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特開2022-64916爪コーティングを容易に除去するための方法および組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022064916
(43)【公開日】2022-04-26
(54)【発明の名称】爪コーティングを容易に除去するための方法および組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/37 20060101AFI20220419BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20220419BHJP
   A61Q 3/04 20060101ALI20220419BHJP
   A45D 29/17 20060101ALI20220419BHJP
   A45D 29/18 20060101ALI20220419BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20220419BHJP
   C09J 133/00 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
A61K8/37
A61K8/81
A61Q3/04
A45D29/17
A45D29/18
C09J201/00
C09J133/00
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022005660
(22)【出願日】2022-01-18
(62)【分割の表示】P 2018533726の分割
【原出願日】2016-12-21
(31)【優先権主張番号】14/978,806
(32)【優先日】2015-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】518220372
【氏名又は名称】マイコーン デンタル サプライ カンパニー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】クレシマンノ スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】フィッシュバイン ポール エル.
(72)【発明者】
【氏名】ステッフィエル ラリー ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】カリイ セレン ワイ.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】爪表面を処理するための方法およびキットを提供する。
【解決手段】爪表面を処理するための方法は、(a)コーティングされたまたはコーティングされていない爪表面に接着剤をはけ塗りまたは噴霧する工程;および(b)接着剤でコーティングされた該表面にカバーを適用する工程であって、適用後、該カバーが、20分未満の溶剤浸漬、剥離、またはそれらの組み合わせにより除去可能である、工程を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)コーティングされたまたはコーティングされていない爪表面に接着剤をはけ塗りまたは噴霧する工程;および
(b)接着剤でコーティングされた該表面にカバーを適用する工程であって、適用後、該カバーが、20分未満の溶剤浸漬、剥離、またはそれらの組み合わせにより除去可能である、工程
を含む、爪表面を処理するための方法。
【請求項2】
接着剤を爪表面全体に適用する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
接着剤を爪表面の一部に適用する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
カバーが、20分未満の溶剤浸漬により除去可能である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
カバーが、10分未満の溶剤浸漬により除去可能である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
カバーが、剥離により除去可能である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
接着剤が溶剤型接着剤である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
爪表面へ適用すると、インサイチューで接着剤が形成される、請求項1記載の方法。
【請求項9】
接着剤が、(メタ)アクリレート、シリコーン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリイソプレンゴム、スチレン‐メタクリレート共重合体、スチレン‐ブタジエンゴム、メタクリレート‐ブタジエン‐スチレン共重合体、およびその組み合わせからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項10】
接着剤が、架橋された(メタ)アクリレート共重合体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
