(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065021
(43)【公開日】2022-04-26
(54)【発明の名称】細菌における抗微生物剤耐性を検出するための組成物、方法、システムおよび/またはキット
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/34 20060101AFI20220419BHJP
C12Q 1/04 20060101ALI20220419BHJP
C12M 1/34 20060101ALI20220419BHJP
C12N 1/20 20060101ALN20220419BHJP
C12N 9/99 20060101ALN20220419BHJP
【FI】
C12Q1/34
C12Q1/04
C12M1/34 D
C12M1/34 E
C12N1/20 A
C12N9/99
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022017128
(22)【出願日】2022-02-07
(62)【分割の表示】P 2018567784の分割
【原出願日】2017-06-26
(31)【優先権主張番号】62/466,987
(32)【優先日】2017-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/443,590
(32)【優先日】2017-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/355,169
(32)【優先日】2016-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ビー.ブラッソ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ジェイ.ターナー
(72)【発明者】
【氏名】スーザン エム.キルヒャー
(72)【発明者】
【氏名】ファーティマ アルラシディ-ブルックス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】カルバペネマーゼ産生グラム陰性細菌の検出及び/又は同定のための組成物、方法、システム及び/又はキットを提供する。
【解決手段】腸内細菌を含むサンプルを提供するステップと、試験サンプル中の腸内細菌を、持続期間にわたり、複数の少なくとも5つの試験組成物に適用するステップであって、複数の少なくとも5つの試験組成物のそれぞれは、増殖培地及び抗生物質を含み、少なくとも5つの試験組成物のうち少なくとも1つは、カルバペネマーゼ阻害剤をさらに含むステップと、腸内細菌によって発現されたアンブラークラスのカルバペネマーゼの存在を判定し、且つ、腸内細菌によって発現されたアンブラークラスのカルバペネマーゼを同定するステップとを含む、1つ又は複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼを判定、且つ、同定する方法である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腸内細菌によって発現されたゼロ、1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼの存在を判定し、且つ、腸内細菌によって発現された前記1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼを同定するための方法であって、
前記腸内細菌を含むサンプルを提供するステップと、
試験サンプル中の前記腸内細菌を、持続期間にわたり、複数の少なくとも5つの試験組成物に適用するステップであって、前記複数の少なくとも5つの試験組成物のそれぞれは、増殖培地および抗生物質を含み、前記少なくとも5つの試験組成物のうち少なくとも1つは、少なくとも1つのカルバペネマーゼ阻害剤をさらに含むステップと、
前記持続期間後における前記複数の少なくとも5つの試験組成物のそれぞれにおける前記腸内細菌の増殖の存在または阻害を検出することによって、前記腸内細菌によって発現されたゼロ、1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼの存在を判定し、且つ、腸内細菌によって発現された前記1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼを同定するステップと、を含む方法:
第1の試験組成物中の前記抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、第1の濃度のメロペネム、およびアンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、またはそれらからなる、
第2の試験組成物中の前記抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、6μg/mlから128μg/mlである第1の濃度のテモシリン、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、またはそれらからなる、
第3の試験組成物中の前記抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、第1の濃度のドリペネム、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、またはそれらからなる、
第4の試験組成物中の前記抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、第1の濃度のメロペネム、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスAのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、またはそれらからなる、
第5の試験組成物中の前記抗生物質は、第2の濃度のドリペネムを含む、またはそれからなる。
【請求項2】
第1の試験組成物における増殖の存在を検出することによって、腸内細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスA、BまたはDのカルバペネマーゼの存在を判定するステップ、
第1の試験組成物における増殖の阻害を検出することによって、腸内細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスA、BまたはDのカルバペネマーゼの非存在を判定するステップ、
を、更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
以下のことを検出することによって、腸内細菌によって発現された前記1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼがクラスDであることを判定するステップを含む請求項1に記載の方法:
第1の試験組成物における増殖の存在、および、
第2の試験組成物における増殖の存在。
【請求項4】
以下のことを検出することによって、腸内細菌によって発現された前記1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼがクラスAであることを判定するステップを含む請求項1に記載の方法:
第1の試験組成物における増殖の存在、
第2の試験組成物における増殖の阻害、
第3の試験組成物における増殖の存在、および、
第4の試験組成物における増殖の阻害。
【請求項5】
以下のことを検出することによって、腸内細菌によって発現された前記1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼがクラスBであることを判定するステップを含む請求項1記載の方法:
第1の試験組成物における増殖の存在、
第2の試験組成物における増殖の阻害、
第3の試験組成物における増殖の阻害、および、
第5の試験組成物における増殖の存在。
【請求項6】
以下のことを検出することによって、腸内細菌によって発現された前記1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼがクラスDであることを判定するステップを含む請求項1に記載の方法:
第1の試験組成物における増殖の存在、
第2の試験組成物における増殖の阻害、
第3の試験組成物における増殖の阻害、および、
第5の試験組成物における増殖の阻害。
【請求項7】
以下のことを検出することによって、腸内細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼの存在を判定する(ここで、アンブラークラスは同定しない)ステップを含む請求項1に記載の方法:
第1の試験組成物における増殖の存在、
第2の試験組成物における増殖の阻害、
第3の試験組成物における増殖の存在、および、
第4の試験組成物における増殖の存在。
【請求項8】
前記アンブラークラスAのカルバペネマーゼ阻害剤は、バボルバクタム(RPX-7009)、アビバクタム、クラブラン酸、ボロン酸、タゾバクタム、スルバクタム、およびBLI-489からなる群から選択される化合物を含む請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の濃度のメロペネムと組み合わせた前記アンブラークラスAのカルバペネマーゼ阻害剤は、バボルバクタム(RPX-7009)を含む請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記アンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジピコリン酸およびデフェロキサミンからなる群から選択される化合物を含む請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の濃度のテモシリンおよび/または前記第1の濃度のドリペネムと組み合わせた前記アンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤は、EDTAを含む請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤は、クロキサシリン、ジクロキサシリンおよびフルクロキサシリンからなる群から選択される化合物を含む請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤は、クロキサシリンを含む請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
第1の試験組成物中の前記抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、メロペネム、およびクロキサシリンを含み、
第2の試験組成物中の前記抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、テモシリン、およびEDTAを含み、
第3の試験組成物中の前記抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、第1の濃度のドリペネム、クロキサシリン、およびEDTAを含み、
第4の試験組成物中の前記抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、メロペネム、クロキサシリン、およびバボルバクタム(RPX-7009)を含み、及び、
第5の試験組成物中の前記抗生物質は、第2の濃度のドリペネムを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
第1の試験組成物中の前記抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、 0.06μg/mlのメロペネム、および0.1mg/mlのクロキサシリンを含み、
第2の試験組成物中の前記抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、64μg/mlのテモシリン、および250μg/mlのEDTAを含み、
第3の試験組成物中の前記抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、0.06μg/mlのドリペネム、0.1mg/mlのクロキサシリン、および250μg/mlのEDTAを含み、
第4の試験組成物中の前記抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、0.06μg/mlのメロペネム、0.1mg/mlのクロキサシリン、および8μg/mlのバボルバクタム(RPX-7009)を含み、
第5の試験組成物中の前記抗生物質は、0.125μg/mlのドリペネムを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
腸内細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼを同定するためのキットであって、複数の区画を有する基板またはパネルを含み、前記複数の区画のそれぞれは、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法に記載の試験組成物を含むキット。
【請求項17】
請求項1~15のいずれか一項に記載の方法を実行するための自動システムであって、
複数の区画であって、前記複数の前記区画のそれぞれは、請求項1~15のいずれかの方法に記載の試験組成物を含む複数の区画と、
前記複数の区画に、腸内細菌を含むサンプルを供給するための手段と、
前記腸内細菌が供給された前記複数の区画から、第1のシグナルを得るための機器と、
前記腸内細菌が供給された前記複数の区画を、持続期間にわたりインキュベートするためのインキュベーターと、
腸内細菌を含む前記複数の区画から、第2のシグナルを得るための機器と、
前記第1のシグナルおよび第2のシグナルを比較することによって、前記腸内細菌が供給された前記複数の区画における増殖の存在または阻害を検出するための検出器と、
前記検出器からの結果のアウトプットを生成するためのコンピューターと、
前記結果のアウトプットを解釈するためのアナライザーと
を備えた自動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、薬物に対する耐性を付与する酵素を用いた細菌の検出のための組成物、方法、システムおよび/またはキットを含む検出試験に関する。本開示のある特定の実施形態は、カルバペネマーゼ産生グラム陰性細菌の検出および/または同定のための組成物、方法、システムおよび/またはキットを含む検出試験に関する。
【背景技術】
【0002】
カルバペネマーゼ産生グラム陰性細菌は、これらの病原体に対して使用するための次世代の抗生物質として利用可能な選択肢がわずかしかないことから、世界的に公衆衛生上主要かつ深刻な脅威となっている。製薬会社は現在、パイプライン上にある多数の新しい抗生物質をターゲットにしているが、これらの細菌が獲得し得るカルバペネマーゼ酵素のタイプ(クラス)の全てにわたり適用範囲を有するものはない。
【0003】
カルバペネマーゼ産生の正確な検出、およびβ-ラクタマーゼクラスの識別は、抗微生物剤療法、疫学および感染制御手段の決定にとって重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5922593号明細書
【特許文献2】米国特許第6096272号明細書
【特許文献3】米国特許第6372485号明細書
【特許文献4】米国特許第7115384号明細書
【特許文献5】米国特許第9304141号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2009/0142796号明細書
【発明の概要】
【0005】
一実施形態は、腸内細菌によって発現されたゼロ、1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼの存在を判定するための方法であって、腸内細菌を含むサンプルを提供するステップと、試験サンプル中の腸内細菌を、持続期間にわたり、複数の少なくとも4つの試験組成物に適用するステップであって、複数の少なくとも4つの試験組成物のそれぞれは、増殖培地および抗生物質を含み、少なくとも4つの試験組成物のうち少なくとも1つは、少なくとも1つのカルバペネマーゼ阻害剤をさらに含むステップと、持続期間後における複数の少なくとも4つの試験組成物のそれぞれにおける腸内細菌の増殖の存在または阻害を検出することによって、腸内細菌によって発現されたゼロ、1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼの存在を判定するステップと、を含む方法を包含する。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、少なくとも1つの試験組成物中の抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、第1の濃度のTEM、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、少なくとも1つの試験組成物中の抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、第1の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、少なくとも1つの試験組成物中の抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、第1の濃度のMEM、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラーAのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、少なくとも1つの試験組成物中の抗生物質は、第2の濃度のDORを含む、それからなる、またはそれから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のTEMおよびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在を検出することによって、腸内細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼがクラスDであることを判定するステップを包含していてもよい。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のTEM、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害と、第2の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、第3の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のMEM、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスAのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる、増殖の阻害と、を検出することによって、腸内細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼがクラスAであることを判定するステップを包含していてもよい。
【0006】
本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、抗生物質として第1の濃度のTEMを含み、それらからなり、またはそれらから本質的になり、アンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤をさらに含む増殖の阻害と、第2の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害と、並びに第4の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質は、第2の濃度のDORを含む、それからなる、またはそれから本質的になる増殖の存在とを検出することによって、腸内細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼがクラスBであることを判定するステップを包含していてもよい。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のTEM、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害と、第2の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害と、並びに第4の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質は、第2の濃度のDORを含む、それからなる、またはそれから本質的になる増殖の阻害と、を検出することによって、腸内細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼがクラスDであることを判定するステップを包含していてもよい。
【0007】
本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、腸内細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼの存在を判定するステップを包含していてもよく、ここでアンブラークラスは同定されないが、第1の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のTEM、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害と、第2の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、並びに複数の少なくとも4つの試験組成物のうち第3の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、抗生物質として第1の濃度のMEMを含み、それらからなり、またはそれらから本質的になり、さらにアンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤およびアンブラークラスAのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、増殖の存在と、を検出することによって判定される。
【0008】
本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のTEM、アンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害と、第2の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、並びに第3の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のMEM、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスAのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、を検出することによって、腸内細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスA、BまたはDのカルバペネマーゼの存在を判定するステップを包含していてもよい。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、少なくとも1つの試験組成物中の抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、第3の濃度のMEM、およびアンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のTEM、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害と、第2の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、複数の少なくとも4つの試験組成物のうち第3の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のMEM、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスAのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、並びに第5の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第3の濃度のMEM、およびアンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害と、を検出することによって、腸内細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼを同定することに関して回答が得られないことを判定するステップを包含していてもよい。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のTEM、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害と、第2の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、第3の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のMEM、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスAのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、並びに第5の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第3の濃度のMEM、およびアンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在とを検出することによって、腸内細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスA、BまたはDのカルバペネマーゼの存在を判定するステップを包含していてもよい。
【0009】
一実施形態は、腸内細菌によって発現されたゼロ、1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼの存在を判定するための方法であって、腸内細菌を含むサンプルを提供するステップと、試験サンプル中の腸内細菌を、持続期間にわたり、複数の少なくとも4つの試験組成物に適用するステップであって、複数の少なくとも4つの試験組成物のそれぞれは、増殖培地および抗生物質を含み、少なくとも4つの試験組成物のうち少なくとも1つは、少なくとも1つのカルバペネマーゼ阻害剤をさらに含むステップと、持続期間後における複数の少なくとも4つの試験組成物のそれぞれにおける腸内細菌の増殖の存在または阻害を検出することによって、腸内細菌によって発現されたゼロ、1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼの存在を判定するステップと、を含む方法を包含する。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、少なくとも1つの試験組成物中の抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、第1の濃度のMEM、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、少なくとも1つの試験組成物中の抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、第1の濃度のMEM、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラーAのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、少なくとも1つの試験組成物中の抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、第1の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスDのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、少なくとも1つの試験組成物中の抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、第2の濃度のMEM、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラーAのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のMEM、アンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害と、第2の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第2の濃度のMEM、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスAのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害と、を検出することによって、腸内細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼがクラスAであることを判定するステップを包含していてもよい。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のMEM、アンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害と、第2の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第2の濃度のMEM、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスAのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、を検出することによって、腸内細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼがクラスBであることを判定するステップを包含していてもよい。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のMEM、アンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在を検出すること、並びに第3の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のMEM、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスAのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害を検出することによって、腸内細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼがクラスAであることを判定するステップを包含していてもよい。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のMEM、アンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、第3の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のMEM、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスAのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、並びに第4の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスDのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害とを検出することによって、腸内細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼがクラスDであることを判定するステップを包含していてもよい。
