPROM(ElectricallyErasable Programmable Read-Only Memory)を含む構成とすることができる。ストレージ44は、外部記憶装置としての機能を制御部22に提供し、取り外し可能な記憶媒体であるメモリカードおよび光磁気ディスクなどの読み取り装置を使用することができ、ハードディスクを利用することも可能である。
【0033】
インターフェイスユニット40には、紙幣/チケット識別ユニット28、プリンタユニット30、プレイヤートラッキングユニット20、グラフィックコントローラ(GPU:Graphics Processing Unit)50、入力コントローラ52、サウンドコントローラ53、およびイルミネーションコントローラ54が接続される。グラフィックコントローラ50、入力コントローラ52、サウンドコントローラ53、およびイルミネーションコントローラ54は、制御ボードとしてキャビネット12の内部に収容され得る。
【0034】
制御部22は、グラフィックコントローラ50を介してディスプレイ16に接続される。制御部22は、入力コントローラ52を介して操作部32に接続される。制御部22は、イルミネーションコントローラ54を介してイルミネーション36に接続される。
【0035】
制御部22は、メモリ42およびストレージ44に格納されたプログラムを実行することによって各部を制御し、ゲームをプレイヤーに提供する。ここで、例えば、制御部22の基本機能を提供するオペレーティングシステムおよびサブシステムのプログラムおよびデータをメモリ42のEEPROMに格納し、ゲームを提供するアプリケーションのプログラムおよびデータをストレージ44に格納するように構成されてもよい。そのような構成によれば、ストレージ44を交換することによってゲームを簡単に変更または更新することができる。さらに、制御部22は、複数のCPUを含むマルチプロセッサ構成としてもよい。
【0036】
以下、制御部22に接続された各ブロックについて説明する。紙幣/チケット識別ユニット28は、挿入口で紙幣/チケットを受け付け、紙幣種別またはクレジットの払い出し処理に対応する識別情報を制御部22に通知する。制御部22は通知された内容に応じてゲーム内で使用可能なクレジット額を増加させる。プリンタユニット30は、操作部32に含まれるキャッシュアウトボタンの操作を受け付ける制御部22の制御下で、ゲーミングマシン10からのクレジット払い出し処理に対応した情報を、チケットに印刷されて出力される。
【0037】
プレイヤートラッキングユニット20は、制御部22と協調動作し、プレイヤーの情報などをカジノ管理システムとの間で送受信する。グラフィックコントローラ50は、制御部22の制御下でディスプレイ16を制御し、各種グラフィックスデータを含むディスプレイイメージを表示する。サウンドコントローラ53は、制御部22の制御下でスピーカ26を駆動し、アナウンス、効果音、BGMなどの各種サウンドを提供する。イルミネーションコントローラ54は、制御部22の制御下でイルミネーション36の点灯制御を行う。
【0038】
インターフェイスユニット40は、ゲーミングマシン10の外部と通信するための各種通信インターフェイスを含む。インターフェイスユニット40は、一例として、イーサネット55,58,60、およびシリアルインターフェイス62によって外部ネットワークと通信することができる。図2においては、他のゲーミングマシン10、公知のサーバサイドのゲーミングネットワーク(サーバベースゲーミング)、G2Sネットワーク(ゲーム-システム間)、およびスロット情報システム(スロットデータシステム)とそれぞれ通信を行う場合の一例が示される。制御部22は、I/Oボードを介さずにイーサネット55を介して他のゲーミングマシン10の制御部22と通信することにより、他のゲーミングマシン10とゲームに関する情報を共有することができる。
【0039】
図3は、図1のゲーミングマシンの表示領域の概略図である。図3に示されるように、所定のプログラムを実行している制御部22によって、ディスプレイ16には、スロットゲームを表示するシンボル表示領域64および特別ゲームに関する画面を表示するライン一覧表示領域65を有するゲーム画面が表示される(シンボル表示機能およびライン表示機能の一例)。シンボル表示領域64は、一例としてゲーム画面の下方の領域に表示される。ライン一覧表示領域65は、シンボル表示領域64に並設され、一例としてゲーム画面の上方の領域に表示される。
【0040】
シンボル表示領域64は、シンボルを表示可能なグリッド68を含んでいる。このような表示領域を使用することによって、ゲーミングマシン10は、シンボル表示領域64のグリッド68に表示されるシンボルの組合せに従って入賞判定を行い、配当を支払うスロットマシンとして動作する(特典付与機能の一例)。
【0041】
ディスプレイ16は、複数のシンボルをグリッド68に表示する。グリッド68は、複数の行および列を含む。グリッド68は、シンボルの停止位置である複数のセル70によって構成される。図3は3×5のグリッド状に配置された複数のセルを含むゲーム画面を示す。グリッドの行数や列数は、特に限定されず、3-4-4-4-3等の他の構成であってもよく、ゲーム展開および/またはベット額に応じて増減する構成としてもよい。シンボル表示領域64の複数のセル70のそれぞれには、1つのシンボルが停止して表示される。
【0042】
