(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022064904
(43)【公開日】2022-04-26
(54)【発明の名称】玩具収納用容器および玩具収納物品
(51)【国際特許分類】
B65D 1/30 20060101AFI20220419BHJP
A63H 33/00 20060101ALI20220419BHJP
G07F 9/00 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
B65D1/30
A63H33/00 301Z
G07F9/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022003903
(22)【出願日】2022-01-13
(62)【分割の表示】P 2019233095の分割
【原出願日】2019-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】誉田 恒之
(57)【要約】
【課題】環境に優しい玩具収納用容器を提供する。
【解決手段】玩具収納用容器10は、物品供給装置で玩具を供給するときに用いられるものであり、第1外郭要素11と、第1外郭要素11に連結可能な第2外郭要素12とから構成され、玩具収納用容器10は、第1外郭要素11と第2外郭要素12とを連結した状態において内部空間と通じる開口部OPを外表面に形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品供給装置で玩具を供給するときに用いられる玩具収納用容器であって、
第1外郭要素と、前記第1外郭要素に連結可能な第2外郭要素と、から構成され、
前記第2外郭要素は、本体部と、前記本体部の下端に設けられた少なくとも2個の脚部と、を含み、
前記玩具収納用容器は、前記第1外郭要素と前記第2外郭要素とを連結した状態において内部空間と通じる開口部を外表面に形成する、
玩具収納用容器。
【請求項2】
前記開口部は、前記第2外郭要素側に存する、
請求項1に記載の玩具収納用容器。
【請求項3】
前記開口部は、少なくとも2個形成され、前記少なくとも2個の脚部の間隙である、
請求項1または2に記載の玩具収納用容器。
【請求項4】
前記少なくとも2個の脚部は、同じ幅に形成される、
請求項1~3のいずれか1項に記載の玩具収納用容器。
【請求項5】
前記少なくとも2個の開口部は、同じ開口面積に形成される、
請求項3または4に記載の玩具収納用容器。
【請求項6】
前記第1外郭要素は、外観が球欠状の本体部を含み、
前記第2外郭要素の前記本体部は、外観が球欠状であり、
前記第1外郭要素と前記第2外郭要素とを連結した後の前記玩具収納用容器の外郭は球状の外観を成す、
請求項1~5のいずれか1項に記載の玩具収納用容器。
【請求項7】
前記第2外郭要素の前記少なくとも2個の脚部の先端には、連結部が設けられ、
前記第1外郭要素の前記本体部の上端には、前記連結部が連結可能な少なくとも2個の被連結部が設けられている、
請求項6に記載の玩具収納用容器。
【請求項8】
玩具支持用の支持要素をさらに含み、
前記第2外郭要素の前記本体部の外表面には、前記支持要素を収容可能な溝状の収容部が設けられている、
請求項1~7のいずれか1項に記載の玩具収納用容器。
【請求項9】
前記第1外郭要素は、前記第2外郭要素が連結可能な第3外郭要素と、前記第3外郭要素に連結可能な第4外郭要素と、から成り、
前記玩具収納用容器は、前記第2外郭要素と、前記第3外郭要素と、前記第4外郭要素と、から構成されている、
請求項1~8のいずれか1項に記載の玩具収納用容器。
【請求項10】
前記第2外郭要素は、外観が球欠状の本体部と、前記本体部の下端に設けられた少なくとも2個の脚部と、を含み、
前記第3外郭要素は、外観が球台状の本体部を含み、
前記第4外郭要素は、外観が球欠状の本体部を含み、
前記第2外郭要素と前記第3外郭要素と前記第4外郭要素とを連結した後の前記玩具収納用容器の外郭は球状の外観を成す、
請求項9に記載の玩具収納用容器。
【請求項11】
前記第3外郭要素の前記本体部の下端には、円状の被連結部が設けられ、
前記第4外郭要素の前記本体部の上端には、前記被連結部に連結可能な環状の連結部が設けられている、
請求項10に記載の玩具収納用容器。
【請求項12】
前記第3外郭要素の前記被連結部の内側には、円状の貫通孔が形成され、
前記第4外郭要素の前記連結部は、前記第4外郭要素を反転した状態で前記第3外郭要素の前記被連結部に連結され、前記貫通孔を閉塞できるように構成されている、
請求項11に記載の玩具収納用容器。
【請求項13】
前記玩具収納用容器は、前記第2外郭要素と、前記第3外郭要素と、前記第4外郭要素と、玩具支持用の支持要素と、から構成されている、
請求項9~12のいずれか1項に記載の玩具収納用容器。
【請求項14】
前記支持要素は、本体部と、前記本体部の端部に設けられた角度可変部と、を含む、
請求項13に記載の玩具収納用容器。
【請求項15】
前記角度可変部は、前記本体部の両端部に設けられる、
請求項14に記載の玩具収納用容器。
【請求項16】
前記第2外郭要素は、外観が球欠状の本体部と、前記本体部の下端に設けられた少なくとも2個の脚部と、を含み、
前記支持要素の前記本体部は、湾曲した形を成し、
前記第2外郭要素の前記本体部の外表面には、前記支持要素の前記本体部を収容可能な溝状の収容部が設けられている、