【0010】
本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のMEM、アンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、第3の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のMEM、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスAのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、並びに第4の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスDのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在とを検出することによって、腸内細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスA、BまたはDのカルバペネマーゼの存在を判定するステップを包含していてもよい。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のMEM、アンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、第3の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のMEM、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスAのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、並びに第4の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスDのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在とを検出することによって、腸内細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼを同定することに関して回答が得られないことを判定するステップを包含していてもよい。
【0011】
本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、試験サンプル中の腸内細菌を、持続期間にわたり、複数の少なくとも5つの試験組成物に適用するステップを包含していてもよく、少なくとも1つの試験組成物中の抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、第1の濃度のMEMおよびアンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のMEMおよびアンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在を検出することによって、腸内細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスA、BまたはDのカルバペネマーゼの存在を判定するステップを包含していてもよい。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第1の濃度のMEMおよびアンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害を検出することによって、腸内細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスA、BまたはDのカルバペネマーゼの非存在を判定するステップを包含していてもよい。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、非発酵性細菌によって発現されたゼロ、1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼを同定するための方法を包含していてもよく、本方法は、非発酵性細菌を含むサンプルを提供するステップと、試験サンプル中の非発酵性細菌を、持続期間にわたり、増殖培地および抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤を含む試験組成物に適用するステップと、持続期間後における試験組成物中の非発酵性細菌の増殖の存在または阻害を検出することによって、非発酵性細菌によって発現されたゼロ、1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼの存在を判定するステップと、を含む。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、少なくとも1つの試験組成物中の抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、第3の濃度のDORおよびアンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第3の濃度のDOR、およびアンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在を検出することによって、非発酵性細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスA、BまたはDのカルバペネマーゼの存在を判定するステップを包含していてもよい。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第3の濃度のDOR、およびアンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害を検出することによって、非発酵性細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスA、BまたはDのカルバペネマーゼの非存在を判定するステップを包含していてもよい。
【0012】
本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、非発酵性細菌によって発現されたゼロ、1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼの存在を判定するための方法をさらに包含していてもよく、方法は、非発酵性細菌を含むサンプルを提供するステップと、試験サンプル中の非発酵性細菌を、持続期間にわたり、複数の少なくとも3つの試験組成物に適用するステップであって、複数の少なくとも3つの試験組成物のそれぞれは、増殖培地および抗生物質を含み、少なくとも3つの試験組成物のうち少なくとも1つは、少なくとも1つのカルバペネマーゼ阻害剤をさらに含むステップと、持続期間後における複数の少なくとも3つの試験組成物のそれぞれにおける非発酵性細菌の増殖の存在または阻害を検出することによって、非発酵性細菌によって発現されたゼロ、1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼの存在を判定するステップとを含む。
【0013】
一実施形態は、非発酵性細菌によって発現されたゼロ、1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼの存在を判定するための方法であって、非発酵性細菌を含むサンプルを提供するステップと、試験サンプル中の非発酵性細菌を、持続期間にわたり、複数の少なくとも3つの試験組成物に適用するステップであって、複数の少なくとも3つの試験組成物のそれぞれは、増殖培地および抗生物質を含み、少なくとも3つの試験組成物のうち少なくとも1つは、少なくとも1つのカルバペネマーゼ阻害剤をさらに含むステップと、持続期間後における複数の少なくとも3つの試験組成物のそれぞれにおける非発酵性細菌の増殖の存在または阻害を検出することによって、非発酵性細菌によって発現されたゼロ、1つまたはさらなる1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼの存在を判定するステップと、を含む方法を包含する。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、少なくとも1つの試験組成物中の抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、第3の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、少なくとも1つの試験組成物中の抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、第4の濃度のMEM、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスDのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、少なくとも1つの試験組成物中の抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、第5の濃度のDOR、およびアンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスDのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第3の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害を検出することによって、非発酵性細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼをクラスBとして判定することを包含していてもよい。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第3の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、第2の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第4の濃度のMEM、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスDのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害と、を検出することによって、非発酵性細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼをクラスDとして判定することを包含していてもよい。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第3の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、第2の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第4の濃度のMEM、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスDのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、および第3の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第5の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスDのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害とを検出することによって、非発酵性細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼをクラスAとして判定することを包含していてもよい。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第3の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、第2の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第4の濃度のMEM、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスDのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、第3の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第5の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスDのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在とを検出することによって、非発酵性細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスA、BまたはDのカルバペネマーゼの存在を判定するステップを包含していてもよい。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、少なくとも1つの試験組成物中の抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、第3の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、少なくとも1つの試験組成物中の抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、第4の濃度のMEM、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスDのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、少なくとも1つの試験組成物中の抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、第4の濃度のDOR、およびアンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第3の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、並びに第2の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第4の濃度のMEM、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスDのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、を検出することによって、非発酵性細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼが、クラスA、B、またはDのいずれかであることを判定するステップを包含していてもよい。
【0014】
本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第3の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる、増殖の存在と、および第2の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第4の濃度のMEM、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスDのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害と、を検出することによって、非発酵性細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼがクラスDであることを判定するステップを包含していてもよい。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第3の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害と、第3の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第4の濃度のDOR、およびアンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、を検出することによって、非発酵性細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼがクラスBであることを判定するステップを包含していてもよい。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第3の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害と、第3の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第4の濃度のDOR、およびアンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害と、を検出することによって、非発酵性細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼを同定することに関して回答が得られないことを判定するステップを包含していてもよい。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第3の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害と、並びに第3の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第4の濃度のDOR、およびアンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる、増殖の阻害と、を検出することによって、非発酵性細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼが、クラスA、B、またはDのいずれかであることを判定するステップを包含していてもよい。
【0015】
本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、試験サンプル中の非発酵性細菌を、持続期間にわたり、複数の少なくとも4つの試験組成物に適用するステップを包含していてもよく、少なくとも1つの試験組成物中の抗生物質およびカルバペネマーゼ阻害剤は、第5の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスDのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第3の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、第2の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第4の濃度のMEM、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスDのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、並びに第4の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第5の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスDのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、を検出することによって、非発酵性細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼが、クラスA、B、またはDのいずれかであることを判定するステップを包含していてもよい。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、第1の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第3の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、第2の試験組成物における増殖の存在であって、抗生物質および阻害剤は、第4の濃度のMEM、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスDのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の存在と、第4の試験組成物における増殖の阻害であって、抗生物質および阻害剤は、第5の濃度のDOR、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤、およびアンブラークラスDのカルバペネマーゼ阻害剤を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる増殖の阻害とを検出することによって、非発酵性細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼがクラスAであることを判定するステップを包含していてもよい。
【0016】
本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、本方法は、サンプル中の細菌が、腸内、非発酵性、またはその両方であるかどうかを判定するステップをさらに包含していてもよい。
【0017】
本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、TEMの第1の濃度は、約6μg/mlから約128μg/ml、約32μg/mlから約128μg/ml、約32μg/mlから約80μg/ml、または約64μg/mlである。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、DORの第1の濃度、約0.006μg/mlから約0.75μg/ml、約0.03125μg/mlから約0.1μg/ml、または約0.0625μg/mlまたは約0.06μg/mlである。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、DORの第2の濃度、約0.0125μg/mlから約2μg/ml、0.0625μg/mlから約0.25μg/ml、または約0.125μg/mlである。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、DORの第3の濃度、約0.1μg/mlから約400μg/ml、約0.5μg/mlから約3μg/ml、または約1μg/mlである。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、DORの第4の濃度、約0.2μg/mlから約40μg/ml、約0.5μg/mlから約4μg/ml、または約2μg/mlである。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、DORの第5の濃度、約0.03125μg/mlから約80μg/ml、約2μg/mlから約24μg/ml、または約8μg/mlである。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、MEMの第1の濃度、0.03125μg/mlから1μg/ml、0.03125μg/mlから0.125μg/ml、0.015625μg/mlから0.125μg/ml、約0.006μg/mlから約0.60μg/ml、約0.015μg/mlから約0.24μg/ml、約0.03μg/mlから約0.25μg/ml、約0.03μg/mlから約0.2μg/ml、約0.0625μg/mlまたは約0.060μg/mlである。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、MEMの第2の濃度、約0.015625μg/mlから約0.125μg/ml、約0.003μg/mlから約0.3μg/ml、約0.0075μg/mlから約0.12μg/ml、約0.01μg/mlから約0.12μg/ml、または約0.03μg/mlである。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、MEMの第3の濃度、約0.0125μg/mlから約5μg/ml、約0.125μg/mlから約1μg/ml、または約0.5μg/mlである。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、MEMの第4の濃度、約0.4μg/mlから約40μg/ml、約1μg/mlから約16μg/ml、約2μg/mlから約8μg/ml、または約4μg/mlである。
【0018】
本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、アンブラークラスDのカルバペネマーゼ阻害剤は、AVI、クラブラン酸、ボロン酸、タゾバクタム、スルバクタム、バボルバクタム(RPX-7009)およびBLI-489からなる群から選択される化合物を含む。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、アンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤は、金属キレート化剤である。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、アンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤は、EDTA、DPAおよびデフェロキサミンからなる群から選択される化合物を含む。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤は、CLOX、ジクロキサシリンおよびフルクロキサシリンからなる群から選択される化合物を含む。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、アンブラークラスAのカルバペネマーゼ阻害剤は、バボルバクタム(RPX-7009)、AVI、クラブラン酸、ボロン酸、タゾバクタム、スルバクタム、およびBLI-489からなる群から選択される化合物を含む。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、アンブラークラスDのカルバペネマーゼ阻害剤は、BLI、AVI、クラブラン酸、ボロン酸、タゾバクタム、スルバクタム、バボルバクタムおよび(RPX-7009)からなる群から選択される化合物を含む。
【0019】