接着剤が、(a)C1~C20アルキルメタクリレート単量体;(b)C1~C20アルキルアクリレート単量体;および(c)エチレン性不飽和(メタ)アクリレート架橋単量体の、重合生成物である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
アルキルメタクリレート単量体がメタクリル酸ブチルであり、アルキルアクリレート単量体がアクリル酸ブチルであり、架橋単量体がジメタクリル酸アルキレングリコールである、請求項11記載の方法。
【請求項13】
接着剤が、櫛形ポリマーを含む、請求項1記載の方法。
【請求項14】
接着剤が、1つ以上の反応性官能基を有するポリマーを含む、請求項1記載の方法。
【請求項15】
爪カバーが、ベースコート、カラーコート、およびトップコートからなる群より選択される硬化可能なジェルコーティングを含む、請求項1記載の方法。
【請求項16】
爪カバーが、蒸発性ネイルポリッシュを含む、請求項1記載の方法。
【請求項17】
爪カバーが、人工爪またはネイルチップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項18】
爪カバーが、反応性ネイルポリッシュを含む、請求項1記載の方法。
【請求項19】
爪表面が、コーティングされていない爪表面である、請求項1記載の方法。
【請求項20】
爪表面が、硬化させたジェルネイルでコーティングされている、請求項1記載の方法。
【請求項21】
(a)コーティングされたまたはコーティングされていない爪表面に接着剤をはけ塗りまたは噴霧する工程であって、該接着剤が、(a)C1~C20アルキルメタクリレート単量体;(b)C1~C20アルキルアクリレート単量体;および(c)エチレン性不飽和(メタ)アクリレート架橋単量体、の重合生成物である、工程;ならびに
(b)該接着剤でコーティングされた表面に、硬化可能なジェルカバーを適用する工程であって、適用後、該カバーが、10分未満の溶剤浸漬、剥離、またはそれらの組み合わせにより除去可能である、工程
を含む、爪表面を処理するための方法。
【請求項22】
(a)(a)接着剤と(b)硬化可能なジェル、蒸発性ネイルポリッシュ、反応性ネイルポリッシュ、およびその組み合わせからなる群より選択される爪コーティングとを含む組成物を提供する工程;ならびに
(b)コーティングされたまたはコーティングされていない爪表面に該組成物をはけ塗りまたは噴霧する工程であって、適用後、該爪コーティングが、20分未満の溶剤浸漬、剥離、またはそれらの組み合わせにより除去可能である、工程
を含む、爪表面を処理するための方法。
【請求項23】
(a)コーティングされたまたはコーティングされていない爪表面への適用に適した、はけ塗りまたは噴霧が可能な接着剤;ならびに
(b)硬化可能なジェルネイル、蒸発性ネイルポリッシュ、反応性ネイルポリッシュ、人工爪、およびその組み合わせからなる群より選択される爪カバーであって、コーティングされたまたはコーティングされていない爪に接着剤が適用され、次に該爪カバーが適用された場合、該爪カバーが、20分未満の溶剤浸漬、剥離、またはその組み合わせにより除去可能である、爪カバー
を含む、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティングされたおよびコーティングされていない爪表面から、硬化可能なジェルコーティングまたは蒸発性ポリッシュ等の爪コーティングを除去することに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
蒸発性ネイルポリッシュおよび硬化可能なジェルコーティングはいずれも、ネイルエクステンションを含む人工爪および天然の爪をコーティングするために使用されてきた。蒸発性ポリッシュは、水性または有機溶剤溶液の形態であってもよい。コーティングは、適用後、溶剤を除去するために乾燥させる。適用したコーティングの数に応じて、乾燥時間は1時間以上であり得る。ポリッシュを変更または除去したい場合、一般的には、乾燥させたコーティングをアセトン等の溶剤で処理する。
【0003】
一般的にジェル組成物は、アクリル系またはメタクリル系単量体およびオリゴマーを含む。適用後、例えば紫外線もしくは可視光線への曝露により、または熱的もしくは酸化還元的方法により、いったん硬化させると、ジェルは、約数分という比較的短い時間で、硬く耐久性のあるコーティングを形成する。しかしながら、硬化したコーティングの除去は、蒸発性ポリッシュの除去よりも難しい。典型的には、綿球もしくはネイルワイプにホイルを被せたものを用いて、コーティングされた爪をアセトン、酢酸エチル、酢酸アミル、エタノール、ブタノール等の溶剤に一定時間浸すか、または溶剤の入ったボウルにコーティングされた爪を浸すことが必要であり、その後、硬化したジェルコーティングが取り除かれる。
【発明の概要】
【0004】
概要
一つの局面において、本発明は、コーティングされたまたはコーティングされていない爪表面上に接着剤をはけ塗りまたは噴霧し、接着剤でコーティングされた表面を形成することを含む、爪表面を処理するための方法を記載する。例えば、接着剤の適用には、接着剤が入った容器にブラシを浸漬し、そのブラシを用いて爪表面に接着剤を塗布してもよい。また、接着剤を爪表面上に絞り出し、それを例えばブラシを用いて扱うことにより、爪表面の所望の範囲を接着剤が覆うようにしてもよい。次に、接着剤でコーティングされた表面にカバー(例えば、硬化可能なジェルネイル、蒸発性ネイルポリッシュ、または人工爪)を適用する。カバーは、20分未満の溶剤浸漬、剥離、またはそれらの組み合わせにより除去可能である。
