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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022064751
(43)【公開日】2022-04-26
(54)【発明の名称】水路構築工法
(51)【国際特許分類】
   E02B 5/02 20060101AFI20220419BHJP
【FI】
E02B5/02 N
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020173562
(22)【出願日】2020-10-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】312001177
【氏名又は名称】株式会社エコン
(74)【代理人】
【識別番号】100081824
【弁理士】
【氏名又は名称】戸島 省四郎
(72)【発明者】
【氏名】福村 雄次
(57)【要約】
【課題】 地盤を開削して洩水が少ない継目のない水路堤体・水路を低コスト・短い工期で構築でき、しかも生コンの使用量を減じて水路堤体の不等沈下が少ない水路堤体を構築する。
【解決手段】 地盤GRを開削した水路設置溝SMの左右溝壁に水路堤体,型枠面となる側面型枠KSを多数個列設し、同側面型枠の中間位置に中子型枠KNを溝方向に長く列設し、その溝方向に工事順の工区を設定し、前記側面型枠KSと中子型枠KNの間の空間に土壌に硬化剤又は固化剤を混入した改良土壌を所定高さまで投入してその上面を締め固めて水路堤体を形成し、その後中子型枠KNを脱型し、その後側面型枠を脱型した空間に生コンを注入してコンクリート固化物を形成し、前記工区は前継目工区と中間工区と後継目工区とからなり、且つ前後する工区の前継目工区と後継目工区とが重なるようにし、各工区に改良土壌を投入して締め固める。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記のイ,ロ,ハ,ニ,ホ,ヘ,ト,チ,リ,ヌの工程を前記順序で施工して地表の地盤に、土壌と硬化剤又は固化剤を混入した改良土壌でもって長い継目のない連続的水路堤体を成形固化することで水路を構築する、水路構築工法。
イ:前記水路を構築する前記地盤に、構築する予定の前記水路の水路堤体巾より巾広く且つ前記水路の水深より深い寸法の水路設置溝を予定の水路方向に長く開削する溝開削の工程、
ロ:前記イの溝開削の工程で長く開削された前記水路設置溝に対して、前記予定の水路の上流と下流の水路接続部を除いて溝方向に沿って、長さLの前継目工区と,中間の工区となる長さLの中間工区と,前記した同じ長さLの後継目工区とからなり且つ工区合計長さが2L+Lの合計Lの長さを有する複数の工事順1,2,3,・・・,iの区間K,K,K,K,・・,Ki,・,・,でもって、しかも前の区間の後継目工区と次の後の区間の前継目工区とが重なるように設定する区間設定の工程、
ハ:前記ロの区間設定の工程で設定された各区間K,K,・・,Kiの工事順iの区間Kiの工区長さLの工区又はこれに区間Kiの後の1つ又は複数の工事順の区間の一部を加えた工区において、前記水路設置溝の左右それぞれの溝壁面に沿うように前記予定の水路堤体の堤体の外側左右側面を規定する所要長さの左右の側面型枠を溝壁面に沿って複数個脱着可能に且つ地盤に固定できるように連設して側面型枠列を形成する側面型枠設置の工程、
ニ:前記区間Kiの工区又はこれにその後の1つ又は複数の区間の一部を加えた工区において、前記ハの側面型枠設置の工程の後、前記水路設置溝内に成形固化される予定の水路堤体の水路となる凹部を形成する一段又は複数段の段積みして所定の高さとして且つ所定巾dの中子型枠を前記の左右に設置された側面型枠列の中間位置に複数個溝方向に沿って列設させて中子型枠列を形成する中子型枠設置の工程、
ホ:前記水路設置溝の溝に沿っての前記所定長さLの区間Kiの工区又はこれにその後の1つ又は複数の工事順の区間の一部を加えた工区において、前記ハの側面型枠設置の工程で前記水路設置溝の左右の溝壁面それぞれに複数設置させて形成された前記側面型枠列と、前記ニの中子型枠設置の工程で左右の前記側面型枠列の中間位置に溝方向に列設された所定高さの複数の前記中子型枠列との2つの型枠列を設置した区間Kiの前継目工区となる長さLの工区にはこれと重なる前の区間Ki-1の後継目工区における改良土壌の一部投入に加え、前記改良土壌を予定の堤体の高さまで充分に充填するように投入し、その充填した土壌の上面を締め固めして又は締め固めせずに区間Kiの長さLの中間工区において前記側面型枠列と前記中子型枠列との間の空間を予定の堤体高さまで充分に充填するように前記改良土壌を投入し、中間工区で充填するように投入された改良土壌をその上面から締め固めて、又はこれと前記前継目工区の投入した改良土壌の上面を併せて締め固め、区間Kiの前記前継目工区の長さLと中間工区の長さLの水路堤体を構築し、更に区間Kiの後継目工区には前記改良土壌を前記堤体高さより低い高さで溝方向にその高さが漸減するように投入し、長さLの後継目工区は未完堤体の高さのままにする区間Kiの水路堤体構築の工程、
ヘ:前記ホの区間Kiの水路堤体構築の工程の後、次の区間Ki+1で前記側面型枠列と前記中子型枠列が設置されていなければ、前記ハ,ニの工程を繰り返して区間Ki+1で側面型枠列と中子型枠列とを設置し、その後前記ホの工程と同様に次の区間Ki+1の前継目工区の長さLと中間工区長さLのL+Lでの改良土壌の充填投入と締め固めて水路堤体を構築し、残りの後継目工区には投入する改良土壌の高さを溝方向に漸減するように低い投入とするだけの未完の堤体とする前記ホの水路堤体構築の工程を行い、以下工事順番i+1に1増やした区間Ki+2で同様に改良土壌の投入と締め固めと未完の改良土壌の投入を繰り返すことで前記水路堤体を長く延長する水路堤体延長の工程、
ト:前記ハ,ニ,ホ,ヘの工程により長く構築された前記水路堤体の改良土壌が固化すれば、この水路堤体から前記中子型枠を脱型して形成された凹部が前記水路堤体の水の流れる水路とする凹部形成の工程、
チ:前記トの凹部形成の工程で前記水路堤体に形成された凹部の底部に前記改良土壌を所定厚み投入して底打ちして水路底面を形成し、残りの凹部空間を水路とする水路構築の工程、
リ:前記チの水路構築の工程の後又は途中で前記水路堤体が成形固化すれば、前記側面型枠を前記地盤との固定を解いて前記水路設置溝から引き抜いて側面型枠跡の空間が発生すると、その発生した空間に地表からグラウト又はセメント系固化剤を注入してその空間を固化物で充填して、前記水路堤体を地盤中に強固に構築する堤体強化構築の工程、
ヌ:構築された前記水路堤体の水路を上流・下流の前記水路接続部において他の水系の水路と接続する水路接続の工程
【請求項2】
下記のイ,ロ,ハ,ヨ,タ,レ,チ,リ,ヌの工程を前記順序で施工して地表の地盤に、土壌と硬化剤又は固化剤を混入した改良土壌でもって長い継目のない連続的水路堤体を成形固化することで水路を構築する、水路構築工法。
イ:前記水路を構築する前記地盤に、構築する予定の前記水路の水路堤体巾より巾広く且つ前記水路の水深より深い寸法の水路設置溝を予定の水路方向に長く開削する溝開削の工程、
ロ:前記イの溝開削の工程で長く開削された前記水路設置溝に対して、前記予定の水路の上流と下流の水路接続部を除いて溝方向に沿って、長さLの前継目工区と,中間の工区となる長さLの中間工区と,前記した同じ長さLの後継目工区とからなり且つ工区合計長さが2L+Lの合計Lの長さを有する複数の工事順1,2,3,・・・,iの区間K,K,K,K,・・,Ki,・,・,でもって、しかも前の区間の後継目工区と次の後の区間の前継目工区とが重なるように設定する区間設定の工程、
ハ:前記ロの区間設定の工程で設定された各区間K,K,・・,Kiの工事順iの区間Kiの工区長さLの工区又はこれに区間Kiの後の1つ又は複数の工事順の区間の一部を加えた工区において、前記水路設置溝の左右それぞれの溝壁面に沿うように前記予定の水路堤体の堤体の外側左右側面を規定する所要長さの左右の側面型枠を溝壁面に沿って多数個脱着可能に且つ地盤に固定できるように連設して側面型枠列を形成する側面型枠設置の工程、
ヨ:前記区間Ki又はその後の1つ又は複数の区間の前継目工区と中間工区の工区において、
中子型枠として複数段に段積みして複数の異なった高さにできる段積可能な中子型枠を使用し、最下段の中子型枠を左右の前記側面型枠の中間位置の水路溝底上に多数列設し、その後その最下段の中子型枠の高さまで改良土壌を充填し、その高さで締め固めた後次段の中子型枠を段積みし、次段の中子型枠と側面型枠との間の空間に改良土壌を投入して次段の中子型枠の高さまでこれを充填し、その後充填した改良土壌を締める工程を中子型枠を段積みして高くする毎に繰り返すことで、中子型枠を所定高さまでの段積みし且つ段積みされた所定高さの中子型枠と側面型枠との間の空間には改良土壌を充填し且つ締め固められた状態とし、区間Kiの後継目工区では改良土壌充填は低い高さで溝方向にその高さが漸減するように不完全堤体の高さとする中子型枠設置と改良土壌の段積毎投入締め固めの工程、
タ:前記ヨの段積毎投入締め固めの工程の後、次の区間Ki+1で側面型枠列と中子型枠列が設置されていなければ、前記ハ,ヨの工程を繰り返して次の区間Ki+1の前継目工区の長さLと中間工区長さLのL+Lでの改良土壌の段積毎投入と締め固めて水路堤体を構築し、残りの後継目工区は投入する改良土壌の高さを溝方向に漸減するように低い投入とするだけの未完の堤体とする水路堤体構築工程を行い、以下更に工事順番i+1に1増やした区間Ki+2で同様に段積み中子型枠の設置と前継目工区と中間工区での改良土壌の投入と締め固めと後継目工区での未完の改良土壌の投入を繰り返すことで水路堤体を長く延長する水路堤体延長の工程、
レ:前記ハ,ヨ,タの工程により長く構築された前記水路堤体の改良土壌が固化すれば、この水路堤体から前記中子型枠を脱型して形成された凹部が前記水路堤体の水の流れる水路とする凹部形成の工程、
チ:前記トの凹部形成の工程で前記水路堤体に形成された凹部の底部に前記改良土壌を所定厚み投入して底打ちして水路底面を形成し、残りの凹部空間を水路とする水路構築の工程、
リ:前記チの水路構築の工程の後、前記側面型枠を前記地盤との固定を解いて前記水路設置溝から引き抜いて側面型枠跡の空間が発生すると、その発生した空間に地表からグラウト又はセメント系固化剤を注入してその空間を固化物で充填して、前記水路堤体を地盤中に強固に構築する堤体強化構築の工程、
ヌ:構築された前記水路堤体の水路を上流・下流の前記水路接続部において他の水系の水路と接続する水路接続の工程
【請求項3】
下記のイ,ロ,ハ,ニ,ホ’,ヘ’,ト’,チ’,リ’,ヌの工程を前記順序で施工して地表の地盤に、土壌と硬化剤又は固化剤を混入した改良土壌でもって長い継目のない連続的水路堤体を成形固化することで水路を構築する、水路構築工法。
イ:前記水路を構築する前記地盤に、構築する予定の前記水路の水路堤体巾より巾広く且つ前記水路の水深より深い寸法の水路設置溝を予定の水路方向に長く開削する溝開削の工程、
ロ:前記イの溝開削の工程で長く開削された前記水路設置溝に対して、前記予定の水路の上流と下流の水路接続部を除いて溝方向に沿って、長さLの前継目工区と,中間の工区となる長さLの中間工区と,前記した同じ長さLの後継目工区とからなり且つ工区合計長さが2L+Lの合計Lの長さを有する複数の工事順1,2,3,・・・,iの区間K,K,K,K,・・,Ki,・,・,でもって、しかも前の区間の後継目工区と次の後の区間の前継目工区とが重なるように設定する区間設定の工程、
