(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022064793
(43)【公開日】2022-04-26
(54)【発明の名称】サイン表示具
(51)【国際特許分類】
G09F 7/00 20060101AFI20220419BHJP
G09F 15/00 20060101ALI20220419BHJP
G09F 7/18 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
G09F7/00 D
G09F15/00 E
G09F15/00 H
G09F7/18 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020183203
(22)【出願日】2020-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】520426634
【氏名又は名称】大山 和幸
(72)【発明者】
【氏名】大山 和幸
(57)【要約】
【課題】室内においてインテリアのデザイン、装飾として使用されている布生地を、サイン表示具の装飾として屋外で使用することができるサイン表示具を提供する。
【解決手段】フレーム1の枠形内に透明表示板2と布生地4又は透明表示板2とスペーサー3と布生地4を配設し、フレーム1の裏側から施蓋する裏蓋6と、フレーム1と裏蓋6との間に防水シート5を少なくとも備えるサイン表示具。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外に設置されるサイン表示具であって、枠形に形成したフレームと、前記フレームの内側に嵌め込まれ且つ文字を刻設又は前記文字が記された透明表示板と、前記透明表示板の背後に配設された布生地と、前記フレームの裏側から施蓋する裏蓋と、前記フレームと前記裏蓋との間に防水シートを少なくとも備え、前記布生地が、前記透明表示板を透過して見えることを特徴とするサイン表示具。
【請求項2】
前記透明表示板と前記布生地の間に透明スペーサーを配設したことを特徴とする請求項1に記載のサイン表示具。
【請求項3】
前記裏蓋に、前記表札を取り付ける設置面に、前記フレームが接することなく、前記表札固定する支柱を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサイン表示具。
【請求項4】
前記サイン表示具を自立可能とする脚部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサイン表示具。
【請求項5】
前記サイン表示具を設置面に、設置するための取付具を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサイン表示具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、居住者の姓や名を記して、門柱や玄関などに掲げて示す表札及び飲食店等の店先又は建物の壁面に設置する看板等のサイン表示具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表札は、雨や風に耐えるものでなくてはならず、木、石、金属やプラスチック等の板に名前や番地などを彫ったものが、一般的であった。近年では、デザイン表札と呼ばれる装飾を施した表札や背景を変えられる表札が求めるようになってきた。例えば、背景の写真やカード等を替えられる表札としては、下記特許文献1に開示されているような、表札を構成する2枚のアクリル板などの間に、写真やカード等を挟み、ビスで止めるものがある。
【0003】
また、屋外において使用されるサイン表示具については、降雨、降雪等の影響を受けるため耐水性、耐候性が必要である。例えば、紙もしくは布の広告物を表示する看板としては、下記特許文献2に開示されているような、プラスチック製のカードケースに紙もしくは布性の印刷物を差し入れ、表示物の取替えを容易にした簡易看板がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-133363号 公報
【特許文献2】特開2010-243795号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の表札には、表札の外縁に表札を構成するアクリル板を保護する額や枠がないことから、写真やカード等と額や枠との組み合わせをアレンジしたり、統一感を持たせて、洋風、和風等の建築様式にマッチングさせたり、利用者の多様なニーズに対応することは出来なかった。
【0006】
