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特開2022-64921ゲーム装置、プログラム及びゲームシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022064921
(43)【公開日】2022-04-26
(54)【発明の名称】ゲーム装置、プログラム及びゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/792 20140101AFI20220419BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20220419BHJP
   G07F 17/32 20060101ALI20220419BHJP
   G07F 9/00 20060101ALI20220419BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220419BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20220419BHJP
【FI】
A63F13/792
A63F13/69
A63F13/69 510
G07F17/32
G07F9/00 106
G06Q50/10
A63F13/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022006536
(22)【出願日】2022-01-19
(62)【分割の表示】P 2019182495の分割
【原出願日】2019-10-02
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】富澤 幸恵
(57)【要約】      (修正有)
【課題】利用者の1回のサービス利用時の支払総額を好適に上昇させる。
【解決手段】ゲーム装置は、対価の支払いでゲーム提供を行い、対価の支払いを検出する検出手段と、支払い検出でサービスを開始する開始手段と、対価の支払額に応じてポイントを付与する付与手段と、付与されたポイントの消費を条件としてゲームプレイを提供可能な実行手段と、ゲーム装置の動作を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、1回のゲームプレイ中に、さらに1回のゲームプレイ分のポイントを消費することで、サービス提供の期間を延長し、該延長したサービス提供の期間において1回のゲームプレイを実行手段に追加で提供させ、第1の支払額の対価の支払いが検出された場合に付与手段に付与させるポイントは、1回のゲームプレイ分のポイントを消費した後に第1のポイントが余剰する量に設定されており、第1のポイントは、1回のゲームプレイ分のポイントに不足する量である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対価の支払いに応じて、利用者に対するサービス提供を行うゲーム装置であって、
対価の支払いを検出する検出手段と、
サービス提供がなされていない状態において、前記検出手段によって第1の支払額の対価の支払いが検出されたことに応じて、利用者に対するサービス提供を開始する開始手段と、
前記検出手段により検出された対価の支払額に応じて、サービス提供がなされている期間においてのみ前記利用者が使用可能なポイントを付与する付与手段と、
サービス提供がなされている状態において、前記付与手段により付与されたポイントの消費を条件として、ゲーム処理を実行して1回のゲームプレイを提供可能な実行手段と、
前記ゲーム装置の動作を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、1回のゲームプレイが提供された場合、さらに1回のゲームプレイ分のポイントを消費することで、サービス提供の期間を延長し、該延長したサービス提供の期間において1回のゲームプレイを前記実行手段に追加で提供させ、
前記第1の支払額の対価の支払いが検出された場合に前記付与手段に付与させるポイントは、1回のゲームプレイ分のポイントを消費した後に第1のポイントが余剰する量に設定されており、
前記第1のポイントは、1回のゲームプレイ分のポイントに不足する量であるゲーム装置。
【請求項2】
前記制御手段は、1回のゲームプレイの提供終了に際して、対価の支払いの検出を要件とせずに更なるポイントを前記付与手段に付与させる請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記更なるポイントの量は、抽選に応じて決定される請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記更なるポイントの量は、前記第1のポイントと合算した場合に、1回のゲームプレイ分のポイントに満たない範囲で決定される請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記更なるポイントの量は、該ポイントの付与後に前記第1の支払額に応じたポイントをさらに付与した場合に、少なくとも2回のゲームプレイ分のポイントが付与された状態となる範囲で決定される請求項3または4に記載のゲーム装置。
【請求項6】
サービス提供がなされている状態において、前記付与手段により付与されたポイントの消費を条件として、物品を提供する提供手段と、
前記サービス提供が開始された際に、ゲームプレイを提供する第1のモードと、ゲームプレイを提供せずに物品を提供する第2のモードの選択を受け付ける受付手段と、
をさらに備え、
前記制御手段は、
前記第1のモードの選択が受け付けられた場合、1回のゲームプレイを提供可能に前記実行手段を制御しつつ、物品を提供不可能に前記提供手段を制御し、
前記第2のモードの選択が受け付けられた場合、ゲームプレイを提供不可能に前記実行手段を制御しつつ、1つの物品を提供可能に前記提供手段を制御する
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記制御手段は、1つの物品が提供され、かつ、更なる対価の支払いが検出された場合、さらに1つの物品分のポイントを消費することで、サービス提供の期間を延長し、該延長したサービス提供の期間において1つの物品を前記提供手段に追加で提供させ、
前記第1の支払額の対価の支払いが検出された場合に前記付与手段に付与させるポイントは、1つの物品分のポイントを消費した後に第2のポイントが余剰する量に設定されており、
前記第2のポイントは、1つの物品分のポイントに不足する量である
請求項6に記載のゲーム装置。
【請求項8】
1回のゲームプレイ分のポイントが、1つの物品分のポイントよりも少ない請求項7に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記制御手段は、
前記第2のモードが選択されて1つの物品の提供がなされた後、前記検出手段によって第2の支払額の対価の支払いが検出されたことに応じて、前記付与手段にさらにポイントを付与させ、
前記第2のポイントと前記第2の支払額に応じたポイントとを合算したポイントのうちの、1回のゲームプレイ分のポイントをさらに消費することで、サービス提供の期間を延長し、該延長したサービス提供の期間において1回のゲームプレイを前記実行手段に提供させる
請求項7または8に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記制御手段は、
前記第1の支払額より高額な第3の支払額の対価の支払いが検出された場合に、物品の提供及びゲームプレイの提供を行う第3のモードの選択を前記受付手段が受け付けたものとして判断し、
前記第3のモードの選択が受け付けられた場合、1つの物品を提供可能に前記提供手段を制御しつつ、1回のゲームプレイを提供可能に前記実行手段を制御し、
前記第3の支払額の対価の支払いが検出された場合に前記付与手段に付与させるポイントは、1つの物品分のポイントと1回のゲームプレイ分のポイントを消費した後に第3のポイントが余剰する量に設定されており、
前記第3のポイントは、1つの物品分のポイント及び1回のゲームプレイ分のポイントのいずれにも不足する量である
請求項6乃至9のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記制御手段は、ゲームプレイがなされている状態において、
前記検出手段によって第4の支払額の対価の支払いが検出されたことに応じて、前記付与手段にさらにポイントを付与させ、
前記第4の支払額に応じたポイントの少なくとも一部を消費することで、ゲームに使用可能なゲーム要素を前記利用者に提供して、プレイ中のゲームに該ゲーム要素の効果を発生させるよう前記実行手段を制御する
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項12】
前記ゲーム要素は、ゲームを有利に進行せしめる効果を生じさせるものであり、
前記制御手段は、サービス提供の期間における前記ゲーム要素の提供時期に応じて、ゲームを有利に進行せしめる度合いを異ならせるよう前記実行手段を制御する
請求項11に記載のゲーム装置。
【請求項13】
