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  • 特開-スクリューコンベア 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022064778
(43)【公開日】2022-04-26
(54)【発明の名称】スクリューコンベア
(51)【国際特許分類】
   B65G 33/08 20060101AFI20220419BHJP
   B65G 33/30 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
B65G33/08
B65G33/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020173610
(22)【出願日】2020-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】516091846
【氏名又は名称】株式会社DEMS
(71)【出願人】
【識別番号】500118436
【氏名又は名称】岡村 大
(71)【出願人】
【識別番号】520400759
【氏名又は名称】岡村 多美子
(74)【代理人】
【識別番号】100106895
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 洋一
(72)【発明者】
【氏名】岡村 大
【テーマコード(参考)】
3F040
【Fターム(参考)】
3F040AA00
3F040BA01
3F040CA01
3F040CA02
3F040DA02
3F040EA01
3F040FA02
(57)【要約】
【課題】搬送物の搬送量を充分に確保し、燃焼炉に対し空気と燃料を同時に供給して燃焼効率を高め、搬送・空気供給設備のコンパクト化を図る。
【解決手段】スクリュー30の回転軸31は中空に構成され、流路を形成している。また、ケーシング21は円錐状で先端部にはノズル22が形成されている。回転軸31の垂直方向に対する羽根34、35の長さは、回転軸31の先端部に向かって短くなるとともに、回転軸31に対する羽根34、35の角度θは、回転軸先端部に向かって小さくなっている。さらに、回転軸線方向において相対する各羽根34、35のピッチPは、回転軸先端部に向かって大きくなっている。スクリュー30により搬出された搬送物は、回転軸31の流路33を介して回転軸31の先端から噴出する流体と混合され、ケーシング先端より外部に排出される。
【選択図】図5


【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、当該回転軸の周面に回転軸線方向に沿って螺旋状に配置された羽根とからなるスクリューをケーシング内に備え、前記スクリューの回転により搬送物を前記回転軸線方向に搬出するスクリューコンベアであって、
前記回転軸は中空に構成され、流路を形成していること、
及び前記ケーシングの先端部はノズル状に形成されていて、
前記スクリューにより搬出された搬送物が、前記回転軸の流路を介して前記回転軸の先端から噴出する流体と混合され、前記ケーシングの先端部より外部に排出されること、
を特徴とするスクリューコンベア。
【請求項2】
前記回転軸の垂直方向に対する前記羽根の長さは、前記回転軸の先端部に向かって短くなるとともに、前記回転軸に対する前記羽根の角度θは、前記回転軸先端部に向かって小さくなるように形成されていること、
を特徴とする請求項1に記載のスクリューコンベア。
【請求項3】
前記回転軸線方向において相対する各羽根のピッチは前記回転軸先端部に向かって大きくなること、
を特徴とする請求項2に記載のスクリューコンベア。
【請求項4】
前記ケーシングは先端方向に向かって径小な円錐状に形成されていること、
を特徴とする請求項2又は3に記載のスクリューコンベア。
【請求項5】
前記円錐状ケーシングの径は、前記羽根の垂直方向長さに沿って形成されていること、
を特徴とする請求項4に記載のスクリューコンベア。
【請求項6】
前記羽根は多条に配置されていること、
を特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のスクリューコンベア。
【請求項7】
前記羽根は、前記回転軸周面の途中から先端にかけて多条に形成されていること、
を特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のスクリューコンベア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリューコンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、燃焼炉に供給される燃料を搬送するさまざまなスクリューコンベアが提案され、実用化されている。例えば、特許文献1では、コーン形状のスクリューを備えたスクリューコンベアが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-059595
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、羽根の大きさがスクリュー先端に近づくにつれて小さくなるとともに、各羽根のピッチも先端部に向かって短くなっているために、燃料をスクリューの先端部まで運ぶ場合には、あらかじめ先端の羽根間で収容できる量の燃料しか運ぶことができず、搬送量の面で不効率であった。