さらに、上記特許文献1の表札を屋外で使用すると、表札の外縁を保護する額や枠がなく、写真やカード等の表示物及び表札を構成するアクリル板の保護ビスの雄ネジと雌ネジの間や、2枚のアクリル板などの間から、雨水が侵入することから、耐水性、耐候性に課題があり、写真やカード等に替えて、室内においてインテリアのデザイン、装飾、椅子等の家具及び服飾等に使用されている布生地を表札の装飾として屋外で使用することは困難であった。
【0007】
上記特許文献2の簡易看板では、紙もしくは布性の印刷物を差し入れることから、布生地を表示するときは、文字を布に印刷することになり、文字と布生地に奥行きを設けることは困難であった。
【0008】
さらに、上記特許文献2の簡易看板では、プラスチック製のカードケースの4辺のうち1辺は熱溶着されておらず、雨水が侵入することから、耐水性、耐候性に課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための第一の発明は、枠形に形成したフレームと、前記フレームの内側に嵌め込まれ且つ文字を刻設又は前記文字が記された透明表示板と、前記透明表示板の背後に配設された布生地と、前記フレームの裏側から施蓋する裏蓋と、前記フレームと前記裏蓋との間に防水シートを少なくとも備え、前記布生地が、前記透明表示板を透過して見えることを特徴とするサイン表示具である。
【0010】
上記目的を達成するための第二の発明は前記透明表示板と前記布生地の間に透明スペーサーを配設したことを特徴とする第一の発明に記載したサイン表示具である。
【0011】
上記目的を達成するための第三の発明は、前記裏蓋に、前記サイン標示具を取り付ける設置面に、前記フレームが接することなく、前記サイン標示具を固定する支柱を備えることを特徴とする第一の発明又は第二の発明に記載したサイン表示具である。
【0012】
上記目的を達成するための第四の発明は、前記サイン表示具を自立可能とする脚部を備えることを特徴とする第一の発明又は第二の発明に記載したサイン表示具である。
【0013】
上記目的を達成するための第五の発明は、前記サイン表示具を設置面に、設置するための取付具を備えることを特徴とする第一の発明又は第二の発明に記載したサイン表示具である。
【発明の効果】
【0014】
上述の第一の発明によれば、フレームに配置した布生地を保護することができると共に、フレームと布生地の交換が容易であることから、色々なフレームと布生地との組合せることが可能となり、フレームと布生地をアレンジして、建築物、掲載場所及びその周辺環境とサイン表示具を協調させて、建築物、掲載場所等との統一感を演出したり、装飾性を持たせることができる。
【0015】
また、透明表示板を交換することができることから、表札の姓や名の表示又はサインの文字表示を容易に変えることができる。
【0016】
さらに、本発明のサイン表示具は防水処理をしたフレームの枠内に透明表示板、布生地、防水シートを配設し、裏蓋でそのフレームを裏側から施蓋することにより、耐水性、耐候性の課題を解決し、布生地を屋外で使用するサイン表示具の装飾として用いることができる。この結果、サイン表示具のデザイン、表現が多様化し、住居者の個性を表札で表現したり、看板として広告や宣伝の効果を高めることができる。
【0017】
上述の第二の発明によれば、本発明のサイン表示具は透明表示板と布生地との間隔を変えることにより、文字表示と布生地の背景との奥行き感を調整することで、文字表示の視認性向上と、文字表示と布生地背景との最適な釣り合いによる装飾性の向上を図ることができるが、本発明の透明スペーサーを用いることにより、布生地の種類に合わせて透明表示板の厚みを変えること無く、奥行き感を調整することができる為、多様な布生地を最適な奥行き感で表示することができる。さらに、透明表示板の厚みを一律にすることができることによる生産性の向上、材料コストの削減にも寄与できる。
【0018】
上述の第三の発明によれば、フレームや裏蓋を、サイン表示具を取り付ける門柱、外壁等の設置面に接することなく固定することができることから、雨天時にサイン表示具の設置面上を流れる雨水は、サイン表示具へ伝わり流れることなく、設置面上を流れ落ちることから、サイン表示具を設置面に接して取り付けるより、サイン表示具の防水性、耐水性を高めることができる。
【0019】
上述の第四の発明によれば、前述のサイン表示具を、地面上、路上に自立設置させすることができ、掲示する時間、場所の選択、範囲が広がる。さらに、サイン表示具が自立していることにより通行人等にとって視認しやすくすることができる。
【0020】
