(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022064792
(43)【公開日】2022-04-26
(54)【発明の名称】サムストッパー(親指止め)のある傘。
(51)【国際特許分類】
A45B 25/00 20060101AFI20220419BHJP
【FI】
A45B25/00
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020183202
(22)【出願日】2020-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】398015466
【氏名又は名称】須田 隆則
(72)【発明者】
【氏名】須田 隆則
(57)【要約】
【課題】突風に対応するためには、傘のハンドルをしっかりと握りしめなければならないが、指とハンドルの間に隙間を作る握り方をしているので、風が吹けば容易に揺れてしまうため、ハンドルの掴み方を変える必要がある。
【解決手段】傘のハンドルに、小口に凹みのある円柱のサムストッパー(親指止め)をハンドルの円柱面に、凹みを外向きにして取り付けた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
傘のハンドル(2)の円筒面(4)に、円形の小口に凹み(3)のあるサムストッパー(1)を、前記凹みを外向きにして取り付けた、サムストッパーのある傘。
【請求項2】
前記サムストッパーの円筒面(5)と前記凹みが交わる角に面取り(6)を設けた、請求項1に記載のサムストッパーのある傘。
【請求項3】
前記面取りを設けない前記角に、半円断面の縁(7)を設けた、請求項2に記載のサムストッパーのある傘。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傘のハンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
傘には、傘を差すために手で掴むハンドルがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
傘のハンドルを握って歩くと傘は僅かに揺れるだけだが、強い風が吹くとしっかりとハンドルを握っても傘が揺れて傾くし、突風が吹くと反り返しになったり飛ばされたりしている。
【0005】
細いハンドルを5本の指で握り拳をつくるように握っているが、親指以外の4本の指だけでハンドルを握っているだけで、親指はハンドルを握ることもできず、人指し指などを上から押しているだけなので、親指の力を有効に使っていない。
【0006】
5本の指で丸く細い断面のハンドルを握ると、親指以外の曲げた4本の指の末節、中節、基節とハンドルとに囲まれて台形状の空隙ができて、ハンドルを力強く握っても握り拳は小さくならないので空隙も小さくならないし、指と掌の内側は肉厚で柔らかいため、空隙のある方向にハンドルが容易に傾くし、親指と人差し指を繋ぐ位置にある襞の様なものは柔らかく、ハンドルのわずかな動きも止められないので、突風が吹くとハンドルを力強く握りしめても傘の動きは止められず、両手で握れない場合、肩にシャフトを押すように乗せて、傘の動きを止めなければならない。
【0007】
握るハンドルの直径が30mmでも、末節、中節、基節とハンドルとの間に小さな隙間ができるので、それ以上の太さにすると隙間も小さくなってハンドルも揺れにくくなるが、掴みにくくなるし重くなる。
【0008】
5本の指で握る丸く細いものは、傘のハンドル以外には釣り竿があるが、釣り竿は握りに引きを感じれば魚がかかった知らせだし、竿は揺れずにしなるだけなので魚を片手で釣り上げられるが、片手だけでしかハンドルを握れない傘の場合、握りに風による揺れを感じてから、どんなに力を入れても握りこぶしは小さくならないし、内側が柔らかい片手だけではハンドルの揺れを止めることはできないし、風の向きに傘の向きを合わせられない。
【0009】
指と掌の内側の柔らかさは、釣りにあっては魚の動きを感知するし、金槌などでは衝撃を受け止める役割を果たしているが、傘のハンドルを握るように掴む方法は、指と掌の内側の柔らかさを利用しない仕組みになっている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
傘のハンドルの円筒面に、円形の小口に凹みのあるサムストッパーを、凹みを外向きにして取り付けた。
【0011】
サムストッパーの円筒面と凹みが交わる角に、面取りを設けた。
【0012】
サムストッパーの円筒面と凹みが交わる角に、半円断面の縁を設けた。
【0013】
ハンドルのシャフトに近い位置にサムストッパーを設けた。
【0014】
サムストッパーの円筒の長さを短くした。
【発明の効果】
【0015】
上下に並んだ4本の指を曲げてハンドルを掴み、親指を立ててハンドルに設けたサムストッパーの凹みに親指の腹を押し当てるので、4本指の指先と親指が向い合い、敏感な指先でハンドルを掴み、敏感な親指の腹でサムストッパーを押しているで、突風によるハンドルの激しい揺れにも柔らかい指先と腹が瞬時に反応して、直ぐにハンドルを締めつけサムストッパーの凹みを押して、傘の傾きなどを変え突風に対応する。
【0016】
サムストッパーの凹みに親指の腹を当てると、4本の指の指先を使ったハンドルを握る力と親指のサムストッパーを押す力が向い合うので、突風にも瞬時に反応するし、突風による傘の揺れにも4本の指の位置はずれず、凹みに嵌っている親指はサムストッパーから外れない。
【0017】
4本の指のハンドルを掴む力と親指のサムストッパーを押す力は、風が吹いていないときは、傘の重さを受ける程度で良いし、風が吹いて傘が風に揺さぶられると、柔軟で敏感な指先は傘の動きに瞬時に反応して力を入れて対応する。
【0018】
ハンドルを5本の指で握る指の使い方は、ハンドルを包むようにしているので、ハンドルが指と掌の内側の柔らかい部分に囲まれた状態で、傘が風に揺れても指と掌だけでは止められないが、サムストッパーのある傘では、4本の指の末節、中節、基節の3方と親指の1方が向い合ってハンドルを掴むと、ハンドルと指の間に空隙ができず、円柱のハンドルを4方向から掴んでいる状態になるので、傘が突風を受けると傘の揺れがハンドルに伝わり、瞬時に反応する5本の指先に力が入り、ハンドルは固定された状態になるので、片手でも素早く風の向きに傘の向きと傾きを合わせれば、傘の揺れも抑えられるし。傘が風で煽られたり飛ばされたりひっくり返ったりしないようにできる。
【0020】
縁を設けたサムストッパーでは、円筒面と凹みの角で縁が外側に出ているので、凹みの大きさを変えずに円筒の径が大きくなったので、親指が大きな人でもサムストッパーを押しやすい。
【0021】
サムストッパーの円筒の長さを短くしたので、4本の指のハンドルを掴む位置をかえれば、曲げた親指と伸ばした親指のどちらでもハンドルを掴めるようになるので、色々な大きさの手でもハンドルを掴みサムストッパーを押すことができる。
【0022】
親指の腹をサムストッパーの凹みに嵌めることに慣れていない場合は、凹みに親指の腹をあてがってからハンドルを掴み、親指をサムストッパーから外して、握り拳の掴み方をすればよいので、風が吹き始めてからでも元に戻すこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を
図1~
図7に基づいて説明する。
【実施例0025】
サムストッパー1の凹みは親指が押すものなので、ハンドル2の上部の親指が押せる位置にサムストッパー1を設け、ハンドルの真っ直ぐな部分の長さは他の4本の指がハンドルを掴める長さとする。
【0026】
サムストッパー1の円筒断面を親指の腹の巾より僅かに小さくする。大きいと凹み3と親指の間に隙間ができて、親指がずれやすくなる。凹み3は親指を止めやすい凹みにするため、親指の腹が凹みにピッタリとつく大きさと深さにして、空隙を作らないで腹がずれ難いものにする。縁7は大きい親指に対応するために付けるもので、縁7と凹み4の外側は表面を繋げ連続する曲面にする。
【0027】
図1~
図7のハンドル2とサムストッパー1の径を同じにしているが、径を同じくしなくても良い。