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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065001
(43)【公開日】2022-04-26
(54)【発明の名称】多層テープ
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/02 20060101AFI20220419BHJP
   C09J 7/28 20180101ALI20220419BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20220419BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20220419BHJP
   C09J 133/00 20060101ALI20220419BHJP
   C09J 7/29 20180101ALI20220419BHJP
   B32B 7/022 20190101ALI20220419BHJP
【FI】
F16F15/02 Q
C09J7/28
C09J7/38
C09J201/00
C09J133/00
C09J7/29
B32B7/022
【審査請求】有
【請求項の数】41
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022016105
(22)【出願日】2022-02-04
(62)【分割の表示】P 2019513757の分割
【原出願日】2017-09-20
(31)【優先権主張番号】62/397,073
(32)【優先日】2016-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515200331
【氏名又は名称】エーブリー デニソン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メックラー,ジョセフ エル
(72)【発明者】
【氏名】ミリマン,ヘンリー ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】ガネーサン,マヘーシュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,ルーク エヌ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】振動を効果的に減衰又は低減し、比較的薄く及び/又は軽量である接着テープを提供する。
【解決手段】振動減衰性粘弾性減衰材料積層体であるテープ(10)は、一般に、少なくとも2つの粘弾性減衰材料層(30,50)と、少なくとも1つの基材(40)を含む。テープは任意的に、1つ以上の剥離ライナー(20,60)を含み得る。振動を受ける(即ち振動にさらされる)第1の基材及び/又は第2の基材にテープ(10)を接着することによって形成される拘束層システムも記載されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
減衰用テープであって、
第1面及び反対に向けられた第2面を画成する基材と、
前記基材の第1面上に少なくとも部分的に配置された第1の粘弾性減衰材料層と、
前記基材の第2面上に少なくとも部分的に配置された第2の粘弾性減衰材料層と、
を備え、前記基材が約5μm~約3,000μmの範囲内の厚さを有し、前記粘弾性減衰材料層の各々が約2μm~約5,000μmの範囲内の厚さを有する、減衰用テープ。
【請求項2】
第1の基材及び第2の基材の少なくとも一つが、約1GPa~約1000GPaの室温ヤング率の範囲を有する、請求項1に記載の減衰用テープ。
【請求項3】
第1の基材及び第2の基材の少なくとも一つが、約20GPa~約500GPaの室温ヤング率の範囲を有する、請求項1に記載の減衰用テープ。
【請求項4】
前記基材が金属箔を含む、請求項1に記載の減衰用テープ。
【請求項5】
前記金属箔が鉄箔である、請求項4に記載の減衰用テープ。
【請求項6】
前記金属箔が非鉄系箔である、請求項4に記載の減衰用テープ。
【請求項7】
前記金属箔が、鉄箔の第1領域と非鉄系箔の第2領域とを有する差箔である、請求項4に記載の減衰用テープ。
【請求項8】
前記金属箔がアルミニウムを含む、請求項4に記載の減衰用テープ。
【請求項9】
前記第1の粘弾性減衰材料層及び前記第2の粘弾性減衰材料層のうちの少なくとも一つが、エラストマー、ブチルゴム、スチレン系ブロックコポリマー、ポリウレタン、シリコーンゴム、ニトリルゴム、イソプレン、ブタジエン、粘弾性ポリマーゲル、感圧性接着剤、非感圧性接着剤、及びそれらの組合せを含む群から選択される粘弾性減衰材料を含む、請求項1に記載の減衰用テープ。
【請求項10】
前記第1の粘弾性減衰材料層及び前記第2の粘弾性減衰材料層の両方が、エラストマー、ブチルゴム、スチレン系ブロックコポリマー、ポリウレタン、シリコーンゴム、ニトリルゴム、イソプレン、ブタジエン、粘弾性ポリマーゲル、感圧性接着剤、非感圧性接着剤、及びそれらの組合せを含む群から選択される、請求項1に記載の減衰用テープ。
【請求項11】
前記感圧性接着剤が、アクリル系接着剤、シリコーン接着剤、ゴム接着剤、ビニルエーテル接着剤、及びそれらの組合せを含む、請求項9に記載の減衰用テープ。
【請求項12】
前記第1の粘弾性減衰材料層及び前記第2の粘弾性減衰材料層が同じ化学組成を有する、請求項1に記載の減衰用テープ。
【請求項13】
前記第1の粘弾性減衰材料層及び前記第2の粘弾性減衰材料層が異なる化学組成を有する、請求項1に記載の減衰用テープ。
【請求項14】
前記第1の粘弾性減衰材料層及び前記第2の粘弾性減衰材料層のうちの少なくとも一つが、実質的に連続的である、請求項1に記載の減衰用テープ。
【請求項15】
前記第1の粘弾性減衰材料層及び前記第2の粘弾性減衰材料層のうちの少なくとも一方の上に少なくとも部分的に配置された少なくとも1つの剥離ライナーを更に備える、請求項1に記載の減衰用テープ。
【請求項16】
前記第1の粘弾性減衰材料層上に少なくとも部分的に配置された第1剥離ライナーと、
前記第2の粘弾性減衰材料層上に少なくとも部分的に配置された第2剥離ライナーと、
を更に備える、請求項1に記載の減衰用テープ。
【請求項17】
減衰用テープであって、
第1基材と、
第2基材と、
前記第1基材と前記第2基材との間に少なくとも部分的に配置されている、第1粘弾性減衰材料層と、
第2粘弾性減衰材料層であって、前記第2基材が前記第1粘弾性減衰材料層と前記第2粘弾性減衰材料層との間に少なくとも部分的に配置されている、第2粘弾性減衰材料層と、
を備え、前記第1基材及び前記第2基材それぞれの厚さが約5μm~約3,000μmの範囲内であり、前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層それぞれが約2μm~約5,000μmの範囲内の厚さを有する、減衰用テープ。
【請求項18】
前記第1基材及び前記第2基材の少なくとも一方が、約1GPa~約1000GPaの室温ヤング率の範囲を有する、請求項17に記載のテープ。
【請求項19】
前記第1基材及び前記第2基材の少なくとも一方が、約20GPa~約500GPaの室温ヤング率の範囲を有する、請求項17に記載のテープ。
【請求項20】
前記第1基材が第1金属箔を備え、前記第2基材が第2金属箔を備える、請求項17に記載のテープ。
【請求項21】
前記第1金属箔及び前記第2金属箔の少なくとも一方が鉄系箔である、請求項20に記載のテープ。
【請求項22】
前記第1金属箔及び前記第2金属箔の少なくとも一方が非鉄系箔である、請求項20に記載のテープ。
【請求項23】
前記第1金属箔及び前記第2金属箔の少なくとも一方が、第1鉄組成領域及び第2非鉄組成領域を有する差箔である、請求項20に記載のテープ。
【請求項24】
前記第1金属箔がアルミニウムを含む、請求項20に記載のテープ。
【請求項25】
前記第2金属箔がアルミニウムを含む、請求項20に記載のテープ。
【請求項26】
前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層の少なくとも一方が、エラストマー、ブチルゴム、スチレン系ブロックコポリマー、ポリウレタン、シリコーンゴム、ニトリルゴム、イソプレン、ブタジエン、粘弾性ポリマーゲル、感圧性接着剤、非感圧性接着剤及びその組合せを含む群から選択される粘弾性減衰材料を含む、請求項17に記載のテープ。
