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特開2022-65087セルロース誘導体の等軸結晶ネットワークによる、オメガ-3を有しているエマルションの、調製方法および安定化方法
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  • 特開-セルロース誘導体の等軸結晶ネットワークによる、オメガ-3を有しているエマルションの、調製方法および安定化方法 図1
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  • 特開-セルロース誘導体の等軸結晶ネットワークによる、オメガ-3を有しているエマルションの、調製方法および安定化方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065087
(43)【公開日】2022-04-26
(54)【発明の名称】セルロース誘導体の等軸結晶ネットワークによる、オメガ-3を有しているエマルションの、調製方法および安定化方法
(51)【国際特許分類】
   A23D 7/005 20060101AFI20220419BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20220419BHJP
   A61K 31/202 20060101ALI20220419BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20220419BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20220419BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20220419BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220419BHJP
   A23L 33/12 20160101ALI20220419BHJP
【FI】
A23D7/005
A61K9/107
A61K31/202
A61K47/36
A61K47/38
A61P21/00
A61P37/06
A61P17/02
A61P1/02
A61P29/00 101
A61P9/04
A61P3/04
A61P3/00
A61P7/00
A61P35/02
A61P31/00
A61P25/00
A61P9/12
A61P3/10
A61P35/00
A61P9/10
A61P25/28
A61P31/18
A61P29/00
A61P17/00
A61P11/00
A61P27/02
A61P11/06
A61P9/00
A61P37/08
A61P17/06
A61P19/02
A61P1/16
A61P3/06
A61P1/04
A61K45/00
A23L33/12
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020799
(22)【出願日】2022-02-14
(62)【分割の表示】P 2018517314の分割
【原出願日】2016-10-03
(31)【優先権主張番号】P201531406
(32)【優先日】2015-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(71)【出願人】
【識別番号】518109192
【氏名又は名称】ソルテックス エヌエー,エルシーシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】モレノ エーゲア,フェルナンド
(72)【発明者】
【氏名】マルティネス フェレス,アントニオ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】セルロース誘導体の等軸結晶ネットワークにおいて構造化されている新規なエマルションを提供する。
【解決手段】水中油エマルションであって、前記油が、オメガ-3脂肪酸を5~30重量%含み、前記油が配置されている三次元ネットワークを形成する水素結合によって結合されている少なくとも2つのセルロース誘導体を0.4~1.5重量%含み、親水性乳化剤を0.2~3.0重量%含むエマルションである。エマルションは、600~1300nmの粒径であり、3~50℃において安定である。
【効果】エマルションに均等に分散されているオメガ-3脂肪酸を含んでおり、優れた安定性、生物学的利用能および胃耐性を有し、特殊な医療食品、栄養補給剤、スポーツ栄養法、経腸栄養法、又は小児栄養法に使用され得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中油エマルションであって、
上記油がオメガ-3脂肪酸を含んでおり、
上記エマルションは、
1)上記オメガ-3脂肪酸として、5~30重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)および/またはドコサペンタエン酸n-3(DPA n-3);
2)0.4~1.5重量%の少なくとも2つのセルロース誘導体であり、上記油が配置されている三次元ネットワークを形成する水素結合によって結合されており、上記セルロース誘導体が、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース、エチルメチルセルロース、エチルセルロースおよび/またはメチルセルロースから選択される、セルロース誘導体;および
3)0.2~3.0重量%の親水性乳化剤;
(ここで、すべての重量%は、上記エマルションの総重量に基づく)

を含み、
上記エマルションは、600nm~1300nmの粒径であり、
上記エマルションは、3~50℃において安定である、
エマルション。
【請求項2】
上記オメガ-3脂肪酸を含んでいる上記油が、魚油、オキアミの油、植物油、微生物の油、および/またはこれらの組み合わせに由来する、請求項1に記載のエマルション。
【請求項3】
上記エマルションの総重量に対して、少なくとも1重量%のドコサペンタエン酸n-3(DPA n-3)を含んでいる、請求項1または2に記載のエマルション。
【請求項4】
上記オメガ-3脂肪酸が、遊離脂肪酸、エステル、リン脂質、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、および/またはこれらの組み合わせの形態である、請求項1~3のいずれか1項に記載のエマルション。
【請求項5】
上記オメガ-3脂肪酸が、モノグリセリドの形態である、請求項4に記載のエマルション。
【請求項6】
上記オメガ-3脂肪酸が、C1~C8アルキルエステルの形態である、請求項4に記載のエマルション。
【請求項7】
上記油がまた炎症消退性脂質メディエータ(SPM)を含んでいる、請求項1~6のいずれか1項に記載のエマルション。
【請求項8】
上記炎症消退性脂質メディエータ(SPM)が、リポキシンA4、15-エピリポキシンA4、リポキシンB4、15-エピリポキシンB4、RvE1、18S-RvE1、20-ヒドロキシ-RvE1、RvE2、18S-RvE2、18S-RvE3、18R-RvE3、MaR1、7S-MaR1、13R,14S-MaR2、14S-ヒドロペルオキシ-DHA、PDX、14S,21R-ジHDHA、14R,21S-ジHDHA、14R,21R-ジHDHA、14S,21S-ジHDHA、16,17-ジHDHA、16,17-エポキシ-DHA、7,8-エポキシ-17S-HDHA、PD1、10S,17S-ジHDHA、16,17S-ジHDHA、16,17-エポキシ-DHA、RvD1、RvD2、RvD3、RvD4、RvD5、RvD6、AT-RvD1、AT-RvD2、AT-RvD3、AT-RvD4、10S,17S-ジHDPAn-6、17-HDPA n-6、7,14-ジHDPA n-6、10S,17S-ジHDPA n-6、7,17-ジHDPA n-6、15S-HETE、15R-HETE、5S-HEPE、5R-HEPE、11S-HEPE、11R-HEPE、12S-HEPE、12R-HEPE、15S-HEPE、15R-HEPE、18S-HEPE、18R-HEPE、4S-HDHA、7S-HDHA、10S-HDHA、11S-HDHA、14S-HDHA、14R-HDHA、17S-HDHA、17R-HDHA、20S-HDHA、17S-HDPAn-6、14S-HDPA n-6、10S-HDPA n-6、17S-HDPA n-3、14S-HDPA n-3、10S-HDPA n-6、17-HDPA n-3、17-ヒドロペルオキシ-DPAn-3、RvD1 n-3DPA、RvD2 n-3DPA、RvD5 n-3DPA、PD1 n-3DPA、PD2 n-3DPA、14-HpDHA、MaR1 n-3DPA、MaR2n-3DPA、およびMaR3 n-3DPA、ならびにそれらの混合物から選択される、請求項7に記載のエマルション。
【請求項9】
上記炎症消退性脂質メディエータ(SPM)が、8R/S-HEPE、17R/S-HDHA、5S-HEPE、15R/S-HEPE、4R/S-HDHA、7R/S-HDHA、10R/S-HDHA、14R/S-HDHAおよびRvE1、ならびにそれらの混合物から選択される、請求項7または8に記載のエマルション。
【請求項10】
0.0005重量%~1重量%の、17S/R-HDHAおよび18S/R-HEPEの混合物を含んでいる(ここで、すべての重量%は、上記エマルションの総重量に基づく)、請求項9に記載のエマルション。
【請求項11】
1)少なくとも2つのセルロース誘導体を含んでいる水性相を調製するステップ;
2)上記水性相の激しい撹拌によってセルロース誘導体の混合物を活性化するステップ;
3)少なくとも1つの乳化剤を上記水性相に加えるステップ;
4)上記オメガ-3脂肪酸を含んでいる上記油を含んでいる油相を調製するステップ;ならびに
5)上記水性相および油相を混合し、続いて均質化するステップ;
を含んでいる、請求項1~10のいずれか1項に記載のエマルションを調製するための、方法。
【請求項12】
栄養補助食品、栄養補助剤製品としての、スポーツ栄養法および/または小児栄養法における、請求項1~10のいずれか1項に規定されている通りのエマルションの、使用。
【請求項13】
栄養補助食品としての、請求項1~10のいずれか1項に規定されている通りのエマルションの、使用。
【請求項14】
医療食品としての、請求項1~10のいずれか1項に記載のエマルションの、使用。
【請求項15】
炎症性コンポネントを示す疾患または障害を処置するための、投与の経腸経路用医薬品を製造するための、請求項1~10のいずれか1項に記載のエマルションの、使用。
【請求項16】
炎症性コンポネントを示している上記疾患または障害が、クローン病、IBD、脂肪肝、創傷治癒、動脈の炎症、関節炎、乾癬、蕁麻疹、血管炎、喘息、眼の炎症、肺の炎症、皮膚炎、心疾患、AIDS、アルツハイマー病、アテローム性動脈硬化症、がん、2型糖尿病、高血圧、神経筋の障害、肥満、感染症、白血病、リンパ腫、代謝症候群、肥満、心臓発作、リウマチ、移植、歯周病、脳外傷、外傷、嚢胞性線維症および筋疾患から選択される、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
