(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022064890
(43)【公開日】2022-04-26
(54)【発明の名称】プログラム、端末装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/488 20110101AFI20220419BHJP
H04N 21/442 20110101ALI20220419BHJP
【FI】
H04N21/488
H04N21/442
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001666
(22)【出願日】2022-01-07
(62)【分割の表示】P 2020172943の分割
【原出願日】2020-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】318011370
【氏名又は名称】株式会社THEATER GUILD
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 壮太郎
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164UB41P
5C164UD11P
5C164YA08
5C164YA11
5C164YA12
(57)【要約】
【課題】映像配信システムにおいて、不正利用を防止し、容易に利用可能な技術を提供する。
【解決手段】上映システム1の端末装置10は、その機能として、表示装置に接続されたことを検知する接続検知部152と、カメラ130による視聴者の撮影処理を制御する撮影制御部153と、視聴者の状態を検知し、視聴者の状態を示す情報として取得する視聴者状態情報取得部155と、映像として各種映像を表示装置に上映させる映像表示制御部157と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、撮影部とを備え、映像を表示する表示装置に接続される端末装置であって、
前記撮影部は、
前記表示装置に表示される前記映像を視聴する視聴者を撮影し、撮影画像情報を生成し、
前記制御部は、
前記表示装置に接続されたことを検知するステップと、
前記撮影画像情報に基づき、前記視聴者の状態を示す情報を取得するステップと、
前記視聴者の状態を示す情報に基づき、外部から配信される前記映像に係る映像情報を受信し、前記映像を前記表示装置に表示させるステップと、を実行する、端末装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記撮影画像情報に基づき、前記視聴者が前記映像を視聴可能な状態であることを検知し、前記視聴者の状態を示す情報を取得するステップと、
前記視聴者が前記映像を視聴可能な状態である場合、前記映像の前記表示装置への表示を開始するステップと、を実行する、請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記撮影画像情報における前記視聴者の顔の向き、表情、前記視聴者の姿勢、前記視聴者が覚醒状態であること、のいずれか1つまたは複数を検知することで、前記視聴者が前記映像を視聴可能な状態であることを検知する、請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記制御部は、さらに、
前記映像の視聴を許可された前記視聴者を特定する情報を、外部から取得するステップを実行し、
前記視聴者を特定する情報に基づく所定の認証により、前記視聴者が前記映像の視聴を許可された者であると特定できた場合、前記映像の前記表示装置への表示を開始するステップを実行する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項5】
前記視聴者は、前記映像の視聴を許可された者であると特定する情報を、外部装置から送信し、
前記視聴者が送信した情報を受信すると、前記所定の認証が行われ、前記映像の前記表示装置への表示を開始するステップを実行する、請求項4に記載の端末装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記撮影画像情報に基づき、前記視聴者を検知するステップと、
前記所定の認証として、前記撮影画像情報に基づいて検知した前記視聴者が前記映像の視聴を許可された者であると認証すると、前記映像の前記表示装置への表示を開始するステップと、を実行する、請求項4または請求項5に記載の端末装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記映像の視聴を許可された前記視聴者の顔を特定する視聴者画像情報を取得するステップと、
前記撮影画像情報に基づき、前記視聴者の顔を検知するステップと、
前記視聴者画像情報と、前記撮影画像情報における前記視聴者の顔との比較に基づき、検知した前記視聴者が前記映像の視聴を許可された者であると認証すると、前記映像の前記表示装置への表示を開始するステップと、を実行する、請求項6に記載の端末装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記視聴者の顔を検知するステップにおいて、
前記視聴者画像情報における前記視聴者の顔の特徴量である第1特徴量を抽出し、
前記撮影画像情報における前記視聴者の顔の特徴量である第2特徴量を抽出し、
前記第1特徴量と前記第2特徴量とを比較し、所定の値または所定の割合以上一致する場合、検知した前記視聴者が前記映像の視聴を許可された者であると認証し、前記映像の前記表示装置への表示を開始する、請求項7に記載の端末装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記映像の視聴を許可された前記視聴者の人数を特定する情報を取得するステップと、
前記撮影画像情報に基づき、前記視聴者の人数を検知するステップと、
検知した前記視聴者の人数が、前記映像の視聴を許可された人数以下であると認証すると、前記映像の前記表示装置への表示を開始するステップと、を実行する、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記撮影画像情報に基づき、前記映像を視聴しているときの前記視聴者を検知し、前記撮影画像情報における前記視聴者の状態に基づき、前記視聴者の視聴状態を示す情報を取得するステップを実行する、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項11】
前記撮影画像情報に基づき、前記映像を視聴しているときの前記視聴者の顔を検知し、前記撮影画像情報における前記視聴者の顔の表情の状態に基づき分析を行い、前記視聴者の視聴状態を示す情報を取得するステップを実行する、請求項10に記載の端末装置。
【請求項12】
前記撮影画像情報に基づき、前記映像を視聴しているときの前記視聴者の体の動きを検知し、前記撮影画像情報における前記視聴者の身体の動きの状態に基づき分析を行い、前記視聴者の視聴状態を示す情報を取得するステップを実行する、請求項10または請求項11に記載の端末装置。
【請求項13】
前記視聴者の視聴状態を示す情報として、前記視聴者の感情、前記視聴者の前記映像に対する集中度合い、前記視聴者の前記映像に対する満足度合いのいずれか1つまたは複数の状態を示す情報を取得するステップを実行する、請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項14】
前記制御部は、
外部から配信される前記映像に係る映像情報を受信し、前記映像情報に係る画像を前記表示装置に表示させ、前記映像情報に係る音声を出力するステップを実行する、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項15】
前記制御部は、
前記視聴者から、前記映像情報に係る評価情報を受け付けるステップを実行する、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項16】
プロセッサを備え、映像を表示する表示装置に接続されるコンピュータにより実行されるための方法であって、
前記方法は、前記プロセッサが、
前記表示装置に接続されたことを検知するステップと、
前記表示装置に表示される前記映像を視聴する視聴者を撮影して撮影画像情報を生成するステップと、
前記撮影画像情報に基づき、前記視聴者の状態を示す情報を取得するステップと、
前記視聴者の状態を示す情報に基づき、外部から配信される前記映像に係る映像情報を受信し、前記映像を前記表示装置に表示させるステップと、を実行する、方法。
【請求項17】
プロセッサを備え、映像を表示する表示装置に接続されるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記表示装置に接続されたことを検知するステップと、