【請求項27】
前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層の両方が、エラストマー、ブチルゴム、スチレン系ブロックコポリマー、ポリウレタン、シリコーンゴム、ニトリルゴム、イソプレン、ブタジエン、粘弾性ポリマーゲル、感圧性接着剤、非感圧性接着剤及びその組合せを含む群から選択される、請求項17に記載のテープ。
【請求項28】
前記感圧性接着剤がアクリル系接着剤、シリコーン接着剤、ゴム接着剤、ビニルエーテル接着剤及びその組合せを含む、請求項26に記載のテープ。
【請求項29】
前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層の両方がアクリル系接着剤を含む、請求項17に記載のテープ。
【請求項30】
前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層が同じ化学組成を有する、請求項17に記載のテープ。
【請求項31】
前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層が異なる前記化学組成を有する、請求項17に記載のテープ。
【請求項32】
前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層の少なくとも一方が、実質的に連続的である、請求項17に記載のテープ。
【請求項33】
第1粘弾性減衰材料層及び第2粘弾性減衰材料層の少なくとも一方の上に少なくとも部分的に配置された少なくとも1つの剥離ライナーをさらに備える、
請求項17に記載のテープ。
【請求項34】
前記第1粘弾性減衰材料層上に少なくとも部分的に配置された第1剥離ライナーと、
前記第2粘弾性減衰材料層上に少なくとも部分的に配置された第2剥離ライナーと、
を更に備える、請求項17に記載のテープ。
【請求項35】
追加の基材をさらに備える、請求項17に記載のテープ。
【請求項36】
追加の粘弾性減衰層をさらに備える、請求項17に記載のテープ。
【請求項37】
前記CLFが約200Hzにて約15℃の範囲にわたって少なくとも約0.05である、請求項17に記載のテープ。
【請求項38】
前記CLFが約200Hzにて約15℃の範囲にわたって少なくとも約0.10である、請求項17に記載のテープ。
【請求項39】
前記線密度正規化減衰効率指数(ζ)が、200Hzにて少なくとも2.0×10より大きい、請求項17に記載のテープ。
【請求項40】
前記線密度正規化減衰効率指数(ζ)が、200Hzにて少なくとも4.5×10より大きい、請求項17に記載のテープ。
【請求項41】
拘束層システムであって、
振動にさらされる第1構成要素及び第2構成要素のうちの少なくとも1つと、
振動減衰テープと、を備え、
当該振動減衰テープは、(i)第1面及び反対に向けられた第2面を画成する基材と、(ii)前記基材の第1面上に少なくとも部分的に配置された第1の粘弾性減衰材料層と、(iii)前記基材の第2面上に少なくとも部分的に配置された第2の粘弾性減衰材料層とを備え、前記基材が約5μm~約3,000μmの範囲内の厚さを有し、前記粘弾性減衰材料層の各々が約2μm~約5,000μmの範囲内の厚さを有しており、
前記第1の粘弾性減衰材料層が前記第1構成要素に接着されている、ことを特徴とする拘束層システム。
【請求項42】
第1の基材及び第2の基材の少なくとも一つが、約1GPa~約1000GPaの室温ヤング率の範囲を有する、請求項41に記載の拘束層システム。
【請求項43】
第1の基材及び第2の基材の少なくとも一つが、約20GPa~約500GPaの室温ヤング率の範囲を有する、請求項41に記載の拘束層システム。
【請求項44】
前記基材が金属箔を含む、請求項41に記載の拘束層システム。
【請求項45】
前記金属箔が鉄系箔である、請求項44に記載の拘束層システム。
【請求項46】
前記金属箔が非鉄系箔である、請求項44に記載の拘束層システム。
【請求項47】
前記金属箔が、鉄組成の第1領域と非鉄組成の第2領域とを有する差箔である、請求項44に記載の拘束層システム。
【請求項48】
前記金属箔がアルミニウムを含む、請求項44に記載の拘束層システム。
【請求項49】
前記第1の粘弾性減衰材料層及び前記第2の粘弾性減衰材料層のうちの少なくとも一つが、エラストマー、ブチルゴム、スチレン系ブロックコポリマー、ポリウレタン、シリコーンゴム、ニトリルゴム、イソプレン、ブタジエン、粘弾性ポリマーゲル、感圧性接着剤、非感圧性接着剤、及びそれらの組合せを含む群から選択される、請求項41に記載の拘束層システム。
【請求項50】
前記感圧性接着剤が、アクリル系接着剤、シリコーン接着剤、ゴム接着剤、ビニルエーテル接着剤、及びそれらの組合せを含む、請求項41に記載の拘束層システム。
【請求項51】
前記第1の粘弾性減衰材料層及び前記第2の粘弾性減衰材料層が同じ化学組成を有する、請求項41に記載の拘束層システム。
【請求項52】
前記第1の粘弾性減衰材料層及び前記第2の粘弾性減衰材料層が異なる化学組成を有する、請求項41に記載の拘束層システム。
【請求項53】
前記第1の粘弾性減衰材料層及び前記第2の粘弾性減衰材料層のうちの少なくとも一つが、実質的に連続的である、請求項41に記載の拘束層システム。
【請求項54】
前記第1の粘弾性減衰材料層が前記第1構成要素に接着されており、
当該拘束層システムが、前記第2構成要素に接着されている前記第2の粘弾性減衰材料層を更に備える、請求項41に記載の拘束層システム。
【請求項55】
追加の基材を更に備える、請求項41に記載の拘束層システム。
【請求項56】
追加の粘弾性減衰層を更に備える、請求項41に記載の拘束層システム。
【請求項57】
CLF(複合損失係数)が、約200Hzにて約15℃の範囲にわたって少なくとも約0.05である、請求項41に記載の拘束層システム。
【請求項58】
CLF(複合損失係数)が、約200Hzにて約15℃の範囲にわたって少なくとも約0.10である、請求項41に記載の拘束層システム。
【請求項59】
線密度正規化減衰効率指数(ζ)が、200Hzにて少なくとも2.0×10より大きい、請求項35に記載の拘束層システム。
【請求項60】
線密度正規化減衰効率指数(ζ)が、200Hzにて少なくとも4.5×10より大きい、請求項35に記載の拘束層システム。
【請求項61】
拘束層システムであって、
振動を受ける第1構成要素及び第2構成要素の少なくとも1つと、
振動減衰テープであって、(i)第1基材と、(ii)第2基材と、(iii)前記第1基材と前記第2基材の間に少なくとも部分的に配置された第1粘弾性減衰材料層と、(iv)第2粘弾性減衰材料層であって、前記第2基材が前記第1粘弾性減衰材料層と前記第2粘弾性減衰材料層の間に少なくとも部分的に配置され、前記第1基材及び前記第2基材がそれぞれ5μm~3,000μmの範囲内の厚さを有し、前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層それぞれが2μm~5,000μmの範囲内の厚さを有する、第2粘弾性減衰材料層を備える、振動減衰テープ
を備え、前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層の少なくとも一方が、前記第1構成要素及び前記第2構成要素の少なくとも一方に接着されている、拘束層システム。
【請求項62】
前記第1基材及び前記第2基材の少なくとも一方が、約1GPa~約1000GPaの室温ヤング率の範囲を有する、請求項61に記載の拘束層システム。
【請求項63】
前記第1基材及び前記第2基材の少なくとも一方が、約20GPa~約500GPaの室温ヤング率の範囲を有する、請求項61に記載の拘束層システム。
【請求項64】
前記第1基材及び前記第2基材の少なくとも一方が金属箔を備える、請求項61に記載の拘束層システム。
【請求項65】
前記金属箔が鉄系箔である、請求項64に記載の拘束層システム。
【請求項66】
前記金属箔が非鉄系箔である、請求項64に記載の拘束層システム。
【請求項67】