複数のセル70のそれぞれに配置されるシンボルは、仮想リール66を表示するための仮想リールストリップを用いて決定される。図4の(A)は、仮想リールセットを示す図である。仮想リールセットは、複数の仮想リールストリップを含み、仮想リールストリップは、表示領域に表示されるシンボルの序列を示すシンボル配列を含む。図4の(A)に示されるように、グリッド68の各セル70には、仮想リールセット82をなす仮想リールストリップ72、74、76、78、および80を含む仮想リール66のシンボル配列に基づいてシンボルが表示される。つまり、グリッド68のセル70は、列ごとに仮想リールストリップ72~80が対応付けられており、各仮想リールストリップ72~80の所定部分に配置されたシンボルが表示される。さらに、仮想リールストリップ72~80のシンボル配列に基づいて列ごとに各シンボルを移動(スクロールまたはスピン)することによってグリッド68のセル70に表示されるシンボルが変動し、列ごとに移動(スクロールまたはスピン)を停止することによってシンボルが停止される。ここで、仮想リールストリップ72~80はデータであり、制御部22は、メモリ42またはストレージ44に含まれるプログラム、およびセル列ごとに調整されるシンボル配列(すなわち各リールストリップ上のシンボルの並び順)を表示するデータを使用する。仮想リールセット82は、このような仮想リールストリップ72~80の総称である。
【0043】
図4の(A)に示した仮想リールストリップ72~80は、各シンボル位置86にあるシンボル84で構成されており、これらのシンボルはリールごとに定義された順に並ぶ。仮想リールストリップ72~80をなすシンボルの数はこれに限定されず、所望の数とすることができる。また、仮想リールストリップ72~80をなすシンボルの数は同一であってもよいし、互いに相違しても構わない。
【0044】
図4の(B)は、図4の(A)に示されたシンボル84の詳細である。各仮想リールストリップ72~80は、図4の(B)に示された種々のシンボル84のシンボルセット88から選択されたシンボルを含む。シンボルセット88は、標準シンボルとしてトランプを模したカードシンボル(「9」、「10」、「J」、「Q」、「K」および「A」)、ならびにパターンを示す絵柄シンボル(「PicA」、「PicB」、「PicC」、「PicD」および「PicE」)を含む。シンボルセット88は、入賞組み合わせが判定されたときに別のシンボルとして代用されるワイルドシンボル(「Wild」)、フリーゲームのトリガであるトリガシンボルとして使用されるスキャッタシンボル(「Scat」)、および特別シンボル85(「SP」)を含む。特別シンボル85は、特別ゲームの開始条件、つまりフィーチャー機能の発動条件を満たしたときにクレジット額が付与される。フィーチャー機能の発動条件は、一例として、仮想リールストリップ72および仮想リールストリップ74によって、シンボル表示領域64の第1リールおよび第2リールのそれぞれに、ワイルドシンボルまたは特別シンボル85が表示されたときに満たされる。つまり、クレジット額が付与される特別シンボル85は、仮想リールストリップ76~80に含まれる特別シンボル85だけである。仮想リールセットは、ゲーム内容に応じて複数用意されてもよい。例えば、通常ゲームで使用される仮想リールセットと、フリーゲームまたは特別ゲームで用いられる仮想リールセットとを別にしてもよい。フリーゲーム時の仮想リールセットは通常ゲーム時の仮想リールセットと比較して、絵柄シンボル、ワイルドシンボルまたはスキャッタシンボルを多く含む構成としてもよい。このようにすることで、フリーゲーム時の入賞確率またはトリガ確率を増加させることができ、プレイヤーに価値の高いフリーゲームを提供することができる。また、特別ゲーム時の仮想リールセットは通常ゲーム時の仮想リールセットと比較して、特別シンボル85を多く含む構成としてもよい。このようにすることで特別ゲームにおけるボーナス入賞の確率を増加させることができる。なお、ここで「特別ゲーム/フリーゲームのトリガ」とは「特別ゲーム/フリーゲームを獲得する契機」を意味し、「トリガシンボル」とは「特別ゲーム/フリーゲームを獲得する契機をなすシンボル」を意味する。
【0045】
制御部22は、ゲームを開始し、各仮想リールストリップ72~80の停止位置をランダムに決定する。ディスプレイ16に表示される仮想リールストリップ72~80は、現在の位置から移動(スクロールまたはスピン)し、停止位置に基づいて停止して、ゲームの結果を表す。このため、ディスプレイ16またはグリッド68においては、仮想リールストリップ72~80に含まれるシンボルは、シンボル表示領域64の垂直方向に仮想リールストリップ72~80が連続的に移動(スクロールまたはスピン)することに応じて変動し、仮想リールストリップ72~80に規定されたシンボルの順序に従って1つのセル70に1つのシンボルが停止するように表示される。
【0046】
制御部22は、操作部32によって受け付けられたプレイヤーの操作に従って、前述の方法によりディスプレイ16に表示される複数のシンボルを変動させ、所定の順で停止させ、シンボル表示領域64内で停止させたシンボルに従って配当を支払う構成とすることができる。
【0047】
シンボル表示領域64にはペイラインが設定される。ペイラインは、左端の列のセルから右端の列に跨がるように設定される。ペイラインは、プレイヤーに選択されることにより有効化され、入賞ラインとなる。入賞ラインは、複数のセル70を組み合わせて入賞を判定するラインである。入賞ラインの数は、プレイヤー用の操作部32の設定ボタンのグループに含まれるライン設定ボタンのグループの操作によって選択できる。制御部22は、シンボルの組み合わせであるゲームの結果に関して、入賞ライン上で同一シンボルが所定数を超えて揃った場合に入賞と判定し、シンボルのタイプおよび個数に従って配当をプレイヤーに支払う。
【0048】
図5は、図3のシンボル表示領域64で設定されるペイラインの一例を示す図である。図5に示されるように、ゲーミングマシン10においては、シンボル表示領域64内の3行および5列のセルに、所定数のペイライン(50パターンのライン)が予め設定される。入賞を判定するためのシステムは、入賞ライン上で左端の列のセルから所定数の同一シンボルが揃ったときに入賞を決定してもよいし、入賞ライン上で右端の列のセルから所定数の同一シンボルが揃ったときに入賞を判定してもよいし、左端または右端から揃うことに関わらず、所定の入賞ライン上の連続した列で所定数の同一シンボルが揃ったときに入賞を判定するものであっても構わない。加えて、所定数よりも多いスキャッタシンボルは、入賞ラインに関わらず、入賞組み合わせまたはトリガ条件を形成する。