前記表示装置に表示される前記映像を視聴する視聴者を撮影して撮影画像情報を生成するステップと、
前記撮影画像情報に基づき、前記視聴者の状態を示す情報を取得するステップと、
前記視聴者の状態を示す情報に基づき、外部から配信される前記映像に係る映像情報を受信し、前記映像を前記表示装置に表示させるステップと、を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、端末装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネット等の通信網を介した映像コンテンツの配信は、多くの事業者により行われていた。
【0003】
特許文献1には、デジタル映像、インターネットデータ等の双方向データ、及び従来の電話サービス(POTS)を配信する技術が開示されている。この技術は、通信回線を介して複数の映像チャネルと双方向データとを提供することで、アクセス権限やアカウント状況の管理を行い、不正利用の防止を図ったものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、映像コンテンツをストリーミング配信する場合、不正利用を防止し、視聴料金を確実に回収することが重要である。さらに、煩わしい設定作業を必要とせず、容易に利用可能にすることも重要である。以上のように、不正利用を防止し、容易に利用可能な映像配信システムの技術が望まれていた。
【0006】
そこで、本開示では、不正利用を防止し、容易に利用可能な映像配信システムの技術について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態によると、プロセッサを備え、映像を表示する表示装置に接続されるコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。プログラムは、プロセッサに、表示装置に接続されたことを検知するステップと、表示装置に表示される映像を視聴する視聴者を撮影して撮影画像情報を生成するステップと、撮影画像情報に基づき、視聴者の状態を示す情報を取得するステップと、視聴者の状態を示す情報に基づき、外部から配信される映像に係る映像情報を受信し、映像を表示装置に表示させるステップと、を実行させる。
【0008】
一実施形態によると、制御部と、撮影部とを備え、映像を表示する表示装置に接続される端末装置が提供される。撮影部は、表示装置に表示される映像を視聴する視聴者を撮影し、撮影画像情報を生成し、制御部は、表示装置に接続されたことを検知するステップと、撮影画像情報に基づき、視聴者の状態を示す情報を取得するステップと、視聴者の状態を示す情報に基づき、外部から配信される映像に係る映像情報を受信し、映像を表示装置に表示させるステップと、を実行する。
【0009】
また、一実施形態によると、プロセッサを備え、映像を表示する表示装置に接続されるコンピュータにより実行されるための方法が提供される。方法は、プロセッサが、表示装置に接続されたことを検知するステップと、表示装置に表示される映像を視聴する視聴者を撮影して撮影画像情報を生成するステップと、撮影画像情報に基づき、視聴者の状態を示す情報を取得するステップと、視聴者の状態を示す情報に基づき、外部から配信される映像に係る映像情報を受信し、映像を表示装置に表示させるステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、表示装置に接続されたことを検知すると、映像を視聴する視聴者を撮影し、視聴者の状態を示す情報を取得して映像を表示装置に表示させる。これにより、不正利用を防止し、容易に利用可能な映像配信システムの構築が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1の上映システム1の全体の構成を示す図である。
【
図2】実施の形態1の上映システム1を構成する端末装置10の外観を示す斜視図である。
【
図3】実施の形態1の上映システム1を構成する端末装置10がテレビ40に接続された状態を示す正面図である。
【
図4】実施の形態1の上映システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図5】実施の形態1の上映システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
【
図6】サーバ20が記憶する視聴者データベース2021、機器データベース2022、視聴購入データベース2023のデータ構造を示す図である。
【
図7】実施の形態1の上映システム1により、映像の視聴申込受付処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】実施の形態1の上映システム1により、映像の上映処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】映像の視聴申込受付処理における、ユーザ端末30に申込情報を表示した画面例を示す図である。
【
図10】映像の上映処理における、端末装置10のカメラ130に視聴者が撮影された状態の例を示す図である。
【
図11】実施の形態2の上映システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
【
図12】実施の形態2の上映システム1により、映像の上映処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】実施の形態3の上映システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0013】
<概要>
以下、本開示の実施の形態である、映像の上映システムについて説明する。この上映システムは、例えば、一般の家庭や店舗、オフィス等に設置されているテレビジョン受像機(情報処理機能を備えたスマートテレビ等を含む)やディスプレイ、プロジェクタ等の表示装置に、映画のような映像コンテンツや、スポーツ競技やコンサート、トークイベント等の中継映像、教育用の授業映像といった、各種映像を上映(表示)させるためのシステムである。なお、各種映像の上映(表示)は、リアルタイムで撮影されている映像を配信(いわゆる生中継)するものでもよく、録画されたものでもよい。さらに、決められた所定の時刻にのみ視聴が可能なものでもよく、任意の時刻に視聴が可能なものでもよい。
【0014】
この上映システムでは、例えば、当該上映システムを運営する事業者により提供されているWebページに、上記のような各種映像のプログラム内容、配信日時、視聴料金等が案内されている。このような各種映像の視聴を希望するユーザ(視聴者)は、自己のスマートフォン、タブレット等の携帯端末やPC(Personal Computer)から、当該上映システムを運営する事業者により提供されているWebページにアクセスし、視聴を希望する映像を選択し、視聴の申込を行う。このとき、ユーザは各種決済手段(例えば、クレジットカード、プリペイドカード、デビットカード等のキャッシュレス決済や、各種送金手段による決済)により、例えば視聴する権利をチケットという形で購入する。当該事業者のサーバでは、所定の配信日時になると、所定の認証によりユーザが正当な権利者、すなわちチケットを購入した者であることを認証し、映像の配信を開始する。
【0015】
このような映像の上映を提供するため、この上映システムでは、ドングル型の端末装置が提供される。この端末装置は、ユーザが映像視聴の申込を行い、上記のチケットを購入すると、当該事業者から送付されて貸与(または譲渡でもよい)されるものであり、テレビジョン受像機やディスプレイ等の表示装置に接続すると、この端末装置が当該事業者のサーバと通信を行い、各種映像に係る映像情報の配信を受信して表示装置に表示する装置である。そのため、この端末装置には、表示装置に接続するためのUSB(Universal Serial Bus)端子や、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)端子、VGA(Video Graphics Array)端子等が設けられている。
【0016】
なお、この端末装置は、ユーザが映像視聴の申込を行うごとに毎回送付される必要はなく、ユーザに一度送付された端末装置を映像視聴の申込ごとに繰り返し使用してもよい。このような構成にすることで、ユーザは送付されたドングル型の端末装置を自己の表示装置に接続するだけで、映像の視聴が可能になる。
【0017】
また、この端末装置にはカメラが設けられ、表示装置に接続されると周囲の撮影を開始し、ユーザ(通常は表示装置の前にいる視聴者)の撮影を行うように構成されている。この上映システムでは、カメラにより撮影された撮影画像情報に基づき、例えば後述するように、カメラに写っているユーザが映像視聴のためのチケットを購入した正当な権利を有するユーザであるか、ユーザがチケットを購入した際に指定した人数のユーザが写っているか(指定した人数以上のユーザが写っていないか)を判定し、正当であることの認証を行う。そして、端末装置は、ユーザが正当であることの認証が完了した場合にのみ、映像の上映(表示)を開始する。このような構成にすることで、正当なユーザに対する映像の配信が可能になる。