前記金属箔が第1鉄組成領域及び第2非鉄組成領域を有する差箔である、請求項64に記載の拘束層システム。
【請求項68】
前記金属箔がアルミニウムを含む、請求項64に記載の拘束層システム。
【請求項69】
前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層の少なくとも一方が、エラストマー、ブチルゴム、スチレン系ブロックコポリマー、ポリウレタン、シリコーンゴム、ニトリルゴム、イソプレン、ブタジエン、粘弾性ポリマーゲル、感圧性接着剤、非感圧性接着剤及びその組合せを含む群から選択される、請求項61に記載の拘束層システム。
【請求項70】
前記感圧性接着剤がアクリル系接着剤、シリコーン接着剤、ゴム接着剤、ビニルエーテル接着剤及びその組合せを含む、請求項69に記載の拘束層システム。
【請求項71】
前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層が同じ化学組成を有する、請求項61に記載の拘束層システム。
【請求項72】
前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層が同じ化学組成を有する、請求項61に記載の拘束層システム。
【請求項73】
前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層の少なくとも一方が実質的に連続的である、請求項61に記載の拘束層システム。
【請求項74】
CLFが約200Hzにて約15℃の範囲にわたって少なくとも約0.05である、請求項61に記載の拘束層システム。
【請求項75】
CLFが約200Hzにて約15℃の範囲にわたって少なくとも約0.10である、請求項61に記載の拘束層システム。
【請求項76】
線密度正規化減衰効率指数(ζ)が200Hzにて少なくとも2.0×10よりも大きい、請求項61に記載の拘束層システム。
【請求項77】
線密度正規化減衰効率指数(ζ)が、200Hzにて少なくとも4.5×10より大きい、請求項61に記載の拘束層システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明(主題)は、振動を減衰させるための、接着テープを含むテープに関する。
【背景技術】
【0002】
振動減衰接着テープは、当分野で周知である。しかし、所望の振動減衰特性を達成するために、そのような接着テープの大半は比較的厚く、大量の接着剤を使用し、及び/又は振動を受けるシステム若しくはアセンブリの全重量を著しく増大させる。したがって、振動を効果的に減衰又は低減し、比較的薄く及び/又は軽量である接着テープが依然として必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】(特になし)
【発明の概要】
【0004】
先行手法に関する問題や欠点は、本発明において以下のように対処される。
一態様において、本発明は、振動を減衰させるためのテープを提供する。テープは、第1面及び反対に向けられた第2面を画成する基材を含む。テープは、基材の第1面上に少なくとも部分的に配置された、第1粘弾性減衰材料層も含む。テープは、基材の第2面上に少なくとも部分的に配置された第2粘弾性減衰材料層をさらに含む。基材は、約5μm~約3,000μmの範囲内の厚さを有し得て、粘弾性減衰材料の各層は、約2μm~約5,000μmの範囲内の厚さを有する。
【0005】
別の態様において、本発明は、振動を減衰させるためのテープを提供する。テープは第1基材及び第2基材を含む。テープは、第1基材と第2基材の間に少なくとも部分的に配置された第1粘弾性減衰材料層も含む。その上、テープは第2粘弾性減衰材料層をさらに含む。第2基材は、第1粘弾性減衰材料層と第2粘弾性減衰材料層との間に少なくとも部分的に配置されている。第1基材及び第2基材はそれぞれ、約5μm~約3,000μmの範囲内の厚さを有する。第1粘弾性減衰材料層及び第2粘弾性減衰材料層はそれぞれ、約2μm~約5,000μmの範囲内の厚さを有する。
【0006】
更に別の態様において、本発明は、振動を受けている第1構成要素及び第2構成要素(表面とも呼ばれる)の少なくとも一方を備える、拘束層システムを提供する。第1構成要素及び/又は第2構成要素は、金属、プラスチック及び木材を含むが、これらに限定されない、減衰を必要とする任意の材料から構成され得る。本明細書に記載のテープは、第1構成要素と第2構成要素との間に少なくとも部分的に配置される。このシステムは、(i)第1面及び反対に向けられた第2面を画成する基材、(ii)基材の第1面上に少なくとも部分的に配置された第1粘弾性減衰材料層、並びに(iii)基材の第2面上に少なくとも部分的に配置された第2粘弾性減衰材料層を備える、振動減衰テープも備える。基材は、約5μm~約3,000μmの範囲内の厚さを有し、粘弾性減衰材料層はそれぞれ、約2μm~約5,000μmの範囲内の厚さを有する。第1粘弾性減衰材料層及び第2粘弾性減衰材料層の少なくとも一方は、第1構成要素及び第2構成要素の少なくとも一方に接着されている。
【0007】
なお別の態様において、本発明は、振動を受けている第1構成要素及び第2構成要素の少なくとも1つを備える、拘束層システムを提供する。このシステムは、(i)第1基材、(ii)第2基材、(iii)少なくとも部分的に第1基材と第2基材の間に配置された第1粘弾性減衰材料層、及び(iv)第2粘弾性減衰材料層であって、第2基材が第1粘弾性減衰材料層と第2粘弾性減衰材料層との間に少なくとも部分的に配置されている、第2粘弾性減衰材料層を備える、振動減衰テープも備える。第1基材及び第2基材はそれぞれ、約5μm~約3,000μmの範囲内の厚さを有する。第1粘弾性減衰材料層及び第2粘弾性減衰材料層はそれぞれ、約2μm~約5,000μmの範囲内の厚さを有する。第1粘弾性減衰材料層及び第2粘弾性減衰材料層の少なくとも一方は、第1構成要素及び第2構成要素の少なくとも一方に少なくとも部分的に接着されている。
【0008】
認識されるように、本明細書に記載の発明(主題)は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、すべて特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な点で修正が可能である。従って、図面及び説明は例示的であり、限定的ではないと見なすべきである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に従う粘弾性減衰材料積層体すなわちテープの一実施形態の概略断面図である。
図2】本発明に従う粘弾性減衰材料積層体すなわちテープの別の実施形態の概略断面図である。
図3図1のテープを使用する拘束層システムの概略断面図である。
図4図1のテープを使用する拘束層システムの概略断面図である。
図5図2のテープを使用する拘束層システムの概略断面図である。
図6】2つの先行技術のテープと比較した、本発明によるテープの、温度の関数としての複合材損失係数のグラフである。
図7】2つの先行技術のテープと比較した、本発明によるテープの、温度の関数としての複合材損失係数のグラフである。
図8】市販のテープと比較した、本発明によるテープの線密度正規化減衰効率指数のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明(主題)は、比較的高い振動減衰特性を示す粘弾性減衰材料積層体(本明細書では「テープ」とも呼ばれる)を提供し、振動減衰特性は本明細書で記載するような減衰効率として記載され得る。特定の型のテープにおいて、テープは、現在既知の多くの振動減衰テープと比較して、比較的薄く及び/又は軽量である。粘弾性減衰材料積層体は、単一基材構成及び2つ以上の基材を利用する多層構成を含む、様々な構成で提供される。各構成は、粘弾性減衰材料の少なくとも2層と、粘弾性減衰材料の面上に少なくとも部分的に配置された任意の剥離ライナーを含む。いくつかの実施形態において、テープは更なる粘弾性減衰層を含み得る。一実施形態において、テープは、粘弾性減衰材料及び粘弾性減衰材料面の表面上に少なくとも部分的に配置された基材の両方の、少なくとも3つの層を含み得る。いくつかの実施形態において、テープは、粘弾性減衰材料及び粘弾性減衰材料面の表面上に少なくとも部分的に配置された基材の両方の、少なくとも4つの層を含み得る。いくつかの実施形態において、テープは、粘弾性減衰材料及び粘弾性減衰材料面の表面上に少なくとも部分的に配置された基材の両方の、少なくとも5つの層を含み得る。いくつかの実施形態において、テープは、粘弾性減衰材料及び粘弾性減衰材料面の表面上に少なくとも部分的に配置された基材の両方の、少なくとも6つの層を含み得る。本明細書に記載の多くの実施形態は第1及び第2の粘弾性減衰材料層を示しているが、任意の追加の層もこれらの実施形態を有し得る。さらに他の実施形態において、粘弾性減衰材料は、粘弾性減衰材料の厚さに沿ってなど、少なくとも1つの組成勾配又は領域を示すことができる。