上記エマルションの総重量に対して、少なくとも10重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)および/またはドコサヘキサエン酸(DHA)を含んでいる、請求項1に記載のエマルション。
【請求項18】
上記エマルションの総重量に対して、少なくとも15重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)および/またはドコサヘキサエン酸(DHA)を含んでいる、請求項1に記載のエマルション。
【請求項19】
上記エマルションの総重量に対して、少なくとも20重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)および/またはドコサヘキサエン酸(DHA)を含んでいる、請求項1に記載のエマルション。
【請求項20】
上記エマルションの総重量に対して、少なくとも25重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)および/またはドコサヘキサエン酸(DHA)を含んでいる、請求項1に記載のエマルション。
【請求項21】
上記エマルションの総重量に対して、少なくとも35重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)および/またはドコサヘキサエン酸(DHA)を含んでいる、請求項1に記載のエマルション。
【請求項22】
上記エマルションの総重量に対して、少なくとも5重量%のドコサペンタエン酸n-3(DPA n-3)を含んでいる、請求項1に記載のエマルション。
【請求項23】
請求項1に規定されるエマルションを含む、食品または栄養補助食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特殊な栄養法(臨床的な経腸栄養法ならびに食事性および栄養補助性の栄養法の両方)の分野の範囲に入れられる。本発明のエマルションは、なかでも、関連する栄養欠乏症をともなう疾患にかかっている対象における栄養要求を補完するために求められる特殊な医療食品、ならびに食事栄養法、スポーツ栄養法または小児栄養法にとっての補給物としての栄養補給剤を調製するために使用され得る。
【背景技術】
【0002】
エマルションは、種々の非混和液の混合物である。エマルションには種々の型があり、エマルションの最も一般的な2つの型は、水中油型(O/W)および油中水型(W/O)である。O/Wエマルションは、水相(極性)に分散されている油相(無極性)によって形成されており、W/Oエマルションは、他の油型相に分散されている水相に関する。
【0003】
一般に、エマルションは、熱力学的に不安定な系であり、それらを構成している複数の相は、異なる機序によって分散されている傾向にある。しかし、エマルションは、2種の物質(不安定化機序を遅らせるか、または抑制する乳化剤および安定化剤)を用いることによって、長期間にわたってさえ、動力学的に安定化され得る。安定性の概念は、もちろん相対的であるが、実用の目的にとって十分に長い期間(数分間から数年まで変動し得る)にわたってほぼ不変を指す。
【0004】
形成されているエマルションの型は、使用される乳化剤の型に依存する。形成されるエマルションの型を予想可能にする経験則(Bancroft則)にしたがって、顕著に油溶性である界面活性剤が使用されるとき、W/Oエマルションが形成され、水溶性である界面活性剤が使用されるとき、それらは、O/Wエマルションを生成する。同様に、水中油(O/W)エマルションおよび油中水(W/O)エマルションの共存(分散相の小球が、その内部により小さい、同じように分散されている液滴を含んでいる)によって特徴付けられる他の系がある。
【0005】
外相および内相の型を考慮すると、エマルションは、内相のパーセンテージに基づいて、3つのカテゴリ:低分散相エマルション、中分散層エマルションおよび高分散相エマルションに分類され得る。
【0006】
25%未満の内相の体積百分率を有しているエマルションは、低内相比と呼ばれ、25%~60%を含んでいるエマルションは、中内相比エマルションと呼ばれ、最後に、総体積の60~70%の含有量を有しているエマルションは高含有内相エマルションと呼ばれる。内相の体積百分率は、エマルションの特性に重要な影響を有しており、実際に、これらのうち最後のエマルションでは、液滴間の相互作用が上記効果を左右する。
【0007】
低内相O/Wエマルションは、最も広く商業的に使用されているエマルションであり、低い粘性およびフロー条件におけるニュートン挙動によって特徴付けられる。
【0008】
この10年間において、O/Wエマルションは、異なる性質の活性成分を運ぶために使用されている。ラクトース製品、マヨネーズ、サラダドレッシングおよびソースに関する典型的な例に加えて、より有用な他の例(なかでも、アロマ(EP 1116515)、脂溶性の活性成分(例えば、共役リノレン酸(CA 2455226C)、エルカ酸(US 5773073 A)、ステロールエステル(US 20060029622 A1)もしくはフィトステロール(WO 99/63841)、β-カロテンを有しているビタミン(US 6007856 A)、リコピン(WO 2014051116 A1)、ルテイン(CN 104366508 A)、 ゼアキサンチン(US20140170247 A1)、ビタミンA(US 3089823 A)またはビタミンD(US 2463738 A))、抗酸化剤(例えば、トコフェノール(EP 0868918B1)、フラボノイド(WO 2011049629 A2)、ポリフェノール(US 20090208472 A1)またはクルクミン(CN 100486567 C)など)、栄養補給剤(例えば、コエンザイムQ10(US 20090142324 A1))、および薬剤(例えば、ベンゾジアゼピン(WO2003004015 A1)または非ステロイド抗炎症剤の混合物(US 8512687 B2))の徐放性に関する)が、着目され得る。
【0009】
オメガ-3脂肪酸は、多価不飽和脂肪酸(なかでもαリノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)およびドコサペンタエン(n-3)酸(DPA)が挙げられる)の一群である。これらは、哺乳類において他の物質から合成できない必須脂肪酸であり、したがって、食事に取り入れられなければならない。ALAは、生体においてEPAおよびDHAに変換されるが、変換率は非常に低い。高い含有量のEPAおよびDHAを有しているいくつかの源は、海洋生物(例えば、なかでも、鮭、カタクチイワシ、オキアミまたは藻類が挙げられる)であり、高い含有量のALAを有している源は、例えば、ナッツ、チアシード、麻、アマまたはカメリナである。
【0010】
DHAは、哺乳類の脳において最も豊富なオメガ-3脂肪酸または(n-3)であり、その含有量は、種々の種類の脂肪酸の取り込みおよび年齢などに依存して、変化し、その含有量は加齢とともに減少する。
【0011】
中枢-末梢系の神経は、多価不飽和脂肪酸を主に含んでいる。オメガ-3脂肪酸は、ニューロン、神経終端、ミエリンおよび核膜の構成成分である(Bourre J et al, 1989)。
【0012】
オメガ-3脂肪酸は、神経保護特性を有しており、種々の神経変性疾患および神経疾患の処置における選択肢である。高用量のオメガ-3の投与は、アルツハイマーの低いリスクと関連付けられている(Mazereeuw G et al, 2012)。また、臨床的な情動障害の処置において有益な効果が、EPAを用いて試験されている(Dyall SC, 2015)。
【0013】
オメガ-3多価不飽和脂肪酸の適切な供給は、脳の機能に必須である:それらは、神経細胞機能の多くの他の側面に寄与することに加えて、神経細胞膜の流動性を高め、神経伝達系における二次情報伝達物質として機能を果たす(Mirnikjoo B et al, 2001; Yehuda S et al, 1999)。DHAは、髄鞘形成に関与し(Durand G et al, 1999)、情報の処理における効率を向上させ得る、シナプス効率(Uauy R et al, 2000)および伝達の速度(Yehuda S et al,1999)において重要である。視覚発達および視覚認識だけでなく、失読症におけるオメガ-3(特にDHA)の作用は、それらが、桿体の光受容機能および視覚の鮮明さを向上させ、ヒトにおける網膜の正常な発達を確実にするという事実と合致し得る(Birch EE et al, 1992a; Birch EE et al, 1998)。記憶との関連について、動物に対する研究では、DHAは、発達中のニューロンにDHAを補ったとき、海馬のニューロン発達および海馬におけるシナプス機能に大きく影響しており、自発的なシナプス活性は極めて高く、DHAを欠乏しているラットの胎児は、海馬のニューロンにおける成長阻害およびシナプス形成を示すことが観察されている。これらの知見は、DHAによる補充後に認知作用の向上、および食事におけるオメガ-3の欠乏が学習障害と関与する理由を説明し得る(Cao D et al, 2009)。情報が認知され、取得される速度は、ある程度まで、DHAの存在に依存している(Cheatham CL et al, 2006)。
【0014】
妊娠中の母体による魚介の消費は、新たな事柄を認識するための向上した視覚記憶、および8歳以降でさえ、言葉による思考力(すなわち言語思考力)の採点において良好な結果をもたらす(Oken E et al, 2005; Hibbeln JR et al, 2007)。1200mgのDHAおよび800mgのEPAによる、母体の消費の補充は、標準化されている小児知能試験においてより高い得点と関連している(Oken E. et al, 2005)。最適に満たない(340mg/週未満の)、母体による魚介の摂取は、言葉による思考力においてより低い四分位値、ならびに向社会的行動、運動性移動、情報伝達および社会的技能の採点においてより低い得点に置かれる小児と関連している(Hibbeln JR et al, 2007)。また、オメガ-3は、学習障害を有している小児に有益であり、失語症にかかっている小児における読み取り速度の向上を補助する(Lindmark L et al, 2007)。
【0015】
食品に使用される脂質(オメガ-3脂肪酸が挙げられる)の大部分は、トリグリセリド(TG)の形態である。食品トリグリセリドの形態における、当該脂肪酸の分布状態および組成は、その生体利用効率、および続く体内におけるその機能に影響を有している。消化の間に、食品グリセリドは、消化管リパーゼと接触することによって、腸細胞によって吸収されるモノグリセリドまたはモノアセチルグリセロール(MAG)sn-2(sn-2はグリセロールの2位を指す)ならびに2つの遊離脂肪酸を生じる。腸細胞にいったん入ると、sn-2MAGは、ふたたびトリグリセリドに再アシル化され、カイロミクロンを介してリンパ循環内に放出される。
【0016】
酵素欠損症の場合には、部分的に消化されたトリグリセリド(例えばMAG)の投与は、腸細胞の管腔内安定化および吸収を補助し得る。モノグリセリドは、したがって、リパーゼが低い活性にある状態における、脂肪酸の潜在的な運搬体であり得る(Cruz-Hernandez C et al, 2012)。