本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、第1の濃度のTEMおよび/または第1の濃度のDORと組み合わせたアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤は、EDTAを含む、それからなる、またはそれから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、アンブラークラスCのカルバペネマーゼ阻害剤は、CLOXを含む、それからなる、またはそれから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、第1の濃度のMEMおよび/または第2の濃度のMEMと組み合わせたアンブラークラスAのカルバペネマーゼ阻害剤は、RPXを含む、それからなる、またはそれから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、第1の濃度のMEMおよび/または第3の濃度のDORと組み合わせたアンブラークラスBのカルバペネマーゼ阻害剤は、DPAを含む、それからなる、またはそれから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、第1の濃度のDORおよび/または第5の濃度のDORと組み合わせたアンブラークラスDのカルバペネマーゼ阻害剤は、AVIを含む、それからなる、またはそれから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、第4の濃度のMEMと組み合わせたアンブラークラスDのカルバペネマーゼ阻害剤は、第1の濃度のBLIを含む、それからなる、またはそれから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、EDTAの濃度は、約0.025mg/mlから約10mg/ml、約0.05mg/mlから約1.25mg/ml、または約0.25mg/mlである。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、CLOXの濃度は、約0.0025mg/mlから約40mg/ml、約0.020mg/mlから約0.5mg/ml、または約0.1mg/mlである。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、RPXの濃度は、約0.2μg/mlから約320μg/ml、約1.5μg/mlから約40μg/ml、または約8μg/mlである。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、DPAの濃度は、約0.018mg/mlから約1.8mg/ml、約0.07mg/mlから約0.73mg/ml、または約0.178mg/mlである。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、AVIの濃度は、約0.1μg/mlから約40μg/ml、約0.5μg/mlから約20μg/ml、または約4μg/mlである。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、BLIの濃度は、約0.1μg/mlから約200μg/ml、約1μg/mlから約25μg/ml、または約5μg/mlである。
【0020】
本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、増殖の存在または阻害を検出するための持続期間は、約24時間未満、約18時間未満、約16未満、または約14時間未満である。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、腸内細菌の増殖の存在または阻害を検出するための持続期間は、約6時間から約8時間である。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、腸内細菌の増殖の存在または阻害を検出するための持続期間は、約7時間である。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、非発酵性細菌の増殖の存在または阻害を検出するための持続期間は、約8時間から約11時間である。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、非発酵性細菌の増殖の存在または阻害を検出するための持続期間は、約10時間である。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、腸内細菌は、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、大腸菌(Escherichia coli)、およびエンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)からなる群から選択される細菌を含む。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、非発酵性細菌は、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、およびアシネトバクター・バウマンニ複合株(Acinetobacter baumanii complex)からなる群から選択される細菌を含む。
【0021】
本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、増殖の存在または阻害を検出することは、細胞形態の変化を画像化することによって実行されない。
【0022】
一実施形態は、本明細書で開示された実施形態のいずれかの方法を実行するためのシステムであって、複数の区画であって、複数の区画のそれぞれは、前述の請求項のいずれかの方法に記載の試験組成物を含む複数の区画と、複数の区画に、腸内細菌、非発酵性細菌、またはその両方を含むサンプルを提供するための手段と、腸内細菌、非発酵性細菌、またはその両方が供給された複数の区画から、第1のシグナルを得るための機器と、腸内細菌、非発酵性細菌、またはその両方が供給された複数の区画を、持続期間にわたりインキュベートするためのインキュベーターと、腸内細菌、非発酵性細菌、またはその両方を含む複数の区画から、第2のシグナルを得るための機器と、第1のシグナルおよび第2のシグナルを比較することによって、腸内細菌、非発酵性細菌、またはその両方が供給された複数の区画における増殖の存在または阻害を検出するための検出器と、検出器からの結果のアウトプットを生成するためのコンピューターと、結果のアウトプットを解釈するためのアナライザーとを含む自動システムを包含する。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、複数の区画は、ウェル、プレート、およびチューブからなる群から選択される区画を含む。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、システムは、BD Phoenixパネルおよび/またはシステムを含む。
【0023】
一実施形態は、腸内細菌および/または非発酵性細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼを同定するためのキットであって、複数の区画を有する基板またはパネルを含み、複数の区画のそれぞれは、本明細書で開示された実施形態のいずれかの方法に係る試験組成物を含むキットを包含する。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、基板は、少なくとも3つの、または少なくとも4つの異なる試験組成物を含む。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、キットは、複数の区画を含む第2の基板を含み、複数の区画のそれぞれは、請求項1~90のいずれか一項に記載の方法に係る試験組成物を含み、第1の基板中の複数の試験組成物は、少なくとも1つの試験組成物が、第2の基板中の複数の試験組成物と異なっている。
【0024】
複数の試験組成物を含む、本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、試験組成物は、ボックス1~14で開示された試験組成物から選択される試験組成物を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、試験組成物は、ボックス1~5で開示された試験組成物を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、試験組成物は、ボックス1、6、7、3、8および9で開示された試験組成物を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、試験組成物は、ボックス10、11、12および13で開示された試験組成物を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、試験組成物は、ボックス10、11、12、13および14で開示された試験組成物を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、試験組成物は、ボックス1、6、7、3および9で開示された試験組成物を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、試験組成物は、ボックス1、6、7、9、3および10で開示された試験組成物を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、試験組成物は、ボックス1、6、7、3、9、10、11、12および14で開示された試験組成物を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。本明細書で開示された実施形態のいずれかにおいて、試験組成物は、ボックス1、10、11、12および14で開示された試験組成物を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する腸内細菌に関するTEM GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図2】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する非発酵性グラム陰性桿菌に関するTEM GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図3】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する腸内細菌に関するTEM/CLOX/EDTA GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図4】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する非発酵性グラム陰性桿菌に関するTEM/CLOX/EDTA GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図5】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する腸内細菌に関するTEM/CLOX/EDTA GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図6】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する非発酵性グラム陰性桿菌に関するTEM/CLOX/EDTA GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図7】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する腸内細菌に関するMEM/CLOX GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図8】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する非発酵性グラム陰性桿菌に関するMEM/CLOX GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図9】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する腸内細菌に関するMEM/CLOX/DPA GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図10】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する非発酵性グラム陰性桿菌に関するMEM/CLOX/DPA GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図11】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する腸内細菌に関するMEM/CLOX/RPX GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図12】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する非発酵性グラム陰性桿菌に関するMEM/CLOX/RPX GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図13】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する腸内細菌に関するDOR/CLOX/AVI GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図14】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する非発酵性グラム陰性桿菌に関するDOR/CLOX/AVI GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図15】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する腸内細菌に関するDOR/CLOX/EDTA GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図16】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する非発酵性グラム陰性桿菌に関するDOR/CLOX/EDTA GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図17】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する腸内細菌に関するDOR GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図18】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する非発酵性グラム陰性桿菌に関するDOR GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図19】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する腸内細菌に関するDOR/CLOX GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図20】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する非発酵性グラム陰性桿菌に関するDOR/CLOX GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図21】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する腸内細菌に関するDOR/CLOX/DPA GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図22】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する非発酵性グラム陰性桿菌に関するDOR/CLOX/DPA GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図23】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する腸内細菌に関するMEM/CLOX/BLI GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図24】クラスA、クラスBまたはクラスDカルバペネマーゼのいずれかを発現する非発酵性グラム陰性桿菌に関するMEM/CLOX/BLI GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図25】グラム陰性腸内細菌に関するアルゴリズムの実施形態のフローチャートを示す図である。
【
図26】グラム陰性腸内細菌に関するアルゴリズムの実施形態のフローチャートを示す図である。
【
図27】グラム陰性腸内細菌に関するアルゴリズムの実施形態のフローチャートを示す図である。
【
図28】非発酵性グラム陰性桿菌に関するアルゴリズムの実施形態のフローチャートを示す図である。
【
図29】非発酵性グラム陰性桿菌に関するアルゴリズムの実施形態のフローチャートを示す図である。
【
図30】非発酵性グラム陰性桿菌に関するアルゴリズムの実施形態のフローチャートを示す図である。
【
図31】クラスCカルバペネマーゼを発現する腸内細菌に関するMEM GAMデータおよびMEM/CLOX GAMデータのボックスプロットを示す図である。
【
図32】クラスA、BまたはDへの腸内細菌科の分類に関するアルゴリズムの実施形態のフローチャートを示す図である。
【
図33】クラスBまたはDへの非発酵性株(nonfermenter)の分類に関するアルゴリズムの実施形態のフローチャートを示す図である。
【
図34】クラスA、BまたはDへの腸内細菌科の分類に関するアルゴリズムの実施形態のフローチャートを示す図である。
【
図35】クラスA、BまたはDへの非発酵性株の分類に関するアルゴリズムの実施形態のフローチャートを示す図である。
【
図36】腸内細菌科および非発酵性株に関するアルゴリズムの実施形態のフローチャートを示す図である。
【
図37】腸内細菌科および非発酵性株ならびに腸内細菌科の分類に関するアルゴリズムの実施形態のフローチャートを示す図である。
【
図38】腸内細菌科および非発酵性株、ならびに腸内細菌科および非発酵性株の分類に関するアルゴリズムの実施形態のフローチャートを示す図である。
【
図39】腸内細菌科および非発酵性株ならびに非発酵性株の分類に関するアルゴリズムの実施形態のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
抗生物質耐性が増加と抗生物質供給の減少により、完全にまたはほぼ完全に抗生物質耐性のグラム陰性細菌に感染する患者の数がますます増えるという世界的な公衆衛生危機が起こっている。カルバペネマーゼ産生生物(CPO)は、細菌感染の処置にとって脅威であるだけでなく、がん化学療法、移植手術、心臓手術、関節置換術を受けた患者を保護するための、さらには出産を経た患者をも保護するための抗生物質の使用にとっても脅威である処置不可能な病原体の発生を助長する原動力になりつつある。
【0027】
CPOを迅速かつ正確に検出することは、臨床試験所にとって主要な課題である。ほとんどの細菌感染とは異なり、CPOによる感染に対する最適な療法は、全抗生物質耐性菌の出現および伝播ならびに患者の死亡を防ぐために少なくとも2つの活性な抗生物質を必要とする。すなわち医師にとって、これらの感染のための有効な療法を選択する機会はわずか1回しかないことがある。それゆえに、試験所としては、併用療法の必要性を医師に警告するためにCPOを迅速かつ正確に検出することが重要である。
【0028】
ほとんどの試験所は現在、終夜のインキュベーションを必要とする不正確なカルバペネマーゼ表現型検出試験を使用している。正確であるが不便な表現型試験、またはいくつかの未解決の精度問題を有するより高価なPCRベースの試験を使用しているのは少数派である。現在の表現型試験は、自動化されていない。それゆえに、抗微生物剤耐性細菌の検出および制御を進歩させるための迅速な診断試験が求められている。
【0029】
現在市販されているbioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NP試験は、手動の独立型試験であるが、これは、カルバペネマーゼを検出するがそれを分類しない。したがって、カルバペネマーゼを分子グループに分類する治療上の必要性もある。
【0030】
CPOを検出するため、細菌によって発現されたカルバペネマーゼ酵素のアンブラークラスをさらに同定および分類するための、組成物、方法、システムおよび/またはキットを含む新規の検出試験が本明細書で開示される。一実施形態において、これらの新規のCPO検出試験は、これまでに開発された、カルバペネマーゼ発現細菌を検出するためのBD Phoenixグラム陰性同定(Gram-Negative Identification)(ID)/抗菌感度試験(Antimicrobic Susceptibility Test)(AST)パネルに組み込まれている。一部の実施形態において、この検出試験は、サンプル中の全てのグラム陰性細菌(例えば、臨床分離株)に適用して、サンプル中のカルバペネマーゼのアンブラークラスをさらに同定することが可能である。
【0031】
一部の実施形態において、この検出試験は、細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼのより正確かつ迅速な同定を可能にする試験において、1つまたは複数の抗生物質、および任意選択で1つまたは複数の阻害剤が組み込まれている。1つまたは複数の抗生物質は、サンプル中のグラム陰性細菌の増殖を阻害する。しかしながら、グラム陰性細菌が1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼを発現するためにそれが1つまたは複数の抗生物質に耐性である場合、細菌によって発現された1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼのより正確かつ迅速な同定を可能にするために、1つまたは複数の阻害剤が包含されていてもよい。一部の実施形態において、同定試験は、阻害剤を伴う/伴わない、1つのみの抗生物質または抗生物質の組合せにサンプルを曝すことを含む。他の実施形態において、試験は、1回の試験で阻害剤を伴う/伴わない1つより多くの抗生物質または抗生物質の組合せに対してサンプルが試験されるように、複数のウェルで、阻害剤を伴う/伴わない複数の異なる抗生物質にサンプルの一部を曝すことを含んでいてもよい。これらの複数の組合せは、典型的には、各組合せを別個のウェルに入れてサンプルの一部が同時に組合せの全てに曝されるように平行して試行されるが、連続して様々な組合せにサンプルの一部を曝すことによって試験を試行することも可能である。本明細書で説明されるように、阻害剤を伴う/伴わない特定の抗生物質を含む複数のウェルは、所与のサンプルに応じて試行することができる(例えば、抗生物質および阻害剤の特定の組合せの2回繰り返す、3回繰り返すなど)。
【0032】
β-ラクタマーゼの少なくとも4つのアンブラークラス、すなわちクラスA、B、CおよびDが公知である。しかしながら、クラスA、BおよびDのみが、カルバペネマーゼと考えられる。カルバペネマーゼの1つのクラスを産生するCPOによる感染は、抗生物質の影響を受けやすい場合があるが、それに対してカルバペネマーゼの他のクラスを産生するCPOによる感染は、同じ抗生物質の影響を受けにくい場合がある。例えば、アンブラークラスAカルバペネマーゼは、新しい抗生物質であるセフタジジム/アビバクタムを用いた療法のための候補であり、一方でクラスB産生CPOは本質的にこの薬剤に対して耐性であることから、クラスAおよびクラスBカルバペネマーゼを産生するCPOを区別することによって、患者管理がより一層有効になると予想される。つまり、CPOの迅速な、正確で便利な検出および分類への、緊急的な未だ満たされていない必要性がある。
【0033】
一部の実施形態において、検出試験は、アンブラークラスAカルバペネマーゼのより正確かつ迅速な同定を可能にする試験に、1つまたは複数の抗生物質と1つまたは複数の阻害剤との組合せを組み込む。
【0034】
一部の実施形態において、検出試験は、アンブラークラスBカルバペネマーゼのより正確かつ迅速な同定を可能にする試験に、1つまたは複数の抗生物質と1つまたは複数の阻害剤との組合せを組み込む。
【0035】
一部の実施形態において、検出試験は、アンブラークラスCのβ-ラクタマーゼのより正確な識別を可能にする試験に、1つまたは複数の抗生物質と1つまたは複数の阻害剤との組合せが組み込まれていてもよい。
【0036】
一部の実施形態において、検出試験は、アンブラークラスDカルバペネマーゼのより正確かつ迅速な同定を可能にする試験に、1つまたは複数の抗生物質と1つまたは複数の阻害剤との組合せを取り入れる。例えば、検出試験は、アンブラークラスDカルバペネマーゼ酵素のより正確かつ迅速な同定を可能にする単一の試験に、テモシリン(TEM)、カルボキシペニシリン抗生物質、および選択的阻害剤を組み込む。
【0037】
本明細書で提供される様々な検出試験は、細菌によるカルバペネマーゼ発現の表現型検出、および任意選択で細菌によるカルバペネマーゼ発現のアンブラー分類を自動化するための1つまたは複数のアルゴリズムを利用する自動検出システムと組み合わせることができる。
【0038】
(BD Phoenixパネルおよびシステム)
微生物学的診断試験ならびに微生物同定(ID)および抗微生物剤感度判定(AST)のためのシステムが、例えば、それらの全体が本明細書に組み込まれている、特許(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照)、および出願公開(例えば、特許文献6参照)に記載されている。これらの参考文献は、微生物およびそれらの1つまたは複数の抗生物質に対する感度のID/ASTためのBD Phoenixグラム陰性同定(ID)/抗菌感度試験(AST)パネルおよびシステム(BD Phoenixパネルおよびシステム)と称されるパネルおよびシステムを開示する。BD Phoenixパネルおよびシステムは、様々なAST判定方法に適している。機器によって試験しようとうする微生物サンプルを添加する直前に、例えば酸化還元-緩衝化された酸化-還元のインジケーターであるalamarBlue(商標)が、AST接種物流体に添加され混合される。光の赤色、緑色、青色、および蛍光波長に対応する読取り値を得るために、可視光源およびUV光源が使用される(例えば、それらの全体が本明細書に組み込まれている特許文献6を参照)。
【0039】
BD Phoenixパネルおよびシステムは、液体培地に懸濁した細菌および試薬の特定の組合せ(例えば、阻害剤を伴う/伴わない抗生物質)を受けるのに適合した複数の試験ウェルを有する基板を含む。パネル中の特定の組合せの試薬に対する細菌の応答は、異なる波長(例えば、赤色、緑色、青色、および蛍光波長)を放出する複数の光源(例えば、可視光源およびUV源)を含むパネル機器システムを設置することにより測定される。この機器システムは、パネルを受け、比色および/または蛍光測定による検出に基づいて微生物のID/ASTを実行することができる(例えば、その全体が本明細書に組み込まれている特許文献6を参照)。BD Phoenixパネルおよびシステムの結果に基づいて、抗生物質に対する微生物(例えば、グラム陰性細菌)の感度が判定される。加えて、BD Phoenixパネルおよびシステムは、腸内細菌と非発酵性細菌とを区別することができる。
【0040】
当業者であれば、上述の特許および出願を検討することによって最先端技術を容易に理解できるものと予想される。当業者であれば、本明細書で開示された組成物、方法、システムおよびキットを含む新規の検出試験が提供する、現存のBD Phoenixパネルおよびシステムなどの最先端技術を超える改善も認識できるものと予想される。
【0041】
[BD Phoenix(商標)CPOディテクト(CPO Detect)(Phoenix(商標)CPOディテクト)]
CPOの検出を含ませることによりBD Phoenixパネルおよびシステム上で拡張される検出試験を含む、Phoenix(商標)CPOディテクトとしても公知の新規のBD Phoenix(商標)CPOディテクトが本明細書で提供される。CPOディテクトは、カルバペネマーゼの1つまたは複数のクラスを発現する細菌の検出および同定ための、迅速で高い感度を有する特定のアルゴリズムベースの自動検出試験を提供する。
【0042】
BD Phoenix(商標)CPOディテクト検出試験は、1つまたは複数の抗生物質、カルバペネマーゼの様々なクラスの1つまたは複数の阻害剤、および細菌によって発現されたカルバペネマーゼのクラスを特異的に同定するための1つまたは複数の検出試薬を組み合わせることによって、BD Phoenixパネルおよびシステムを拡張する。
【0043】
クラスA、BおよびDカルバペネマーゼの1つまたは複数が細菌によって発現されるかどうかを識別するために、クラスA、BおよびDカルバペネマーゼの1つまたは複数を発現するグラム陰性細菌のサンプル中の増殖を阻害する1つまたは複数の抗生物質が使用される。一部の実施形態において、グラム陰性細菌が1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼを発現するためにそれが1つまたは複数の抗生物質に耐性である場合、1つまたは複数の阻害剤は、1つまたは複数のアンブラークラスのカルバペネマーゼを同定するのに使用される。カルバペネマーゼのアンブラークラスのより正確かつ迅速な識別および同定ために、典型的には、異なるウェル中に阻害剤を伴う/伴わない抗生物質の異なる組合せを含む複数のウェル中で試行されるサンプルを含む試験において、1つまたは複数の抗生物質および1つまたは複数の阻害剤が使用される。
【0044】
一部の実施形態において、BD CPOディテクトは、2つの結果:(1)カルバペネマーゼ検出のための最初の検出ベースの陽性/陰性の結果、(2)カルバペネマーゼの分子クラスに従った、ステップ(1)からの陽性単離株の追跡調査分類を提供することができる。対照的に、bioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NP試験は、最初の検出ベースの陽性/陰性の結果のみを提供し、このレベルの分析が、市販されている表現型試験ための現行の標準である。
【0045】
本明細書で使用される場合、カルバペネマーゼ検出のための最初の検出ベースの陽性/陰性の結果の文脈において、試験の「感度」または検出の「感度」は、試験の陽性/陰性フェーズで検出されたCPOのパーセントと定義される。
【0046】
本明細書で使用される場合、カルバペネマーゼ検出のための最初の検出ベースの陽性/陰性の結果の文脈において、検出の「特異度」または検出の試験「特異度」は、試験の陽性/陰性フェーズにおいてそのようなものとして正しく同定されたカルバペネマーゼ陰性単離株のパーセントと定義される。
【0047】