【0005】
接着剤は、爪表面全体またはその一部に適用してもよい。一部の態様において、該カバーは、20分未満または10分未満の溶剤浸漬により除去可能である。他の態様において、コーティングは、接着剤から剥離させることにより除去可能である。
【0006】
接着剤は、溶剤型または水溶液型接着剤であってよい。一部の態様において接着剤は、爪表面への適用後、インサイチューで形成される。適切な接着剤としては、(メタ)アクリレート、シリコーン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリイソプレンゴム、スチレン‐メタクリレート共重合体、スチレン‐ブタジエンゴム、メタクリレート‐ブタジエン‐スチレン共重合体、およびその組み合わせが挙げられる。使用可能な適切な接着剤の例として更に、櫛形および星形ポリマー等の分枝ポリマーが挙げられる。一部の態様において、分枝ポリマーは、ポリマー鎖中に反応性基を含み得る。
【0007】
一つの態様において、接着剤は、架橋された(メタ)アクリレート共重合体である。そのような接着剤としては、(a)C1~C20アルキルメタクリレート単量体(例えば、メタクリル酸ブチル);(b)C1~C20アルキルアクリレート単量体(例えば、アクリル酸ブチル);および(c)エチレン性不飽和(メタ)アクリレート架橋単量体(例えば、ジメタクリル酸アルキレングリコール)の、重合生成物が挙げられる。また、無架橋接着剤を使用してもよい。接着剤は、異なる種類の接着剤の混合物も含み得る。例えば、いくつかの態様において、人工爪またはネイルチップへの使用等の場合、土台となる爪表面への人工爪またはネイルチップの接着を補助するために、接着剤をシアノアクリレート接着剤等と混合してもよい。第二の接着剤の量は、除去能を損なわないように選択される。
【0008】
爪カバーは、硬化可能なジェルコーティング(例えば、ベースコート、カラーコート、またはトップコート)、蒸発性ネイルポリッシュ、反応性ネイルポリッシュ、人工爪もしくはネイルチップ、またはネイルアートであってよい。次に、人工爪またはネイルチップは、シアノアクリレート接着剤等の第二の接着剤を介して、接着剤でコーティングされた表面に粘着させてもよい。爪カバーは、連続コーティングの形態であってもよい。あるいは、不連続であってもよい。後者の例としては、デカールや装飾的デザインが挙げられる。
【0009】
いくつかの態様において、接着剤は、コーティングされていない爪表面に適用される。他の態様において、爪表面は、コーティングされた爪表面である。例えば、爪表面は、硬化されたジェルネイル(例えば、ベースコートまたはカラーコート)でコーティングされていてもよい。
【0010】
更に、本発明は、(a)コーティングされたまたはコーティングされていない爪表面への適用に適した、はけ塗りまたは噴霧が可能な接着剤と;(b)照射硬化性ジェルネイル、蒸発性ネイルポリッシュ、人工爪、およびその組み合わせからなる群より選択される爪カバーとを含む、キットを記載する。コーティングされたまたはコーティングされていない爪表面に接着剤が適用され、次に爪カバーが適用された場合、爪カバーは、20分未満の溶剤浸漬、剥離、またはその組み合わせにより除去可能である。
【0011】
別の局面において、爪カバーは接着剤と組み合わせてもよい。従って、本発明は、(a)(i)接着剤と、(ii)硬化可能なジェル、蒸発性ネイルポリッシュ、反応性ネイルポリッシュ、およびその組み合わせからなる群より選択される爪カバーとを含む組成物を提供する工程;ならびに(b)コーティングされたまたはコーティングされていない爪表面に該組成物をはけ塗りまたは噴霧により適用する工程を含む、爪表面を処理するための方法を記載する。適用後、爪カバーは、20分未満の溶剤浸漬、剥離、またはその組み合わせにより除去可能である。
【0012】
接着剤、または接着剤/爪カバーの組み合わせ組成物は、コーティングされた爪表面およびコーティングされていない爪表面のいずれにも、単にそれをはけ塗りまたは噴霧することで適用される。従って、爪表面の特定の位置に配置することが必要な接着フィルム等と異なり、ネイリストにとって適用が簡便である。例えばカバーの色や種類を変更するために爪カバーを除去したい場合、限られた時間浸漬するか、または、単に剥離除去することにより、接着剤でコーティングされた表面からカバーは容易に除去される。カバーは容易に除去されるため、土台である爪表面の損傷は最小限とすることができる。
【0013】
[本発明1001]
(a)コーティングされたまたはコーティングされていない爪表面に接着剤をはけ塗りまたは噴霧する工程;および
(b)接着剤でコーティングされた該表面にカバーを適用する工程であって、適用後、該カバーが、20分未満の溶剤浸漬、剥離、またはそれらの組み合わせにより除去可能である、工程
を含む、爪表面を処理するための方法。
[本発明1002]
接着剤を爪表面全体に適用する、本発明1001の方法。
[本発明1003]
接着剤を爪表面の一部に適用する、本発明1001の方法。
[本発明1004]
カバーが、20分未満の溶剤浸漬により除去可能である、本発明1001の方法。
[本発明1005]