【0017】
一般に、MAGの形態における酸は、グリセリルによる遊離脂肪酸のエステル化、続く短経の蒸留による精製によって、生成される。MAGの種々の異性体:sn-1(3)-MAGおよびsn-2-MAGが、生成され得る。不飽和sn-2MAG(EPAおよびDHAの)は、安定ではなく、sn-1(3)-MAGを生成するために速やかに異性化される。
【0018】
2012年5月16日の委員会規則(EU)番号432/2012は、表1から明らかなように、リスクの低減に関わる脂肪酸(いくつかのオメガ-3脂肪酸が挙げられる)の異なる食品の健康特性のうち、認可される申請の一覧を規定している。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】
炎症消退性脂質メディエータ(SPMまたは特殊な炎症消退性メディエータ)は、必須脂肪酸に由来する内因性の強力な生理活性生成物である。当該生理活性生成物は、脂肪酸リポキシゲナーゼ、2型シクロオキシゲナーゼによる触媒反応において、EPA、DHA、DPAまたはARAを基質として用いた、1つ、2つまたは3つの分子内酸素分子の、立体特異的および位置的な取り込みによって合成され、アスピリン、およびチトクロームP450の種々のオキシダーゼによってアセチル化される。
【0025】
ARAに由来する主要な脂質メディエータは、Serhan CN et alによって述べられており(Serhan CN et al,1984)、その炎症消退性活性は、Dr. Serhanによって発見された(Serhan CN et al, 2000; Levy et al, 2001)。したがって、SPMは、生物学的な炎症過程に関与しており、炎症性疾患および/または炎症性応答が生体によって示される疾患または障害を処置するための薬剤、栄養補助剤および病院食を調製するための有望な候補物を構成している。それ以降、他の脂質メディエータ(例えば、DHA(Serhan CN et al, 2002; Hong S et al, 2003)およびEPAに由来する、レソルビン(Serhan CN et al, 2000)およびプロテクチン、ならびにDHAに由来するマレシン)が述べられている。より近年に、DPAn-3に由来するマレシン、レソルビンおよびプロテクチンが同定されている(Dalli et al, 2013)。
【0026】
SPMの一群としては、なかでも、リポキシンA4、15-エピ-リポキシンA4、リポキシンB4、15-エピ-リポキシンB4、RvE1、18S-RvE1、20-ヒドロキシ-RvE1、RvE2、18S-RvE2、18S-RvE3、18R-RvE3、MaR1、7S-MaR1、13R,14S-MaR2、14S-ヒドロペルオキシ-DHA,PDX、14S,21R-ジHDHA、14R,21S-ジHDHA、14R,21R-ジHDHA、14S,21S-ジHDHA、16,17-ジHDHA、16,17-エポキシ-DHA、7,8-エポキシ-17S-HDHA、PD1、10S,17S-HDHA、16,17-ジHDHA、16,17-エポキシ-DHA、RvD1、RvD2、RvD3、RvD4、RvD5、RvD6、AT-RvD1、AT-RvD2、AT-RvD3、AT-RvD4、10S,17S-HDPAn-6、17-HDPA n-6、7,14-HDPA n-6、10S,17S-HDPA n-6、7,17-HDPA n-6、15S-HETE、15R-HETE、5S-HEPE、5R-HEPE、11S-HEPE、11R-HEPE、12S-HEPE、12R-HEPE、15S-HEPE、15R-HEPE、18S-HEPE、18R-HEPE、4S-HDHA、7S-HDHA、10S-HDHA、11S-HDHA、14S-HDHA、14R-HDHA、17S-HDHA、17R-HDHA、20S-HDHA、17S-HDPAn-6、14S-HDPA n-6、10S-HDPA n-6、17S-HDPA n-3、14S-HDPA n-3、10S-HDPA n-6、17-HpDPA n-3、17-ヒドロペルオキシ-DPAn-3、RvD1 n-3DPA、RvD2 n-3DPA、RvD5 n-3DPA、PD1 n-3DPA、PD2 n-3DPA、14-HpDHA、MaR1 n-3DPA、MaR2n-3DPAおよびMaR3 n-3DPAが挙げられる。
【0027】
魚油(魚類、甲殻類、藻類および軟体動物から得られる)は、高レベルのEPA,DPAおよびDHAオメガ-3多価不飽和脂肪酸を有しており、したがって、それらはまた、検出可能なレベルのSPMを有しており、これらは、これまでに説明されている生物学的な経路を介して促進されている。さらに、SPMの豊富な油は、最新技術に述べられている生成処理によって入手され得る。
【0028】
オメガ-3を含んでいる種々の市販のエマルション(例えば、Incromega(商標)、シロップまたはサシェの形態において用量(5gのエマルション)ごとに250mgのEPA+DHAを含んでいるオメガ-3エマルションなど)が市場に出ている。Tegorオメガ-3エマルションは、250mlビンで販売されており、ビタミンCおよびEに加えて、用量ごとに800mgのEPAおよび400mgのDHAを含んでいる。Omelife(商標)Smooth DHA500 TGは、速やかな生体利用効率を有しているオメガ-3を含んでおり、マイクロカプセル封入技術によって製造されているエマルションである。このエマルションは、最少70%のオメガ-3および最少55%のDHAを含んでいる。市場に見られる他のオメガ-3エマルションは、OTEC(商標)250CL-KまたはNutegrity(商標)である。
【0029】
Smartfishエマルションは、630mgのオメガ-3(このうち245mgがEAPであり、245mgがDHAである)の含有量を有している2250mgのサーモンオイルを含んでいる5gのサシェとして提供されている。
【0030】
Coromega(登録商標)は、トリグリセリドの形態において650mgのオメガ-3を含んでいるエマルション(2.5gの用量において提供されており、そのうち、350mgがEPAであり、230mgがDHAである)であり、当該エマルションは、カプセルに入っている等価な油の消費より高い吸収を、10人の対象において実施された試験において示している(Raatz SK et al, 2009)。
【0031】
Barlean'sが提供しいているOmega Swirlは、15mlの組成ごとに、トリグリセリドの形態において約720mgのEPAおよびDHAを含んでいる、スムージーの風味およびきめを有している、ゲルの形態において安定化されている液体である。
【0032】
さらに、魚油の乳化は正常な生理学的段階を妨げ、その吸収を向上させることが証明されており(Ikeda I et al, 2000)、したがって、オメガ-3を含んでいるエマルションの設計は、その生体利用効率およびその有益な効果を高める1つの方法である。Garaiova
I et al(Garaiova et al, 2007)は、高度に不飽和化されている長鎖脂肪酸の吸収および原形質脂質における取り込みの、予め乳化されている魚油を投与することによる向上を報告した。Raatz SK et alはまた、乳化された魚油を用いたときの、類似した短期の結果を報告した。乳化された油の生体利用効率は、エマルションの粒径に関連し、したがって、それは、エマルションを設計するときの重大な要素である。
【0033】
セルロースの誘導体は、充填剤として以前から使用されており、その一部は、代謝不可能であり、顆粒化過程におけるバインダーまたは単に増粘剤である。微結晶セルロースは、例えば、低カロリー食品における充填剤として一般的に使用されている。カルボキシメチルセルロースはまた、食品の粘性を高めるために主に使用されている。他の場合に、それらは、不溶性の食物繊維の単一の源として使用されている。
【0034】
より近年に、他の用途が、マスキング剤(CN 104274836-A)、食品封入材料(WO 2015104440-A1)としての、または徐放性のマイクロカプセルおよびナノカプセル(CN 103432588-A)(特に胃内消化に耐性(WO 2015102189 A1))の設計、生体接着性の小型マトリクスの設計(EP 2344140 B1)、および粘膜接着性の重合体(UA 99889-C2)における、固体マトリクス崩壊剤(US 20150238424 A1)またはピルおよびタブレットにおける圧縮性の増強剤(EP2595611 A2)としての、セルロースの合成誘導体について見出されている。
【0035】
市販のエマルションは、秩序だった内部の力学的構造を有していない。油滴は、液体マトリクス(分散媒)において不規則に分散されており、それらは、統計学的に分配されており、時間とともに凝集する傾向にある。それらの多くはまた、魚油のその臭いに関連する感覚受容性の欠陥、および口内に多くの残渣を残させる乏しい流体力学的特性をともなって、他の液体マトリクスに不溶性または難溶性であり、この形態のオメガ-3油の摂取を消費者が選ぶことを困難にさせている。
【0036】
さらに、市販のエマルションは、オメガ-3がエマルションとして見られる化学物質の形態(モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、エチルエステル)に対して、それらの間の比またはそれらが認められる割合まで、順応性または適合性ではない。同時に、1ミクロン未満の最終の粒径および均質な粒度分布は、市販のエマルションでは容易に実現できない。
【0037】
現在まで、エマルション(均質な、秩序立った、構造的なかつ安定な分布の油状微小液滴、ならびにオメガ-3脂肪酸および/またはSPMの内容物を有している油の、生体による効率的な吸収を可能にする好適な粒径によって特徴付けられている)を大規模に調製することの問題は、解消されていない。
【発明の概要】
【0038】
水中油型(O/W)エマルションの研究および開発において、本願の発明者らは、水相において少なくとも2つのセルロース誘導体を活性化させ、結合させることによって、これらのセルロース誘導体の非存在では無秩序に油を含んでいるであろう水性エマルション(三次元立体ネットワークと類似する秩序立った微小構造に、水相において変換されている)を、構造化し、秩序付けることが可能であることを見出した。
【0039】
これらの特徴点を有しているエマルションは、より優れた物理的かつ化学的な安定性、含まれている油の生体利用効率の向上、および向上された胃耐性(これらのすべては、エマルションに含まれているオメガ-3脂肪酸および必要に応じて炎症消退性脂質メディエータ(SPM)の徐放をもたらす)、ならびに市販の他のエマルションと比べて少ない凝集を可能にする。
【0040】
さらに、三次元ネットワーク内にあるエマルションの微小油滴の秩序付けは、任意のエマルションにとって本来的な不安定化機序(凝集、沈降など)のより良好な制御(エマルションが安定性についてより高い成功の保証を有して設計され得る)を可能にする。
【0041】