【0018】
<第1の実施の形態>
以下、上映システム1について説明する。以下の説明では、例えば、端末装置10がサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20が、端末装置10へ情報を応答する。また、ユーザ端末30がサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20が、ユーザ端末30で画面を生成するための情報を応答する。ユーザ端末30は、サーバ20から受信した情報に基づいて画面を生成し表示する。
【0019】
<1 上映システム1の全体構成>
図1は、上映システム1の全体の構成を示す図である。
図1に示すように、上映システム1は、端末装置10と、サーバ20と、複数のユーザ端末(
図1では、ユーザ端末30A及びユーザ端末30Bを示している。以下、総称して「ユーザ端末30」ということもある)とを含む。端末装置10と、サーバ20と、ユーザ端末30とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。
【0020】
端末装置10は、映像の上映を提供するためのドングル型の端末装置である。ここで、ユーザとは、例えば上映システム1による各種映像の視聴を希望する者、または視聴をしている視聴者であり、テレビジョン受像機やディスプレイ等の表示装置を使用している者である。端末装置10の外観や使用方法については後述する。
【0021】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。
【0022】
サーバ20は、ユーザ情報を管理し、映像の配信を管理する装置であり、上映システム1を運営する事業者により管理される。サーバ20は、ユーザによるユーザ端末30からの操作により、映像視聴の申込を受け付ける。また、サーバ20は、ユーザに対して所定の認証を行い、正当なユーザに対して映像を視聴させるために映像情報を送信する。
【0023】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF(Interface)22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0024】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、操作者(事業者)からの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、操作者に対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0025】
ユーザ端末30は、各ユーザが操作する装置である。
図1にユーザ端末30Aとして示すように、ユーザ端末30は、移動体通信システムに対応したスマートフォン、タブレット等の端末装置により実現される。この他、ユーザ端末30は、例えば据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであるとしてもよい。
【0026】
ユーザ端末30は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。ユーザ端末30は、4G、5G、LTE等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE802.11等の無線LAN規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。
図1にユーザ端末30Bとして示すように、ユーザ端末30は、通信IF32と、入力装置33と、出力装置34と、メモリ35と、記憶部36と、プロセッサ39とを備える。
【0027】
通信IF32は、ユーザ端末30が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置33は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。出力装置34は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ35は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM等の揮発性のメモリである。記憶部36は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ39は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0028】
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、実施の形態1の上映システム1を構成する端末装置10の外観を示す斜視図である。
図2に示すように、端末装置10は、本体部11と、窓部12と、支持部13と、接続部14とを含む。
【0029】
本体部11は、端末装置10が備える機能を実現するための各種機器を格納するための筐体である。本体部11の形状は、
図2に示すような楕円体とは限られず、各種機器を格納可能な形状であればどのような形状であってもよい。また、本体部11の形状は、後述するようにカメラ130を格納可能であり、テレビ40に接続可能で周囲の邪魔にならないような大きさであればよい。
【0030】
窓部12は、後述するカメラ130で端末装置10の周囲を撮影可能にするために設けられた窓である。支持部13は、後述するテレビ40に接続する際に端末装置10が衝突するのを防ぐために設けられた突出部である。なお、支持部13は、テレビ40に接続されて安定して本体部11を支持するため、形状が変更可能な材質により屈折可能に構成してもよい。接続部14は、後述するテレビ40に接続するための接続端子であり、USB端子や、HDMI端子、VGA端子等により構成されている。
【0031】
図3は、実施の形態1の上映システム1を構成する端末装置10がテレビ40に接続された状態を示す正面図である。
図3に示すように、端末装置10は、表示装置の例であるテレビ40に接続されて使用され、各種映像をテレビ40に上映(表示)させる。
図3に示すテレビ40は、例えば液晶テレビジョンであり、外部からの映像信号等を受信するための外部接続端子41が設けられている。外部接続端子41は、USB端子や、HDMI端子、VGA端子等により構成されている。
【0032】
図3に示すように、端末装置10は、接続部14をテレビ40の外部接続端子41に接続することで、サーバ20から送信される映像情報を受信し、映像として各種映像をテレビ40に上映(表示)させる。また、本体部11の内部に設けられたカメラ130が、窓部12から周囲の撮影を行う。なお、支持部13が屈折可能に構成されている場合、屈折させて本体部11を上方に向けるようにしてもよい。また、端末装置10は、テレビ40から給電を受けて稼働するように構成してもよく、電池や外部電源から給電を受けて稼働するように構成してもよい。なお、本実施形態では、端末装置10を接続する表示装置の例として、テレビ40を示しているが、液晶パネルやディスプレイ、スクリーン等に映像を上映するプロジェクタに接続するように構成してもよい。また、映像を表示する表示装置(テレビ、液晶パネルまたはスクリーン)を複数備えてもよく、それぞれの表示装置に異なる映像を表示させるように構成してもよい。その場合、端末装置10は、複数の表示装置への映像表示を制御する制御装置等に接続するように構成してもよい。
【0033】
図4は、実施の形態1の上映システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図4に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、カメラ130と、記憶部140と、制御部150とを含む。端末装置10は、
図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路等)も有している。
図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0034】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0035】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0036】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路等を含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部150へ与える。
【0037】