【0011】
いくつかの実施形態において、組成勾配又は領域は、粘弾性減衰材料の一方の表面から他方の表面への材料特性の段階的な変化を与え得る。追加の粘弾性減衰層は互いの上に配置され得るか、又は少なくとも1つの基材上に配置され得る。本発明はまた、粘弾性減衰材料積層体を利用する拘束層システムも提供する。
【0012】
[基材]
本発明のテープは、1つ以上の基材を利用する。単一基材テープ及び二基材テープの特定の実施形態が本明細書に記載されているが、本発明のテープが、3つの基材、4つの基材、5つの基材及び6つ以上の基材を含む、追加の基材を有するテープを含むことは理解される。追加の基材は互いの上に配置され得るか、又は少なくとも1つの粘弾性減衰層上に配置され得る。いくつかの実施形態において、基材は多層であり、互いの上に少なくとも部分的に配置され得る。複数の基材を利用するテープにおいて、通例、粘弾性減衰材料の層は、隣接する基材間に少なくとも部分的に配置されている。例えば、本発明の一実施形態において、粘弾性減衰材料の層が隣接する基材間に少なくとも部分的に配置され、粘弾性減衰材料の第5層が最外基材の1つの面に沿って少なくとも部分的に配置されている、5つの基材を含むテープが提供される。
【0013】
本発明の粘弾性減衰材料積層体に使用される基材は比較的薄く、すなわち約5μm~約3,000μm、多くの実施形態において、約10μm~約500μmの範囲内の厚さを有し、ある実施形態において、約125μm又は約250μmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、基材は、約1GPa~約1000GPa、他の実施形態において、約20GPa~約500GPa、ある実施形態において、約40GPa~約200GPaの室温ヤング率の範囲を有する。いくつかの実施形態において、基材は、少なくとも20GPaの室温ヤング率を有し得る金属箔である。
【0014】
多くの実施形態において、基材は金属箔からなり得るか、又は金属箔の形態である。いくつかの実施形態において、(第1金属箔、第2金属箔、第3金属箔などと呼ばれ得る)2つ以上の基材金属箔が存在し得る。一般に、鉄系及び非鉄系の箔を含めて、(第1金属箔、第2金属箔、第3の金属箔などを含む)任意の金属箔を使用することができる。これらに限定されないが、アルミニウム、銅、錫、真鍮、金、銀、ニッケル、鋼鉄、ステンレス鋼、これらと他の金属及び/又は薬剤との混合物及び/又は合金などの広範囲の金属を使用することができる。多くの実施形態において、アルミニウム箔が使用される。しかし、コロンビウム/ニオブ、ハフニウム、イリジウム、モリブデン及び合金、レニウム及び合金、タンタル、タングステン及び合金、白金、白金及びイリジウム、合金42及び52(Alloy 42 and 52)、ハステロイ、インコネル、インバー36(登録商標)、コバール(登録商標)、モネル、ニクロム/Tophet「A」、リン青銅、チタン、バナジウム、ジルコニウム、並びにそれらの組合せを含む、他の金属及び/又は金属の組合せが使用され得ることが考えられる。
【0015】
本発明は、1つ以上の薬剤と組合せて1つ以上の金属を含む被覆金属箔及び金属箔の使用を含み得る。粘弾性減衰材料積層体の基材用の1つ以上の金属箔の代わりに、又はそれに加えて、1つ以上のポリマーフィルム又はコーティングを利用することも考えられる。一実施形態において、金属箔は金属化フィルムを含み得る。
【0016】
本発明は、不均一層又は領域などの、基材用の他の材料も含み得る。いくつかの実施形態において、基材は、マトリックス材料中に分散した1つ以上のアジュバントを備え得る。アジュバントは、例えば、マトリックス材料とは化学組成が異なる第1材料の粒子、小板、繊維、幾何学的形状材料及び/又はシート状領域の形態であり得る。不均一層の特定の例は、炭素繊維フィルムである。別の実施形態において、不均一層は、少なくとも1層のガラス繊維又は炭素繊維を有するポリマー複合材を含み得る。一例では、ガラス繊維にエポキシが含浸され得る。別の例では、ガラス繊維はFR-4(FR4としても既知)であり得る。いくつかの実施形態において、アジュバント及びマトリックス材料の選択、並びにマトリックス材料内でのアジュバントの分散の程度により、基材として使用され得る不均一層の物理的特性及び特徴を詳細に調整することが可能になる。なお他の実施形態において、基材は、箔の厚さに沿ってなど、組成勾配又は領域を示す箔を利用することができる。いくつかの実施形態において、組成勾配又は領域は、一方の表面から他方の表面への材料特性の段階的な変化を与え得る。金属箔は、鉄箔の第1鉄領域及び非鉄系箔の第2領域を有する差箔(differential foil)とすることができる。いくつかの実施形態において、非鉄組成物又は非鉄系組成物の2つ以上の領域と組合せて、鉄組成物又は鉄系組成物の2つ以上の領域を有する差箔を使用することができる。
【0017】
[粘弾性減衰材料]
本発明の粘弾性減衰材料積層体に使用される各粘弾性減衰材料層は、比較的薄い。多くの実施形態において、比較的薄い粘弾性減衰材料積層体は、約2μm~約5,000μm、多くの実施形態において約10μm~約1,000μmの範囲内の厚さを有し得て、ある実施形態において約125μmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、第1粘弾性減衰材料層及び第2粘弾性減衰材料層の少なくとも一方は、エラストマー、ブチルゴム、スチレン系ブロックコポリマー(SBCとして既知、例えばKraton)、ポリウレタン、シリコーンゴム、ニトリルゴム、イソプレン、ブタジエン、粘弾性ポリマーゲル、感圧性接着剤(例えばシリコーン、ゴム、アクリル)、非感圧性接着剤、アスファルト材料(例えば屋根用接着剤やマスチック)及びこれらの組合せを含むが、これらに限定されない群から選択される粘弾性減衰材料を含み得る。多くの実施形態において、これらの粘弾性減衰材料は、そのガラス転移点付近で効率的な減衰を与え得る温度及び周波数の両方に依存する弾性率を有し得る。他の実施形態において、第1粘弾性減衰材料層及び第2粘弾性減衰材料層の両方が、エラストマー、ブチルゴム、スチレン系ブロックコポリマー(SBCとして既知、例えばKraton)、ポリウレタン、シリコーンゴム、ニトリルゴム、イソプレン、ブタジエン、粘弾性ポリマーゲル、感圧性接着剤(例えばシリコーン、ゴム、アクリル)、非感圧性接着剤、アスファルト材料(例えば屋根用接着剤やマスチック)及びこれらの組合せを含むが、これらに限定されない群から選択される粘弾性減衰材料を含み得る。多くの実施形態において、これらの粘弾性減衰材料は、そのガラス転移点付近で効率的な減衰を与え得る温度及び周波数の両方に依存する弾性率を有し得る。多くの実施形態において、粘弾性減衰材料は、減衰用途の温度及び周波数にて、約0.5より大きいtanδ最大値(tan delta maximum)を有し得る。いくつかの実施形態において、10rad/sにて動的機械分析装置(DMA)によって測定される温度範囲は約-120℃~約200℃、多くの実施形態において、-80℃~約100℃、いくつかの実施形態において、約-60℃~約75℃であり得る。
【0018】
本発明のテープに使用される粘弾性減衰材料は、テープ用途に対応する温度にて粘弾性特性を示し得る。一般に、テープは-30℃~150℃の温度範囲内の用途向けに使用及び/又は設計されている。いくつかの実施形態において、本発明は、-30℃未満及び/又は150℃超であり得る温度で使用するためのテープも含む。
【0019】