上述の第五の発明によれば、前述のサイン表示具を建物、店舗の壁面等の地面上、路上より高所に、容易に設置することができ、地面上、路上に設置するよりは、遠方から多くの人々が同時に同じサイン表示具を見ることができる。さらに、その視認性が高まるだけではなく、サイン表示具が建物、店舗の装飾となり、アイキャッチ効果による広告宣伝効果が得られ、集客に繋がる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係るサイン表示具の分解斜視図である。
【
図3】本発明に係る支柱を備えるサイン表示具の分解斜視図である。
【
図4】本発明に係る支柱を備えるサイン表示具の断面図である。
【
図5】本発明に係る脚部を備えるサイン表示具の分解斜視図である。
【
図6】本発明に係る脚部を備えるサイン表示具の断面図である。
【
図7】本発明に係る脚部を備えるサイン表示具の展示例を示す図である。
【
図8】本発明に係る取付具を備えるサイン表示具の分解斜視図である。
【
図9】本発明に係る取付具を備えるサイン表示具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、これを改良、変形したものも含まれる。
【実施例0023】
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。
図1は、第一、第二の本発明のサイン表示具の斜視図である。
図2は、第一、第二の本発明のサイン表示具の断面図である。
図3は、第三の本発明のサイン表示具を示す斜視図である。
図4は、第三の本発明のサイン表示具を示す断面図である。
図5は、第四の本発明のサイン表示具を示す斜視図である。
図6は、第四の本発明のサイン表示具を示す断面図である。
図7は、第四の本発明のサイン表示具の展示例を示す図である。
図8は、第五の本発明のサイン表示具を示す斜視図である。
図9は、第五の本発明のサイン表示具を示す断面図である。
【0024】
本発明の表札及び看板等を含むサイン表示具について説明する。図中符号1はフレーム、2は透明表示板、3はスペーサー、4は布生地、5は防水シート、6は裏蓋、7は係止具、8は支柱、9は設置面、10は本発明の表札、11は前脚部、12は後脚部、13は本発明のサイン表示具、14は取付具をそれぞれ示している。
【0025】
本発明に係るフレーム1については、
図1、
図3、
図5、
図8に示すように、その枠形内に透明表示板2と布生地4又は透明表示板2とスペーサー3と布生地4を配設する。
【0026】
フレーム1は、木材を用いて形成するほか、木以外の素材、例えば合成樹脂、セラミック、金属等で形成し、その表面を木材調に形成、印刷、処理して形成することができる。
【0027】
また、フレーム1の表面は耐水性を高めるためウレタンクリアー塗装、FRP防水、アクリル塗装等の防水塗装による防水処理を施すことができる。
【0028】
さらにフレーム1の形状は、居住者の好みに応じて、矩形状、平行四辺形、ひし形、三角形、四角形、多角形、楕円形又は丸形等様々な形状とすることかができる。
【0029】
本発明に係る透明表示板2は、ガラス、アクリル樹脂等の耐水性を有する透明プラスチックの透明板に氏名、住所等表札として機能する文字を彫刻、浮彫、刻設又は前記文字を印字、プリントしたものであって、居住者の氏名、住所または広告宣伝する商品等の文字を表示するものである。
【0030】
さらに、前記文字を透明表示板2上に直接刻設等するのではなく、透明表示板2の前面又は背面に透明フィルムを載せることでも形成することができる。前記透明フィルムには、ポリエチレン、ポリプロビレン、ポリエチレンテレフタレートなどの他、多くの耐水性を有する透明プラスチックフィルムを使用することができる。
【0031】
また、前記文字の書体、色については、適宜自由に選択することができる。
【0032】
本発明に係る布生地4は、椅子、ソファ等の家具や服飾に用いられる布生地など様々な布生地を用いることができる。
【0033】
布生地4は、フレーム1に収まるように、布生地を切断して形成するばかりでなく、板材や型紙に布生地を載せたり、板材、パネル、芯材、型材、型に布生地を包んで形成することができる。
【0034】
布生地4は、紫外線等による変質、変色の防止加工、防水、撥水加工を施すものとする。例えば、フッ化物等の防水、撥水スプレー、ウレタンクリアー塗装、FRP防水することにより、変質、変色、水濡れ等を防止することができる。
【0035】
本発明に係る防水シート5は、フレーム1と裏蓋6との間に配設し、裏蓋6とフレーム1の隙間から雨水、結露した水等がフレーム1内へ侵入するのを防ぐもので、ゴム、プラスチック、シリコン樹脂等で形成する。
【0036】