前記制御手段は、サービス提供の期間における前記ゲーム要素の提供時期が早いほど、ゲームを有利に進行せしめる度合いを高くするよう前記実行手段を制御する請求項12に記載のゲーム装置。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1乃至13のいずれか1項に記載のゲーム装置の制御手段として機能させるプログラム。
【請求項15】
ゲーム用物品と、該ゲーム用物品を提供可能に構成され、対価の支払いに応じて利用者に対するサービス提供を行うゲーム装置と、を含んで構成されるゲームシステムであって、
前記ゲーム装置は、
対価の支払いを検出する検出手段と、
サービス提供がなされていない状態において、前記検出手段によって第1の支払額の対価の支払いが検出されたことに応じて、利用者に対するサービス提供を開始する開始手段と、
前記検出手段により検出された対価の支払額に応じて、サービス提供がなされている期間においてのみ前記利用者が使用可能なポイントを付与する付与手段と、
サービス提供がなされている状態において、前記付与手段により付与されたポイントの消費を条件として、ゲーム処理を実行して1回のゲームプレイを提供可能な実行手段と、
サービス提供がなされている状態において、前記付与手段により付与されたポイントの消費を条件として、ゲーム用物品を提供する提供手段と、
前記ゲーム装置の動作を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
1回のゲームプレイが提供された場合には、さらに1回のゲームプレイ分のポイントを消費することで、サービス提供の期間を延長し、該延長したサービス提供の期間において1回のゲームプレイを前記実行手段に追加で提供させ、
1つのゲーム用物品が提供された場合には、さらに1つのゲーム用物品分のポイントを消費することで、サービス提供の期間を延長し、該延長したサービス提供の期間において1つの物品を前記提供手段に追加で提供させ、
前記第1の支払額の対価の支払いが検出された場合に前記付与手段に付与させるポイントは、1回のゲームプレイ分のポイントを消費した後に第1のポイントが余剰する量であって、1つのゲーム用物品分のポイントを消費した後に第2のポイントが余剰する量に設定されており、
前記第1のポイントは、1回のゲームプレイ分のポイントに不足する量であり、
前記第2のポイントは、1つのゲーム用物品分のポイントに不足する量であるゲームシステム。
【請求項16】
対価の支払いに応じて、利用者に対するサービス提供を行わせるプログラムであって、
コンピュータに、
対価の支払いを検出する処理と、
サービス提供がなされていない状態において、第1の支払額の対価の支払いが検出されたことに応じて、利用者に対するサービス提供を開始する処理と、
前記検出された対価の支払額に応じて、サービス提供がなされている期間においてのみ前記利用者が使用可能なポイントを付与する処理と、
サービス提供がなされている状態において、前記付与されたポイントの消費を条件として、ゲーム処理を実行して1回のゲームプレイを提供する処理と、
を実行させ、
1回のゲームプレイが提供された場合、さらに1回のゲームプレイ分のポイントを消費されることで、サービス提供の期間が延長され、該延長されたサービス提供の期間において1回のゲームプレイが追加で提供され、
前記第1の支払額の対価の支払いが検出された場合に前記付与されるポイントは、1回のゲームプレイ分のポイントを消費した後に第1のポイントが余剰する量に設定されており、
前記第1のポイントは、1回のゲームプレイ分のポイントに不足する量であるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、プログラム及びゲームシステムに関し、特に対価の支払いに応じてサービス提供を行うゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
対価の支払いを検出したことに応じて、ゲームプレイを提供するゲーム装置が存在する。このようなゲーム装置の中には、カード等の物品を提供する機能を備えたものも存在する(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-059178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したようなゲーム装置は、コスト削減のため、釣り銭の排出機能を有しておらず、1回のサービス利用について設定される対価は、慣習的に、1種類の硬貨(例えば100円硬貨)を1枚または数枚といった、釣り銭を必要としない金額に設定されていた。このような対価の金額設定は、対価の用意に係る煩わしさが低減されるため、利用者にとっても好適であった。
【0005】
一方で、物価の上昇に応じて、ゲーム装置の開発・製造・運用コストも増大することになるが、上記の金額設定の基準からすると、対価の金額を増大させることは困難である。即ち、物価が上昇したとしても、従来のゲーム装置では対価の金額変更が困難であるため、結果、1回のサービス提供に係る利益率の低下を引き起こし得る。換言すれば、物価が上昇した場合に、上昇前と同様の利益を担保するためには、サービス利用回数、または1回のサービス利用における対価の支払総額を増大させることが必要である。
【0006】
本発明は、利用者の1回のサービス利用時の対価の支払総額を好適に上昇させるゲーム装置、プログラム及びゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のゲーム装置は、対価の支払いに応じて、利用者に対するサービス提供を行うゲーム装置であって、対価の支払いを検出する検出手段と、サービス提供がなされていない状態において、検出手段によって第1の支払額の対価の支払いが検出されたことに応じて、利用者に対するサービス提供を開始する開始手段と、検出手段により検出された対価の支払額に応じて、サービス提供がなされている期間においてのみ利用者が使用可能なポイントを付与する付与手段と、サービス提供がなされている状態において、付与手段により付与されたポイントの消費を条件として、ゲーム処理を実行して1回のゲームプレイを提供可能な実行手段と、ゲーム装置の動作を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、1回のゲームプレイが提供された場合、さらに1回のゲームプレイ分のポイントを消費することで、サービス提供の期間を延長し、該延長したサービス提供の期間において1回のゲームプレイを実行手段に追加で提供させ、第1の支払額の対価の支払いが検出された場合に付与手段に付与させるポイントは、1回のゲームプレイ分のポイントを消費した後に第1のポイントが余剰する量に設定されており、第1のポイントは、1回のゲームプレイ分のポイントに不足する量である。
【発明の効果】
【0008】
このような構成により本発明によれば、利用者の1回のサービス利用時の支払総額を好適に上昇させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態及び変形例に係るゲームシステムの構成を示した図
図2】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の機能構成を示した図
図3】本発明の実施形態及び変形例に係るサーバ200の機能構成を示した図
図4】本発明の実施形態1に係るゲーム装置100で実行されるサービス提供処理を例示したフローチャート
図5】本発明の実施形態2に係るゲーム装置100で実行されるサービス提供処理を例示したフローチャート
図6】本発明の実施形態及び変形例に係るゲームシステムで使用される各種データの構成例を示した図
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、該ゲーム装置でプレイ体験の提供が行われるゲームに使用可能なゲームカードを提供可能なゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、対価の支払いに応じてサービス提供を行うことが可能な任意の機器に適用可能である。
【0012】
また、本明細書において、「サービス提供」とは、対価の支払いを行った利用者に対して、該ゲーム装置を占有して利用する権限を一時的に与えることを意味する。1人の利用者に対するサービス提供の開始は、サービス提供がなされていない状態で対価の支払いが検出されたことを条件とするものであり、基本的には1回のサービス提供に対して利用可能に設けられたゲーム装置の機能の実行が完了した後に提供は終了する。他の利用者の利用機会を担保すべく、1人の利用者に対してサービス提供がなされる期間には、時間的制約が設けられているものとする。該時間的制約は、利用者が利用を所望する機能に応じて異なっているが、基本的には利用者の年齢を問わず、各機能を落ち着いて利用可能なように設定される。例えば、ゲームプレイの提供に係る機能については、所定の遊戯(ゲームプレイの提供)が終了した後について、結果表示等を含めた最大の時間が予め定められており、該時間の経過を以てサービス提供の終了条件が満たされる。即ち、本明細書においてサービス提供がなされている期間とは、ゲームプレイ等の機能の実行がなされている時間に加えて、例えばその前後に準備や必要な操作を可能な時間を含んで構成される。
【0013】