請求項14または15に記載の玩具収納用容器。
【請求項17】
前記第2外郭要素の前記収容部は、前記支持要素の前記本体部を収容した状態において、前記支持要素の前記角度可変部が前記第2外郭要素の前記少なくとも2個の脚部に沿う位置に設けられている、
請求項16に記載の玩具収納用容器。
【請求項18】
前記第3外郭要素は、外観が球台状の本体部を有し、
前記第4外郭要素は、外観が球欠状の本体部を有し、
前記第2外郭要素と前記第3外郭要素と前記第4外郭要素とを連結し、かつ、前記支持要素の前記本体部を前記第2外郭要素の前記収容部に収容した後の前記玩具収納用容器の外郭は球状の外観を成す、
請求項16または17に記載の玩具収納用容器。
【請求項19】
前記第3外郭要素の上端には、前記第2外郭要素と前記第3外郭要素とを連結し、かつ、前記支持要素の前記本体部を前記第2外郭要素の前記収容部に収容した状態において、前記支持要素の前記角度可変部の端部を差込可能な第1差込部が設けられている、
請求項16~18のいずれか1項に記載の玩具収納用容器。
【請求項20】
前記第3外郭要素の下端には、前記支持要素の前記角度可変部の端部を差込可能な第2差込部が設けられている、
請求項18または19に記載の玩具収納用容器。
【請求項21】
前記第3外郭要素の前記本体部の下端には、円状の被連結部が設けられ、
前記第4外郭要素の前記本体部の上端には、前記被連結部に連結可能な環状の連結部が設けられ、
前記第3外郭要素の前記第2差込部は、前記第3外郭要素の被連結部の内側に存し、
前記第4外郭要素の前記本体部の上端周囲には、前記第3外郭要素の前記第2差込部を受容する受容部が設けられている、
請求項20に記載の玩具収納用容器。
【請求項22】
前記玩具収納用容器には、前記支持要素に着脱可能な支持補助要素が付属されている、
請求項13~21のいずれか1項に記載の玩具収納用容器。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか1項に記載の前記玩具収納用容器の内部空間に玩具が収納されている、
玩具収納物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機等の物品供給装置で玩具を供給するときに用いられる玩具収納用容器と、当該容器を用いた玩具収納物品に関する。
【背景技術】
【0002】
前掲の玩具収納用容器は、一般に連結可能な半球状の2つの部品から成り、玩具は連結状態の球状の容器の内部空間に収納されている(後記特許文献1の
図5を参照)。また、玩具収納後の容器(玩具収納物品)は、自動販売機等の物品供給装置の供給対象となる。ちなみに、ここでの「半球状」と「球状」は、半球形と球形の他に各々に類似の外観を成すものを含む。
【0003】
ところで、玩具を取り出した後の容器は、通常、不要となった段階で廃棄される。容器の原材料は一般に合成樹脂であるため、不要となった容器が資源ゴミとして廃棄される場合は別として、可燃ゴミや不燃ゴミとして廃棄される場合があることを環境保全の観点から思慮する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、環境に優しい玩具収納用容器および玩具収納物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る玩具収納用容器は、物品供給装置で玩具を供給するときに用いられるものであり、第1外郭要素と、第1外郭要素に連結可能な第2外郭要素とから構成され、第2外郭要素は、本体部と、本体部の下端に設けられた少なくとも2個の脚部と、を含み、玩具収納用容器は、第1外郭要素と第2外郭要素とを連結した状態において内部空間と通じる開口部を外表面に形成する。一方、本発明に係る玩具収納物品は、前掲の玩具収納用容器の内部空間に玩具が収納されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、環境に優しい玩具収納用容器および玩具収納物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1(A)は本発明の第1実施形態に係る玩具収納用容器の前面図、
図1(B)は同左側面図、
図1(C)は同上面図、
図1(D)は
図1(B)のD-D線拡大断面図である。
【
図2】
図2(A)は
図1に示した第1外郭要素の上面図、
図2(B)は
図1に示した第2外郭要素の下面図である。
【
図3】
図3(A)および
図3(B)は
図1に示した玩具収納用容器への玩具の収納方法の説明図である。
【
図4】
図4(A)および
図4(B)は
図1に示した玩具収納用容器の変形例の説明図である。
【
図5】
図5(A)は本発明の第2実施形態に係る玩具収納用容器の前面図、
図5(B)は同下面図、
図5(C)は
図5(B)のC-C線拡大断面図である。
【
図6】
図6(A)は
図5に示した第3外郭要素の上面図、
図6(B)は
図5に示した第4外郭要素の上面図である。
【
図7】
図7(A)~
図7(C)は
図5に示した玩具収納用容器の第3外郭要素および第4外郭要素の利用方法の説明図である。
【
図8】
図8は
図5に示した玩具収納用容器の変形例の説明図である。
【
図9】
図9(A)は本発明の第3実施形態に係る玩具収納用容器の前面図、
図9(B)は同左側面図、
図9(C)は同上面図、
図9(D)は同下面図、
図9(E)は
図9(B)のE-E線拡大断面図である。
【
図12】