カバーが、10分未満の溶剤浸漬により除去可能である、本発明1001の方法。
[本発明1006]
カバーが、剥離により除去可能である、本発明1001の方法。
[本発明1007]
接着剤が溶剤型接着剤である、本発明1001の方法。
[本発明1008]
爪表面へ適用すると、インサイチューで接着剤が形成される、本発明1001の方法。
[本発明1009]
接着剤が、(メタ)アクリレート、シリコーン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリイソプレンゴム、スチレン‐メタクリレート共重合体、スチレン‐ブタジエンゴム、メタクリレート‐ブタジエン‐スチレン共重合体、およびその組み合わせからなる群より選択される、本発明1001の方法。
[本発明1010]
接着剤が、架橋された(メタ)アクリレート共重合体を含む、本発明1001の方法。
[本発明1011]
接着剤が、(a)C1~C20アルキルメタクリレート単量体;(b)C1~C20アルキルアクリレート単量体;および(c)エチレン性不飽和(メタ)アクリレート架橋単量体の、重合生成物である、本発明1010の方法。
[本発明1012]
アルキルメタクリレート単量体がメタクリル酸ブチルであり、アルキルアクリレート単量体がアクリル酸ブチルであり、架橋単量体がジメタクリル酸アルキレングリコールである、本発明1011の方法。
[本発明1013]
接着剤が、櫛形ポリマーを含む、本発明1001の方法。
[本発明1014]
接着剤が、1つ以上の反応性官能基を有するポリマーを含む、本発明1001の方法。
[本発明1015]
爪カバーが、ベースコート、カラーコート、およびトップコートからなる群より選択される硬化可能なジェルコーティングを含む、本発明1001の方法。
[本発明1016]
爪カバーが、蒸発性ネイルポリッシュを含む、本発明1001の方法。
[本発明1017]
爪カバーが、人工爪またはネイルチップを含む、本発明1001の方法。
[本発明1018]
爪カバーが、反応性ネイルポリッシュを含む、本発明1001の方法。
[本発明1019]
爪表面が、コーティングされていない爪表面である、本発明1001の方法。
[本発明1020]
爪表面が、硬化させたジェルネイルでコーティングされている、本発明1001の方法。
[本発明1021]
(a)コーティングされたまたはコーティングされていない爪表面に接着剤をはけ塗りまたは噴霧する工程であって、該接着剤が、(a)C1~C20アルキルメタクリレート単量体;(b)C1~C20アルキルアクリレート単量体;および(c)エチレン性不飽和(メタ)アクリレート架橋単量体、の重合生成物である、工程;ならびに
(b)該接着剤でコーティングされた表面に、硬化可能なジェルカバーを適用する工程であって、適用後、該カバーが、10分未満の溶剤浸漬、剥離、またはそれらの組み合わせにより除去可能である、工程
を含む、爪表面を処理するための方法。
[本発明1022]
(a)(a)接着剤と(b)硬化可能なジェル、蒸発性ネイルポリッシュ、反応性ネイルポリッシュ、およびその組み合わせからなる群より選択される爪コーティングとを含む組成物を提供する工程;ならびに
(b)コーティングされたまたはコーティングされていない爪表面に該組成物をはけ塗りまたは噴霧する工程であって、適用後、該爪コーティングが、20分未満の溶剤浸漬、剥離、またはそれらの組み合わせにより除去可能である、工程
を含む、爪表面を処理するための方法。
[本発明1023]
(a)コーティングされたまたはコーティングされていない爪表面への適用に適した、はけ塗りまたは噴霧が可能な接着剤;ならびに
(b)硬化可能なジェルネイル、蒸発性ネイルポリッシュ、反応性ネイルポリッシュ、人工爪、およびその組み合わせからなる群より選択される爪カバーであって、コーティングされたまたはコーティングされていない爪に接着剤が適用され、次に該爪カバーが適用された場合、該爪カバーが、20分未満の溶剤浸漬、剥離、またはその組み合わせにより除去可能である、爪カバー
を含む、キット。
本発明の一つ以上の態様の詳細は、以下の記述に記載されている。本発明の他の特徴、目的および利点は、発明の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
溶剤型接着剤は、コーティングされたまたはコーティングされていない爪表面にはけ塗りまたは噴霧する。接着剤は予備重合してもよい。あるいは、コーティングされたまたはコーティングされていない爪表面への適用後、接着剤はインサイチューで重合してもよい。いったん乾燥すると、接着剤は粘着性の表面を形成し、これに爪カバーを粘着させてもよい。あるいは、爪カバー(ジェルコーティング、蒸発性ネイルポリッシュ、反応性ネイルポリッシュ、またはその組み合わせ)は、接着剤と組み合わせてもよく、その結果得られる組成物を、コーティングされたまたはコーティングされていない爪表面に適用してもよい。接着剤の使用により、単に剥離するかまたは比較的短時間浸漬することで、土台である爪を損傷せず、爪カバーを除去することが可能となる。特に、参照により組み入れられている米国特許第6,803,394号に記載の手順に従い、アセトン、酢酸エチル、酢酸アミル、エタノール、およびブタノールからなる群より選択される浸漬除去剤を用いて爪カバーを浸漬除去する場合、爪カバーは20分以内に浸漬除去される。
【0015】