ハ:前記ロの区間設定の工程で設定された各区間K,K,・・,Kiの工事順iの区間Kiの工区長さLの工区又はこれに区間Kiの後の1つ又は複数の工事順の区間の一部を加えた工区において、前記水路設置溝の左右それぞれの溝壁面に沿うように前記予定の水路堤体の堤体の外側左右側面を規定する所要長さの左右の側面型枠を溝壁面に沿って複数個脱着可能に且つ地盤に固定できるように連設して側面型枠列を形成する側面型枠設置の工程、
ニ:前記区間Kiの工区又はこれにその後の1つ又は複数の区間の一部を加えた工区において、前記ハの側面型枠設置の工程の後、前記水路設置溝内に成形固化される予定の水路堤体の水路となる凹部を形成する一段又は複数段の段積みして所定の高さとして且つ所定巾dの前記中子型枠を前記の左右に設置された前記側面型枠列の中間位置に複数個溝方向に沿って列設させて中子型枠列を形成する中子型枠設置の工程、
ホ’:前記水路設置溝の溝に沿っての前記所定長さLの区間Kiの工区又はこれにその後の1つ又は複数の工事順の区間の一部を加えた工区において、前記ハの側面型枠設置の工程で前記水路設置溝の左右の溝壁面それぞれに複数設置させて形成された前記側面型枠列と、前記ニの中子型枠設置の工程で左右の前記側面型枠列の中間位置に溝方向に列設された所定高さの複数の前記中子型枠列との2つの型枠列を設置した区間Kiの前継目工区となる長さLの工区にはこれと重なる前の区間Ki-1の後継目工区における改良土壌の一部投入に加え、前記改良土壌を予定の堤体の高さまで充分に充填するように複数回に分けて投入し、しかも投入毎にその改良土壌の上面を締め固め、及び区間Kiの長さLの中間工区において前記側面型枠列と前記中子型枠列との間の空間を予定の堤体高さまで充分に充填するように前記改良土壌を複数回に分けて投入し、しかもその投入毎に改良土壌の上面を締め固め、区間Kiの前記前継目工区の長さLと中間工区の長さLの水路堤体を構築し、更に区間Kiの後継目工区には前記改良土壌を前記堤体高さより低い高さで溝方向にその高さが漸減するように投入し、長さLの後継目工区は未完堤体の高さのままにする区間Kiの水路堤体構築の工程、
ヘ’:前記ホ’の区間Kiの水路堤体構築の工程の後、次の区間Ki+1で側面型枠列と中子型枠列が設置されていなければ、前記ハ,ニの工程を繰り返して区間Ki+1で側面型枠列と中子型枠列とを設置し、その後前記ホ’の工程と同様に次の区間Ki+1の前継目工区の長さLと中間工区長さLのL+Lでの改良土壌の充填投入毎の締め固めによって水路堤体を構築し、残りの後継目工区は投入する改良土壌の高さを溝方向に漸減するように低い投入とするだけの未完の堤体とする水路堤体構築の工程を行い、以下工事順番i+1に1増やした区間Ki+2の前継目工区と中間工区で同様に改良土壌の複数回の投入毎の締め固めと後継目工区での未完の改良土壌の投入を繰り返すことで水路堤体を長く延長する水路堤体延長の工程、
ト’:前記ハ,ニ,ホ’,ヘ’の工程により長く構築された前記水路堤体の改良土壌が固化すれば、この水路堤体から中子型枠を脱型して形成された凹部が前記水路堤体の水の流れる水路とする凹部形成の工程、
チ’:前記ト’の凹部形成の工程で前記水路堤体に形成された凹部の底部に前記改良土壌を所定厚み投入して底打ちして水路底面を形成し、残りの凹部空間を水路とする水路構築の工程、
リ’:前記チ’の水路構築の工程の後又は途中で前記水路堤体が成形固化すれば、前記側面型枠を前記地盤との固定を解いて前記水路設置溝から引き抜いて側面型枠跡の空間が発生すると、その発生した空間に地表からグラウト又はセメント系固化剤を注入してその空間を固化物で充填して、水路堤体を地盤中に強固に構築する堤体強化構築の工程、
ヌ:構築された前記水路堤体の水路を上流・下流の前記水路接続部において他の水系の水路と接続する水路接続の工程
【請求項4】
下記のイ,ロ,ハ,ニ,ホ,ヘ,ル,ヲ,ワ,ヌの工程をその順序で施工して地表の地盤に、土壌と硬化剤又は固化剤を混入した改良土壌でもって長い継目のない連続的水路堤体を成形固化することで水路を構築する、水路構築工法。
イ:前記水路を構築する前記地盤に、構築する予定の前記水路の水路堤体巾より巾広く且つ前記水路の水深より深い寸法の水路設置溝を予定の水路方向に長く開削する溝開削の工程、
ロ:前記イの溝開削の工程で長く開削された前記水路設置溝に対して、前記予定の水路の上流と下流の水路接続部を除いて溝方向に沿って、長さLの前継目工区と,中間の工区となる長さLの中間工区と,前記した同じ長さLの後継目工区とからなり且つ工区合計長さが2L+Lの合計Lの長さを有する複数の工事順1,2,3,・・・,iの区間K,K,K,K,・・,Ki,・,・,でもって、しかも前の区間の後継目工区と次の後の区間の前継目工区とが重なるように設定する区間設定の工程、
ハ:前記ロの区間設定の工程で設定された各区間K,K,・・,Kiの工事順iの区間Kiの工区長さLの工区又はこれに区間Kiの後の1つ又は複数の工事順の区間の一部を加えた工区において、前記水路設置溝の左右それぞれの溝壁面に沿うように前記予定の水路堤体の堤体の外側左右側面を規定する所要長さの左右の側面型枠を溝壁面に沿って複数個脱着可能に且つ地盤に固定できるように連設して側面型枠列を形成する側面型枠設置の工程、
ニ:前記区間Ki又はその後の1つ又は複数の区間の一部を加えた工区において、前記ハの側面型枠設置の工程の後、前記水路設置溝内に成形固化される予定の水路堤体の水路となる凹部を形成する一段又は複数段の段積みして所定の高さとして且つ所定巾dの中子型枠を前記の左右に設置された側面型枠列の中間位置に複数個溝方向に沿って列設させて中子型枠列を形成する中子型枠設置の工程、
ホ:前記水路設置溝の溝に沿っての前記所定長さLの区間Kiの工区又はこれにその後の1つ又は複数の工事順の区間の一部を加えた工区において、前記ハの側面型枠設置の工程で前記水路設置溝の左右の溝壁面それぞれに複数設置させて形成された前記側面型枠列と、前記ニの中子型枠設置の工程で左右の前記側面型枠列の中間位置に溝方向に列設された所定高さの複数の前記中子型枠列との2つの型枠列を設置した区間Kiの前継目工区となる長さLの工区にはこれと重なる前の区間Ki-1の後継目工区における改良土壌の一部投入に加え、前記改良土壌を予定の堤体の高さまで充分に充填するように投入し、その充填した土壌の上面を締め固めして又は締め固めせず区間Kiの長さLの中間工区において前記側面型枠列と中子型枠列との間の空間を予定の堤体高さまで充分に充填するように前記改良土壌を投入し、前記の前継目工区と中間工区で充填するように投入された改良土壌をその上面から締め固めて、区間Kiの前記前継目工区の長さLと中間工区の長さLの水路堤体を構築し、更に区間Kiの後継目工区には前記改良土壌を前記堤体高さより低い高さで溝方向にその高さが漸減するように投入し、長さLの後継目工区は未完堤体の高さのままにする区間Kiの水路堤体構築の工程、
ヘ:前記ホの区間Kiの水路堤体構築の工程の後、次の区間Ki+1で側面型枠列と中子型枠列が設置されていなければ、前記ハ,ニの工程を繰り返して区間Ki+1で側面型枠列と中子型枠列とを設置し、その後前記ホの工程と同様に次の区間Ki+1の前継目工区の長さLと中間工区長さLのL+Lでの改良土壌の充填投入と締め固めて水路堤体を構築し、残りの後継目工区には投入する改良土壌の高さを溝方向に漸減するように低い投入とするだけの未完の堤体とする前記ホの水路堤体構築の工程を行い、以下工事順番i+1に1増やした区間Ki+2で同様に改良土壌の投入と締め固めと未完の改良土壌の投入を繰り返すことで水路堤体を長く延長する水路堤体延長の工程、
ル:前記ヘの水路堤体延長の工程の後又は途中で水路堤体が成形固化すれば、中子型枠列は水路堤体内に残置したまま前記側面型枠を地盤との固定を解いて前記水路設置溝から引き抜いて側面型枠跡の空間が発生すると、その発生した空間に地表からグラウト又はセメント系固化剤を注入してその空間を固化物で充填して、前記水路堤体の外側を地盤中に強固に構築する堤体強化構築の工程、
ヲ:前記ハ,ニ,ホ,ヘの工程により長く構築されて前記水路堤体の改良土壌が固化された水路堤体から前記中子型枠を脱型して形成された凹部が水路堤体の水の流れる水路とする凹部形成の工程、
ワ:前記ヲの凹部形成の工程で水路堤体に形成された凹部の底部に前記改良土壌を所定厚み投入して底打ちして水路底面を形成し、残りの凹部空間を水路とする水路構築の工程、
ヌ:構築された前記水路堤体の水路を上流・下流の前記水路接続部において他の水系の水路と接続する水路接続の工程
【請求項5】
下記のイ,ロ,ハ,ヨ,タ,ル,ソ,ワ,ヌの工程をその順序で施工して地表の地盤に、土壌と硬化剤又は固化剤を混入した改良土壌でもって長い継目のない連続的水路堤体を成形固化することで水路を構築する、水路構築工法。
イ:前記水路を構築する前記地盤に、構築する予定の前記水路の水路堤体巾より巾広く且つ前記水路の水深より深い寸法の水路設置溝を予定の水路方向に長く開削する溝開削の工程、
ロ:前記イの溝開削の工程で長く開削された前記水路設置溝に対して、前記予定の水路の上流と下流の水路接続部を除いて溝方向に沿って、長さLの前継目工区と,中間の工区となる長さLの中間工区と,前記した同じ長さLの後継目工区とからなり且つ工区合計長さが2L+Lの合計Lの長さを有する複数の工事順1,2,3,・・・,iの区間K,K,K,K,・・,Ki,・,・,でもって、しかも前の区間の後継目工区と次の後の区間の前継目工区とが重なるように設定する区間設定の工程、
ハ:前記ロの区間設定の工程で設定された各区間K,K,・・,Kiの工事順iの区間Kiの工区長さLの工区又はこれに区間Kiの後の1つ又は複数の工事順の区間の一部を加えた工区において、前記水路設置溝の左右それぞれの溝壁面に沿うように前記予定の水路堤体の堤体の外側左右側面を規定する所要長さの左右の側面型枠を溝壁面に沿って複数個脱着可能に且つ地盤に固定できるように連設して側面型枠列を形成する側面型枠設置の工程、
ヨ:前記区間Ki又はその後の1つ又は複数の区間の前継目工区と中間工区の工区において、
中子型枠として複数段に段積みして所定の高さとなる段積可能な中子型枠を使用し、最下段の中子型枠を左右の前記側面型枠の中間位置の水路溝底上に多数列設し、その後その最下段の中子型枠の高さまで改良土壌を充填し、その高さで締め固めた後次段の中子型枠を段積みし、次段の中子型枠と前記側面型枠との間の空間に改良土壌を投入して次段の中子型枠の高さまでこれを充填し、その後充填した改良土壌を締める工程を前記中子型枠を段積みして高くする毎に繰り返すことで、前記中子型枠を所定高さまでの段積みし且つ段積みされた所定高さの中子型枠と側面型枠との間の空間には改良土壌を充填し且つ締め固められた状態とし、区間Kiの後継目工区は改良土壌充填は低い高さで溝方向にその高さが漸減するように不完全堤体の高さとする中子型枠設置と改良土壌の充填締め固めの工程、
タ:前記ヨの区間Kiの充填締め固めの工程の後、次の区間Ki+1で側面型枠列と中子型枠列が設置されていなければ、前記ハ,ヨの充填締め固めの工程を繰り返して次の区間Ki+1の前継目工区の長さLと中間工区長さLのL+Lでの改良土壌の充填投入と締め固めて水路堤体を構築し、残りの後継目工区は投入する改良土壌の高さを溝方向に漸減するように低い投入とするだけの未完の堤体とする水路堤体構築工程を行い、以下更に工事順番i+1に1増やした区間Ki+2で同様に段積み中子型枠の設置と前継目工区と中間工区で中子型枠の段積毎の改良土壌の投入と締め固めと後継目工区での未完の改良土壌の投入を繰り返すことで水路堤体を長く延長する水路堤体延長の工程、