カメラ130は、受光素子により光を受光して、撮影画像として出力するためのデバイスである。カメラ130は、例えば、カメラ130から撮影対象までの距離を検出できる深度カメラである。
【0038】
記憶部140は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部140は、機器情報141と、視聴者情報142と、映像情報143を記憶する。
【0039】
機器情報141は、端末装置10の機器の情報である。機器の情報としては、サーバ20に登録されている端末装置10を識別する情報(機器ID)、デバイスID、IPアドレス等が含まれる。
【0040】
視聴者情報142は、ユーザ端末30を介して、各種映像を視聴するために映像視聴の申込操作を行うユーザ(視聴者)の情報である。視聴者の情報としては、サーバ20に登録されている視聴者を識別する情報(視聴者ID)、視聴者の氏名、年齢、性別等が含まれる。
【0041】
映像情報143は、サーバ20から配信された映像情報であり、受信した映像情報を一時的に記憶する。
【0042】
制御部150は、記憶部140に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部150は、例えば予め端末装置10に組み込まれ、またはインストールされているアプリケーションである。制御部150は、プログラムにしたがって動作することにより、送受信部151と、接続検知部152と、撮影制御部153と、視聴者特定情報取得部154と、視聴者状態情報取得部155と、視聴者識別部156と、映像表示制御部157としての機能を発揮する。
【0043】
送受信部151は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルにしたがってデータを送受信するための処理を制御する。
【0044】
接続検知部152は、端末装置10がテレビジョン受像機やディスプレイ等の表示装置に接続されたことを検知する処理を制御する。具体的には、端末装置10の接続部14が表示装置の外部接続端子に接続され、通信可能な状態になると、接続検知部152は、表示装置から送信される信号を検知し、または表示装置に対して送信した信号に対する応答信号を検知する。これにより、接続検知部152は、表示装置に接続されて通信可能な状態であることを検知する。
【0045】
撮影制御部153は、カメラ130による視聴者の撮影処理を制御する。撮影制御部153は、例えば、接続検知部152が表示装置に接続されたことを検知すると、カメラ130を起動させ、表示装置の周囲を撮影させて撮影画像情報を生成する。さらに、撮影制御部153は、カメラ130の撮影方向を移動させて撮影を行わせ、撮影画像から人物を検知すると、撮影された人物を視聴者として撮影を継続するように制御する。このとき、端末装置10が備える人感センサ(図示は省略)により人物を検知し、カメラ130の撮影方向を検知した人物の方向に移動させて撮影を継続するように制御してもよい。
【0046】
視聴者特定情報取得部154は、サーバ20に対して映像視聴の申込を行った視聴者を特定する情報を、サーバ20に送信させて取得する処理を制御する。視聴者を特定する情報とは、例えば視聴者がユーザ端末30で映像視聴の申込を行った際、サーバ20がユーザ端末30へ送信したコード番号やQRコード(登録商標)のような識別情報であり、当該視聴者が正当に映像視聴の申込を行った視聴者であることを認証できるようにするための情報である。
【0047】
また、視聴者を特定する情報とは、視聴者の顔を特定する顔写真であってもよい。例えば、視聴者特定情報取得部154は、視聴者がユーザ端末30で映像視聴の申込を行った際、サーバ20からの指示によりユーザ端末30で撮影した自己の顔写真データを取得する。
【0048】
さらに、視聴者を特定する情報とは、視聴者の人数を特定する情報、例えば人数情報(数字情報)でもよく、複数の視聴者全員の顔写真であってもよい。例えば、視聴者特定情報取得部154は、視聴者がユーザ端末30で映像視聴の申込を行った際、視聴者が指定した人数の情報や、サーバ20からの指示によりユーザ端末30で撮影した視聴者全員の顔写真データを取得する。
【0049】
視聴者状態情報取得部155は、カメラ130による視聴者の撮影画像情報から、視聴者の状態を検知し、視聴者の状態を示す情報として取得する処理を制御する。視聴者の状態を示す情報とは、例えば視聴者が表示装置の前にいる際の顔の向き、顔の表情、視聴者の身体の姿勢、視聴者が覚醒状態であるかまたは睡眠状態であるかを示す情報である。例えば、これらの視聴者の状態を示す情報から、当該視聴者が映像を視聴可能な状態であるか否かを判定するために使用される。
【0050】
視聴者状態情報取得部155による視聴者の状態を示す情報の取得は、例えば、公知技術である顔認識の手法が用いられる。この顔認識の手法は、例えば、図示しないデータベースとして保有している顔情報のデータベースと、撮影画像情報内の物体を照合し、眉、目、鼻、口のような各パーツと、その物体の輪郭の位置関係とから顔であるか否かを判定することにより行われる。これにより、視聴者の顔の向きを判定することが可能である。
【0051】
視聴者識別部156は、カメラ130によって撮影された視聴者が、サーバ20に対して映像視聴の申込を行った正当な視聴者であることを識別する処理を制御する。例えば、視聴者特定情報取得部154が、視聴者を特定する情報としてコード番号やQRコードを取得している場合、視聴者識別部156は、ユーザ端末30を介して視聴者に対して、そのコード番号やQRコードをカメラ130で撮影できるように提示させ、その情報を読み取る。読み取った情報と取得した情報とが一致している場合、当該視聴者が正当に映像視聴の申込を行った視聴者であることを認証する。
【0052】
また、視聴者特定情報取得部154が、視聴者を特定する情報として視聴者の顔写真を取得している場合、視聴者識別部156は、ユーザ端末30を介して視聴者に対して正面を向くように指示を行い、撮影制御部153が生成した撮影画像情報から視聴者の顔を検知する。取得した視聴者の顔写真と、撮影画像情報から検知した視聴者の顔とが一致すると判定した場合、当該視聴者が正当に映像視聴の申込を行った視聴者であることを認証する。このとき、視聴者識別部156は例えば、前述の公知技術である顔認識の手法が用いられてもよく、視聴者状態情報取得部155による視聴者の状態が用いられてもよい。さらに、視聴者識別部156は例えば、取得した視聴者の顔写真(視聴者画像情報)における視聴者の顔の特徴量(第1特徴量)を抽出し、撮影画像情報から検知した視聴者の顔の特徴量(第2特徴量)を抽出し、それぞれの特徴量が所定の値または所定の割合以上一致する場合に、当該視聴者であると認証してもよい。
【0053】
さらに、視聴者特定情報取得部154が、視聴者を特定する情報として視聴者の人数を特定する情報を取得している場合、視聴者識別部156は、ユーザ端末30を介して視聴者(一部の者でも全員でもよい)に対して正面を向くように指示を行い、撮影制御部153が生成した撮影画像情報から視聴者の顔を検知する。視聴者識別部156は、取得した視聴者の人数と、撮影画像情報から検知した視聴者の顔の人数とを比較して一致する場合、当該視聴者全員が正当な視聴者であることを認証する。なお、取得した視聴者の人数より撮影画像情報から検知した視聴者の人数が少ない場合であっても、少なくとも視聴を許可された人数以上ではないため、当該視聴者全員が正当な視聴者であることを認証してもよい。
【0054】
なお、視聴者識別部156による視聴者の識別は、サーバ20で行ってもよい。この場合、撮影画像情報をサーバ20へ送信してもよく、端末装置10の機能として、視聴者特定情報取得部154及び視聴者識別部156を備えなくてもよい。
【0055】
映像表示制御部157は、サーバ20から送信される映像情報を受信し、映像として各種映像を表示装置に上映(表示)させる処理を制御する。例えば、視聴者識別部156により、カメラ130によって撮影された視聴者が正当な視聴者であることを識別できた場合にのみ、映像を表示してもよい。また、視聴者状態情報取得部155により、視聴者の状態を示す情報が、映像を視聴可能な状態であると判定された場合にのみ、映像を表示してもよい。
【0056】
また、例えば端末装置10にスピーカ等の音声出力装置を備えさせることにより、映像表示制御部157は、サーバ20から送信される映像情報を受信し、映像情報に係る画像を表示装置に上映(表示)させ、映像情報に係る音声を音声出力装置から出力させるように構成してもよい。例えば、端末装置10の音声出力装置を、映像を視聴するのに適した状態に設定することで、より高品質の音声による映像の視聴が可能になる。
【0057】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図5は、実施の形態1の上映システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