多くの実施形態において、接着剤は感圧性接着剤(PSA)を含む。しかし、本発明は、感圧性接着剤ではない接着剤、すなわち「非PSA」の使用も含み得る。例えば非感圧性接着剤は、ヒートシール接着剤、サーマルボンドフィルム、Bステージ接着剤、2ステージ接着剤、ドライ接着剤及びこれらの組合せを含み得るが、これらに限定されない。
【0020】
振動減衰接着テープに使用できる感圧性接着剤材料としては、ゴム系接着剤、アクリル系接着剤、ビニルエーテル接着剤、シリコーン接着剤及び/又はそれらの2つ以上の混合物が挙げられる。その開示は参照により本明細書に組み込まれている、“Adhesion and Bonding”, Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, Vol.1, pages 476-546, Interscience Publishers, 2nd Ed.1985に記載されている感圧性接着剤材料が挙げられる。感圧性接着剤材料は、主構成要素として、天然、再生又はスチレンブタジエンゴム、粘着性付与された天然又は合成ゴム、スチレンブタジエン又はスチレンイソプレンブロックコポリマー、エチレンと酢酸ビニルとのランダムコポリマー、エチレン-ビニル-アクリル(の)ターポリマー、ポリイソブチレン、ポリ(ビニルエーテル)、ポリ(アクリル)エステルなどの接着性ポリマーを含み得る。感圧性ゴム及びアクリル接着剤材料は通例、約-70℃~約20℃の範囲のガラス転移温度を特徴とする。感圧性シリコーン接着剤材料は通例、約-20℃~約100℃の範囲のガラス転移温度を特徴とする。
【0021】
アクリル系接着剤は、主構成要素として、アクリル酸、メタクリル酸などのカルボキシル基を含有するビニル系モノマーから得られる、カルボン酸を含有するアクリル系ポリマー、及び2-ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水酸基を含有するビニル系モノマーから得られる、ヒドロキシル基を含有するアクリル系ポリマーを含み得る。一実施形態において、アクリル接着剤材料は、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート又はイソノニルアクリレートなどのアルキルアクリレートと、アクリル酸、アクリルアミド又はN-ビニル-2-ピロリドンなどの極性モノマーと、上記アクリレート以外のアクリレート、メタクリレート、スチレン、酢酸ビニルなどの別のモノマーとの共重合から得られる。
【0022】
上述の樹脂に加えて、他の材料が感圧性接着剤材料に含まれ得る。これらには、固体粘着付与樹脂、液体粘着付与剤(可塑剤と呼ばれることが多い)、酸化防止剤、充填剤、顔料、ワックスなどが含まれ得るが、これらに限定されない。接着剤材料は、固体粘着付与樹脂と液体粘着付与樹脂(又は液体可塑剤)の混合物を含有し得る。
【0023】
多くの実施形態において、粘弾性減衰材料は、改善された振動減衰特性に加えて、ある種の自動車用途で見いだされるような、有益な接着特性、例えば比較的高い接着力、良好な剪断耐性、良好な耐熱性、良好な耐薬品性、耐候性及び紫外線を含む環境因子に対する耐性、良好な保持力、低表面エネルギー基材への接着力並びに汚れた又は油性の表面などの汚損表面への接着力を示す。
【0024】
いくつかの実施形態において、本発明における第1粘弾性減衰材料層及び第2粘弾性減衰材料層は、同じ化学組成を有することができる。他の実施形態において、本発明における第1粘弾性減衰材料層及び第2粘弾性減衰材料層は、異なる化学組成を利用し得る。他の実施形態において、粘弾性減衰材料の全ての層(少なくとも3つの粘弾性減衰材料の層がある場合)は、同じ化学組成を有し得る。別の実施形態において、粘弾性減衰材料の全ての層(少なくとも3つの粘弾性減衰材料の層がある場合)は、異なる化学組成を有し得る。
【0025】
本発明のテープにおける粘弾性減衰材料層(第1粘弾性減衰材料層と第2粘弾性減衰材料層の両方を示す)は、連続的又は実質的に連続的であることができる。多くの実施形態において、粘弾性減衰材料層は連続的であり、均一な厚さを示す。いくつかの実施形態において、粘弾性減衰材料層は、意図しない欠陥又は空隙など、層が均一でありえない場合には、実質的に連続的であり得る。
【0026】
[剥離ライナー]
本発明の粘弾性減衰材料積層体は、粘弾性減衰材料層を少なくとも部分的に被覆するか又は粘弾性減衰材料層上に配置された、1つ以上の剥離ライナーを任意に備える。一般に、多くの実施形態において、第1剥離ライナーは、粘弾性減衰材料の第1粘弾性減衰材料層の面上に少なくとも部分的に配置されて被覆する。任意に、第2剥離ライナーは、第2粘弾性減衰材料層の面上に少なくとも部分的に配置されて被覆し得る。本発明は、さもなければ露出されている粘弾性減衰材料層の領域を少なくとも部分的に被覆する複数の剥離ライナーなどの、多成分(又は多要素)剥離ライナーアセンブリの使用を含む。ある実施形態において、テープは、複数の剥離ライナー、単一の剥離ライナーを備え得るか、又は剥離ライナーを備え得ない。
【0027】
本発明において使用する剥離ライナーは、当分野において既知の剥離ライナーであり得る。粘弾性減衰材料に適用され得て、使用前の不注意による結合から粘弾性減衰材料を保護するのに有用である、様々な剥離ライナーが入手できる。好適な剥離ライナーは、Donatas Satasによって編集されたHandbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology, 2nd Ed.の第23章に、ある程度詳細に記載されている。当分野で既知の様々な剥離ライナーは、それらが本発明での使用に選択された粘弾性減衰材料に対するそれらの剥離特性に関して選択される限り、好適である。
【0028】
[複合損失係数及び減衰効率]
本明細書で提供されるように、減衰性能は、少なくとも50Hzの基準周波数にてある温度範囲にわたって、CLF(複合損失係数)を使用して測定され得る。幾つかの実施形態において、200Hzが基準周波数として使用され得る。いくつかの実施形態において、積層構造は、用途の温度範囲において200Hzの周波数にてCLFが少なくとも0.10であるときに減衰していると見なされ得る。用途の温度範囲は、約-50℃~約200℃であり得る。いくつかの実施形態において、積層構造は、200Hzの周波数にて15℃の温度範囲にわたって測定したときに、CLFが少なくとも0.05である場合に減衰していると見なされ得る。本明細書に記載されているように、15℃の温度範囲に対するスパンは、約-50℃~約200℃で生じ得る。他の実施形態において、積層構造は、200Hzの周波数にて15℃の温度範囲にわたって測定したときにCLFが少なくとも0.10である場合に減衰していると見なされ得て、15℃の温度範囲に対するスパンは、約-50℃~約200℃で生じ得る。
【0029】
他の実施形態において、積層構造の減衰特性は減衰効率指数(後述)に基づき得る。一実施形態において、積層構造は、少なくとも約50Hzの周波数にて、少なくとも2000を超える減衰効率指数を有し得る。別の実施形態において、積層構造は、約50Hz~約5000Hzの周波数にて少なくとも2000を超える減衰効率指数を有し得る。
【0030】
本明細書で使用する場合、減衰効率は、その厚さ及び質量によって正規化された複合損失係数(CLF)の高さ及び幅の尺度である。減衰効率については、線密度正規化減衰効率指数ζ=(W×M)/(ρ×t)(単位:℃/(kg/m))を使用して、各種のテープの性能が評価され得て、式中、Wは、CLF≧0.10(℃)に対するCLF曲線の幅であり、Mは測定されたCLFの最大値であり、ρは単位面積当たりの質量(kg/m)であり、tは構造全体の厚さ(m)である。本明細書に開示されているもののいくつかの実施形態において、減衰が改善されたサンプルは、少なくとも2.0×10を超える線密度正規化減衰効率指数(ζ)を有し得る。
【0031】
[図面]
図1は、本発明に従うテープ10の一実施形態の概略断面図である。テープ10は、第1面42及び反対に向けられた第2面44を画成する基材40を備える。テープ10は、基材40の第1面42上に又は第1面42に沿って少なくとも部分的に配置された、第1粘弾性減衰材料層30も備える。テープ10は、基材40の第2面44上に又は第2面44に沿って少なくとも部分的に配置された第2粘弾性減衰材料層50をさらに備える。テープ10はまた、第1粘弾性減衰材料層30上に少なくとも部分的に配置されて被覆する剥離ライナー20及び/又は第2粘弾性減衰材料層50上に少なくとも部分的に配置されて被覆する剥離ライナー60などの、1つ以上の任意の剥離ライナーを備え得る。