ル:前記タの水路堤体延長の工程の後又は途中で水路堤体が成形固化すれば、前記中子型枠列は前記水路堤体内に残置したまま前記側面型枠を地盤との固定を解いて前記水路設置溝から引き抜いて側面型枠跡の空間が発生すると、その発生した空間に地表からグラウト又はセメント系固化剤を注入してその空間を固化物で充填して、水路堤体の外側を地盤中に強固に構築する堤体強化構築の工程、
ソ:前記ハ,ヨ,タ,ルの工程により長く構築された水路堤体の改良土壌が固化された水路堤体から中子型枠を脱型して形成された凹部が水路堤体の水の流れる水路とする凹部形成の工程、
ワ:前記ソの凹部形成の工程で水路堤体に形成された凹部の底部に前記改良土壌を所定厚み投入して底打ちして水路底面を形成し、残りの凹部空間を水路とする水路構築の工程、
ヌ:構築された前記水路堤体の水路を上流・下流の前記水路接続部において他の水系の水路と接続する水路接続の工程
【請求項6】
下記のイ,ロ,ハ,ニ,ホ’,ヘ’,ル,ヲ,ワ,ヌの工程をその順序で施工して地表の地盤に、土壌と硬化剤又は固化剤を混入した改良土壌でもって長い継目のない連続的水路堤体を成形固化することで水路を構築する、水路構築工法。
イ:前記水路を構築する前記地盤に、構築する予定の前記水路の水路堤体巾より巾広く且つ前記水路の水深より深い寸法の水路設置溝を予定の水路方向に長く開削する溝開削の工程、
ロ:前記イの溝開削の工程で長く開削された前記水路設置溝に対して、前記予定の水路の上流と下流の水路接続部を除いて溝方向に沿って、長さLの前継目工区と,中間の工区となる長さLの中間工区と,前記した同じ長さLの後継目工区とからなり且つ工区合計長さが2L+Lの合計Lの長さを有する複数の工事順1,2,3,・・・,iの区間K,K,K,K,・・,Ki,・,・,でもって、しかも前の区間の後継目工区と次の後の区間の前継目工区とが重なるように設定する区間設定の工程、
ハ:前記ロの区間設定の工程で設定された各区間K,K,・・,Kiの工事順iの区間Kiの工区長さLの工区又はこれに区間Kiの後の1つ又は複数の工事順の区間の一部を加えた工区において、前記水路設置溝の左右それぞれの溝壁面に沿うように前記予定の水路堤体の堤体の外側左右側面を規定する所要長さの左右の側面型枠を溝壁面に沿って複数個脱着可能に且つ前記地盤に固定できるように連設して側面型枠列を形成する側面型枠設置の工程、
ニ:前記区間Ki又はその後の1つ又は複数の区間の一部を加えた工区において、前記ハの側面型枠設置の工程の後、前記水路設置溝内に成形固化される予定の水路堤体の水路となる凹部を形成する一段又は複数段の段積みして所定の高さとして且つ所定巾dの中子型枠を前記の左右に設置された側面型枠列の中間位置に複数個溝方向に沿って列設させて中子型枠列を形成する中子型枠設置の工程、
ホ’:前記水路設置溝の溝に沿っての前記所定長さLの区間Kiの工区又はこれにその後の1つ又は複数の工事順の区間の一部を加えた工区において、前記ハの側面型枠設置の工程で水路設置溝の左右の溝壁面それぞれに複数設置させて形成された前記側面型枠列と、前記ニの中子型枠設置の工程で左右の前記側面型枠列の中間位置に溝方向に列設された所定高さの複数の前記中子型枠列との2つの型枠列を設置した区間Kiの前継目工区となる長さLの工区にはこれと重なる前の区間Ki-1の後継目工区における改良土壌の一部投入に加え、前記改良土壌を予定の堤体の高さまで充分に充填するように複数回に分けて投入し、しかも投入毎にその改良土壌の上面を締め固め、及び区間Kiの長さLの中間工区において前記側面型枠列と前記中子型枠列との間の空間を予定の堤体高さまで充分に充填するように前記改良土壌を複数回に分けて投入し、しかもその投入毎に改良土壌の上面を締め固め、区間Kiの前記前継目工区の長さLと中間工区の長さLの水路堤体を構築し、更に区間Kiの後継目工区には前記改良土壌を前記堤体高さより低い高さで溝方向にその高さが漸減するように投入し、長さLの後継目工区は未完堤体の高さのままにする区間Kiの水路堤体構築の工程、
ヘ’:前記ホ’の区間Kiの水路堤体構築の工程の後、次の区間Ki+1で側面型枠列と中子型枠列が設置されていなければ、前記ハ,ニの工程を繰り返して区間Ki+1で側面型枠列と中子型枠列とを設置し、その後前記ホ’の工程と同様に次の区間Ki+1の前継目工区の長さLと中間工区長さLのL+Lでの改良土壌の充填投入と締め固めて水路堤体を構築し、残りの後継目工区は投入する改良土壌の高さを溝方向に漸減するように低い投入とするだけの未完の堤体とする水路堤体構築の工程を行い、以下工事順番i+1に1増やした区間Ki+2で同様に改良土壌の投入と締め固めと未完の改良土壌の投入を繰り返すことで水路堤体を長く延長する水路堤体延長の工程、
ル:前記ヘ’の水路堤体延長の工程の後又は途中で前記水路堤体が成形固化すれば、前記中子型枠列は前記水路堤体内に残置したまま前記側面型枠を地盤との固定を解いて前記水路設置溝から引き抜いて側面型枠跡の空間が発生すると、その発生した空間に地表からグラウト又はセメント系固化剤を注入してその空間を固化物で充填して、前記水路堤体の外側を前記地盤中に強固に構築する堤体強化構築の工程、
ヲ:前記ハ,ニ,ホ’,ヘ’の工程により長く構築されて前記水路堤体の改良土壌が固化された前記水路堤体から前記中子型枠を脱型して形成された凹部が前記水路堤体の水の流れる水路とする凹部形成の工程、
ワ:前記ヲの凹部形成の工程で前記水路堤体に形成された前記凹部の底部に前記改良土壌を所定厚み投入して底打ちして水路底面を形成し、残りの凹部空間を水路とする水路構築の工程、
ヌ:構築された前記水路堤体の水路を上流・下流の前記水路接続部において他の水系の水路と接続する水路接続の工程
【請求項7】
前記側面型枠は、これを取付ける前記水路設置溝の位置の地盤上面に接地する接地部を前記側面型枠の上部から水平外方向に張り出すように設けた構造であり、前記側面型枠の前記接地部はその取付位置の地盤上面に置いた後、別体の杭を接地部に貫通させて地盤深くに打ち込んで前記側面型枠を地盤に迅速に取付けられるようにした、請求項1~6いずれか記載の水路構築工法。
【請求項8】
脱型した前記中子型枠及び脱型した前記側面型枠を、後の工事順番jの区間Kjでの中子型枠・側面型枠として再使用して型枠使用枚数を減じた、請求項1~7いずれか記載の水路構築工法。
【請求項9】
左右の前記側面型枠の中間位置で前記水路設置溝の溝底に前記中子型枠を設置する際に、前記中子型枠の下部の位置を固定する複数のアンカー部材を前記中子型枠の下部周縁で前記溝底の地盤に打ち込んで、水路構築作業中に前記中子型枠の設置位置が移動しないようにして正確な水路を構築できるようにした、請求項1~8いずれか記載の水路構築工法。
【請求項10】
構築予定の水路が湾曲している個所における前記水路設置溝も同じ湾曲の曲率で変曲し、併せて左右の側面型枠もその同じ曲率をもって湾曲するように平面配置し、又前記左右の前記側面型枠の中間位置となるように同じ曲率でもって前記中子型枠を平面配置して、水路の湾曲部を形成できるようにした、請求項1~9いずれか記載の水路構築工法。
【請求項11】
前記請求項1~10いずれか記載の水路構築工法の為に、前記水路設置溝の左右溝壁面に沿って設置される所定巾lの側面型枠であって、
前記側面型枠は前記水路設置溝を掘削した地盤上面に接地する接地部と、同接地部の溝側端から立上って溝方向に延びる山型状の立上り部と、同立上り部の溝側先端から前記水路設置溝の溝底面まで延びて前記水路堤体の外側左右面を規定する面状の型枠側面部と、前記型枠側面部の巾lの前後端位置それぞれから前記水路設置溝の溝側面に接するまで折曲させた前後の板状の仕切板とを有し、
又前記接地部には型枠を前記地盤に固定させる杭の打込用の杭孔を設けた構造とした、側面型枠。
【請求項12】
前記側面型枠をFRP製の素材で一体成型させたものとした、請求項11記載の側面型枠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平地の地盤の地表に、継目がない連続した長い水路を構築する工法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、平地に水路を構築する工法は、まず平地の地盤に所要の巾と深さの水路設置溝SMを予定の水路方向に沿って長く開削して、溝の崩壊を防ぐため溝壁面に矢板Yを打ち込んで溝を安定させるようにする。その溝底面にまず生コンを所定厚み打ち込み、コンクリート底盤50を作製するものである。その作業後に、まず削孔した水路設置溝中のコンクリート底盤50上に所定厚みの左右の水路堤体51,52を成形する平行の垂直な広い面積の左右2組の型枠53,54を構築するものである(図21,22参照)。
【0003】
このコンクリート底盤50上に左右の各堤体の厚みを形成する左右2組の型枠53,54には型枠の面板530,540を所定間隔(堤体の厚みの寸法)で溝底面上に垂直に強固に保持しなければならない。そのため、型枠の面板(コンパネ)間の間隔保持の間隔保持部材550の他に、同面板と溝壁面の矢板列との間にも型枠外支持部材560を多数設けなければならない(図21,22参照)。これら型枠保持部材に働く横荷重は、地中に打ち込まれた連続矢板Yの列に押し当てられて受け止められる。そして、左右の2組の型枠53,54内には生コンを流し込んで、コンクリートによる水路堤体51,52を成形するものであった。
【0004】
この従来の水路堤体51,52の構築法では、各堤体の型枠(面板)530,540と水路設置溝SMの溝壁(矢板Y)との間隔は最低670mm必要であり、巾が広い水路設置溝SMの開削を必要とし、又型枠53,54の設置に手間時間がかかるもので作業コストが嵩むものとなっていた。そして、コンクリート底盤50と左右の堤体の形成に全て生コンを使用するためコストが高くなる。更には、面板530,540の溝方向の長さに制限があって、型枠継目の部分に間隙が生じて洩水を生起し易いという問題点があった。
【0005】
更に、生コンを大量に流し込むための生コン圧送ポンプ等のセッティング及び配管処理に多大な労力とコストが嵩むものとなっていた。
加えて、生コンで成形された水路堤体の重量が重くなって、水路堤体51,52の重さによって水路堤体・水路の不等沈下が生じる恐れがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭64-6405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、従来の水路堤体構築工法の問題点を解消し、継目なしの水路堤体を可能として継目での洩水がないものにでき、又型枠のセッティングの手間時間を大巾に低減でき、しかも生コン使用量を大巾に減じて低工費で短工期に水路堤体が構築でき、又構築した水路堤体は不等沈下が少ないという優れた水路堤体の構築法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 下記のイ,ロ,ハ,ニ,ホ,ヘ,ト,チ,リ,ヌの工程を前記順序で施工して地表の地盤に、土壌と硬化剤又は固化剤を混入した改良土壌でもって長い継目のない連続的水路堤体を成形固化することで水路を構築する、水路構築工法
イ:前記水路を構築する前記地盤に、構築する予定の前記水路の水路堤体巾より巾広く且つ前記水路の水深より深い寸法の水路設置溝を予定の水路方向に長く開削する溝開削の工程、
ロ:前記イの溝開削の工程で長く開削された前記水路設置溝に対して、前記予定の水路の上流と下流の水路接続部を除いて溝方向に沿って、長さLの前継目工区と,中間の工区となる長さLの中間工区と,前記した同じ長さLの後継目工区とからなり且つ工区合計長さが2L+Lの合計Lの長さを有する複数の工事順1,2,3,・・・,iの区間K,K,K,K,・・,Ki,・,・,でもって、しかも前の区間の後継目工区と次の後の区間の前継目工区とが重なるように設定する区間設定の工程、