図12(A)および
図12(B)は
図9に示した玩具収納用容器の第3外郭要素、第4外郭要素および支持要素の利用方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、便宜上、
図1(A)の手前側を前、奥側を後、左側を右、右側を左、上側を上、下側を下と表記し、他の図についてもこれに準じて向きを表記する。
【0010】
また、以下の説明で用いた「球欠状」と「球台状」と「球状」は、球欠形と球台形と球形の他に各々に類似の外観を成すものを含む。
【0011】
《第1実施形態》
まず、
図1および
図2を用いて、本発明の第1実施形態に係る玩具収納用容器10(以下、単に容器10と言う)の構成を説明する。
【0012】
この容器10は、自動販売機等の物品供給装置で玩具を供給するときに用いられる玩具収納用の容器である。
【0013】
容器10は、合成樹脂製の第1外郭要素11と、第1外郭要素11に連結可能な合成樹脂製の第2外郭要素12と、から構成されており、当該容器10は、第1外郭要素11と第2外郭要素12とを連結した状態において内部空間(符号省略)と通じる2個の開口部OPを外表面(第2外郭要素12側)に形成する。
【0014】
第1外郭要素11は、外観が球欠状の本体部11aと、本体部11aの上端内側に設けられた上面視で180度対称の2個の張出部11bとを有し、各張出部11bには、上面視で180度対称の矩形状の被連結部11b1が設けられている(
図2(A)を参照)。各張出部11bの上面は、本体部11aの上端と面一である。
【0015】
第1外郭要素11の上下方向寸法は、好ましくは
図1(A)に示した容器10の上下方向寸法の1/2以下である。ちなみに、容器10の最大寸法および合成樹脂の種類等にもよるが、本体部11aの厚さは好ましくは1mm~2mmである。
【0016】
第2外郭要素12は、外観が球欠状の本体部12aと、本体部12aの下端に設けられた下面視で180度対称の2個の横断面矩形状の脚部12bとを有し、各脚部12bの下端には、下面視で180度対称の横断面矩形状の連結部12b1が設けられている(
図2(B)を参照)。各脚部12bの連結部12b1は、第1外郭要素11の各被連結部11b1への嵌め込みとその解除を可能としている(
図1(D)を参照)。図面には連結部12b1として脚部12bよりも幅が小さいものを描いているが、連結部12b1の幅を脚部12bの幅と同じにしてもよい。無論、嵌め込みとその解除が可能であれば、各連結部12b1と各被連結部11b1は、横断面が円状や多角状等のものであってもよい。
【0017】
各脚部12bの外表面は本体部12aの外表面と連続した丸みがあり、内面は平坦面であるため、本体部12aと厚さと同じ基端よりも下方には本体部12aよりも厚さが大きい部分がある。このようにした理由は、各脚部12bの幅が小さい場合の強度向上を図ることにある。
【0018】
第2外郭要素12の上下方向寸法は、
図1(A)に示した容器10の上下方向寸法の1/2よりも大きいものの、本体部12aの上下方向寸法は、好ましくは
図1(A)に示した容器10の上下方向寸法の1/3以下である。ちなみに、容器10の最大寸法および合成樹脂の種類等にもよるが、本体部12aの厚さは好ましくは1mm~2mmである。
【0019】
第2外郭要素12を第1外郭要素11に連結するときは、第2外郭要素12の各脚部12bの連結部12b1を、第1外郭要素11の各被連結部11b1に嵌め込めばよい(
図1(D)を参照)。
【0020】
第1外郭要素11と第2外郭要素12とを連結した状態では、第2外郭要素12の各脚部12bの間隙により2個の開口部OPが第2外郭要素12の本体部12aと第1外郭要素11との間に形成される。第2外郭要素12の各脚部12bが同じ幅を有し下面視で180度対称の場合、各開口部OPは同じ開口面積となる(
図1(A)~
図1(C)を参照)。
【0021】
すなわち、第1外郭要素11と第2外郭要素12とを連結した後の容器10の外郭は球状の外観を成し、内部空間に通じる2個の開口部OPを外表面に形成するものとなる(
図1(A)~
図1(C)を参照)。
【0022】
次に、
図3を用いて、前記容器10への玩具TOYの収納方法を説明する。
【0023】
容器10に収納可能な玩具TOYには、非組み立て式のものと組み立て式のものとがあり、組み立て式のものは組み立て可能な複数の部品から構成されている。
【0024】
玩具TOYが非組み立て式のもののときは、
図3(A)および
図3(B)に示したように、玩具TOYを第1外郭要素11の内側に入れ、その上に第2外郭要素12を被せて各脚部12bの連結部12b1を第1外郭要素11の各被連結部11b1に嵌め込み、必要に応じて玩具収納後の容器10を合成樹脂フィルムで覆えばよい。無論、収納前の玩具TOYは合成樹脂袋に詰めたものや合成樹脂フィルムで覆ったもの等であってもよい。図面には非組み立て式の玩具TOYとして球状のものを便宜的に描いているが、非組み立て式の玩具は球状以外の外観を成す他の立体物であってもよく、種類(模倣対象を含む)にも特段の制限はない。
【0025】
一方、玩具TOYが組み立て式のもののときは、当該玩具TOYを構成する複数の部品を合成樹脂袋に詰めたものや合成樹脂フィルムで覆ったものを第1外郭要素11の内側に入れ、その上に第2外郭要素12を被せて各脚部12bの連結部12b1を第1外郭要素11の各被連結部11b1に嵌め込み、必要に応じて玩具収納後の容器10を合成樹脂フィルムで覆えばよい。無論、非組み立て式のものと同様、組み立て式の玩具は球状以外の外観を成す他の立体物であってもよく、種類(模倣対象を含む)にも特段の制限はない。