図5に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0058】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0059】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、視聴者データベース2021と、機器データベース2022と、視聴購入データベース2023と、映像データベース2024等を記憶する。
【0060】
視聴者データベース2021は、上映システム1における、各種映像を視聴するユーザ(視聴者)の情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0061】
機器データベース2022は、上映システム1で使用される端末装置10の機器の情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0062】
視聴購入データベース2023は、上映システム1を使用して各種映像を視聴するためにユーザ(視聴者)が購入した、映像を視聴する権利(チケット)の情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0063】
映像データベース2024は、上映システム1において上映(表示)される映像情報を保持するためのデータベースである。この映像情報は、端末装置10を介してテレビ等の表示装置に表示させる映像の情報である。なお、サーバ20は、映像データベース2024として実際の映像情報を保持する必要はなく、例えば、他のサーバで管理を行い、当該サーバへのリンク情報のみを保持してもよい。
【0064】
制御部203は、サーバ20のプロセッサがプログラムにしたがって処理を行うことにより、各種モジュールとして示す機能を発揮する。各種モジュールは、受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、視聴受付モジュール2033、視聴者特定情報送信モジュール2034、視聴者認証モジュール2035、映像情報配信モジュール2036を含む。
【0065】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルにしたがって信号を受信する処理を制御する。
【0066】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルにしたがって信号を送信する処理を制御する。
【0067】
視聴受付モジュール2033は、視聴者がユーザ端末30で映像視聴の申込を行うので、その申込を受け付ける処理を制御する。視聴受付モジュール2033は、例えば、ユーザ端末30に対して、視聴可能な映像の種類(例えば、映像のジャンルやカテゴリ等)、映像のタイトル、視聴可能時間、チケットの料金等の情報を選択可能に送信して視聴者に提示する。視聴者は、ユーザ端末30を操作して、提示された映像の中から選択するので、視聴受付モジュール2033は、この選択された映像の情報を受け付ける。その後、サーバ20において、視聴者に対して端末装置10を送付する処理が行われる。
【0068】
視聴者特定情報送信モジュール2034は、端末装置10の視聴者特定情報取得部154が映像視聴の申込を行った視聴者を特定する情報の送信要求を送信するので、その送信要求への応答として、視聴者を特定する情報を送信する処理を制御する。視聴者を特定する情報は、前述のように、コード番号やQRコードのような識別情報、視聴者の顔を特定する顔写真、視聴者の人数を特定する情報として人数情報や複数の視聴者全員の顔写真を含む。
【0069】
視聴者認証モジュール2035は、端末装置10のカメラ130によって撮影された視聴者が、サーバ20に対して映像視聴の申込を行った正当な視聴者であることを認証する処理を制御する。視聴者認証モジュール2035で行う認証は、端末装置10の視聴者識別部156が行う視聴者の認証と同様であり、当該機能を端末装置10で行う場合には、サーバ20の機能として視聴者認証モジュール2035を備えなくてもよい。
【0070】
映像情報配信モジュール2036は、映像視聴の申込を行った視聴者の端末装置10に対して、映像に係る映像情報を配信する処理を制御する。映像情報配信モジュール2036は、視聴者データベース2021に格納されている視聴者の情報に応じて、特定の視聴者に映像情報を配信するように構成してもよい。具体的には、視聴者の性別、年齢等の属性が特定の視聴者(例えば、20代女性等)のみに配信してもよく、特定の住所の視聴者(例えば、東京都、または関西地方等)のみに配信してもよい。さらに、映像情報配信モジュール2036は、視聴者データベース2021に格納されている視聴者の情報に応じて、特定の視聴者に向けた広告情報(例えば、20代~30代男性に向けて、若者向けの自動車の広告を配信等)を配信するように構成してもよい。このときの広告情報は、静止画でもよく、動画でもよい。
【0071】
<2 データ構造>
図6は、サーバ20が記憶する視聴者データベース2021、機器データベース2022、視聴購入データベース2023のデータ構造を示す図である。
【0072】
図6に示すように、視聴者データベース2021のレコードのそれぞれは、項目「視聴者ID」と、項目「視聴者名」と、項目「年齢」と、項目「性別」と、項目「住所」と、項目「顔写真データ」と、項目「視聴状態情報」と、項目「貸出機器ID」等を含む。
【0073】
項目「視聴者ID」は、映像視聴の申込を行った視聴者それぞれを識別する情報である。なお、上映システム1の運用として、映像視聴の申込を行うためには会員登録が必要な運用としてもよく、その場合、会員それぞれを識別する情報としてもよい。
【0074】
項目「視聴者名」は、映像視聴の申込を行った視聴者の氏名を示す情報である。
【0075】
項目「年齢」は、映像視聴の申込を行った視聴者の年齢を示す情報である。
【0076】
項目「性別」は、映像視聴の申込を行った視聴者の性別を示す情報である。
【0077】
項目「住所」は、映像視聴の申込を行った視聴者の住所を示す情報である。
【0078】
項目「顔写真データ」は、映像視聴の申込を行った視聴者の顔を特定する写真データであり、例えば、視聴者がユーザ端末30で撮影した自己の顔写真データである。
【0079】
項目「視聴状態情報」は、映像視聴の申込を行った視聴者について、映像視聴に関する分析を行った分析情報である。視聴者の分析については後述する。
【0080】
項目「貸出機器ID」は、映像視聴の申込を行った視聴者に貸与した端末装置10それぞれを識別する情報である。
【0081】
機器データベース2022のレコードのそれぞれは、項目「機器ID」と、項目「デバイスID」と、項目「IPアドレス」と、項目「通信履歴データ」等を含む。
【0082】
項目「機器ID」は、映像視聴の申込を行った視聴者に貸与した端末装置10それぞれを識別する情報であり、視聴者データベース2021の項目「機器ID」に対応している。
【0083】
項目「デバイスID」は、端末装置10を特定するための情報であり、機器のメーカが付与した個々の機器を識別するための情報である。
【0084】
項目「IPアドレス」は、端末装置10とインターネット経由で通信を行う際に必要となる、端末装置10それぞれのアドレス情報である。
【0085】
項目「通信履歴データ」は、端末装置10と通信を行った履歴情報であり、端末装置10との通信が正常に行われたか否かを判断し、端末装置10のメンテナンス情報として使用するための情報である。
【0086】
視聴購入データベース2023のレコードのそれぞれは、項目「視聴者ID」と、項目「映像ID」と、項目「視聴可能人数」と、項目「視聴者情報」と、項目「状態情報」等を含む。
【0087】
項目「視聴者ID」は、映像視聴の申込を行った視聴者それぞれを識別する情報であり、視聴者データベース2021の項目「視聴者ID」に対応している。
【0088】
項目「映像ID」は、映像に係る映像情報それぞれを識別する情報であり、映像データベース2024(図示は省略)の映像情報それぞれを識別する項目「映像ID」に対応している。
【0089】
項目「視聴可能人数」は、映像視聴の申込を行った視聴者の人数を特定する情報であり、視聴者がユーザ端末30で映像視聴の申込を行った際、(サーバ20が提示した中から)視聴者が指定した人数の情報である。
【0090】
項目「視聴者情報」は、項目「視聴可能人数」が複数人の場合における、映像視聴の申込を行った視聴者以外の視聴者を特定する情報である。例えば、視聴者データベース2021の項目「顔写真データ」と同様の、視聴者の顔を特定する写真データが格納されている。
【0091】
項目「状態情報」は、視聴者の状態を示す情報であり、具体的には、例えば視聴者が表示装置の前にいる際の顔の向き、顔の表情、視聴者の身体の姿勢、視聴者が覚醒状態であるかまたは睡眠状態であるかを示す情報である。
【0092】
視聴受付モジュール2033は、視聴者から映像視聴の申込を受け付けると、申込情報を視聴購入データベース2023に格納する。