ハ:前記ロの区間設定の工程で設定された各区間K,K,・・,Kiの工事順iの区間Kiの工区長さLの工区又はこれに区間Kiの後の1つ又は複数の工事順の区間の一部を加えた工区において、前記水路設置溝の左右それぞれの溝壁面に沿うように前記予定の水路堤体の堤体の外側左右側面を規定する所要長さの左右の側面型枠を溝壁面に沿って複数個脱着可能に且つ地盤に固定できるように連設して側面型枠列を形成する側面型枠設置の工程、
ニ:前記区間Kiの工区又はこれにその後の1つ又は複数の区間の一部を加えた工区において、前記ハの側面型枠設置の工程の後、前記水路設置溝内に成形固化される予定の水路堤体の水路となる凹部を形成する一段又は複数段の段積みして所定の高さとして且つ所定巾dの中子型枠を前記の左右に設置された側面型枠列の中間位置に複数個溝方向に沿って列設させて中子型枠列を形成する中子型枠設置の工程、
ホ:前記水路設置溝の溝に沿っての前記所定長さLの区間Kiの工区又はこれにその後の1つ又は複数の工事順の区間の一部を加えた工区において、前記ハの側面型枠設置の工程で前記水路設置溝の左右の溝壁面それぞれに複数設置させて形成された前記側面型枠列と、前記ニの中子型枠設置の工程で左右の前記側面型枠列の中間位置に溝方向に列設された所定高さの複数の前記中子型枠列との2つの型枠列を設置した区間Kiの前継目工区となる長さLの工区にはこれと重なる前の区間Ki-1の後継目工区における改良土壌の一部投入に加え、前記改良土壌を予定の堤体の高さまで充分に充填するように投入し、その充填した土壌の上面を締め固めして又は締め固めせずに区間Kiの長さLの中間工区において前記側面型枠列と前記中子型枠列との間の空間を予定の堤体高さまで充分に充填するように前記改良土壌を投入し、中間工区で充填するように投入された改良土壌をその上面から締め固めて、又はこれと前記前継目工区の投入した改良土壌の上面を併せて締め固め、区間Kiの前記前継目工区の長さLと中間工区の長さLの水路堤体を構築し、更に区間Kiの後継目工区には前記改良土壌を前記堤体高さより低い高さで溝方向にその高さが漸減するように投入し、長さLの後継目工区は未完堤体の高さのままにする区間Kiの水路堤体構築の工程、
ヘ:前記ホの区間Kiの水路堤体構築の工程の後、次の区間Ki+1で前記側面型枠列と前記中子型枠列が設置されていなければ、前記ハ,ニの工程を繰り返して区間Ki+1で側面型枠列と中子型枠列とを設置し、その後前記ホの工程と同様に次の区間Ki+1の前継目工区の長さLと中間工区長さLのL+Lでの改良土壌の充填投入と締め固めて水路堤体を構築し、残りの後継目工区には投入する改良土壌の高さを溝方向に漸減するように低い投入とするだけの未完の堤体とする前記ホの水路堤体構築の工程を行い、以下工事順番i+1に1増やした区間Ki+2で同様に改良土壌の投入と締め固めと未完の改良土壌の投入を繰り返すことで前記水路堤体を長く延長する水路堤体延長の工程、
ト:前記ハ,ニ,ホ,ヘの工程により長く構築された前記水路堤体の改良土壌が固化すれば、この水路堤体から前記中子型枠を脱型して形成された凹部が前記水路堤体の水の流れる水路とする凹部形成の工程、
チ:前記トの凹部形成の工程で前記水路堤体に形成された凹部の底部に前記改良土壌を所定厚み投入して底打ちして水路底面を形成し、残りの凹部空間を水路とする水路構築の工程、
リ:前記チの水路構築の工程の後又は途中で前記水路堤体が成形固化すれば、前記側面型枠を前記地盤との固定を解いて前記水路設置溝から引き抜いて側面型枠跡の空間が発生すると、その発生した空間に地表からグラウト又はセメント系固化剤を注入してその空間を固化物で充填して、前記水路堤体を地盤中に強固に構築する堤体強化構築の工程、
ヌ:構築された前記水路堤体の水路を上流・下流の前記水路接続部において他の水系の水路と接続する水路接続の工程
2) 下記のイ,ロ,ハ,ヨ,タ,レ,チ,リ,ヌの工程を前記順序で施工して地表の地盤に、土壌と硬化剤又は固化剤を混入した改良土壌でもって長い継目のない連続的水路堤体を成形固化することで水路を構築する、水路構築工法
イ:前記水路を構築する前記地盤に、構築する予定の前記水路の水路堤体巾より巾広く且つ前記水路の水深より深い寸法の水路設置溝を予定の水路方向に長く開削する溝開削の工程、
ロ:前記イの溝開削の工程で長く開削された前記水路設置溝に対して、前記予定の水路の上流と下流の水路接続部を除いて溝方向に沿って、長さLの前継目工区と,中間の工区となる長さLの中間工区と,前記した同じ長さLの後継目工区とからなり且つ工区合計長さが2L+Lの合計Lの長さを有する複数の工事順1,2,3,・・・,iの区間K,K,K,K,・・,Ki,・,・,でもって、しかも前の区間の後継目工区と次の後の区間の前継目工区とが重なるように設定する区間設定の工程、
ハ:前記ロの区間設定の工程で設定された各区間K,K,・・,Kiの工事順iの区間Kiの工区長さLの工区又はこれに区間Kiの後の1つ又は複数の工事順の区間の一部を加えた工区において、前記水路設置溝の左右それぞれの溝壁面に沿うように前記予定の水路堤体の堤体の外側左右側面を規定する所要長さの左右の側面型枠を溝壁面に沿って多数個脱着可能に且つ地盤に固定できるように連設して側面型枠列を形成する側面型枠設置の工程、
ヨ:前記区間Ki又はその後の1つ又は複数の区間の前継目工区と中間工区の工区において、
中子型枠として複数段に段積みして複数の異なった高さにできる段積可能な中子型枠を使用し、最下段の中子型枠を左右の前記側面型枠の中間位置の水路溝底上に多数列設し、その後その最下段の中子型枠の高さまで改良土壌を充填し、その高さで締め固めた後次段の中子型枠を段積みし、次段の中子型枠と側面型枠との間の空間に改良土壌を投入して次段の中子型枠の高さまでこれを充填し、その後充填した改良土壌を締める工程を中子型枠を段積みして高くする毎に繰り返すことで、中子型枠を所定高さまでの段積みし且つ段積みされた所定高さの中子型枠と側面型枠との間の空間には改良土壌を充填し且つ締め固められた状態とし、区間Kiの後継目工区では改良土壌充填は低い高さで溝方向にその高さが漸減するように不完全堤体の高さとする中子型枠設置と改良土壌の段積毎投入締め固めの工程、
タ:前記ヨの段積毎投入締め固めの工程の後、次の区間Ki+1で側面型枠列と中子型枠列が設置されていなければ、前記ハ,ヨの工程を繰り返して次の区間Ki+1の前継目工区の長さLと中間工区長さLのL+Lでの改良土壌の段積毎投入と締め固めて水路堤体を構築し、残りの後継目工区は投入する改良土壌の高さを溝方向に漸減するように低い投入とするだけの未完の堤体とする水路堤体構築工程を行い、以下更に工事順番i+1に1増やした区間Ki+2で同様に段積み中子型枠の設置と前継目工区と中間工区での改良土壌の投入と締め固めと後継目工区での未完の改良土壌の投入を繰り返すことで水路堤体を長く延長する水路堤体延長の工程、
レ:前記ハ,ヨ,タの工程により長く構築された前記水路堤体の改良土壌が固化すれば、この水路堤体から前記中子型枠を脱型して形成された凹部が前記水路堤体の水の流れる水路とする凹部形成の工程、
チ:前記トの凹部形成の工程で前記水路堤体に形成された凹部の底部に前記改良土壌を所定厚み投入して底打ちして水路底面を形成し、残りの凹部空間を水路とする水路構築の工程、
リ:前記チの水路構築の工程の後、前記側面型枠を前記地盤との固定を解いて前記水路設置溝から引き抜いて側面型枠跡の空間が発生すると、その発生した空間に地表からグラウト又はセメント系固化剤を注入してその空間を固化物で充填して、前記水路堤体を地盤中に強固に構築する堤体強化構築の工程、
ヌ:構築された前記水路堤体の水路を上流・下流の前記水路接続部において他の水系の水路と接続する水路接続の工程
3) 下記のイ,ロ,ハ,ニ,ホ’,ヘ’,ト’,チ’,リ’,ヌの工程を前記順序で施工して地表の地盤に、土壌と硬化剤又は固化剤を混入した改良土壌でもって長い継目のない連続的水路堤体を成形固化することで水路を構築する、水路構築工法
イ:前記水路を構築する前記地盤に、構築する予定の前記水路の水路堤体巾より巾広く且つ前記水路の水深より深い寸法の水路設置溝を予定の水路方向に長く開削する溝開削の工程、
ロ:前記イの溝開削の工程で長く開削された前記水路設置溝に対して、前記予定の水路の上流と下流の水路接続部を除いて溝方向に沿って、長さLの前継目工区と,中間の工区となる長さLの中間工区と,前記した同じ長さLの後継目工区とからなり且つ工区合計長さが2L+Lの合計Lの長さを有する複数の工事順1,2,3,・・・,iの区間K,K,K,K,・・,Ki,・,・,でもって、しかも前の区間の後継目工区と次の後の区間の前継目工区とが重なるように設定する区間設定の工程、
ハ:前記ロの区間設定の工程で設定された各区間K,K,・・,Kiの工事順iの区間Kiの工区長さLの工区又はこれに区間Kiの後の1つ又は複数の工事順の区間の一部を加えた工区において、前記水路設置溝の左右それぞれの溝壁面に沿うように前記予定の水路堤体の堤体の外側左右側面を規定する所要長さの左右の側面型枠を溝壁面に沿って複数個脱着可能に且つ地盤に固定できるように連設して側面型枠列を形成する側面型枠設置の工程、
ニ:前記区間Kiの工区又はこれにその後の1つ又は複数の区間の一部を加えた工区において、前記ハの側面型枠設置の工程の後、前記水路設置溝内に成形固化される予定の水路堤体の水路となる凹部を形成する一段又は複数段の段積みして所定の高さとして且つ所定巾dの前記中子型枠を前記の左右に設置された前記側面型枠列の中間位置に複数個溝方向に沿って列設させて中子型枠列を形成する中子型枠設置の工程、
ホ’:前記水路設置溝の溝に沿っての前記所定長さLの区間Kiの工区又はこれにその後の1つ又は複数の工事順の区間の一部を加えた工区において、前記ハの側面型枠設置の工程で前記水路設置溝の左右の溝壁面それぞれに複数設置させて形成された前記側面型枠列と、前記ニの中子型枠設置の工程で左右の前記側面型枠列の中間位置に溝方向に列設された所定高さの複数の前記中子型枠列との2つの型枠列を設置した区間Kiの前継目工区となる長さLの工区にはこれと重なる前の区間Ki-1の後継目工区における改良土壌の一部投入に加え、前記改良土壌を予定の堤体の高さまで充分に充填するように複数回に分けて投入し、しかも投入毎にその改良土壌の上面を締め固め、及び区間Kiの長さLの中間工区において前記側面型枠列と前記中子型枠列との間の空間を予定の堤体高さまで充分に充填するように前記改良土壌を複数回に分けて投入し、しかもその投入毎に改良土壌の上面を締め固め、区間Kiの前記前継目工区の長さLと中間工区の長さLの水路堤体を構築し、更に区間Kiの後継目工区には前記改良土壌を前記堤体高さより低い高さで溝方向にその高さが漸減するように投入し、長さLの後継目工区は未完堤体の高さのままにする区間Kiの水路堤体構築の工程、
ヘ’:前記ホ’の区間Kiの水路堤体構築の工程の後、次の区間Ki+1で側面型枠列と中子型枠列が設置されていなければ、前記ハ,ニの工程を繰り返して区間Ki+1で側面型枠列と中子型枠列とを設置し、その後前記ホ’の工程と同様に次の区間Ki+1の前継目工区の長さLと中間工区長さLのL+Lでの改良土壌の充填投入毎の締め固めによって水路堤体を構築し、残りの後継目工区は投入する改良土壌の高さを溝方向に漸減するように低い投入とするだけの未完の堤体とする水路堤体構築の工程を行い、以下工事順番i+1に1増やした区間Ki+2の前継目工区と中間工区で同様に改良土壌の複数回の投入毎の締め固めと後継目工区での未完の改良土壌の投入を繰り返すことで水路堤体を長く延長する水路堤体延長の工程、