【0005】
また、燃焼炉では、燃料の他、燃焼効率をよくするため、空気の供給が必要となるが、従来のスクリューコンベアでは、空気の供給と燃料の供給は、それぞれ別の機器ないしはルートによりなされていた。そのため、設備全体が大きくなりがちであり、その分のスペースも必要としていた。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、燃料である搬送物の搬送量を充分に確保するとともに、燃焼炉に対し、空気と燃料を同時に供給して燃焼効率を高め、かつ搬送・空気供給設備のコンパクト化を図り、省スペース化及び低製造コスト化を可能にしたスクリューコンベアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るスクリューコンベアの第1の特徴は、回転軸と、当該回転軸の周面に回転軸線方向に沿って螺旋状に配置された羽根とからなるスクリューをケーシング内に備え、前記スクリューの回転により搬送物を前記回転軸線方向に搬出するスクリューコンベアであって、前記回転軸は中空に構成され、流路を形成していること、及び前記ケーシングの先端部はノズル状に形成されていて、前記スクリューにより搬出された搬送物が、前記回転軸の流路を介して前記回転軸の先端から噴出する流体と混合され、前記ケーシングの先端部より外部に排出されること、にある。
【0008】
また、本発明に係るスクリューコンベアの第2の特徴は、前記第1の特徴における前記回転軸の垂直方向に対する前記羽根の長さが、前記回転軸の先端部に向かって短くなるとともに、前記回転軸に対する前記羽根の角度θは、前記回転軸先端部に向かって小さくなるように形成されていること、にある。
【0009】
さらに、本発明に係るスクリューコンベアの第3の特徴は、前記第2の特徴における前記回転軸線方向において相対する各羽根のピッチは前記回転軸先端部に向かって大きくなること、にある。
【0010】
さらにまた、本発明に係るスクリューコンベアの第4の特徴は、前記第2又は第3の特徴における前記ケーシングが先端方向に向かって径小な円錐状に形成されていること、にある。
【0011】
また、本発明に係るスクリューコンベアの第5の特徴は、前記第4の特徴における前記円錐状ケーシングの径が、前記羽根の垂直方向長さに沿って形成されていること、にある。
【0012】
さらに、本発明に係るスクリューコンベアの第6の特徴は、前記第1から第5までのいずれか1の特徴における前記羽根が、多条に配置されていること、にある。
【0013】
さらにまた、本発明に係るスクリューコンベアの第7の特徴は、前記第1から第5までのいずれか1の特徴における前記羽根が、前記回転軸周面の途中から先端にかけて多条に形成されていること、にある。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、スクリューの回転軸先端から空気が噴出されるとともに、ケーシングの先端がノズル状に形成されているため、スクリューにより搬送された燃料が空気と一緒に燃焼炉に供給され、燃焼炉内の燃焼効率を高めることができる。
【0015】
また、別途空気供給設備を不要とするので、搬送装置を含めた燃焼装置全体のコンパクト化が図られ、省スペースで、かつ製造コストを低く抑えることが可能となる。
【0016】
さらに、本発明によれば、スクリューをコーン形状にした場合に、スクリュー先端に向かうに従って羽根間のピッチを広げることにより、搬送物の量を十分に確保することができる。
【0017】
さらにまた、スクリューを多条の羽根にすることにより、一条の羽根に比べ倍以上の量の燃料を搬送することができ、搬送の効率を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本願発明に係るスクリューコンベアの実施例1の正面断面図である。
図2】実施例1のケーシングの斜視図である。
図3】実施例1のうち、スクリューを二条にした例の正面断面図である。
図4】本願発明に係るスクリューコンベアの実施例2の上面断面図である。
図5】本願発明に係るスクリューコンベアの実施例2の正面断面図である
図6】本願発明に係るスクリューコンベアのスクリュー回転軸の断面図である。
図7】二条スクリューを表したものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例0020】
図1から図3は、本発明に係るスクリューコンベアの実施例1を表したものである。1はケーシングであり、先細状に形成され、ノズル2を備えている。10はケーシング1内に配設されるスクリューである。スクリュー10は、回転軸11と、回転軸11の周面に回転軸線方向に沿って螺旋状に配置された羽根12とから大略構成される。回転軸11は中空に構成され、内部に流体の流路13を形成している。流体は、主として空気又はその他の気体であるが、例えば油やその他の液体など用途に応じて含まれる。
【0021】
図中4は、ケーシング1の先端部に形成されたフランジで、燃焼炉へと通じるパイプ(図示せず)のフランジ部と連結される。また、5はケーシング1の後端部に形成されたフランジであり、ケーシング1の後端開口部を覆う蓋6のフランジ部と連結される。3はケーシングの上部に形成されたホッパーであり、ホッパー3より搬送物である固形又は粉粒状の燃料が搬入される。