一方で、利用者がゲーム装置の利用に係り待機列に並ぶ必要がある提供態様を考慮すると、1人の利用者の関心を低減させないよう、1回のサービス利用に対して機能の利用制限を過度に行うことは好ましくない。このため、1人の利用者について占有が認められている時間(サービス提供がなされる時間)は、更なる対価の支払いがなされることで延長可能に構成されるものとする。延長された期間では、利用者は任意の機能を追加で利用可能であり、例えば、進行状況を継承したゲームプレイを行うことが可能である。
【0014】
《ゲームシステムの構成》
図1は、本実施形態に係るゲームシステムのシステム構成を示した図である。図示されるように、ゲームシステムは、ネットワーク300を介することで、サーバ200と1以上のゲーム装置100の各々とが通信可能に構成される。
【0015】
本実施形態のゲームシステムにおいて、ゲーム装置100はそれぞれ、対価の支払いがなされたことを要件として、同一でなくともよいゲームコンテンツに係るゲームのプレイ体験(ゲームプレイ)の提供が可能に構成されている。一方、サーバ200は、ゲーム装置100でゲームプレイを行った利用者(プレイヤ)の各々についての情報を管理し、各ゲーム装置100で同プレイヤによるゲームプレイが行われる度に、該情報の共有及び更新を行うよう構成されている。
【0016】
〈ゲーム装置100の機能構成〉
以下、本実施形態のゲーム装置100の機能構成について、図2のブロック図を用いて説明する。本実施形態のゲーム装置100は、図2に示される構成のうちの、実線で示された構成を有するものであって、破線で示された構成は有していないものとする。
【0017】
制御部101は、例えばCPUであり、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、例えば記録媒体102に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0018】
記録媒体102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。記録媒体102は、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報や、ゲーム装置100が実行するゲームに使用される各種のグラフィックスデータを記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0019】
検出部104は、ゲーム装置100において対価の支払いがなされたことを検出する。対価の支払いは、例えば硬貨の投入口に所定の金額の硬貨や相当するコイン(物理的通貨)が投入されたことにより判断されるものであってよい。検出部104は、対価の支払いがなされたことを検出すると、対価の支払いが完了したこと及び支払いがなされた額(支払額)を示す制御信号を制御部101に出力する。
【0020】
なお、本実施形態のゲーム装置100では、慣習的に、利用に係る対価の金額は100円単位で設定可能に構成されているものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、本発明の実施は、所定の電子マネー(電子的通貨)に係るチップとの通信に基づく決算処理の完了を検出可能に検出部104が構成されている等、任意の金額を対価として設定可能に構成されたゲーム装置に適用することも可能である。本発明は上述したように、釣り銭排出機能を有していないゲーム装置のような、所定の金額単位で対価を設定せざるを得ない態様において特に有効であるため、本実施形態では検出部104が特定の物理的通貨の枚数のみを計数可能な構成であるものとして説明する。
【0021】
取得部105は、本実施形態のゲーム装置100が提供するゲームのプレイに際し、リーダ111を介して利用者の識別情報が対応付けられたICカードからの情報取得を行う。リーダ111は、ゲーム装置100と同一筐体内に組み込まれる態様、あるいはゲーム装置100の外部に着脱可能に接続される態様で設けられる。リーダ111は、例えばICカードが載置されたことを受けて、該ゲームカードから取得された情報を取得部105に出力する。このとき、ICカードから取得された情報を、ゲームプレイに係る処理における利用に適した形式に変換するために、所定のデータ変換処理等が行われてもよい。リーダ111は、ICカードからの情報取得可能な状態に制御されている期間において、所定の部位にICカードが載置されたことの検出、及び該ICカードの認識または該ICカードからの情報取得を、例えば撮像により得られた画像に所定の画像処理を適用することで行う。
【0022】
ポイント処理部106は、ゲーム装置100の機能を利用する際に必要となるポイントを管理する各種処理を行う。本実施形態のゲーム装置100では、各機能の利用に際しては利用者に対して割り当てられたポイントの消費を要件とする。ポイントは、1回のサービス提供に係り検出された対価の支払額に応じて利用者に付与され、当該サービス提供中に限り、使用可能に管理される。即ち、利用者は、1回のゲーム装置100の利用ごとに、対価の支払いに応じてポイントの付与を受け、該付与されたポイントを任意に消費させることで、所望の機能を利用することができる。詳細については後述するが、本実施形態のゲーム装置100は、ポイントを消費することでゲームプレイの提供が可能に構成されている。
【0023】
アイテムDB107は、ゲームに登場するものとして予め定められたゲーム要素であるアイテムの各々についての情報(アイテム情報)を管理するデータベースである。
【0024】
1つのアイテムについて管理されるアイテム情報は、例えば図6(a)に示されるようなデータ構成を有するものであってよい。図示されるように、アイテム情報は、アイテムを一意に特定するアイテムID601に関連付けて、該アイテムをゲームに登場させる際の画面生成に用いられるグラフィックスデータ等を含む描画用情報602、及びアイテムの名称、属性等に加え、予め定められたスコア加算、単独使用もしくは同時使用することで発動する効果等の要素固有の能力を記述した進行パラメータ603を含む。進行パラメータ603は、アイテムを登場させるゲームにおいて参照される情報であり、該情報を使用することで提供されるゲームの進行制御が行われる。
【0025】
なお、本実施形態ではアイテムDB107に、グラフィックスデータが格納され、アイテム情報がこれらデータを含むものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。アイテム情報には、該当のデータの格納場所を示す情報が含まれるものであってもよい。
【0026】
提示制御部108は、ゲーム装置100におけるユーザへの情報提示の制御を司る。本実施形態のゲーム装置100では、ユーザへの各種情報提示の手段として、画像(ゲーム画面、メニュー画面等)表示を行う提示部112を少なくとも有するものとして説明するが、情報提示の手段はこれらに限られるものではなく、代替あるいは追加が可能であることは言うまでもない。
【0027】
提示制御部108は、例えばGPU等の描画装置を含み、提示部112に表示させる画面を生成する際には所定の描画処理を行う。具体的には提示制御部108は、ゲーム装置100の稼働中の各シーケンスにおいて、制御部101により行われた処理や命令に基づいて必要な描画用オブジェクト(グラフィックスデータ)に対して必要な演算処理を実行して描画を行い、画面を生成する。生成した画面は、ゲーム装置100と同一筐体内、あるいはゲーム装置100の外部に着脱可能に接続された表示装置である提示部112に出力され、所定の表示領域中に表示されることでユーザに提示される。
【0028】
操作入力部109は、例えば方向入力用の操作部材や決定入力用の操作部材や各種センサ等の、ゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。操作入力部109は、操作部材に対する操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。なお、本実施形態ではゲーム装置100は物理的な操作部材として各種インタフェースを備えるものとして説明するが、例えば提示部112の画面上になされたタッチ入力を検出するタッチ入力検出センサ等を含んでいてもよい。
【0029】
通信部110は、ゲーム装置100が有する外部装置との通信インタフェースである。通信部110は、インターネット等の通信網や機器間を接続するケーブルであってもよいネットワーク300(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。通信部110は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワーク300を介してサーバ200等の外部装置に送信する。また通信部110は、例えばネットワーク300を介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、メモリ103に格納する。
【0030】
〈管理サーバの構成〉
次に、本実施形態に係るサーバ200の機能構成について、図3のブロック図を用いて説明する。なお、サーバ200の機能構成の説明において、ゲーム装置100が有する構成と同様の機能を実現する構成については、ゲーム装置100の構成と峻別するために、「サーバ」との接頭語を付して示すものとする。
【0031】
サーバ制御部201は、例えばCPUであり、サーバ200が有する各ブロックの動作を制御する。具体的にはサーバ制御部201は、例えば記録媒体102に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0032】