いくつかの態様において、接着剤は軽く架橋されており、爪カバーを剥離除去した際にそれらは密着したまま機能が失われるように設計されている。その結果、接着剤の一部は爪表面に残留し、それにより爪表面は損傷から保護される。適切な接着剤としては、(メタ)アクリレート、シリコーン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリイソプレンゴム、スチレン‐メタクリレート共重合体、スチレン‐ブタジエンゴム、メタクリレート‐ブタジエン‐スチレン共重合体、およびその組み合わせが含まれる。他の態様において、接着剤は粘着したまま機能が失われるように設計されている。
【0016】
架橋された(メタ)アクリレート共重合体は、特に有用であることが見出されている。そのような接着剤の例としては、(a)C1~C20アルキルメタクリレート単量体;(b)C1~C20アルキルアクリレート単量体;および(c)エチレン性不飽和(メタ)アクリレート架橋単量体(例えば、ジメタクリル酸アルキレングリコール)の、重合生成物が挙げられる。いくつかの態様において、接着剤は、その結合強度を改善するため、アクリル酸を更に含み得る。
【0017】
適切な(メタ)アクリレート単量体の例としては、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル・コハク酸付加物、アセトアセトキシ(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート(AAEMA、AAEA)、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート(EMA、EA)、グリシジル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEMA、HEA)、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートアセテート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(HPMA、HPA)、イソブチル(メタ)アクリレート、
ラウリル(メタ)アクリレート、無水マレイン酸、メトキシポリエチレングリコール(350)モノ(メタ)アクリレート、モノまたはポリ(メタ)アクリル酸、フタル酸モノエチル(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(600)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、PPGモノ(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート(THFMA、THFA)、トリデシル(メタ)アクリレート、およびウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0018】
適切な架橋単量体としては、ジ(メタ)アクリル酸1,3‐グリセリン・コハク酸付加物、ジ(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチエル・コハク酸付加物、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、イソプロピリデンジフェニルビスグリシジル(メタ)アクリレート、メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、有機シラン、有機チタネート、PEG-4ジ(メタ)アクリレート、プロポキシル化アリル(メタ)アクリレート、ピロメリット酸ジ(メタ)アクリレート、ピロメリット酸二無水物ジ(メタ)アクリレート、ピロメリット酸二無水物グリセリルジ(メタ)アクリレート(PMGDM、PMGD)、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、およびトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0019】
櫛形または星形ポリマーと広義に称される、より制御された構造を有する分枝ポリマーも、接着剤として使用可能である。櫛形ポリマーは分枝ポリマーの一種であり、定義された組成および分子量(MW)の2つ以上のポリマー枝がポリマー主鎖骨格に共有結合されている。星形ポリマーまたはデンドリマーは、櫛形ポリマーのサブセットであり、ポリマー主鎖骨格は、付されたポリマー枝より小さい(即ち、オリゴマーまたは単量体である)。櫛形ポリマーの提供する利点は、より長い装着期間である。
【0020】
櫛形ポリマーの調製方法は多数存在する。最も一般的な方法は、米国特許第3,390,206号に記載されているとおり、重合可能なオリゴマーまたは重合体(即ち、マクロモノマー)を別の単量体と共重合させ、所望の櫛形構造を発生させることを伴う。別の取り組みは、“Synthesis of Polymer Brushes Using Atom Transfer Radical Polymerization” Pyun, J., Kowalewski, T., Matyjaszewki, T. Macromolecular Rapid Communications 2003, 24(18), 1043-1059に記載のとおり、ポリマー骨格を持つ官能基を調製し、続く段階でポリマー枝がその官能基から成長する、またはその官能基に結合されることを伴う。いずれの場合でも、形成された櫛形ポリマーは、更に複雑な分枝構造を有する新規の櫛形ポリマーを形成するために、別のポリマー骨格と繋いでもよい。
