(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065222
(43)【公開日】2022-04-27
(54)【発明の名称】液体供給システム
(51)【国際特許分類】
F04B 43/08 20060101AFI20220420BHJP
【FI】
F04B43/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2019041404
(22)【出願日】2019-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000101879
【氏名又は名称】イーグル工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木藤 雅人
【テーマコード(参考)】
3H077
【Fターム(参考)】
3H077AA09
3H077BB10
3H077CC03
3H077DD02
3H077EE30
3H077EE37
3H077FF02
3H077FF12
(57)【要約】
【課題】予冷に費やす時間を短くすることができる液体供給システムを提供する。
【解決手段】吸入口251aから第1ポンプ室P1内に入っていく位置に設けられる第1吸入口側逆止弁510Aと、第1ポンプ室P1から送出口251bに出ていく位置に設けられる第1送出口側逆止弁510Bと、吸入口251aから第2ポンプ室P2内に入っていく位置に設けられる第2吸入口側逆止弁510Cと、第2ポンプ室P2から送出口251bに出ていく位置に設けられる第2送出口側逆止弁510Dと、を備え、第1吸入口側逆止弁510Aと第1送出口側逆止弁510Bと第2吸入口側逆止弁510Cと第2送出口側逆止弁510Dは、軸線方向の一か所に該軸線方向に並べて配置されていることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にポンプ室が備えられ、かつ超低温液体の吸入口及び送出口が設けられている容器と、
前記容器内において軸線方向に往復移動する軸部材と、
前記容器内において、前記軸部材の往復移動に伴って伸縮するベローズと、
ベローズの外周面を囲む空間により形成されるポンプ室と、
を備える液体供給システムであって、
前記吸入口からポンプ室内に入っていく位置に設けられる吸入口側逆止弁と、
ポンプ室から前記送出口に出ていく位置に設けられる送出口側逆止弁と、
を備え、
吸入口側逆止弁と送出口側逆止弁との間には、吸入口側逆止弁と送出口側逆止弁のうちの一方の弁体の弁座となる部分を有する環状の仕切部材が設けられていることを特徴とする液体供給システム。
【請求項2】
前記仕切部材は、吸入口側逆止弁と送出口側逆止弁のうちの他方の弁体のストッパとなる部分を有することを特徴とする請求項1に記載の液体供給システム。
【請求項3】
吸入口側逆止弁と送出口側逆止弁は、いずれも前記軸部材と同心的に設けられる複数の環状の部材により構成されていることを特徴とする請求項2に記載の液体供給システム。
【請求項4】
吸入口側逆止弁と送出口側逆止弁は、前記軸線方向の一か所に該軸線方向に並べて配置されていることを特徴とする請求項3に記載の液体供給システム。
【請求項5】
前記ベローズは、前記軸線方向に並べて配置される第1ベローズと第2ベローズとを有し、
前記ポンプ室は前記第1ベローズの外周面を囲む空間により形成される第1ポンプ室と、前記第2ベローズの外周面を囲む空間により形成される第2ポンプ室とを有し、
前記吸入口側逆止弁は前記吸入口から前記第1ポンプ室内に入っていく位置に設けられる第1吸入口側逆止弁と、前記吸入口から前記第2ポンプ室内に入っていく位置に設けられる第2吸入口側逆止弁とを有し、
前記吸入口から吸入された超低温液体は、前記ポンプ室に向けて流れて行くように構成されており、かつ、前記軸線方向において、第1吸入口側逆止弁と第2吸入口側逆止弁が配置されている範囲内に前記吸入口が配されていることを特徴とする請求項4に記載の液体供給システム。
【請求項6】
前記送出口側逆止弁は前記第1ポンプ室から前記送出口に出ていく位置に設けられる第1送出口側逆止弁と、前記第2ポンプ室から前記送出口に出ていく位置に設けられる第2送出口側逆止弁とを有し、
前記ポンプ室から送出された超低温液体は、前記送出口に向けて流れて行くように構成されており、かつ、前記軸線方向において、第1送出口側逆止弁と第2送出口側逆止弁が配置されている範囲内に前記送出口が配されていることを特徴とする請求項5に記載の液体供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超低温液体を供給する液体供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