【0049】
図3に戻り、制御部22は、フィーチャー機能の発動時において図5に示されるペイランの一覧をライン一覧表示領域65に表示させる。制御部22は、図5に示されるペイラインのうち入賞ラインのみを表示してもよいし、図5に示されるペイラインを表示しつつ入賞ラインのみを強調表示しても構わない。ライン一覧表示領域65の表示の詳細については後述する。
【0050】
制御部22は、シンボル表示領域64において複数のシンボルのうちの一部のシンボルを停止させ、残余のシンボルを変動させているときに、停止済みのシンボルによって当選し得る入賞組み合わせの個数をシンボル表示領域64に表示する(チャンス表示機能の一例)。例えば、制御部22は、第1リールから第5リールまでをそれぞれスピンさせ、第1リールおよび第2リールを停止させ、第3リールから第5リールまでがスピン中であるときに、第1リールおよび第2リールのシンボルによって当選し得る入賞ラインの本数を決定する。制御部22は、次にシンボルを停止させるリールに対応するセルごとに入賞ラインの本数を決定する。例えば、制御部22は、第3リールの1~3行目のセルそれぞれに対して当選し得る入賞ラインの本数を、停止済みのシンボル及び入賞組み合わせに基づいて決定する。制御部22は、決定した入賞ラインの本数を、対応するセルに表示する。これにより、当該セルには、リールのスピン中の表示とラインの本数とが重畳表示される。このように、制御部22は、次にシンボルが停止するセルごとの入賞チャンスの確率(程度)をプレイヤーに理解させることができる。
【0051】
制御部22は、シンボル表示領域64において複数のシンボルのうちの一部のシンボルを停止させ、残余のシンボルを変動させているときに、停止済みのシンボルによって当選した入賞組み合わせの個数を当該シンボル上に表示してもよい(入賞表示機能の一例)。例えば、制御部22は、第1リールから第5リールまでをそれぞれスピンさせ、第1リール、第2リールおよび第3リールを停止させ、第4リールおよび第5リールがスピン中であるときに、第1リール、第2リールおよび第3リールのシンボルによって当選した入賞ラインの本数を決定する。当選した入賞ラインの本数は、停止させたシンボルに対応するセルごとに決定される。例えば、制御部22は、第3リールの1~3行目のセルそれぞれに対して当選した入賞ラインの本数を決定する。制御部22は、決定した入賞ラインの本数を対応するセルに表示する。これにより、制御部22は、シンボルが停止したセルごとに入賞ラインの本数をプレイヤーに理解させることができる。
【0052】
制御部22は、フィーチャー機能の発動時において、第3リール~第5リール(仮想リールストリップ76~80に対応するリール)に含まれる特別シンボル85にクレジット値を付与する。制御部22は、特別シンボル85に付与するクレジット値をランダムに決定してもよいし、付与可能なクレジット値をリールごとに予め定めてもよい。例えば、第3リールの特別シンボル85は、50、75、100クレジットからランダムに選択された値が付与され、第4リールの特別シンボル85は、100、200、300、1000クレジットからランダムに選択された値が付与され、第5リールの特別シンボル85は、300、1000、2500、5000クレジットからランダムに選択された値が付与されてもよい。
【0053】
図6および図7は、図2のメモリに格納されるプログラムおよびデータを示すディレクトリ構成図およびブロック図である。図8は、図7のゲームアプリケーションプログラムのブロック図である。図9は、図7のシステムアプリケーションプログラムのブロック図である。図6図9に示された実施形態においては、メモリ42がコンピュータ実行可能命令を含むゲームアプリケーションプログラム92を格納し、これらのコンピュータ実行可能命令をCPU38で実行することによりゲームの処理が行われ、ゲーミングマシン10のディスプレイ16にゲーム画面が表示される。また、一実施形態においては、ゲームアプリケーションプログラム92は、図10、11、13および14に示されたアルゴリズムを使用してゲームを実装するためのコンピュータ実行可能命令を含むプログラムコード94およびプログラムオブジェクトデータ96を含む。
【0054】
例示的な実施形態においては、メモリ42はコンピュータ実行可能命令を含むゲームアプリケーションプログラム92およびシステムアプリケーションプログラム98を格納し、これらのコンピュータ実行可能命令をCPU38で実行することによりゲームの処理が行われ、ゲーミングマシン10のディスプレイ16にゲーム画面が表示される。ゲームアプリケーションプログラム92はCPUで実行することによりゲーム固有のフロントエンド機能を提供し、システムアプリケーションプログラム98は汎用的なバックエンド機能を提供する。図示した実施例においては、ゲームアプリケーションプログラム92およびシステムアプリケーションプログラム98は、同一のオペレーティングシステム上に実装されている。ただし、これらのプログラムは互いに相違するオペレーティングシステム上に実装してもよいし、互いに相違するプロセッサ上に実装しても構わない。
【0055】
一実施形態においては、ゲームアプリケーションプログラム92は、ベット/ペイラインボタンリスナーモジュール100と、スタートボタンリスナーモジュール102と、クレジット残高マネージャモジュール104と、サンプリングマネージャ106と、ランダムナンバージェネレータ(RNG)108と、比較マネージャ110と、ゲーム結果ジェネレータ112と、入賞評価モジュール114と、ゲームプレゼンテータ116と、ゲームグラフィックスプレゼンテータ118と、ゲームサウンドプレゼンテータ120と、入賞インジケータ122と、特典プロバイダ124と、アプリケーションマネージャ126と、外部コミュニケータ128とを含む複数のソフトウェアモジュールを含む。ゲームアプリケーションプログラム92は、配当表130(ペイテーブル)、リールストリップデータ132、および停止位置テーブル134を含むことができる。