【0093】
<3 動作>
以下、
図7及び
図8を参照しながら、実施の形態1における上映システム1による映像の上映処理について説明する。
【0094】
図7は、実施の形態1の上映システム1により、映像の視聴申込受付処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0095】
ステップS111において、ユーザ端末30の入力装置33は、ユーザから上映システム1のサービスを利用するため、ユーザ情報の入力操作を受け付ける。例えばユーザは、サーバ20が提供するWebページを参照し、ユーザの識別情報(視聴者ID)やパスワードを入力する操作を行う。通信IF32は、ユーザの識別情報やパスワードの情報をサーバ20へ送信する。なお、上映システム1の運用として、映像視聴の申込を行うためには会員登録が必要な運用としてもよく、その場合、ユーザが会員登録されていない場合、新規会員登録を行うWebページにおいて、ユーザの個人情報の入力が行われ、会員登録がなされる。
【0096】
ステップS121において、サーバ20の視聴受付モジュール2033は、端末装置10から送信されたユーザの識別情報やパスワードの情報を、通信部201を介して受け付ける。視聴受付モジュール2033は、受け付けたユーザのユーザ端末30に対して、視聴可能な映像の一覧情報、それぞれの映像の視聴開始日時やチケットの金額の情報、及びこれらの映像の中から視聴を希望する場合に情報入力を行う入力フォーマットを、通信部201を介して送信する。
【0097】
ステップS112において、ユーザ端末30の通信IF32は、サーバ20から送信された視聴可能な映像の一覧情報、視聴開始日時等の情報、及び入力フォーマットを受け付ける。ユーザ端末30の出力装置34は、受け付けた入力フォーマットを画面上に表示させる。ユーザ端末30の入力装置33は、表示された入力フォーマットから、ユーザによる映像視聴の申込の入力操作を受け付ける。通信IF32は、映像視聴の申込情報をサーバ20へ送信する。
【0098】
ステップS122において、サーバ20の視聴受付モジュール2033は、端末装置10から送信された映像視聴の申込情報を、通信部201を介して受け付ける。
【0099】
ステップS123において、サーバ20は、ステップS122で映像視聴の申込情報を受け付けた、当該申込を行ったユーザに対して、端末装置10を送付する処理を行う。なお、端末装置10は、ユーザが映像視聴の申込を行うごとに毎回送付する必要はなく、ユーザがすでに端末装置10を所持している場合、当該ステップは行わなくてもよい。
【0100】
ステップS124において、サーバ20の視聴受付モジュール2033は、ステップS121で受け付けたユーザ情報を視聴者データベース2021へ格納する処理を行う。また、視聴受付モジュール2033は、ステップS122で受け付けた映像視聴の申込情報を視聴購入データベース2023へ格納する処理を行う。
【0101】
以上のように、上映システム1では、ユーザの操作により映像視聴の申込がされると、端末装置10を送付する処理を行う。ユーザは、端末装置10が届くと、以下に説明するように自己のテレビ等に接続する。
【0102】
図8は、実施の形態1の上映システム1により、映像の上映処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0103】
ステップS211において、映像視聴の申込を行ったユーザ(視聴者)は、サーバ20を運営する事業者から送付された端末装置10の接続部14を自己の表示装置に接続するので、端末装置10の接続検知部152は、端末装置10の接続部14が表示装置に接続されたことを検知する処理を行う。表示装置では、外部接続端子に接続部14が接続されると検知信号を(または、端末装置10が表示装置に対して送信した信号に対する応答信号を)送信するので、接続検知部152では、受信した信号を検知することで、端末装置10の接続部14が表示装置に接続されたことを検知する。
【0104】
ステップS212において、端末装置10の撮影制御部153は、ステップS211で表示装置への接続を検知すると、カメラ130を起動させ、表示装置の周囲を撮影させて撮影画像情報を生成する処理を行う。撮影制御部153は、例えば、撮影画像から人物を検知すると、撮影された人物を視聴者として撮影を継続するように制御する。
【0105】
ステップS213において、端末装置10の視聴者特定情報取得部154は、サーバ20に対して映像視聴の申込を行った視聴者を特定する情報を、サーバ20に送信して取得する処理を行う。視聴者特定情報取得部154は、送受信部151を介して、視聴者を特定する情報をサーバ20へ送信させ、サーバ20からの応答により視聴者を特定する情報を取得する。
【0106】
ステップS223において、サーバ20の視聴者特定情報送信モジュール2034は、ステップS213における端末装置10からの送信要求に応答して、視聴者を特定する情報を送信する処理を行う。視聴者特定情報送信モジュール2034は、視聴者を特定する情報として、例えばコード番号やQRコードのような識別情報、視聴者の顔を特定する顔写真、視聴者の人数を特定する情報として人数情報や複数の視聴者全員の顔写真を、通信部201を介して送信する。
【0107】
ステップS214において、端末装置10の視聴者識別部156は、ステップS212で撮影を開始したカメラ130による視聴者の撮影画像情報から、撮影された視聴者が、サーバ20に対して映像視聴の申込を行った正当な視聴者であることを識別する処理を行う。視聴者識別部156は、視聴者を特定する情報がコード番号やQRコードの場合、視聴者がそのコード番号やQRコードをカメラ130で撮影できるように提示するので、その情報を読み取って一致するか判定する。また、視聴者識別部156は、視聴者を特定する情報が視聴者の顔を特定する顔写真の場合、撮影画像情報から視聴者の顔を検知して一致するか判定する。また、視聴者識別部156は、視聴者を特定する情報が視聴者の人数を特定する情報の場合、撮影画像情報から視聴者の顔を検知して許可された視聴者の人数と一致(または許可された人数以下)するか判定する。
【0108】
ステップS225において、サーバ20の映像情報配信モジュール2036は、映像視聴の申込を行った視聴者の端末装置10に対して、映像に係る映像情報を配信する処理を行う。映像情報配信モジュール2036は、映像に係る映像情報を、通信部201を介して端末装置10へ送信する。
【0109】
ステップS215において、端末装置10の映像表示制御部157は、ステップS225でサーバ20から送信された映像情報を受信し、映像として各種映像を表示装置に上映(表示)させる処理を行う。このとき、映像表示制御部157は、ステップS214において、カメラ130で撮影された視聴者がサーバ20に対して映像視聴の申込を行った正当な視聴者であることの認証がされた場合にのみ、各種映像を表示装置に上映(表示)させる。
【0110】
ステップS226において、サーバ20は、映像視聴の申込を行った視聴者の映像視聴が行われた旨の情報(図示は省略)を、視聴購入データベース2023へ格納する処理を行う。
【0111】
以上のように、上映システム1では、映像視聴の申込を行うと、端末装置が送付され、その端末装置を自己の表示装置に接続すると、視聴者の認証が行われ、映像が表示装置に表示される。これにより、不正利用を防止し、容易に利用可能な映像配信システムの構築が可能になる。
【0112】
<4 画面例>
以下、
図9及び
図10を参照しながら、上映システム1による映像の上映処理の画面例について説明する。
【0113】
図9は、映像の視聴申込受付処理における、ユーザ端末30に申込情報を表示した画面例を示す図である。
図9の画面例は、視聴可能な映像の一覧情報から1つの映像の情報を選択し、表示された入力フォーマットから、ユーザによる映像視聴の申込の入力操作を行う画面例を示す。
図7のステップS112に相当する。
【0114】
図9に示すように、ユーザ端末30の出力装置(ディスプレイ)34には、ユーザが選択した映像の情報が表示される。
図9の例では、映像の視聴が可能な日時情報1031aと、視聴可能な人数及びその人数に対するチケットの金額を選択可能な選択ボタン1031b~1031dが設けられている。なお、例えば、選択ボタン1031bに表示されている「ソロ」は、1人の視聴者が視聴可能であることを示し、選択ボタン1031cに表示されている「ペア」は、2人の視聴者が視聴可能であることを示し、選択ボタン1031dに表示されている「ファミリー」は、4人の視聴者が視聴可能であることを示している。ユーザは、選択ボタン1031b~1031dのいずれか1つを選択してタップ等により押下することで、選択した映像の視聴が可能になる。
【0115】
図10は、映像の上映処理における、端末装置10のカメラ130に視聴者が撮影された状態の例を示す図である。
図10の例は、撮影制御部153の制御により、カメラ130で撮影された人物が視聴者として撮影された、撮影画像情報の例を示す。
