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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065019
(43)【公開日】2022-04-26
(54)【発明の名称】コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/296 20210101AFI20220419BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20220419BHJP
【FI】
H01M50/296
H01M50/244 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016998
(22)【出願日】2022-02-07
(62)【分割の表示】P 2019562835の分割
【原出願日】2018-11-15
(31)【優先権主張番号】P 2017253115
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社エンビジョンAESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】田村 裕明
(57)【要約】
【課題】電池パックの端子と保持体の端子の接合を容易にする。
【解決手段】電池システム30は、電池パック10及び保持体20を備えている。電池パック10は、第1コネクタ200を有している。保持体20は、ベース310及び第2コネクタ400を有している。第2コネクタ400は、ベース310に接続されている。電池パック10は、電池パック10の第1コネクタ200が保持体20の第2コネクタ400に接続するように保持体20に取り付け可能となっている。第2コネクタ400は、ベース310に対して可動になっている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部材と、
少なくとも一部分が電池パックに挿通される端子部を有し、前記軸部材に対して可動なコネクタと、
を備え、
前記軸部材が、前記端子部が前記電池パックに挿通される方向に交わる方向に前記コネクタの一部分を通過している、コネクタ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタ装置において、
前記電池パックの前記端子部が挿通される位置を前記端子部の位置に案内する案内部をさらに備えるコネクタ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコネクタ装置において、
前記コネクタが、前記軸部材が通過する穴が形成されて前記端子部が設けられた基板を有する、コネクタ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のコネクタ装置において、
前記軸部材が前記穴を一方向に沿って通過し、
前記基板が、前記一方向及び前記一方向に交わる方向のうちの少なくとも一方に沿って前記軸部材に対して可動になっている、コネクタ装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のコネクタ装置において、
前記端子部がセンス端子を有する、コネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池システム及び保持体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非水電解液二次電池、特に、リチウムイオン二次電池が開発されている。一部のリチウムイオン二次電池では、電池パックが用いられることがある。例えば非特許文献1に記載されているように、電池パックは、一又は複数の電池セル及び電池セルを収容するためのケースを有している。さらに、一部のリチウムイオン二次電池では、電池パックを保持体に保持させることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-41376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電池パックを保持体に保持させる場合に電池パックの端子と保持体の端子を互いに接続させることがある。
【0005】
本発明の一の目的は、電池パックの端子と保持体の端子の接合を容易にすることにある。本発明のさらなる目的は、実施形態の以下の開示から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、電池システムが提供される。電池システムは、