【0056】
ベット/ペイラインボタンリスナーモジュール100は、操作部32のベットボタン34またはライン設定ボタン33から信号を受け付けるためのソフトウェアモジュールであり、この信号は、プレイヤーがボタンを操作してベット額または有効化するペイライン数を選択するときにボタンによって生成される。信号の受信に応じて、ベット/ペイラインボタンリスナーモジュール100は、ゲームのベットまたは有効化するペイラインの構成を変更するために、信号の発生をアプリケーションマネージャ126に伝達する。
【0057】
スタートボタンリスナーモジュール102は、信号をスタートボタンから受け付けるためのソフトウェアモジュールであり、この信号は、プレイヤーがこのボタンを操作してゲームを開始するときに生成される。信号の受信に応じて、スタートボタンリスナーモジュール102は、ゲームを開始するために、信号の発生をアプリケーションマネージャ126に伝達する。
【0058】
スタートボタンリスナーモジュール102からの信号の受信に応じて、アプリケーションマネージャ126はサンプリングマネージャ106に対して、必要な数の乱数をランダムナンバージェネレータ108から取得することを要求する。
【0059】
ランダムナンバージェネレータ108は、所定の乱数生成計算アルゴリズムに基づいて乱数を生成するソフトウェアモジュールである。ランダムナンバージェネレータ108は、疑似乱数を生成する態様としてもよい。ランダムナンバージェネレータ108は、サンプリングマネージャ106からの要求に応じて乱数を返す。ランダムナンバージェネレータ108は、その一部または全部を集積回路またはワイヤードロジックとして実装してもよい。
【0060】
比較マネージャ110は、ゲームの現在の状態および/または各乱数をリールストリップデータ132および停止位置テーブル134と比較し、各乱数に基づいて対応するリールストリップの停止位置を指定する。
【0061】
リールストリップデータ132は、通常ゲーム、フリーゲームおよび特別ゲームのための仮想リールストリップを有する。上述した比較マネージャ110は、アプリケーションマネージャ126に問い合わせてゲームの現在の状態を識別し、仮想リールストリップを選択する。
【0062】
停止位置テーブル134は、仮想リールストリップの各停止位置に関連付けられた乱数の範囲を含む。比較マネージャ110は、対応する乱数および停止位置テーブル134に基づいて各リールの停止位置を決定する。
【0063】
ゲーム結果ジェネレータ112は、選択されたリールレイアウト、各リールの停止位置、内部シンボルの停止位置、および付加する属性に基づいてゲーム結果を生成する。一実施形態においては、ゲーム結果ジェネレータ112は、所定の条件が満たされたときに、ゲーム結果に対して変更を適用してもよい。
【0064】
入賞評価モジュール114は、配当表130を参照してゲーム結果を評価する。具体的には、シンボル表示領域64において入賞ラインとして設定されたペイライン上に、配当表130で入賞組み合わせとして定義されているシンボルが停止しているかに基づいて入賞評価を行う。また、特別ゲームにおいては、特定入賞領域69に停止したシンボルに応じて入賞評価を行う。
【0065】
ゲームプレゼンテータ116は、所定のゲーム結果を最終的に形成するために、ゲームグラフィックスプレゼンテータ118およびゲームサウンドプレゼンテータ120を利用して、映像およびサウンドからなるゲームプレゼンテーションプロセスを提供する。
【0066】
より具体的には、ゲームグラフィックスプレゼンテータ118は、シンボル表示領域64にシンボルを表示し、ライン一覧表示領域65にライン一覧を表示する表示制御機能を実現するソフトウェアモジュールである。ゲームグラフィックスプレゼンテータ118は、所定のゲーム結果を最終的に形成するために、ディスプレイ上の視覚的なゲームプレゼンテーションプロセスを提供する。ゲームグラフィックスプレゼンテータ118は、シンボル表示領域64の入賞ライン上に表示される複数のシンボルを、入賞ラインの先頭から順に表示してもよい。例えば、ゲームグラフィックスプレゼンテータ118は、仮想リールの回転後において、第1リールから第5リールまで順に停止させる。これにより、シンボルは入賞ライン上に左(先頭)から順に表示されることになる。
【0067】
ゲームサウンドプレゼンテータ120は、サウンドコントローラ53およびスピーカ26を使用することによってサウンドプレゼンテーションプロセスを提供する。入賞インジケータ122は、ゲーム結果において形成された入賞シンボルの入賞組み合わせおよび支払い条件を示す。特典プロバイダ124は、入賞評価に基づいて特典クレジットを入賞メータに提供する。
【0068】
アプリケーションマネージャ126は、各ソフトウェアモジュールの動作および状態を管理する。加えて、アプリケーションマネージャ126は、ゲームアプリケーションプログラム92の構成、進行、および状態を管理する。外部コミュニケータ128は、システムアプリケーションプログラム98との間で命令およびデータをやりとりする。
【0069】
クレジット残高マネージャモジュール104は、ベット額に応じてクレジット残高をデクリメントするとともに、入賞メータに表示された入賞総数に基づいてクレジット残高のインクリメントを行うためのプロセスを実行する。配当表130は、各入賞組み合わせに関連付けられた配当額または特典額を含む。
【0070】
例示的な実施形態においては、システムアプリケーションプログラム98は、バックグラウンド処理およびゲーム固有の機能以外の機能を提供する。システムアプリケーションプログラム98は、システムマネージャ142と、セキュリティマネージャ144と、スロット管理モジュール146と、デノミネーションマネージャ148と、データロガー150と、通信マネージャ152と、紙幣アクセプタマネージャ154と、メータ管理モジュール156と、キャッシュアウトマネージャ158とを含む複数のソフトウェアモジュールを含む。
【0071】