ト’:前記ハ,ニ,ホ’,ヘ’の工程により長く構築された前記水路堤体の改良土壌が固化すれば、この水路堤体から中子型枠を脱型して形成された凹部が前記水路堤体の水の流れる水路とする凹部形成の工程、
チ’:前記ト’の凹部形成の工程で前記水路堤体に形成された凹部の底部に前記改良土壌を所定厚み投入して底打ちして水路底面を形成し、残りの凹部空間を水路とする水路構築の工程、
リ’:前記チ’の水路構築の工程の後又は途中で前記水路堤体が成形固化すれば、前記側面型枠を前記地盤との固定を解いて前記水路設置溝から引き抜いて側面型枠跡の空間が発生すると、その発生した空間に地表からグラウト又はセメント系固化剤を注入してその空間を固化物で充填して、水路堤体を地盤中に強固に構築する堤体強化構築の工程、
ヌ:構築された前記水路堤体の水路を上流・下流の前記水路接続部において他の水系の水路と接続する水路接続の工程
4) 下記のイ,ロ,ハ,ニ,ホ,ヘ,ル,ヲ,ワ,ヌの工程をその順序で施工して地表の地盤に、土壌と硬化剤又は固化剤を混入した改良土壌でもって長い継目のない連続的水路堤体を成形固化することで水路を構築する、水路構築工法
イ:前記水路を構築する前記地盤に、構築する予定の前記水路の水路堤体巾より巾広く且つ前記水路の水深より深い寸法の水路設置溝を予定の水路方向に長く開削する溝開削の工程、
ロ:前記イの溝開削の工程で長く開削された前記水路設置溝に対して、前記予定の水路の上流と下流の水路接続部を除いて溝方向に沿って、長さLの前継目工区と,中間の工区となる長さLの中間工区と,前記した同じ長さLの後継目工区とからなり且つ工区合計長さが2L+Lの合計Lの長さを有する複数の工事順1,2,3,・・・,iの区間K,K,K,K,・・,Ki,・,・,でもって、しかも前の区間の後継目工区と次の後の区間の前継目工区とが重なるように設定する区間設定の工程、
ハ:前記ロの区間設定の工程で設定された各区間K,K,・・,Kiの工事順iの区間Kiの工区長さLの工区又はこれに区間Kiの後の1つ又は複数の工事順の区間の一部を加えた工区において、前記水路設置溝の左右それぞれの溝壁面に沿うように前記予定の水路堤体の堤体の外側左右側面を規定する所要長さの左右の側面型枠を溝壁面に沿って複数個脱着可能に且つ地盤に固定できるように連設して側面型枠列を形成する側面型枠設置の工程、
ニ:前記区間Ki又はその後の1つ又は複数の区間の一部を加えた工区において、前記ハの側面型枠設置の工程の後、前記水路設置溝内に成形固化される予定の水路堤体の水路となる凹部を形成する一段又は複数段の段積みして所定の高さとして且つ所定巾dの中子型枠を前記の左右に設置された側面型枠列の中間位置に複数個溝方向に沿って列設させて中子型枠列を形成する中子型枠設置の工程、
ホ:前記水路設置溝の溝に沿っての前記所定長さLの区間Kiの工区又はこれにその後の1つ又は複数の工事順の区間の一部を加えた工区において、前記ハの側面型枠設置の工程で前記水路設置溝の左右の溝壁面それぞれに複数設置させて形成された前記側面型枠列と、前記ニの中子型枠設置の工程で左右の前記側面型枠列の中間位置に溝方向に列設された所定高さの複数の前記中子型枠列との2つの型枠列を設置した区間Kiの前継目工区となる長さLの工区にはこれと重なる前の区間Ki-1の後継目工区における改良土壌の一部投入に加え、前記改良土壌を予定の堤体の高さまで充分に充填するように投入し、その充填した土壌の上面を締め固めして又は締め固めせず区間Kiの長さLの中間工区において前記側面型枠列と中子型枠列との間の空間を予定の堤体高さまで充分に充填するように前記改良土壌を投入し、前記の前継目工区と中間工区で充填するように投入された改良土壌をその上面から締め固めて、区間Kiの前記前継目工区の長さLと中間工区の長さLの水路堤体を構築し、更に区間Kiの後継目工区には前記改良土壌を前記堤体高さより低い高さで溝方向にその高さが漸減するように投入し、長さLの後継目工区は未完堤体の高さのままにする区間Kiの水路堤体構築の工程、
ヘ:前記ホの区間Kiの水路堤体構築の工程の後、次の区間Ki+1で側面型枠列と中子型枠列が設置されていなければ、前記ハ,ニの工程を繰り返して区間Ki+1で側面型枠列と中子型枠列とを設置し、その後前記ホの工程と同様に次の区間Ki+1の前継目工区の長さLと中間工区長さLのL+Lでの改良土壌の充填投入と締め固めて水路堤体を構築し、残りの後継目工区には投入する改良土壌の高さを溝方向に漸減するように低い投入とするだけの未完の堤体とする前記ホの水路堤体構築の工程を行い、以下工事順番i+1に1増やした区間Ki+2で同様に改良土壌の投入と締め固めと未完の改良土壌の投入を繰り返すことで水路堤体を長く延長する水路堤体延長の工程、
ル:前記ヘの水路堤体延長の工程の後又は途中で水路堤体が成形固化すれば、中子型枠列は水路堤体内に残置したまま前記側面型枠を地盤との固定を解いて前記水路設置溝から引き抜いて側面型枠跡の空間が発生すると、その発生した空間に地表からグラウト又はセメント系固化剤を注入してその空間を固化物で充填して、前記水路堤体の外側を地盤中に強固に構築する堤体強化構築の工程、
ヲ:前記ハ,ニ,ホ,ヘの工程により長く構築されて前記水路堤体の改良土壌が固化された水路堤体から前記中子型枠を脱型して形成された凹部が水路堤体の水の流れる水路とする凹部形成の工程、
ワ:前記ヲの凹部形成の工程で水路堤体に形成された凹部の底部に前記改良土壌を所定厚み投入して底打ちして水路底面を形成し、残りの凹部空間を水路とする水路構築の工程、
ヌ:構築された前記水路堤体の水路を上流・下流の前記水路接続部において他の水系の水路と接続する水路接続の工程
5) 下記のイ,ロ,ハ,ヨ,タ,ル,ソ,ワ,ヌの工程をその順序で施工して地表の地盤に、土壌と硬化剤又は固化剤を混入した改良土壌でもって長い継目のない連続的水路堤体を成形固化することで水路を構築する、水路構築工法
イ:前記水路を構築する前記地盤に、構築する予定の前記水路の水路堤体巾より巾広く且つ前記水路の水深より深い寸法の水路設置溝を予定の水路方向に長く開削する溝開削の工程、
ロ:前記イの溝開削の工程で長く開削された前記水路設置溝に対して、前記予定の水路の上流と下流の水路接続部を除いて溝方向に沿って、長さLの前継目工区と,中間の工区となる長さLの中間工区と,前記した同じ長さLの後継目工区とからなり且つ工区合計長さが2L+Lの合計Lの長さを有する複数の工事順1,2,3,・・・,iの区間K,K,K,K,・・,Ki,・,・,でもって、しかも前の区間の後継目工区と次の後の区間の前継目工区とが重なるように設定する区間設定の工程、
ハ:前記ロの区間設定の工程で設定された各区間K,K,・・,Kiの工事順iの区間Kiの工区長さLの工区又はこれに区間Kiの後の1つ又は複数の工事順の区間の一部を加えた工区において、前記水路設置溝の左右それぞれの溝壁面に沿うように前記予定の水路堤体の堤体の外側左右側面を規定する所要長さの左右の側面型枠を溝壁面に沿って複数個脱着可能に且つ地盤に固定できるように連設して側面型枠列を形成する側面型枠設置の工程、
ヨ:前記区間Ki又はその後の1つ又は複数の区間の前継目工区と中間工区の工区において、
中子型枠として複数段に段積みして所定の高さとなる段積可能な中子型枠を使用し、最下段の中子型枠を左右の前記側面型枠の中間位置の水路溝底上に多数列設し、その後その最下段の中子型枠の高さまで改良土壌を充填し、その高さで締め固めた後次段の中子型枠を段積みし、次段の中子型枠と前記側面型枠との間の空間に改良土壌を投入して次段の中子型枠の高さまでこれを充填し、その後充填した改良土壌を締める工程を前記中子型枠を段積みして高くする毎に繰り返すことで、前記中子型枠を所定高さまでの段積みし且つ段積みされた所定高さの中子型枠と側面型枠との間の空間には改良土壌を充填し且つ締め固められた状態とし、区間Kiの後継目工区は改良土壌充填は低い高さで溝方向にその高さが漸減するように不完全堤体の高さとする中子型枠設置と改良土壌の充填締め固めの工程、
タ:前記ヨの区間Kiの充填締め固めの工程の後、次の区間Ki+1で側面型枠列と中子型枠列が設置されていなければ、前記ハ,ヨの充填締め固めの工程を繰り返して次の区間Ki+1の前継目工区の長さLと中間工区長さLのL+Lでの改良土壌の充填投入と締め固めて水路堤体を構築し、残りの後継目工区は投入する改良土壌の高さを溝方向に漸減するように低い投入とするだけの未完の堤体とする水路堤体構築工程を行い、以下更に工事順番i+1に1増やした区間Ki+2で同様に段積み中子型枠の設置と前継目工区と中間工区で中子型枠の段積毎の改良土壌の投入と締め固めと後継目工区での未完の改良土壌の投入を繰り返すことで水路堤体を長く延長する水路堤体延長の工程、
ル:前記タの水路堤体延長の工程の後又は途中で水路堤体が成形固化すれば、前記中子型枠列は前記水路堤体内に残置したまま前記側面型枠を地盤との固定を解いて前記水路設置溝から引き抜いて側面型枠跡の空間が発生すると、その発生した空間に地表からグラウト又はセメント系固化剤を注入してその空間を固化物で充填して、水路堤体の外側を地盤中に強固に構築する堤体強化構築の工程、
ソ:前記ハ,ヨ,タ,ルの工程により長く構築された水路堤体の改良土壌が固化された水路堤体から中子型枠を脱型して形成された凹部が水路堤体の水の流れる水路とする凹部形成の工程、
ワ:前記ソの凹部形成の工程で水路堤体に形成された凹部の底部に前記改良土壌を所定厚み投入して底打ちして水路底面を形成し、残りの凹部空間を水路とする水路構築の工程、
ヌ:構築された前記水路堤体の水路を上流・下流の前記水路接続部において他の水系の水路と接続する水路接続の工程
6) 下記のイ,ロ,ハ,ニ,ホ’,ヘ’,ル,ヲ,ワ,ヌの工程をその順序で施工して地表の地盤に、土壌と硬化剤又は固化剤を混入した改良土壌でもって長い継目のない連続的水路堤体を成形固化することで水路を構築する、水路構築工法
イ:前記水路を構築する前記地盤に、構築する予定の前記水路の水路堤体巾より巾広く且つ前記水路の水深より深い寸法の水路設置溝を予定の水路方向に長く開削する溝開削の工程、
ロ:前記イの溝開削の工程で長く開削された前記水路設置溝に対して、前記予定の水路の上流と下流の水路接続部を除いて溝方向に沿って、長さLの前継目工区と,中間の工区となる長さLの中間工区と,前記した同じ長さLの後継目工区とからなり且つ工区合計長さが2L+Lの合計Lの長さを有する複数の工事順1,2,3,・・・,iの区間K,K,K,K,・・,Ki,・,・,でもって、しかも前の区間の後継目工区と次の後の区間の前継目工区とが重なるように設定する区間設定の工程、
ハ:前記ロの区間設定の工程で設定された各区間K,K,・・,Kiの工事順iの区間Kiの工区長さLの工区又はこれに区間Kiの後の1つ又は複数の工事順の区間の一部を加えた工区において、前記水路設置溝の左右それぞれの溝壁面に沿うように前記予定の水路堤体の堤体の外側左右側面を規定する所要長さの左右の側面型枠を溝壁面に沿って複数個脱着可能に且つ前記地盤に固定できるように連設して側面型枠列を形成する側面型枠設置の工程、
ニ:前記区間Ki又はその後の1つ又は複数の区間の一部を加えた工区において、前記ハの側面型枠設置の工程の後、前記水路設置溝内に成形固化される予定の水路堤体の水路となる凹部を形成する一段又は複数段の段積みして所定の高さとして且つ所定巾dの中子型枠を前記の左右に設置された側面型枠列の中間位置に複数個溝方向に沿って列設させて中子型枠列を形成する中子型枠設置の工程、