第1コネクタを有する電池パックと、
軸部材と、前記軸部材に対して可動な第2コネクタと、を有し、前記第1コネクタが前記第2コネクタに接続するように前記電池パックを案内して前記電池パックを取り付け可能な保持体と、
を備え、
前記軸部材が、前記電池パックが前記保持体によって案内される方向に交わる方向に前記第2コネクタの一部分を通過している。
【0007】
本発明の他の態様によれば、第1コネクタを有する電池パックを保持するための保持体が提供される。保持体は、
軸部材と、
前記軸部材に対して可動な第2コネクタと、
を備え、
前記電池パックは、前記第1コネクタが前記第2コネクタに接続するように前記保持体によって案内されて前記保持体に取り付け可能であり、
前記軸部材が、前記電池パックが前記保持体によって案内される方向に交わる方向に前記第2コネクタの一部分を通過している。
【発明の効果】
【0008】
本発明の上述した一態様によれば、電池パックの端子と保持体の端子の接合が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0010】
図1】実施形態に係る電池パックを示す斜視図である。
図2図1に示した電池パックを図1の反対側から見た斜視図である。
図3図1及び図2に示した電池パックのケースに収容された電池モジュールを示す斜視図である。
図4】実施形態に係る保持体を示す斜視図である。
図5】実施形態に係る電池システムを示す斜視図である。
図6図5に示した電池システムの第1コネクタ及び第2コネクタの詳細を説明するための図である。
図7図4に示した第2コネクタを示す斜視図である。
図8図7に示した第2コネクタを図7の反対側から見た斜視図である。
図9図4に示した第1ベースの底面図である。
図10図9のA-A´断面図である。
図11図9のB-B´断面図である。
図12図10及び図11に示した複数の軸部材のうちの一の軸部材及びその周辺を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0012】
図1は、実施形態に係る電池パック10を示す斜視図である。図2は、図1に示した電池パック10を図1の反対側から見た斜視図である。図3は、図1及び図2に示した電池パック10のケース110に収容された電池モジュール12を示す斜視図である。図4は、実施形態に係る保持体20を示す斜視図である。図5は、実施形態に係る電池システム30を示す斜視図である。図6は、図5に示した電池システム30の第1コネクタ200及び第2コネクタ400の詳細を説明するための図である。
【0013】
図6を用いて、電池システム30の概要を説明する。電池システム30は、電池パック10及び保持体20を備えている。電池パック10は、第1コネクタ200を有している。保持体20は、ベース310及び第2コネクタ400を有している。第2コネクタ400は、ベース310に接続されている。電池パック10は、電池パック10の第1コネクタ200が保持体20の第2コネクタ400に接続するように保持体20に取り付け可能となっている。第2コネクタ400は、ベース310に対して可動になっている。
【0014】
上述した構成によれば、電池パック10の第1コネクタ200と保持体20の第2コネクタ400の接合が容易になる。具体的には、上述した構成においては、第2コネクタ400は、ベース310に対して可動になっている。したがって、電池パック10を保持体20に取り付ける場合に第1コネクタ200の位置と第2コネクタ400の位置がずれていても、第2コネクタ400は、第1コネクタ200に追従して動くことができる。したがって、電池パック10の第1コネクタ200と保持体20の第2コネクタ400の接合が容易になる。
【0015】
図1及び図2を用いて、電池パック10の詳細を説明する。
【0016】
電池パック10は、ケース110、複数の第1スライド部122、複数の第2スライド部124、第1接合部130及び第1コネクタ200を有している。
【0017】
ケース110は、複数の面、すなわち、底面110a、上面110b、第1側面110c1、第2側面110c2、第3側面110c3及び第4側面110c4を有している。上面110bは、底面110aの反対側にある。第1側面110c1、第2側面110c2、第3側面110c3及び第4側面110c4は、底面110aと上面110bの間にある。第2側面110c2は、第1側面110c1の反対側にある。第3側面110c3は、第1側面110c1と第2側面110c2の間にある。第4側面110c4は、第3側面110c3の反対側にある。
【0018】