【0026】
また、玩具TOYが組み立て式のもののときは、当該玩具TOYを構成する複数の部品をそのまま容器10に収納して、玩具収納後の容器10を合成樹脂フィルムで覆うようにしてもよい。この場合、一部の部品が2個の開口部OPから部分的にはみ出る可能性があるが、はみ出しの程度が小さければ、合成樹脂フィルムで覆われた玩具収納後の容器10(玩具収納物品)を自動販売機等の物品供給装置で供給することができる。
【0027】
なお、玩具収納後の容器10(玩具収納物品)から玩具TOY(非組み立て式のものまたは組み立て式もの)を取り出すときは、合成樹脂フィルムで覆われている場合にはこれを取り除いてから、第1外郭要素11と第2外郭要素12との連結を解除すればよい。
【0028】
次に、
図4を用いて、前記容器10の変形例を説明する。
【0029】
図1および
図2には第2外郭要素12として2個の脚部12bを有するものを示したが、
図4(A)に示したように脚部12bを4個(開口部OPも4個)としたり、または、3個(開口部OPも3個)や5個以上(開口部OPも5個以上)としてもよい。ただし、脚部12bを3個以上とする場合には開口部OPの総開口面積が小さくならないように各脚部12bの幅を調整することが好ましい。無論、脚部12bを1個(開口部OPも1個)としてもよいが、この場合には脚部12bに充分な強度が得られるようにその幅または厚さを調整することが好ましい。
【0030】
また、
図1および
図2には第2外郭要素12の2個の脚部12bとしてその厚さが均一でないものを示したが、
図4(B)に示したように脚部12b’の厚さを均一(例えば本体部12aと同じ厚さ)としてその下端内側に逆L状の連結部12b1’を設けてもよい。
【0031】
さらに、
図1および
図2には2個の開口部OPが容器10の第2外郭要素12側に存するものを示したが、各開口部OPに対応する凹みを第1外郭要素11の上端に設けて、各開口部OPの開口面積の増加を図るようにしてもよい。
【0032】
次に、前記容器10によって得られる主たる効果を説明する。
【0033】
容器10は、第1外郭要素11と第2外郭要素12とを連結した状態において内部空間と通じる開口部OPを外表面に形成するため、従前の容器と比べて、容器10に使用される原材料(合成樹脂)の量を低減することが可能となる。よって、不要となった第1外郭要素11と第2外郭要素12が可燃ゴミや不燃ゴミとして廃棄された場合でも多少なりとも環境保全に貢献できる利点がある。
【0034】
《第2実施形態》
次に、
図5および
図6を用いて、本発明の第2実施形態に係る玩具収納用容器20(以下、単に容器20と言う)の構成を説明する。なお、この説明では第1実施形態の説明に用いた図を適宜引用する。
【0035】
この容器20は、第1実施形態に係る容器10と同様、自動販売機等の物品供給装置で玩具を供給するときに用いられる玩具収納用の容器である。
【0036】
この容器20が、第1実施形態に係る容器10と異なるところは、
・第1実施形態に係る容器10の第1外郭要素11が、第2外郭要素22が連結可能な第
3外郭要素21と、第3外郭要素21に連結可能な第4外郭要素23と、から成る点
にある。換言すれば、容器20は、第1実施形態に係る容器10の第1外郭要素11を第3外郭要素21と第4外郭要素23とによって構成したものであるため、第2実施形態に係る容器30の説明に「第1外郭要素」の名称を便宜上使用していない。
【0037】
すなわち、容器20は、合成樹脂製の第3外郭要素21と、第3外郭要素21に連結可能な合成樹脂製の第2外郭要素22と、第3外郭要素21に連結可能な合成樹脂製の第4外郭要素23と、から構成されており、当該容器20は、第2外郭要素22と第3外郭要素21と第4外郭要素23とを連結した状態において内部空間(符号省略)と通じる2個の開口部OPを外表面(第2外郭要素22側)に形成する。
【0038】
第3外郭要素21は、外観が球台状の本体部21aと、本体部21aの上端内側に設けられた上面視で180度対称の2個の張出部21bとを有し、各張出部21bには、上面視で180度対称の矩形状の被連結部21b1が設けられている(
図6(A)を参照)。各張出部21bの上面は、本体部21aの上端と面一である。
【0039】
また、第3外郭要素21は、本体部21aの下端に設けられた下面視が円状の被連結部21cと、被連結部21cの内側に設けられた下面視が円状の貫通孔21c1とを有し、被連結部21cの周囲(本体部21aの下端)は、下面視が環状の平坦面21c2となっている(
図5(C)を参照)。
【0040】
第3外郭要素21の上下方向寸法は、好ましくは
図5(A)に示した容器20の上下方向寸法の1/3以下である。ちなみに、容器20の最大寸法および合成樹脂の種類等にもよるが、本体部21aの厚さは好ましくは1mm~2mmである。
【0041】
第2外郭要素22は、外観が球欠状の本体部22aと、本体部22aの下端に設けられた下面視で180度対称の2個の横断面矩形状の脚部22bとを有し、各脚部22bの下端には、下面視で180度対称の横断面矩形状の連結部22b1(図示省略)が設けられている(
図2(B)を参照)。各脚部22bの連結部22b1は、第3外郭要素21の各被連結部21b1への嵌め込みとその解除を可能としている(