本明細書で使用される場合、カルバペネマーゼの分子クラスに従った陽性単離株の分類の文脈において、分類の結果が、正確な分類、またはタイプ不明であるが陽性の結果のいずれかである場合、その分類の結果は良好とみなされる。分類されなくともカルバペネマーゼを検出することは重要であり、患者管理にとって高度に有益である。カルバペネマーゼを正確に分類することは、結果の価値を高める。カルバペネマーゼがクラスAに属する場合、セフタジジム/アビバクタムが、療法のための可能性がある候補である。クラスBカルバペネマーゼの検出は、セフタジジム/アビバクタム療法に禁忌を示すが、これは、クラスBのCPOがこの薬剤に対して本質的に耐性であるためである。クラスDカルバペネマーゼ産生株による感染に関しては、現在のところセフタジジム/アビバクタム療法に対するはっきりした示唆はない。また正確な陰性の結果も、患者管理のガイドおよび感染制御にとって良好な結果である。
【0048】
カルバペネマーゼをクラスBまたはクラスDとして誤分類することは、役に立たないが相対的に害がないとみなされる。この誤分類は、カルバペネマーゼの検出の価値を下げないが、感度の結果が利用可能になるまでセフタジジム/アビバクタム療法の検討を遅延させる可能性がある。また「回答なし」の結果も、それが利益も損害も付与しないという点で役に立たない。
【0049】
有害な可能性があるとみなされる結果としては、クラスBカルバペネマーゼをクラスAカルバペネマーゼとして間違って分類することが挙げられる。これは、患者に効果がないセフタジジム/アビバクタム療法を受けることを引き起こす可能性がある。偽陰性の結果はまた、CPOが未検出であることの帰結は、効果がない療法が施されることである、および/または感染制御措置が実行されないことである可能性があるため、有害な可能性があるともみなされる。
【0050】
細菌、抗生物質、阻害剤および検出試薬の非限定的な例が本明細書で提供される。また、この抗生物質および阻害剤の濃度範囲の非限定的な例も提供される。しかしながら、当業者は、検出試験は、他の細菌、抗生物質、阻害剤および検出試薬を用いても実行できるように適合させることができ、さらにこの抗生物質および阻害剤の他の濃度範囲を用いても実行できることを容易に認識すると予想される。
【0051】
(抗生物質)
抗生物質の非限定的な例としては、テモシリン(TEM)、ドリペネム(DOR)またはメロペネム(MEM)が挙げられる。TEM(6ベータ-(2-カルボキシ-2-チエン-3-イルアセトアミド)-6アルファ-メトキシペニシラン酸二ナトリウム)は、基質拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)およびAmpC型β-ラクタマーゼを含む染色体およびプラスミドのβ-ラクタマーゼの加水分解に対して安定なカルボキシペニシリンである。TEMは現在、ベルギーとイギリスで多剤耐性の腸内細菌科の処置のために使用されている。
【0052】
一部の実施形態において、本明細書で提供される検出試験におけるTEMの濃度範囲は、6μg/mlから1024μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、本明細書で提供される検出試験におけるTEMの濃度範囲は、12μg/mlから512μg/mlであるかまたはおよそその範囲である(
図1~
図6)。他の濃度範囲は、32μg/mlから124μg/mlであるかまたはおよそその範囲であり、一部の実施形態では、約64μg/mlの濃度を有する。一部の実施形態において、本明細書で提供される検出試験におけるTEMの濃度範囲は、32μg/mlから100μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、本明細書で提供される検出試験におけるTEMの濃度範囲は、32μg/mlから75μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、本明細書で提供される検出試験におけるTEMの濃度範囲は、55μg/mlから75μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。
【0053】
MEMは、多種多様の感染を処置するのに使用される超広帯域注射用抗生物質である。これは、β-ラクタムであり、カルバペネムのサブグループに属する。これは、髄液、胆汁、心臓弁、肺、および腹腔液を含む多くの組織および体液に効果的に侵入する。MEMは、殺菌性を有するが、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)に対しては静菌性である。これは、他のβ-ラクタム抗生物質のように細菌の細胞壁の合成を阻害する。
【0054】
一部の実施形態において、本明細書で提供される検出試験におけるMEMの濃度範囲は、0.0039μg/mlから128μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、本明細書で提供される検出試験におけるMEMの濃度範囲は、0.0078μg/mlから64μg/mlであるかまたはおよそその範囲である(
図7~
図12、
図23および
図24)。一部の実施形態において、本明細書で提供される検出試験におけるMEMの濃度範囲は、0.0156μg/mlから64μg/mlであるかまたはおよそその範囲である(
図31)。他の濃度範囲は、約0.016μg/mlから約1μg/mlであり、一部の実施形態では、約0.0625μg/mlの濃度を有する。
【0055】
DORは、超広帯域注射用抗生物質である。これは、ベータ-ラクタムであり、カルバペネムのサブグループに属する。DORは、細菌感染、例えば複合的な腹部感染、病院内の肺炎、および敗血症に伴う腎臓感染を含む尿路の合併感染に使用することができる。DORは、細胞壁成長のプロセスを低減し、それにより最終的に、感染性細胞である細菌の完全な消滅を引き起こす。
【0056】
一部の実施形態において、本明細書で提供される検出試験におけるDORの濃度範囲は、0.0078μg/mlから128μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、本明細書で提供される検出試験におけるDORの濃度範囲は、0.0156μg/mlから64μg/mlであるかまたはおよそその範囲である(
図13~
図22)。他の濃度範囲は、0.0313μg/mlから4μg/mlであるかまたはおよそその範囲であり、一部の実施形態では、約1μg/mlの濃度を有する。
【0057】
他の抗微生物剤の非限定的な例としては、CLOX、EDTA、およびRPX7009、アビバクタム、BLI-489、およびDPAが挙げられる。
【0058】
一部の実施形態において、CLOXの濃度範囲は、40μg/mlから160μg/mlであるかまたはおよそその範囲であり、一部の実施形態では、約100μg/mlの濃度を有する。
【0059】
一部の実施形態において、EDTAの濃度範囲は、100μg/mlから400μg/mlであるかまたはおよそその範囲であり、一部の実施形態では、約250μg/mlの濃度を有する。
【0060】
一部の実施形態において、RPX7009の濃度範囲は、3μg/mlから15μg/mlであるかまたはおよそその範囲であり、一部の実施形態では、約8μg/mlの濃度を有する。
【0061】
一部の実施形態において、アビバクタムの濃度範囲は、1μg/mlから10μg/mlであるかまたはおよそその範囲であり、一部の実施形態では、約4μg/mlの濃度を有する。
【0062】
一部の実施形態において、BLI-489の濃度範囲は、1μg/mlから10μg/mlであるかまたはおよそその範囲であり、一部の実施形態では、約5μg/mlの濃度を有する。
【0063】
一部の実施形態において、DPAの濃度範囲は、50μg/mlから400μg/mlであるかまたはおよそその範囲であり、一部の実施形態では、約178μg/mlの濃度を有する。
【0064】
(アンブラークラスのカルバペネマーゼ)
カルバペネマーゼは、多様な加水分解活性を有するβ-ラクタマーゼ酵素(β-ラクタマーゼ)である。カルバペネマーゼは、ペニシリン、セファロスポリン、モノバクタム、およびカルバペネムを加水分解することが可能である。腸内細菌科および非発酵性の細菌などの臨床的に重要な細菌、例えばアシネトバクター属菌およびシュードモナス属(Pseudomonas)菌などにおいてこれらの酵素が迅速に広がることは、公衆衛生を大きな脅威にさらすことになる。
【0065】
カルバペネマーゼは、2つの主要なファミリーに属する。この2つの主要なファミリーは、その活性部位における加水分解メカニズム(亜鉛またはセリンのいずれか)によって区別される。アミノ酸相同性に基づく分類(アンブラー分類)により、4つの主要なクラス、すなわち、アンブラークラスA、B、C、およびDがもたらされた。
【0066】
アンブラークラスAカルバペネマーゼは、その活性部位にアミノ酸セリンを含有する。アンブラークラスAカルバペネマーゼを発現する細菌は、メカニズムベースの阻害剤(mechanism based inhibitor)に対して感受性がある。メカニズムベースの阻害は、「正常な」触媒作用反応中に、酵素が基質類似体と結合し、それと共有結合を介して不可逆的な複合体を形成するときに起こる酵素阻害の不可逆的な形態である。クラスAカルバペネマーゼの非限定的な例としては、KPC(例えば、KPC様、KPC-2またはKPC-3)、NMC-A、IMIおよびSME酵素が挙げられる。
【0067】
アンブラークラスBカルバペネマーゼは、その活性部位に金属亜鉛を含有する。アンブラークラスBカルバペネマーゼを発現する細菌は、クラスBカルバペネマーゼの活性部位からの亜鉛(金属イオン)と結合してそれを除去するキレート剤に対して感受性がある。クラスBカルバペネマーゼ(メタロ-β-ラクタマーゼ)の非限定的な例としては、NDM(例えば、NDM様またはNDM-1)、GIM、SPM(例えば、SPM様またはSPM-1)、IMP(例えば、IMP様またはIMP-1)、およびVIM(例えば、VIM様またはVIM-1)酵素が含まれる。
【0068】
アンブラークラスAカルバペネマーゼと同様に、アンブラークラスCのβ-ラクタマーゼは、その活性部位にアミノ酸セリンを含有する。しかしながら、アンブラークラスCのβ-ラクタマーゼは、カルバペネムを加水分解しない。細菌におけるアンブラークラスCのβ-ラクタマーゼの過剰発現は、カルバペネムに対してそれらを非感受性にしないことから、これはカルバペネマーゼではない。それにもかかわらず、外膜におけるポリンの損失または排出ポンプの活性化を含む他の突然変異が存在する場合、カルバペネム耐性が生じる可能性がある。細菌におけるアンブラークラスCのβ-ラクタマーゼの過剰発現は、広帯域セファロスポリンに対して細菌を非感受性にする。
【0069】
アンブラークラスCのβ-ラクタマーゼを発現する細菌(本明細書では、便宜上、クラスCカルバペネマーゼと称する)はカルバペネムに対して感受性であり得るが、それでもなおそれらは、他のメカニズムによってカルバペネムに対して非感受性になる可能性がある。クラスA、BおよびDカルバペネマーゼを検出するために、表現型試験において、クラスCカルバペネマーゼを発現する細菌は、選択的に感受性にされなければならない。そうでなければ、偽陽性の解釈が得られる可能性がある。
【0070】
アンブラークラスAおよびCと同様に、アンブラークラスDカルバペネマーゼも、その活性部位にアミノ酸セリンを含有する。しかしながら、現段階で、クラスDカルバペネマーゼは、公知の共通の特異的な阻害剤がない。したがって、クラスDカルバペネマーゼの同定のための表現型試験は、典型的には、耐性がクラスA、BまたはCに起因しないことを判定し、仮の同定としてクラスDを残すことによって間接的になされる。例えば、クラスDカルバペネマーゼの同定のための表現型試験は、カルバペネマーゼの他のアンブラークラスの消去プロセスによって間接的に実行される。クラスDカルバペネマーゼの非限定的な例としては、OXA-23、40、48、58、72、181、および232酵素が挙げられる。
【0071】
一部のケースにおいて、カルバペネマーゼの1つより多くのクラスは、生物によって産生されてもよい。例えば、一部の実施形態において、2、3または4つのカルバペネマーゼのクラスは、生物によって産生される。
【0072】
非カルバペネマーゼ耐性メカニズムの非限定的な例としては、ESBL(例えば、CTX-M-1、CTX-M-2CTX-M-9、CTX-M-12、CTX-M14、CTX-M-15、CTX-M-15様、CTX-M-28、SHV ESBL、SHV-5、SHV-5様、SHV-12、SHV-12様、SHV-18、TEM ESBL、OXA-45)、AmpC(過剰産生株を含む)(例えば、プラスミド媒介AmpC、例えばACT-1、ACT様、CMY(CMY様、CMY-2、CMY-2様)、CMY-16、DHA-1、DHA様、FOX-1、FOX-5、LAT-4、MIR様、MOX-1、K1)、広帯域β-ラクタマーゼおよびポリン突然変異体が挙げられる。
【0073】
(カルバペネマーゼ阻害剤および識別因子)
カルバペネマーゼの阻害剤の非限定的なクラスとしては、メカニズムベースの阻害剤、キレート剤およびβ-ラクタム抗生物質が挙げられる。
【0074】
メカニズムベースの阻害剤の非限定的な例としては、β-ラクタマーゼ阻害剤が挙げられ、これらに限定されないが、ボロン酸ベースの阻害剤、バボルバクタム(RPX7009)、BLI-489、CLOX、クラブラン酸塩、タゾバクタム、またはアビバクタムが挙げられる。
【0075】
加えて、アンブラークラスAカルバペネマーゼを発現する細菌は、典型的には、アンブラークラスBまたはクラスDカルバペネマーゼを発現するほとんどの細菌より低い濃度でテモシリンに対しても感受性である。
【0076】
アンブラークラスAカルバペネマーゼを発現する細菌は、より低い濃度で、例えば、約6μg/mlから約12μg/mlの範囲のTEM濃度で、TEMに対して感受性である(
図1)。一方で、クラスDを発現する細菌は、典型的には、TEMに対して上昇したMICを呈示し、それゆえに、よりかなり高い濃度のTEMで、例えば、約128μg/ml以上で、感受性である(
図1)。
【0077】
したがって、クラスAを発現する細菌の増殖を阻害するテモシリン濃度は、クラスDを発現する細菌の増殖を阻害しないと予想され、テモシリンは、クラスAカルバペネマーゼを発現する細菌と、クラスDカルバペネマーゼを発現する細菌とを識別するのに使用することができる。
【0078】
キレート剤の非限定的な例としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびジピコリン酸(DPA)が挙げられ、これらは金属イオンに結合してそれを封鎖するものである。
【0079】
アンブラークラスBカルバペネマーゼを発現する細菌は、250μg/mlでEDTAに対して感受性であり(
図3、
図4、
図15および
図16)、280μg/mlでEDTAに対して感受性であり(
図5および
図6)、180μg/mlでDPAに対して感受性である(
図9、
図10、
図21および
図22)。
【0080】
クラスCのβ-ラクタマーゼのための識別因子の非限定的な例は、クロキサシリン(CLOX)であり、これは、ブドウ球菌(Staphylococci)によって引き起こされた感染の処置に有用なペニシリン誘導体である。クラスCのβ-ラクタマーゼを発現する細菌は、約100μg/mlの濃度でCLOXに対して感受性であるが、クラスA、BまたはDを発現する細菌は、典型的にはそうではないことから、クラスCを、クラスA、BおよびDから識別することが可能になる(
図31)。
【0081】
(BD Phoenix(商標)CPOディテクト検出試験)
BD Phoenix(商標)CPOディテクト検出試験は、細菌におけるカルバペネマーゼの発現を表現型で検出する定性的なインビトロでの診断試験として使用することができる。カルバペネマーゼを発現する細菌の検出を提供することに加えて、これは、カルバペネマーゼ酵素のタイプをアンブラークラスA、クラスBまたはクラスDにさらに区別する。BD Phoenix(商標)CPOディテクト検出試験を用いれば、臨床試験所は、患者サンプルから単離した全てのグラム陰性細菌を、単離株の同定および抗生物質感受性に関して試験することに加え、細菌によるアンブラークラスのカルバペネマーゼ発現を同定できるようになると予想される。
【0082】
一部の実施形態において、サンプルの非限定的な例は、血液、尿、便、痰、唾液などの1つまたは複数を含んでいてもよい。サンプルは、ヒト、1つまたは複数のコンパニオンアニマル、または1つまたは複数の商業的に重要な動物から収集される。一部の実施形態において、ヒト、1つまたは複数のコンパニオンアニマル、または1つまたは複数の商業的に重要な動物は、細菌感染を有していてもよい。細菌感染は、腸内細菌または非発酵性細菌に起因するものであってもよい。一部の実施形態において、細菌は、腸内細菌または非発酵性細菌以外のものであってもよい。
【0083】
腸内細菌の非限定的な例としては、肺炎桿菌、大腸菌およびエンテロバクター・アエロゲネスが挙げられる。
【0084】
非発酵性細菌の非限定的な例としては、緑膿菌およびアシネトバクター・バウマンニ複合株が挙げられる。
【0085】
当業者であれば、BD Phoenix(商標)CPOディテクトは、腸内細菌および非発酵性細菌以外の細菌にも適合させることが可能であることを理解しているものと予想される。
【0086】
この手順は、適切な抗生物質処置および監視に必要なアンブラー分類の識別と共にカルバペネマーゼ産生を正確に同定するための簡易化した方法を提供し、それにより、他の非感染患者から適切な患者を隔離することが可能になる。提唱されている試験は、慣例的な感度試験(AST)と共に組み込むことができ、それゆえに追加の試験またはコストを必要としない。またこの試験は、ASTを進行させながらカルバペネマーゼの迅速な同定も提供する。これは、CPOのための別個の試験が医師によって指示される必要がないため、病院および患者にとって時間とコストの節約になると予想される。
【0087】
検出試験は、複数のウェルを含む。一部の実施形態において、各ウェル中のインプットは、1つまたは複数の細菌、1つまたは複数の抗生物質、任意選択で1つまたは複数の阻害剤、および1つまたは複数の検出試薬を含むサンプルの組合せである。検出試験のための適切な対照が複数のウェルを構成していてもよく、その場合、各ウェルは、1つまたは複数の細菌、および/または1つまたは複数の抗生物質、および/または1つまたは複数の阻害剤、および/または1つまたは複数の検出試薬を含むサンプルを含む。一部の実施形態において、サンプルは、ウェルの各タイプに応じて(例えば、特定の抗生物質/阻害剤の組合せに応じて)、2回繰り返す、3回繰り返す、またはそれ以上繰り返して試行される。
【0088】
図1~
図24および
図31に、1つまたは複数の抗生物質の様々な濃度範囲、および1つまたは複数の阻害剤の様々な濃度範囲を用いた、腸内細菌および非発酵性細菌のための検出試験の非限定的な実施形態を示す。これらの図は、x軸に沿って試験される抗生物質の濃度を例示し(μg/mlで)(いずれの図においても、全ての濃度が試験されるわけではない)、y軸にはサンプル中における細菌増殖の量を例示する。ボックスは、中央値、四分位数間範囲、外れ値ではない最小値および最大値を例示し、アスタリスクは単一の外れ値を表す。各図は、クラスA、クラスB、およびクラスDを産生する細菌に関するパネル、加えて、非カルバペネマーゼ産生細菌(NEG)に関するパネルを有する。一部の実施形態において、本明細書に記載される検出試験は、細胞形態の変化を画像化することによって実行されない。
【0089】
一例として、
図1は、数々の濃度のTEMの存在下で増殖した様々な腸内細菌の試験を例示する。
図1で示されるように、クラスAおよびNEG細菌は、TEMに対してクラスBまたはDより感受性である。24μg/mlの濃度で、試験されたほぼ全てのクラスA腸内細菌株がTEMによって阻害されるが、一方でクラスDは、濃度が192μg/mlに達するまで影響を受けない。ほぼ全てのNEG腸内細菌は、最も低い濃度のTEMに対して感受性である。試験されたクラスB腸内細菌は、平均増殖ラインの減少で証明されるように48μg/mlで感受性を示し始め、384μg/mlでほとんどのクラスB腸内細菌の増殖が阻害される。
図1~
図24および
図31は、クラスA、B、DならびにNEG腸内細菌および非発酵性細菌を識別するのに使用できる阻害剤を伴うおよび伴わない抗生物質の多数の組合せの結果を実証する。
【0090】
一部の実施形態において、検出試験は、腸内細菌、および約12μg/mlから約512μg/mlの濃度範囲にわたるTEMを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図1)。
【0091】
一部の実施形態において、検出試験は、非発酵性細菌および約12μg/mlから約512μg/mlの濃度範囲にわたるTEMを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図2)。
【0092】
一部の実施形態において、検出試験は、腸内細菌、0.1mg/mlのCLOX、250μg/mlのEDTA、および約12μg/mlから約512μg/mlの濃度範囲にわたるTEMを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図3)。
【0093】
一部の実施形態において、検出試験は、非発酵性細菌、0.1mg/mlのCLOX、250μg/mlのEDTA、および約12μg/mlから約512μg/mlの濃度範囲にわたるTEMを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図4)。
【0094】
一部の実施形態において、検出試験は、腸内細菌、0.1mg/mlのCLOX、280μg/mlのEDTA、および約12μg/mlから約512μg/mlの濃度範囲にわたるTEMを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図5)。
【0095】
一部の実施形態において、検出試験は、非発酵性細菌、0.1mg/mlのCLOX、280μg/mlのEDTA、および約12μg/mlから約512μg/mlの濃度範囲にわたるTEMを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図6)。
【0096】
一部の実施形態において、検出試験は、腸内細菌、0.1mg/mlのCLOX、および約0.0078μg/mlから約64μg/mlの濃度範囲にわたるMEMを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図7)。
【0097】
一部の実施形態において、検出試験は、非発酵性細菌、0.1mg/mlのCLOX、および約0.0078μg/mlから約64μg/mlの濃度範囲にわたるMEMを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図8)。
【0098】
一部の実施形態において、検出試験は、腸内細菌、0.1mg/mlのCLOX、0.18mg/mlのDPA、および約0.0078μg/mlから約64μg/mlの濃度範囲にわたるMEMを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図9)。
【0099】
一部の実施形態において、検出試験は、非発酵性細菌、0.1mg/mlのCLOX、0.18mg/mlのDPA、および約0.0078μg/mlから約64μg/mlの濃度範囲にわたるMEMを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図10)。
【0100】
一部の実施形態において、検出試験は、腸内細菌、0.1mg/mlのCLOX、8μg/mlのRPX、および約0.0078μg/mlから約64μg/mlの濃度範囲にわたるMEMを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図11)。
【0101】
一部の実施形態において、検出試験は、非発酵性細菌、0.1mg/mlのCLOX、8μg/mlのRPX、および約0.0078μg/mlから約64μg/mlの濃度範囲にわたるMEMを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図12)。
【0102】
一部の実施形態において、検出試験は、腸内細菌、0.1mg/mlのCLOX、4μg/mlのAVI、および約0.0156μg/mlから約64μg/mlの濃度範囲にわたるDORを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図13)。
【0103】
一部の実施形態において、検出試験は、非発酵性細菌、0.1mg/mlのCLOX、4μg/mlのAVI、および約0.0156μg/mlから約64μg/mlの濃度範囲にわたるDORを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図14)。
【0104】
一部の実施形態において、検出試験は、腸内細菌、0.1mg/mlのCLOX、0.25mg/mlのEDTA、および約0.0156μg/mlから約64μg/mlの濃度範囲にわたるDORを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図15)。
【0105】
一部の実施形態において、検出試験は、非発酵性細菌、0.1mg/mlのCLOX、0.25mg/mlのEDTA、および約0.0156μg/mlから約64μg/mlの濃度範囲にわたるDORを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図16)。
【0106】
一部の実施形態において、検出試験は、腸内細菌、および約0.0156μg/mlから約64μg/mlの濃度範囲にわたるDORを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図17)。
【0107】
一部の実施形態において、検出試験は、非発酵性細菌、および約0.0156μg/mlから約64μg/mlの濃度範囲にわたるDORを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図18)。
【0108】
一部の実施形態において、検出試験は、腸内細菌、0.1mg/mlのCLOX、および約0.0156μg/mlから約64μg/mlの濃度範囲にわたるDORを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図19)。
【0109】
一部の実施形態において、検出試験は、非発酵性細菌、0.1mg/mlのCLOX、および約0.0156μg/mlから約64μg/mlの濃度範囲にわたるDORを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図20)。
【0110】
一部の実施形態において、検出試験は、腸内細菌、0.1mg/mlのCLOX、0.18mg/mlのDPA、および約0.0156μg/mlから約64μg/mlの濃度範囲にわたるDORを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図21)。
【0111】
一部の実施形態において、検出試験は、非発酵性細菌、0.1mg/mlのCLOX、0.18mg/mlのDPA、および約0.0156μg/mlから約64μg/mlの濃度範囲にわたるDORを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図22)。
【0112】
一部の実施形態において、検出試験は、腸内細菌、0.1mg/mlのCLOX、5μg/mlのBLI、および約0.0078μg/mlから約64μg/mlの濃度範囲にわたるMEMを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図23)。
【0113】
一部の実施形態において、検出試験は、非発酵性細菌、0.1mg/mlのCLOX、5μg/mlのBLI、および約0.0078μg/mlから約64μg/mlの濃度範囲にわたるMEMを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図24)。
【0114】
一部の実施形態において、検出試験は、腸内細菌、0.1mg/mlのCLOX、および約0.0156μg/mlから約64μg/mlの濃度範囲にわたるMEMを含む複数のウェルを含んでいてもよい(
図31)。
【0115】
検出試験において、特定の濃度の抗生物質の存在下で細菌が増殖するかまたは増殖しないかどうかに基づいて、その細菌が本明細書で提供される1つまたは複数の抗生物質に対して感受性であるかどうかの判定が達成される。1つまたは複数の抗生物質に対して細菌が非感受性である場合、この抗生物質に対する不感受性を付与する、細菌によって発現されたカルバペネマーゼの1つまたは複数のクラスの同定は、本明細書で提供される1つまたは複数のカルバペネマーゼ阻害剤または識別因子を使用することによって達成される。
【0116】
カルバペネマーゼの1つまたは複数のアンブラークラスの腸内または非発酵性細菌による発現を同定するための検出試験の非限定的な例(実施例1~実施例4)を提供する。サンプルが腸内または非発酵性細菌を含むかどうかの判定は、当技術分野において公知の方法によって、例えば、スポットオキシダーゼ試験、MALDI-TOFおよびPhoenix IDシステムを含む生化学試験によってなされ得る。以下の実施例で開示された抗生物質および阻害剤の濃度は、例示的であり、非限定的である。許容できる濃度の他の濃度または範囲は、図面を含む本発明の開示に開示される。
【0117】
一部の実施形態において、BD Phoenix(商標)CPOディテクトは、1つまたは複数のカルバペネマーゼ阻害剤を伴う/伴わない、1つまたは複数の細菌、1つまたは複数の検出試薬、および1つまたは複数の抗生物質を含むインプットサンプルを含むウェル(または任意選択で数々の同一なウェル)を含む。一部の実施形態において、ウェルは、1つまたは複数のカルバペネマーゼ阻害剤を伴う/伴わない、1つまたは複数の抗生物質を含む、以下の表0.1で開示された組合せの1つを含む。
【0118】
【0119】