ケース110は、底面110aと上面110bの間に高さ方向を有しており、第1側面110c1と第2側面110c2の間に長さ方向を有しており、第3側面110c3と第4側面110c4の間に幅方向を有している。図1及び図2に示す例では、ケース110の長さ方向の長さ(第1側面110c1と第2側面110c2の間の長さ)は、ケース110の幅方向の長さ(第3側面110c3と第4側面110c4の間の長さ)より長くなっている。
【0019】
ケース110は、図3を用いて後述する電池モジュール12を収容している。図1及び図2に示す例では、ケース110は、第1ケース部材112及び第2ケース部材114を有している。第1ケース部材112及び第2ケース部材114は、電池モジュール12(図3)を収容するための空間を画定するように互いに接合している。第1ケース部材112は、ケース110の底面110aを構成し、ケース110の第1側面110c1、第2側面110c2、第3側面110c3及び第4側面110c4のそれぞれの一部を構成し、電池モジュール12(図3)の下方を覆っている。第2ケース部材114は、ケース110の上面110bを構成し、ケース110の第1側面110c1、第2側面110c2、第3側面110c3及び第4側面110c4のそれぞれの一部を構成し、電池モジュール12(図3)の上方を覆っている。
【0020】
複数の第1スライド部122及び複数の第2スライド部124は、ケース110の底面110a側(第1ケース部材112)に配置されており、上面110bよりも底面110aの近くに配置されている。
【0021】
複数の第1スライド部122及び複数の第2スライド部124は、ケース110の長さ方向に沿って並んでいる。複数の第1スライド部122の方が複数の第2スライド部124よりも第1側面110c1の近くに配置されており、複数の第1スライド部122は、第2側面110c2よりも第1側面110c1の近くに配置されている。複数の第2スライド部124の方が複数の第1スライド部122よりも第2側面110c2の近くに配置されており、複数の第2スライド部124は、第1側面110c1よりも第2側面110c2の近くに配置されている。
【0022】
複数の第1スライド部122は、第1スライド部122a及び第1スライド部122bを含んでいる。第1スライド部122a及び第1スライド部122bは、ケース110の幅方向に並んでいる。第1スライド部122aは、ケース110の第3側面110c3側に配置されており、第1スライド部122bは、ケース110の第4側面110c4側に配置されている。図1及び図2に示す例において、第1スライド部122aは、第3側面110c3上に形成された凹部であり、第1スライド部122bは、第4側面110c4上に形成された凹部である。
【0023】
複数の第2スライド部124は、第2スライド部124a及び第2スライド部124bを含んでいる。第2スライド部124a及び第2スライド部124bは、ケース110の幅方向に並んでいる。第2スライド部124aは、ケース110の第3側面110c3側に配置されており、第2スライド部124bは、ケース110の第4側面110c4側に配置されている。図1及び図2に示す例において、第2スライド部124aは、第3側面110c3上に形成された凹部であり、第2スライド部124bは、第4側面110c4上に形成された凹部である。
【0024】
第1接合部130は、ケース110の第2側面110c2側に配置されている。第1接合部130は、ケース110の高さ方向に沿ってスライド可能になっている。
【0025】
第1コネクタ200は、ケース110の第1側面110c1側に配置されている。第1コネクタ200は、ケース110の底面110a側(第1ケース部材112)に配置されており、上面110bよりも底面110aの近くに配置されている。
【0026】
第1コネクタ200は、第1端子222a、第2端子222b、第3端子222c、第1アジャスタ224a及び第2アジャスタ224bを有している。第1端子222a、第2端子222b、第3端子222c、第1アジャスタ224a及び第2アジャスタ224bは、ケース110から露出している。
【0027】
第1端子222aは、電源端子及び接地端子のうちの一方であり、第2端子222bは、電源端子及び接地端子のうちのもう一方であり、第3端子222cは、センス端子である。図1及び図2に示す例では、第1端子222aと第2端子222bは、第3端子222cを挟んで互いに離間している。したがって、第1端子222aと第2端子222bの間の絶縁耐圧を確保することができる。
【0028】