【0021】
一部の態様において、分枝ポリマーは、1つ以上の反応性基をポリマー鎖に含み得る。例えば、ポリマー鎖は、1ポリマー分子あたり少なくとも0.5モルまたは少なくとも1.0モルの反応性二重結合を含んでいてもよい。一部の態様において、ポリマー鎖は、1ポリマー分子あたり2.0モル未満の反応性二重結合を含んでいてもよい。
【0022】
接着剤は、コーティングされていない(即ち、露出した)爪表面に適用されてもよく、これは、接着剤でコーティングされた爪表面から、その後に施されたカバーを除去できるようにするためである。あるいは、接着剤は、コーティングされた爪表面、例えばベースコートまたはカラーコートでコーティングされた爪表面に適用してもよい。
【0023】
いくつかの異なる爪カバーを、接着剤でコーティングされた爪表面に適用してもよい。いくつかの態様において、蒸発性ネイルポリッシュを、接着剤でコーティングされた表面に適用してもよい。そのようなポリッシュは、溶剤が蒸発すると膜を形成する。蒸発性ネイルポリッシュは、溶剤型または水溶液型であり得る。反応性ネイルポリッシュは、爪カバーとしても有用である。そのようなポリッシュは、例えば、適用後に熱曝露されることで重合する反応性単量体を含む。適切な反応性ネイルポリッシュの例としては、Orly Epix Nail Polish (カリフォルニア州、ロサンゼルス)等、市販のものが挙げられる。人工爪、またはネイルエクステンションも、接着剤でコーティングされた表面に適用してよい。市販のものとしては、H&C Nail Extensions (韓国)が挙げられる。また、ネイルアートを用いてもよい。
【0024】
硬化可能なジェルネイルカバー、例えばベースコート、カラーコート、およびトップコートは、一般的に除去が難しいため、接着剤でコーティングされた表面はそのようなカバーとの使用に特に有用である。適切な硬化可能なジェルネイルの例は、参照によりその全てが本明細書に組み入れられている米国特許第8,697,619,号に記載されている。
【実施例0025】
接着剤の合成
下記の手順は、代表的な架橋された(メタ)アクリレート接着剤(アクリル酸ブチル/メタクリル酸ブチル/ジメタクリル酸1,3‐ブチレングリコール)の調製方法を説明する。
【0026】
冷却器、窒素入口、テフロン製半月型羽根を備えた機械的撹拌機、およびマントルヒーターを装備した500mL樹脂製フラスコに、170.7gのメチルエチルケトンを加えた。この装置を穏やかな流れの窒素下に置き、冷却器に水を流し始め、撹拌は225rpmで開始した。次に溶剤を78~79℃に加熱し、維持した。熱い溶剤に、55.0gのアクリル酸ブチル、40.0gのメタクリル酸ブチル、5.0gのジメタクリル酸1,3‐ブチレングリコール、1.0gのVAZO 52(2,2’‐アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)および10.0gのメチルエチルケトンからなる溶液を2時間かけて添加した。添加中、反応溶液の温度上昇は80~82℃まで許容された。添加完了後、反応溶液の温度を80~82℃で30分間維持した。次に、熱い反応溶液に、0.5gのVAZO 52および5.0gのメチルエチルケトンからなる溶液を一度に加えた。次に反応溶液を80~82℃で40分間維持し、その後35℃以下まで冷まし、包装した。
【0027】
接着剤剥離試験
接着剤剥離強度は、下記の試験方法を用いて評価した。
【0028】
8 15/16インチ×5 14/16インチ×1/4インチの清浄なガラスプレート上に、各接着剤サンプルの3本の薄い細片を約1.5インチ間隔で配置した。各サンプルとして1.5mLの接着剤溶液を使用した。塗布用ブラシを使用し、約1インチ×3インチの面積を埋めるように各サンプルを穏やかに塗り、その後5分間溶剤を蒸発させた。
【0029】
乾燥させた各接着剤細片をジェルネイルポリッシュで覆い、接着剤の縁の両脇および下部に沿って0.25インチの縁を残し、上部に0.5インチの縁を残した。上部の縁に金属製フックを配置し、それを、ジェルコーティング中に埋まるよう静かに押し込んだ。フックは、約2インチ×1インチの薄い金属片を、主軸に対して垂直に約90度折り曲げたものである。各フックはその上部寄りの中心に小さな穴を有する。各フックの表面に、2mLまたはフックが完全に封入される量のジェルポリッシュを乗せた。紫外線に3分間曝露することにより、ジェルポリッシュを硬化させた。
【0030】
釣りスケールを三本爪クランプで固定したものを、リングスタンドに固定し、スケールのフックがベンチ表面から1フィート高い位置となるように配置した。金属製フックの真下の硬化させたフィルムを、こじることで静かに剥がした。次に、サンプルシステム全体(ガラスプレート、フック等)をラボジャッキに載せ、ダブルクリップを用いてジャッキ上のプラットフォームに固定した。金属製フックにスケールを繋げることが可能な高さまでラボジャッキのプラットフォームを上昇させ、スケールがまず最初は真下に引かれるように配置した。次にラボジャッキを一定の速度で約10~15秒かけて約3.5インチ下げ、その間スケールからの読み出しを観察した。この工程において釣りスケールから読み出された最大値を記録した。次にこの工程を残り2本の細片に対して繰り返し、3回の実験の平均値を報告した。