サーバ記録媒体202は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。サーバ記録媒体202は、サーバ200が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報を記憶する。サーバメモリ203は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。サーバメモリ203は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0033】
プレイヤDB204は、本実施形態のゲームシステムにおいて、ゲーム装置100でプレイ体験が提供されるゲームについて、各利用者(プレイヤ)に対応付けられたゲームに係る利用状況を示す情報(プレイヤ情報)を管理するデータベースである。本実施形態ではプレイヤ情報は、例えば図6(b)に示されるように、ゲームプレイの機能の利用履歴を管理するため、プレイヤを識別するプレイヤID611に関連付けて、該プレイヤのゲームプレイの進行状況を示す進行状況情報612、該プレイヤについてゲームで使用可能となっているアイテムを示す所有情報613、使用可能となっているアイテム各々の強化状況を示す強化状況情報614を含むものであってよい。ここで、所有情報613は、使用可能なアイテムのアイテムIDが順次追加されて構成され、強化状況情報614は、少なくとも強化が行われている(初期状態からの変更がなされている)アイテムについて、該アイテムのアイテムID621に関連付けて、強化により変動したパラメータ622を管理するように構成されるものであってよい。強化状況情報614は、ゲームプレイに際して育成に係る機能が利用されたことに応じて、ゲーム装置100からの情報を受けて内容の更新がなされるものであってよい。
【0034】
本実施形態のゲーム装置100では、1回のゲームプレイを行うことで、少なくとも1つのアイテムが、プレイヤの使用可能なアイテムとして提供され、所有情報613に反映されるものとする。該少なくとも1つのアイテムは、提供タイミングにも依るが、例えばゲームに登場する全アイテムの少なくとも一部のうちから抽選により決定されるものであってもよいし、ゲームプレイ中に登場したアイテムのうちのいずれかに決定されるものであってもよい。該少なくとも1つのアイテムは、アイテムの提供後、もしくは、アイテムの提供がなされた以降に新たに行われるゲームプレイにおいて、ゲームに使用するアイテムとしてプレイヤが選択可能なように制御される。
【0035】
サーバ通信部205は、サーバ200が有する外部装置との通信インタフェースである。サーバ通信部205は、インターネット等の通信網や機器間を接続するケーブルであってもよいネットワーク300(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。サーバ通信部205は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワーク300を介してゲーム装置100等の外部装置に送信する。またサーバ通信部205は、例えばネットワーク300を介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、サーバメモリ203に格納する。
【0036】
《ゲーム装置の機能》
以下、プレイ体験が提供されるゲームを含め、本実施形態のゲーム装置100で利用可能な機能について、概要を説明する。
【0037】
本実施形態のゲーム装置100は、プレイヤに対応付けられたキャラクタにアイテムを装着させ、所定の遊戯として、該キャラクタを登場させたリズムゲームのプレイ体験を提供するよう構成されているものとする。キャラクタに装着させるアイテムは、プレイヤについて使用可能であるものとして対応付けられたアイテム群のうちからプレイヤによって選択されるものであり、例えば装着されたアイテムの属性に応じて、リズムゲーム中の該当属性のノーツに対する操作入力の評価(スコア)が上昇する効果を生じさせる。なお、本実施形態ではゲーム装置100においてゲームプレイが提供される遊戯の一態様としてリズムゲームを挙げて説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではないことは言うまでもない。
【0038】
上述したように、本実施形態のゲーム装置100は、利用者によって支払われた対価の支払額に応じたポイントを付与し、該ポイントを消費することで各機能の実現が可能に構成される。対価の支払いは、本実施形態では
(1)ゲーム装置100がサービス提供を行っていない期間
(2)ゲーム装置100がゲームプレイの提供を行っている期間
(3)ゲーム装置100がゲームプレイの提供を終了したが、サービス提供は終了していない期間
のタイミングで可能に構成され、対価の支払いがなされる度に、支払額に応じた量のポイントが利用者に付与される。本実施形態では、いずれのタイミングであっても、対価として100円硬貨1枚の支払いが検出されたことでポイントの付与を行う簡易な態様について説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、ポイントの付与タイミングはこの他に設けられるものであってもよく、また各タイミングにおける支払額は異なる額に設定されているものであってもよいし、少なくとも一部が異なる額に設定されているものであってもよい。以下では、100円の対価が支払われた場合に、利用者には100ポイントが付与され、1回のサービス提供が行われている期間において100円の対価がさらに支払われるごとに、100ポイントが追加で付与されるものとして説明する。
【0039】
ここで、1回のサービス提供は、本発明に係る第1の支払額の対価の支払いとしての、上記(1)のタイミングでなされた対価の支払いに応じて開始され、本実施形態では少なくともゲームプレイの提供の終了後、サービス提供終了に係る操作入力がなされない限り、所定の時間が経過するまで継続されるものとする。該所定の時間が経過すると、基本的には1回のサービス提供は終了となるが、所定の時間の経過前に、終了したゲームプレイの進行状況の少なくとも一部を引き継いだゲームプレイ(所謂コンティニュー)の提供に係る、本発明に係る第2の支払額の対価の支払いとしての更なる対価の支払いがなされた場合、サービス提供の期間は延長され、追加のゲームプレイの提供を行うようゲーム装置100の動作は制御される。
【0040】
付与されたポイントは、サービス提供の行われている期間においてのみ使用可能となるものであり、サービス提供の終了後、例えば後日に再度のサービス提供がなされたとしても、過去のサービス提供で付与されたポイントは失効となるよう構成される。換言すれば、利用者は、1回のサービス提供の開始に際して支払った対価分のポイント、及び該1回のサービス提供がなされている期間において支払った対価分のポイントを、該1回のサービス提供がなされている期間においてのみ、所望の機能の利用のために使用(消費)することができる。
【0041】
また、1回のゲームプレイの提供について消費が要件とされるポイントは、サービス提供の開始に係り付与されるポイントよりも少ない量であり、かつ、該付与されるポイントから1回のゲームプレイ分を消費して余剰するポイント(第1のポイント)が、1回のゲームプレイ分に不足する量となるように設定される。このようにポイントの消費量を設定することで、1回のゲームプレイが終了した後もサービス提供中のみ使用可能なポイントが残存した状態となるため、該ポイントの使用を利用者に促しやすくすることができる。換言すれば、サービス提供が開始されて初回のゲームプレイの提供が終了した際に、追加のゲームプレイの提供には不足するが、失効させることを利用者に躊躇させ得る量のポイントを残存させることで、サービス提供期間の延長に利用者を好適に誘導できる。
【0042】
本実施形態のゲーム装置100では、ゲームプレイの提供については80ポイントの消費が要件として設定され、(1)のタイミングにおける対価の支払いに応じて付与された100ポイントで、少なくとも1回のゲームプレイの提供が利用者には担保される。一方で、80ポイントを消費することで余剰する20ポイントについては、サービス提供がなされている期間においてのみ使用可能として定められるため、追加のゲームプレイの提供を利用者が所望するのであれば、さらに100円硬貨を投入して追加のポイントを得、これを消費することが必要となる。
【0043】
なお、1回のサービス提供の開始に際して付与されたポイントのうちの、1回のゲームプレイ分のポイントが消費されて余剰するポイントは、追加のゲームプレイを行わなければ必ず失効される訳ではなく、ゲームプレイに使用したアイテムの強化に用いることが可能に構成される。ここで、本実施形態ではより好適な態様として、アイテムの強化は、ゲームプレイに使用することでもなされるが、ポイントを消費することで、さらにその強化度合いが増進されるように構成されているものとする。即ち、対価の支払いに応じて利用者に付与されたポイントは、追加のゲームプレイの提供のために消費することによって、該ゲームプレイに使用したアイテムの更なる強化を生じさせることも可能であるし、追加のゲームプレイを行わずとも、ポイントを消費することで強化を生じさせることも可能である。従って、ポイントの消費方法としていずれを選択したとしても、結果として、該当のアイテムを使用した次回以降のゲームプレイにおいて、ゲームをより有利に進行せしめる状態にする効果は得ることができる。