第1アジャスタ224aと第2アジャスタ224bは、第1端子222a、第2端子222b及び第3端子222cを挟んで互いに離間している。第1アジャスタ224aは、第1端子222aの隣に位置している。第2アジャスタ224bは、第2端子222bの隣に位置している。
【0029】
図3を用いて、電池モジュール12の詳細を説明する。
【0030】
電池モジュール12は、複数の電池セル100、回路基板140、ホルダ142、配線144及び第1コネクタ200を有している。
【0031】
複数の電池セル100は、ホルダ142を介して回路基板140上に搭載されている。各電池セル100は、配線144を介して回路基板140に電気的に接続されている。図3に示す例において、回路基板140は、Battery Management Unit(BMU)である。
【0032】
第1コネクタ200は、回路基板140に取り付けられている。第1コネクタ200は、回路基板140及び配線144を介して各電池セル100に電気的に接続している。したがって、各電池セル100によって発生する電力は、配線144及び回路基板140を介して第1コネクタ200に供給されることができる。
【0033】
図4を用いて、保持体20の詳細を説明する。
【0034】
保持体20は、ベース310、複数の第1案内路322、複数の第2案内路324、第2接合部330及び第2コネクタ400を有している。
【0035】
ベース310は、第1ベース312及び第2ベース314を含んでいる。第2コネクタ400は、第1ベース312に接続されている。第1ベース312及び第2ベース314は、互いに離間されている。
【0036】
上述した構成によれば、ベース310のコストを抑えることができる。具体的には、上述した構成においては、第1ベース312と第2ベース314を互いに接続するための部材を設ける必要がない。したがって、当該部材がない分だけベース310のコストを抑えることができる。
【0037】
上述した構成によれば、ベース310を軽量化することができる。具体的には、上述した構成においては、第1ベース312と第2ベース314を互いに接続するための部材を設ける必要がない。したがって、当該部材がない分だけベース310を軽量化することができる。ベース310の軽量化は、ベース310が取り付けられる対象物(例えば、ドローン)に軽さが要求される場合に特に好適である。
【0038】
上述した構成によれば、保持体20が保持可能な電池パック10(図1及び図2)の大きさの自由度を高くすることができる。具体的には、上述した構成においては、電池パック10(図1及び図2)の大きさに応じて第1ベース312と第2ベース314の間の距離を調節することができる。したがって、第1ベース312と第2ベース314の間の距離の調節によって、保持体20が保持可能な電池パック10(図1及び図2)の大きさの自由度を高くすることができる。
【0039】
第1ベース312は、面312a、面312b及び面312cを有している。面312aと面312bは、互いに対向している。面312cは、面312aと面312bの間にあって、第2ベース314の方を向いている。
【0040】
第2ベース314は、面314a、面314b及び面314cを有している。面314aと面314bは、互いに対向している。第2ベース314の面314a及び面314bは、一方向に沿って、第1ベース312の面312a及び面312bとそれぞれ並んでいる。面314cは、面314aと面314bの間にあって、上方を向いている。
【0041】
第2コネクタ400は、第1ベース312の面312c側に配置されている。第2コネクタ400は、第1端子422a、第2端子422b、第3端子422c、第1案内部424a及び第2案内部424bを有している。第1端子422a、第2端子422b、第3端子422c、第1案内部424a及び第2案内部424bは、第1ベース312から露出している。
【0042】
複数の第1案内路322は、第1ベース312に設けられている。複数の第1案内路322は、第1案内路322a及び第1案内路322bを含んでいる。第1案内路322aは、第1ベース312の面312a上に設けられている。第1案内路322bは、第1ベース312の面312b上に設けられている。図4に示す例において、第1案内路322aは、面312a上に形成された凸部であり、第1案内路322bは、面312b上に形成された凸部である。
【0043】
複数の第2案内路324は、第2ベース314に設けられている。複数の第2案内路324は、第2案内路324a及び第2案内路324bを含んでいる。第2案内路324aは、第2ベース314の面314a上に設けられている。第2案内路324bは、第2ベース314の面314b上に設けられている。図4に示す例において、第2案内路324aは、面314a上に形成された凸部であり、第2案内路324bは、面314b上に形成された凸部である。