形状は、裏蓋6とフレーム1との隙間を埋めるシートであればよく、フレーム1及び裏蓋6に合わせてシート状に形成するばかりでなく、裏蓋6とフレーム1との隙間を埋める枠状に形成してもよい。
【0037】
本発明に係る裏蓋6は、透明表示板2、布生地4、防水シート5を配設したフレーム1の裏側から施蓋するものであり、金属、樹脂、木材等で作成し、フレーム1の裏面に装着し、フレーム1に取り付けた係止用の係止具7により、フレーム1に固定される。
【0038】
本発明に係る透明スペーサー3は、透明表示板2、布生地4との間に配設し、布生地4を透明表示板2から離して配設し、奥行き感を醸し出すことによって、布生地4を雅趣に富んだ状態で鑑賞することができる。
【0039】
透明スペーサー3は、ガラス、アクリル樹脂等の透明板で形成する。形状は、透明表示板2又は布生地4の形状、大きさに合わせて形成するばかりでなく、透明表示板2又は布生地4の間に空間を設けるように枠状又は棒状に形成し、配設してもよい。
【0040】
厚手の透明表示板2を使用して透明スペーサー3を省略することもできる。
【0041】
本発明のサイン表示具としての表札は、
図3及び
図4に示すようにフレーム1に透明表示板、2透明スペーサー3、布生地4、防水シート5を順次配設し、裏蓋6で施蓋し、支柱8により設置面9に取り付け、掲示することができる。
【0042】
支柱8を用いると、サイン表示具10を設置面9に直に接することなく、門柱、外壁等に取り付けることができることから、サイン表示具10と設置面9の間に空間が生じ、降雨や降雪時に設置面9上を流れる落ちる雨水等は、サイン表示具10に伝わり、浸水、流入することなく、設置面9上を流れ落ちる。
【0043】
さらに、雨水等が支柱8を伝わってサイン表示具10に流れないように、勾配を設けて、支柱8を裏蓋6に取り付けることにより、サイン表示具10への浸水防止の効果を高めることができる。
【0044】
支柱8は耐久性を有する金属、セラミック、樹脂等で形成する。裏蓋6にあらかじめ装着したり、裏蓋6と一体に形成することもできる。
【0045】
また、本実施形態では、支柱8の形状を円柱形、数量を2本として図示しているが、形状は円柱形以外の角柱形等であっても、また、その数量は一本又は三本以上であってもよい。
【0046】
支柱8の長さとしては、サイン表示具10の大きさにより変わるが、3ミリメートル以上が好ましく、100ミリメートルを超えると、設置面9からサイン表示具10が離れすぎ安定した設置が阻害されることから好ましくない。
【0047】
次に、
図5、
図6及び
図7に示す地面、路上、床等に立てて設置する本発明の看板としてのサイン表示具について説明する。フレーム1に前脚部11、後脚部12を取り付けることにより、
図7に示すようにサイン表示具13を地面上、路上、床等に立てて、サイン表示具を自立設置することができ、掲示する時間、場所の選択、範囲が広がる。さらに、サイン表示具が自立していることにより通行人等にとって視認しやすくすることができる。
【0048】
前脚部11、後脚部12は、フレーム1と同様に木材を用いて形成するほか、木以外の素材、例えば合成樹脂、セラミック、金属等で形成し、その表面を木材調に形成、印刷、処理して形成することができる。
【0049】
また、前脚部11、後脚部12は、フレーム1と同様に表面は耐水性を高めるためウレタンクリアー塗装、FRP防水、アクリル塗装等の防水塗装による防水処理を施すことができる。
【0050】
後脚部12は、フレーム1に蝶番等により取り付け、折り畳めるようにしてもよい。
【0051】
図5、
図6及び
図7に示す前脚部11、後脚部12は、サイン表示具13を支持するようにフレーム1に取り付けているが、脚部をフレーム1に取り付けることなく、展示台、展示フレーム状に形成し、その脚部にフレーム1を掲載し、設置することもできる。
【0052】
さらに、
図8及び
図9に示す建物、店舗の壁面等に設置する看板としての本発明のサイン表示具について説明する。取付具14はサイン表示具13を壁面等に設置するためにフレーム1に取り付ける。
【0053】
取付具14は、耐久性を有する金属等で形成する。また、その表面を木材調に形成、印刷、処理して形成し、フレーム1と統一感をだすこともできる。
【0054】
取付具14により、サイン表示具13を建物、店舗の壁面等の高所に、容易に安定した設置をすることができる。
本発明の表札、看板などを含むサイン表示具は、木製又は木調の枠と布生地の背景を用いており、木と布生地の組み合わせによる柔らかな、自然でアットホームな印象を与えることができることから、住宅、店舗等のイクステリア、外観装飾としての用途のみならず、浴室、厨房等の多湿とされる室内環境でのインテリア、室内装飾の用途にも使用することができる。