したがって、第1の態様において、本発明は、油相がオメガ-3脂肪酸を含んでおり、SPMも含み得る、新規な水中油型(O/W)エマルションに関する。当該エマルションは、少なくとも2つのセルロース誘導体および親水性乳化剤を含んでいることによっても特徴付けられる。
【0042】
第2の態様において、本発明は、以上に規定されている通り、水中油型(O/W)エマルションを調製するための方法または処理に関する。当該方法または処理は、以下のステップ:
1)少なくとも2つのセルロース誘導体を含んでいる水相を調製すること;
2)上記水相の激しい撹拌によって、セルロース誘導体の混合物を活性化させること;
3)少なくとも1つの親水性乳化剤を上記水相に加えること;
4)オメガ-3脂肪酸を含んでいる油を含んでいる油相を調製すること;
5)上記水相および油相を混合すること、続く均質化;
を含んでいる。
【0043】
第3の態様において、本発明は、第2の発明の態様に記載の上記方法にしたがって入手可能な、水中油型(O/W)エマルションに関する。
【0044】
第4の態様において、本発明は、以上に規定されている通りのエマルションの、栄養補助食品、栄養補給剤製品、医療食品、薬学的組成物、医薬としての、スポーツ栄養法、経腸栄養法および/または小児栄養法における使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明のエマルションの実際の画像を示す。
図2】EMOX-2エマルションの粒度分布(オメガ-3油を含んでいるエマルションについての、粒径に対する粒子の比率)を示す。
図3】EMOX-3エマルションの粒度分布(オメガ-3油を含んでいるエマルションについての、粒径に対する粒子の比率)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
第1の態様において、本発明は、水中油型(O/W)エマルションに関し、上記油がオメガ-3脂肪酸を含んでおり、上記エマルションはまた、少なくとも2つのセルロース誘導体および少なくとも1つの親水性エマルションを含んでいる。
【0047】
具体的な実施形態において、上記少なくとも2つのセルロース誘導体は、上記油が分配されている三次元ネットワークを形成している水相において、結合されている。
【0048】
より具体的な実施形態において、上記少なくとも2つのセルロース誘導体は、上記油が分配されている等軸結晶ネットワークを形成している上記水相において、結合されている。
【0049】
複数の上記セルロース誘導体の結合は、当該誘導体の重合体鎖に存在するヒドロキシル基および酸素原子の間における水素結合によって生成されている。上記結合を達成するために、複数の上記セルロース誘導体は予め活性化されている必要がある。このために、複数の上記誘導体は、隣接する複数の間の相互作用が助長されるようにその水和を可能にする剪断力を生み出す、上記水相における激しい撹拌に供される。
【0050】
複数の上記セルロース誘導体の上記水相における活性化および結合の結果として、これらのセルロース誘導体の非存在では不規則に油を含んでいるであろう水性エマルション(三次元立体ネットワークと類似する秩序立った微小構造に、水相において変換されている)を構造化し、秩序付けることが可能である。
【0051】
これらの特徴点を有しているエマルションは、より優れた物理的かつ化学的な安定性、含まれている油の生体利用の向上、および向上された胃耐性(これらのすべては、エマルションに含まれているオメガ-3脂肪酸および必要に応じて炎症消退性脂質メディエータ(SPM)の徐放をもたらす)、ならびに市販の他のエマルションと比べて少ない凝集を可能にする。
【0052】
さらに、三次元ネットワーク内にあるエマルションの微小油滴の秩序付けは、任意のエマルションにとって本来的な不安定化機序(凝集、沈降など)のより良好な制御(エマルションが安定性についてより高い成功の保証を有して設計され得る)を可能にする。
【0053】
具体的な実施形態において、上記油は、少なくとも5重量%のオメガ-3脂肪酸を含んでいる。
【0054】
具体的な実施形態において、複数の上記セルロース誘導体は、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース、エチルメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、キサンタンガム、グアールガムおよびアラビアゴムから選択される。
【0055】
好ましい実施形態において、複数の上記セルロース誘導体は、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースおよびキサンタンガムから選択される。
【0056】
具体的な実施形態において、複数の上記セルロース誘導体は、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース、エチルメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロースから選択される。
【0057】
より好ましい実施形態において、上記エマルションは、2つのセルロース誘導体を含んでおり、当該2つの誘導体は、微結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースである。
【0058】
微結晶セルロース(精製されており、脱重合されているセルロース)は、セルロース誘導体の例を構成している。それは、β(1→4)形式において結合されている数百~数千のD-グルコース分子の直鎖からなる多糖である。グルコース鎖の多数のヒドロキシル基は、当該グルコース鎖または近傍の鎖の酸素原子と水素架橋結合を形成しており、固体の状態で当該鎖を維持しており、互いに並列して、大きな張力を有している超極細繊維を形成している。
【0059】
セルロース誘導体の他の例は、ヒドロキシル基に結合されているカルボキシメチルによって構成されており、かつグルコピラノース重合体として存在するセルロースから誘導体化されている有機化合物である、カルボキシメチルセルロースまたはカルメロースである。
【0060】
好ましい実施形態において、上記エマルションにおけるセルロース誘導体の含有量は、上記エマルションの総重量に対して少なくとも5重量%である。
【0061】
より好ましい実施形態において、上記エマルションにおけるセルロース誘導体の含有量は、上記エマルションの総重量に対して少なくとも4重量%である。
【0062】
より好ましい実施形態において、上記エマルションにおけるセルロース誘導体の含有量は、上記エマルションの総重量に対して少なくとも3重量%である。
【0063】
より好ましい実施形態において、上記エマルションにおけるセルロース誘導体の含有量は、上記エマルションの総重量に対して少なくとも2重量%である。
【0064】
より一層好ましい実施形態において、上記エマルションにおけるセルロース誘導体の含有量は、上記エマルションの総重量に対して0.5~1.5重量%である。
【0065】
本発明の上記エマルションに含まれている上記油は、オメガ-3脂肪酸を含んでいる。
【0066】
オメガ-3脂肪酸は、多価不飽和脂肪酸(なかでも、αリノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)およびドコサペンタエン(n-3)酸(DPA)が挙げられる)の一群である。これらは、哺乳類において他の物質から合成され得ない必須脂肪酸であり、食事に取り入れられなければならない。ALAは、生体においてEPAおよびDHAに変換されるが、その変換速度は非常に遅い。高含有量のEPAおよびDHAを有している一部の源としては、なかでも魚介(鮭、カタクチイワシ、オキアミまたは藻類)が挙げられ、高含有量のALAを有している源は、なかでも、ナッツ、チアシード、麻、アマまたはカメリナなどである。
【0067】
より詳細には、本発明と関連して、上記エマルションの上記油は、濃縮されている、または高含有量のオメガ-3脂肪酸を有している天然源から抽出された油である。
【0068】
具体的な実施形態において、本発明の上記エマルションのオメガ-3脂肪酸を含んでいる上記油は、動物、植物または微生物起源の源から入手され得、当該油としては、なかでも魚油、オキアミの油、植物油、微生物の油および/またはこれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0069】
本発明の具体的な実施形態において、上記エマルションのオメガ-3脂肪酸を含んでいる上記油は、魚油である。
【0070】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションのオメガ-3脂肪酸を含んでいる上記油は、オキアミの油である。
【0071】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションのオメガ-3脂肪酸を含んでいる上記油は、藻類である。
【0072】
上記エマルションのオメガ-3脂肪酸を含んでいる上記油は、上記油の重量に対して少なくとも1重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含んでいる。
【0073】
本発明の具体的な実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも1重量%のEPAおよび/またはDHAを含んでいる。
【0074】
本発明の具体的な実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも5重量%のEPAおよび/またはDHAを含んでいる。
【0075】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも10重量%のEPAおよび/またはDHAを含んでいる。
【0076】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも15重量%のEPAおよび/またはDHAを含んでいる。
【0077】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも20重量%のEPAおよび/またはDHAを含んでいる。
【0078】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも25重量%のEPAおよび/またはDHAを含んでいる。
【0079】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも30重量%のEPAおよび/またはDHAを含んでいる。
【0080】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも35重量%のEPAおよび/またはDHAを含んでいる。
【0081】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも40重量%のEPAおよび/またはDHAを含んでいる。
【0082】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも45重量%のEPAおよび/またはDHAを含んでいる。
【0083】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも50重量%のEPAおよび/またはDHAを含んでいる。