【0022】
8はモーターであり、伝動機構により駆動力が回転軸11の後端部18に伝えられ、回転軸11が回転する。14は流路13と連通する流体入口パイプであり、ロータリージョイント19を介して回転軸後端部18と連結している。流体入口パイプ14はコンプレッサなどの流体供給源(図示せず)と連結されていて、流体供給源より供給される圧縮空気などの流体を回転軸11の流路13内に導く。7は回転軸後端部18を軸支する軸受である。
【0023】
ホッパー3より搬入された搬送物はスクリュー10の回転よりスクリュー10の先端へと送られる。また、圧縮空気が流体入口パイプ14から回転軸11の流路13内を通り、回転軸11の先端より噴出される。スクリュー10の先端まで運ばれた搬送物は、回転軸11の先端より噴出される圧縮空気と混合され、圧縮空気に乗って、ケーシング先端部と接続されたパイプを介して燃焼炉へと供給される。
【0024】
ケーシング1のノズル2が先細状になっているため、回転軸11の先端より噴出される圧縮空気は、その勢いを衰えさせることがなくなり、搬送物をケーシング1又は前記パイプ内に滞留させることなく、燃焼炉へスムーズに運ぶことが可能となる。
【0025】
図3は、実施例1のうち、羽根が二条に形成されたものである。すなわち、当該スクリュー15は、回転軸11に羽根16及び羽根17が配設されている。スクリューの羽根を二条にすることにより、一条よりも倍の搬送物を運ぶことができる。また、羽根は、二条の他、三条、四条と多条にすることができ、多条の羽根は、ホッパー3の下方、すなわち回転軸11の周面の途中から先端にかけて形成するようにしてもよい。
【0026】
本発明では、多くの搬送物を運んでも、圧縮空気で連続的にスクリューコンベア外に送出することができるので、スクリューコンベア内に搬送物が残ったり、詰まったりすることがない。
【実施例0027】
図4及び5は、本発明の実施例2を示したものである。実施例2では、スクリュー30の回転軸31の垂直方向に対する二条の羽根34、35の長さが、回転軸31の先端部に向かって短くなるとともに、回転軸31に対する羽根の角度が回転軸31先端部に向かって小さくなるように形成されている。すなわち、回転軸31の先端付近の羽根の角度θは、それよりも後端寄りの羽根の角度θに比べて小さくなっている。
【0028】
また、回転軸31の軸線方向において相対する各羽根34、35のピッチは、回転軸31先端部に向かって大きくなっている。すなわち、図示の例において、回転軸31先端部に近い羽根34のピッチPと回転軸31後方の羽根34のピッチPとでは、ピッチPの方がピッチが大きい。
【0029】
スクリュー30は、いわゆるコーン形状をしており、ケーシング21はスクリュー30のコーン形状に沿って、ケーシング21の先端方向に向かって径小な円錐状に形成されている。すなわち、ケーシング21の径は、羽根34、35の垂直方向長さに沿って形成されていて、ケーシング21の先端は先細状にノズル22を形成している。24は配管路であり、燃焼炉に接続され、ノズル22より噴出される圧縮空気及び燃料を燃焼炉へ導く。
【0030】
実施例2では、ケーシング21及びスクリュー30をコーン状とし、かつケーシング21の先端にノズル22を設けたことにより、回転軸31の流路33からの圧縮空気を圧力を衰えさせることなく噴出させることができるので、燃焼炉に効率よくかつスムーズに燃料及び空気を送ることが可能となる。
【0031】
また、コーン状のスクリューであっても、スクリュー先端にゆくに従って各羽根間のピッチが大きくなるように形成されているので、スクリューの後端に搬入できる量の搬入物をそのままスクリュー先端部まで運ぶことができ、羽根を二条とした場合にはさらに二倍の搬送量を確保できるので、搬送効率を高めることが可能である。
【0032】
なお、図示の例では、スクリュー30の羽根は二条の多条羽根を例にとっているが、三条以上としてよく、一条で構成してもよい。また、図中のフランジ25、蓋26、軸受27、モーター28、流体入口パイプ32、ロータリージョイント36は、それぞれ実施例1のフランジ5、蓋6、軸受7、モーター8、流体入口パイプ14、ロータリージョイント19に相当するものであり、流体の供給や回転軸の駆動の作用は実施例1と同様である。
【0033】
以上、本発明の実施例につき図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載した構成の範囲内において様々な態様で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係るスクリューコンベアは、その利用分野として燃焼炉を中心に説明してきたが、例えば流体を加熱蒸気として搬送物である粉体を殺菌処理したり、流体を水にして焼却灰や加熱粉体を冷却したりするなど、燃焼炉以外のさまざまな分野で利用可能である。
【符号の説明】
【0035】
1、21 ケーシング
2、22 ノズル
3、33 流路
10 一条スクリュー
11、31 回転軸
12、16、17、34、35 羽根
14、32 流体入口パイプ
15、30 二条スクリュー
18、37 回転軸後端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2020-10-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正の内容】
図5