表0.1に提供される組合せ1~10のいずれかにおいて、CLOXの濃度は、2.5μg/mlから40000μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、またはCLOXの濃度は、20μg/mlから500μg/mlであるかもしくはおよそその範囲である。一部の実施形態において、CLOXの濃度は、20μg/mlから150μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、CLOXの濃度は、150μg/mlから250μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、CLOXの濃度は、250μg/mlから350μg/mlであるかまたはおよそその範囲であり、またはCLOXの濃度は、350μg/mlから500μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、一部の実施形態では、100μg/mlであるかまたはおよそその濃度を有する。一部の実施形態において、CLOXの濃度は、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、1000、5000、10,000、もしくは40,000であるかもしくはおよそその範囲であり、または上述の値のいずれか2つによって定義される範囲内である。
【0120】
表0.1に提供される組合せ1~10のいずれかにおいて、AVIの濃度は、0.5μg/mlから20μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、AVIの濃度は、0.5μg/mlから5μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、AVIの濃度は、5μg/mlから10μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、AVIの濃度は、10μg/mlから15μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、またはAVIの濃度は、15μg/mlから10μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、一部の実施形態では、4μg/mlであるかまたはおよそその濃度を有する。一部の実施形態において、AVIの濃度は、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、7.5、10、12.5、15、17.5、もしくは20μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、または上述の値のいずれか2つによって定義される範囲内である。
【0121】
表0.1に提供される組合せ1~10のいずれかにおいて、BLI-489の濃度は、1μg/mlから25μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、BLI-489の濃度は、1μg/mlから5μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、BLI-489の濃度は、5μg/mlから10μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、BLI-489の濃度は、10μg/mlから17.5μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、またはBLI-489の濃度は、17.5μg/mlから25μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、一部の実施形態では、5μg/mlであるかまたはおよそその濃度を有する。一部の実施形態において、BLI-489の濃度は、1、2.5、3、3.5、4、4.5、5、7.5、10、12.5、15、17.5、20、22.5、もしくは25μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、または上述の値のいずれか2つによって定義される範囲内である。
【0122】
表0.1に提供される組合せ1~10のいずれかにおいて、DPAの濃度は、35μg/mlから900μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、DPAの濃度は、35μg/mlから150μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、DPAの濃度は、150μg/mlから300μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、DPAの濃度は、300μg/mlから650μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、またはDPAの濃度は、650μg/mlから900μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、一部の実施形態では、178μg/mlであるかまたはおよそその濃度を有する。一部の実施形態において、DPAの濃度は、35、70、140、178、200、280、350、450、560、640、730、820、もしくは900μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、または上述の値のいずれか2つによって定義される範囲内である。
【0123】
表0.1に提供される組合せ1~10のいずれかにおいて、EDTAの濃度は、50μg/mlから1250μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、EDTAの濃度は、50μg/mlから250μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、EDTAの濃度は、250μg/mlから500μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、EDTAの濃度は、500μg/mlから750μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、またはEDTAの濃度は、750μg/mlから1250μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、一部の実施形態では、250μg/mlであるかまたはおよそその濃度を有する。一部の実施形態において、EDTAの濃度は、50、75、150、200、250、300、350、500、600、750、1000、もしくは1250μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、または上述の値のいずれか2つによって定義される範囲内である。
【0124】
表0.1に提供される組合せ1~10のいずれかにおいて、RPX7009の濃度は、1.5μg/mlから40μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、RPX7009の濃度は、1.5μg/mlから3μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、RPX7009の濃度は、3μg/mlから15μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、RPX7009の濃度は、15μg/mlから25μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、またはRPX7009の濃度は、約25μg/mlから40μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、一部の実施形態では、8μg/mlであるかまたはおよそその濃度を有する。一部の実施形態において、RPX7009の濃度範囲は、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5もしくは15μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、または上述の値のいずれか2つによって定義される範囲内である。
【0125】
組合せ1において、DORの濃度は、0.0625μg/mlから0.25μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、DORの濃度は、0.0125μg/mlから1.25μg/mlであるかまたはおよそその範囲であり、DORの濃度は、0.0625μg/mlから0.0825μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、DORの濃度は、0.0825μg/mlから0.125μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、DORの濃度は、0.125μg/mlから0.175μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、またはDORの濃度は、0.175μg/mlから0.25μg/mlであるかもしくはおよそその範囲である。一部の実施形態において、DORの濃度は、0.0125、0.0625、0.07、0.075、0.08、0.085、0.09、0.095、0.1、0.125、0.15、0.175、0.2、0.225、0.25、0.5、0.75、1.0、もしくは1.25μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、または上述の値のいずれか2つによって定義される範囲内である。
【0126】
組合せ2において、DORの濃度は、0.5μg/mlから4μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、DORの濃度は、0.1μg/mlから40μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、DORの濃度は、0.1μg/mlから10μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、DORの濃度は、0.2μg/mlから20μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、DORの濃度は、0.5μg/mlから4μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、DORの濃度は、0.5μg/mlから1μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、DORの濃度は、1μg/mlから2μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、DORの濃度は、2μg/mlから3μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、またはDORの濃度は、3μg/mlから4μg/mlであるかもしくはおよそその範囲である。一部の実施形態において、DORの濃度は、0.1、0.15、0.2、0.25、0.5、1、1.25、1.5、1.75、2、2.25、2.5、2.75、3、3.25、3.5、3.75、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、もしくは40μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、または上述の値のいずれか2つによって定義される範囲内である。
【0127】
組合せ3において、DORの濃度は、0.03125μg/mlから16μg/ml、または0.02μg/mlから600μg/mlであるかもしくはおよそその範囲である。一部の実施形態において、DORの濃度は、0.03126μg/mlから1μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、DORの濃度は、1μg/mlから4μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、DORの濃度は、4μg/mlから8μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、またはDORの濃度は、8μg/mlから16μg/mlであるかもしくはおよそその範囲である。一部の実施形態において、DORの濃度は、0.03125、0.0625、0.1、0.5、0.75、1、2、4、5、6、8、10、12、14、16、24、32、40、48、56、60、80もしくは100μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、または上述の値のいずれか2つによって定義される範囲内である。一部の実施形態において、DORの濃度は、0.006μg/mlから0.6μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、DORの濃度は、0.03125μg/mlから0.0625μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、DORの濃度は、0.015μg/mlから0.24μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、DORの濃度は、0.0625μg/mlから0.0775μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、DORの濃度は、0.0775μg/mlから0.1μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、またはDORの濃度は、0.1μg/mlから0.125μg/mlであるかもしくはおよそその範囲である。一部の実施形態において、DORの濃度は、0.03、0.03125、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.125、0.15、0.2、0.4、0.5、もしくは0.6μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、または上述の値のいずれか2つによって定義される範囲内である。
【0128】
組合せ4において、DORの濃度は、0.5μg/mlから2μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、DORの濃度は、0.1μg/mlから10μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、DORの濃度は、0.25μg/mlから4μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、DORの濃度は、0.5μg/mlから0.75μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、DORの濃度は、0.75μg/mlから1μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、DORの濃度は、1μg/mlから1.5μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、またはDORの濃度は、1.5μg/mlから2μg/mlであるかもしくはおよそその範囲である。一部の実施形態において、DORの濃度は、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、1、1.25、1.5、1.75、もしくは2μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、または上述の値のいずれか2つによって定義される範囲内である。
【0129】
組合せ5において、DORの濃度は、0.03125μg/mlから0.125μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、DORの濃度は、0.03125μg/mlから0.0625μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、DORの濃度は、0.0625μg/mlから0.0775μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、DORの濃度は、0.0775μg/mlから0.1μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、またはDORの濃度は、0.1μg/mlから0.125μg/mlであるかもしくはおよそその範囲である。一部の実施形態において、DORの濃度は、0.006μg/mlから0.6μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、DORの濃度は、0.015μg/mlから0.24μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、DORの濃度は、0.006、0.01、0.015、0.03、0.03125、0.04、0.05、0.06、0.0625、0.07、0.08、0.09、0.1、0.115、0.12、0.125、0.15、0.2、0.4、0.5、もしくは0.6μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、または上述の値のいずれか2つによって定義される範囲内である。
【0130】
組合せ6において、MEMの濃度は、0.03125μg/mlから1μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、MEMの濃度は、0.0125μg/mlから5μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、MEMの濃度は、0.03125μg/mlから0.0625μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、MEMの濃度は、0.0625μg/mlから0.125μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、MEMの濃度は、0.125μg/mlから0.5μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、MEMの濃度は、0.125μg/mlから2μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、またはMEMの濃度は、0.5μg/mlから1μg/mlであるかもしくはおよそその範囲である。一部の実施形態において、MEMの濃度は、0.0125、0.03、0.03125、0.0625、0.075、0.1、0.125、0.25、0.5、0.6、0.625、0.7、0.725、0.8、0.875、0.9、1、1.5、2、2.5、もしくは5μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、または上述の値のいずれか2つによって定義される範囲内である。一部の実施形態において、MEMの濃度は、0.006μg/mlから0.6μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、MEMの濃度は、0.03125μg/mlから0.0625μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、MEMの濃度は、0.015μg/mlから0.24μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、MEMの濃度は、0.0625μg/mlから0.0775μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、MEMの濃度は、0.0775μg/mlから0.1μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、またはMEMの濃度は、0.1μg/mlから0.125μg/mlであるかもしくはおよそその範囲である。一部の実施形態において、MEMの濃度は、0.03、0.03125、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.125、0.15、0.2、0.4、0.5、もしくは0.6μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、または上述の値のいずれか2つによって定義される範囲内である。
【0131】
組合せ7において、MEMの濃度は、2μg/mlから8μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、MEMの濃度は、0.4μg/mlから40μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、MEMの濃度は、1μg/mlから16μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、MEMの濃度は、2μg/mlから4μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、MEMの濃度は、4μg/mlから6μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、MEMの濃度は、6μg/mlから7.5μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、またはMEMの濃度は、7.5μg/mlから8μg/mlであるかもしくはおよそその範囲である。一部の実施形態において、MEMの濃度は、0.4、1、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、12、16、20、25、30、35、もしくは40μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、または上述の値のいずれか2つによって定義される範囲内である。
【0132】
組合せ8において、MEMの濃度は、0.03125μg/mlから0.125μg/mlであるかもしくはおよそその範囲である。一部の実施形態において、MEMの濃度は、0.03125μg/mlから0.0625μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、MEMの濃度は、0.0625μg/mlから0.0775μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、MEMの濃度は、0.0775μg/mlから0.1μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、またはMEMの濃度は、0.1μg/mlから0.125μg/mlであるかもしくはおよそその範囲である。一部の実施形態において、MEMの濃度は、0.006μg/mlから0.6μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、MEMの濃度は、0.015μg/mlから0.24μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、MEMの濃度は、0.006、0.01、0.015、0.03、0.03125、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.125、0.15、0.2、0.4、0.5、もしくは0.6μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、または上述の値のいずれか2つによって定義される範囲内である。
【0133】
組合せ9において、MEMの濃度は、0.015625μg/mlから0.125μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、MEMの濃度は、0.03125μg/mlから0.0625μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、MEMの濃度は、0.0625μg/mlから0.0775μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、MEMの濃度は、0.0775μg/mlから0.1μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、またはMEMの濃度は、0.1μg/mlから0.125μg/mlであるかもしくはおよそその範囲である。一部の実施形態において、MEMの濃度は、0.006μg/mlから0.6μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、MEMの濃度は、0.015μg/mlから0.24μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、MEMの濃度は、0.003μg/mlから0.3μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、またはMEMの濃度は、0.0075μg/mlから0.12μg/mlであるかもしくはおよそその範囲である。一部の実施形態において、MEMの濃度は、0.003、0.0075、0.01、0.015、0.01、0.015625、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.12、0.125、0.15、0.2、0.3、0.4、0.5、もしくは0.6μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、または上述の値のいずれか2つによって定義される範囲内である。
【0134】
組合せ10において、TEMの濃度は、32μg/mlから128μg/mlであるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、TEMの濃度は、24μg/mlから128μg/mlであるかまたはおよそその範囲であり、TEMの濃度は、32μg/mlから75μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、TEMの濃度は、32μg/mlから50μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、TEMの濃度は、50μg/mlから75μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、TEMの濃度は、75μg/mlから100μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、またはTEMの濃度は、100μg/mlから128μg/mlであるかもしくはおよそその範囲である。一部の実施形態において、TEMの濃度は、32、40、50、60、64、70、75、80、90、100、110、120、もしくは128μg/mlであるかもしくはおよそその範囲であり、または上述の値のいずれか2つによって定義される範囲内である。
【0135】
本明細書で提供されるアルゴリズムは、例示的であり、非限定的であり、当業者であれば、CPO検出および/またはカルバペネマーゼのアンブラー分類に関して要求される情報を得るために、本明細書に記載されるアルゴリズムで提供されるボックスのあらゆる組合せに基づいてアルゴリズムを設計することができる。
【0136】
例えば、一部の実施形態において、実施例10.1から実施例10.4では、アルゴリズム中の各「ボックス」は、1つまたは複数のカルバペネマーゼ阻害剤を伴う/伴わない、1つまたは複数の細菌、1つまたは複数の検出試薬、および1つまたは複数の抗生物質を含むインプットサンプルを含む、本明細書で提供される検出試験の試験場所(例えば、ウェル、または任意選択で平均数個の同一なウェル)を表し、腸内細菌のためのアルゴリズムのCPO検出および/または分類ウェルは、CPO腸内細菌、CPO非発酵性細菌もしくはその両方の検出、および/または腸内細菌、非発酵性細菌もしくはその両方のアンブラー分類を達成するために、非発酵性細菌のためのアルゴリズムのCPO検出および/または分類ウェルと順序を変えたり、および/またはそれと組み合わせたりすることができる。
【0137】
一部の実施形態において、ウェルは、表0.1で開示された1つまたは複数のカルバペネマーゼ阻害剤を伴う/伴わない、1つまたは複数の抗生物質を含む組合せの1つを含む。一部の実施形態において、試験は、少なくとも2つのウェルを含み、ここで1つのウェルは、CPO腸内細菌の検出のためであり、1つのウェルは、CPO非発酵性細菌の検出のためである(例えば、
図36)。
【0138】
一部の実施形態において、試験は、少なくとも6つのウェルを含み、ここで1つのウェルは、CPO腸内細菌の検出のためであり、1つのウェルは、CPO非発酵性細菌の検出のためであり、4つのウェルは、腸内細菌によって産生されたカルバペネマーゼのアンブラー分類のためである(例えば、
図37)。したがって、一部の実施形態において、少なくとも4つのウェルは、腸内細菌によって産生されたカルバペネマーゼのアンブラー分類を可能にする(例えば、
図37)。一部の実施形態において、腸内細菌によって産生されたカルバペネマーゼのアンブラー分類のために使用されるウェルの数は、2から5である。一部の実施形態において、腸内細菌によって産生されたカルバペネマーゼのアンブラー分類のために使用されるウェルの数は、2、3、4、5つまたはそれ以上である。
【0139】
一部の実施形態において、試験は、少なくとも9つのウェルを含み、ここで1つのウェルは、CPO腸内細菌の検出のためであり、1つのウェルは、CPO非発酵性細菌の検出のためであり、4つのウェルは、腸内細菌によって産生されたカルバペネマーゼのアンブラー分類のためであり、3つのウェルは、非発酵性細菌によって産生されたカルバペネマーゼのアンブラー分類のためである(例えば、
図38)。したがって、一部の実施形態において、少なくとも4つのウェルは、腸内細菌によって産生されたカルバペネマーゼのアンブラー分類を可能にし、少なくとも3つのウェルは、非発酵性細菌によって産生されたカルバペネマーゼのアンブラー分類を可能にし、少なくとも7つのウェルは、腸内細菌および非発酵性細菌によって産生されたカルバペネマーゼのアンブラー分類を可能にする(例えば、