【0044】
第2接合部330は、第2ベース314の面314cに設けられている。図4に示す例において、第2接合部330は、第2ベース314の面314cに形成された開口である。
【0045】
図5及び図6を用いて、電池システム30の詳細を説明する。
【0046】
図5及び図6に示す例では、電池パック10は、Z方向に沿って保持体20に搭載されており、X方向に沿って保持体20に対して移動可能になっている。
【0047】
第1ベース312及び第2ベース314は、一方向(図5及び図6のX方向)に並んでいる。第1スライド部122a、第1スライド部122b、第2スライド部124a及び第2スライド部124b(図2)は、電池パック10が上述した一方向(図5及び図6のX方向)に沿って保持体20に対して移動するように第1案内路322a、第1案内路322b、第2案内路324a及び第2案内路324b(図4)に沿ってそれぞれスライド可能となっている。したがって、ケース110の第1側面110c1が第2コネクタ400に対向するように保持体20に対して電池パック10を容易に移動させることができる。
【0048】
本実施形態では、第1スライド部122a、第1スライド部122b、第2スライド部124a及び第2スライド部124bのそれぞれは凹部であり、第1案内路322a、第1案内路322b、第2案内路324a及び第2案内路324bのそれぞれは、第1スライド部122b、第2スライド部124a及び第2スライド部124bにそれぞれ適合可能な凸部である。他の例において、第1スライド部122a、第1スライド部122b、第2スライド部124a及び第2スライド部124bのそれぞれは凸部であってもよく、第1案内路322a、第1案内路322b、第2案内路324a及び第2案内路324bのそれぞれは、第1スライド部122b、第2スライド部124a及び第2スライド部124bにそれぞれ適合可能な凹部であってもよい。
【0049】
本実施形態において、第1スライド部122b及び第2スライド部124bは、第1案内路322a及び第2案内路324aに適合しないようにすることができ、第1スライド部122a及び第2スライド部124aは、第1案内路322b及び第2案内路324bに適合しないようにすることができる。例えば、図5に示す例では、Z方向において、第1案内路322aの幅と第1案内路322bの幅を互いに異ならせることができ、第2案内路324aの幅と第2案内路324bの幅を互いに異ならせることができる。この場合、電池パック10が誤った方向に保持体20に取り付けられること、すなわち、ケース110の第2側面110c2が第2コネクタ400に対向するように電池パック10が保持体20に取り付けられることを防ぐことができる。
【0050】
電池パック10の第1端子222a、第2端子222b及び第3端子222cは、電池パック10が保持体20に保持された場合、保持体20の第1端子422a、第2端子422b及び第3端子422cにそれぞれ接続される。したがって、保持体20を対象物(例えば、ドローン又は自動車)に取り付けて、電池パック10から保持体20を介して対象物に電力を供給することができる。さらに、保持体20を充電器に取り付けて、充電器から保持体20を介して電池パック10に電力を供給することができる。
【0051】
電池パック10の第1アジャスタ224a及び第2アジャスタ224bは、電池パック10の第1端子222a、第2端子222b及び第3端子222cが保持体20の第1端子422a、第2端子422b及び第3端子422cにそれぞれ接続されるように、保持体20の第1案内部424a及び第2案内部424bによってそれぞれ案内される。したがって、電池パック10の第1端子222a、第2端子222b及び第3端子222cのそれぞれの位置を、保持体20の第1端子422a、第2端子422b及び第3端子422cのそれぞれの位置に合わせることが容易となる。
【0052】
本実施形態では、第1アジャスタ224a及び第2アジャスタ224bのそれぞれは凹部であり、第1案内部424a及び第2案内部424bのそれぞれは第1アジャスタ224a及び第2アジャスタ224bにそれぞれ適合可能な凸部である。他の例において、第1アジャスタ224a及び第2アジャスタ224bのそれぞれは凸部であってもよく、第1案内部424a及び第2案内部424bのそれぞれは第1アジャスタ224a及び第2アジャスタ224bにそれぞれ適合可能な凹部であってもよい。
【0053】