【0084】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも1重量%のDPAn-3を含んでいる。
【0085】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも5重量%のDPAn-3を含んでいる。
【0086】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも10重量%のDPAn-3を含んでいる。
【0087】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも15重量%のDPAn-3を含んでいる。
【0088】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも5重量%のDPAn-3および/またはEPAおよび/またはDHAを含んでいる。
【0089】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも10重量%のDPAn-3および/またはEPAおよび/またはDHAを含んでいる。
【0090】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも15重量%のDPAn-3および/またはEPAおよび/またはDHAを含んでいる。
【0091】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも20重量%のDPAn-3および/またはEPAおよび/またはDHAを含んでいる。
【0092】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも25重量%のDPAn-3および/またはEPAおよび/またはDHAを含んでいる。
【0093】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも30重量%のDPAn-3および/またはEPAおよび/またはDHAを含んでいる。
【0094】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも35重量%のDPAn-3および/またはEPAおよび/またはDHAを含んでいる。
【0095】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも40重量%のDPAn-3および/またはEPAおよび/またはDHAを含んでいる。
【0096】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも45重量%のDPAn-3および/またはEPAおよび/またはDHAを含んでいる。
【0097】
本発明の具体的な他の実施形態において、上記エマルションは、上記油の総重量に対して少なくとも50重量%のDPAn-3および/またはEPAおよび/またはDHAを含んでいる。
【0098】
本発明の上記エマルションに対するセルロース誘導体の結合によって形成される等軸結晶ネットワークによってもたらされる安定性は、オメガ-3脂肪酸の、異なる種類の化学形態が取り込まれることを可能にする。
【0099】
魚油において、オメガ-3脂肪酸は、トリグリセリドの形態において主にみられる。オメガ-3脂肪酸は、化学処理を用いた最新技術において広く知られている方法を用いて(例えば、C-Cアルキルアルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール)によるトリグリセリドのエステル交換によって、またリン脂質(好ましくはホスホグリセリド)を形成すること、またはエステル交換の酵素反応を用いた酵素処理によって)、他の化学形態(なかでも、エチルエステル(EE)、モノグリセリド(MAG)、ジグリセリド(DG)、リン脂質または遊離脂肪酸(FFA)など)に変換され得る。オメガ-3脂肪酸は、最新技術において広く説明されている当業者に利用可能な、分離および抽出のための方法を用いた選択的な様式において、特定の化合物(例えば、EPA、DHAおよび/またはDPAn-3)に濃縮または分留され得る。
【0100】
本発明において、用語「C-Cアルキル」または「アルキルC-C」は、1~8つの炭素原子(好ましくは2~4つの炭素原子)を含んでいる脂肪族の直鎖または分枝鎖(エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、n-ペンチルまたはn-ヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない)を指す。
【0101】
具体的な実施形態において、本発明の上記エマルションに含まれている上記油は、C-Cアルキルエステルの形態においてオメガ-3脂肪酸を含んでいる。
【0102】
具体的な実施形態において、本発明の上記エマルションに含まれている上記油は、エチルエステルの形態においてオメガ-3脂肪酸を含んでいる。
【0103】
具体的な実施形態において、本発明の上記エマルションに含まれている上記油は、リン脂質の形態においてオメガ-3脂肪酸を含んでいる。
【0104】
具体的な実施形態において、本発明の上記エマルションに含まれている上記油は、ホスホグリセリドの形態においてオメガ-3脂肪酸を含んでいる。
【0105】
具体的な実施形態において、本発明の上記エマルションに含まれている上記油は、トリグリセリドの形態においてオメガ-3脂肪酸を含んでいる。
【0106】
具体的な他の実施形態において、本発明の上記エマルションに含まれている上記油は、上記油に対して少なくとも60重量%のオメガ-3脂肪酸を、トリグリセリドの形態において含んでいる。
【0107】
具体的な実施形態において、本発明の上記エマルションに含まれている上記油は、遊離脂肪酸、エステル、リン脂質、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドおよびこれらの組み合わせの形態において、オメガ-3脂肪酸を含んでいる。
【0108】
より具体的な実施形態において、本発明の上記エマルションに含まれている上記油は、トリグリセリドの形態、および部分的なグリセリド(モノグリセリドおよびジグリセリド)の混合物においてオメガ-3脂肪酸を含んでいる。
【0109】
オメガ-3MAG(モノグリセリドまたはモノアシルグリセリド)脂肪酸は、消化管によって吸収され、それらは無毒であり、それらの代謝物は、血液循環および組織に見られる(Morin C et al, 2013; PCT/CA2008/000530; PCT/CA2008/000301)。Philippoussis et alは、MAGの形態における脂質が、対応する脂肪酸と比べてより良好に、T細胞においてアポトーシスを誘導することを証明している(Philippoussis F et al, 2001)。したがって、限られた条件において、MAGの形態におけるオメガ-3脂肪酸の投与は、高い吸収(したがってその利用が効率的である)のために、他の化学的な形態のオメガ-3脂肪酸の投与に対して利点を有している。
【0110】
具体的な実施形態において、本発明の上記エマルションに含まれている上記油は、トリグリセリドの形態においてオメガ-3脂肪酸を含んでいる。
【0111】
具体的な他の実施形態において、本発明の上記エマルションに含まれている上記油は、上記油に対して少なくとも40重量%のオメガ-3脂肪酸をトリグリセリドの形態において含んでいる。
【0112】
本発明の具体的な実施形態において、上記エマルションの上記油はまた、少なくとも1つの炎症消退性脂質メディエータ(SPM)を含んでいる。
【0113】
炎症消退性脂質メディエータ(SPMまたは特殊な炎症消退性メディエータ)は、必須脂肪酸に由来する内因性の強力な生理活性生成物である。当該生理活性生成物は、脂肪酸リポキシゲナーゼ、2型シクロオキシゲナーゼによる触媒反応において、EPA、DHA、DPAまたはARAを基質として用いた、1つ、2つまたは3つの分子内酸素分子の、立体特異的および位置的な取り込みによって合成され、アスピリン、およびチトクロームP450の種々のオキシダーゼによってアセチル化される。
【0114】
好ましい実施形態において、SPMは、リポキシンA4、15-エピ-リポキシンA4、リポキシンB4、15-エピ-リポキシンB4、RvE1、18S-RvE1、20-ヒドロキシ-RvE1、RvE2、18S-RvE2、18S-RvE3、18R-RvE3、MaR1、7S-MaR1、13R,14S-MaR2、14S-ヒドロペルオキシ-DHA,PDX、14S,21R-ジHDHA、14R,21S-ジHDHA、14R,21R-ジHDHA、14S,21S-ジHDHA、16,17-ジHDHA、16,17-エポキシ-DHA、7,8-エポキシ-17S-HDHA、PD1、10S,17S-HDHA、16,17-ジHDHA、16,17-エポキシ-DHA、RvD1、RvD2、RvD3、RvD4、RvD5、RvD6、AT-RvD1、AT-RvD2、AT-RvD3、AT-RvD4、10S,17S-HDPAn-6、17-HDPA
n-6、7,14-HDPA n-6、10S,17S-HDPA n-6、7,17-HDPA n-6、15S-HETE、15R-HETE、5S-HEPE、5R-HEPE、11S-HEPE、11R-HEPE、12S-HEPE、12R-HEPE、15S-HEPE、15R-HEPE、18S-HEPE、18R-HEPE、4S-HDHA、7S-HDHA、10S-HDHA、11S-HDHA、14S-HDHA、14R-HDHA、17S-HDHA、17R-HDHA、20S-HDHA、17S-HDPAn-6、14S-HDPA n-6、10S-HDPA n-6、17S-HDPAn-3、14S-HDPA n-3、10S-HDPA n-6、17-HpDPA n-3、17-ヒドロペルオキシ-DPAn-3、RvD1 n-3DPA、RvD2 n-3DPA、RvD5 n-3DPA、PD1 n-3DPA、PD2 n-3DPA、14-HpDHA、MaR1 n-3DPA、MaR2n-3DPAおよびMaR3 n-3DPA、ならびにこれらの組み合わせから選択される。
【0115】
これらのSPMのIUPAC名は、US 2015/0126602 A1に記載されている。
【0116】
より好ましい実施形態において、SPMは、18R/S-HEPE、17R/S-HDHA、5S-HEPE、15R/S-HEPE、4R/S-HDHA、7R/S-HDHA、10R/S-HDHA、14R/S-HDHAおよびRvE1、ならびにこれらの混合物から選択される。
【0117】
より好ましい他の実施形態において、SPMは17S/R-HDHAである。
【0118】
より好ましい他の実施形態において、SPMは18R/S-HEPEである。
【0119】
より一層好ましい他の実施形態において、炎症消退性脂質メディエータ(SPM)は、17S/R-HDHAおよび18S/R-HEPEである。
【0120】
より一層好ましい他の実施形態において、上記エマルションは、0.0005~1重量%の17S/R-HDHAおよび18S/R-HEPE(パーセンテージは上記エマルションの総重量に対してである)を含んでいる。