【0032】
図2は、本発明に従うテープ100の別の実施形態の概略断面図である。テープ100は、第1基材110、第2基材130、第1基材110と第2基材130との間に少なくとも部分的に配置された第1粘弾性減衰材料層120と、第2粘弾性減衰材料層140を備える。第2基材130は、第1粘弾性減衰材料層120と第2粘弾性減衰材料層140の間に少なくとも部分的に配置されている。テープ100は、粘弾性減衰材料の第2粘弾性減衰材料層140上又は層140に沿って少なくとも部分的に配置された、任意の剥離ライナー150も備える。
【0033】
[テープの形態]
本発明のテープは、様々な異なる形態で提供することができる。多くの実施形態において、テープはロール形態で提供されるが、シート形態及びZ折り形態などの他の形態が含まれる。
【0034】
[用途及び拘束層システム]
記載したように、本発明のテープは振動を減衰させるための広い用途に利用される。利用される場合、すなわち第1構成要素に接着される場合、拘束層システムが形成される。本発明のテープは、任意の第2構成要素に貼付けても(すなわち接着しても)よい。第1構成要素及び任意の第2構成要素が振動を受けると、テープ、特にテープの粘弾性減衰材料層は振動を減衰又は低減する。いかなる特定の周波数又は周波数範囲にも限定されることを望むものではないが、本発明のテープは、少なくとも50Hzの振動の減衰に使用される。他の実施形態において、本発明のテープは、約50Hz~約15,000Hz、より通例には約100Hz~約5,000Hz、特定の用途において、約200Hz~約3,000Hzの周波数範囲内の振動を減衰させ得る。
【0035】
本発明のテープは、システムの、振動を示す又は受ける第1構成要素及び任意に第2構成要素にテープを接着することにより拘束層システム(constrained layer system,拘束された層システム)を形成することによって振動を減衰させることが所望されるところの、任意の用途に潜在的に使用することができる。本発明のテープは、振動を示す又は受けるシステムの第1構成要素及び第2構成要素の少なくとも一方にテープを接着する(すなわち貼付ける)ことにより拘束層システムを形成することによって振動を減衰させることが所望されるところの、任意の用途にも潜在的に使用することができる。非限定的な例としては、自動車用途、電子用途、電動工具への組込み、航空宇宙用途、洗濯機、乾燥機、食洗機などの家電製品への組込み、並びにモーターハウジング及びポンプハウジングなどの産業機器への組込みが挙げられる。自動車用途の具体的で非限定的な例としては、自動車のドアパネル、ブレーキパッド及びブレーキシムを含むブレーキ部品、ルーフ、フロア、ヒートシールド、フレーム及びフレーム部品、ファイアウォール並びにサスペンション部品が挙げられる。電子用途の非限定的な例は、ハードディスクドライブ(HDD)に関連する振動の減衰である。
【0036】
図3及び図4は、図1に関連して上述した、テープ10を使用した拘束層システムの概略断面図である。図3に示す拘束層システム210は、その剥離ライナーの一方(例えば図1に示す剥離ライナー60)が除去されたテープ10(基材40、第1接着剤層30及び第2接着剤層50からなる)を備え、テープ10は、減衰される振動又は潜在的な振動を受ける第2構成要素70に、粘弾性減衰材料層50を介して少なくとも部分的に接着されている。図4に示す拘束層システム212は、その剥離ライナーが両方とも(例えば図1に示す剥離ライナー20及び60)除去されたテープ10を備え、テープ10は、減衰される振動又は潜在的な振動を受ける第2構成要素70に、第2粘弾性減衰材料層50を介して接着され、振動又は潜在的な振動を受ける第1構成要素80に、第1粘弾性減衰材料層30を介して接着されている。さらに図4を参照すると、第1構成要素80及び/又は第2構成要素70は、多くの用途において発泡体などの吸音材料の形態であり得ることが理解される。結果として生じたアセンブリ(組み立てられた構造体)は、振動減衰と吸音の両方を提供する。図3及び図4において、さらなる基材層及び/又は接着剤層が追加され得ることも理解される。
【0037】
図5は、図2に関連して上述した、テープ100を使用した拘束層システムの概略断面図である。拘束層システム300は、その剥離ライナー(例えば図2に示す剥離ライナー150)が除去されたテープ100を備え、テープ100は、減衰される振動又は潜在的な振動を受ける第2構成要素170に、第2接着剤層140(本明細書では、第2粘弾性減衰材料層とも呼ばれる)を介して接着される。図5において、第1基材(110)は露出され、他の基材、粘弾性減衰材料又は構成要素に接着又は結合されていない。逆に(しかし図5には示さず)、第2基材が露出され、他の基材、粘弾性減衰材料又は構成要素に接着又は結合していない場合、テープは、減衰される振動又は潜在的な振動を受ける第1構成要素に、第1接着剤層(本明細書では、第1粘弾性減衰材料層とも呼ばれる)を介して接着され得る。基材がなお露出され、別の基材、粘弾性減衰材料又は構成要素に接着又は結合されていない図5において、追加の基材層及び/又は接着剤層が追加され得ることも理解される。
【0038】
図1~5に記載の実施形態は、本明細書に記載の構成の例を提供する。本発明が3つの基材、4つの基材、5つの基材及び6つ以上の基材を備える、追加の基材を有するテープを含み得ることが理解される。追加の基材は互いの上に配置され得るか、又は少なくとも1つの粘弾性減衰層上に配置され得る。本発明が、3つの粘弾性減衰材料層、4つの粘弾性減衰材料層、5つの粘弾性減衰材料層又は6つ以上の粘弾性減衰材料層を備える、追加の粘弾性減衰層を有するテープを含み得ることも理解される。追加の粘弾性減衰層は互いの上に配置され得るか、又は少なくとも1つの基材上に配置され得る。
【0039】
図6、7及び8は、以下の実施例で説明される。
【0040】
[Examples(事例)]
本発明に従う複数の接着テープの振動減衰特性を、市販の振動減衰接着テープの振動減衰特性と比較した。市販の振動減衰接着テープに対して、本明細書に記載の積層体を、いくつかの実施形態において同様の厚さで評価した。いくつかの例において、振動減衰効率指数及びCLFの両方の上昇を実証するために、様々な厚さを評価した。具体的には、UHA0806という名称でAvery Dennisonから販売されているテープを入手して、サンプルAと称した。UHA0806テープは、アルミニウム箔であって、アルミニウム箔の1つの面に少なくとも部分的に配置された(粘弾性減衰材料としての)アクリル系接着剤の単層を有するアルミニウム箔を備える。UHA0806テープは、125g/mの接着剤層コート重量を利用し、総厚は0.25mmである。UHA0806テープの単位面積当たりの総製品質量は0.45kg/mである。これは、テープ全体、すなわち接着剤及び箔の単位面積当たりの質量である。
【0041】
Dynamic Control of North America, Inc.製のDYNAMAT SUPERLITEという名称の、サンプルAと構造が類似した別のテープを入手し、サンプルBと称した。DYNAMAT SUPERLITEテープは、0.06mmアルミニウム箔と、箔の1つの面上の(粘弾性減衰材料としての)接着剤の単層を含む。DYNATMAT SUPERLITEテープは、比較的高コート重量のブラックブチル接着剤を利用し、単位面積当たりの総製品質量が1.50kg/m、総厚が1.10mmである。
【0042】
本発明に従い、図2に示す構成に相当する構成を有するテープを作製して、サンプルCと称した。サンプルCは1.50kg/mの総質量を有する。そのテープは、(粘弾性減衰材料として)2つの接着剤層それぞれにアクリル系接着剤を利用し、各接着剤層は125g/mのコート重量及び0.125mmの厚さを有し、各接着剤層は同じ化学組成を有する。そのテープはまた、各基材にアルミニウム箔を利用し、各箔層の厚さは0.250mmであった。
【0043】