第1接合部130及び第2接合部330は、電池パック10が保持体20に対して固定されるように互いに接合可能となっている。第1接合部130及び第2接合部330を互いに接合させることで、電池パック10の第1コネクタ200が保持体20の第2コネクタ400から外れないようにすることができる。
【0054】
本実施形態では、第2接合部330は開口であり、第1接合部130は第2接合部330に適合可能なスライド部材である。他の例において、第1接合部130は開口であってもよく、第2接合部330は第1接合部130に適合可能なスライド部材であってもよい。
【0055】
電池システム30は、第1配線342及び第2配線344を備えている。第1配線342及び第2配線344は、保持体20の第1端子422a及び第2端子422bにそれぞれ電気的に接続している。したがって、電池システム30は、第1配線342及び第2配線344を介して、電池システム30の外部部材に電気的に接続することができる。
【0056】
図7は、図4に示した第2コネクタ400を示す斜視図である。図8は、図7に示した第2コネクタ400を図7の反対側から見た斜視図である。
【0057】
第2コネクタ400は、基板410及び端子台420を有している。
【0058】
基板410は、第1辺410a、第2辺410b、第3辺410c及び第4辺410dを有している。第2辺410bは、第1辺410aの反対側にある。第3辺410cは、第1辺410aと第2辺410bの間にある。第4辺410dは、第3辺410cの反対側にある。図7及び図8に示す例では、基板410の形状は、第1辺410a、第2辺410b、第3辺410c及び第4辺410dによって画定される実質的に矩形となっている。
【0059】
基板410は、第1面412及び第2面414を有している。第2面414は、第1面412の反対側にある。
【0060】
端子台420は、基板410の第1面412上に搭載されている。端子台420は、第1端子422a、第2端子422b、第3端子422c、第1案内部424a及び第2案内部424bを有している。第1端子422a、第2端子422b、第3端子422c、第1案内部424a及び第2案内部424bは、基板410の第1辺410aから突出している。
【0061】
基板410には、複数の開口450が形成されている。図7及び図8に示す例では、複数の開口450は、開口450a、開口450b、開口450c及び開口450dを含んでいる。開口450a及び開口450cの組と開口450b及び開口450dの組は、端子台420を挟んで互いに反対側にある。開口450aは、第2辺410bよりも第1辺410aの近くに配置され、かつ第4辺410dよりも第3辺410cの近くに配置されている。開口450bは、第2辺410bよりも第1辺410aの近くに配置され、かつ第3辺410cよりも第4辺410dの近くに配置されている。開口450cは、第1辺410aよりも第2辺410bの近くに配置され、かつ第4辺410dよりも第3辺410cの近くに配置されている。開口450dは、第1辺410aよりも第2辺410bの近くに配置され、かつ第3辺410cよりも第4辺410dの近くに配置されている。
【0062】
本実施形態では、図9から図12を用いて後述するように、第2コネクタ400は、ベース310(第1ベース312)に対して可動にすることができる。
【0063】
図9は、図4に示した第1ベース312の底面図である。図10は、図9のA-A´断面図である。図11は、図9のB-B´断面図である。図12は、図10及び図11に示した複数の軸部材350のうちの一の軸部材350及びその周辺を拡大した図である。
【0064】
図10及び図11を用いて、第2コネクタ400の概要を説明する。図10及び図11に示す例において、第2コネクタ400は、フローティングコネクタである。ベース310は、軸部材350を有している。軸部材350は、基板410の開口450を一方向(図10及び図11のZ方向)に沿って通過している。基板410は、上述した一方向(図10及び図11のZ方向)及び当該一方向に交わる方向(図10及び図11のY方向)に沿って軸部材350に対して可動になっている。したがって、第2コネクタ400は、ベース310に対して二方向(図10及び図11のY方向及びZ方向)に沿って可動になっている。
【0065】
第2コネクタ400がベース310に対して可動な方向は、二方向に限定されるものではなく、三方向(例えば、図5及び図6のX方向、Y方向及びZ方向)であってもよいし、又は一方向(例えば、図10及び図11のY方向及びZ方向のいずれ)のみであってもよい。
【0066】
図9を用いて、ベース310及び第2コネクタ400の詳細を説明する。
【0067】