【0121】
より一層好ましい他の実施形態において、上記エマルションは、0.0005~1重量%の17S/R-HDHA、18S/R-HEPEおよび14R/S-HDHA(パーセンテージは上記エマルションの総重量に対してである)を含んでいる。
【0122】
具体的な実施形態において、本発明の上記エマルションは、
1)オメガ-3脂肪酸を含んでいる、1.0~40重量%の油;
2)0.1~5.0重量%のセルロース誘導体;
3)0.1~10重量%の親水性乳化剤;
(ここで、すべての重量%は、上記エマルションの総重量に基づく)
を含んでいることを特徴とする。
【0123】
より好ましい実施形態において、本発明の上記エマルションは、
1)オメガ-3脂肪酸を含んでいる、1.0~30重量%の油;
2)0.4~1.5重量%のセルロース誘導体;
3)0.2~3.0重量%の親水性乳化剤;
(ここで、すべての重量%は、上記エマルションの総重量に基づく)
を含んでいることを特徴とする。
【0124】
本発明の上記エマルションの安定化を容易にする目的にしたがえば、当該エマルションは、少なくとも1つの親水性乳化剤を含み得る。
【0125】
具体的な実施形態において、上記親水性乳化剤は、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、脂肪酸のモノグリセリドの、モノアセチル酒石酸エステル、脂肪酸のジグリセリドの、ジアセチル酒石酸エステル、脂肪酸のモノグリセリドの、クエン酸エステル、および脂肪酸のジグリセリドの、クエン酸エステル、ならびにこれらの混合物から選択される。
【0126】
より好ましい実施形態において、上記乳化剤は、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、脂肪酸のモノグリセリドの、モノアセチル酒石酸エステル、および脂肪酸のジグリセリドの、ジアセチル酒石酸エステルから選択される。
【0127】
本発明の上記エマルションを微生物学的に安定化させる目的にしたがえば、当該エマルションは、種々の食品保存剤(例えば、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ヒドロキシ安息香酸プロピル、ヒドロキシ安息香酸メチルおよび/またはナイシンが挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。
【0128】
具体的な実施形態において、本発明の上記エマルションは、少なくとも1つの保存剤を含んでいる。
【0129】
より好ましい実施形態において、(複数の)上記保存剤は、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、ヒドロキシ安息香酸プロピルおよびヒドロキシ安息香酸メチルから選択される。
【0130】
より一層好ましい実施形態において、上記保存剤は、ソルビン酸カリウムおよび/または安息香酸カリウムである。
【0131】
本発明の上記エマルション、および当該エマルションが含んでいる活性成分の感覚受容性を向上させる目的にしたがえば、本発明の上記エマルションは、少なくとも1つの食品甘味料(例えば、これらに限定されないが、スクラロース、キシリトール、ステビアおよび生態的なショ糖)および/または少なくとも1つのアロマ(例えば、これらに限定されないが、レモン油、ペパーミント油、パイナップルアロマ、ココナツ油、オレンジアロマ、マンゴーアロマ、ライムアロマ、ピーチアロマおよび/またはクレメンタインアロマ)を含み得る。
【0132】
具体的な実施形態において、上記エマルションは、少なくとも1つの甘味料を含んでいる。
【0133】
好ましい実施形態において、上記甘味料はスクラロースおよび/またはキシリトールである。
【0134】
具体的な実施形態において、上記エマルションは、少なくとも1つのアロマを含んでいる。
【0135】
好ましい実施形態において、(複数の)上記アロマは、レモン油、ペパーミント油、パイナップルアロマ、ココナツ油、オレンジアロマ、マンゴーアロマ、ライムアロマ、ピーチアロマおよび/またはクレメンタインアロマから選択される。
【0136】
より好ましい実施形態において、上記アロマは、レモン油および/またはペパーミント油である。
【0137】
本発明の上記エマルションは、少なくとも1つの抗酸化剤を含み得る。
【0138】
好ましい実施形態において、上記抗酸化剤は、クルクミン、デメトキシクルクミン、ビスデメトキシクルクミン、テトラヒドロクルクミン、ビタミンE(トコフェノール)、ビタミンC(アスコルビン酸)、アスコルビン酸の誘導体、および/またはローズマリー抽出物、ならびにこれらの誘導体から選択される。
【0139】
より好ましい実施形態において、上記抗酸化剤はクルクミンである。
【0140】
ウコンは、南アジア原産(主にインド)の、Zingiberaceae科の草本植物であり、クルクミン(アユルヴェーダ治療法において伝統的に使用されているポリフェノール)が豊富であり、欧州連合において、ウコンは、最大濃度の0.05g/100g(E-100i)において食品添加物として認可されている。種々の試験は、クルクミンが抗酸化作用、抗腫瘍効果および抗炎症特性を有していることを示している(Ardalan M et al, 2014; Tavafi M, 2013; Barandaran A, 2012;Rahimi-Madiseh M et al, 2014)。類似の特性を有しているクルクミンの誘導体(例えば、デメトキシクルクミン、ビスデメトキシクルクミンおよびテトラヒドロクルクミンなど)が、述べられている。
【0141】
具体的な実施形態において、上記エマルションは、薬学的に許容可能な担体を含んでいる。
【0142】
具体的な他の実施形態において、上記エマルションは水溶液に可溶性である。
【0143】
本発明の上記エマルションを調製するための方法は、使用される均質化方法(オメガ-3脂肪酸(および必要に応じてSPMも)の生体利用効率を向上させる)に依存して、400ナノメートル(nm)~2000nmの粒径を有しているエマルションが得られることを可能にする。
【0144】
具体的な実施形態において、上記エマルションは、500nm~2000nmの粒径を有している。
【0145】
好ましい実施形態において、上記エマルションは、600nm~1300nmの粒径を有している。
【0146】
上記セルロース誘導体による本発明の上記エマルションの秩序だった構造化は、当該エマルションに安定性を付与し、さらに、当該エマルションを市場における異なる要求(エマルションの容易な摂取が計画されることを可能にする、種々の風味およびきめを有しているエマルション)に応じさせることを可能にする。
【0147】
第2の態様において、本発明は、少なくとも2種類のセルロース誘導体および親水性乳化剤を含んでいる水相を、こちらはオメガ-3脂肪酸(および必要に応じてSPMも)を含んでいる油相と混合することによって、本発明の上記エマルションを調製するための方法または処理を包含している。
【0148】
具体的な実施形態において、本発明のエマルションを調製するための上記方法または処理は、以下のステップ:
1)少なくとも2つのセルロース誘導体を含んでいる水相を調製すること;
2)上記水相の激しい撹拌によって複数のセルロース誘導体の混合物を、当該複数の誘導体の結合を容易にし、かつそれによって秩序だった微小構造を形成するために、活性化すること;
3)少なくとも1つの親水性乳化剤を上記水相に加えること;
4)オメガ-3脂肪酸を含んでいる油を含んでいる油相を調製すること;ならびに
5)上記水相および油相を混合すること、続く均質化;
を含んでいる。
【0149】
好ましい実施形態において、上記水相はまた、機械的な撹拌を用いて、保存剤(例えば、限定されないが、なかでも、ソルビン酸塩(例えば、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウムなど)、または安息香酸塩(例えば、安息香酸ナトリウムまたは安息香酸カルシウムなど))、および甘味料(例えば、なかでも、スクラロース、ステビア、生態的なショ糖またはキシリトールなど)を含んでいる。これらの構成成分は、セルロース誘導体を混合する前に、上記水相に加えられる。
【0150】
この水相において、機械的な撹拌によって活性化されている(好ましくは高い粘性の)少なくとも2つのセルロース誘導体の混合物が加えられ、続いて親水性乳化剤が加えられる。
【0151】
上記油相は、オメガ-3脂肪酸(および必要に応じてSPMも)を含んでいる天然の源からの抽出によって得られた油から、調製される。
【0152】
具体的な実施形態において、アロマ(例えば、なかでも、ペパーミントアロマ、レモンアロマ、パイナップルアロマ、ココナツ油、オレンジアロマ、マンゴーアロマ、ライムアロマ、ピーチアロマ、クレメンタインアロマなど)、および抗酸化剤(例えば、クルクミン、デメトキシクルクミン、ビスデメトキシクルクミン、テトラヒドロクルクミン、ビタミンE(トコフェノール)、ビタミンC(アスコルビン酸)、アスコルビン酸の誘導体、ローズマリー抽出物、およびそれらの誘導体)が、上記混合物を撹拌しながら上記油相に加えられる。
【0153】
上記油相および水相は、均質なエマルションが達成されるまで、混合され、均質化される。
【0154】
具体的な実施形態において、上記油相および水相は、少なくとも30分間にわたる、室温における機械的な撹拌によって乳化される。
【0155】
最後に、必要に応じて、上記エマルションは、少なくとも5秒間にわたって約75℃に、撹拌しながら加熱することによって、低温殺菌され得る。
【0156】
最終的に、上記エマルションのpHは、弱酸性物(例えば、クエン酸ナトリウム)を用いて調整される。
【0157】
具体的な実施形態において、本発明の上記エマルションは、2~80℃において安定である。
【0158】
具体的な実施形態において、本発明の上記エマルションは、3~50℃において安定である。
【0159】
具体的な実施形態において、本発明の上記エマルションは、3~25℃において安定である。
【0160】
第3の態様において、本発明は、本発明の上記方法にしたがって入手され得る水中油型(O/W)エマルション(他の構成成分(例えば、これまでに規定されている構成成分)が組み込まれ得る)に関する。
【0161】
上記方法は、エマルション(複数のセルロース誘導体の等軸結晶ネットワークに構造化されており、少なくとも2種類のセルロース誘導体(三次元構造にオメガ-3脂肪酸を含んでいる油の均質な分布を可能にする)の混合物によって形成されていることを特徴とする)の入手を、可能にする。当該エマルションは、市販のエマルションと比べて、より高い安定性、生体利用効率および胃耐性、ならびにより少ない凝集を可能にする。さらに、本発明の上記エマルションを調製するための上記方法は、使用される均質化処理に依存して、400ナノメートル(nm)~2000nmの粒径を有しているエマルションの入手を、可能にする。当該エマルションは、オメガ-3脂肪酸(および必要に応じてSPMも)の生体利用効率を向上させ、水溶性である。
【0162】
第4の発明の態様において、本発明は、栄養補助食品、栄養補給剤製品、医療食品、薬学的組成物、医薬としての、スポーツ栄養法、経腸栄養法および/または小児栄養法における、以上に規定されているような上記エマルションの使用に関する。