ホ’:前記水路設置溝の溝に沿っての前記所定長さLの区間Kiの工区又はこれにその後の1つ又は複数の工事順の区間の一部を加えた工区において、前記ハの側面型枠設置の工程で水路設置溝の左右の溝壁面それぞれに複数設置させて形成された前記側面型枠列と、前記ニの中子型枠設置の工程で左右の前記側面型枠列の中間位置に溝方向に列設された所定高さの複数の前記中子型枠列との2つの型枠列を設置した区間Kiの前継目工区となる長さLの工区にはこれと重なる前の区間Ki-1の後継目工区における改良土壌の一部投入に加え、前記改良土壌を予定の堤体の高さまで充分に充填するように複数回に分けて投入し、しかも投入毎にその改良土壌の上面を締め固め、及び区間Kiの長さLの中間工区において前記側面型枠列と前記中子型枠列との間の空間を予定の堤体高さまで充分に充填するように前記改良土壌を複数回に分けて投入し、しかもその投入毎に改良土壌の上面を締め固め、区間Kiの前記前継目工区の長さLと中間工区の長さLの水路堤体を構築し、更に区間Kiの後継目工区には前記改良土壌を前記堤体高さより低い高さで溝方向にその高さが漸減するように投入し、長さLの後継目工区は未完堤体の高さのままにする区間Kiの水路堤体構築の工程、
ヘ’:前記ホ’の区間Kiの水路堤体構築の工程の後、次の区間Ki+1で側面型枠列と中子型枠列が設置されていなければ、前記ハ,ニの工程を繰り返して区間Ki+1で側面型枠列と中子型枠列とを設置し、その後前記ホ’の工程と同様に次の区間Ki+1の前継目工区の長さLと中間工区長さLのL+Lでの改良土壌の充填投入と締め固めて水路堤体を構築し、残りの後継目工区は投入する改良土壌の高さを溝方向に漸減するように低い投入とするだけの未完の堤体とする水路堤体構築の工程を行い、以下工事順番i+1に1増やした区間Ki+2で同様に改良土壌の投入と締め固めと未完の改良土壌の投入を繰り返すことで水路堤体を長く延長する水路堤体延長の工程、
ル:前記ヘ’の水路堤体延長の工程の後又は途中で前記水路堤体が成形固化すれば、前記中子型枠列は前記水路堤体内に残置したまま前記側面型枠を地盤との固定を解いて前記水路設置溝から引き抜いて側面型枠跡の空間が発生すると、その発生した空間に地表からグラウト又はセメント系固化剤を注入してその空間を固化物で充填して、前記水路堤体の外側を前記地盤中に強固に構築する堤体強化構築の工程、
ヲ:前記ハ,ニ,ホ’,ヘ’の工程により長く構築されて前記水路堤体の改良土壌が固化された前記水路堤体から前記中子型枠を脱型して形成された凹部が前記水路堤体の水の流れる水路とする凹部形成の工程、
ワ:前記ヲの凹部形成の工程で前記水路堤体に形成された前記凹部の底部に前記改良土壌を所定厚み投入して底打ちして水路底面を形成し、残りの凹部空間を水路とする水路構築の工程、
ヌ:構築された前記水路堤体の水路を上流・下流の前記水路接続部において他の水系の水路と接続する水路接続の工程
7) 前記側面型枠は、これを取付ける前記水路設置溝の位置の地盤上面に接地する接地部を前記側面型枠の上部から水平外方向に張り出すように設けた構造であり、前記側面型枠の前記接地部はその取付位置の地盤上面に置いた後、別体の杭を接地部に貫通させて地盤深くに打ち込んで前記側面型枠を地盤に迅速に取付けられるようにした、前記1)~6)いずれか記載の水路構築工法
8) 脱型した前記中子型枠及び脱型した前記側面型枠を、後の工事順番jの区間Kjでの中子型枠・側面型枠として再使用して型枠使用枚数を減じた、前記1)~7)いずれか記載の水路構築工法
9) 左右の前記側面型枠の中間位置で前記水路設置溝の溝底に前記中子型枠を設置する際に、前記中子型枠の下部の位置を固定する複数のアンカー部材を前記中子型枠の下部周縁で前記溝底の地盤に打ち込んで、水路構築作業中に前記中子型枠の設置位置が移動しないようにして正確な水路を構築できるようにした、前記1)~8)いずれか記載の水路構築工法
10) 構築予定の水路が湾曲している個所における前記水路設置溝も同じ湾曲の曲率で変曲し、併せて左右の側面型枠もその同じ曲率をもって湾曲するように平面配置し、又前記左右の前記側面型枠の中間位置となるように同じ曲率でもって前記中子型枠を平面配置して、水路の湾曲部を形成できるようにした、前記1)~9)いずれか記載の水路構築工法
11) 前記1)~10)いずれか記載の水路構築工法の為に、前記水路設置溝の左右溝壁面に沿って設置される所定巾lの側面型枠であって、
前記側面型枠は前記水路設置溝を掘削した地盤上面に接地する接地部と、同接地部の溝側端から立上って溝方向に延びる山型状の立上り部と、同立上り部の溝側先端から前記水路設置溝の溝底面まで延びて前記水路堤体の外側左右面を規定する面状の型枠側面部と、前記型枠側面部の巾lの前後端位置それぞれから前記水路設置溝の溝側面に接するまで折曲させた前後の板状の仕切板とを有し、
又前記接地部には型枠を前記地盤に固定させる杭の打込用の杭孔を設けた構造とした、側面型枠
12) 前記側面型枠をFRP製の素材で一体成型させたものとした、前記11)記載の側面型枠
にある。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、開削した水路設置溝に設置する側面型枠及び中子型枠は一定の形状のFRP製等の強い強度の樹脂製型枠を工場で製造して用意し、左右の側面型枠は溝の地盤に杭打等で簡単に固定でき、中子型枠は左右の側面型枠の中間位置に設置するだけで型枠のセッティングができるので、従来の如く左右一対の面板の2組をその支持部材を用いての現場での組み立て作業が不要であり、この従来の型枠セッティングの工数に比べ大巾に低減でき、しかも水路堤体に地盤の土壌に硬化剤又は固化剤を混入した改良土壌を使用するので、生コンに比べ安価で且つ比重も1.4~1.5程度の低いものにできるので、工事材料費が大巾に安価にでき、しかも作製された水路堤体の重さも軽くなり、不等沈下の発生を少なくしている。更に、本発明の水路堤体は区間毎に作製していくが、区間の前継目工区と後継目工区が重複して改良土壌の投入と締め固めることで、その区間の継目がなく連続した水路堤体の構築を可能とし、水路の水洩れが少ないという優れた利点を有する。更に、現場で面板を用いて型枠組立と型枠の強度支持をする必要がないので、型枠組・セッティングの工数が大巾に低減でき、コスト及び工期を短縮できるようになる。生コンは使用するが、生コン注入が水路設置溝の溝内側寄りであるので、生コンの注入作業の生コン圧送ポンプ車のセット及び圧送管の配管も容易となる。
【0010】
更に、中子型枠を複数段の段積みして高くでき、且つ段積み毎に改良土壌の投入と締め固めを行う作業をする発明では、中子型枠の頂部に足場部材を載置でき、又は重量ある荷役機材の設置の荷重受止部材となり、作業者の移動及び締め固め機材等の昇降仮置場を容易とする。
更に、従来の大型の型枠組みを必要としないので、水路溝の開削巾を短くできて、開削体積を半分以下で、矢板打ち込みも不要にでき、工事が大巾に簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は実施例1,2,3共通のイ,ロ,ハの工程を示す工程説明図である。
図2図2は実施例1~6共通のロの工程における開削した水路設置溝における区間K,K,K,・・・の区間割付けと、区間Kiの前継目工区と中間工区と後継目工区の重なり状態を示すロの区間設定工程の説明図である。
図3図3は実施例1~6共通の側面型枠と中子型枠の平面配置状態を示す説明図である。
図4図4は実施例1,4における中子型枠設置と改良土壌の投入・締め固めの工程を示す工程説明図である。
図5図5は実施例1,4におけるホ,ヘの前継目工区と後継目工区での改良土壌の2回分けの投入とその後の締め固め(成形)作業及び中間工区における改良土壌の1回投入と締め固め(成形)の工程を示す説明図である。
図6図6は実施例1,2,3共通の中子脱型の工程を示す説明図である。
図7図7は実施例1,2,3の側面型枠の脱型と生コンの注入の工程とその固化した状態の水路完成状態を示す説明図である。
図8図8は実施例1~6で使用される側面型枠と中子型枠の断面図である。
図9図9は実施例4,5,6のイ,ロ,ハの工程を示す説明図である。
図10図10は実施例2,5の中子型枠の各段毎の改良土壌投入・締め固めの2段式の改良土壌の成形を示す説明図である。
図11図11は実施例3,6の2回の改良土壌の投入と締め固めの工程を示す側面型枠と一段式の中子型枠の設置状態と改良土壌の充填と締め固めの工程を示す説明図である。
図12図12は実施例2,3,5,6における側面型枠と2段積みの段積中子型枠の平面配置状態とその作業工程を示す説明図である。
図13図13は実施例2,3,5,6の各区間の前継目工区と各区間の後継目工区での2段階の改良土壌と締め固めを示す説明図である。
図14図14は実施例1,2,3の中子型枠の脱型と改良土壌の投入と底打ちの工程を示す説明図である。
図15図15は実施例1,2,3の側面型枠の脱型と生コンの注入の工程を示す説明図である。
図16図16は実施例5の2段式の段積みの中子型枠を用いての水路堤体成形の改良土壌の段積み毎の投入充填と締め固め工程を示す説明図である。
図17図17は実施例4,5,6の側面型枠の脱型と生コンの注入の工程を示す説明図である。
図18図18は実施例4,5,6の中子型枠の脱型と改良土壌の投入と底打ちの工程を示す説明図である。
図19図19は水路及び水路堤体が湾曲している部分の水路堤体を示す平面図である。
図20図20図19のX-Y線に沿っての水路堤体及び側面型枠と中子型枠の形状を示す断面図である。
図21図21は従来のコンクリート製水路堤体の構築工法を示す説明図である。
図22図22は従来のコンクリート製水路堤体における左右の堤体成形用型枠の平面配置を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明では、先に中子型枠を脱型して水路の底打ちを行った後に、外側の側面型枠を脱型して、生コン・グラウト等を側面型枠脱型後の空間に流し込む工程の手順の形態の請求項1,2,3の発明と、中子型枠を水路堤体内に残置したまま側面型枠を先に脱型して、グラウト・生コンをその空間に流入して、そのグラウト・生コンが固化した後中子型枠を脱型して底打ち等の処理をする手順の形態の請求項4,5,6の発明とがある。いずれも本出願の発明に含まれるものである。
【0013】
しかも、上記形態の発明でも請求項1,4の発明の如く、所定高さの中子型枠は所定高さの一段式又は複数段で所定高さとなる段積みの中子型枠を側面型枠の中間位置に設置して、側面型枠と所定高さの中子型枠との間の所定高さの深い空間に一括して改良土壌を投入・充填して締め固める一回投入方法の形態がある。請求項2,5の発明の如く中子型枠を段積み可能として最下段の中子型枠を設置すると、その最下段の高さの中子型枠の高さまで改良土壌を投入・充填して締め固め、その後次段の中子型枠を段積みし、段積みした高さ分だけ改良土壌を投入・充填し、その後締め固める作業をその段数まで繰り返すことで所定高さまで改良土壌を投入・充填して締め固める中子段積み毎の投入充填締め固め方法の形態がある。後者の段積み毎に投入→充填→締め固める方法の形態の方が改良土壌の締め固めが充分にできるので、強い改良土壌の固化後の水路堤体は強度が高いものにできるので好ましい。又、前者の一回投入方法の形態は水路の水深が浅い場合に主に採用される。水深が深い水路の場合は後者の中子型枠が段積みできて、段積み毎の分割投入締め固め方式又は請求項3,6の如く、次に説明する複数回投入毎締め固め方法が採用される。
【0014】