図38)。一部の実施形態において、腸内細菌によって産生されたカルバペネマーゼのアンブラー分類のために使用されるウェルの数は、2から5であり、非発酵性細菌によって産生されたカルバペネマーゼのアンブラー分類のために使用されるウェルの数は、2から4である。一部の実施形態において、腸内細菌によって産生されたカルバペネマーゼのアンブラー分類のために使用されるウェルの数は、2、3、4、5つまたはそれ以上であり、非発酵性細菌によって産生されたカルバペネマーゼのアンブラー分類のために使用されるウェルの数は、2、3、4、5つまたはそれ以上である。一部の実施形態において、腸内細菌および非発酵性細菌によって産生されたカルバペネマーゼのアンブラー分類のために使用されるウェルの数は、4から9である。一部の実施形態において、腸内細菌および非発酵性細菌によって産生されたカルバペネマーゼのアンブラー分類のために使用されるウェルの数は、4、5、6、7、8、9つまたはそれ以上である。
【0140】
一部の実施形態において、試験は、少なくとも5つのウェルを含み、ここで1つのウェルは、CPO腸内細菌の検出のためであり、1つのウェルは、CPO非発酵性細菌の検出のためであり、3つのウェルは、非発酵性細菌によって産生されたカルバペネマーゼのアンブラー分類のためである(例えば、
図39)。したがって、一部の実施形態において、少なくとも3つのウェルは、非発酵性細菌によって産生されたカルバペネマーゼのアンブラー分類を可能にする(例えば、
図39)。一部の実施形態において、非発酵性細菌によって産生されたカルバペネマーゼのアンブラー分類のために使用されるウェルの数は、2から4である。一部の実施形態において、非発酵性細菌によって産生されたカルバペネマーゼのアンブラー分類のために使用されるウェルの数は、2、3、4つまたはそれ以上である。
【0141】
一部の実施形態において、カルバペネマーゼのアンブラー分類のためのウェルの数は、カルバペネマーゼが腸内または非発酵性細菌によって産生されるかどうかに関係なく、9であり、ここで4つのウェルは、非発酵性細菌のためであり、5つのウェルは、腸内細菌のためである(例えば、
図38)。
【実施例0142】
(実施例1)
(クラスAカルバペネマーゼ発現の同定)
(腸内細菌)
腸内細菌が、0.06μg/mlのMEM、および0.1mg/mlのCLOXの存在下で増殖し、0.06mg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOX、0.18mg/mlのDPAの存在下で増殖せず、0.03mg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOX、8μg/mlのRPXの存在下で増殖しない場合、検出試験は、この細菌によるクラスAカルバペネマーゼの発現を示す。
【0143】
腸内細菌が、0.06μg/mlのMEM、および0.1mg/mlのCLOXの存在下で増殖し、0.06mg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOX、0.18mg/mlのDPAの存在下で増殖し、0.06mg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOX、8μg/mlのRPXの存在下で増殖しない場合、検出試験は、この細菌によるクラスAカルバペネマーゼの発現を示す。
【0144】
腸内細菌が、0.06μg/mlのMEM、および0.1mg/mlのCLOXの存在下で増殖し、64μg/mlのTEM、0.25mg/mlのEDTAの存在下で増殖せず、0.06μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOX、0.25mg/mlのEDTAの存在下で増殖し、0.06μg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOX、8μg/mlのRPXの存在下で増殖しない場合、検出試験は、この細菌によるクラスAカルバペネマーゼの発現を示す。
【0145】
(非発酵性細菌)
非発酵性細菌が、1μg/mlのDOR、および0.1mg/mlのCLOXの存在下で増殖し、1μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOX、0.18mg/mlのDPAの存在下で増殖し、4μg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOX、5μg/mlのBLIの存在下で増殖し、8μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOX、4μg/mlのAVIの存在下で増殖しない場合、検出試験は、この細菌によるクラスAカルバペネマーゼの発現を示す。
【0146】
(実施例2)
(クラスBカルバペネマーゼ発現の同定)
(腸内細菌)
腸内細菌が、0.06μg/mlのMEM、および0.1mg/mlのCLOXの存在下で増殖し、0.06μg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOX、0.18mg/mlのDPAの存在下で増殖せず、0.03μg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOX、8μg/mlのRPXの存在下で増殖する場合、検出試験は、この細菌によるクラスBカルバペネマーゼの発現を示す。
【0147】
腸内細菌が、0.06μg/mlのMEM、および0.1mg/mlのCLOXの存在下で増殖し、64μg/mlのTEM、0.25mg/mlのEDTAの存在下で増殖せず、0.06μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOX、0.25mg/mlのEDTAの存在下で増殖せず、0.125μg/mlのDORの存在下で増殖する場合、検出試験は、この細菌によるクラスBカルバペネマーゼの発現を示す。
【0148】
(非発酵性細菌)
非発酵性細菌が、1μg/mlのDOR、および0.1mg/mlのCLOXの存在下で増殖し、1μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOX、0.18mg/mlのDPAの存在下で増殖しない場合、検出試験は、この細菌によるクラスBカルバペネマーゼの発現を示し、2μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOX中での増殖は、クラスBの発現を示す。
【0149】
非発酵性細菌が、1μg/mlのDOR、および0.1mg/mlのCLOXの存在下で増殖し、1μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOX、0.18mg/mlのDPA中で増殖しない場合、検出試験は、この細菌によるクラスBカルバペネマーゼの発現を示し、2μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOX中での増殖は、クラスBの発現を示す。
【0150】
(実施例3)
(クラスDカルバペネマーゼ発現の同定)
(腸内細菌)
腸内細菌が、0.06μg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOXの存在下で増殖し、0.06μg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOX、0.18mg/mlのDPAの存在下で増殖し、0.06μg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOX、8μg/mlのRPXの存在下で増殖し、0.06μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOX、4μg/mlのAVIの存在下で増殖しない場合、検出試験は、この細菌によるクラスDカルバペネマーゼの発現を示す。
【0151】
腸内細菌が、0.06μg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOXの存在下で増殖し、64μg/mlのTEM、0.25mg/mlのEDTAの存在下で増殖する場合、検出試験は、この細菌によるクラスDカルバペネマーゼの発現を示す。
【0152】
腸内細菌が、0.06μg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOXの存在下で増殖し、64μg/mlのTEM、0.25mg/mlのEDTAの存在下で増殖せず、0.06μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOX、0.25mg/mlのEDTAの存在下で増殖せず、0.125μg/mlのDORの存在下で増殖しない場合、検出試験は、この細菌によるクラスDカルバペネマーゼの発現を示す。
【0153】
(非発酵性細菌)
非発酵性細菌が、1μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOXの存在下で増殖し、1μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOX、0.18mg/mlのDPAの存在下で増殖し、4μg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOX、5μg/mlのBLIの存在下で増殖しない場合、検出試験は、この細菌によるクラスDカルバペネマーゼの発現を示す。
【0154】
非発酵性細菌が、1μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOXの存在下で増殖し、1μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOX、0.18mg/mlのDPAの存在下で増殖し、4μg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOX、5μg/mlのBLIの存在下で増殖しない場合、検出試験は、この細菌によるクラスDカルバペネマーゼの発現を示す。
【0155】
(実施例4)
(クラスA、BまたはDカルバペネマーゼ発現の同定)
(腸内細菌)
腸内細菌が、0.06μg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOXの存在下で増殖し、64μg/mlのTEM、0.25mg/mlのEDTAの存在下で増殖せず、0.06μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOX、0.25mg/mlのEDTAの存在下で増殖し、0.06μg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOX、8μg/mlのRPXの存在下で増殖し、0.5μg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOXの存在下で増殖する場合、検出試験は、この細菌によるクラスA、Bおよび/またはDカルバペネマーゼの発現を示す。
【0156】
(非発酵性細菌)
非発酵性細菌が、1μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOXの存在下で増殖し、1μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOX、0.18mg/mlのDPAの存在下で増殖し、4μg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOX、5μg/mlのBLIの存在下で増殖する場合、検出試験は、この細菌によるクラスA、Bおよび/またはDカルバペネマーゼの発現を示す。
【0157】
非発酵性細菌が、1μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOXの存在下で増殖し、1μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOX、0.18mg/mlのDPAの存在下で増殖し、4μg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOX、5μg/mlのBLIの存在下で増殖し、8μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOX、4μg/mlのAVIの存在下で増殖する場合、検出試験は、この細菌によるクラスA、Bおよび/またはDカルバペネマーゼの発現を示す。
【0158】
(インキュベーションの持続時間)
検出試験は、既定のインキュベーション期間にわたり実行される。一部の実施形態において、インキュベーション期間は、検出反応が完了するのにかかる時間である。一部の実施形態において、インキュベーション期間は、予め決定されており、使用者によって定義される。検出試験のためのインキュベーション時間は、約3時間から約16時間の範囲であってもよい。したがって、検出試験の増殖有りまたは増殖無しという帰結は、インキュベーション時間によって定義される時間枠以内に得られる。
【0159】
従来のアッセイ(例えば、プレートベースのアッセイ)は、抗生物質耐性細菌の同定のために、少なくとも16時間から約24時間またはそれ以上の時間を必要とする。対照的に、本開示は、より迅速な検出試験を提供する。例えば、各ウェル中の検出試験のための時間枠は、15分から3時間であるかまたはおよそその範囲である。一部の実施形態において、検出試験の持続時間は、約5時間から約10時間の範囲であってもよい。一部の実施形態において、腸内細菌のための検出試験の持続時間は、約6時間から約8時間の範囲である。一部の実施形態において、腸内細菌のための検出試験の持続時間は、約5時間から約7時間の範囲である。一部の実施形態において、非発酵性細菌のための検出試験の持続時間は、約8時間から約11時間の範囲である。一部の実施形態において、非発酵性細菌のための検出試験の持続時間は、約7時間から約14時間の範囲である。
【0160】
1つまたは複数の抗生物質および1つまたは複数の阻害剤の様々な組合せの存在下における細菌増殖の存在または非存在を測定することによって検出試験の結果を測定する1つまたは複数の検出器が提供される。検出器は、既定のインキュベーション期間とそれに続いて検出が実行されるまで、検出試験の結果を定期的に測定する。検出器は、迅速な自動化された様式で、増殖有り、または増殖無し、を検出する。例えば、検出器が複数のウェル中で検出試験の結果を測定するための時間枠は、約5分から約10分であってもよい。
【0161】
一部の実施形態において、検出器は、複数のウェルにおける検出試験の結果を、連続的に分析することができる。一部の実施形態において、検出器は、複数のウェルにおける検出試験の結果を、同時に分析することができる。複数のウェルにおける検出試験の結果を同時に分析することが、より効率的である。
【0162】
複数のウェルのそれぞれにおける検出試験は、酸化還元反応ベースであり、ウェル中の1つまたは複数の検出試薬は、増殖の非存在または存在の酸化還元反応ベースの検出を可能にする。一部の実施形態において、増殖を検出するための複数のウェルのそれぞれにおける検出試験は、複数のウェルのそれぞれにおける濁度に基づく。一部の実施形態において、増殖を検出するための複数のウェルのそれぞれにおける検出試験は、複数のウェルのそれぞれにおける酸化還元反応と濁度との組合せに基づく。
【0163】
酸化還元反応は、当技術分野において周知であり、原子の酸化状態が変更される化学反応を含む。酸化還元反応は、2つ以上の化学種間での電子の移動を含む。化学種から1つまたは複数の電子が移動すると、その化学種は酸化され、それに対して化学種に1つまたは複数の電子が移動すると、その化学種は還元される。濁度に基づく増殖の検出は、当技術分野において周知である。濁度に基づく増殖の検出の非限定的な例は、600nmの波長で光の吸光度を測定することを含む。
【0164】
酸化還元反応の非限定的な例としては、化合、分解、置換、酸化、および不均化型の酸化還元反応が挙げられる。一部の実施形態において、酸化還元反応は、pH、色などの変化に基づいていてもよい。
【0165】
検出器は、ウェル中の酸化還元反応の帰結を検出することによって、複数のウェルにおける検出試験の結果を分析する。検出器は、迅速な自動化された方式で、酸化還元反応の結果を分析する。
【0166】
一部の実施形態において、検出試験の帰結は、複数のウェルにおいて1つまたは複数の細菌が増殖することである。一部の実施形態において、検出試験の帰結は、複数のウェルにおけるサンプル中で1つまたは複数の細菌が増殖しないことである。
【0167】
これまでに開示されたアッセイは、腸内細菌に対してのみ使用することができる。対照的に、一部の実施形態において、検出試験は、腸内細菌に使用することができる。一部の実施形態において、検出試験は、非発酵性細菌に使用することができる。一部の実施形態において、検出試験は、腸内細菌および非発酵性細菌の両方に使用することができる。
【0168】
一部の実施形態において、検出試験は、異なるカルバペネマーゼのクラスの迅速な識別および同定を可能にするように自動化に改めることができる。一部の実施形態において、検出試験は、数時間以内でカルバペネマーゼ産生の表現型検出およびカルバペネマーゼのアンブラー分類を自動的に行うアルゴリズムと組み合わされる。
【0169】
1つまたは複数のアルゴリズムは、1つまたは複数の検出器からのデータを処理して、ウェル中の結果を問い合わせる。アルゴリズムは、データを処理するのにおよそ1分から10分を要する。ウェル中の細菌増殖の存在または非存在に基づいて、アルゴリズムは、ウェル中における増殖有り、または増殖無し、のアウトプットを提供する。一部の実施形態において、アルゴリズム全体のための時間枠は、約6時間から約12時間である。一部の実施形態において、アルゴリズム全体のための時間枠は、約5時間から約7時間である。
【0170】
本開示は終始「ウェル」中でなされる試験について述べているが、当業者であれば、多数の試験場所が本明細書で開示された試験にとって好適であり、それゆえに「ウェル」は非限定的であることを認識していると予想される。例えば、マイクロタイタープレート、キュベット、試験管、または当技術分野において公知の他のあらゆる好適な構造を使用することができる。
【0171】
実施例6(
図25)~実施例10(
図30)に、アルゴリズムの非限定的な例を提供する。アルゴリズム中の各「ボックス」は、本明細書で提供される検出試験のアッセイウェルを表す。
【0172】
(BD Phoenix(商標)CPOディテクトアルゴリズム)
一部の実施形態において、カルバペネマーゼのアンブラークラスの同定と共に、カルバペネマーゼ発現細菌の迅速な自動化された同定を可能にする1つまたは複数のアルゴリズムが提供される。自動化プラットフォームにアルゴリズムを包含させることによって、高いレベルの精度および結果までの時間の改善がもたらされた。
【0173】
一部の実施形態において、CPOディテクトを使用して得られた検出試験の結果を分析して解釈するのに本明細書で提供されるアルゴリズムの1つまたは複数を使用するコンピューターまたはコンピューターシステムが提供される。例えば、コンピューターは、複数のウェルで得られた検出試験の結果を問い合わせ、アルゴリズムで定義される通りに問い合わされた検出試験からの結果(例えば、増殖有り、または増殖無し)に基づいてアウトプットを提供する。システムに提供された検出試験結果は、所定時間枠以内での、検出試験の1つまたは複数のウェルにおいて、増殖陽性(G)、または増殖無し(NG)のいずれかである。問い合わされたウェルに関して提供された結果(増殖有り、または増殖無し)に基づいて、システムは、アルゴリズムで定義される通りに次の問い合わせに進む。システムは、アルゴリズム中のアウトプットポイントにシステムが到達するまで複数の試験結果を問い合わせ、そのポイントにきたらシステムはアウトプットの結果を生成する。
【0174】
以下に、アルゴリズムの非限定的な例(実施例5~実施例10)を提供する。アルゴリズム中の各「ボックス」は、1つまたは複数のカルバペネマーゼ阻害剤を伴う/伴わない、1つまたは複数の細菌、1つまたは複数の検出試薬、および1つまたは複数の抗生物質を含むインプットサンプルを含む、本明細書で提供される検出試験のウェル(または任意選択で平均数個の同一なウェル)を表す。例えば、
図25におけるボックス1は、1つまたは複数の腸内細菌、1つまたは複数の検出試薬、0.06μg/mlのMEM、および0.1mg/mlのCLOXを含むインプットサンプルの組合せを含む検出試験のウェルを表す。論じられるように、サンプルが腸内または非発酵性細菌を含むかどうかの判定は、当技術分野において公知の方法によって、例えば、スポットオキシダーゼ試験、MALDI-TOFおよびPhoenix IDシステムを含む生化学試験によってなされ得る。判定は、サンプルを試験に通す前に、またはサンプルを通した後になすことができる。本明細書で示されたアルゴリズムの例において、サンプルが腸内または非発酵性細菌を含有するかどうかの判定は、示されるアルゴリズムのステップの前または後のいずれかでなされる。一部の実施形態において、本明細書で示されたアルゴリズムは、サンプルが腸内または非発酵性細菌を含有するかどうかを先行して判定せずに試行することができる。試験が、判定されたCPO検出および/または細菌のタイプ(例えば、非発酵性または腸内)の分類を試験が試行された後に提供するのに適切ではない場合、その試験結果は、単に無視することができる。
【0175】
(実施例5)
図25で例示されるアルゴリズムのフローチャートは、サンプルがクラスA、BまたはDカルバペネマーゼを産生する腸内細菌を含有するかどうかを判定するのに使用される。ボックス1は、1つまたは複数の腸内細菌、0.06μg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOX、および1つまたは複数の検出試薬を含むインプットサンプルの組合せを含むウェルを表す。腸内細菌に関して
図25で示されるように、システムは、ボックス1における検出試験の結果を問い合わせることができる。ボックス1における試験の結果が増殖(G)である場合、システムは、サンプル中のクラスA、BまたはDカルバペネマーゼを産生する腸内細菌の存在を示す陽性のアウトプットの結果を報告する。ボックス1における試験の結果が増殖無し(NG)である場合、報告されたアウトプットの結果は、陰性であり、すなわちサンプルは、クラスA、BまたはDカルバペネマーゼを産生する腸内細菌を含有しない。本明細書で論じられるように、存在する細菌のタイプに応じて適したアルゴリズムが使用されるのを確実にするように、試験が試行される前または後のいずれにおいても、試験されている細菌が腸内であることを判定することによって、結果の報告が左右される。
【0176】
(実施例6)
(腸内細菌に関するカルバペネマーゼクラスの同定)
図26は、サンプル中の腸内細菌がカルバペネマーゼを産生するかどうか、産生するのであればどのクラスか、を判定するためのアルゴリズムの実施形態のフローチャートを例示する。腸内細菌に関して
図26で示されるように、システムがボックス1の試験の結果を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、ボックス2の試験の結果を問い合わせることに進むと予想される。ボックス2は、1つまたは複数の腸内細菌、0.06μg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOX、0.18mg/mlのDPA、および1つまたは複数の検出試薬を含むインプットサンプルの組合せを含むウェルを表す。システムがボックス2の試験の結果を問い合わせ、増殖無しが報告される場合、それは、ボックス5の試験の結果を問い合わせることに進むと予想される。ボックス5は、1つまたは複数の腸内細菌、0.03μg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOX、8μg/mlのRPX、および1つまたは複数の検出試薬を含むインプットサンプルの組合せを含むウェルを表す。システムがボックス5を問い合わせ、増殖無しが報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、サンプルがクラスAカルバペネマーゼを発現する腸内細菌を含有するという結果をアウトプットすると予想される。システムがボックス2を問い合わせ、増殖無しが報告される場合、それは、ボックス5の試験の結果を問い合わせると予想される。システムがボックス5を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、サンプルがクラスBカルバペネマーゼを発現する細菌を含有するという結果をアウトプットすると予想される。システムがボックス2を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、ボックス3の試験の結果に関して問い合わせると予想される。ボックス3は、1つまたは複数の腸内細菌、0.06μg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOX、8μg/mlのRPX、および1つまたは複数の検出試薬を含むインプットサンプルの組合せを含むウェルを表す。システムがボックス3を問い合わせ、増殖無しが報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、サンプルがクラスAカルバペネマーゼを発現する腸内細菌を含有するという結果をアウトプットすると予想される。システムがボックス3を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、ボックス4の結果を問い合わせることに進むと予想される。ボックス4は、1つまたは複数の腸内細菌、0.06μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOX、4μg/mlのAVI、および1つまたは複数の検出試薬を含むインプットサンプルの組合せを含むウェルを表す。システムがボックス4を問い合わせ、増殖無しが報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、サンプルがクラスDカルバペネマーゼを発現する腸内細菌を含有するという結果をアウトプットすると予想される。システムがボックス4を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは問い合わせを終わらせ、それは腸内細菌がカルバペネマーゼのどのクラスを発現するかを判定することができなかったという結果をアウトプットすると予想される。
【0177】
本明細書で論じられるように、存在する細菌のタイプに応じて適したアルゴリズムが使用されるのを確実にするように、試験が試行される前または後のいずれにおいても、試験されている細菌が腸内であることを判定することによって、結果の報告が左右される。
【0178】
(実施例7)
(腸内細菌に関するカルバペネマーゼクラスの同定)
図27は、サンプル中の腸内細菌がカルバペネマーゼを産生するかどうか、産生するのであればどのクラスかを判定するためのアルゴリズムの実施形態のフローチャートを例示する。腸内細菌に関して
図27で示されるように、システムがボックス1の試験の結果を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、ボックス6の試験の結果を問い合わせることに進むと予想される。ボックス6は、1つまたは複数の腸内細菌、64μg/mlのTEM、0.25mg/mlのEDTA、および1つまたは複数の検出試薬を含むインプットサンプルの組合せを含むウェルを表す。システムがボックス6の試験の結果を問い合わせ、増殖無しが報告される場合、それは、ボックス7の試験の結果を問い合わせることに進むと予想される。ボックス7は、1つまたは複数の腸内細菌、0.06μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOX、0.25mg/mlのEDTA、および1つまたは複数の検出試薬を含むインプットサンプルの組合せを含むウェルを表す。システムがボックス7の試験の結果を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、ボックス3の試験の結果を問い合わせることに進むと予想される。アルゴリズムがボックス3の試験の結果を問い合わせ、増殖無しが報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、サンプルがクラスAカルバペネマーゼを発現する腸内細菌を含有するという結果をアウトプットすると予想される。システムがボックス6の試験の結果を問い合わせ、増殖無しが報告される場合、それは、ボックス7の試験の結果を問い合わせることに進むと予想される。アルゴリズムがボックス7の試験の結果を問い合わせ、増殖無しが報告される場合、それは、ボックス9の試験の結果を問い合わせることに進むと予想される。ボックス9は、1つまたは複数の腸内細菌、0.125μg/mlのDOR、および1つまたは複数の検出試薬を含むインプットサンプルの組合せを含むウェルを表す。システムがボックス9の試験の結果を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、サンプルがクラスBカルバペネマーゼを発現する腸内細菌を含有するという結果をアウトプットすると予想される。システムがボックス6の試験の結果を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、サンプルがクラスDカルバペネマーゼを発現する腸内細菌を含有するという結果をアウトプットすると予想される。システムがボックス9の試験の結果を問い合わせ、増殖無しが報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、サンプルがクラスDカルバペネマーゼを発現する腸内細菌を含有するという結果をアウトプットすると予想される。システムがボックス3の試験の結果を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、ボックス8の試験の結果を問い合わせることに進むと予想される。ボックス8は、1つまたは複数の腸内細菌、0.5μg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOX、および1つまたは複数の検出試薬を含むインプットサンプルの組合せを含むウェルを表す。システムがボックス8の試験の結果を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、サンプルがクラスA、BまたはDカルバペネマーゼの1つまたは複数を発現する腸内細菌を含有するという結果をアウトプットすると予想される。システムがボックス8の試験の結果を問い合わせ、増殖無しが報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、それは、腸内細菌がカルバペネマーゼのどのクラスを発現するかを判定することができなかったという結果をアウトプットすると予想される。