【0163】
具体的な実施形態において、本発明は、経腸栄養法における、以上に規定されているような上記エマルションの使用に関する。
【0164】
経腸栄養法は、自発的な経口摂食が不可能なときに、投与が消化管の異なる部位(例えば、胃、十二指腸または空腸)を介して直接に行われ得るように口腔および食道を通さずに、チューブを介して実施される。
【0165】
投与の経腸経路は、経口経路、舌下経路、胃腸経路、または直腸経路を指す。経口経路は、口腔から小腸の近位部または胃(続いて腸壁および肝臓を通る)を通る投与を指す。
【0166】
好ましい実施形態において、本発明の上記エマルションは、経口経路によって投与され得る。また、本発明の上記エマルションは、その経口投与前に、他の液体(例えば、ジュース、ヨーグルト、スムージー、ミルクまたは輸液)と混合され得る。
【0167】
具体的な他の実施形態において、本発明の上記エマルションは、経口経路によって摂食できない対象にとって栄養摂取媒体として機能するチューブを通す胃腸経路によって投与され得る。
【0168】
本発明の上記エマルションは、異なる用途に適合されている提供の異なる形態(例えば、なかでも、サシェ、シロップの形態、プラスティックまたはガラスのジャーもしくは瓶、および飲用のバイアル)に含まれ得る。
【0169】
具体的な実施形態において、本発明の上記エマルションは、サシェの形態において提供され得る。
【0170】
具体的な他の実施形態において、本発明の上記エマルションは、プラスティックまたはガラスの瓶に入れて提供され得る。
【0171】
具体的な他の実施形態において、本発明の上記エマルションは、プラスティックまたはガラスのジャーに入れて提供され得る。
【0172】
具体的な実施形態において、本発明の上記エマルションは、プラスティックまたはガラスの飲用のバイアルに入れて提供され得る。
【0173】
さらなる態様において、本発明は、栄養補助食品、栄養補給剤製品としての、スポーツ栄養法もしくは小児栄養法、医療食品および/または薬学的組成物における、以上に規定されているような上記エマルションの使用に関する。
【0174】
好ましい実施形態において、本発明は、栄養補助食品、栄養補給剤製品、医療食品および/または薬学的組成物としての、以上に規定されているような上記エマルションの使用に関する。
【0175】
具体的な実施形態において、本発明は、食品補助物(すなわち栄養補助食品)としての、以上に規定されているような上記エマルションの使用に関する。
【0176】
食品補助物(すなわち栄養補助食品)は、経口経路によって投与される調製物である。当該調製物は、食品を補うことを目的としており、食品成分(例えば、なかでも、ビタミン、ミネラル、脂肪酸(例えば、オメガ-3脂肪酸)または植物抽出物)を含んでおり、かつ食事に対する補助物(通常の食品の代用物としてではない)として機能する。
【0177】
具体的な実施形態において、本発明は、栄養補給剤製品としての、以上に規定されているような上記エマルションの使用に関する。
【0178】
栄養補給剤製品は、所定の食品に本来の形態で存在する物質(疾患または障害に対する予防能および/または治療能によって健康に対する有益な効果を有している)から製造されている。
【0179】
オメガ-3脂肪酸は、2012年5月16日の委員会規定(EU)番号432/2012の認可されている申請(表1にまとめられている)に示されているような、健康特性を有している。特に、EPAおよびDHA酸は、1日につき250mgのEPAおよびDHAの摂取によって、心臓の正常な機能に寄与する。DHAは、1日につき250mgのDHAの摂取によって、正常な視力の維持および脳の正常な機能の維持に寄与する。
【0180】
具体的な実施形態において、本発明は、小児栄養法における、以上に規定されているような上記エマルションの使用に関する。
【0181】
種々の研究が、小児の神経および視覚の発達に、DHAを関連付けている。未成熟な小児における長鎖多価不飽和脂肪酸(LC-PUFA)を用いた、多数の栄養補助試験(プラシーボと比べてより優れた視力を、DHAを補った食事の後に示す結果が得られている)がある(Birch et al, 1992b; Carlson et al, 1993; Smithers et al, 2008)。
【0182】
具体的な実施形態において、本発明は、スポーツ栄養法における、以上に規定されているような上記エマルションの使用に関する。
【0183】
力、および疲労への抵抗を生じる筋肉の能力は、スポーツ活動にとって必須の性質である。訓練によってもたらされる、神経筋系および筋肉の順応は、力、および疲労への抵抗を調節することを担っている性質である。これは、種々の栄養補給物の作用(例えば、タンパク質の補給、腕力訓練に筋肉を順応させること、または抵抗の向上における炭化水素の使用)を決定することに関わる。より新しい研究は、オメガ-3の補給が、疲労に関わる末梢神経筋の機能および特徴を、男性の運動選手において向上させると、突き止めている。
【0184】
具体的な実施形態において、本発明は、医療食品における、以上に規定されているような上記エマルションの使用に関する。
【0185】
医療食品は、経口的または経腸的に消費されるために調合されている食品である。当該食品は、疾患または障害(医学的な診断の後に、異なる栄養必要量が、認識されている科学的原理に基づいて設定されている)の特殊な食事管理を目的として医師の監督のもとに投与される。このような医療食品は、非常に病的な患者(すなわち、罹っている疾患もしくは障害の特別な食事管理に重要な構成要素として製品の使用を必要とする者)に供給されるために、特別に調合され、処理されている(天然の状態において使用される食品ではない)。医療食品は、以下の特性を兼ね備えている。
【0186】
a)経口経路または消化管を通して患者の、部分的または全体的な摂食のために特別に調合され、処理されている製品である。
【0187】
b)患者(通常の食品または一部の栄養物の摂取、消化、吸収もしくは代謝するわずかな許容量または限られた許容量を、慢性的な要求または治療上の要求のために有している者、または通常の食事を修正することによって解消され得ない栄養物に対する要求を有している者)の食事管理を目的とする。
【0188】
c)医学的な診断によって決定されたときに特殊な疾患が必要とする単一の栄養物を管理するために特に変更されている栄養的な補助をもたらす。
【0189】
d)医師の監督のもとに使用されるべきである。
【0190】
e)食品の使用について特殊な指示を受けている医師との頻繁な接触をともなった、積極的な処置を受けている患者を対象としている。
【0191】
種々の具体的な実施形態において、本発明は、炎症性コンポネントをともなう疾患または障害の特殊な食事管理のための医療食品を調製するための、以上に規定されているような上記エマルションの使用に関する。
【0192】
具体的な実施形態において、本発明の上記エマルションは、少なくとも1つの賦形剤、補助剤および/または薬学的に許容可能な担体も含んでいる薬学的組成物を調製するために使用され得る。
【0193】
治療的に有効な量の本発明の上記エマルションを、薬学的に許容可能な担体とともに含んでいる薬学的組成物は、本発明のさらなる態様を構成している。
【0194】
用語「薬学的に許容可能な担体」は、それらを用いて活性成分が投与される希釈剤、補助剤または賦形剤を指す。そのような薬学的に許容可能な担体は、無菌の液体(例えば、水および油(動物由来、植物由来または合成由来の油(ピーナツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油など)を有している油)が挙げられる)であり得る。薬学的に許容可能な担体は、生理食塩水の水担体または水溶液として、好ましく使用される。好ましくは、本発明の担体は、国家または連邦政府の管理機関によって認可されており、当該担体は、United States Pharmacopeia、EuropeanPharmacopeia、または動物および特にヒトにおけるその使用について一般に認識されている任意の薬局方に挙示されている。
【0195】
種々の具体的な実施形態において、本発明の上記エマルションは、炎症性コンポネントを提示する疾患または障害を、治療に有効な用量を投与することによって処置するための、患者に対するその経腸投与に有益な医薬を製造するために使用され得る。
【0196】
炎症性コンポネントの原因である疾患は、クローン病、IBD、脂肪肝、創傷治癒、動脈の炎症、関節炎、乾癬、蕁麻疹、血管炎、喘息、眼の炎症、肺の炎症、皮膚炎、心疾患、AIDS、アルツハイマー病、アテローム硬化症、がん、2型糖尿病、高血圧、神経筋の障害、肥満、感染症、白血病、リンパ腫、代謝症候群、肥満、心臓発作、リウマチ、移植、歯周病、脳外傷、外傷、嚢胞性線維症および筋疾患から選択され得る。
【0197】
本開示によれば、本発明の上記エマルションもしくはその薬学的組成物の、医薬の製造のための使用、または代替的に炎症性コンポネントを示している疾患もしくは障害を処置するため医薬としてのその使用は、そのような疾患または障害の処置方法(上記エマルションまたはその薬学的組成物の治療的に有効な量の、患者に対する投与を含んでいる)として明確に理解され得る。言い換えると、本発明はまた、疾患または障害(クローン病、IBD、脂肪肝、創傷治癒、動脈の炎症、関節炎、乾癬、蕁麻疹、血管炎、喘息、眼の炎症、肺の炎症、皮膚炎、心疾患、AIDS、アルツハイマー病、アテローム性動脈硬化症、がん、2型糖尿病、高血圧、神経筋の障害、肥満、感染症、白血病、リンパ腫、代謝症候群、肥満、心臓発作、リウマチ、移植、歯周病、脳外傷、外傷、嚢胞性線維症および筋疾患から好ましく選択される)を処置する方法に関する。当該方法は、本発明のエマルションを治療的に有効な量において対象に投与すること、または本発明の薬学的組成物を含んでいる。
【0198】
本願において指定されている値の使用は、特に断りがない限り、当該値の近似として理解されるべきである。本願の数値は、本発明の種々の具体的な実施形態を表しているが、当該数値の限定とみなされるべきではない。
【実施例0199】
本発明において、エマルションにおけるオメガ-3脂肪酸の含有量は、当該エマルションの総重量に対する重量パーセントとして表されており、まず当該エマルションから油を抽出すること、ならびに続いてEuropean Pharmacopeia, method 2.49.29のうち、オメガ-3脂肪酸のモノグラフに記載されている方法、またはガスクロマトグラフィー、HPLC、FPLCもしくは任意の他のクロマトグラフィー法を用いた等価な任意の他の方法によって上記含有量を測定することによって決定され、当該含有量は、他に何か明示されていない限り、遊離脂肪酸(FFA)の形態におけるパーセントとして表されている。
【0200】
〔実施例1.オメガ-3脂肪酸(エチルエステル)を用いたエマルションの工業生産〕
水中のエチルエステル(EE)の形態における95kgのオメガ-3脂肪酸エマルション(EMOX-1)の工業生産を実施するために、2相(続いて混合され、乳化される水相および油相)を、室温で調製した。表2は、エマルションの組成を示している。