循環流路に対して液体窒素や液体ヘリウムなどの超低温液体を循環させるために、ベローズにより形成されたポンプ室を有する液体供給システムを利用した技術が知られている(特許文献1参照)。このような液体供給システムにおいては、ポンプ室を通る流路が液体により満たされていないとポンプを動作させることはできない。従って、最初の起動時やメンテナンス後の起動時においては、予冷を行うことで、超低温液体が流路内で気化してしまわないようにする必要がある。そこで、液体供給システムを起動する前に、ポンプ室を通る流路に対して、超低温液体を強制的に流すことによって、当該流路を予め冷却している。
【0003】
そして、本出願人は、予冷に費やす時間を短くする技術を既に提案している(特許文献2参照)。しかしながら、当該技術においても、配管の構造が複雑で、配管の全長が長くなってしまい、その分だけ予冷に費やす時間が必要になってしまう。従って、未だ、改善の余地が残されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2016/006648号
【特許文献2】国際公開第2018/143419号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、予冷に費やす時間を短くすることができる液体供給システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
【0007】
すなわち、本発明の液体供給システムは、
内部にポンプ室が備えられ、かつ超低温液体の吸入口及び送出口が設けられている容器と、
前記容器内において軸線方向に往復移動する軸部材と、
前記容器内において、前記軸部材の往復移動に伴って伸縮するベローズと、
ベローズの外周面を囲む空間により形成されるポンプ室と、
を備える液体供給システムであって、
前記吸入口からポンプ室内に入っていく位置に設けられる吸入口側逆止弁と、
ポンプ室から前記送出口に出ていく位置に設けられる送出口側逆止弁と、
を備え、
吸入口側逆止弁と送出口側逆止弁との間には、吸入口側逆止弁と送出口側逆止弁のうちの一方の弁体の弁座となる部分を有する環状の仕切部材が設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、吸入口側逆止弁と送出口側逆止弁のうちの一方の弁体の弁座であり、かつ、吸入口と送出口空間とを仕切る部材として仕切部材が設けられるため、部品点数の
増加を抑制することができる。従って、予冷に費やす時間を短くすることができる。
【0009】
前記仕切部材は、吸入口側逆止弁と送出口側逆止弁のうちの他方の弁体のストッパとなる部分を有するとよい。
【0010】
これにより、仕切部材が弁座だけでなく、他方の弁体のストッパとしても機能するため、部品点数の増加を抑制し、予冷に費やす時間を短くし、かつ、他方の弁体を所定の範囲内で作動させることができるため、安定した弁機能を達成できる。
【0011】
吸入口側逆止弁と送出口側逆止弁は、いずれも前記軸部材と同心的に設けられる複数の環状の部材により構成されているとよい。
【0012】
これにより、仕切り部材をコンパクトな形状とすることができ、予冷に費やす時間を短くすることができる。
【0013】
吸入口側逆止弁と送出口側逆止弁は、前記軸線方向の一か所に該軸線方向に並べて配置されているとよい。
【0014】
これにより、吸入口側逆止弁と送出口側逆止弁は、軸線方向の一か所に該軸線方向に並べて配置されているので、配管構造が複雑化してしまうことを抑制することができる。これにより、配管の全長を短くすることができる。従って、予冷に費やす時間を短くすることができる。
【0015】
前記ベローズは、前記軸線方向に並べて配置される第1ベローズと第2ベローズとを有し、
前記ポンプ室は前記第1ベローズの外周面を囲む空間により形成される第1ポンプ室と、前記第2ベローズの外周面を囲む空間により形成される第2ポンプ室とを有し、
前記吸入口側逆止弁は前記吸入口から前記第1ポンプ室内に入っていく位置に設けられる第1吸入口側逆止弁と、前記吸入口から前記第2ポンプ室内に入っていく位置に設けられる第2吸入口側逆止弁とを有し、
前記吸入口から吸入された超低温液体は、前記ポンプ室に向けて流れて行くように構成されており、かつ、前記軸線方向において、第1吸入口側逆止弁と第2吸入口側逆止弁が配置されている範囲内に前記吸入口が配されているとよい。
【0016】
これにより、吸入口からポンプ室に至る流路を短くすることができる。これにより、予冷に費やす時間を短くすることができる。
【0017】
前記送出口側逆止弁は前記第1ポンプ室から前記送出口に出ていく位置に設けられる第1送出口側逆止弁と、前記第2ポンプ室から前記送出口に出ていく位置に設けられる第2送出口側逆止弁とを有し、