図8のステップS212による撮影画像情報である。
【0116】
図10に示すように、カメラ130による撮影画像情報を所定のPC等で表示した例を示すウィンドウWには、カメラ130による撮影範囲であるフレーム1032aが表示されている。フレーム1032aには、視聴者1032bが撮影された状態で表示され、視聴者の顔1032cが認識された状態で表示されている。顔1032cの認識は、前述のように、公知技術である顔認識の手法により行われる。また、視聴者1032bが正当な映像視聴の申込を行った視聴者であることを認証するため、前述のように、例えば特徴量抽出の処理等により認証が行われる。
【0117】
<小括>
以上のように、本実施形態によると、ユーザが映像視聴の申込を行うと、ユーザに端末装置が送付され、その端末装置を自己の表示装置に接続すると、映像情報が配信され、映像が表示装置に表示される。これにより、映像配信システムを容易に利用し、映像を視聴することが可能になる。
【0118】
また、ユーザが端末装置を自己の表示装置に接続すると、視聴者の撮影が行われて視聴者の認証が行われ、視聴者が正当な場合にのみ映像が表示装置に表示される。これにより、映像配信システムにおいて、不正利用を防止することが可能になる。
【0119】
<第2の実施の形態>
以下、上映システム1の他の実施の形態について説明する。
【0120】
<1 上映システム1の全体構成>
図11は、実施の形態2の上映システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。第2の実施の形態における上映システム1の全体の構成、端末装置10の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、繰り返して説明しない。サーバ20の構成については、
図11に示すように、新たに視聴者状態分析モジュール2037の機能を備える以外、第1の実施の形態と同様である。以下、第2の実施の形態における視聴者状態分析モジュール2037の機能について説明する。
【0121】
視聴者状態分析モジュール2037は、視聴者状態情報取得部155による視聴者の状態を示す情報に基づき、分析を行い、視聴者の視聴状態を示す情報を取得する処理を制御する。視聴者状態情報取得部155による分析対象は、具体的には、視聴者の顔の向き、視聴者の顔の表情、視聴者の身体の姿勢や動きであり、例えば画像解析により分析が行われる。また、視聴者の視聴状態を示す情報とは、例えば、視聴者の感情、視聴者の映像に対する集中度合い、視聴者の映像に対する満足度合いであり、例えば、表示装置の方向を見て当該視聴者が映像の視聴に集中しているか、他の方向を向いたり頻繁に身体を動かしたりして映像の視聴に集中していない(すなわち、当該映像の視聴に退屈している)かにより判定する。また、これらの視聴者の状態を示す情報から、視聴者が一時的に写らなくなったこと(お手洗い等の一時的な離席)、視聴者が長時間写らなくなったこと(別の用事等で視聴を中止)か、を検知してもよい。これらの分析結果は、当該視聴者の映像に対する嗜好情報として記録され、当該映像を評価し、視聴者への映像のレコメンドや、当該事業者において提供する映像の選択に利用することが可能である。
【0122】
視聴者状態分析モジュール2037による顔の向きの分析手法は、前述の公知技術である顔認識の手法が用いられてもよい。視聴者状態分析モジュール2037による顔の表情の分析手法は、例えば、公知技術であるFACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)等の手法が用いられる。このFACSは、顔の表情筋それぞれにアクションユニットと呼ばれるコードが割り振られ、顔の表情筋の動きに応じて変化するアクションユニットの強度やバランスに対応してそのときの感情を特定する手法であり、人の感情を認識するための人工知能技術である。これにより、視聴者の感情を特定することが可能である。
【0123】
視聴者状態分析モジュール2037による視聴者の視聴状態を示す情報の取得は、例えば、視聴者の顔の向きを変化させる動き、視聴者の顔の表情、視聴者の身体の姿勢や動き回数、大きさをそれぞれ数値化することで行われる。
【0124】
具体例として、視聴者の顔の向きを変化させる動き、視聴者の身体の姿勢を変化させる動きの回数を算出し、所定時間ごとの回数を算出する。ここで、人が何かに集中しているときは、顔の向きや身体を動かす回数は減少する傾向にあることが、経験的に知られている。そのため、顔の向きや身体を動かす回数の頻度を分析することにより、視聴者の集中度を推定できると考えられる。これにより、映像への集中度を示す情報を取得することが可能になる。
【0125】
別の具体例として、目の開き度合いや、所定時間ごとのまばたきの回数を算出する。ここで、人が何かに集中しているときは、目の開きが大きくなり、まばたきの回数が減少する傾向にあることが、経験的に知られている。そのため、目の開き度合いや、所定時間ごとのまばたきの回数の頻度を分析することにより、視聴者の集中度を推定できると考えられる。これにより、映像への集中度を示す情報を取得することが可能になる。
【0126】
さらに別の具体例として、視聴者の顔の向きを変化させる動き、視聴者の身体の姿勢を変化させる動き、目の開き度合い、所定時間ごとのまばたきの回数に対して、それぞれ所定の演算を行い、演算後のそれぞれの値を加算することで集中度を算出してもよい。さらにまた、映像への集中度を示す情報から、映像への満足度を示す情報を算出してもよい。映像への満足度は、映像への集中度に比例すると考えられるため、映像への集中度を映像への満足度とみなしてもよく、映像への集中度に対して視聴者の感情を加味した所定の演算を行って、映像に対する満足度合いを算出してもよい。
【0127】
<2 データ構造>
実施の形態2におけるデータ構造は、実施の形態1と同様である。
【0128】
<3 動作>
以下、
図12を参照しながら、実施の形態2における上映システム1による映像の上映処理について説明する。
【0129】
図12は、実施の形態2の上映システム1により、映像の上映処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
図12に示すフローチャートにおける映像の上映処理は、
図8に示すフローチャートにおける映像の上映処理のステップS215及びステップS225の後続処理として、ステップS311、ステップS321、ステップS322、及びステップS323が追加されるため、重複する処理については繰り返して説明しない。また、
図12に示すフローチャートでは、ステップS211~S214及びステップS223の図示を省略する。
【0130】
ステップS311において、端末装置10の視聴者状態情報取得部155は、カメラ130による視聴者の撮影画像情報から、視聴者の状態を検知し、視聴者の状態を示す情報として取得する処理を行う。また、視聴者状態情報取得部155は、サーバ20に対して視聴者の状態を示す情報を、送受信部151を介して、サーバ20に送信させる処理を行う。
【0131】
ステップS321において、サーバ20の視聴者状態分析モジュール2037は、端末装置10から送信された視聴者の状態を示す情報を、通信部201を介して受け付ける。
【0132】
ステップS322において、サーバ20の視聴者状態分析モジュール2037は、ステップS321で受け付けた視聴者の状態を示す情報に基づき、分析を行い、視聴者の視聴状態を示す情報を取得する処理を行う。
【0133】
ステップS323において、サーバ20の視聴者状態分析モジュール2037は、ステップS321で受け付けた視聴者の状態を示す情報を視聴購入データベース2023へ格納する処理を行う。また、視聴者状態分析モジュール2037は、ステップS322で行った分析結果の情報を視聴者データベース2021へ格納する処理を行う。
【0134】
以上のように、上映システム1では、視聴者が映像を視聴すると、端末装置10のカメラ130が視聴者を撮影し、視聴者の状態を示す情報を取得する。この視聴者の状態を示す情報に基づき、分析が行われ、視聴者の視聴状態を示す情報が取得される。これにより、視聴者の映像に対する嗜好情報として記録され、視聴者への映像のレコメンドや、当該事業者において提供する映像の選択に利用することが可能である。
【0135】
<小括>
以上のように、本実施形態によると、視聴者が映像を視聴すると視聴者の撮影が行われ、視聴者の状態を示す情報を取得する。この視聴者の状態を示す情報に基づき、分析が行われ、視聴者の視聴状態を示す情報が取得される。これにより、視聴者の映像に対する嗜好情報として記録され、視聴者への映像のレコメンドや、当該事業者において提供する映像の選択に利用することが可能である。
【0136】
<第3の実施の形態>
以下、上映システム1の他の実施の形態について説明する。
【0137】
<1 上映システム1の全体構成>