図1(D)を参照)。第1実施形態に係る容器10と同様、連結部22b1の幅は脚部22bの幅と同じにしてもよい。無論、嵌め込みとその解除が可能であれば、各連結部22b1と各被連結部21b1は、横断面が円状や多角状等のものであってもよい。
【0042】
各脚部22bの外表面は本体部22aの外表面と連続した丸みがあり、内面は平坦面であるため、本体部22aと厚さと同じ基端よりも下方には本体部22aよりも厚さが大きい部分がある。このようにした理由は、各脚部22bの幅が小さい場合の強度向上を図ることにある。
【0043】
第2外郭要素22の上下方向寸法は、
図5(A)に示した容器20の上下方向寸法の1/2よりも大きいものの、本体部22aの上下方向寸法は、好ましくは
図5(A)に示した容器20の上下方向寸法の1/3以下である。ちなみに、容器20の最大寸法および合成樹脂の種類等にもよるが、本体部22aの厚さは好ましくは1mm~2mmである。
【0044】
第4外郭要素23は、外観が球欠状の本体部23aと、本体部23aの上端周囲に設けられた下面視が環状の連結部23bとを有する。連結部23bは、第3外郭要素21の被連結部21cへの嵌め込みとその解除を可能としているとともに、第4外郭要素23を上下反転した状態で、第3外郭要素21の被連結部21cへの嵌め込みとその解除を可能としている(
図5(C)の2点鎖線を参照)。図面には連結部23bとして被連結部21cの深さと同じ厚さのものを描いているが、連結部23bの厚さを被連結部21cの深さよりも多少大きくしてよいし小さくしてもよい。
【0045】
第4外郭要素23の上下方向寸法は、好ましくは
図5(A)に示した容器20の上下方向寸法の1/4以下である。ちなみに、容器20の最大寸法および合成樹脂の種類等にもよるが、本体部23aの厚さは好ましくは1mm~2mmである。
【0046】
第2外郭要素22を第3外郭要素21に連結するときは、第2外郭要素22の各脚部22bの連結部22b1を、第3外郭要素21の各被連結部21b1に嵌め込めばよい(
図1(D)を参照)。また、第4外郭要素23を第3外郭要素21に連結するときには、第4外郭要素23の連結部23bを、第3外郭要素21の被連結部21cに嵌め込めばよい(
図5(C)を参照)。
【0047】
第2外郭要素22と第3外郭要素21と第4外郭要素23とを連結した状態では、第2外郭要素22の各脚部22bの間隙により2個の開口部OPが第2外郭要素22の本体部22aと第3外郭要素21との間に形成される。第2外郭要素22の各脚部22bが同じ幅を有し下面視で180度対称の場合、各開口部OPは同じ開口面積となる(
図5(A)を参照)。
【0048】
すなわち、第2外郭要素22と第3外郭要素21と第4外郭要素23とを連結した後の容器20の外郭は球状の外観を成し、内部空間に通じる2個の開口部OPを外表面に形成するものとなる(
図5(A)を参照)。
【0049】
なお、容器20に収納可能な玩具TOYと前記容器20への玩具TOYの収納方法(取出方法を含む)は、第1実施形態に係る容器10と同じであるため、その説明を省略する。
【0050】
次に、
図7を用いて、容器20を構成する第3外郭要素21および第4外郭要素23の利用方法を説明する。
【0051】
第3外郭要素21および第4外郭要素23は、卓上等に載置可能な玩具用の観賞用具として利用可能である。
【0052】
第3外郭要素21および第4外郭要素23を観賞用具として利用する場合には、玩具収納後の容器20(玩具収納物品)の第2外郭要素22と第3外郭要素21との連結を解除し、
図7(A)示したように、第3外郭要素21と第4外郭要素23との連結を解除する。
【0053】
そして、
図7(B)に示したように、第3外郭要素21を上下反転して卓上等の被載置面(
図7(B)の2点鎖線を参照)に載置し、第4外郭要素23を上下反転して連結部23bを第3外郭要素21の被連結部21cに嵌め込む。この嵌め込み時には第4外郭要素23の本体部23aは第3外郭要素21の貫通孔21c1に挿入される。
【0054】
そして、
図7(C)に示したように、
図7(B)に示した観賞用具の上に、玩具収納後の容器10(玩具収納物品)から取り出した玩具TOYを乗せる。図面には玩具TOYとして球状のものを便宜的に描いているが、玩具TOYは球状以外の外観を成す立体物であってもよい。
【0055】
次に、
図8を用いて、前記容器20の変形例を説明する。
【0056】
図5および
図6には第4外郭要素23として被連結部21cの周囲に環状の平坦面21c2が形成されるものを示したが、
図8に示したように、第3外郭要素21の被連結部21cの下端が第3外郭要素21の外表面に位置するようにすれば、被連結部21cの周囲から環状の平坦面21c2を排除することも可能である。このようにしても、第3外郭要素21の被連結部21cへの第4外郭要素23の連結部23bの嵌め込みおよびその解除(第4外郭要素23を反転した場合も含む)が可能である。
【0057】
なお、第2外郭要素22および第3外郭要素21に関する変形例は、第1実施形態で述べた第2外郭要素12および第1外郭要素11に関する変形例と同じであるため、その説明を省略する。
【0058】
次に、前記容器20によって得られる主たる効果を説明する。
【0059】
容器20は、当該容器20を構成する第3外郭要素21および第4外郭要素23を玩具TOY用の観賞用具として利用可能であるため、同様の観賞用具を別途購入する必要がない。また、観賞用具として利用可能な第3外郭要素21および第4外郭要素23が廃棄される可能性が低くなるため、環境保全により貢献できる利点がある。