前記ポンプ室から送出された超低温液体は、前記送出口に向けて流れて行くように構成されており、かつ、前記軸線方向において、第1送出口側逆止弁と第2送出口側逆止弁が配置されている範囲内に前記送出口が配されているとよい。
【0018】
これにより、ポンプ室から送出口に至る流路を短くすることができる。これにより、予冷に費やす時間を短くすることができる。
【0019】
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明によれば、予冷に費やす時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は本発明の実施例1に係る液体供給システムの概略構成図である。
【
図2】
図2は本発明の実施例1に係る液体供給システムにおける主要構成部の模式的断面図である。
【
図3】
図3は本発明の実施例1に係る逆止弁付近を拡大した模式的断面図である。
【
図4】
図4は本発明の実施例2に係る液体供給システムの概略構成図である。
【
図5】
図5は本発明の実施例3に係る液体供給システムの概略構成図である。
【
図6】
図6は本発明の実施例4に係る液体供給システムの概略構成図である。
【
図7】
図7は本発明の実施例5に係る液体供給システムの概略構成図である。
【
図8】
図8は本発明の実施例6に係る液体供給システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0023】
(実施例1)
図1~
図3を参照して、本発明の実施例1に係る液体供給システムについて説明する。
図1は本発明の実施例1に係る液体供給システムの概略構成図である。
図2は本発明の実施例1に係る液体供給システムにおける主要構成部の模式的断面図である。
図3は本発明の実施例1に係る逆止弁付近を拡大した模式的断面図である。本実施例に係る液体供給システムは、例えば、超電導機器を超低温状態に維持させるために好適に用いることができる。すなわち、超電導機器においては、超電導コイルなどを常時冷却させる必要がある。そこで、超電導コイルなどが備えられた被冷却装置に超低温液体(液体窒素や液体ヘリウム)を常時供給することで、被冷却装置は常時冷却される。より具体的には、被冷却装置を通る循環流路を設け、かつ、この循環流路中に本実施例に係る液体供給システムを取り付けることにより、超低温液体を循環させて、被冷却装置を常時冷却させることが可能となる。また、背景技術で説明した通り、本実施例に係る液体供給システムにおいては、ポンプ室を通る流路が液体により満たされていないとポンプを動作させることはできない。そのため、最初の起動時やメンテナンス後の起動時においては、予冷を行うことで、超低温液体が流路内で気化してしまわないようにする必要がある。そこで、液体供給システムを起動する前に、ポンプ室を通る流路に対して、超低温液体を強制的に流すことによって、当該流路を予め冷却している。なお、以下の説明において、便宜上、軸部材における軸線方向において、
図1及び
図2中、上方側を「一端側」と称し、下方側を「他端側」と称する。また、軸部材における軸線方向について、以下、単に「軸線方向」と称する。
【0024】
<液体供給システムの全体構成>
図1及び
図2を参照して、本発明の実施例に係る液体供給システム全体の構成について説明する。なお、
図1は本実施例に係る液体供給システムの概略構成を示しており、
図2は本実施例に係る液体供給システムにおける液体供給システム本体の模式的断面図を示している。本実施例に係る液体供給システム1は、液体供給システム本体(以下、システム本体10と称する)と、システム本体10が内部に設置される真空容器20と、配管(吸入管41及び送出管42)とを備えている。吸入管41及び送出管42は、いずれも真空容器20の外部から真空容器20の内部に入り込み、システム本体10に接続されている。真空容器20の内部は密閉されており、真空容器20の内部のうち、システム本体10,吸入管41及び送出管42の外側の空間は真空状態が維持されている。これにより、この空間は断熱機能を備えている。液体供給システム1は、通常、水平面上に設置される。
液体供給システム1が設置された状態において、
図1及び
図2における上方が鉛直方向上方となり、
図1及び
図2における下方が鉛直方向下方となる。
【0025】
システム本体10は、駆動源となるリニアアクチュエータ30により軸線方向(本実施例においては鉛直方向)に往復移動する軸部材100と、内部にポンプ室が備えられている容器200とを備えている。なお、リニアアクチュエータ30は任意の箇所に固定され、固定される箇所は容器200に固定されていてもよいし、他の図示しない箇所に固定されていてもよい。軸部材100は、容器200の外部から、容器200の天井部211に設けられた開口部211aを介して容器内部に入り込むように設置されている。