システムアプリケーションプログラム98は、ゲームリコールファイル160、会計ログ162、およびメータ164を含んでもよい。システムマネージャ142は、システムアプリケーションプログラム98によって実行されるバックグラウンド処理およびゲーム固有の機能以外の機能を全て管理するためのソフトウェアモジュールである。
【0072】
セキュリティマネージャ144は、ゲームの検証の管理、ドアのセキュリティ、およびセキュリティセンサの監視のためのソフトウェアモジュールである。スロット管理モジュール146は、データの蓄積を管理し、外部スロット情報システムと通信するためのソフトウェアモジュールである。
【0073】
デノミネーションマネージャ148は、ゲーミングマシン10のデノミネーション設定を設定するためのソフトウェアモジュールである。デノミネーション設定は、1セント、2セント、5セント、25セント、1ドル、5ドルなどを含むことができる。データロガー150は、各ゲームの結果をゲームリコールに記録するためのソフトウェアモジュールである。加えて、データロガー150は、エラーイベント、紙幣ログ、キャッシュアウトログ、チケットログなどを会計ログに格納する。
【0074】
ゲームリコールファイル160は、各ゲームの結果を含む蓄積データである。ゲームリコールファイル160は、不揮発性メモリに格納される。会計ログ162は、エラーイベント、紙幣ログ、キャッシュアウトログ、チケットログなどを含んでいる蓄積データである。会計ログ162は、不揮発性メモリに格納される。
【0075】
通信マネージャ152は、ゲームアプリケーションプログラム92とシステムアプリケーションプログラム98との間の通信を管理するソフトウェアモジュールである。通信マネージャ152は、システムアプリケーションプログラム98と、他のゲーミングマシン10、外部ネットワーク(スロット管理システムネットワーク、G2Sネットワーク、サーバベースゲーミングネットワーク用のゲーミングサーバ、またはVLTシステムネットワークなど)との間のネットワーク通信をも管理する。
【0076】
紙幣アクセプタマネージャ154は、紙幣アクセプタを管理するためのソフトウェアモジュールであり、紙幣アクセプタに挿入された紙幣の情報を受け付ける。紙幣アクセプタからの情報の受信に応答して、紙幣アクセプタマネージャ154は、挿入された紙幣に基づいてクレジット残高をインクリメントするために、メータ管理モジュールと通信する。
【0077】
メータ管理モジュール156は、通信マネージャ152、紙幣アクセプタマネージャ154、またはキャッシュアウトマネージャ158を介したゲームアプリケーションプログラム92との通信に応答してメータ164の値を調整するためのソフトウェアモジュールである。メータ164は、ゲーミングマシンの現在のクレジット残高を示すためのクレジットメータ、および現在のゲームセッションの入賞総数を示すための入賞メータを含む。メータは、コインイン、コインアウト、トータルドロップ、接客係が支払うジャックポット、および/または紙幣の投入などの、バックグラウンドメータをさらに含む。これらのメータは、不揮発性メモリ上のデータとしてまたはハードウェアメータとして実装されてもよい。
【0078】
キャッシュアウトマネージャ158は、キャッシュアウト手順を管理するためのソフトウェアモジュールである。キャッシュアウトボタンでのプレイヤーの操作に応答して、キャッシュアウトマネージャ158が作動され、ゲーミングマシンが、クレジットメータの総数を現金またはバウチャーの形で支払う。
【0079】
図10および図11は、ゲーミングマシンの動作を説明するフローチャートである。ゲーミングマシンの動作のアルゴリズムは、ゲームアプリケーションプログラム92に実装されており、CPU38がゲームアプリケーションプログラム92を実行することにより具現化される。ゲーミングマシンの動作は複数のステップを含む。各ステップは、独立して実行されてもよく、他のステップと組み合わせて実行されてもよい。
【0080】
ステップS10において、制御部22は、プレイヤーによるゲーム開始操作を受け付ける。制御部22は、プレイヤーからスピンボタンの操作を受け付けると、設定された総ベット額をクレジットから減額するとともに、ステップS12として、ゲームの提供に必要とされる所定の数の乱数を取得する。乱数は、制御部22のランダムナンバージェネレータ108で内部的に生成される。制御部22は、制御部22とは別に設けられたランダムナンバージェネレータから乱数を取得するようにしてもよく、ゲーミングマシン10外に設けられたサーバ等の装置から乱数を取得する構成としてもよい。
【0081】
制御部22は、ステップS14としてリールスピンを開始する。図12の(A)は、シンボルを変動させた表示状態を示す概要図である。図12の(A)に示されるように、シンボル表示領域64においてシンボルが変動される。制御部22は、ステップS16として第1リール(仮想リールストリップ72に対応するリール)を停止させ、ステップS18として第2リール(仮想リールストリップ74に対応するリール)を停止させる。続いて、制御部22は、ステップS20として、フィーチャーをトリガしたか否かを判定する。制御部22は、第1リールおよび第2リールそれぞれがシンボル表示領域64にワイルドシンボルまたは特別シンボル85を表示している場合に、フィーチャーをトリガしたと判定する。例えば、第1リールがワイルドシンボルを表示し、第2リールが特別シンボル85を表示した場合、制御部22はフィーチャーをトリガしたと判定する。
【0082】