本発明に従い、図2に示す構成に相当する構成を有するテープを作製して、サンプルDと称した。サンプルDは1.50kg/mの総質量を有する。そのテープは、(粘弾性減衰材料として)2つの接着剤層それぞれにアクリル系接着剤を利用し、各接着剤層は125g/mのコート重量及び0.125mmの厚さを有し、各接着剤層は異なる化学組成を有する。そのテープはまた、各基材にアルミニウム箔を利用し、各箔層の厚さは0.250mmであった。
【0044】
本発明に従い、図2に示す構成に相当する構成を有するテープを作製して、サンプルEと称した。サンプルEは0.90kg/mの総質量を有する。そのテープは、(粘弾性減衰材料として)2つの接着剤層それぞれにアクリル系接着剤を利用し、各接着剤層は125g/mのコート重量及び0.125mmの厚さを有する。そのテープはまた、各基材にアルミニウム箔を利用し、各箔層の厚さは0.125mmであった。
【0045】
テープサンプルA、B、C、D及びEそれぞれを部品に接着し、次いでこの部品に、ある温度範囲で振動を受けさせた。次いで、各システムの複合損失係数(CLF)を求めた。当分野で既知であるように、CLF値はテープ(又は他の構造)の減衰能力の指標である。一般に、所与の温度でのCLFの値が大きいほど、テープがその温度での振動を減衰又は低減する能力が高い。各サンプルのCLF測定値は、ベース層(構成要素)としての厚さ0.75mmのSendimizer鋼を用いる、SAE J1637規格を使用した振動梁試験(VBT)から得られ、結果は200Hzの基準周波数にて報告される。
【0046】
図6のグラフから明らかなように、テープサンプルDは、現在入手可能なテープ、すなわちサンプルA及びサンプルBと比較して、比較的広範囲の温度にわたってより高いCLF値を示した。サンプルCは、サンプルDよりわずかに高いピークCLFを示し、サンプルBより高いピークCLFを有し、サンプルAより、評価した温度範囲にわたって全体により高いCLFを有する。サンプルEは、サンプルBのCLF値に匹敵するCLF値を示した。サンプルC、D及びEはすべて、サンプルB以下の薄さであり、サンプルB以下の重量である。本発明により、(図6にみられるように)温度の関数としてより広い及び/又はより高いCLF値を有する、現在利用可能なテープと同等の厚さ及び重量プロファイル、同等でない場合には、より薄く軽量のプロファイルを有するテープの構造が可能となる。
【0047】
Dynamic Control of North America, Inc.製のDYNAMAT XTREMEという名称の、サンプルA~Eよりも厚く重量が大きい別のテープを入手し、サンプルFと称した。DYNAMAT XTREMEテープは、0.10mmのアルミニウム箔と、箔の1つの面上の接着剤の単層を含む。DYNAMAT XTREMEテープは、比較的高コート重量のブラックブチル接着剤を利用し、単位面積当たりの総製品質量が2.50kg/m、総厚が1.7mmである。
【0048】
Sika Corporation製のSikaDamp630という名称の、サンプルFと同等の厚さ及び重量の別のテープを入手し、サンプルGと称した。SikaDamp630テープは、0.08mmのアルミニウム箔と、箔の1つの面上の接着剤の単層を含む。SikaDamp630テープは、比較的高コート重量のブラックブチル接着剤を利用し、単位面積当たりの総製品質量が2.00kg/m、総厚が1.5mmである。
【0049】
本発明に従い、図2に示す構成に対応する構成を有するテープを作製し、サンプルHと称した。そのテープは、2つの接着剤層それぞれにアクリル系接着剤を利用し、各接着剤層の厚さは1.0mmであった。そのテープはまた、各基材にアルミニウム箔を利用し、各箔層の厚さは0.125mmであった。
【0050】
本発明に従い、サンプルCの2層からなる構成を有するテープを作製し、サンプルIと称した。そのテープは、(粘弾性減衰材料として)4つの接着剤層それぞれにアクリル系接着剤を利用し、各接着剤層はコート重量が125g/m、厚さが0.125mmであった。そのテープはまた、4つの基材それぞれにアルミニウム箔を利用し、各箔層の厚さは0.25mmであった。
【0051】
図7のグラフから明らかなように、テープサンプルDは、現在入手可能なテープ、すなわちサンプルF及びサンプルGと比較して、比較的広範囲の温度にわたって同程度のCLF値を示した。しかし、サンプルDは、サンプルF及びGよりも薄くかつ軽量である。サンプルHは、現在入手可能なテープ、すなわちサンプルF及びサンプルGのCLF値よりも、試験を行った全温度範囲にわたってより高いCLF値を有する。しかし、サンプルHは、サンプルF及びサンプルGに匹敵する単位面積当たりの質量を有する。サンプルIは、試験を行った全てのサンプルの中で最高のCLF最大値を示す。従って、本発明は、温度の関数としてより高いCLF値並びにより広い(又は同程度の広さの)CLF値の両方が可能となり、テープ厚がより薄く、単位面積当たりのテープ質量がより小さい減衰構造を提供する。
【0052】
図8は、本明細書に記載するように、200Hzにて計算した減衰効率の尺度を与える。図8は、サンプルA~Iの線密度正規化減衰効率指数(ζ)のプロットを与える。現在入手可能なサンプル(サンプルA、B、F及びG)では、線密度正規化減衰効率指数(ζ)は、約4.5×10より小さい。開示された製品(サンプルC、D、E、H及びI)については、線密度正規化減衰効率指数(ζ)は、少なくとも約4.5×10より大きい。最大温度依存減衰に対してより最適化された表面密度を有する製品(ζが少なくとも約4.5×10より大きいもの)では、線密度正規化減衰効率指数が上昇する。例えば、サンプルAは軽量にもかかわらず、そのピークCLFが0.10未満であるため(図6)、線密度正規化減衰効率指数(ζ)が約0である。サンプルF及びサンプルGは、CLF値が0.10より大きいかなりの部分を有するにもかかわらず(図7参照)、その表面密度が比較的高いために、約4.4×10のζを有する。比較すると、サンプルC、D及びEは、同程度以上の減衰を有するため(図6参照)、1.12×10より大きいζを有し、該サンプルは表面密度が約50%の減少している。同様に、サンプルH及びサンプルIをサンプルF及びサンプルGなどの同等の重質生成物と比較すると、サンプルH及びサンプルIは、線密度正規化減衰効率指数によって測定されるように、改善されないとしても、少なくとも同程度の減衰を有する(図7及び図8参照)。本明細書に開示されているもののいくつかの実施形態において(図示せず)、減衰が改善されたサンプルは、少なくとも2.0×10より大きい線密度正規化減衰効率指数(ζ)を有し得る。
【0053】
この技術の今後の利用及び開発から、他の多くの利点が明らかになることは疑いない。
【0054】
本発明は、本明細書に記載の特徴及び態様の実施可能なすべての組合せを含む。したがって、例えば、1つの特徴が実施形態に関連して説明され、別の特徴が別の実施形態に関連して説明される場合、本発明はこれらの特徴の組合せを有する実施形態を含むことが理解される。
【0055】
上記のように、本発明によって、以前の方法、システム及び/又は装置に関連する多くの問題が解決される。しかし、本発明の性質を説明するために本明細書で説明及び例証されている構成要素の詳細事項、材料及び配置における様々な変更が、添付の特許請求の範囲に示されるような、請求されている発明主題の原理及び範囲から逸脱することなく、当業者によってなされ得ることが認識される。
【符号の説明】
【0056】
図1など]
10 テープ
20 剥離ライナー
30 第1粘弾性減衰材料層
40 基材
42 基材(40)の第1面
44 基材(40)の第2面
50 第2粘弾性減衰材料層
60 剥離ライナー
図2など]
100 テープ
110 第1基材
120 第1粘弾性減衰材料層
130 第2基材
140 第2粘弾性減衰材料層
150 剥離ライナー
[その他の図]
70 第2構成要素
80 第1構成要素
170 第2構成要素
210 拘束層システム
212 拘束層システム
300 拘束層システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-02-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
減衰用テープであって、
第1基材と、
第2基材と、
前記第1基材と前記第2基材との間に少なくとも部分的に配置されている、第1粘弾性減衰材料層と、