【0060】
なお、容器20によって得られる他の主たる効果は、第1実施形態で述べた主たる効果と同じであるため、その説明を省略する。
【0061】
《第3実施形態》
次に、
図9~
図11を用いて、本発明の第3実施形態に係る玩具収納用容器30(以下、単に容器30と言う)の構成を説明する。なお、この説明では第1および第2実施形態の説明で用いた図を適宜引用する。
【0062】
この容器30は、第1および第2実施形態に係る容器10および20と同様、自動販売機等の物品供給装置で玩具を供給するときに用いられる玩具収納用の容器である。
【0063】
この容器30が、第2実施形態に係る容器20と異なるところは、
・第2外郭要素32の本体部32aの外表面に設けられた溝状の収容部32cに収容可能
な玩具支持用の支持要素34を、さらに備える点
にある。第2実施形態と同様、容器30は、第1実施形態に係る容器10の第1外郭要素11を第3外郭要素31と第4外郭要素33とによって構成したものであるため、第3実施形態に係る容器30の説明に「第1外郭要素」の名称を便宜上使用していない。
【0064】
すなわち、容器30は、合成樹脂製の第3外郭要素31と、第3外郭要素31に連結可能な合成樹脂製の第2外郭要素32と、第3外郭要素31に連結可能な合成樹脂製の第4外郭要素33と、玩具支持用の支持要素34と、から構成されており、当該容器30は、第2外郭要素32と第3外郭要素31と第4外郭要素33とを連結し、かつ、支持要素34の本体部34aを第2外郭要素32の収容部32cに収容した状態において内部空間(符号省略)と通じる2個の開口部OPを外表面(第2外郭要素32側)に形成する。
【0065】
第3外郭要素31は、外観が球台状の本体部31aと、本体部31aの上端内側に設けられた上面視で180度対称の2個の張出部31bとを有し、各張出部31bには、上面視で180度対称の矩形状の被連結部31b1と、上面視で180度対称の楕円状の第1差込部31b2と、が設けられている(
図10(A)を参照)。各張出部31bの上面は、本体部31aの上端と面一である。
【0066】
また、第3外郭要素31は、本体部31aの下端に設けられた下面視が円状の被連結部31cと、被連結部31cの内側に設けられた下面視が円状の貫通孔31c1とを有し、被連結部31cの周囲(本体部31aの下端)は、下面視が環状の平坦面(符号省略)となっている(
図5(C)を参照)。
【0067】
さらに、第3外郭要素31は、本体部31aの被連結部31cの内側に、下面視が第1差込部31b2と同じ楕円状の第2差込部31d1が設けられた張出部31dを有する(
図9(D)および
図10(A)を参照)。張出部31dの下面は、本体部31aの下端と面一である。
【0068】
第3外郭要素31の上下方向寸法は、好ましくは
図9(A)に示した容器30の上下方向寸法の1/3以下である。ちなみに、容器30の最大寸法および合成樹脂の種類等にもよるが、本体部31aの厚さは好ましくは1mm~2mmである。
【0069】
第2外郭要素32は、外観が球欠状の本体部32aと、本体部32aの下端に設けられた下面視で180度対称の2個の横断面矩形状の脚部32bとを有し、各脚部32bの下端には、下面視で180度対称の横断面矩形状の連結部32b1(
図10(B)を参照)が設けられている。各脚部32bの連結部32b1は、第3外郭要素31の各被連結部31b1への嵌め込みとその解除を可能としている。第1および第2実施形態に係る容器10および20と同様、連結部32b1の幅は脚部32bの幅と同じにしてもよい。無論、嵌め込みとその解除が可能であれば、各連結部32b1と各被連結部31b1は、横断面が円状や多角状等のものであってもよい。
【0070】
各脚部32bの外表面は本体部32aの外表面と連続する丸みがあり、内面は平坦面であるため、本体部32aと厚さと同じ上端よりも下方には本体部32aよりも厚さが大きい部分がある。各脚部32bに本体部32aよりも厚さが大きな部分を設けた理由は、各脚部32bの幅が小さい場合の強度向上を図ることにある。
【0071】
また、第2外郭要素32は、本体部32aの外表面に、支持要素34の本体部34aを収容可能な溝状の収容部32cを有し、収容部32cの内側には、縦断面U字状の座部32dが設けられている(
図9(A)~
図9(C)と
図10(B)を参照)。図面には座部32dとして収容部32cの中央部分のみに対応する寸法のものを描いているが、座部32dは収容部32cの全域に対応する寸法のものであってもよいし、座部32dを2個以上として収容部32cに沿って間隔をおいて設けるようにしてもよい。
【0072】
収容部32cは、各脚部32bの基端を結ぶように本体部32aの外表面に設けられている。このようにした理由は、収容部32cに支持要素34の本体部34を収容した状態において(
図9(A)~
図9(C)を参照)、支持要素34の角度可変部34bによって各開口部OPが分断されないようにすることと、各脚部32bの強度を支持要素34の角度可変部34bによって補えるようにしたことにある。
【0073】
第2外郭要素32の上下方向寸法は、
図9(A)に示した容器30の上下方向寸法の1/2よりも大きいものの、本体部32aの上下方向寸法は、好ましくは