【0044】
また、本実施形態のゲーム装置100では、上述した(2)のタイミング、即ちゲームプレイの提供中に更なる対価の支払いを検出した場合は、プレイ中のゲームにおいて、追加のアイテムの使用を可能ならしめるよう構成される。提供されるゲームプレイは、開始当初にプレイヤが、該プレイヤについて使用可能となっているアイテムのうちから規定数のアイテムをゲームに使用するものとして選択して行われるものである。しかしながら、例えばゲームプレイの開始後に該ゲームが好適でない進行状況に至る等、プレイ開始当初に選択したアイテムでは進行状況の巻き返しが困難な状況も生じ得る。このため、ゲームプレイ中に対価の支払いを行うことを条件として、該対価に応じて付与された追加のポイントの少なくとも一部を消費することで、追加で1つのアイテムをゲームに使用可能にせしめ、これによりゲームの進行状況を変更可能なよう、ゲームに係る処理は構成される。
【0045】
上述したように、通常、対価の支払いを行って1回のサービス利用を開始してゲームプレイを行う場合、プレイヤはアイテムを入手することができる。故に、(2)のタイミングで支払われた対価に基づいて使用可能にされるアイテムについても、該プレイヤに係るプレイヤ情報の所有情報613にアイテムIDが追加されて入手した状態となり、次回以降のゲームプレイにも使用可能に構成されるものとする。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、(2)のタイミングに支払われた対価に応じて付与されたポイントを消費することで使用可能となるアイテムは、同ゲームのプレイ中、もしくは、同サービス提供がなされている期間中に限り使用可能となるものであってもよい。
【0046】
本実施形態では、本発明に係る第4の支払額の対価の支払いとしての、ゲームプレイの提供中になされた対価の支払いに基づいて追加のアイテムを使用可能とすることで、ゲームを有利に進行せしめることが可能になる態様について説明するが、該対価の支払いに基づくポイント消費によってゲームプレイに生じる効果はこれに限られるものではない。即ち、本発明は、ゲームプレイの提供中になされた対価の支払いに応じてさらにポイントを付与し、該ポイントの少なくとも一部を消費することでゲームに使用可能なゲーム要素をプレイヤに提供し、プレイ中のゲームに該ゲーム要素の効果を発生させるものであればよく、提供するゲーム要素及びその効果はいずれであってもよい。
【0047】
ゲーム要素の効果は、本実施形態のようにプレイ中のゲームを有利に進行せしめる効果を生じされるものであることが好ましい。また、好適なプレイ体験がプレイヤに提供されやすくすべく、サービス提供の期間における追加のゲーム要素の提供時期が早いほど、該ゲーム要素の効果によってゲームを有利に進行せしめる度合いが高くなるよう制御するものであってもよい。しかしながら、これに限られる必要はなく、追加のゲーム要素の効果によってゲームを有利に進行せしめる度合いは、単にサービス提供の期間における該ゲーム要素の提供時期によって異なるよう制御されるものであってもよい。
【0048】
《サービス提供処理》
以下、このような構成をもつ本実施形態のゲーム装置100において、サービス提供に係り実行されるサービス提供処理について図4のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本サービス提供処理は、例えばゲーム装置100がサービス提供を行っていない状態で、対価(100円)の支払いが検出された際に開始されるものとして説明する。
【0049】
S401で、ポイント処理部106は制御部101の制御の下、支払われた対価に応じたポイントを付与する。付与されているポイントは、例えば1回のサービス提供について付与ポイント情報としてメモリ103に管理されるものであってよい。ポイント処理部106は、ポイントの付与を行う際には、該付与ポイント情報の値を、付与するポイントの量加算した値に更新する処理を行う。
【0050】
また制御部101は、サービス提供を開始する処理を行う。サービス提供は、ゲーム装置100の現在の状態をサービス提供を行っている状態に変更し、サービス提供に係る情報提示を提示制御部108に行わせるよう制御することで開始される。サービス提供に係る情報提示は、ポイントが付与されたことの通知、ポイントを使用することでゲームプレイが可能であることの通知等を含む。
【0051】
S402で、制御部101は、ゲームプレイの開始に係る操作入力がなされたか否かを判断する。制御部101は、ゲームプレイの開始に係る操作入力がなされていると判断した場合は処理をS403に移し、なされていないと判断した場合は処理を本ステップの処理を繰り返す。
【0052】
S403で、制御部101は、ポイント処理部106に1回のゲームプレイ分のポイントの消費処理を行わせ、ゲームに係る処理を実行してゲームプレイの提供を開始する。
【0053】
S404で、制御部101は、サービスを利用する利用者(プレイヤ)について、プレイヤ情報の取得を行う。より詳しくは、本ステップにおいて制御部101は、プレイヤに係るICカードから情報取得を行うことが可能である旨の通知を提示制御部108に提示させ、取得部105をICカードからの情報取得を可能な状態に制御する。制御部101は、取得部105がICカードからの情報を取得すると、取得された情報に含まれるプレイヤの識別情報を通信部110に伝送し、プレイヤ情報の取得要求とともにサーバ200に送信させる。そして制御部101は、サーバ200から対応するプレイヤ情報が受信されるとメモリ103に格納する。なお、本ステップの処理は、1回のサービス提供に対して1回実行されるものであってもよい。
【0054】
S405で、制御部101は、使用するアイテムの選択を受け付ける。上述したように、本実施形態のゲーム装置100でプレイ体験が提供されるゲームは、遊戯に使用する規定数までのアイテムの選択を受け付け、該選択されたアイテムをプレイヤに係るキャラクタに装着させた状態で遊戯が進行する。従って、本ステップでは、プレイヤ情報の所有情報613で示される、プレイヤについて使用可能となっているアイテムのうちから、実際に今回のゲームプレイに使用するアイテムの選択を受け付ける。選択されたアイテムの情報は、該アイテムのアイテムID621で構成された選択アイテム情報としてメモリ103に格納される。
【0055】
S406で、制御部101は、提供するゲームプレイにおいて、選択されたアイテムを装着させたキャラクタを登場させてリズムゲームを行わせるゲームシーケンス(遊戯)の処理を開始する。なお、本発明の特徴は、該ゲームシーケンスの処理の内容に限定されるものではないため、本明細書ではその詳細について言及しない。ゲームシーケンスの処理は、あくまでもプレイヤが操作可能な遊戯を提供するものであれば、ゲームジャンルや内容はいずれであってもよい。また、ゲームシーケンスの処理は、1回のゲームプレイに対するアイテムの提供も含むものであってよい。これにより、初めてゲーム装置100のサービス利用を行うプレイヤであっても、アイテムを使用したゲームプレイを体験することが可能となっている。
【0056】
S407で、制御部101は、ゲームプレイの提供を行っている期間において、更なる対価の支払いが検出されたか否かを判断する。制御部101は、ゲームプレイの提供を行っている期間における更なる対価の支払いが検出されたと判断した場合は処理をS408に移し、なされていないと判断した場合は処理をS409に移す。
【0057】
S408で、制御部101は、追加のアイテムの提供及び現在プレイ中のゲームへの該アイテムの効果の反映に係る処理を行う。
【0058】
まず制御部101は、検出された更なる対価の支払いの支払額に応じたポイントを付与ポイント情報に加算する処理をポイント処理部106に行わせたのち、このうちのアイテム提供分のポイントを消費させる。そして制御部101は、追加で提供するアイテムの決定を、例えば抽選処理を用いることで行う。決定された追加のアイテムの情報は、通信部110に伝送されて、プレイヤ情報の更新要求とともにサーバ200に送信されるものであってよい。追加で提供するアイテムを決定すると、制御部101は、該アイテムをプレイヤに対応するキャラクタについて追加で装着させるものとし、ゲームシーケンスの処理に対応する効果を反映させてゲームの進行制御を行う。
【0059】
このとき、制御部101は、S406でゲームシーケンスの処理が開始されてからの時間、もしくはS401でサービス提供が開始されてからの時間の情報を参照し、ゲームの進行制御に追加のアイテムに対応する効果を反映させる度合いを異ならせるよう制御するものであってよい。より詳しくは、上述したように制御部101は、ゲームシーケンスの処理が開始されてからの期間、もしくはサービス提供が開始されてからの期間におけるアイテムの提供時期に応じて、該アイテムに起因して生じる効果の、ゲームの進行制御への影響(ゲームを有利に進行せしめる度合い)を異ならせる制御をする。本実施形態では、更なる対価の支払いに応じた追加のアイテムの提供時期が早いほど、ゲームの進行を有利にする進行制御を行うよう構成することで、不自然な進行制御がなされることを回避しつつ、ゲーム装置100における利益率を増大させやすくすることが可能となる。