【0026】
容器200は、天井部211が設けられる天井部側胴体部210と、底部221が設けられる底部側胴体部220と、これら天井部側胴体部210と底部側胴体部220との間に設けられる中央胴体部230とを備えている。これら天井部側胴体部210と底部側胴体部220と中央胴体部230は、いずれも環状の胴体部を有している。
【0027】
中央胴体部230には、容器200の内部の空間を区画するための内向きフランジ部231が設けられている。なお、本実施例においては、中央胴体部230に一体に設けられた内向きフランジ部の上下の両側に、それぞれベローズが固定される環状の部材が設けられている。以下の説明においては、これら一対の環状の部材と、中央胴体部230に一体に設けられた内向きフランジ部とを含めた部分を、内向きフランジ部231と称する。また、この中央胴体部230には、吸入管41から吸入された超低温液体をポンプ室内に導くための第1貫通孔232及び第2貫通孔233が設けられている。第1貫通孔232は内向きフランジ部231よりも天井部側胴体部210側に設けられ、第2貫通孔233は内向きフランジ部231よりも底部側胴体部220側に設けられている。更に、中央胴体部230には、ポンプ室から送出管42に向けて超低温液体を送り出すための第3貫通孔234及び第4貫通孔235が設けられている。第3貫通孔234は内向きフランジ部231よりも天井部側胴体部210側に設けられ、第4貫通孔235は内向きフランジ部231よりも底部側胴体部220側に設けられている。
【0028】
また、中央胴体部230の外周には、流路を形成するための流路形成部材240A,240Bが、中央胴体部230を挟んで対向して設けられている。すなわち、この流路形成部材240Aと中央胴体部230との間には、吸入管41から吸入された超低温液体を第1貫通孔232と第2貫通孔233に向けて流すための第1流路R1が形成され、流路形成部材240Bと中央胴体部230との間には、第3貫通孔234と第4貫通孔235から送り出された超低温液体を送出管42に向けて流すための第2流路R2が形成されている。そして、流路形成部材240Aには、第1流路R1から流路形成部材240Aの外周面に至る第5貫通孔241が形成され、流路形成部材240Bには、第2流路R2から流路形成部材240の外周面に至る第6貫通孔242が形成されている。なお、中央胴体部230は、上端付近と下端付近がそれぞれ円筒形状部分により構成されており、これら一対の円筒形状部分の間に、平面状に切り欠かれた部分を一対備える構成である。そして、これら一対の切り欠かれた部分に、上記のように、一対の流路形成部材240A,240Bがそれぞれ固定されている。
【0029】
更に、流路形成部材240Aの外周には、配管接続部材250Aが設けられ、流路形成部材240Bの外周には、配管接続部材250Bが設けられている。この配管接続部材250Aには、吸入口251aが設けられ、配管接続部材250Bには、送出口251bが設けられている。吸入口251aには吸入管41が接続され、送出口251bには送出管42が接続される。
【0030】
次に、容器200の内部の構成について説明する。容器200の内部においては、軸部
材100と同心的に、円筒状部材310が設けられている。この円筒状部材310の一端側には径方向外側に突出する第1環状突出部311が設けられ、他端側には径方向内側に突出し、軸部材100に固定される第2環状突出部312が設けられている。また、軸部材100の他端側には径方向外側に突出した第3環状突出部320が固定されている。なお、第1環状突出部311,第2環状突出部312及び第3環状突出部320については、単一の部材により構成してもよいし、複数の部材により構成してもよい。
【0031】
また、容器200の内部には、軸部材100の往復移動に伴って伸縮する第1ベローズ410及び第2ベローズ420が設けられている。これらの第1ベローズ410及び第2ベローズ420は、軸線方向(鉛直方向)に並べて配置されている。第1ベローズ410の一端側は第1環状突出部311に固定されており、第1ベローズ410の他端側は内向きフランジ部231に固定されている。また、第2ベローズ420の一端側は内向きフランジ部231に固定されており、第2ベローズ420の他端側は第3環状突出部320に固定されている。そして、第1ベローズ410の外周面を囲む空間により第1ポンプ室P1が形成されており、第2ベローズ420の外周面を囲む空間により第2ポンプ室P2が形成されている。
【0032】