フィーチャーをトリガしたと判定した場合(ステップS20:YES)、制御部22は、第3リール~第5リール(仮想リールストリップ76~80に対応するリール)に含まれる特別シンボル85にクレジット値を付与する。そして、制御部22は、ステップS22として、第3リールのシンボル停止位置に当選可能なライン数を表示する。制御部22は、第1リールおよび第2リールに停止させたシンボルと、入賞組み合わせと、設定されているペイラインとに基づいて当選可能なライン数をセルごとに決定する。制御部22は、決定した当選し得るライン数をセルごとに表示する。図12の(B)に示されるように、第3リールのスピン中において、1行目のセルに「2LINES CHANCE」が重畳表示される。つまり、1行目のセルにおいて、当選し得るライン数は2本であることが示される。同様に、2行目のセルに「5LINES CHANCE」が重畳表示され、3行目のセルに「2LINES CHANCE」が重畳表示される。つまり、2行目のセルにおいて当選し得るライン数は5本であり、3行目のセルにおいて、当選し得るライン数は2本であることが示される。
【0083】
続いて、制御部22は、ステップS24として、第3リールを停止させる。このとき、制御部22は、第3リールにおいて当選し得る入賞ラインの本数の表示を終了させてもよい。制御部22は、ステップS26として、第3リールに特別シンボル85が停止して入賞が発生したか否かを判定する。制御部22は、第1リール、第2リールおよび第3リールに停止させたシンボルと、入賞組み合わせと、設定されているペイラインとに基づいて当選を決定する。例えば、制御部22は、特別シンボル85またはワイルドシンボルが第1リール、第2リールおよび第3リールに入賞ライン上に並んだ場合、第3リールに特別シンボル85が停止して入賞が発生したと判定する。
【0084】
第3リールに特別シンボル85が停止して入賞が発生したと判定した場合(ステップS26:YES)、制御部22は、ステップS28として、第1リール、第2リールおよび第3リールに停止させたシンボルと、入賞組み合わせと、設定されているペイラインとに基づいて当選したライン数をセルごとに決定する。制御部22は、決定した当選し得るライン数をセルごとに表示する。例えば、2行目のセルに特別シンボル85が停止し、当選したライン数は5本であるとする。この場合、図12の(C)に示されるように、2行目のセルに停止した特別シンボル85上に「5LINES HIT」と重畳表示される。つまり、2行目のセルにおいて、当選したライン数は5本であることが示される。
【0085】
ステップS28と並行して、制御部22は、ステップS30として、第4リールのシンボル停止位置に当選可能なライン数を表示する。この処理は、ステップS22と同様に行われる。図12の(C)に示されるように、第4リールのスピン中において、1行目のセルに「1LINES CHANCE」が重畳表示される。つまり、1行目のセルにおいて、当選し得るライン数は1本であることが示される。同様に、2行目のセルに「3LINES CHANCE」が重畳表示され、3行目のセルに「1LINES CHANCE」が重畳表示される。つまり、2行目のセルにおいて当選し得るライン数は3本であり、3行目のセルにおいて、当選し得るライン数は1本であることが示される。
【0086】
続いて、制御部22は、ステップS32として、第4リールを停止させる。このとき、制御部22は、第4リールにおいて当選し得る入賞ラインの本数の表示を終了させてもよい。制御部22は、ステップS34として、第4リールに特別シンボル85が停止して入賞が発生したか否かを判定する。制御部22は、第1リール、第2リール、第3リールおよび第4リールに停止させたシンボルと、入賞組み合わせと、設定されているペイラインとに基づいて当選を決定する。例えば、制御部22は、特別シンボル85またはワイルドシンボルが第1リール、第2リール、第3リールおよび第4リールに入賞ライン上に並んだ場合、第4リールに特別シンボル85が停止して入賞が発生したと判定する。
【0087】
第4リールに特別シンボル85が停止して入賞が発生したと判定した場合(ステップS34:YES)、制御部22は、ステップS36として、第1リール、第2リール、第3リールおよび第4リールに停止させたシンボルと、入賞組み合わせと、設定されているペイラインとに基づいて当選したライン数をセルごとに決定する。制御部22は、決定した当選し得るライン数をセルごとに表示する。例えば、1行目のセルに特別シンボル85が停止し、当選したライン数は1本であり、2行目のセルに特別シンボル85が停止し、当選したライン数は3本であるとする。この場合、図12の(D)に示されるように、1行目のセルに停止した特別シンボル85上に「1LINES HIT」と重畳表示され、2行目のセルに停止した特別シンボル85上に「3LINES HIT」と重畳表示される。つまり、1行目のセルにおいて、当選したライン数は1本であり、2行目のセルにおいて、当選したライン数は3本であることが示される。
【0088】
ステップS36と並行して、制御部22は、ステップS38として、第5リールのシンボル停止位置に当選可能なライン数を表示する。この処理は、ステップS22と同様に行われる。図12の(D)に示されるように、第5リールのスピン中において、1行目のセルに「1LINES CHANCE」が重畳表示される。つまり、1行目のセルにおいて、当選し得るライン数は1本であることが示される。同様に、2行目のセルに「2LINES CHANCE」が重畳表示され、3行目のセルに「1LINES CHANCE」が重畳表示される。つまり、2行目のセルにおいて当選し得るライン数は2本であり、3行目のセルにおいて、当選し得るライン数は1本であることが示される。
【0089】
続いて、制御部22は、ステップS40として、第5リールを停止させる。このとき、制御部22は、第5リールにおいて当選し得る入賞ラインの本数の表示を終了させてもよい。制御部22は、ステップS42として、第5リールに特別シンボル85が停止して入賞が発生したか否かを判定する。制御部22は、第1リール~第5リールに停止させたシンボルと、入賞組み合わせと、設定されているペイラインとに基づいて当選を決定する。例えば、制御部22は、特別シンボル85またはワイルドシンボルが第1リール~第5リールに入賞ライン上に並んだ場合、第5リールに特別シンボル85が停止して入賞が発生したと判定する。
【0090】