【0060】
なお、本実施形態では追加で提供するアイテムの決定は、ゲーム装置100において行われるものとして説明したが本発明の実施はこれに限られるものではない。追加するアイテムの決定は、サーバ200において行われるものであってもよい。
【0061】
S409で、制御部101は、ゲームシーケンスの終了条件が満たされたか否かを判断する。ゲームシーケンスの終了条件は、例えばリズムゲームの楽曲が終了した、リズムゲーム中のスコア減少によりゲーム続行不能条件が満たされた、遊戯終了に係る演出提示が完了した等によって満たされるものであってよく、制御部101はゲームの進行制御を行いながら当該条件の判断を行う。制御部101は、ゲームシーケンスの終了条件が満たされたと判断した場合は処理をゲームシーケンスの処理を終了してS410に移し、満たされていないと判断した場合は処理をS407に戻す。
【0062】
S410で、制御部101は、サービス提供の期間の延長に係る対価の支払いがなされたか否かを判断する。本ステップにおいて検出される対価は、上述の(3)のタイミング、即ち、ゲームプレイの提供を終了したがサービス提供は終了していない期間における対価であり、所謂ゲームのコンティニューの提供要求に係るものである。本実施形態のゲーム装置100では、1回のサービス提供を行っている期間に、対価の支払いが追加でなされることを条件として複数回のゲームプレイの提供が可能に構成されている。つまり、1回のサービス提供を行っている期間に対価の支払いが検出されると、サービス提供の時間が延長され、行われていたゲームプレイの状態の少なくとも一部を継続した新たなゲームプレイ行うことが可能に構成される。
【0063】
制御部101は、サービス提供の期間の延長に係る対価の支払いがなされたと判断した場合は処理をS415に移し、なされていないと判断した場合は処理をS411に移す。なお、本ステップにおいて提示制御部108は、制御部101の制御の下、今回のサービス提供に際して付与されたポイントが、サービス提供を終了すると失効する旨の通知を提示部112に提示させる。
【0064】
S411で、制御部101は、サービス提供の終了が確定したか否かを判断する。サービス提供の終了は、上述したように提供終了に係る操作入力(コンティニューを行わない旨の操作入力)がなされたこと、延長に係る対価の支払いがなされない状態で、終了について定められた所定の時間が経過したこと、を以て確定するものとする。制御部101は、サービス提供の終了が確定したと判断した場合は処理をS412に移し、確定していないと判断した場合は処理をS410に戻す。
【0065】
S412で、制御部101は、今回のサービス提供で行ったゲームプレイの結果に基づいて、アイテムを強化する処理を行う。本実施形態のゲーム装置100でプレイ体験を提供するゲームでは、1人の利用者によってゲーム装置100が占有される時間を低減するべく、ゲームプレイの結果に基づくアイテムの強化は、1回のサービス提供に対して、その終了確定時の1回のみに制限されるものとする。従って、1回のサービス提供において複数回のゲームプレイの提供が行われた場合、該複数回のゲームプレイの結果を統合した分の強化が、本ステップにおいて行われる。換言すれば、ゲームプレイの結果に応じたアイテムの強化量が、1回のサービス提供の期間継続される。
【0066】
S413で、制御部101は、ポイント処理部106にポイント消費に係る動作を行わせつつ、ポイントによってアイテムを強化する処理を行う。本ステップの処理は、対価の支払いに対して付与されたポイントが残存している場合に、該ポイントを消費する機会を利用者に与えるべく設けられるものであり、ポイントが残存していない状態や、ポイントに基づくアイテム強化を行わない旨の操作入力がなされた場合には行われないことは言うまでもない。
【0067】
これら、S412及びS413で、プレイヤに対応付けられたアイテムを強化する処理がなされた場合には、該強化の情報は通信部110を介してサーバ200に送信され、プレイヤDB204で管理されるプレイヤ情報に反映されればよい。
【0068】
S414で、制御部101は、サービス提供を終了する処理を行う。制御部101は、ゲーム装置100の現在の状態をサービス提供を行っていない状態に変更し、スタンバイ状態(ゲーム装置100の利用に係る対価の支払いを受け付け可能な状態)に移行して、本サービス提供処理を完了する。
【0069】
一方、S410においてサービス提供の期間の延長に係る対価の支払いがなされたと判断した場合、ポイント処理部106はS415で制御部101の制御の下、支払われた対価に応じたポイントを付与する。また制御部101は、現在のサービス提供について、サービス提供の期間を延長するよう処理を行う。そして制御部101は、処理をS403に戻す。
【0070】
このようにすることで、本実施形態のゲーム装置によれば、利用者の1回のサービス利用時の支払総額を好適に上昇させることができる。より詳しくは、サービス利用に係る対価の支払額の設定変更が困難なゲーム装置であっても、対価に応じて付与されるポイントを、1回のゲームプレイの提供に必要となるポイントを消費したとしても余剰するよう構成することで、プレイ後に追加のゲームプレイを所望するように利用者を好適に誘導することができる。結果、1人の利用者が1回のサービス利用で支払う対価の額を増加させることができ、物価の上昇による利益率の低下を低減することができる。
【0071】
なお、本実施形態では、追加の対価の支払いが繰り返し可能である態様のサービス提供処理を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、1人の利用者にゲーム装置100を占有させる時間を無限に認めることは好適ではないため、他の利用者の利用機会が担保されるよう、1回のサービス提供においてS410の追加の対価の支払いを認める回数を制限するよう構成されていてもよい。
【0072】
[変形例]
上述した実施形態では、ポイントの付与は対価の支払いがなされたことに限定されるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、1回のゲームプレイに対して、抽選処理の結果やゲームのプレイ内容に応じて、対価の支払いを要件としないポイント(ボーナスポイント)を付与するよう構成されるものであってもよい。該ボーナスポイントは、対価の支払いがなされたポイントと同等に使用することが可能であるものとする。
【0073】
ボーナスポイントの付与量は、例えば、サービス提供の開始に係り支払われた対価に応じて付与されたポイント(100ポイント)から、1回のゲームプレイ分のポイント(80ポイント)を消費して余剰するポイント(20ポイント)に加えた場合に、1回のゲームプレイ分に満たない範囲(10~50ポイント)から抽選で決定されるものであってよい。あるいは、最初のボーナスポイントの付与後の対価の支払いに応じて付与されるポイント(100ポイント)が加算された場合に、2回のゲームプレイが担保されるように、ボーナスポイントは40ポイント以上としてもよい(余剰ポイント20+ボーナスポイント40+追加ポイント100=160ポイント=80ポイント×2回分)。この場合、2回目の追加のゲームプレイは対価の支払いを要件とせず、ポイントの消費のみで提供可能であってよい。
【0074】
[実施形態2]
上述した実施形態では、ゲーム装置100は、利用者に対してゲームのプレイ体験を提供のみを行い、ゲームに使用するアイテムは、該利用者について使用可能に設定されたものから選択する態様について説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。ゲームに使用するアイテムは、アイテムを特定可能な情報が付されたゲーム用物品(アイテムプレート)から情報取得を行うことで選択可能であってもよい。本実施形態では、このようなアイテムプレートの提供機能をゲーム装置100に設け、利用者がアイテムプレートの入手とゲームプレイとを、サービスとして利用可能な態様について説明する。
【0075】
本実施形態では、ゲーム装置100のサービス提供において提供される物品は、同形同大に形成された樹脂プレートに、対応付けられたアイテムの図柄を示したシールが貼付されたアイテムプレートであるものとして説明する。ゲーム装置100は、シール用紙へのアイテムの図柄を含んだ表面デザインの印刷、及びプレートへのシールの貼付機能を有する印刷装置を内蔵し、所謂オンデマンドでアイテムプレートの印刷製造及び提供が可能に構成されている。アイテムプレートには、図柄が付されたアイテムを特定する情報が付されており、ゲームプレイ時に情報取得されることで、プレイヤに対応するキャラクタに該アイテムを装着させたプレイ体験がゲーム装置100において提供可能なように構成されているものとする。しかしながら、本発明の実施においてゲーム装置100が提供する物品は、特に情報取得が可能に構成されているものである必要はなく、ゲームコンテンツに関連するアクセサリ等であってもよいことは言うまでもない。
【0076】
本実施形態では、対応付けられたアイテムを特定する情報のアイテムプレートへの付加は、該アイテムのアイテムIDを変換した2次元コードが、2次元画像としてシールに印刷されることにより行われるものとして説明するが、アイテムプレートに該情報を付す方式は、いずれであってもよいことは言うまでもない。即ち、対応付けられたアイテムを特定する情報は、1次元または3次元以上のコードや文字列等に変換されて付されるものであってもよいし、ICタグ等、アイテムプレートに内包された所定の記録媒体に格納されることで付されるものであってもよい。