また、容器200の内部には、軸部材100の往復移動に伴って伸縮する第3ベローズ430も設けられている。第3ベローズ430の一端側は容器200の天井部211に固定されており、第3ベローズ430の他端側は第2環状突出部312に固定されている。これにより、容器200に設けられた開口部211aが塞がれている。
【0033】
そして、第1ベローズ410の外周面と天井部側胴体部210の内周面との間の空間と、第3ベローズ430の外周面と円筒状部材310の内周面との間の空間は繋がっており、これらによって形成される密閉空間が第1ポンプ室P1として機能する。また、第2ベローズ420の外周面と底部側胴体部220の内周面との間の密閉空間が第2ポンプ室P2として機能する。
【0034】
更に、容器200の内部には、4つの逆止弁が設けられている。以下、これら4つの逆止弁について説明する。これら4つの逆止弁は、いずれも、容器200内において、軸部材100と同軸上に配置されている。つまり、軸部材100の中心軸線と各逆止弁の中心軸線が一致するように設計されている。
【0035】
吸入口251aから第1ポンプ室P1内に入っていく位置に第1吸入口側逆止弁510Aが設けられている。この第1吸入口側逆止弁510Aは、第1ポンプ室P1内への流体の流れを許容し、第1ポンプ室P1外への流体の流れを止める役割を担っている。また、第1ポンプ室P1から送出口251bに出ていく位置に第1送出口側逆止弁510Bが設けられている。この第1送出口側逆止弁510Bは、第1ポンプ室P1外への流体の流れを許容し、第1ポンプ室P1内への流体の流れを止める役割を担っている。また、吸入口251aから第2ポンプ室P2内に入っていく位置に第2吸入口側逆止弁510Cが設けられている。この第2吸入口側逆止弁510Cは、第2ポンプ室P2内への流体の流れを許容し、第2ポンプ室P1外への流体の流れを止める役割を担っている。更に、第2ポンプ室P2から送出口251bに出ていく位置に第2送出口側逆止弁510Dが設けられている。この第2送出口側逆止弁510Dは、第2ポンプ室P2外への流体の流れを許容し、第2ポンプ室P1内への流体の流れを止める役割を担っている。
【0036】
これら4つの逆止弁(第1吸入口側逆止弁510Aと第1送出口側逆止弁510Bと第2吸入口側逆止弁510Cと第2送出口側逆止弁510D)は、軸線方向の一か所に、軸線方向に並べて配置されている。隣り合う逆止弁の間には、逆止弁を構成する構成部材以外の部材が介在されていても、空間を挟まないように、4つの逆止弁は並べて配置されて
いる。本実施例においては、容器200における軸線方向の中央の一か所に、4つの逆止弁が軸線方向に並べて配置されている。より具体的には、一端側から他端側に向かって、第1送出口側逆止弁510B,第1吸入口側逆止弁510A,第2送出口側逆止弁510D,第2吸入口側逆止弁510Cの順に並べて配置されている。
【0037】
また、軸線方向において、第1吸入口側逆止弁510Aと第1送出口側逆止弁510Bと第2吸入口側逆止弁510Cと第2送出口側逆止弁510Dが配置されている範囲内に、上記の吸入口251aが配されている。更に、軸線方向において、第1吸入口側逆止弁510Aと第1送出口側逆止弁510Bと第2吸入口側逆止弁510Cと第2送出口側逆止弁510Dが配置されている範囲内に、上記の送出口251bが配されている。
【0038】
<液体供給システム全体の動作説明>
液体供給システム全体の動作について説明する。リニアアクチュエータ30によって、軸部材100が他端側に移動(本実施例では下降)する際においては、第1ベローズ410は縮み、第2ベローズ420は伸びる。このとき、第1ポンプ室P1の流体圧力は低くなるため、第1吸入口側逆止弁510Aは弁が開き、第1送出口側逆止弁510Bは弁が閉じた状態となる。これにより、液体供給システム1の外部から吸入管41により送られる流体は、吸入口251aから第5貫通孔241を抜けて第1流路R1を通り、第1貫通孔232を通って第1吸入口側逆止弁510Aから第1ポンプ室P1に入っていく。また、第2ポンプ室P2の流体圧力は高くなるため、第2吸入口側逆止弁510Cは弁が閉じ、第2送出口側逆止弁510Dは弁が開いた状態となる。これにより、第2ポンプ室P2内の流体は、第2送出口側逆止弁510Dを通り抜けて、第4貫通孔235から第2流路R2を流れ、第6貫通孔242及び送出口251bを通って、送出管42へ送られて、液体供給システム1の外部へと送出される。
【0039】