更に、請求項3,6の発明では、請求項1,4の発明の如く前記一回投入締め固め方法と、請求項2,5の発明の如く段積み式中子型枠を最下段の中子型枠からその1段,2段と段積みする毎に改良土壌の投入とその上面の締め固めを行う前記中子段積み毎の投入充填締め固め方法の他に、その上記の方法の折衷の方法として、所定高さの中子型枠を中間位置に配置した後、この中子型枠と側面型枠との間の空間に改良土壌を所定高さになるまで複数回に分けて投入し、投入毎に投入された改良土壌の上面を締め固める複数回投入毎締め固め方法があり、これは請求項3,6の発明の形態である。
【0015】
又、本発明は前継目工区のLと、中間工区のLと、後継目工区のLの長さ2L+L=Lの長さで、作業の区間K,K,K,・・・に分けて、水路溝の溝に沿って区間K,K,K,・・・に分けて順序iをもって施工するが、各区間Kiで前継目工区の長さLと前の区間の後継目工区の長さLとは同じLの工区で重複させている。前の区間Kiの後継目工区では改良土壌を一部のみ投入し、次の区間Ki+1の前継目工区となって充分な改良土壌が所定高さまで投入・充填されて締め固められることで、継目なしに改良土壌が投入・充填・締め固められて、継目なく連続した水洩れが少ない改良土壌による水路堤体が長く構築できる。又、前方の工区で使用した側面型枠・中子型枠を脱型させた後、後方の後の工区で再使用すれば工事に必要な側面型枠・中子型枠の使用枚数を少なくできる。
【実施例0016】
(実施例1/図1~8参照)
以下、本発明の実施例1~6を図面を用いて具体的に説明する。
【0017】
いずれの実施例1~6も、地盤を予定水路方向に開削した所定巾の長い水路設置溝に対して、長さ2L+Lの長さを有する複数の工事順iの工区Kiを設定計画する。各工区Kiは先に工事する長さLの前継目工区と,中間の長いLの中間工区と,工区Kiの先端となる長さLの後継目工区とに分かれている。そして、長さLの工区Kiの前継目工区と前の工区Ki-1の長さLの後継目工区とが重なるように工区設定する。工区Kiの前継目工区と前の工区Ki-1の後継目工区は重なって、前の工区Ki-1の工事の後継目工区の工事では改良土壌を所定高さ以下の高さで漸減するように一部量しか投入せず且つ溝方向にその高さが漸減するように投入する。次の工区Kiの前継目工区の工事で改良土壌を所定の高さになるまで投入して締め固める。又は、次の中間工区での投入した改良土壌の締め固めと同時に締め固めてもよい。長さLの工区Kiの中間工区では改良土壌は所定高さまで投入して締め固めた状態とし、更に長さLの工区Kiの後継目工区では前記の如く改良土壌の高さが漸減するように一部しか投入しないようにして、且つ投入した改良土壌の高さが漸次低くなるように前後工区の同じ位置となる後継目工区と前継目工区は前後の工区Kiによって所定高さまでの改良土壌の投入とその締め固めを行う。よって、実施例1~6では水路堤体は継目のない水路を構築できる。よって、従来の継目から洩水の問題は解消できる。
【0018】
(各実施例1~6の特徴説明/実施例1/図1~3,4~8参照)
図1~8に示す実施例1は本願発明の請求項1に係る発明の実施例であり、水深が浅い水路の構築に適したものであり、図4に示すように水路堤体の形成に外側の左右の長い個数の側面型枠とその左右中間に配置する長い中子型枠の間の空間に改良土壌を一回で投入し、投入完了後に地上面の締め固めを行い、その後図6に示すように中子型枠を先に脱型して、その凹部に改良土壌の投入と底打ちして水路とした後、図7に示すように外側の側面型枠を脱型して、その外側空間にグラウト・セメント系固化剤の生コンを注入して、改良土壌の水路堤体の外側をコンクリート固化物で保持する継目なしの水路構造である。
【0019】
(実施例2/継目なしの図1~3,9,10,12~15参照)
図1~3,9,10,12~15で示す実施例2は本願発明の請求項2に係る発明の実施例である。同実施例2では、外側の左右側面型枠の設置後に、図10に示すように同側面型枠の中間位置に所定の高さにできる上下2段の段積みの下段の中子型枠を溝方向に複数個列設後に、図10に示すようにその側面型枠と中子型枠との間の空間に下段中子型枠の高さまでの1回目の改良土壌の投入と、その投入した改良土壌表面での締め固め、その後に上段中子型枠を段積みし、1回目の締め固めした改良土壌上に2回の改良土壌の投入とその投入改良土壌の上面(所定の高さにある上面)の締め固めを行う中子段積み毎の改良土壌の投入とその上面の締め固めることによって所定高さの図13に示す水路堤体を形成し、その後図14に示すように中子型枠を先に脱型してその凹部内に改良土壌を投入して底打ちを行い、その後図15に示すように外側の左右の側面型枠を脱型してその空間にグラウト又はセメント系固化剤の生コンを注入して、コンクリート固化物で前記水路堤体の外側を保持する例である。
【0020】
(実施例3/図1~3,11~15参照)
図1~3,11~15示す実施例3は本願の請求項3に係る発明の実施例である。実施例3では、図11に示すように外側の左右の側面型枠を長く列設後に段積みして所定高さとした中子型枠を左右の側面型枠の中間位置で最下段の中子型枠設置した後、複数回に分けて改良土壌を投入し、その投入毎に改良土壌の上面を締め固めることを複数回繰り返すことで、所定高さまで改良土壌の投入と締め固めを行うことで図13に示すように改良土壌による水路堤体を形成し、その後図14に示すように中子型枠を脱型して中子型枠の後の凹部の空間に更に改良土壌を投入してその底打ちを行った後、図15に示すように外側の側面型枠を脱型し、脱型した空間にグラウト又はセメント系固化剤の生コンを注入して、改良土壌の水路堤体の外側をコンクリート固化物で保護する例である。
【0021】
(実施例4,5,6/図9,16~18)
実施例4,5,6は本願の請求項4,5,6の発明の実施例であって、前の請求項1,2,3の実施例1,2,3において、中子型枠を先に脱型するのではなくて、図17に示すように脱型の順番が外側の側面型枠の脱型が先にして、グラウト・セメント系固化剤の生コンの注入して、外側のコンクリート固化物による外側保護をした後、図18に示すように中子型枠を脱型し、脱型の凹部に改良土壌を投入して底打ちを行って水路を形成する例である。各実施例4,5,6は各実施例1,2,3の例とは改良土壌の投入・締め固めの手順を同じにするが、側面型枠と中子型枠の脱型が逆の手順で脱型した例である。しかし、いずれも継目なしのコンクリート固化物で保護された改良土壌の水路堤体・水路を構築する結果では略同一となるもので、工程の手順が違うが略同等の水路堤体・水路を構築できるものである。
【0022】
(実施例1~6の符号の説明)
実施例1~6において、同じ構成・共通の構成については同じ符号を付している。
は実施例1の水路構築工法、Gは実施例2の水路構築工法、Gは実施例3の水路構築工法、Gは実施例4の水路構築工法、Gは実施例5の水路構築工法、Gは実施例6の水路構築工法を示す。GRは本発明の水路を構築する平坦な地表の地盤、SMは地盤GRを予定の水路より広くその水深より深く開削された溝深さ約650mmで左右溝巾が9000mmの水路設置溝、SMは同水路設置溝の溝壁面、STは本発明で形成される改良土壌による水路堤体、SRは同水路堤体によって構築される水路、KSは水路設置溝SMの左右の溝壁面SMに取付けられる高さが略750mmのFRP製一体成型品の側面型枠、KSは側面型枠の上部から水平方向に張り出すように設けた溝方向に長い水平な接地部、KS11は同接地部に設けた2個の杭孔で、これに止杭TKを打ち込んで側面型枠KSを地盤GRに脱着自在に取付ける。KSは側面型枠KSの接地部KSの溝側端から立上る山型の立上り部、KSは同立上り部KSの溝側から折曲して下方に650mm程垂下した面状の型枠面となる側面部、KSは同側面部KSの前後端で直角に溝壁面SMに当るまで折曲した仕切板であって、改良土壌からの圧力に耐える強度を側面部KSに発生させるとともに改良土壌の溝壁面SM方向への進入及び側面部KSの内側の溝方向の移動を止める。TKは側面型枠KSの接地部KSの杭孔KS11に打ち込んで側面型枠KSを地盤GRに固定する杭、KNは上段・下段の2段の段積式の箱型の中子型枠であり、KNは中子型枠KNの下段中子型枠、KN11は下段中子型枠KNを構成する左右一対の平行な面板、KN12は同面板KN11の内側の上下端に設けた水平折曲部、KN13は同面板KN11の前後端に内側に向けて折曲した垂直折曲部、KN14は面板KN11の前後端に設けた箱型の中子型枠KNの前後の面板となる隔壁板NWを同じ側に設けた左右の垂直折曲部KN13と連結する連結板、KN15は同連結板KN14を介して面板KN11の左右の垂直折曲部KN13と隔壁板NWとを固着する止ねじ、KN16は下段・上段の中子型枠KN,KNの水平折曲部KN12,KN22とをボルト連結して固着する連結ボルト、KN17は中子型枠KNの下部の外周に打ち込まれる中子型枠KNが移動しないように固定するアンカー部材、KNは中子型枠KNの上段中子型枠、KN21は上段中子型枠KNを構成する左右一対の平行な面板、KN22は同面板N21の上下端に水平に設けた水平折曲部、KN23は同面板KN21の上下端の内側に向けて折曲した垂直折曲部、KN24は面板KN21の前後端に設けた箱型の中子型枠KNの前後の面板となる隔壁板NWを同じ側に設けた左右の垂直折曲部KN23と連結する連結板、KN25は連結板KN24を介して面板KN21の内側の左右に折曲した垂直折曲部KN23と隔壁板NWとを脱着自在に連結して下段中子型枠KNと上段中子型枠KNとを段積み状態に連結する止ねじ、KN26は上段・下段の中子型枠KN,KNの中子蓋である。Ki(i=1,2,3,・・・)は工事順番i番の工区で、前継目工区Kifと中間工区Kimと後継目工区Kibとからなり、全長5500mmの長さである。Kifは工区Kiの前継目工区で1500mmの寸法であり、Kimは工区Kiの中間工区で2500mm程であり、Kibは工区Kiの後継目工区で1500mm程である。SSは土壌にグラウト又はセメント系固化剤を混入して混練した比重は1.4~1.5程の改良土壌である。Kは本発明で構築された水路SRの上流・下流を外部の水系の水路とを接続する別工事の上流又は下流水路接続部の未工事の地盤、CONはグラウト又はセメント系固化剤の生コン、COBはコンクリート固化物である。
【0023】
(実施例1の工事の説明/図1~8参照)
図1~8に示す実施例1(G)の工事について詳しく説明する。
実施例1は、下記の(a):,(イ):,(ロ):,(ハ):,(ニ):,(ホ):,(ヘ):,(ト):,(チ):,(リ):,(ヌ):の工程で工事が施工される。
【0024】
(a)設計:地盤GRに構築する予定の水路堤体STの縦寸法650mmと横巾(底辺700mmで上辺600mm)と、同水路堤体の中央に設ける水路SRの横巾300mmと水深500mmを設計して、地盤GRに開削する水路設置溝SMの寸法溝巾9000mm,深さ650mmを決定する(図1(a),図8参照)。
【0025】
(イ)水路設置溝の開削の工程:次に、図1(b)の如く水路設置溝SMを予定水路に沿って左右溝巾9000mmで深さ650mmで地盤GRを長く開削する。
【0026】
(ロ)区間設定の工程:前記水路設置溝SMを溝方向に工事の工区Ki(iは工事順番1,2,3,・・・)の設定を行う。Kは工区K,K,・・・の上流水路接続部で、各工区Kiは1500mm長さLの前継目工区と,2500mm長さの中間工区と,1500mm長さLの後継目工区とからなり、合計長さ2L+L=Lとして5500mmの長さを有している。しかも、工区Kiの前継目工区と前の工区Ki-1の後継目工区は同じ長さLで重なっている。又、工区Kiの後継目工区と後の工区Ki+1の前継目工区とは同じ長さLで重なるように、工事順i=1,2,3,・・・の工区Kiを水路設置溝SMに設定する。最上流側には上流水路接続部Kを、最下流側には下流水路接続部Kend(図示せず)が設けられ、工区K,K,・・・,Knの水路堤体ST,水路SR構築後、上下流の水系の水路との接続を上流水路接続部K,下流水路接続部Kendで行うようにしている(接続部の工事については省略している)(図2参照)。