第2コネクタ400の基板410は、複数の固定具550によってベース310(第1ベース312)に固定されている。複数の固定具550は、固定具550a、固定具550b、固定具550c及び固定具550dを含んでいる。固定具550a、固定具550b、固定具550c及び固定具550dは、そえぞれ、基板410の開口450a、開口450b、開口450c及び開口450d(図7図8図10及び図11)に取り付けられている。
【0068】
図10及び図11を用いて、ベース310及び第2コネクタ400の詳細を説明する。
【0069】
ベース310は、複数の軸部材350を有している。複数の軸部材350は、軸部材350a、軸部材350b、軸部材350c及び軸部材350dを含んでいる。軸部材350a、軸部材350b、軸部材350c及び軸部材350dは、基板410の開口450a、開口450b、開口450c及び開口450dを一方向(図10及び図11のZ方向)に沿ってそれぞれ通過している。
【0070】
軸部材350a、軸部材350b、軸部材350c及び軸部材350dには、基板410の第2面414側から第1面412側に向けて、固定具550a、固定具550b、固定具550c及び固定具550dがそれぞれ取り付けられている。したがって、第2コネクタ400(基板410)は、基板410の第2面414側から第1面412側に向けてベース310(第1ベース312)に固定されている。
【0071】
本実施形態において、各固定具550はねじである。他の例において、固定具550は、ねじ以外の部材であってもよい。
【0072】
図10及び図11に示す例において、開口450aの幅、開口450bの幅、開口450cの幅及び開口450dの幅は、軸部材350aの幅、軸部材350bの幅、軸部材350cの幅及び軸部材350dの幅よりそれぞれ広くなっている。したがって、基板410は、各軸部材350の軸方向(Z方向)に沿ってベース310に対して可動となっており、かつ軸部材350の軸方向に交わる方向(Y方向)に沿ってベース310に対して可能となっている。
【0073】
図10及び図11に示す例では、軸部材350a及び軸部材350cの組と軸部材350b及び軸部材350dの組は、端子台420を挟んで互いに反対側に位置している。したがって、第2コネクタ400をベース310(第1ベース312)に安定して取り付けることができる。
【0074】
図12を用いて、軸部材350の詳細を説明する。
【0075】
ベース310はストッパ352を有しており、固定具550はストッパ552を有している。ベース310のストッパ352と固定具550のストッパ552は、互いに対向している。軸部材350は、ベース310のストッパ352と固定具550のストッパ552の間にある。基板410は、第1面412の一部がベース310のストッパ352に対向し、かつ第2面414の一部が固定具550のストッパ552に対向するように軸部材350に取り付けられている。図12に示す例では、ベース310のストッパ352と固定具550のストッパ552によって基板410のZ方向における可動範囲を制限することができる。
【0076】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 第1コネクタを有する電池パックと、
ベースと、前記ベースに接続された第2コネクタと、を有する保持体と、
を備え、
前記電池パックは、前記電池パックの前記第1コネクタが前記保持体の前記第2コネクタに接続するように前記保持体に取り付け可能であり、
前記第2コネクタは、前記ベースに対して可動になっている電池システム。
2. 1.に記載の電池システムにおいて、
前記第2コネクタは、基板と、前記基板上に搭載された端子台と、を有し、
前記基板は、前記ベースに対して可動になっている電池システム。
3. 2.に記載の電池システムにおいて、
前記基板には、穴が形成されており、
前記ベースは、前記穴を一方向に沿って通過する軸部材を有し、
前記基板は、前記一方向及び前記一方向に交わる方向のうちの少なくとも一方に沿って前記軸部材に対して可動になっている電池システム。
4. 第1コネクタを有する電池パックを保持するための保持体であって、
ベースと、
前記ベースに接続された第2コネクタと、
を備え、
前記電池パックは、前記電池パックの前記第1コネクタが前記保持体の前記第2コネクタに接続するように前記保持体に取り付け可能であり、
前記第2コネクタは、前記ベースに対して可動になっている保持体。
【0077】
この出願は、2017年12月28日に出願された日本出願特願2017-253115号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12