第2粘弾性減衰材料層であって、前記第2基材が前記第1粘弾性減衰材料層と前記第2粘弾性減衰材料層との間に少なくとも部分的に配置されている、第2粘弾性減衰材料層と、
を備え、
前記第1基材及び前記第2基材それぞれの厚さが約5μm~約3,000μmの範囲内であり、前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層それぞれが約2μm~約5,000μmの範囲内の厚さを有する、減衰用テープ。
【請求項2】
前記第1基材及び前記第2基材の少なくとも一方が、約1GPa~約1000GPaの室温ヤング率の範囲を有する、請求項1に記載のテープ。
【請求項3】
前記第1基材及び前記第2基材の少なくとも一方が、約20GPa~約500GPaの室温ヤング率の範囲を有する、請求項1に記載のテープ。
【請求項4】
前記第1基材が第1金属箔を備え、前記第2基材が第2金属箔を備える、請求項1に記載のテープ。
【請求項5】
前記第1金属箔及び前記第2金属箔の少なくとも一方が鉄系箔である、請求項4に記載のテープ。
【請求項6】
前記第1金属箔及び前記第2金属箔の少なくとも一方が非鉄系箔である、請求項4に記載のテープ。
【請求項7】
前記第1金属箔及び前記第2金属箔の少なくとも一方が、第1鉄組成領域及び第2非鉄組成領域を有する差箔である、請求項4に記載のテープ。
【請求項8】
前記第1金属箔がアルミニウムを含む、請求項4に記載のテープ。
【請求項9】
前記第2金属箔がアルミニウムを含む、請求項4に記載のテープ。
【請求項10】
前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層の少なくとも一方が、エラストマー、ブチルゴム、スチレン系ブロックコポリマー、ポリウレタン、シリコーンゴム、ニトリルゴム、イソプレン、ブタジエン、粘弾性ポリマーゲル、感圧性接着剤、非感圧性接着剤及びその組合せを含む群から選択される粘弾性減衰材料を含む、請求項1に記載のテープ。
【請求項11】
前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層の両方が、エラストマー、ブチルゴム、スチレン系ブロックコポリマー、ポリウレタン、シリコーンゴム、ニトリルゴム、イソプレン、ブタジエン、粘弾性ポリマーゲル、感圧性接着剤、非感圧性接着剤及びその組合せを含む群から選択される、請求項1に記載のテープ。
【請求項12】
前記感圧性接着剤がアクリル系接着剤、シリコーン接着剤、ゴム接着剤、ビニルエーテル接着剤及びその組合せを含む、請求項10に記載のテープ。
【請求項13】
前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層の両方がアクリル系接着剤を含む、請求項1に記載のテープ。
【請求項14】
前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層が同じ化学組成を有する、請求項1に記載のテープ。
【請求項15】
前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層が異なる前記化学組成を有する、請求項1に記載のテープ。
【請求項16】
前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層の少なくとも一方が、実質的に連続的である、請求項1に記載のテープ。
【請求項17】
第1粘弾性減衰材料層及び第2粘弾性減衰材料層の少なくとも一方の上に少なくとも部分的に配置された少なくとも1つの剥離ライナーをさらに備える、
請求項1に記載のテープ。
【請求項18】
前記第1粘弾性減衰材料層上に少なくとも部分的に配置された第1剥離ライナーと、
前記第2粘弾性減衰材料層上に少なくとも部分的に配置された第2剥離ライナーと、
を更に備える、請求項1に記載のテープ。
【請求項19】
追加の基材をさらに備える、請求項1に記載のテープ。
【請求項20】
追加の粘弾性減衰層をさらに備える、請求項1に記載のテープ。
【請求項21】
CLFが約200Hzにて約15℃の範囲にわたって少なくとも約0.05である、請求項1に記載のテープ。
【請求項22】
CLFが約200Hzにて約15℃の範囲にわたって少なくとも約0.10である、請求項1に記載のテープ。
【請求項23】
前記線密度正規化減衰効率指数(ζ)が、200Hzにて少なくとも2.0×10より大きい、請求項1に記載のテープ。
【請求項24】
前記線密度正規化減衰効率指数(ζ)が、200Hzにて少なくとも4.5×10より大きい、請求項1に記載のテープ。
【請求項25】
拘束層システムであって、
振動を受ける第1構成要素及び第2構成要素の少なくとも1つと、
振動減衰テープであって、(i)第1基材と、(ii)第2基材と、(iii)前記第1基材と前記第2基材の間に少なくとも部分的に配置された第1粘弾性減衰材料層と、(iv)第2粘弾性減衰材料層であって、前記第2基材が前記第1粘弾性減衰材料層と前記第2粘弾性減衰材料層の間に少なくとも部分的に配置され、前記第1基材及び前記第2基材がそれぞれ5μm~3,000μmの範囲内の厚さを有し、前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層それぞれが2μm~5,000μmの範囲内の厚さを有する、第2粘弾性減衰材料層を備える、振動減衰テープと、
を備え、
前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層の少なくとも一方が、前記第1構成要素及び前記第2構成要素の少なくとも一方に接着されている、拘束層システム。
【請求項26】
前記第1基材及び前記第2基材の少なくとも一方が、約1GPa~約1000GPaの室温ヤング率の範囲を有する、請求項25に記載の拘束層システム。
【請求項27】
前記第1基材及び前記第2基材の少なくとも一方が、約20GPa~約500GPaの室温ヤング率の範囲を有する、請求項25に記載の拘束層システム。
【請求項28】
前記第1基材及び前記第2基材の少なくとも一方が金属箔を備える、請求項25に記載の拘束層システム。
【請求項29】
前記金属箔が鉄系箔である、請求項28に記載の拘束層システム。
【請求項30】
前記金属箔が非鉄系箔である、請求項28に記載の拘束層システム。
【請求項31】
前記金属箔が第1鉄組成領域及び第2非鉄組成領域を有する差箔である、請求項28に記載の拘束層システム。
【請求項32】
前記金属箔がアルミニウムを含む、請求項28に記載の拘束層システム。
【請求項33】
前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層の少なくとも一方が、エラストマー、ブチルゴム、スチレン系ブロックコポリマー、ポリウレタン、シリコーンゴム、ニトリルゴム、イソプレン、ブタジエン、粘弾性ポリマーゲル、感圧性接着剤、非感圧性接着剤及びその組合せを含む群から選択される、請求項25に記載の拘束層システム。
【請求項34】
前記感圧性接着剤がアクリル系接着剤、シリコーン接着剤、ゴム接着剤、ビニルエーテル接着剤及びその組合せを含む、請求項33に記載の拘束層システム。
【請求項35】
前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層が同じ化学組成を有する、請求項25に記載の拘束層システム。
【請求項36】
前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層が異なる化学組成を有する、請求項25に記載の拘束層システム。
【請求項37】
前記第1粘弾性減衰材料層及び前記第2粘弾性減衰材料層の少なくとも一方が実質的に連続的である、請求項25に記載の拘束層システム。
【請求項38】
CLFが約200Hzにて約15℃の範囲にわたって少なくとも約0.05である、請求項25に記載の拘束層システム。
【請求項39】
CLFが約200Hzにて約15℃の範囲にわたって少なくとも約0.10である、請求項25に記載の拘束層システム。
【請求項40】
線密度正規化減衰効率指数(ζ)が200Hzにて少なくとも2.0×10よりも大きい、請求項25に記載の拘束層システム。
【請求項41】
線密度正規化減衰効率指数(ζ)が、200Hzにて少なくとも4.5×10より大きい、請求項25に記載の拘束層システム。
【外国語明細書】