【0179】
本明細書で論じられるように、存在する細菌のタイプに応じて適したアルゴリズムが使用されるのを確実にするように、試験が試行される前または後のいずれにおいても、試験されている細菌が腸内であることを判定することによって、結果の報告が左右される。
【0180】
(実施例8)
図28は、サンプルがクラスA、BまたはDカルバペネマーゼを産生する非発酵性細菌を含有するかどうかを判定するためのアルゴリズムの実施形態のフローチャートを例示する。ボックス10は、1つまたは複数の腸内細菌、1μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOX、および1つまたは複数の検出試薬を含むインプットサンプルの組合せを含むウェルを表す。非発酵性細菌に関して
図28で示されるように、システムは、ボックス10における検出試験の結果を問い合わせることができる。ボックス10における試験の結果が増殖(G)である場合、システムは、サンプル中のクラスA、BまたはDカルバペネマーゼを産生する腸内細菌の存在を示す陽性のアウトプットの結果を報告する。ボックス10における試験の結果が増殖無し(NG)である場合、報告されたアウトプットの結果は、陰性であり、すなわちサンプルは、クラスA、BまたはDカルバペネマーゼを産生する非発酵性細菌を含有しない。本明細書で論じられるように、存在する細菌のタイプに応じて適したアルゴリズムが使用されるのを確実にするように、試験が試行される前または後のいずれにおいても、試験されている細菌が非発酵性であることを判定することによって、結果の報告が左右される。
【0181】
(実施例9)
(非発酵性細菌に関するカルバペネマーゼクラスの同定)
図29は、サンプル中の非発酵性細菌がカルバペネマーゼを産生するかどうか、産生するのであればどのクラスかを判定するためのアルゴリズムの実施形態のフローチャートを例示する。非発酵性細菌に関して
図29で示されるように、システムがボックス10の試験の結果を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、ボックス11の試験の結果を問い合わせることに進むと予想される。ボックス11は、1つまたは複数の非発酵性細菌、1μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOX、0.18mg/mlのDPA、および1つまたは複数の検出試薬を含むインプットサンプルの組合せを含むウェルを表す。システムがボックス11の試験の結果を問い合わせ、増殖無しが報告される場合、それは、ボックス13の試験の結果を問い合わせると予想される。ボックス13は、1つまたは複数の非発酵性細菌、2μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOX、および1つまたは複数の検出試薬を含むインプットサンプルの組合せを含むウェルを表す。システムがボックス13の試験の結果を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、サンプルがクラスBカルバペネマーゼを発現する非発酵性細菌を含有するという結果をアウトプットすると予想される。システムがボックス11の試験の結果を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、ボックス12の試験の結果を問い合わせることに進むと予想される。ボックス12は、1つまたは複数の非発酵性細菌、4μg/mlのMEM、0.1mg/mlのCLOX、5μg/mlのBLI、および1つまたは複数の検出試薬を含むインプットサンプルの組合せを含むウェルを表す。システムがボックス12の試験の結果を問い合わせ、増殖無しが報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、サンプルがクラスDカルバペネマーゼを発現する非発酵性細菌を含有するという結果をアウトプットすると予想される。システムがボックス12の試験の結果を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、サンプルがクラスA、BまたはDカルバペネマーゼの1つまたは複数を発現する非発酵性細菌を含有するという結果をアウトプットすると予想される。システムがボックス13の試験の結果を問い合わせ、増殖無しが報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、それが、非発酵性細菌がカルバペネマーゼのどのクラスを発現するかを判定することができなかったという結果をアウトプットすると予想される。
【0182】
本明細書で論じられるように、存在する細菌のタイプに応じて適したアルゴリズムが使用されるのを確実にするように、試験が試行される前または後のいずれにおいても、試験されている細菌が非発酵性であることを判定することによって、結果の報告が左右される。
【0183】
(実施例10)
(非発酵性細菌に関するカルバペネマーゼクラスの同定)
図30は、サンプル中の非発酵性細菌がカルバペネマーゼを産生するかどうか、産生するのであればどのクラスかを判定するためのアルゴリズムの実施形態のフローチャートを例示する。非発酵性細菌に関して
図30で示されるように、システムがボックス10を問い合わせ、増殖を検出する場合、それは、ボックス11を問い合わせると予想される。システムがボックス11を問い合わせ、増殖を検出する場合、それは、ボックス12を問い合わせると予想される。システムがボックス12の試験の結果を問い合わせ、増殖を検出する場合、それは、ボックス14の試験の結果を問い合わせると予想される。ボックス14は、1つまたは複数の非発酵性細菌、8μg/mlのDOR、0.1mg/mlのCLOX、4μg/mlのAVI、および1つまたは複数の検出試薬を含むインプットサンプルの組合せを含むウェルを表す。システムがボックス14の試験の結果を問い合わせ、増殖無しが報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、サンプルがクラスAカルバペネマーゼを発現する非発酵性細菌を含有するという結果をアウトプットすると予想される。システムがボックス11の試験の結果を問い合わせ、増殖無しが報告される場合、それは、ボックス13の試験の結果を問い合わせることに進むと予想される。システムがボックス13の試験の結果を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、サンプルがクラスBカルバペネマーゼを発現する非発酵性細菌を含有するという結果をアウトプットすると予想される。システムがボックス11の試験の結果を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、ボックス12の試験の結果を問い合わせることに進むと予想される。システムがボックス12の試験の結果を問い合わせ、増殖無しが報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、サンプルがクラスDカルバペネマーゼを発現する非発酵性細菌を含有するという結果をアウトプットすると予想される。システムがボックス12の試験の結果を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、ボックス14の試験の結果を問い合わせることに進むと予想される。システムがボックス14の試験の結果を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、サンプルがクラスA、BまたはDカルバペネマーゼの1つまたは複数を発現する非発酵性細菌を含有するという結果をアウトプットすると予想される。システムがボックス13の試験の結果を問い合わせ、増殖無しが報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、それは非発酵性細菌がカルバペネマーゼのどのクラスを発現するかを判定することができなかったという結果をアウトプットすると予想される。
【0184】
本明細書で論じられるように、存在する細菌のタイプに応じて適したアルゴリズムが使用されるのを確実にするように、試験が試行される前または後のいずれにおいても、試験されている細菌が非発酵性であることを判定することによって、結果の報告が左右される。
【0185】
(実施例10.1)
(腸内細菌科および非発酵性株に関するカルバペネマーゼ検出)
図36は、腸内細菌科および非発酵性株のCPO検出に関するアルゴリズムの実施形態のフローチャートを示す。腸内細菌に関して
図36で示されるように、システムは、ボックス1における検出試験の結果を問い合わせることができる。ボックス1における試験の結果が増殖である場合、システムは、サンプル中のクラスA、BまたはDカルバペネマーゼを産生する腸内細菌の存在を示す陽性のアウトプットの結果を報告する。ボックス1における試験の結果が増殖無し(阻害)である場合、報告されたアウトプットの結果は、陰性であり、すなわちサンプルは、クラスA、BまたはDカルバペネマーゼを産生する腸内細菌を含有しない。非発酵性細菌に関して
図36で示されるように、システムは、ボックス10における検出試験の結果を問い合わせることができる。ボックス10における試験の結果が増殖である場合、システムは、サンプル中のクラスA、BまたはDカルバペネマーゼを産生する非発酵性細菌の存在を示す陽性のアウトプットの結果を報告する。ボックス10における試験の結果が増殖無し(阻害)である場合、報告されたアウトプットの結果は、陰性であり、すなわちサンプルは、クラスA、BまたはDカルバペネマーゼを産生する非発酵性細菌を含有しない。
【0186】
本明細書で論じられるように、存在する細菌のタイプに応じて適したアルゴリズムが使用されるのを確実にするように、試験が試行される前または後のいずれにおいても、試験されている細菌が腸内および/または非発酵性であることを判定することによって、結果の報告が左右される。
【0187】
(実施例10.2)
(腸内細菌科および非発酵性株に関するカルバペネマーゼ検出および腸内細菌科に関するアンブラー分類)
図37は、腸内細菌科および非発酵性株のCPO検出および腸内細菌科の分類に関するアルゴリズムの実施形態のフローチャートを示す。
図37におけるアルゴリズムは、
図36におけるアルゴリズムを基礎としている。腸内細菌に関して
図37で示されるように、システムは、ボックス1における検出試験の結果を問い合わせることができる。ボックス1における試験の結果が増殖である場合、システムは、サンプル中のクラスA、BまたはDカルバペネマーゼを産生する腸内細菌の存在を示す陽性のアウトプットの結果を報告する。ボックス1における試験の結果が増殖無し(阻害)である場合、報告されたアウトプットの結果は、陰性であり、すなわちサンプルは、クラスA、BまたはDカルバペネマーゼを産生する腸内細菌を含有しない。非発酵性細菌に関して
図37で示されるように、システムは、ボックス10における検出試験の結果を問い合わせることができる。ボックス10における試験の結果が増殖である場合、システムは、サンプル中のクラスA、BまたはDカルバペネマーゼを産生する非発酵性細菌の存在を示す陽性のアウトプットの結果を報告する。ボックス10における試験の結果が増殖無し(阻害)である場合、報告されたアウトプットの結果は、陰性であり、すなわちサンプルは、クラスA、BまたはDカルバペネマーゼを産生する非発酵性細菌を含有しない。
【0188】
図37におけるアルゴリズムは、腸内細菌によって産生されたカルバペネマーゼのクラスの判定をさらに可能にする。腸内細菌に関して
図37で示されるように、システムがボックス1の試験の結果を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、ボックス6の試験の結果を問い合わせることに進むと予想される。システムがボックス6を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、サンプルがクラスDカルバペネマーゼを発現する腸内細菌を含有するという結果をアウトプットすると予想される。システムがボックス6の試験の結果を問い合わせ、増殖無し(阻害)が報告される場合、それは、ボックス7の試験の結果を問い合わせることに進むと予想される。システムがボックス7を問い合わせ、増殖無し(阻害)が報告される場合、それは、ボックス9の試験の結果を問い合わせることに進むと予想される。システムがボックス9を問い合わせ、増殖無し(阻害)が報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、サンプルがクラスDカルバペネマーゼを発現する腸内細菌を含有するという結果をアウトプットすると予想される。システムがボックス7を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、ボックス3の試験の結果を問い合わせると予想される。システムがボックス3を問い合わせ、増殖無し(阻害)が報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、サンプルがクラスAカルバペネマーゼを発現する腸内細菌を含有するという結果をアウトプットすると予想される。システムがボックス9を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、サンプルがクラスBカルバペネマーゼを発現する腸内細菌を含有するという結果をアウトプットすると予想される。システムがボックス3を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、それは、腸内細菌がカルバペネマーゼのどのクラスを発現するかを判定することができなかったという結果をアウトプットすると予想される。
【0189】
本明細書で論じられるように、存在する細菌のタイプに応じて適したアルゴリズムが使用されるのを確実にするように、試験が試行される前または後のいずれにおいても、試験されている細菌が腸内細菌および/または非発酵性細菌であることを判定することによって、結果の報告が左右される。
【0190】
(実施例10.3)
(腸内細菌科および非発酵性株に関するカルバペネマーゼ検出およびアンブラー分類)
図38は、腸内細菌科および非発酵性株のCPO検出ならびに腸内細菌科および非発酵性株の分類に関するアルゴリズムの実施形態のフローチャートを示す。
図38におけるアルゴリズムは、
図37におけるアルゴリズムを基礎としている。
【0191】
図37に関して記載された手順および結果に加えて、
図38におけるアルゴリズムは、非発酵性細菌によって産生されたカルバペネマーゼのクラスの判定をさらに可能にする。腸内細菌に関して
図38で示されるように、システムがボックス10の試験の結果を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、ボックス11の試験の結果を問い合わせることに進むと予想される。システムがボックス11を問い合わせ、増殖無し(阻害)が報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、サンプルがクラスBカルバペネマーゼを発現する非発酵性細菌を含有するという結果をアウトプットすると予想される。システムがボックス11の試験の結果を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、ボックス12の試験の結果を問い合わせることに進むと予想される。システムがボックス12を問い合わせ、増殖無し(阻害)が報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、サンプルがクラスDカルバペネマーゼを発現する非発酵性細菌を含有するという結果をアウトプットすると予想される。システムがボックス12を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、ボックス14の試験の結果を問い合わせることに進むと予想される。システムがボックス14を問い合わせ、増殖無し(阻害)が報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、サンプルがクラスAカルバペネマーゼを発現する非発酵性細菌を含有するという結果をアウトプットすると予想される。システムがボックス14を問い合わせ、増殖が報告される場合、それは、問い合わせを終わらせ、それが、非発酵性細菌がカルバペネマーゼのどのクラスを発現するかを判定することができなかったという結果をアウトプットすると予想される。
【0192】
本明細書で論じられるように、存在する細菌のタイプに応じて適したアルゴリズムが使用されるのを確実にするように、試験が試行される前または後のいずれにおいても、試験されている細菌が腸内および/または非発酵性であることを判定することによって、結果の報告が左右される。
【0193】
(実施例10.4)
(腸内細菌科および非発酵性株に関するカルバペネマーゼ検出ならびに非発酵性株に関するアンブラー分類)
図39は、腸内細菌科および非発酵性株のCPO検出ならびに非発酵性株の分類に関するアルゴリズムの実施形態のフローチャートを示す。
図39におけるアルゴリズムは、腸内細菌の分類のためのアルゴリズムの一部が包含されていないことを除いて
図38と同じである。
【0194】
(実施例11)
(BD Phoenix(商標)CPOディテクト試験とbioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NP試験との比較)
この実施例におけるデータは、現在の臨床的な必要性を満たすために、BD Phoenix(商標)CPOディテクトの性能を査定するように設計された研究に関する。本明細書で開示されたように、BD Phoenix(商標)CPOディテクト試験は、CPO検出とカルバペネマーゼ分類の両方を提供して操作員の時間を低減し、カルバペネマーゼの報告を迅速化するために、感度パネルに統合するように設計される。比較試験は、カルバペネマーゼを検出するが、それを分類しない現在市販されている独立型試験であるbioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NP試験であった。したがって、BD Phoenix(商標)CPOディテクトIUOパネルと、bioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NP試験とを、精度およびワークフローに対する影響に関して比較した。
【0195】
(実施例11.1)手法
BD Life Sciences、Sparks、MDの試験所で、試験所およびコンピューティング支援を提供するBDの調査スタッフにより研究を実行した。GKID Inc.が、両方の試験のための接種物を調製し、全てのbioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NP試験を解釈した。BDスタッフは、bioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NP試験のいかなる局面にも関与しなかった。両方の試験を盲検化し、製造元の推奨に従って実行した。接種物は、不安定な単離株におけるカルバペネマーゼをコードするプラスミドの保持を強化するために使用されたイミペネムディスクに隣接してBD血液寒天プレート上で終夜増殖させたものから調製された。
【0196】
bioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NP試験は、時には解釈が困難であった。陽性試験の製造元の定義は、試験ウェルと試験対照ウェルとの間で「有意な色の変動」が生じることである。これは有意な色の変動と有意ではない色の変動との境界をもたらさなかったため、この定義は問題であった。例えば、陽性試験をもたらすと予想されるE.クロアカエ(E.cloacae)0164(IMIクラスAカルバペネマーゼ)、陽性試験をもたらすと予想される大腸菌0104(KPCクラスAカルバペネマーゼ)、陰性試験をもたらすと予想される大腸菌0058(ESBL)、および陰性試験をもたらすと予想される肺炎桿菌G1673(CMY-2プラスミド媒介AmpC)を用いたところ、有意な色の変動は観察されなかった。この理由のために、ボーダーラインの結果は、陽性(解釈1)として解釈され、また陰性(解釈2)としても解釈された。これは、bioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NPの結果の2つのセットを提供する。
【0197】
(実施例11.2)単離株
294の単離株に加えて3つの品質管理株を試験した。試験単離株は、単一のカルバペネマーゼを産生する腸内細菌科、緑膿菌およびアシネトバクター・バウマンニに属する236の単離株、2つのカルバペネマーゼを産生する7つ、ならびに51の陰性対照で構成された。表1.1、表1.2および表1.3に、単離株のタイプの要約(各種に属する単離株の数、加えて、耐性メカニズムのグループ)を提供する。表1.3に、表1.1~1.3のためのメカニズムの記号を提供する。
【0198】
単離株を、以下から得た:
【0199】
カルバペネマーゼおよび非カルバペネマーゼ産生グラム陰性桿菌のFDA/CDCチャレンジパネル;
【0200】
GKID Inc.によって提供されたカルバペネマーゼおよび非カルバペネマーゼ産生グラム陰性桿菌の十分特徴付けられた単離株;および
【0201】
ATCC品質管理単離株:
【0202】
肺炎桿菌BAA-1705(陽性、KPC)-両方の試験に使用される。
【0203】
肺炎桿菌ATCC700603(陰性)-両方の試験に使用される。
【0204】
大腸菌ATCC BAA2452(陽性、NDM-1)-BD Phoenix(商標)CPOディテクトのみに使用される。
【0205】
これらは慣例的な臨床分離株ではなかった。これらは、診断能力の極端な試験を提供するために選ばれた。参照標準は、分子、表現型、および生化学の試験による先行の特徴付けであった。KPC、NMC-A、IMIおよびSME酵素を包含するクラスAカルバペネマーゼの110の産生株、NDM、GIM、SPM、IMP、およびVIM酵素を包含するクラスBカルバペネマーゼ(メタロ-β-ラクタマーゼ)の91の産生株、OXA-23、40、48、58、72、181、および232を包含するクラスDカルバペネマーゼの35の産生株、ならびに2つのカルバペネマーゼを産生する7つの単離株が存在した。51の陰性対照(35のAmpCおよび16の他の非AmpC)は、ESBL、AmpC(過剰産生株を包含する)、K1、広帯域β-ラクタマーゼおよびポリン突然変異体を産生した。
【0206】
【0207】
【0208】
【0209】
【0210】
(実施例11.3)全てのカルバペネマーゼの検出の感度
試験単離株の一部における極端な診断の困難さを考慮すれば、このようにして得られたBD Phoenix(商標)CPOディテクトおよびbioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NPの両方の結果は、カルバペネマーゼの全てのタイプの検出のための総合的な感度の観点で傑出していた。
【0211】
BD Phoenix(商標)CPOディテクトは、97.1%の感度を達成した(243のCPOのうち236が検出された)。bioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NP試験に関する感度は、解釈1を使用した場合98.8%であり、解釈2を使用した場合97.1%であった。
【0212】
(実施例11.4)カルバペネマーゼの分子クラスの検出の感度
BD Phoenix(商標)CPOディテクトおよびbioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NPの両方の検出の感度は、カルバペネマーゼの各分子クラスの観点で非常に良好であった。BD Phoenix(商標)CPOディテクトは、1つの単離株の緑膿菌G15303に関するパネルを中断した。慣例的な臨床試験所では、即座にこの単離株に反復試験が実行され結果が得られると予想される。
【0213】
(クラスAカルバペネマーゼ検出の感度)
BD Phoenix(商標)CPOディテクトは、クラスAカルバペネマーゼ産生株の97.3%(110の単離株に対して107)の検出の感度を達成した。bioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NPは、解釈1を使用した場合100.0%(110の単離株に対して110)の感度を達成し、解釈2を使用した場合98.2%(110の単離株に対して108)の感度を達成した。この極めて難度の高い評価におけるクラスA産生株の97.3%の検出は、意義がある成果である。
【0214】
クラスA検出のBD Phoenix(商標)CPOディテクトの感度に関して、以下の3つのKPC(クラスA)産生株は偽陰性の結果をもたらした。
【0215】
C.フロインディ(C.freundii)G1706-この単離株は、1μg/mlの相対的に低いエルタペネムのMICを有していた(ほとんどのCPOは>1μg/mlであった)。メロペネムのMIC(0.25μg/ml)はCPOに関して異常に低かった。イミペネムのMICは顕著に上昇したが(2μg/ml)、耐性範囲内ではなかった。このタイプのCPOは、カルバペネムの加水分解を検出できない試験で検出することが難しい。これは、メロペネムが試験された唯一のカルバペネムである場合、疑いを生じさせなかったと予想される。
【0216】
KPC-4産生肺炎桿菌G1511-KPC-4は、弱い活性の酵素である。MICがはっきりと上昇したため(エルタペネム>1;イミペネム4;メロペネム2μg/ml)、単離株は、カルバペネムに感受性を有するとして不当に報告されないと予想される。これは、ほとんどの表現型試験にとって、CPOとして確認することが極めて難しい単離株である。
【0217】
K.オキシトカ(K.oxytoca)0147-この単離株は、エルタペネム>1;イミペネム>8;メロペネム>8μg/mlの、高いスケール外のカルバペネムのMICを有していたことから、カルバペネムに感受性を有するとして不当に報告されないと予想される。なぜそのカルバペネマーゼ産生の可能性が認識されなかったかは不明である。
【0218】
これらの3つの単離株は、現在のところ強力なアルゴリズムを生成するのに利用可能なデータがわずかしかない可能性があることから、あまり一般的なタイプのCPOではない。それらのうち2つは、明白にカルバペネムに感受性を有さないとして報告されると予想され、それゆえにカルバペネム療法の候補ではないと予想される。
【0219】
(クラスBカルバペネマーゼ検出の感度)
BD Phoenix(商標)CPOディテクトは、クラスB産生株の95.6%(91の単離株に対して87)の検出の感度を達成した。bioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NPは、解釈1および2を使用して98.9%(91の単離株に対して90)の感度を達成した。
【0220】
クラスB検出のBD Phoenix(商標)CPOディテクトの感度に関して、4つのクラスB(メタロ-β-ラクタマーゼ)産生株は偽陰性の結果をもたらした。3つ(2つの緑膿菌および1つのP.ミラビリス(P.mirabilis))は、高いカルバペネムのMICを有していたことから、カルバペネム感受性を有するとして報告されないと予想される。それらの表現型は、非カルバペネマーゼメカニズムによって付与されたものに類似していたことから、それらをCPOとして認識するのを難しくした可能性がある。第4の単離株であるE.クロアカエG1691は、低いMEMのMICを有していたことから、これが試験された唯一のカルバペネムであった場合、CPOとして疑いを生じさせなかった可能性がある。
【0221】
4つの単離株は、以下の通りであった。
【0222】
IMP-8産生E.クロアカエG1691:ERT>1;IMP4;およびMEM0.5μg/mlの上昇したMICにもかかわらず、この生物の異常な表現型、特に、低いが上昇したMEMのMICは、偽陰性試験に寄与した可能性がある。
【0223】
VIM産生緑膿菌G15557およびVIM-2産生緑膿菌:これらは、同一な表現型、すなわちERT>1;IMP>8;MEM4μg/mlを有していた。これは、OprDポリン産生の低減に関連する頻繁に遭遇する表現型である。これは、偽陰性試験に寄与した可能性がある。
【0224】
第4の単離株は、IMP-27産生プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)であった。ERT>1;IMP8;MEM>8μg/mlのカルバペネムのMICは、この種のイミペネムに対する固有の低下した感受性とははっきりと異なっていたが、他のカルバペネムに関してはそうではなかった。不規則な表現型は、カルバペネマーゼ産生の疑いを引き起こしたと予想されるが、IMP-27は、表現型試験での検出が極めて難しいカルバペネマーゼである。
【0225】
(クラスDカルバペネマーゼ検出の感度)
BD Phoenix(商標)CPOディテクトおよびbioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NPはいずれも、アシネトバクター属菌および腸内細菌科によるクラスDカルバペネマーゼ産生を検出することに関して優秀であった。
【0226】
BD Phoenix(商標)CPOディテクトは、クラスD産生株の100%(35の単離株に対して35)の検出の感度を達成した。クラスDカルバペネマーゼは弱い活性しかなく、一部の現在の試験で検出することは非常に難しいかほとんど不可能であるため、クラスD産生は最も難しい診断上の課題を提供することを考えれば、これはとりわけ先例がないことである。
【0227】
bioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NPは、解釈1および2を使用して94.3%(35の単離株に対して33)を達成した。bioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NPは、2つのOXA-48様産生株を見逃した。
【0228】
(2つのカルバペネマーゼを産生する単離株の検出の感度)
2つのカルバペネマーゼを産生する全ての7つの単離株は、BD Phoenix(商標)CPOディテクトおよびbioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NPの両方によってカルバペネマーゼ陽性として報告された。