【0031】
硬化させたジェルポリッシュを除去するための剥離力を、数種類の異なる接着剤に関して測定した。その結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
1 Elmer's Glue (Elmer's Products、オハイオ州)
2 Aleene's Fabric Fusion (iLoveToCreate、カリフォルニア州)
3 Shoe Goo (Eclectic Products、ルイジアナ州)
4 Spray Bond (Elmer's Products、オハイオ州)
5 Rubber Cement (Elmer’s Products、オハイオ州)
6 DAP Sealant (DAP、メリーランド州)
7 Spirit Gum (Spirit Halloween、ニュージャージー州)
8 ガラス表面上にてインサイチューで重合。
BA=アクリル酸ブチル
LMA=メタクリル酸ラウリル
BMA=メタクリル酸ブチル
AA=アクリル酸
ALMA=メタクリル酸アリル
BGDMA=ジメタクリル酸ブチレングリコール
HEA=アクリル酸ヒドロキシエチル
NVP=N‐ビニルピロリドン
【0033】
下記の実施例は代表的な櫛形ポリマー接着剤の調製方法を説明する。
【0034】
オーバーヘッド撹拌機、熱電対、および窒素スパージャを備えた丸底フラスコに、137.3gの酢酸エチル(EA)および22.8gのメチルエチルケトン(MEK)を加え、反応フラスコ内で溶剤溶液を調製した。撹拌を開始し、得られた溶剤溶液を78℃まで加温した。第二の容器内で、47.5gのアクリル酸ブチル(BA)、34.6gのメタクリル酸ブチル(BMA)、および4.32gのジメタクリル酸1,3‐ブチレングリコールからなる単量体混合溶液を調製した。第三の容器内で、59.1部:13.9部のMEK:EAに溶解したヒドロキシル価335の分子量約10Kのメタクリレート末端を有するポリアクリレート共重合体からなるポリアクリレート溶液27.45gに溶解した0.48gのVazo 52(Chemours)からなる開始剤溶液を調製した。温度を78~82℃に維持し穏やかに撹拌しながら、反応フラスコに単量体溶液および開始剤溶液の両方を同時に2時間かけて加えた。この添加は発熱性であった。
【0035】
添加終了後、反応生成物を更に20分間80~82℃に維持し、その後、2.00gのMEK中0.48gのVazo 52から構成される開始剤溶液を加えた。反応内容物を更に40分間80~82℃に維持した後、それを加熱し、132gの溶媒を留去した。反応混合物を80~82℃まで放冷させ、2.00gのMEK中0.48gのVazo 52から構成される開始剤溶液を追加した。反応混合物を45分間80~82℃で維持した後、70℃まで冷却した。0.38gのグリシジルメタクリレートに溶解した0.0012gの4‐ヒドロキシ‐(2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐1‐イル)オキシル(4‐ヒドロキシ‐TEMPO)および1.3gの1%アルミニウムトリフレートのMEK溶液からなる溶液を反応生成物に添加した。反応生成物を3時間70℃に維持した後、58.4gのBMAおよび25.0gのBAからなる単量体混合物を加えた。温度を73℃に調整した後、3gのEA中0.42gのVazo 52から構成される開始剤溶液を加えた。反応温度を81~84℃まで上昇させ、45分間81~84℃で維持した。3.00gのEA中0.42gのVazo 52から構成される開始剤溶液を加え、反応混合物を45分間80~82℃で維持した。更に、3.00gのEAに溶解した0.42gのVazo 52からなる開始剤溶液を追加し、反応内容物を45分間80~82℃で維持した。反応生成物を365gのEAで希釈し、別の容器に詰める前に30分間混ぜた。
【0036】
上述の櫛形ポリマー接着剤の耐摩耗性の評価は下記のとおり行った。
【0037】
女性12人の爪を軽く磨き、次に(イソプロピルアルコールを含んだ綿棒で)乾燥させた後、櫛形ポリマー接着剤を適用した。接着剤を少しの間乾燥させ、種々の色のジェルネイル(Keystone Gel Polish Color)を適用し、UV-LEDランプ下で30秒間硬化させた。カラーコートを再度適用し、同様に硬化させた。透明なトップコート(Keystone Gel Polish Top)を適用し、硬化させ、イソプロパノールで湿らせたネイルワイプで粘着性の層を除去した。
【0038】
経時的に爪の摩耗状態を観察した。摩耗試験は、許容できないコーティングの浮き上がりの最初の兆候が見られた時点で終了とした。摩耗試験終了後、爪コーティングを剥離し、除去における困難、または爪の損傷を全て記録した。耐摩耗性の中央平均値はこの群において6.5日であり、最高値は9日であった。全ての回答者が除去の容易さに満足し、爪の損傷はなかった。回答者が最小の力(<約1.5kg/in)を手で加えることで爪コーティングを除去できる場合、除去は満足できるものと判断された。爪の損傷は、コーティングおよび粘着性残留物が全て除去された後に、爪表面の欠陥を目視することにより判断した。
【0039】
下記の実施例は、反応性基を有する軽く官能化されたポリマーの調製を説明する。
【0040】