【0201】
機械的に撹拌しながら、水、保存剤(ソルビン酸カリウムおよび安息香酸ナトリウム)および甘味料(スクラロース)を混合することによって、水相を得た。この水相において、激しい撹拌によって活性化されている、セルロース誘導体の混合物(88%の微結晶セルロースおよび12%のカルボキシメチルセルロース)、および親水性乳化剤(上記脂肪酸のモノグリセリドの、モノアセチル酒石酸エステル、および、上記脂肪酸のジグリセリドの、ジアセチル酒石酸エステル)も、加えた。水相を、約10分間にわたって室温で撹拌した。
【0202】
抗酸化剤としてビタミンEを含んでいることに加えて、エチルエステル(EE)としてエステル化されており、80%EPAまで濃縮されており、最後に脱臭されている、半精製の魚油である油(80/00EE)を、油相を調製するために使用した。エチルエステルの形態においてオメガ-3脂肪酸を含んでいる上記油(80/00EE)を、複数のアロマ(レモン油濃縮物およびペパーミントアロマ)と混合し、混合物を室温で撹拌した。
【0203】
油相および水相を、約30分間にわたる室温における機械的な撹拌によって、混合し、乳化させた。乳化に続いて、乳化した混合物を約7秒間にわたって75℃に加熱する低温殺菌処理に、当該混合物を供した。それから、pHを、クエン酸3ナトリウムによって調整し、エマルションを、好ましくは25℃未満に冷却した。
【0204】
【表6】
【0205】
EMOX-1エマルションの工業分析を、表3に示した。
【0206】
【表7】
【0207】
〔実施例2.オメガ-3脂肪酸(トリグリセリド)を用いたエマルションの工業生産〕
水中のトリグリセリドの形態における95kgのオメガ-3脂肪酸エマルション(EMOX-2)の工業生産を実施するために、2相(続いて混合され、乳化される水相および油相)を、室温で調製した。表4は、エマルションの組成を示している。
【0208】
機械的に撹拌しながら、水、保存剤(ソルビン酸カリウムおよび安息香酸ナトリウム)および甘味料(スクラロースおよびキシリトール)を混合することによって、水相を得た。この水相において、激しい撹拌によって活性化されている、セルロース誘導体の混合物(88%の微結晶セルロースおよび12%のカルボキシメチルセルロース)、および親水性乳化剤(上記脂肪酸のモノグリセリドおよびジグリセリドの、クエン酸エステル)も、加えた。水相を、約10分間にわたって室温で撹拌した。
【0209】
抗酸化剤としてビタミンEを含んでいる、精製および脱臭された天然の魚油(カタクチイワシ/イワシ)である油(18/12TG)を、油相を調製するために使用した。18%のEPAおよび12%のDHAを主にトリグリセリド(TG)の形態で含んでいる油(18/12TG)を、アロマ(パイナップルアロマおよびココナツ油)と混合し、混合物を室温で撹拌した。
【0210】
油相および水相を、約30分間にわたる室温における機械的な撹拌によって、混合し、乳化させた。乳化に続いて、乳化した混合物を約7秒間にわたって75℃に加熱する低温殺菌処理に、当該混合物を供した。それから、pHを、クエン酸3ナトリウムによって調整し、エマルションを、好ましくは25℃未満に冷却した。
【0211】
【表8】
【0212】
EMOX-2エマルションの工業分析を、表5に示した。
【0213】
【表9】
【0214】
〔実施例3.オメガ-3脂肪酸(モノグリセリド)を用いたエマルションの工業生産〕
水中のモノグリセリド(MG)の形態における95kgのオメガ-3脂肪酸エマルション(EMOX-3)の工業生産を実施するために、2相(続いて混合され、乳化される水相および油相)を、室温で調製した。表6は、エマルションの組成を示している。
【0215】
機械的に撹拌しながら、水、保存剤(ソルビン酸カリウムおよび安息香酸ナトリウム)および甘味料(スクラロースおよびキシリトール)を混合することによって、水相を得た。この水相において、激しい撹拌によって活性化されている、セルロース誘導体の混合物(微結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロース)、および親水性乳化剤も、加えた。水相を、約10分間にわたって室温で撹拌した。
【0216】
抗酸化剤としてビタミンEおよびクルクミンを含んでいることに加えて、80%EPAまで濃縮されており、そのモノアセチルグリセリド体にエステル交換されており、最後に脱臭されている、エステル化された半精製の魚油である油(80/00MAG)を、油相を調製するために使用した。モノグリセリドの形態でオメガ-3脂肪酸を含んでいる油(80/00MAG)を、アロマ(レモンアロマおよびペパーミント油)と混合し、混合物を撹拌した。
【0217】
油相および水相を、約30分間にわたる室温における機械的な撹拌によって、混合し、乳化させた。乳化に続いて、乳化した混合物を約7秒間にわたって75℃に加熱する低温殺菌処理に、当該混合物を供した。それから、pHを、クエン酸3ナトリウムによって調整し、エマルションを、好ましくは25℃未満に冷却した。
【0218】
【表10】
【0219】
【表11】
【0220】
〔実施例4.油(30/20/TG)を用いたエマルションEMOX-4の調製、および当該エマルションの粒径分布の決定〕
トリグリセリドの形態でオメガ-3脂肪酸を水中に含んでいる、200gのオイルエマルション(30/20TG)(EMOX-4)の工業生産を実施するために、2相(続いて混合され、乳化される水相および油相)を、室温で調製した。表8は、エマルションの組成を示している。
【0221】
機械的に撹拌しながら、水、保存剤(ソルビン酸カリウムおよび安息香酸ナトリウム)および甘味料(スクラロースおよびキシリトール)を混合することによって、水相を得た。この水相において、激しい撹拌によって活性化されている、セルロース誘導体の混合物(微結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロース)、および親水性乳化剤(上記脂肪酸のモノグリセリドの、モノアセチル酒石酸エステル、および、上記脂肪酸のジグリセリドの、ジアセチル酒石酸エステル)も、加えた。水相を、約10分間にわたって室温で撹拌した。
【0222】
抗酸化剤としてビタミンEを含んでいる、エステル交換されており、脱臭されている半精製の魚油である油(30/20TG)を、油相を調製するために使用した。30%のEPAおよび20%のDHAを主にトリグリセリド(TG)の形態で含んでいる油(30/20TG)を、アロマ(パイナップルアロマおよびココナツアロマ)と混合し、生じた混合物を撹拌した。
【0223】
油相および水相を、機械的な撹拌によって混合し、pHをクエン酸3ナトリウムによって調整した。混合物を、約30分間にわたって室温で撹拌しながら、維持させた。
【0224】
【表12】
【0225】
この処理は、図2に示されているように、1.50ミクロンの粒径を有しているエマルション(EMOX-4)を生じさせた。
【0226】
【表13】
【0227】
〔実施例5.油(80/00MAG)を用いたエマルションEMOX-5の調製、および当該エマルションの中央粒径の決定〕
水中のモノグリセリド(モノアセチルグリセリド)の形態における100gのオメガ-3脂肪酸エマルション(EMOX-5)の工業生産を実施するために、2相(続いて混合され、乳化される水相および油相)を、室温で調製した。表10は、エマルションの組成を示している。
【0228】
機械的に撹拌しながら、水、保存剤(ソルビン酸カリウムおよび安息香酸ナトリウム)および甘味料(スクラロースおよびキシリトール)を混合することによって、水相を得た。この水相において、激しい撹拌によって活性化されている、セルロース誘導体の混合物(83.6%の微結晶セルロース、11.4%のカルボキシメチルセルロースおよび5%のヒドロキシプロピルメチルセルロース)、および親水性乳化剤も、加えた。水相を、約10分間にわたって室温で撹拌した。
【0229】
抗酸化剤としてビタミンEおよびクルクミンを含んでいることに加えて、80%EPAまで濃縮されており、そのモノアセチルグリセリド体にエステル交換されており、最後に脱臭されている、エステル化された半精製の魚油である油(80/00MAG)を、油相を調製するために使用した。油(80/00MAG)を、アロマ(レモン油およびペパーミントアロマ)と混合し、混合物を撹拌した。
【0230】
油相および水相を、約30分間にわたる室温における機械的な撹拌によって、混合し、乳化させた。pHをクエン酸3ナトリウムによって調整し、エマルションを、好ましくは25℃未満に冷却した。
【0231】
【表14】
【0232】
この処理は、1.25ミクロンの粒径を有しているエマルション(EMOX-5)を生じさせた。
【0233】
【表15】
【0234】
〔実施例6.オメガ-3脂肪酸およびSPM(17-HDHAおよび18-HEPE)のエマルションの調製、ならびに当該エマルションの粒径分布の決定および安定性の検討〕
水中の25kgのオメガ-3脂肪酸エマルションおよび5%SPM(EMOX-6)の工業生産を実施するために、2相(続いて混合され、乳化される水相および油相)を、室温で調製した。表12は、エマルションの組成を示している。
【0235】
機械的に撹拌しながら、水、保存剤(ソルビン酸カリウムおよび安息香酸ナトリウム)および甘味料(スクラロースおよび生態的なショ糖)を混合することによって、水相を得た。この水相において、激しい撹拌によって活性化されている、セルロース誘導体の混合物(88%の微結晶セルロースおよび12%のキサンタンガム)および親水性乳化剤(上記脂肪酸のモノグリセリドの、モノアセチル酒石酸エステル、および、上記脂肪酸のジグリセリドの、ジアセチル酒石酸エステル)も、加えた。水相を、約10分間にわたって室温で撹拌した。
【0236】
抗酸化剤としてビタミンEを含んでいる、エステル化されており、濃縮されており、脱臭されている半精製の魚油を、油相を調製するために使用した。EPA(最少150mg/g、FFAと表されている)、DHA(最少300mg/g、FFAと表されている)、17-HDHA(最少50mg/gFFAと表されている)および18-HEPE(最少40ppm、FFAと表されている)によって構成されているサラダ油を、混合した。オメガ-3脂肪酸およびSPM(17-HDHAおよび18-HEPE)を含んでいる油を、アロマ(レモン油濃縮物およびペパーミントアロマ)と混合し、混合物を撹拌した。
【0237】
油相および水相を、30分間にわたる室温における機械的な撹拌によって、混合し、乳化させた。pHをクエン酸3ナトリウムによって6.2に調整し、エマルションを25℃未満の温度において冷却した。
【0238】
【表16】
【0239】
【表17】
【0240】
この処理は、図3に示されているように500nmの中央粒径を有しているエマルション(EMOX-6)を生じさせた。
【0241】
表14は、エマルションの特性の、長期間にわたる変動を示している。エマルションの安定性を調べるために、なかでも中央粒径、pHまたは粒子の凝集の測定が、表14に示されているように、長期間にわたって実施された。
【0242】
【表18】
【0243】
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