【0077】
また本実施形態ではゲーム装置100が提供する物品は、動的にデザイン変更が可能に構成されたアイテムプレートであるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。物品はアイテムプレートに限られるものではなく、例えば、ゲームコンテンツに係るアイテムの外観を有するフィギュア、玩具、キーホルダー等の造形物や、カード等の紙媒体等、任意の物品であってよい。また物品のデザインも、提供指示を受けてから印刷等により物品に形成されるものである必要はなく、例えば予め印刷製造された、複数種類の固定的なものであってもよい。さらに、ゲームプレイに使用可能に物品が構成される態様において、物品に対応付けられる対象は、アイテムに限られるものではなく、ゲームについて定められたいずれのゲーム要素であってもよい。
【0078】
《ゲーム装置100の機能構成》
続いて、本実施形態のゲーム装置100の機能構成について、図2のブロック図を用いて説明する。本実施形態においてゲーム装置100は、実施形態1について説明した機能構成に加え、図2において破線で示された構成をさらに有するものとする。以下では、実施形態1と異なる構成、及び実施形態1にはない構成について説明する。
【0079】
取得部105は、本実施形態のゲーム装置100が提供するゲームのプレイに際し、リーダ111に載置されたICカード及びアイテムプレートからの情報の取得を行う。例えば、本実施形態のようにアイテムプレートに2次元コードの態様で情報が付加されている態様では、リーダ111は載置面に接するアイテムプレートの面を撮像する撮像部を含み、撮像により得られた画像に対して所定の演算を適用することで、該アイテムプレートに付されたコードを抽出及び変換し、対応付けられたアイテムを特定する情報(アイテムID)が取得部105に取得される。
【0080】
提供制御部121は、アイテムプレートの提供に係るポイント消費に基づいて、1つのアイテムプレートを提供させるよう提供部122を制御する。より詳しくは提供制御部121は、提供部122にアイテムプレートの提供指示を行うにあたり、提供するアイテムプレートに付す表面デザイン(2次元コードを含む)の2次元画像を構成し、提供部122に伝送する。提供部122は、上述したようにゲーム装置100の筐体内部に配置された印刷装置を含んで構成され、アイテムプレートの提供指示を受信した場合には、アイテムプレートを出力してゲーム装置100の外部からアクセス可能な共通の取出口123(図1)に導き、利用者に提供する。
【0081】
《サービス提供モード》
本実施形態のゲーム装置100は、ゲームプレイの提供機能とアイテムプレートの提供機能とを備え、利用者にこれらの機能の少なくともいずれかの利用をサービスとして提供するために、以下の3種類のモードを有する。本発明に係る第1のモードとしての1つ目のモードは、サービス提供を行っている期間に1回のゲームプレイを提供するモード(ゲームモード)であり、利用者は、実施形態1のサービス提供処理と同様の機能を利用することができる。即ち、ゲームモードでは、制御部101は、提供部122によるアイテムプレートの提供を行わせない状態に提供制御部121を制御しつつ、ゲームに係る処理を実行する状態に遷移するよう制御する。また本発明に係る第2のモードとしての2つ目のモードは、サービス提供を行っている期間に1つのアイテムプレートを提供するモード(販売モード)であり、ゲームプレイの提供は行われない。即ち、販売モードでは、制御部101は、提供部122によるアイテムプレートの提供を行わせる状態に提供制御部121を制御しつつ、ゲームに係る処理は実行する状態に遷移しないよう制御する。また本発明に係る第3のモードとしての3つ目のモードは、サービス提供を行っている期間に、1つのアイテムプレートと1回のゲームプレイとを提供するモード(販売&ゲームモード)である。即ち、販売&ゲームモードでは、制御部101は、提供部122によるアイテムプレートの提供を行わせる状態に提供制御部121を制御しつつ、ゲームに係る処理を実行する状態に遷移するよう制御する。
【0082】
これらのモードのそれぞれは、実施形態1と同様に、サービス提供の開始に際して付与されたポイントを消費することで選択可能に構成されている。ここで、1つのアイテムプレートの提供について消費が要件とされるポイントは、サービス提供の開始に係り支払われた100円分のポイントよりも少ない量であり、かつ、該付与されるポイントから1つのアイテムプレート分を消費して余剰するポイント(第2のポイント)が、1つのアイテムプレート分に不足する量となるように設定されるものとする。
【0083】
従って、利用者はサービス提供の開始に際して100円硬貨1枚を支払うことで、ゲームモードと販売モードのいずれのモードも付与ポイントを使用して利用可能である。また、これらのモードに係る機能の利用がなされた後に残存するポイントは、いずれのモードの利用にも不足する。このため、サービス提供を継続させ、ゲームプレイの提供機能またはアイテムプレートの提供機能を追加で利用するためには、利用者は更なる対価の支払いが必要となる。
【0084】
本実施形態では、1つのアイテムプレートの提供については90ポイントの消費が要件として設定され、販売モードが利用される態様では、上述した(1)のタイミングにおける100円の支払いに応じて付与された100ポイントで、少なくとも1つのアイテムプレートの提供が、利用者には担保される。一方で、90ポイントを消費することで余剰する10ポイントについては、サービス提供がなされている期間においてのみ使用可能として定められるため、追加のアイテムプレートの提供を利用者が所望するのであれば、さらに100円硬貨を投入して追加のポイントを得、これを消費することが必要となる。
【0085】
この他、アイテムプレートを提供して販売モードを終了させた後に、残存したポイントと追加したポイントの一部を消費してゲームモードを利用可能に構成されていてもよい。ここで、1つのアイテムプレートの提供に要する時間は、基本的には1回のゲームプレイの提供に要する時間よりも短くて済むため、販売モードを利用した利用者は、時間的な余裕があり、追加で1回のゲームプレイを所望すると考えられる。また別の観点では、販売モードを利用して所望のアイテムプレートを入手した利用者は、対応付けられたアイテムによるゲームの進行を量るべく、該アイテムを使用したゲームプレイの提供を所望すると考えられる。故に、このような需要を考慮して積極的な追加のサービス利用を促すべく、1回のゲームプレイの提供に係り消費されるポイントは、1つのアイテムプレートの提供に係り消費されるポイントよりも少なく設定されるものであってよい。換言すれば、1回のゲームプレイのみを提供する態様に比べて、1つのアイテムプレートを提供する態様では、アイテムプレートそのものの材料費や印刷製造に係るコストが生じるため、販売モードの1回の利用に消費されるポイントは、ゲームモードの1回の利用に消費されるポイントよりも多くなるよう構成されることが好ましい。従って、利用者が、残存した10ポイントに追加の100ポイントを加えた110ポイントのうち、90ポイントを消費すれば販売モードを、80ポイントを消費すれば、ゲームモードを利用することができるよう、本実施形態のゲーム装置100は構成される。
【0086】
一方、販売&ゲームモードは、アイテムプレートとゲームプレイとを提供するため、利用に係り消費が要件とされるポイントが、ゲームモード及び販売モードよりも多く設定される。本実施形態では、販売&ゲームモードの利用には単純に1つのアイテムプレート分と1回のゲームプレイ分の消費ポイントの合算値(170ポイント)に設定されているものとする。従って、ゲーム装置100が100円硬貨のみで支払いが可能に構成される態様では、該消費ポイントの合算値分のポイントの付与を受けて販売&ゲームモードを利用するためには、上述の(1)のタイミングにおいて、本発明の第3の支払額としての、2回のサービス提供開始分の対価(100円硬貨×2)の支払いが必要となる。
【0087】
なお、本実施形態では、販売&ゲームモードを利用するための対価の支払額は、2回のサービス提供開始分、即ち、ゲームモード及び販売モードの少なくともいずれかを2回利用する場合と同額に設定されているものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。上述したように、このような支払額は特に、ゲーム装置100が100円硬貨のみで支払いが可能に構成される態様において設定されるものであり、例えば電子マネー等で対価の支払いが可能に構成されている態様では、販売&ゲームモードの利用に係る対価の支払額は、ゲームモード及び販売モードの利用に係る対価の支払額より高額に設定されているものであればいずれの額であってもよい。1回のサービス利用において、利用者が更なる対価の支払いを行うよう促すとの観点では、販売&ゲームモードを利用するためのポイントを一時に得るための対価の支払額は、アイテムプレートとゲームプレイの提供を行った後に残存するポイントが、いずれのモードの利用にも不足するように構成されていることが好ましい。
【0088】