撹拌した窒素不活性化処理を行った79℃の51.0gMEK溶液に、55.0gのアクリル酸ブチル、40.0gのメタクリル酸ブチル、および0.5gの3‐メルカプトプロプリオン酸からなる単量体溶液、ならびに、10.0gのメチルエチルケトン(MEK)に溶解した0.5gのVazo-52(Chemours Co.)からなる触媒溶液を、2時間かけて徐々に添加した。添加中、温度は82~84℃まで上昇させた。添加完了後、混合物の温度を更に30分間維持した。0.5gのVazo-52を5gのMEKに溶解した溶液を反応混合物に素早く加え、次に、これを更に45分間80~82℃で維持した。バッチを88℃に加熱し、30分間維持した。0.67gのグリシジルメタクリレートに溶解した0.0008gの4‐ヒドロキシ‐(2,2,6,6‐テトラメチル-ピペリジン‐1‐イル)オキシルからなる溶液を、0.47gのトリエチルアミンと共に添加した。反応混合物を6時間88℃に維持した。次に、バッチを冷まし、別の容器に詰めた。
【0041】
本発明について、その態様をいくつか説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更を行えることが理解されよう。従って、他の態様は添付の特許請求の範囲の中にある。
【手続補正書】
【提出日】2022-02-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ーティングされていない爪表面に、予備重合された溶剤型接着剤をはけ塗りまたは噴霧する工程であって、いったん乾燥すると、接着剤は粘着性の表面を形成し、これに爪カバーを粘着させてもよい、工程;および
(b)接着剤でコーティングされた該粘着性の表面にカバーを適用する工程であって、
該カバーが、蒸発性ネイルポリッシュ、またはベースコート、カラーコート、およびトップコートからなる群より選択される硬化可能なジェルコーティングであり、
適用後、該カバーが、20分未満の溶剤浸漬、剥離、またはそれらの組み合わせにより除去可能である、工程
を含む、爪表面を処理するための方法。
【請求項2】
接着剤を爪表面全体に適用する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
接着剤を爪表面の一部に適用する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
カバーが、20分未満の溶剤浸漬により除去可能である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
カバーが、10分未満の溶剤浸漬により除去可能である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
カバーが、剥離により除去可能である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
接着剤が、(メタ)アクリレート、シリコーン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリイソプレンゴム、スチレン‐メタクリレート共重合体、スチレン‐ブタジエンゴム、メタクリレート‐ブタジエン‐スチレン共重合体、およびその組み合わせからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項8】
接着剤が、架橋された(メタ)アクリレート共重合体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
接着剤が、(a)C1~C20アルキルメタクリレート単量体;(b)C1~C20アルキルアクリレート単量体;および(c)エチレン性不飽和(メタ)アクリレート架橋単量体の、重合生成物である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
アルキルメタクリレート単量体がメタクリル酸ブチルであり、アルキルアクリレート単量体がアクリル酸ブチルであり、架橋単量体がジメタクリル酸アルキレングリコールである、請求項9記載の方法。
【請求項11】
接着剤が、櫛形ポリマーを含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
接着剤が、1つ以上の反応性官能基を有するポリマーを含む、請求項1記載の方法。
【請求項13】
爪カバーが、ベースコート、カラーコート、およびトップコートからなる群より選択される硬化可能なジェルコーティングを含む、請求項1記載の方法。
【請求項14】
爪カバーが、蒸発性ネイルポリッシュを含む、請求項1記載の方法。
【請求項15】
(a)ーティングされていない爪表面に、予備重合された溶剤型接着剤をはけ塗りまたは噴霧する工程であって、該接着剤が、(a)C1~C20アルキルメタクリレート単量体;(b)C1~C20アルキルアクリレート単量体;および(c)エチレン性不飽和(メタ)アクリレート架橋単量体、の重合生成物であり、いったん乾燥すると、接着剤は粘着性の表面を形成し、これに爪カバーを粘着させてもよい、工程;ならびに
(b)該粘着性の接着剤でコーティングされた表面に、ベースコート、カラーコート、およびトップコートからなる群より選択される硬化可能なジェルカバーを適用する工程であって、適用後、該カバーが、10分未満の溶剤浸漬、剥離、またはそれらの組み合わせにより除去可能である、工程
を含む、爪表面を処理するための方法。