【0027】
(ハ)左右の側面型枠設置の工程:開削した水路設置溝の左右の溝壁面SMの上面地盤に左右の図8に示す側面型枠KSの接地部KSを接地し、その接地部KSにある2個の杭孔KS11に別体の丸棒状の2個の杭TKを地盤深くに打ち込んで固定する。一つの側面型枠KSを2個の杭TKで地盤GRに固定する(図1(c),図3図4図8参照)。
【0028】
(ニ)中子型枠設置の工程:前記外側となる溝の左右に側面型枠KSを溝方向に多数個設置後に、図4に示すようにその中間位置に2段に段積みして、組み上った高さ750mmの中子型枠KNを溝方向に長く列設する。中子型枠KNの下段中子型枠KNの下端の水平折曲部KN12は水路設置溝SMの溝底面に接地し、又上下段の中子型枠KN,KNとはその下端と上端の水平折曲部KN12,KN22を対置して連結ボルトKN16で2段積みを連結させている。又、溝方向の前後端では下段・上段の中子型枠KN,KNの前後端に設けた隔壁板NWが前後する中子型枠KNの連結板KN14,KN24で連結して前後方向に密接させている。そして、上段中子型枠KNには中子蓋KN26でその上方開口を閉鎖している(図4,8参照)。このように、工区K,K,Kにおいて側面型枠KSと箱型の中子型枠KNを列設する。
【0029】
(ホ)改良土壌の投入と締め固め工程:左右の溝壁面SMに固定した左右の側面型枠KSの中間位置に上記2段連結の中子型枠KNを設置した後、工区Kの工区Kとの重なる前継目工区Kifに土壌に硬化剤又は固化剤を投入して混練した改良土壌SSを中間程の高さでその上面が溝方向に漸次低くなくなるように投入し、その後工区Kの工事に入って、工区Kの前継目工区Kifに改良土壌SSを更に水路堤体の上面高さまで投入してその上面を締め固めする。又は、この締め固めをしないで工区Kの中間工区Kimに改良土壌SSをその水路堤体の上面高さまで投入し、その後中間工区Kimと前継目工区Kifの投入した改良土壌SSの上面を締め固めする。更に、工区Kの後継目工区Kibでは改良土壌を水路堤体の高さの半分程度で溝方向に漸次その投入高さが減少するように改良土壌SSを投入する。
【0030】
(ヘ)水路堤体延長の工程:その後、続く工区K,K,Kで側面型枠KSと中子型枠KNがなければ、前記(ハ):,(ニ):の工程で型枠設置する。次の工区Kの前継目工区Kifで改良土壌を投入して、水路堤体の高さになるまで投入し、投入中又は投入後その上面を締め固めして又は締め固めせず同じ工区Kの中間工区Kimに改良土壌SSを投入して、水路堤体の高さ程投入後中間工区Kimの投入した改良土壌及び前継目工区Kifの投入した改良土壌SSの上面を締め固めする。そして、工区Kの後継目工区Kibには改良土壌SSを半分程溝方向に漸次低くなるように投入し、次の工区Kを前記工区K同様に改良土壌SSの投入と締め固める作業を工区K,K,K,・・・と繰り返すことで、継目のない改良土壌SSによる水路堤体STを側面型枠KSと中子型枠KNの間に長く連続的に形成させる(図2,3,4(d),(e),図5参照)。
(ト)中子型枠KNの脱型の工程:側面型枠KSと中子型枠KNの間に形成された水路堤体STの改良土壌SSが硬化した後、上下2段組みの中子型枠KNを脱型する(図6参照)。
【0031】
(チ)水路構築の工程:硬化した水路堤体STから中子型枠KNを脱型することで、水路堤体STに凹部が発生する。この凹部に適量の改良土壌SSを投入し、凹部底面に投入した改良土壌SSを締め固め(底打ちして)、その凹部を水路とする(図6(f),(g),図7参照)。
以上の(a):,(イ):,(ロ):,(ハ):,(ニ):,(ホ):,(ヘ):,(ト):,(チ):の作業を所定の数の各工区K,K,K,・・・で繰り返すことで所定長さの水路SRが構築される。
【0032】
(リ)堤体強化構築の工程:水路SRが構築された後、外側の左右の側面型枠KSを脱型する。脱型した側面型枠KSの空間にグラウト又はセメント系固化剤の生コンCONを投入してコンクリート固化物COBを形成させる。これによって、改良土壌SSの水路堤体STと地盤との間にはコンクリート固化物COBが間装され、水路堤体STを強固に保持し、又地盤からの水の水路堤体STへの流入・水圧がかからないようにしている。
このように、コンクリート固化物COBで保護された改良土壌の水路堤体STとその中央の水路SRが構築される(図7(h),(i),(j)参照)。
【0033】
(ヌ)水路接続の工程:水路堤体STと水路SRが構築されると、上流・下流側の外部の水路を構築された水路との接続工事が上流水路接続部K・下流水路接続部Kendの地盤でなされる(この接続水路は地理条件に応じた工事であるので省略している)。
【0034】
(実施例2の工事)
図1~3,9,10,12,13,14,15に示す実施例2は、イ,ロ,ハ,ヨ,タ,レ,チ,リ,ヌの工程で行う。実施例1の中子型枠KNが上下2段連結の中子型枠KN,KNを一体化した水路堤体の高さ程の一段式の中子型枠KNを使用して、中間工区Kimでの改良土壌SSは1回投入で所定の水路堤体の高さにして締め固める例に対し、実施例2の中子型枠KNは上下2段の段積み可能な中子型枠KN,KNを使用する。水路設置溝SMにまず下段中子型枠KNを設置したらこの高さまで改良土壌SSを投入し、その後投入した改良土壌SSを締め固め、その後上段中子型枠KNを下段中子型枠KNに段積みし、連結ボルトKN16で上下連結して一体化して、その後下段中子型枠KNの高さで締め固めた改良土壌の上に更に改良土壌を投入して、上段中子型枠KNの高さまで改良土壌SSを投入し、その後締め固める。このように、上下2段の段積みの中子型枠KNを一段毎に改良土壌SSの投入と締め固めを繰り返して、上下2段の高さまで改良土壌SSを締め固めしながら、改良土壌を水路堤体の高さになるまで繰り返す。この工程を図10(d’),(e’),(e”),(e’’’)で示している。
【0035】
この実施例2では、上下2段の中子型枠KNを各段毎に改良土壌SSの投入と締め固めを行うことで、投入した改良土壌の締め固めが確実に行え、水路堤体の改良土壌の強度が確実に高められ、強度が高く、洩水が少ない水路堤体ST,水路SRを構築できる。他の工程は実施例1と同様であるので、説明を省略する。実施例2のイ,ロ,ハの工程は、実施例1のイ,ロ,ハの工程と同じであり、実施例2のヨ,タ,レと実施例1のニ,ホ,ヘ,トの工程の差異は、中子型枠KNが上下段の段積みと、段積み毎の改良土壌の投入と締め固めの作業の差異である。
この実施例2では、段積みされる中子型枠の頂部の中子蓋KN26上面に作業台の設置及び締め固めの足場が作製し易くなり、作業性がよい。
【0036】
(実施例3の工事/図1~3,11~15参照)
実施例3のイ,ロ,ハ,ニ,ホ’,ヘ’,ト’,チ’,リ’,ヌの工程と、実施例1のイ,ロ,ハ,ニ,ホ,ヘ,ト,チ,リ,ヌの工程とは工程の差異は同じ所定高さの一段式の中子型枠KNを使用しながら実施例1が改良土壌の投入が一回投入でなされ、投入完了後その上面の締め固めがなされるに対し、実施例3では改良土壌SSの投入が複数回に分けてなされ、しかもその投入毎に投入した改良土壌SSの上面を締め固めることによって締め固めが確実になされる点に差異がある。実施例3の方が改良土壌の投入毎の締め固めのために、形成される改良土壌SSによる水路堤体ST・水路SRは密になって、高い強度と水密性が確保される。又、水路堤体STの改良土壌が固化されると、図14の如く中子型枠KNを脱型し、その凹部に改良土壌SSを投入して底打ちする。その後に、実施例1同様に側面型枠を脱型して、その空間に生コンCONを注入して、水路堤体STの外側にコンクリート固化物COBを形成して水路堤体ST・水路SRの強度を高くする(図15参照)。
この実施例3の複数回に分けての投入と締め固めの工程は図11(d),(e)に示している。他は実施例1と同様に継目なしの長い水路堤体・水路が構築される。
【0037】
(実施例4,5,6の工事/図9,16~18参照)
実施例4,5,6は、その改良土壌の投入・締め固め及び使用する中子型枠KNは実施例1,2,3と同じである。実施例4,5,6と実施例1,2,3の差異は、型枠の脱型の手順が実施例1,2,3では中子型枠KNを先に脱型し、その凹部に改良土壌の追加投入して底打ちした後、外側の側面型枠KSを脱型し、その空間にグラウト又はセメント系固化剤の生コンを注入して水路堤体の外側のコンクリート固化物を先に形成する。一方、実施例4,5,6は実施例1,2,3の脱型を外側の側面型枠KSを先に脱型し、その空間にグラウト又はセメント系固化剤の生コンを注入して先にコンクリート固化物を構築させる。その構築途中、水路堤体STには中子型枠KNが存在するので、重量物であるコンクリート固化物COBからの加圧力に対して水路堤体ST内の中子型枠KNがその間の水路堤体STの変形・亀裂・ひび割れ等を生起しないように強度ある中子型枠KNが作用し、水路堤体STの変形・亀裂・変位を防ぎ、水路堤体STの強度が高く且つ水洩れがないようにできる。
型枠脱型を外側の側面型枠KSを先に行い、その空間にグラウト又はセメント系固化剤の生コンCONを注入してコンクリート固化物COBを形成した後、中子型枠KNを脱型して、凹部底に改良土壌SSを投入して底打ちする工程は図17,18に示している。
【0038】
上記実施例1~6は直線的水路SRの構築であるが、水路SRの方向を直角方向等に変曲する工事では図21,22に示す湾曲した水路を本発明の水路途中に設けることによって自在にできる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明が構築する水路としては、大きな河川・貯水池・湖・湧水の水源から中小量の水流を引き込んで、田んぼ・農園・大規模農作地等へ農業用水として給水するための水路,大きな河川の水量制御のために中小量の水流にして分配するための水路,都市・町への生活水源として遠方から取り込む水路,大規模農作地への給水路,大型水泳場のプールへの給水路,工場・ビル・マンションに必要な中水道の水路,都市緑化用給水路等に使用できる水路あるいは排水路・下水道の構築に有益である。
【符号の説明】
【0040】
実施例1の水路構築工法
実施例2の水路構築工法
実施例3の水路構築工法
実施例4の水路構築工法
実施例5の水路構築工法
実施例6の水路構築工法
GR 地盤
SM 水路設置溝
SM 溝壁面
ST 水路堤体
SR 水路
KS 側面型枠
KS 接地部
KS11 杭孔
KS 立上り部
KS 側面部
KS 仕切板
TK 杭
KN 中子型枠
KN 下段中子型枠
KN11 面板
KN12 水平折曲部
KN13 垂直折曲部
KN14 連結板
KN15 止ねじ
KN16 連結ボルト
KN17 アンカー部材
KN 上段中子型枠
KN21 面板
KN22 水平折曲部
KN23 垂直折曲部
KN24 連結板
KN25 止ねじ
KN26 中子蓋
NW 隔壁板
水路接続部
Ki(i=1,2,3,・・・) 工区
Kif 前継目工区
Kim 中間工区
Kib 後継目工区
SS 改良土壌
CON グラウト又はセメント系固化剤(生コン)
COB 水路堤体STを外側で保持するコンクリート固化物
中間工区の長さ
前継目工区・後継目工区の長さ
50 コンクリート底盤
51,52 水路堤体
53,54 型枠
530,540 面板
550 間隔保持部材
560 型枠外支持部材
Y 矢板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22