そして、リニアアクチュエータ30によって、軸部材100が一端側に移動(本実施例では上昇)する際においては、第1ベローズ410は伸び、第2ベローズ420は縮む。このとき、第1ポンプ室P1の流体圧力は高くなるため、第1吸入口側逆止弁510Aは弁が閉じ、第1送出口側逆止弁510Bは弁が開いた状態となる。これにより、第1ポンプ室P1内の流体は、第1送出口側逆止弁510Bを通り抜けて、第3貫通孔234から第2流路R2を流れ、第6貫通孔242及び送出口251bを通って、送出管42へ送られて、液体供給システム1の外部へと送出される。また、第2ポンプ室P2の流体圧力は低くなるため、第2吸入口側逆止弁510Cは弁が開き、第2送出口側逆止弁510Dは弁が閉じた状態となる。これにより、液体供給システム1の外部から吸入管41により送られる流体は、吸入口251aから第5貫通孔241を抜けて第1流路R1を通り、第2貫通孔233を通って第2吸入口側逆止弁510Cから第2ポンプ室P2に入っていく。
【0040】
以上のように、本実施例に係る液体供給システム1においては、軸部材100が下降する際及び上昇する際のいずれにおいても、吸入管41側から送出管42側に流体を流すことができる。従って、いわゆる脈動を抑制することができる。
【0041】
<逆止弁>
特に、
図3を参照して、本実施例に係る逆止弁について、より詳細に説明する。第1吸入口側逆止弁510Aと第1送出口側逆止弁510Bと第2吸入口側逆止弁510Cと第2送出口側逆止弁510Dは、いずれも軸部材100と同心的に設けられる複数の環状の部材により構成されている。第1吸入口側逆止弁510Aと第1送出口側逆止弁510Bが設けられている部分の構造と、第2吸入口側逆止弁510Cと第2送出口側逆止弁510Dが設けられている部分の構造は同様である。そこで、本実施例においては、前者の構造について詳細に説明し、後者の構造については、その説明を省略する。
図3においては、軸部材100の中心軸線を含む面で、システム本体10を切断した断面図のうち、第1
吸入口側逆止弁510Aと第1送出口側逆止弁510Bが設けられている部分の構造を拡大した模式的断面図を示している。なお、
図3中、左側が中心軸線側である。
【0042】
本実施例においては、環状の第1仕切部材520を介して一方側(上方側)に第1送出口側逆止弁510Bが設けられ、他方側(下方側)に第1吸入口側逆止弁510Aが設けられている。
【0043】
<<第1吸入口側逆止弁>>
第1吸入口側逆止弁510Aは、円環状の弁体511Aと、弁体511Aの上方に設けられる副弁体512Aとを備えている。弁体511Aは、径方向外側から軸部材100の中心軸線側かつ水平方向に流れる流体の圧力を受けながら上昇して弁を開くように構成されている。この弁体511Aは、円筒部511Aaと、円筒部511Aaの下端側に設けられる内向きフランジ部511Abと、円筒部511Aaの上端側に設けられる内向きフランジ部511Acとを備えている。この弁体511Aと同心的に設けられ、その内径が円筒部511Aaの外径よりも僅かに大きいガイド部材513Aによって、弁体511Aは軸線方向に往復移動可能に構成されている。このガイド部材513Aの下方には、流体の流路513Aaが設けられている。
【0044】
また、円筒部511Aaと内向きフランジ部511Abとの境界部のうち外周面側には、湾曲面(いわゆるR面)が設けられている。これにより、径方向外側から軸部材100の中心軸線側かつ水平方向に流れる流体が内向きフランジ部511Abの下方に流れ込むことを可能にしている。そして、弁体511Aの下方には、弁体511Aの弁座となる環状部材514Aが設けられている。
【0045】
副弁体512Aは、中心に貫通孔を有する円板状の部材により構成されている。そして、第1仕切部材520の下面には第1ストッパ522が設けられている。この第1ストッパ522によって、弁体511Aと副弁体512Aにおける上方への移動量が制限される。また、弁体511Aが環状部材514Aに着座した状態において、弁体511Aの上端面とガイド部材513Aの上端面は同じ高さとなるように設計されている。従って、第1吸入口側逆止弁510Aによって弁が閉じられた状態においては、副弁体512Aは弁体511Aの上端面とガイド部材513Aの上端面の双方に接した状態となる。
【0046】
以上のように構成される弁構造の動作について説明する。弁体511A及び副弁体512Aを介して、流路の下流側よりも上流側の流体圧力の方が高くなり、これらの差圧が弁体511A及び副弁体512Aの総重量を超えると、これら弁体511A及び副弁体512Aは上昇する。これにより、弁が開いた状態となり、流路513Aaを通って、径方向外側から軸部材100の中心軸線側かつ水平方向に流体が流れる。そして、上記の差圧が弁体511A及び副弁体512Aの総重量よりも低くなると、弁体511A及び副弁体512Aは、自重や上方からの流体圧力を受けることで下降する。これにより、弁が閉じた状態となる。なお、本実施例においては、最初に弁体511Aが環状部材514Aに着座した後に、副弁体512Aが弁体511Aの上端面とガイド部材513Aの上端面の双方に接した状態となるように構成されている。