図9(A)に示した容器30の上下方向寸法の1/3以下である。ちなみに、容器30の最大寸法および合成樹脂の種類等にもよるが、本体部32aの厚さは好ましくは1mm~2mmである。
【0074】
第4外郭要素33は、外観が球欠状の本体部33aと、本体部33aの上端周囲に設けられた下面視が環状の連結部33bとを有し、第4外郭要素33の上端周囲には、第3外郭要素31の第2差込部31d1(張出部31d)を受容する上下面視がU字状の受容部33cが設けられている(
図9(D)および
図10(C)を参照)。連結部33bは、第3外郭要素31の被連結部31cへの嵌め込みとその解除を可能としているとともに、第4外郭要素33を上下反転した状態で、第3外郭要素31の被連結部31cへの嵌め込みとその解除を可能としている(
図5(C)の2点鎖線を参照)。第2実施形態に係る容器20と同様、連結部33bの厚さは被連結部31cの深さよりも多少大きくしてよいし小さくしてもよい。
【0075】
第4外郭要素33の上下方向寸法は、好ましくは
図9(A)に示した容器30の上下方向寸法の1/4以下である。ちなみに、容器30の最大寸法および合成樹脂の種類等にもよるが、本体部33aの厚さは好ましくは1mm~2mmである。
【0076】
支持要素34は、本体部34aと、本体部34aの両先端に設けられた角度可変部34bとを有する(
図11(A)および
図11(B)を参照)。本体部34aは湾曲した形を成し、前面視および後面視における上側の丸みは、第2外郭要素32の外表面の丸みに相当する。換言すれば、第2外郭要素32の収容部32cは、湾曲した形を成す本体部34aの収容と取り出しが行えるようになっている。各角度可変部34bは同一の形状および寸法を有する。
【0077】
本体部34aは断面が円状で、各先端の後側には、本体部34aの太さよりも小さな薄厚部34a1があり、薄厚部34b1には、前面視で6角状の貫通孔34a2が前後方向に設けられている(
図11(C)および
図11(D)を参照)。各角度可変部34bは、前後面視よりも左右側面視の太さが大きい楕円状の横断面を有し、各上端の前側には、角度可変部34bの側面太さよりも小さな薄肉部34b1があり、薄肉部34b1には、前掲の貫通孔34a2に対応した後面視で6角状の突起34b2が前後方向に設けられている(
図11(E)~
図11(G)を参照)。各角度可変部34bの下端は、第3外郭要素31の各第1差込部31b2と第2差込部31d1への嵌め込みとその解除を可能としている(
図9(D)および
図9(E)を参照)。無論、第2外郭要素32の収容部32cへの収容と取り出しが可能であれば、本体部34aの断面は多角状等のものであってもよい。また、嵌め込みとその解除が可能であれば、角度可変部34bと各第1差込部31b2および第2差込部31d1は、横断面が円状や多角状等のものであってもよい。
【0078】
角度可変部34bの突起34b2は、本体部34aの貫通孔34a2への嵌め込みとその解除を可能としており、貫通孔34a2への嵌め込み向きを変えることで、本体部34aに対する角度を前後面視において60度単位で変更できるようになっている。また、角度可変部34bの突起34b2を本体部34aの貫通孔34a2に嵌め込んだ状態における角度可変部34bの側面太さは、好ましくは本体部34aの太さと同じであるが、本体部34aの太さよりも小さくしても多少大きくすることも可能である。無論、嵌め込みとその解除、ならびに、角度変化が可能であれば、角度可変部34bの突起34b2と本体部34aの貫通孔34a2は、断面が6角以外の多角状であってもよく、嵌め合いを強くすれば断面が円状とすることも可能である。
【0079】
第2外郭要素32を第3外郭要素31に連結するときは、第2外郭要素32の各脚部32bの連結部32b1を、第3外郭要素31の各被連結部31b1に嵌め込めばよい(
図1(D)を参照)。また、第4外郭要素33を第3外郭要素31に連結するときには、第4外郭要素33の連結部33bを、第3外郭要素31の被連結部31cに嵌め込めばよい(
図5(C)を参照)。
【0080】
また、支持要素34の本体部34aを第2外郭要素32の収容部32cに収容するときには、支持要素34の本体部34aを、第2外郭要素32の上から収容部32cに挿入するとともに、支持要素34の各角度下縁部34bの下端を、第3外郭要素31の各第1差込部31b2に嵌め込めばよい(
図9(E)を参照)。
【0081】
第2外郭要素32と第3外郭要素31と第4外郭要素33とを連結し、かつ、支持要素34の本体部34aを第2外郭要素32の収容部34cに収容した状態では、第2外郭要素32の各脚部32bの間隙により2個の開口部OPが第2外郭要素32の本体部32aと第3外郭要素31との間に形成される。第2外郭要素32の各脚部32bが同じ幅を有し下面視で180度対称の場合、各開口部OPは同じ開口面積となる(
図9(A)~
図9(C)を参照)。
【0082】
すなわち、第2外郭要素32と第3外郭要素31と第4外郭要素33とを連結し、かつ、支持要素34の本体部34aを第2外郭要素32の収容部34cに収容した後の容器30の外郭は球状の外観を成し、内部空間に通じる2個の開口部OPを外表面に形成するものとなる(
図9(A)~
図9(C)を参照)。
【0083】
なお、容器30に収納可能な玩具TOYと前記容器30への玩具TOYの収納方法(取出方法を含む)は、第1実施形態に係る容器10と同じであるため、その説明を省略する。
【0084】
次に、
図12を用いて、容器30を構成する第3外郭要素31、第4外郭要素34および支持要素35の利用方法を説明する。