図13は、実施の形態3の上映システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。第3の実施の形態における上映システム1の全体の構成、端末装置10の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、繰り返して説明しない。サーバ20の構成については、
図13に示すように、新たに評価情報受付モジュール2038の機能を備える以外、第1の実施の形態と同様である。以下、第3の実施の形態における評価情報受付モジュール2038の機能について説明する。
【0138】
評価情報受付モジュール2038は、視聴者がユーザ端末30で、視聴した映像に対する評価情報を送信するので、その評価情報を受け付ける処理を制御する。視聴者が送信する評価情報とは、例えば、視聴した映像が面白かった、楽しかった、つまらなかった、退屈した、等の感想を示す情報であり、テキスト形式の自由記載による情報でもよく、評価を数値化した値、例えば5段階評価の1~5のいずれかの値でもよい。この評価情報は、当該映像を制作した製作者や出演者等に対して送信される。さらに、評価情報は、当該映像に対する評価に応じて、当該映像を制作した製作者や出演者等に対して送信可能な金銭的価値であってもよい。ここで、金銭的価値とは、現金としての決済情報でもよく、現金と同様に決済可能なクレジット情報や各種ポイント情報、暗号資産であってもよい。
【0139】
<小括>
以上のように、本実施形態によると、視聴者が映像を視聴すると、視聴者が映像に対する評価情報を送信するので、その評価情報を受け付ける。この評価情報は、当該映像を制作した製作者や出演者等に対して送信される。これにより、視聴者の感想を制作者等にフィードバックさせることが可能である。また、評価情報が金銭的価値を有する場合、良い映像を制作した製作者等に対して、いわゆる投げ銭やおひねりのような形で、金銭的価値を提供することが可能である。
【0140】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換及び変更を行なって実施することができる。これらの実施形態及び変形例ならびに省略、置換及び変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0141】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0142】
(付記1)制御部と、撮影部とを備え、映像を表示する表示装置に接続される端末装置であって、撮影部は、表示装置に表示される映像を視聴する視聴者を撮影し、撮影画像情報を生成し、制御部は、表示装置に接続されたことを検知するステップと、撮影画像情報に基づき、視聴者の状態を示す情報を取得するステップと、視聴者の状態を示す情報に基づき、外部から配信される映像に係る映像情報を受信し、映像を前記表示装置に表示させるステップと、を実行する、端末装置。
【0143】
(付記2)制御部は、撮影画像情報に基づき、視聴者が映像を視聴可能な状態であることを検知し、視聴者の状態を示す情報を取得するステップと、視聴者が映像を視聴可能な状態である場合、映像の表示装置への表示を開始するステップと、を実行する、(付記1)に記載の端末装置。
【0144】
(付記3)撮影画像情報における視聴者の顔の向き、表情、視聴者の姿勢、視聴者が覚醒状態であること、のいずれか1つまたは複数を検知することで、視聴者が映像を視聴可能な状態であることを検知する、(付記2)に記載の端末装置。
【0145】
(付記4)制御部は、さらに、映像の視聴を許可された視聴者を特定する情報を、外部から取得するステップを実行し、視聴者を特定する情報に基づく所定の認証により、視聴者が映像の視聴を許可された者であると特定できた場合、映像の表示装置への表示を開始するステップを実行する、(付記1)から(付記3)のいずれかに記載の端末装置。
【0146】
(付記5)視聴者は、映像の視聴を許可された者であると特定する情報を、外部装置から送信し、視聴者が送信した情報を受信すると、所定の認証が行われ、映像の表示装置への表示を開始するステップを実行する、(付記4)に記載の端末装置。
【0147】
(付記6)制御部は、撮影画像情報に基づき、視聴者を検知するステップと、所定の認証として、撮影画像情報に基づいて検知した視聴者が映像の視聴を許可された者であると認証すると、映像の表示装置への表示を開始するステップと、を実行する、(付記4)または(付記5)に記載の端末装置。
【0148】
(付記7)制御部は、映像の視聴を許可された視聴者の顔を特定する視聴者画像情報を取得するステップと、撮影画像情報に基づき、視聴者の顔を検知するステップと、視聴者画像情報と、撮影画像情報における視聴者の顔との比較に基づき、検知した視聴者が映像の視聴を許可された者であると認証すると、映像の表示装置への表示を開始するステップと、を実行する、(付記6)に記載の端末装置。
【0149】
(付記8)制御部は、視聴者の顔を検知するステップにおいて、視聴者画像情報における視聴者の顔の特徴量である第1特徴量を抽出し、撮影画像情報における視聴者の顔の特徴量である第2特徴量を抽出し、第1特徴量と第2特徴量とを比較し、所定の値または所定の割合以上一致する場合、検知した視聴者が映像の視聴を許可された者であると認証し、映像の表示装置への表示を開始する、(付記7)に記載の端末装置。
【0150】
(付記9)制御部は、映像の視聴を許可された視聴者の人数を特定する情報を取得するステップと、撮影画像情報に基づき、視聴者の人数を検知するステップと、検知した視聴者の人数が、映像の視聴を許可された人数以下であると認証すると、映像の表示装置への表示を開始するステップと、を実行する、(付記6)から(付記8)のいずれかに記載の端末装置。
【0151】
(付記10)制御部は、撮影画像情報に基づき、映像を視聴しているときの視聴者を検知し、撮影画像情報における視聴者の状態に基づき、視聴者の視聴状態を示す情報を取得するステップを実行する、(付記1)から(付記9)のいずれかに記載の端末装置。
【0152】
(付記11)撮影画像情報に基づき、映像を視聴しているときの視聴者の顔を検知し、撮影画像情報における視聴者の顔の表情の状態に基づき分析を行い、視聴者の視聴状態を示す情報を取得するステップを実行する、(付記10)に記載の端末装置。
【0153】
(付記12)撮影画像情報に基づき、映像を視聴しているときの視聴者の体の動きを検知し、撮影画像情報における視聴者の身体の動きの状態に基づき分析を行い、視聴者の視聴状態を示す情報を取得するステップを実行する、(付記10)または(付記11)に記載の端末装置。
【0154】
(付記13)視聴者の視聴状態を示す情報として、視聴者の感情、視聴者の映像に対する集中度合い、視聴者の映像に対する満足度合いのいずれか1つまたは複数の状態を示す情報を取得するステップを実行する、(付記10)から(付記12)のいずれかに記載の端末装置。
【0155】
(付記14)制御部は、外部から配信される映像に係る映像情報を受信し、映像情報に係る画像を表示装置に表示させ、映像情報に係る音声を出力するステップを実行する、(付記1)から(付記13)のいずれかに記載の端末装置。
【0156】
(付記15)制御部は、視聴者から、映像情報に係る評価情報を受け付けるステップを実行する、(付記1)から(付記14)のいずれかに記載の端末装置。
【0157】
(付記16)プロセッサを備え、映像を表示する表示装置に接続されるコンピュータにより実行されるための方法であって、方法は、プロセッサが、表示装置に接続されたことを検知するステップと、表示装置に表示される映像を視聴する視聴者を撮影して撮影画像情報を生成するステップと、撮影画像情報に基づき、視聴者の状態を示す情報を取得するステップと、視聴者の状態を示す情報に基づき、外部から配信される映像に係る映像情報を受信し、映像を前記表示装置に表示させるステップと、を実行する、方法。
【0158】
(付記17)プロセッサを備え、映像を表示する表示装置に接続されるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、表示装置に接続されたことを検知するステップと、表示装置に表示される映像を視聴する視聴者を撮影して撮影画像情報を生成するステップと、撮影画像情報に基づき、視聴者の状態を示す情報を取得するステップと、視聴者の状態を示す情報に基づき、外部から配信される映像に係る映像情報を受信し、映像を前記表示装置に表示させるステップと、を実行させる、プログラム。
【符号の説明】
【0159】
10 端末装置、20 サーバ、30 ユーザ端末、80 ネットワーク、130 カメラ、140 記憶部、141 機器情報、142 視聴者情報、143 映像情報、150 制御部、22 通信IF、23 入出力IF、25 メモリ、26 ストレージ、29 プロセッサ、201 通信部、202 記憶部、2021 視聴者データベース、2022 機器データベース、2023 視聴購入データベース、2024 映像データベース、203 制御部