【0047】
以上のように構成される弁構造によれば、弁の開閉の応答性を高めることができる。この理由は、例えば、国際公開第2015/050091号に開示されているように公知であるので、その詳細は説明を省略するが、弁体511Aに作用する流体の運動量を低減できるためである。また、弁体511Aと副弁体512Aの2段階で弁を閉じる構成を採用しているため、弁を閉じた際の逆流による水撃を抑制することができる。これは、弁体511Aによって、逆流量が絞られた後に、副弁体512Aにより弁が完全に閉じられるためである。
【0048】
<<第1送出口側逆止弁>>
第1送出口側逆止弁510Bは、円環状の弁体511Bと、弁体511Bの上方に設けられる副弁体512Bとを備えている。弁体511Bは、軸部材100の中心軸線側から径方向外側かつ水平方向に流れる流体の圧力を受けながら上昇して弁を開くように構成されている。この弁体511Bは、円筒部511Baと、円筒部511Baの下端側に設けられる外向きフランジ部511Bbと、円筒部511Baの上端側に設けられる外向きフランジ部511Bcとを備えている。この弁体511Bと同心的に設けられ、その外径が円筒部511Baの内径よりも僅かに小さいガイド部材513Bによって、弁体511Bは軸線方向に往復移動可能に構成されている。このガイド部材513Bの下方には、流体の流路513Baが設けられている。
【0049】
また、円筒部511Baと外向きフランジ部511Bbとの境界部のうち内周面側には、湾曲面(いわゆるR面)が設けられている。これにより、軸部材100の中心軸線側から径方向外側かつ水平方向に流れる流体が外向きフランジ部511Bbの下方に流れ込むことを可能にしている。そして、弁体511Bの下方に設けられた第1仕切部材520には、弁体511Bが着座する弁座部521が設けられている。
【0050】
副弁体512Bは、中心に貫通孔を有する円板状の部材により構成されている。そして、副弁体512Bの上方には、弁体511Bと副弁体512Bにおける上方への移動量を制限する第3ストッパ514Bが設けられている。また、弁体511Bが第1仕切部材520の弁座部521に着座した状態において、弁体511Bの上端面とガイド部材513Bの上端面は同じ高さとなるように設計されている。従って、第1送出口側逆止弁510Bによって弁が閉じられた状態においては、副弁体512Bは弁体511Bの上端面とガイド部材513Bの上端面の双方に接した状態となる。
【0051】
以上のように構成される弁構造の動作について説明する。弁体511B及び副弁体512Bを介して、流路の下流側よりも上流側の流体圧力の方が高くなり、これらの差圧が弁体511B及び副弁体512Bの総重量を超えると、これら弁体511B及び副弁体512Bは上昇する。これにより、弁が開いた状態となり、流路513Baを通って、軸部材100の中心軸線側から径方向外側かつ水平方向に流体が流れる。そして、上記の差圧が弁体511B及び副弁体512Bの総重量よりも低くなると、弁体511B及び副弁体512Bは、自重や上方からの流体圧力を受けることで下降する。これにより、弁が閉じた状態となる。なお、本実施例においては、最初に弁体511Bが第1仕切部材520に着座した後に、副弁体512Bが弁体511Bの上端面とガイド部材513Bの上端面の双方に接した状態となるように構成されている。以上のように構成される弁構造によれば、上記の第1吸入口側逆止弁510Aの場合と同様に、弁の開閉の応答性を高めることができ、かつ、弁を閉じた際の逆流による水撃を抑制することができる。
【0052】
また、本実施例においては、環状の第2仕切部材530を介して一方側(上方側)に第2送出口側逆止弁510Dが設けられ、他方側(下方側)に第2吸入口側逆止弁510Cが設けられている(
図2参照)。上記の通り、第2吸入口側逆止弁510Cと第2送出口側逆止弁510Dが設けられている部分の構造は、第1吸入口側逆止弁510Aと第1送出口側逆止弁510Bが設けられている部分の構造と同様であるので、その説明は省略する。
【0053】
<本実施例に係る液体供給システムの優れた点>
本実施例に係る液体供給システム1によれば、4つの逆止弁(第1吸入口側逆止弁510Aと第1送出口側逆止弁510Bと第2吸入口側逆止弁510Cと第2送出口側逆止弁510D)は、軸線方向の一か所に該軸線方向に並べて配置される構成が採用されている