【0085】
第3外郭要素31、第4外郭要素34および支持要素35は、卓上等に載置可能な玩具用の観賞用具として利用可能である。
【0086】
第3外郭要素31、第4外郭要素34および支持要素35を観賞用具として利用する場合には、玩具収納後の容器30(玩具収納物品)の第2外郭要素32と第3外郭要素31との連結を解除し、第3外郭要素31と第4外郭要素33との連結を解除するとともに(
図7(A)を参照)、第2外郭要素32から支持要素34を取り出す。
【0087】
そして、第3外郭要素31を上下反転して卓上等の被載置面(
図12(B)の2点鎖線を参照)に載置し、第4外郭要素33を上下反転し、受容部33cに張出部31dが入るようにして連結部33bを第3外郭要素31の被連結部31cに嵌め込む(
図7(B)を参照)。この嵌め込み時には第4外郭要素33の本体部33aは第3外郭要素31の貫通孔31c1に挿入される。
【0088】
そして、
図12(A)および
図12(B)に示したように、支持要素34の一方の角度可変部34bの向きを変更して、当該角度可変部34bの先端を第3外郭要素31の第2差込部31d1に嵌め込む。
【0089】
そして、
図12(B)に示したように、支持要素34の他方の角度可変部34bに、玩具収納後の容器10(玩具収納物品)から取り出した玩具TOYを取り付ける。なお、この取り付けを行うには、玩具TOYに角度可変部34bが挿入可能な穴またはその代用となる部分を予め設けておく必要がある。図面には玩具TOYとして球状のものを便宜的に描いているが、球状以外の外観を成す立体物であってもよい。
【0090】
次に、
図13を用いて、前記容器30の変形例を説明する。
【0091】
図9~
図11には支持要素34として真っ直ぐな角度可変部34bを有するものを示したが、玩具収納後の容器30(玩具収納物品)から取り出した玩具TOYに前掲の穴またはその代用となる部分がない場合には、当該玩具の一部を取り付け可能な支持補助要素を容器30に付属しておくとよい。付属の方法としては、玩具TOYと一緒に支持補助要素を容器30の内部空間に収納しておく方法が好ましい。
【0092】
図13(A)~
図13(C)は前掲の支持補助要素の一例を示すものであって、図示例の支持補助要素35は、前面視がL字状の本体部35aと、本体部35aの左端に設けられた非貫通の穴35bと、本体部35aの上端に設けられた縦断面U字状の支持部35cとを有している。支持補助要素35の穴35bは、支持要素34の各角度可変部34bのの嵌め込みとその解除を可能としている(
図13(D)を参照)。
【0093】
図13に示した支持補助要素35を容器30に付属しておけば、玩具収納後の容器30(玩具収納物品)から取り出した玩具に支持部35cに嵌め込み可能な部位がある場合に、当該玩具TOYを支持補助要素35を介して支持要素34に取り付けることができる。
【0094】
支持補助要素35は
図13に示した態様に限定されるものではなく、支持要素35の各角度可変部34bの断面形に応じたものや、容器30に収容されている玩具に応じたものに適宜変更可能である。換言すれば、支持補助要素を数種類用意しておいて容器30に収納される玩具に応じたものを選択して付属されせれば、付属されている支持補助要素を用いて玩具を支持要素34に取り付けることが可能となる。
【0095】
なお、第2外郭要素32および第3外郭要素31に関する変形例は、第1実施形態で述べた第2外郭要素12および第1外郭要素11に関する変形例と同じであるため、その説明を省略する。また、第3外郭要素31および第4外郭要素33に関する変形例は、第2実施形態で述べた第3外郭要素21および第4外郭要素23に関する変形例と同じであるため、その説明を省略する。
【0096】
次に、前記容器30によって得られる主たる効果を説明する。
【0097】
容器30は、当該容器30を構成する第3外郭要素31、第4外郭要素33および支持要素34を玩具TOY用の観賞用具として利用可能であるため、とりわけ支持要素34に該当する部分を備えた同様の観賞用具を別途購入する必要がない。また、観賞用具として利用可能な第3外郭要素31、第4外郭要素33および支持要素34が廃棄される可能性が低くなるため、この点において環境保全により貢献できる利点がある。
【0098】
なお、容器30によって得られる他の主たる効果は、第1実施形態で述べた主たる効果と同じであるため、その説明を省略する。
【符号の説明】
【0099】
10…玩具収納用容器、11…第1外郭要素、11a…本体部、11b…張出部、11b1…被連結部、12…第2外郭要素、12a…本体部、12b,12b’…脚部、12b1,12b1’…連結凸部、OP…開口部、TOY…玩具、20…玩具収納用容器、21…第3外郭要素、21a…本体部、21b…張出部、21b1…被連結部、21c…被連結部、21c1…貫通孔、22…第2外郭要素、22a…本体部、22b…脚部、23…第4外郭要素、23a…本体部、23b…連結部、30…玩具収納用容器、31…第3外郭要素、31a…本体部、31b…張出部、31b1…被連結部、31b2…第1差込部、31c…被連結部、31d…張出部、31d1…第2差込部、31c1…貫通孔、32…第2外郭要素、32a…本体部、32b…脚部、32c…収容部、33…第4外郭要素、33a…本体部、33b…連結部、33c…受容部、34…支持要素、34a…本体部、34b…角度可変部、35…支持補助要素。