例えば、販売&ゲームモードを利用する場合、利用者は、上述の(1)のタイミングにおいて200円の支払いに応じて付与された200ポイントのうち、90ポイントを消費してアイテムプレートを入手し、80ポイントを消費してゲームプレイを行うことができる。このとき、30ポイントが残存することになるが、該ポイントは追加のアイテムプレートやゲームプレイの提供には不足するため、利用者は該ポイントを失効させないために、更なる対価の支払いを行うことで、サービス提供の期間を延長させることができる。そして、これにより増加したポイントを消費することで、追加のアイテムプレートやゲームプレイの提供を受けることができる。
【0089】
また本実施形態のゲーム装置100では、サービス提供の開始に係り、販売&ゲームモードについて定められた支払額の対価が支払われた際には、利用者によるモード選択に係る操作入力を受け付けることなく、販売&ゲームモードの利用が確定するものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。
【0090】
《サービス提供処理》
以下、本実施形態のゲーム装置100において、サービス提供に係り実行されるサービス提供処理について図5のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。
【0091】
なお、本サービス提供処理は、例えばゲーム装置100がサービス提供を行っていない状態で、対価(100円)の支払いが検出された際に開始されるものとして説明する。また本実施形態のサービス提供処理の説明において、実施形態1と同様の処理を行うステップについては同一の参照番号を付して説明を省略し、以下では本実施形態に特有の処理を行うステップについてのみ説明する。
【0092】
S401においてポイントの付与が行われた後、制御部101はS501で、ゲームモードと販売モードのいずれかのサービス提供モードが選択されたかを判断する。本ステップの処理は、モード選択に係る操作入力がなされたか否かに基づいて行われる。制御部101は、ゲームモードと販売モードのいずれかのサービス提供モードが選択されたと判断した場合は処理をS505に移し、いずれのサービス提供モードも選択されていないと判断した場合は処理をS502に移す。
【0093】
S502で、制御部101は、販売&ゲームモードの利用に係る対価の支払いが検出されたか否かを判断する。上述したように、本実施形態のゲーム装置100では、200円の対価の支払いがなされることで販売&ゲームモードの利用が可能となるよう構成されているため、本ステップにおいて追加で100円の対価の支払いがなされるかの判断を行う。制御部101は、販売&ゲームモードの利用に係る対価の支払いが検出されたと判断した場合は処理をS503に移し、検出されていないと判断した場合はS501に処理を戻す。なお、販売&ゲームモードの利用も促すべく、S501においては追加の対価の支払いで販売&ゲームモードを利用可能である旨の通知を行ってもよい。
【0094】
S503で、ポイント処理部106は制御部101の制御の下、追加で支払われた対価に応じたポイントを付与する。
【0095】
S504で、制御部101は、ポイント処理部106に1つのアイテムプレート分のポイントの消費処理を行わせ、アイテムプレート提供に係る処理(提供シーケンスの処理)の実行を開始する。提供シーケンスの処理は、提供するアイテムプレートに対応付けるアイテムを決定し、提供制御部121に、アイテムプレートに付す2次元画像を構成させて、提供部122を介して該2次元画像を付したアイテムプレートを提供させる処理を含む。提供シーケンスの終了条件は、提供部122がアイテムプレートの提供を完了したことをもって満たされるものであってよく、制御部101は提供制御部121の制御を介して該条件の判断を行う。制御部101は、提供シーケンスの終了条件が満たされたと判断した場合は、提供シーケンスの処理を終了して処理をS403に移す。
【0096】
一方、S501においてゲームモードと販売モードのいずれかのサービス提供モードが選択されたと判断した場合、制御部101はS505で、ゲームモードと販売モードのいずれが選択されたかを判断する。制御部101は、ゲームモードが選択されたと判断した場合は処理をS403に移し、販売モードが選択されたと判断した場合は処理をS507に移す。
【0097】
ゲームモードの処理では、S404においてプレイヤ情報の取得が行われると、制御部101はS506で、使用するアイテムの選択を受け付ける。本実施形態のゲーム装置100では、使用するアイテムの選択は、上述したようにアイテムプレートからの情報取得に基づいて行われる。従って、制御部101は、取得部105を介して取得したアイテムプレートに付された情報に基づいて、該当のアイテムを選択し、選択アイテム情報としてメモリ103に格納する。
【0098】
また販売モードの処理では、制御部101はS507で、ポイント処理部106に1つのアイテムプレート分のポイントの消費処理を行わせ、提供シーケンスの処理の実行を開始する。制御部101は、提供シーケンスの終了条件が満たされたと判断した場合は、提供シーケンスの処理を終了して処理をS508に移す。
【0099】
S508で、制御部101は、サービス提供の期間の延長に係る対価の支払いがなされたか否かを判断する。制御部101は、サービス提供の期間の延長に係る対価の支払いがなされたと判断した場合、S509で現在のサービス提供について、追加のポイントを付与させ、またサービス提供の期間を延長するよう処理を行って処理をS501に戻す。また制御部101は、サービス提供の期間の延長に係る対価の支払いがなされていないと判断した場合、処理をS510に移す。
【0100】
S510で、制御部101は、サービス提供の終了が確定したか否かを判断する。制御部101は、サービス提供の終了が確定したと判断した場合は処理をS414に移し、確定していないと判断した場合は処理をS508に戻す。
【0101】
このようにすることで、本実施形態のゲームシステムでは、利用者が利用可能なサービスに幅を持たせたうえで、1回のサービス利用時の支払総額を好適に上昇させることができる。
【0102】
なお、本実施形態のように使用するアイテムの決定を、アイテムプレートからの情報取得に基づいて行う態様では、S408で行われた追加のアイテムについて、ポイントの消費を要件として、あるいはポイントの消費を要件とせずに、対応するアイテムプレートを提供部122に提供させるよう処理してもよい。
【0103】
また、本実施形態ではゲームシステムとして、サーバ200において管理されるプレイヤ情報を用いてゲームの進行制御を行うものとして説明したが、使用するアイテムの決定をアイテムプレートからの情報取得に基づいて行う態様は、プレイヤ情報を参照せずにアイテムの決定を行えるため、サーバ200が存在せずとも実現可能であることは言うまでもない。
【0104】
また、本実施形態では販売&ゲームモードの利用に係り必要とされるポイントが、販売モードの利用に係り必要とされるポイントとゲームモードの利用に係り必要とされるポイントの合算した値になるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、サービス提供の開始に際して2回分の対価の支払いを早々に行った利用者を優遇すべく、販売&ゲームモードの利用に係り必要とされるポイントには割引を適用するものであってもよい。
【0105】
[変形例2]
上述した実施形態及び変形例では、対価の支払いを受け付け可能な機能構成を備えたゲーム装置を用いたサービス提供の態様について説明したが、本発明の実施は、このようなゲーム装置を用いるものに限定されるものではない。本発明は、いずれの手法でなされるものであってもよい対価の支払いに基づくサービス提供を、例えばスマートフォン、PC、携帯電話、ゲームコンソール等の通信機能を用いた端末上において行い、該サービス提供期間中に、対価の支払額に応じて付与されたポイントを消費することでゲームプレイを提供する態様にも適用可能である。換言すれば、本発明の実現は、対価の支払いを契機としてサービス提供を都度行うアプリケーションにおいて、対価の支払額に応じたポイントの一部の消費を要件としたゲームプレイが提供可能に構成される態様であってもよい。
【0106】
[その他の実施形態]
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形・変更が可能である。また本発明に係るゲーム装置は、1以上のコンピュータを該ゲーム装置として機能させるプログラムによっても実現可能である。該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されることにより、あるいは電気通信回線を通じて、提供/配布することができる。
【符号の説明】
【0107】
100:ゲーム装置、101:制御部、102:記録媒体、103:メモリ、104:検出部、105:取得部、106:ポイント処理部、107:アイテムDB、108:提示制御部、109:操作入力部、110:通信部、111:リーダ、112:提示部、121:提供制御部、122:提供部、200:サーバ、201:サーバ制御部、202:サーバ記録媒体、203:サーバメモリ、204:プレイヤDB、205:サーバ通信部、300:ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6