第5リールに特別シンボル85が停止して入賞が発生したと判定した場合(ステップS42:YES)、制御部22は、ステップS44として、第1リール~第5リールに停止させたシンボルと、入賞組み合わせと、設定されているペイラインとに基づいて当選したライン数をセルごとに決定する。制御部22は、決定した当選し得るライン数をセルごとに表示する。例えば、1行目のセルに特別シンボル85が停止し、当選したライン数は1本であり、2行目のセルに特別シンボル85が停止し、当選したライン数は2本であり、3行目のセルに特別シンボル85が停止し、当選したライン数は1本であるとする。この場合、図12の(E)に示されるように、1行目のセルに停止した特別シンボル85上に「1LINES HIT」と重畳表示され、2行目のセルに停止した特別シンボル85上に「2LINES HIT」と重畳表示され、3行目のセルに停止した特別シンボル85上に「1LINES HIT」と重畳表示される。つまり、1行目のセルにおいて、当選したライン数は1本であり、2行目のセルにおいて、当選したライン数は2本であり、3行目のセルにおいて、当選したライン数は1本であることが示される。以上で、シンボル表示領域64にシンボル組み合わせがゲーム結果として表示される。
【0091】
続いて、制御部22は、ステップS46として、入賞組み合わせを形成した特別シンボル85に付与されたクレジット額を入賞ラインごとに合計し、合計額を特典として支払う。例えば、制御部22は、保持しているクレジットに合計額を加算する。
【0092】
続いて、制御部22は、ステップS48として、通常シンボルについて入賞組み合わせに基づいて入賞判定し、ペイテーブルを参照して入賞額を特典として支払う。例えば、制御部22は、保持しているクレジットに入賞額を加算する。ステップS18が終了すると、制御部22は、図10、11のフローチャートを終了する。図10、11のフローチャートが終了すると、制御部22は、図10、11のフローチャートを最初から実行する。
【0093】
ステップS20においてフィーチャーをトリガしたと判定しない場合(ステップS20:NO)、ステップS22はスキップされる。ステップS26において第3リールに特別シンボル85が停止して入賞が発生していないと判定した場合(ステップS26:NO)、ステップS28およびステップS30はスキップされる。ステップS34において第4リールに特別シンボル85が停止して入賞が発生していないと判定した場合(ステップS34:NO)、ステップS36およびステップS38はスキップされる。ステップS42において第5リールに特別シンボル85が停止して入賞が発生していないと判定した場合(ステップS42:NO)、ステップS44はスキップされる。
【0094】
次に、入賞ラインの一覧を表示する場合を例示する。図13および図14は、ゲーミングマシンの動作を説明するフローチャートである。ゲーミングマシンの動作のアルゴリズムは、ゲームアプリケーションプログラム92に実装されており、CPU38がゲームアプリケーションプログラム92を実行することにより具現化される。ゲーミングマシンの動作は複数のステップを含む。各ステップは、独立して実行されてもよく、他のステップと組み合わせて実行されてもよい。なお、図13および図14は、図10および図11の処理にステップを追加したものであり、図10および図11の処理で説明したステップは説明を省略する。
【0095】
図13および図14に示されるように、第3リールに特別シンボル85が停止して入賞が発生したと判定した場合(ステップS26:YES)、制御部22は、ステップS27として、一覧マトリックスで入賞ラインをハイライト表示(強調表示)する。例えば、制御部22は、図15に示すように、ライン一覧表示領域65に入賞ラインの一覧を表示する。ここではライン1からライン40までの入賞ラインの形状が示されている。制御部22は、図16に示されるように、ライン1、ライン40、ライン41、ライン44、ライン45が強調されるように表示する。これにより、ステップS28で表示する「5LINES HIT」がどのラインなのか一目で理解できるようになる。同様に、ステップS35では第4リールの停止とともに一覧マトリックスで入賞ラインをハイライト表示し、ステップS43では第5リールの停止とともに一覧マトリックスで入賞ラインをハイライト表示する。その他のステップは、図10および図11の処理で説明したステップと同一である。
【0096】
なお、制御部22は、ステップS46の処理を可視化してもよい。例えば、制御部22は、一覧マトリックス上に入賞ラインごとの合計値を表示してもよい。図17に示されるように、例えば、ライン1は800クレジット、ライン40は100クレジット、ライン41は800クレジット、ライン42は800クレジットと表示してもよい。制御部22は、入賞ラインごとの入賞額の合計値をライン一覧表示領域65に表示してもよい。図17に示されるように、3000クレジットが表示され得る。制御部22は、複数のシンボルのうちの一部のシンボルを停止させ残余のシンボルを変動させているときに、当選した入賞ラインを強調表示し、入賞ラインごとの合計値の表示をしてもよい。
【0097】
以上、本実施形態に係るゲーミングマシン10においては、複数のシンボルのうちの一部のシンボルを停止させ残余のシンボルを変動させているときに、停止済みのシンボルによって当選し得る入賞組み合わせの個数がシンボル表示領域64に表示される。このため、ゲーミングマシン10は、停止済みのシンボルによって当選し得る入賞組み合わせの個数をゲームの進行中にプレイヤーに把握させることができる。これにより、ゲーミングマシン10は、最終的に表示されるゲーム結果に含まれ得る入賞組み合わせの最大個数を、ゲーム結果を全て表示する前のゲーム進行中にプレイヤーに理解させ、プレイヤーに対して次に停止するリールに関心を向けさせることができる。よって、このゲーミングマシン10は、プレイヤーがゲームの進行を理解しやすい態様でシンボルを用いたゲームを提供することができる。
【0098】