【0229】
(実施例11.5)全てのカルバペネマーゼの検出の特異度
陰性対照単離株の極めて困難な性質が、通常より低い特異度に寄与していた。BD Phoenix(商標)CPOディテクトは、68.6%(51の単離株に対して35)の特異度をもたらした。bioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NPは、解釈1を使用して60.8%(51の単離株に対して31)の特異度をもたらし、解釈2を使用して78.4%(51の単離株に対して40)の特異度をもたらした。
【0230】
両方の試験は、AmpC産生株および非AmpC産生株の両方を用いた場合、問題を有していた。AmpC産生株の場合、BD Phoenix(商標)CPOディテクトは、74.3%(35の単離株に対して26)の特異度をもたらし、bioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NPは、解釈1を使用して57.1%(35の単離株に対して20)の特異度をもたらし、解釈2を使用して77.1%(35の単離株に対して27)の特異度をもたらした。
【0231】
他の非AmpC産生株の場合、BD Phoenix(商標)CPOディテクトは、43.8%(16の単離株に対して7)の特異度をもたらし、bioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NPは、解釈1および2を使用して62.5%(16の単離株に対して10)の特異度をもたらした。
【0232】
表2に、偽陽性結果をもたらす単離株、それらの耐性メカニズムの特徴付けおよびそれらのカルバペネムのMICを列挙する。高いレベルのAmpC産生に起因する偽陽性結果は、多くのカルバペネマーゼ検出試験にとって問題である。高いレベルのAmpC産生それ自体は、BD Phoenix(商標)CPOディテクト試験を用いた場合、偽陽性結果を説明しない。この試験は、非常に高いレベルのAmpC産生株である大腸菌G1634およびG1700に関しては、正しく陰性の呼び出しをもたらした。これは、他のAmpC産生株での偽陽性結果に関する説明として、AmpC産生を除外する傾向になる。同様に、ESBL産生株に関する偽陽性結果がESBL産生そのものによって引き起こされた可能性は低い。より考えられる説明は、これらの単離株に関する偽陽性結果はポリン突然変異に起因していたということである。わずかながら考えられる説明は、カルバペネムを加水分解する広域AmpCの産生である。他の考えられる説明は、クラスBカルバペネマーゼ検出試験におけるキレート化剤による阻害である。これは、ESBLまたはAmpC産生株の試験がクラスBカルバペネマーゼ産生に関して偽陽性になるという結果を引き起こす可能性がある。
【0233】
表2に列挙した単離株の同定は、説明としてのポリン突然変異の可能性に対する裏付けを追加するものである。17の単離株のうち15は、肺炎桿菌、大腸菌およびエンテロバクター属菌であった。これらのなかでも肺炎桿菌は、ポリン突然変異がカルバペネムのMIC、特にエルタペネムおよびメロペネムのMICを上昇させる腸内細菌科の最も一般的なメンバーである。また大腸菌およびエンテロバクター属菌は、ポリン突然変異を起こす傾向が比較的高い。表2において、全ての単離株が、少なくとも1つのカルバペネムの上昇したスケール外のMICを有し、ほとんどが、全てのカルバペネムのスケール外のMICを有する。ポリン突然変異の確認は通常、冗長で費用がかかり、技術的に難しいため、試みられない。ポリン突然変異体とカルバペネマーゼ産生株とを区別することは、カルバペネム加水分解の存在または非存在を検出する試験によって最も良好に達成される。
【0234】
P.ミラビリスG1745に関する偽陽性結果は、場合によってはソフトウェア編集を用いて修正することができる。この単離株は、エルタペネムおよびメロペネムより特徴的に高いイミペネムのMICを有する種の典型である。この単離株に関してイミペネムのMICのみが上昇したことは、カルバペネマーゼによって引き起こされた可能性は低い。
【0235】
【0236】
(実施例11.6)カルバペネマーゼの分類
分子クラスA、BおよびDへのカルバペネマーゼの分類は、治療上の重要性を有する。これはまた、感染制御、疫学および調査にとっても有用である。カルバペネマーゼ産生のタイプを分類するそれらの能力について、4つのBD Phoenix(商標)CPOディテクトアルゴリズムを分析した。
【0237】
bioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NP試験は、カルバペネマーゼを分類できない。現在のところ、BD Phoenix(商標)CPOディテクトのカルバペネマーゼを分類する能力は他に類を見ない。このタイプの試験を評価するための規格はない。実際に、いかなる正しいカルバペネマーゼの分類も、臨床上の利益を有する可能性がある。
【0238】
アルゴリズム1は、腸内細菌科をクラスA、BまたはDに分類した(
図32)。アルゴリズム1は、非発酵性株をクラスBまたはDのみに分類した(
図33)。アルゴリズム2は、腸内細菌科(
図34)および非発酵性株(
図35)の両方をクラスA、BまたはDに分類した。アルゴリズム3は、アルゴリズム1と同じであるが、BD Phoenix(商標)CPOディテクトが「回答なし」の結果を生じる可能性があることを除く(腸内細菌科については
図26、および非発酵性株については
図29)。アルゴリズム4は、アルゴリズム2と同じであるが、BD Phoenix(商標)CPOディテクトが「回答なし」の結果を生じる可能性があることを除く(腸内細菌科については
図27、および非発酵性株については
図30)
【0239】
アルゴリズム1~4(
図26、
図27、
図29、
図30および
図32~
図35)は、例示的であり、非限定的である。アルゴリズム1~4(
図26、
図27、
図29、
図30および
図32~
図35)で提供される抗生物質濃度は、表2.1で開示された抗生物質の濃度範囲内であった。アルゴリズム1~4(
図26、
図27、
図29、
図30および
図32~
図35)および表2.1において、CLOXの濃度は100μg/mLであり、DPAは178μg/mLであり、AVIは4μg/mLであり、BLIは5μg/mLであり、EDTAは250μg/mLであり、RPXは8μg/mLであった。
【0240】
【0241】
アルゴリズム1~4(
図26、
図27、
図29、
図30および
図32~
図35)は、これまでに
図25~
図30で説明したようにして作動する。例えば、アルゴリズム1~4における各「ボックス」(例えば、
図32におけるボックス1)は、1つまたは複数のカルバペネマーゼ阻害剤を伴う/伴わない、1つまたは複数の細菌、1つまたは複数の検出試薬、および1つまたは複数の抗生物質を含むインプットサンプルを含む、本明細書で提供される検出試験のウェル(または任意選択で平均数個の同一なウェル)を表す。システムに提供された検出試験結果は、所定時間枠以内での、検出試験の1つまたは複数のウェルにおける、増殖陽性(G)または増殖無し(NG)のいずれかである。問い合わされたウェルに関して提供された結果(増殖有り、または増殖無し)に基づいて、システムは、アルゴリズムで定義される通りに次の問い合わせに進む。システムは、アルゴリズム中のアウトプットポイントにシステムが到達するまで複数の試験結果を問い合わせ、そのポイントにきたらシステムはアウトプットの結果を生成する。
【0242】
表3は、7つの二重カルバペネマーゼ産生株を除いた全ての単離株に関するアルゴリズムの結果を要約する。表3の左側に、良好な結果、すなわち、正しい分類、正しい陰性の結果、未分類のカルバペネマーゼ(タイプ未分類)、および分類されたかまたは未分類かどうか(すなわち、カラム「A、B、Dまたはタイプ不明」/タイプ未分類の欄に割り振られる)にかかわらず正しい検出の合計を記載する。
【0243】
【0244】
全てのアルゴリズムは、うまく機能して、クラスA産生CPOの少なくとも80%を同定した。アルゴリズム2および4は、クラスA産生株の110のうち91(82.7%)を正しく分類したことから、アルゴリズム1および3(81.2%)よりわずかに正確であった。誤分類の発生率は非常に低く、臨床上重要なことに、クラスA産生株として誤って分類された単離株はクラスB産生株ではなかった。1つの単離株、OXA-40産生A.バウマンニ(A.Baumannii)G1734だけが、アルゴリズム2および4を用いたところ偽陽性のクラスAの結果を生じた。3つの単離株、CTX-M-9産生大腸菌0086、CMY産生P.ミラビリスG1745およびAmpC過剰産生M.モルガニイ(M. morganii)G1751が、アルゴリズム1および3を用いたところ偽陽性のクラスAの結果を生じた。クラスA産生CPOを高いレベルで同定する精度は、セフタジジム/アビバクタム療法の利用可能性が、重要であるが現在のところ未だ満たされていない臨床的な必要性を満たすことを示す。
【0245】
全てのアルゴリズムが、クラスB産生株の91のうち63(69.2%)を正しく分類した。これは、セフタジジム/アビバクタムを使用すべきではない場合を同定するのに有用である。これは結果的に、患者が、効果がないセフタジジム/アビバクタム療法を受けないようにすることによって命を救うことができる。偽陽性のクラスB分類の帰結としては、有効なセフタジジム/アビバクタム療法の開始または代替的な抗CPO療法の開始を遅延させる可能性があることが挙げられる。一般的に、これらは、追加の試験(例えば分子の)が実行されるまでの間にのみ当てはまり得る、生命を脅かすほどではない帰結であると予想される。アルゴリズム2および4は、13の偽陽性結果を示したが、これは、アルゴリズム1および3における偽陽性の数の2倍を超えるほどの多さであった。総合すると、クラスB産生株の同定におけるBD Phoenix(商標)CPOディテクトの性能は、臨床上の利益に関するかなりの可能性と、患者を重篤なリスクの状態にする最小の可能性を提供する。
【0246】
アルゴリズム2は、ほとんどのクラスD産生株を正しく分類し、すなわち35の単離株のうち31(88.6%)でそうであった。全てのカルバペネマーゼのなかでも、これらは、分類はもちろんのこと検出することが最も難しい。クラスD産生株での全てのアルゴリズムの性能は素晴らしいものであった。偽陽性クラスDの呼び出しは、不必要な分離を引き起こす可能性がある。アルゴリズム2および4は、それぞれ4つの不正確な呼び出しがあったが、それぞれ20の偽陽性の呼び出しを生じたアルゴリズム1および3より優れていた。またアルゴリズム3および4の「回答なし」の結果も、それが利益も損害も付与しないという点で役に立たない。
【0247】
全てのアルゴリズムが、51のカルバペネマーゼ陰性単離株のうち33(64.7%)を陰性と正しく報告した。慣例的な臨床性能において、この研究と比べて診断の困難さがよりかなり低いはずである場合、正しい陰性の結果のパーセントは、それより有意に高いはずである。
【0248】
まとめると、全てのアルゴリズムが、クラスAおよびクラスDカルバペネマーゼの少なくとも80%、ならびにクラスBカルバペネマーゼのほぼ70%を正しく分類した。これは、表現型試験において重要な成果および大きな進歩である。総合すると、アルゴリズム2は、カルバペネマーゼを正しく分類することに関してその他のアルゴリズムよりわずかに優れており、それはまた、最も良好な試験を提供した。
【0249】
表4.1および表4.2にそれぞれ、不正確な分類をもたらしたカルバペネマーゼ産生および非カルバペネマーゼ産生単離株ならびにそれらのカルバペネムのMICを示す。この研究における非常に検出が難しいCPOの展望において、試験された244のCPOのうち7つの偽陰性率(2.9%)は、驚くほどのものではない。カルバペネマーゼ検出試験は完璧ではないが、偽陰性率を1%に下げることが望ましい。各アルゴリズムによるこれらの7つの偽陰性の結果とは別に、他の不正確な分類は、損害を引き起こす可能性は最小である。
【0250】
【0251】
【0252】
(実施例11.7)非発酵性株対腸内細菌科に関するアルゴリズムの性能
実施例11.6に記載されるアルゴリズムを、単一のカルバペネマーゼを産生する非発酵性株および腸内細菌科を分類するそれらの能力に関して試験した。非発酵性株、例えば緑膿菌およびA.バウマンニは、クラスAおよびクラスBカルバペネマーゼの予想外のリザーバである可能性があり、またA.バウマンニも、内因性のクラスDカルバペネマーゼを有し、伝播性の他のクラスDカルバペネマーゼを獲得している可能性がある。非発酵性株によって産生されたカルバペネマーゼの正確な検出は、重要であるが技術的に難しい課題である。これは、カルバペネム耐性の他のメカニズムがカルバペネマーゼと同じ表現型を生じる可能性があるためである。
【0253】
表5.1および表5.2で示されるように、腸内細菌科のカルバペネマーゼの分類は、非発酵性株の場合より高いレベルの精度を達成することができた。しかしながら、それらの多数の単離株およびβ-ラクタマーゼ産生のタイプにおいて各生物グループ間で差があることから、比較は理想的なものではなかった。これは、クラスA産生株(非発酵性株の場合の5つに対して、腸内細菌科の場合は105)、陰性対照単離株(非発酵性株の場合の0に対して、腸内細菌科の場合は51)、およびCPOの総数(非発酵性株の場合の51に対して、腸内細菌科の場合の185)に関して得られた数が大きく異なっていたことに反映されている。
【0254】
【0255】
【0256】
アルゴリズム2は、生物の両方のグループにとって最良の総合的なアルゴリズムのようであった。これは、クラスA産生株でうまく機能し、非発酵性株グループにおいて全5つおよび腸内細菌科グループにおいて81.9%を正しく分類した。これは、非発酵性株(61.3%)よりも良好に腸内細菌科のクラスB産生株(73.3%正しい)を正しく分類し、腸内細菌科のクラスD産生株を分類することにおいてもより正確であった(90.9%対78.6%)。
【0257】
(実施例11.7)2つのカルバペネマーゼを産生する単離株に関するアルゴリズム性能
2つのカルバペネマーゼを産生する7つの単離株は以下の通りであった:
A.バウマンニ0063:OXA-23+OXA-40
A.バウマンニ0083:OXA-23+NDM
肺炎桿菌0068:OXA-181+NDM
肺炎桿菌0153:OXA-232+NDM
肺炎桿菌G15406:OXA-181+NDM
E.クロアカエG6809:KPC-18+VIM-1
E.クロアカエG6810:KPC-18+VIM-1。
【0258】
表6に、各アルゴリズムに対するカルバペネマーゼ分類の分布を示す。
【0259】
【0260】
各単離株を、試験の陽性/陰性フェーズにおいてカルバペネマーゼ陽性として正しく報告した。アルゴリズム1、2および4は、全ての単離株を、いずれかの分子クラスまたはカルバペネマーゼ陽性のタイプ不明のカテゴリーに割り振った。アルゴリズム2および4は、7つの単離株のうち5つを特定のカルバペネマーゼクラスの産生株として分類し、アルゴリズム1および3はそれぞれ、1つのみの単離株を特定のクラスに割り振った。アルゴリズム3は、5つの単離株を「回答なし」のカテゴリーに割り振った。
【0261】
アルゴリズムがCPOをカルバペネマーゼ産生の特定のクラスに割り振ったそれぞれのケースにおいて、それは、2つのカルバペネマーゼのうち1つにつき正しいクラスであるか、または2つのクラスDカルバペネマーゼを産生したA.バウマンニ0063のケースにおいて、それは、両方のカルバペネマーゼにとって正しかった。二重カルバペネマーゼ産生株に関する分類の傾向を分析するのに十分な単離株ではなかったが、カルバペネマーゼをクラスDに割り振るために可能な選択のようであった。
【0262】
(実施例11.8)ワークフローの比較
BD Phoenix(商標)CPOディテクトは、bioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NP試験より必要な手動の時間がより短く、さらにこの試験は、パネルを機器にローディングした後に操作員の関与を必要としないため、待ち時間を含まなかった。BD Phoenix(商標)CPOディテクトの試験1回当たりの手動の時間は、1分34秒であったが、それと比較して、bioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NPの試験1回当たりの手動の時間は、30分のインキュベーション期間後の陽性(すなわち完了)の試験で2分3秒であり、そして30分で陰性の試験で2分24秒であり、したがって、追加の処理とインキュベーションを必要とする。表7に、ワークフロー分析の要約を提供する。
【0263】
【0264】
(実施例11.9)展望/要約/結論
この実施例は、自動化BD Phoenix CPOディテクト試験およびbioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NP試験による、カルバペネマーゼ産生生物(CPO)を検出および分類する能力を比較するために設計された研究の結果を提供する。BD Phoenix(商標)CPOディテクトは、カルバペネマーゼを検出および分類するための感受性パネルと統合された革新的な試験である。bioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NP試験は、独立型カルバペネマーゼ検出試験である。腸内細菌科、緑膿菌およびアシネトバクター・バウマンニの294の研究単離株を選択したところ、診断は極めて困難なものとなった。これらはこれまでに、β-ラクタマーゼ産生のタイプに関して、分子試験、表現型の試験、および生化学の試験によって特徴付けられてきた。両方の試験を盲検化し、製造元の推奨にしたがって実行した。
【0265】
この研究は、BD Phoenix(商標)CPOディテクトおよびbioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NP試験のカルバペネマーゼを検出する能力に対して非常に困難な評価を示した。両方の試験は非常に高い感度を示した。BD Phoenix(商標)CPOディテクトによるクラスD産生CPOの100%の検出は申し分なく、これらは全てのカルバペネマーゼのうち最も検出が難しいものであるため見事な成果として認識されるべきである。カルバペネマーゼ陰性単離株の極めて困難な性質は、通常の特異性よりも低く寄与していた。通常の臨床用途では、偽陽性試験の原因となった単離株タイプに会うことはまれであり、この特異性はより有意に高いはずである。
【0266】
BD CPOディテクトは、2つの結果:カルバペネマーゼ検出のための陽性/陰性の結果、それに続くカルバペネマーゼの分子クラスに従った陽性単離株に関する分類を提供できる。試験の陽性/陰性フェーズにおいて、両方の試験は、カルバペネマーゼ検出の高い感度を呈示した(BD Phoenix(商標)CPOディテクトについては97.1%、bioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NP試験については97.1%から98.8%)。両方の試験は、この研究において、カルバペネマーゼ陰性単離株の極めて困難な性質のために、通常より低い特異性を呈示した。
【0267】
BD Phoenix(商標)CPOディテクトは、カルバペネマーゼを検出できる最初の自動化試験であり、慣例的な感受性試験に組み込むことができる。これは、カルバペネマーゼ検出試験がセットアップされるべきかどうかの決定が個人によって左右されることを回避することから、主要な技術上の進歩である。この試験はまた、カルバペネマーゼを異なる分子クラスに割り振ることもできる。現在の研究において、BD Phoenix(商標)CPOディテクトは、クラスAカルバペネマーゼを産生するCPOとクラスBカルバペネマーゼを産生するCPOとを検出し、それらを区別する高い能力を実証した。この診断特性は、可能性がある治療選択としてのセフタジジム/アビバクタムの妥当性を判定するために臨床的に重要である。4つの調査アルゴリズムのうち3つは、カルバペネマーゼの90%より多くを、A、B、Dおよびタイプ不明の陽性カルバペネマーゼのいずれかとして正しく分類し、アルゴリズム2は若干優れた性能を示した。
【0268】
試験の分類段階において、BD Phoenix(商標)CPOディテクトが、カルバペネマーゼの90%より多くを、クラスA、B、Dまたはタイプ不明の陽性カルバペネマーゼのいずれかとして正しく分類した。これは、クラスAカルバペネマーゼを産生するCPOとクラスBカルバペネマーゼを産生するCPOとを検出し、それらを区別する高い能力、可能性がある治療選択としてのセフタジジム/アビバクタムの妥当性を判定するために臨床的に重要であるという診断上の特徴を実証した。bioMerieux Rapidec(登録商標)Carba NP試験は、カルバペネマーゼを分類する能力を有していなかった。全体として、BD Phoenix(商標)CPOディテクトは、現在市販されている試験には相当するものがない様々な性能を有する完全に新しいタイプの表現型試験である。これは、重要な臨床的な必要性を満たすことにおける顕著な進歩の象徴である。
【0269】
複数のカルバペネマーゼの産生は現状においてまれであり、その検出は、重要な診断上および治療上の課題である。現状において調査は、このタイプの利用可能な単離株が極めて少ないことによって妨げられている。良好な試験が利用可能になるまで、複数のカルバペネマーゼ産生株による感染のための不適切なセフタジジム/アビバクタム療法から患者を保護する結果を提供することが、現在の試験にとって重要になってくる。この研究において、KPC-18+VIM-1を産生する2つのE.クロアカエ単離株を、クラスBカルバペネマーゼの産生株として分類し、これにより、セフタジジム/アビバクタムを用いる療法への禁忌を正しく示した。クラスBおよびクラスDカルバペネマーゼの両方を産生した2つのA.バウマンニ単離株は、両方ともクラスD産生株として分類された。この結果もまた、患者が不適切なセフタジジム/アビバクタム療法を受けることを防いだ。
【0270】
(実施例12)臨床分離株におけるカルバペネマーゼ産生生物の検出および分類のための、BD Phoenix(商標)自動化微生物学システムにおけるBD Phoenix(商標)CPOディテクト試験の多施設評価
この研究の目的は、腸内細菌科、緑膿菌、およびアシネトバクター・バウマンニの臨床分離株によってカルバペネマーゼ産生を検出および分類するために、BD Phoenix(商標)CPOディテクト試験(CPOディテクト)の性能(BD Life Sciences、Sparks MD)、実施例11で述べられた増殖ベースのカルバペネマーゼスクリーニングアッセイを評価することであった。
【0271】
3つの医療施設で、722の腸内細菌科および312の非発酵性株(緑膿菌およびアシネトバクター・バウマンニ)を含む合計1034の新しい凍結単離株を、BD Phoenix(商標)CPOディテクト試験によってカルバペネマーゼ産生に関して評価した。単離株を、改変されたカルバペネマーゼ不活性化方法(mCIM)ならびに参照方法としてメロペネムおよびエルタペネムMICによって、平行して評価した。カルバペネマーゼのアンブラー分類(クラスA、B、またはD)を、BDによって実行したマルチプレックスPCRによって判定した。CPOディテクトの結果と参照方法の結果間の陽性および陰性パーセントの一致(それぞれPPAおよびNPA)を判定した。不一致の結果は、BD Phoenixシステムおよび適切な参照方法において重複して繰り返した。データを、表8.1(腸内細菌科に関して)、表8.2(非発酵性株に関して)および表8.3(腸内細菌科および非発酵性株の組合せ)に示す。
【0272】
【0273】
【0274】
【0275】
これらの結果は、腸内細菌科に関して、99.4%のPPA(参照システムがカルバペネマーゼを検出し、%Phoenixがカルバペネマーゼを検出する場合)、96.0%のNPA(参照システムがカルバペネマーゼを検出せず、%Phoenixがカルバペネマーゼを検出しない場合)、および98.2%の分類精度(Phoenixおよび参照システムの両方が陽性であり、分類を提供し、%Phoenixが正しい場合)であったことを示す。非発酵性株に関して、96.0%のPPA(参照システムがカルバペネマーゼを検出し、%Phoenixがカルバペネマーゼを検出する場合)、95.0%のNPA(参照システムがカルバペネマーゼを検出せず、%Phoenixがカルバペネマーゼを検出しない場合)、および96.3%の分類精度(Phoenixおよび参照システムがどちらも陽性であり、分類を提供し、%Phoenixが正しい場合)であった。組合わせた結果として、98.3%のPPA(参照システムがカルバペネマーゼを検出し、%Phoenixがカルバペネマーゼを検出する場合)、95.7%のNPA(参照システムがカルバペネマーゼを検出せず、%Phoenixがカルバペネマーゼを検出しない場合)、および97.7%の分類精度(Phoenixおよび参照システムがどちらも陽性であり、分類を提供し、%Phoenixが正しい場合)であった。
【0276】
結果は、CPOディテクトによるカルバペネマーゼの検出に関して試験および分析された1034の規格に準拠した臨床分離株に対して提供される。矛盾する分析の後、腸内細菌科におけるPPAおよびNPAはそれぞれ99.4%および96.0%であった。16の偽陽性(2.2%)と2つの偽陰性(0.3%)が観察された。非発酵性株に関して、PPAおよびNPAはそれぞれ96.0%および95.0%であり、8つの偽陽性結果(2.6%)、および6つの偽陰性の結果(1.9%)が得られた。試験された規格に準拠した単離株のなかでも、385のCPOディテクトの結果を、カルバペネマーゼ分類のためのマルチプレックスPCRと比較した。総合的なクラス精度は、腸内細菌科に関して98.2%(272/277)、および非発酵性株に関して96.3%(104/108)であった。
【0277】
BD Phoenix(商標)CPOディテクト試験は、BD Phoenix自動化AST試験システムに容易に組み込まれ、腸内細菌科、緑膿菌、およびA.バウマンニからカルバペネマーゼを検出および分類するための新規のかつ信頼できる方法を提供する。
【0278】
(略語)
CLOX クロキサシリン
【0279】
EDTA エチレンジアミン四酢酸
【0280】
DPA ジピコリン酸
【0281】
RPX バボルバクタム(RPX-7009)
【0282】
AVI アビバクタム
【0283】
BLI BLI(BLI-489、ベータラクタマーゼ阻害剤)
【0284】
DOR ドリペネム
【0285】
MEM メロペネム
【0286】
TEM テモシリン
【0287】
GAM 一般化加法モデル
【0288】
ERT エルタペネム
【0289】
IPM イミペネム。
【0290】
(定義)
本明細書で使用される場合、MICは、最低阻害濃度を指す。
【0291】
本明細書で使用される場合、GAMは、一般化加法モデルを指し、これは、機器の読取り値の増殖の測定値への変換である。
【0292】
本明細書で使用される場合、章の見出しは、単に系統化の目的であり、記載された主題を制限するものとして決して解釈されないものとする。本出願で引用された全ての参考文献および類似の資料、例えば、これらに限定されないが、特許、特許出願、論文、書籍、専門書、およびインターネットのウェブページなどは、それらの全体があらゆる目的のために参照により明示的に組み込まれている。組み込まれた参考文献における用語の定義が、本発明の教示で提供される定義とは異なるような場合には、本発明の教示で提供される定義が優先されるものとする。本発明の教示で論じられた温度、濃度、時間などの前に言外の「約」が存在し、わずかな実質的ではない逸脱が本明細書における本発明の教示の範囲内になることが認識されているものとする。
【0293】
本出願において、単数形の使用は、特に別段の規定がない限り複数形を包含する。同様に「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含むこと」、「含有する(contain)」、「含有する(contains)」、「含有すること」、「包含する(include)」、「包含する(includes)」、および「包含すること」の使用も、限定を意図しない。
【0294】
明細書および特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、内容が明らかにそうではないことを指示しない限り、複数形の対象を包含する。
【0295】
本明細書で使用される場合、「約(およそ)」は、数量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量または長さが、参照の数量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量または長さに対して、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1%の程度で異なることを意味する。
【0296】
ある特定の実施形態および実施例の文脈において本発明を開示したが、当業者であれば、本発明は、具体的に開示された実施形態を超えて、本発明の他の代替的実施形態および/または使用、ならびにそれらの明白な改変および均等物にも拡張されることを理解するものと予想される。加えて、本発明の数々のバリエーションを示し、詳細に説明したが、他の改変も本発明の範囲内であり、当業者であればそれらは本開示に基づき容易に明らかになると予想される。また、実施形態の特定のフィーチャおよび態様の様々な組合せまたは下位組合せも作成することができ、それでもなお本発明の範囲内に含めることができることが予期される。開示された実施形態の様々な特徴および態様は、開示された発明の様々な様式または実施形態を形成するために、互いに組み合わせたり、または置き換えたりすることができることが理解されるものとする。したがって、本明細書において開示された本発明の範囲は、上述された特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。
【0297】
しかしながら、当業者であれば本発明の本質および範囲内の様々な変更および改変は明らかになると予想されるため、この詳細な説明は、本発明の実施形態を示すが、単に例証として示されただけであることを理解されたい。
【0298】
本明細書で示された説明で使用される用語は、いかなる限定的または制限的な方式でも解釈されないことが意図される。むしろ、用語は単に、システム、方法および関連する構成要素の実施形態の詳細な説明と併せて利用されている。さらに、実施形態は、単独で所望の特性の原因となっているか、または本明細書に記載された本発明を実施するのに必須と考えられるものは一つも含まれない数々の新規の特徴を含んでいてもよい。