また、本実施形態に係るゲーミングマシン10においては、停止済みのシンボルによって当選し得る入賞ラインの本数を、次にシンボルを停止させるセルに表示させるため、注目すべきセルをプレイヤーに容易に理解させることができる。
【0099】
さらにまた、本実施形態に係るゲーミングマシン10においては、複数のシンボルのうちの一部のシンボルを停止させ残余のシンボルを変動させているときに、停止済みのシンボルによって当選した入賞組み合わせの個数がシンボル表示領域に表示される。このため、ゲーミングマシン10は、最終的に表示されるゲーム結果に含まれ得る入賞組み合わせの最小個数を、ゲーム結果を全て表示する前にプレイヤーに理解させ、プレイヤーに対して次に停止するリールに関心を向けさせることができる。
【0100】
さらにまた、本実施形態に係るゲーミングマシン10においては、停止済みのシンボルによって当選した入賞ラインの本数を当該シンボル上に表示させるため、注目すべきセルをプレイヤーに容易に理解させることができる。
【0101】
さらにまた、本実施形態に係るゲーミングマシン10においては、入賞ラインの一覧がディスプレイ16に表示され、当選した入賞ラインが強調表示されるので、当選した入賞ラインをプレイヤーに提示することができる。
【0102】
さらにまた、本実施形態に係るゲーミングマシン10においては、複数のシンボルのうちの一部のシンボルを停止させ残余のシンボルを変動させているときに、当選した入賞ラインを強調表示することにより、当選した入賞ラインを、ゲーム結果を全て表示する前にプレイヤーに提示することができる。
【0103】
さらにまた、本実施形態に係るゲーミングマシン10においては、強調表示された入賞ラインに当該入賞ラインの当選額が表示されるので、入賞ラインごとの当選額をプレイヤーに提示することができる。
【0104】
ゲーミングマシンは、クライアントコンピューティングデバイスであってもよく、この場合、ゲームは、ネットワークサーバコンピュータシステムから、通信ネットワークを経由して、1つまたは複数のクライアントコンピューティングデバイスに配信される。クライアントコンピューティングデバイスのプロセッサは、ゲーミングマシン10の制御部22として機能するようにプログラムすることができる。
【0105】
ゲーミングマシンをクライアントコンピューティングデバイスとする場合には、1)ゲーム実行に伴う大部分の処理をクライアント側で行いサーバに結果を送信するリッチクライアント方式としてもよいし、2)最低限の処理のみをクライアント側で行い、サーバ側で主要な処理を行うシンクライアント方式とすることもでき、3)データの記憶や処理の大部分をサーバ側で行い、クライアントは入出力に特化するゼロクライアント方式とすることも可能である。この場合には、実施例に示したソフトウェア構成をクライアントとサーバとに分散して実装することになる。
【0106】
上述した実施形態では、グリッド68のセルの列ごとに仮想リールストリップ72~80が対応付けられている場合を示したが、セルのそれぞれに独立したリールを対応付けることも可能である。
【0107】
上述したゲーミングマシン10の制御部22の機能は、コンピュータによりプログラムが実行されることでも実現され得る。すなわち、1又は複数のコンピュータを、上述した制御部22と同様に機能させるプログラムが作成可能である。プログラムは、例えば、ROM又は半導体メモリ等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録されて、提供され得る。そのようなプログラムは複数のモジュールに分割されていてもよい。
【0108】
また、各実施形態における動作についても種々変形が可能であり、例えば予め必要な数の乱数を取得してリール停止位置を決定し、特別ゲーム当選および入賞有無の判定を済ませてから、それらの内容をディスプレイ上に順次表示する態様であっても構わない。さらに、例えば、制御部22は、ゲーム開始時に、必要な数の乱数を一括で取得し、それぞれの乱数を電源異常時にも消去されないメモリ42またはストレージ44の記憶領域に記憶してもよい。このようにした場合、ゲーム中に電源異常などが発生しても、制御部22は、電源復旧後にゲームを再開する際に、電源異常発生前のゲーム開始時に取得された乱数をメモリ42またはストレージ44から取得することで、ゲームの進行を再現することができる。例えば、高い配当が得られるゲーム結果が形成される直前に電源異常が発生した場合において、電源復旧後に同様のゲームの進行がなされなければ問題となり得る。しかし、上述のようにゲーム開始時に全ての乱数を一括で取得し、これらの乱数をメモリ42またはストレージ44に退避させておくことで、電源復旧後に電源異常発生前と同様のゲームの進行を再現することができるため、このような問題を回避することができる。
【0109】
また、上記実施形態では、遊技価値として紙幣またはチケットを示し、これらを紙幣/チケット識別装置で受け付けて、プリンタユニットでチケットを出力する態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。遊技価値は、硬貨、紙幣、コイン、メダル、チケットなどの有体物、又はこれらと同等の価値を有する電子データを含む概念である。例えば、コインアクセプターでコインを受け付けて、コインホッパーからコインを支払う態様であっても構わない。プレイヤーを識別してサーバ上のアカウントに蓄積されたクレジットを使用し、アカウントへクレジットを払い出す態様であってもよく、磁気カード、ICカード等の記憶媒体に記録されたクレジットの情報を読み取って使用し、記憶媒体へ書き込むことでクレジットを払い出す態様であってもよい。さらに、スマートフォンやウエアラブルデバイスとの間で電子的にクレジットを移動させる態様としてもよい。
【符号の説明】
【0110】
10…ゲーミングマシン、22…制御部、42…メモリ(記憶部の一例)、44…ストレージ(記憶部の一例)、64…シンボル表示領域、65…ライン一覧表示領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17