。なお、隣り合う逆止弁の間には、逆止弁を構成する構成部材以外の部材が介在されていても、空間を挟まないように、4つの逆止弁は並べて配置されている。より具体的には、本実施例においては、一端側から他端側に向かって、第1送出口側逆止弁510B,第1吸入口側逆止弁510A,第2送出口側逆止弁510D,第2吸入口側逆止弁510Cの順に並べて配置されている。そして、第1送出口側逆止弁510Bと第1吸入口側逆止弁510Aとの間に設けられる第1仕切部材520は、第1送出口側逆止弁510Bと第1吸入口側逆止弁510Aの双方に接するように設けられている。また、第1吸入口側逆止弁510Aと第2送出口側逆止弁510Dに設けられる内向きフランジ部231は、第1吸入口側逆止弁510Aと第2送出口側逆止弁510Dの双方に接するように設けられている。更に、第2送出口側逆止弁510Dと第2吸入口側逆止弁510Cとの間に設けられる第2仕切部材530は、第2送出口側逆止弁510Dと第2吸入口側逆止弁510Cの双方に接するように設けられている。従って、配管構造が複雑化してしまうことを抑制することができる。これにより、配管の全長を短くすることができる。従って、予冷に費やす時間を短くすることができる。
【0054】
また、吸入口251aは、軸線方向において、上記4つの逆止弁が配置されている範囲内に配されているため、吸入口251aからポンプ室(第1ポンプ室P1及び第2ポンプ室P2)に至る流路を短くすることができる。これにより、予冷に費やす時間を短くすることができる。同様に、送出口251bは、軸線方向において、上記4つの逆止弁が配置されている範囲内に配されているため、ポンプ室から送出口251bに至る流路を短くすることができる。これにより、予冷に費やす時間を短くすることができる。
【0055】
また、第1仕切部材520には、第1送出口側逆止弁510Bにおける弁体511Bが着座する弁座部521と、第1吸入口側逆止弁510Aにおける弁体511A及び副弁体512Aの上方への移動量を制限するための第1ストッパ522が設けられている。このように、一つの部材(第1仕切部材520)に、2つの機能を持たせることで、部品点数の増加を抑制することができる。従って、予冷に費やす時間を短くすることができる。第2仕切部材530についても同様である。
【0056】
(実施例2)
図4には、本発明の実施例2が示されている。本実施例においては、4つの逆止弁(第1吸入口側逆止弁と第1送出口側逆止弁と第2吸入口側逆止弁と第2送出口側逆止弁)の並び順が、上記実施例1の場合とは異なる場合の構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0057】
図4は本発明の実施例2に係る液体供給システムの概略構成図である。本実施例においても、4つの逆止弁(第1吸入口側逆止弁510A1と第1送出口側逆止弁510B1と第2吸入口側逆止弁510C1と第2送出口側逆止弁510D1)は、軸線方向の一か所に、軸線方向に並べて配置されている。隣り合う逆止弁の間には、逆止弁を構成する構成部材以外の部材が介在されていても、空間を挟まないように、4つの逆止弁は並べて配置されている。そして、本実施例においても、容器200における軸線方向の中央の一か所に、4つの逆止弁が軸線方向に並べて配置されている。本実施例の場合には、上記実施例1の場合とは異なり、一端側から他端側に向かって、第1吸入口側逆止弁510A1,第1送出口側逆止弁510B1,第2吸入口側逆止弁510C1,第2送出口側逆止弁510D1の順に並べて配置されている。
【0058】
弁構造以外の構成については、上記実施例1における構成と同一であるので、その説明は省略する。上記のように構成される本実施例に係る液体供給システムについても、上記実施例1の場合と同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0059】
(実施例3)
図5には、本発明の実施例3が示されている。本実施例においては、4つの逆止弁(第1吸入口側逆止弁と第1送出口側逆止弁と第2吸入口側逆止弁と第2送出口側逆止弁)の並び順が、上記実施例1の場合とは異なる場合の構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0060】
図5は本発明の実施例3に係る液体供給システムの概略構成図である。本実施例においても、4つの逆止弁(第1吸入口側逆止弁510A2と第1送出口側逆止弁510B2と第2吸入口側逆止弁510C2と第2送出口側逆止弁510D2)は、軸線方向の一か所に、軸線方向に並べて配置されている。隣り合う逆止弁の間には、逆止弁を構成する構成部材以外の部材が介在されていても、空間を挟まないように、4つの逆止弁は並べて配置されている。そして、本実施例においても、容器200における軸線方向の中央の一か所に、4つの逆止弁が軸線方向に並べて配置されている。本実施例の場合には、上記実施例1の場合とは異なり、一端側から他端側に向かって、第1吸入口側逆止弁510A2,第1送出口側逆止弁510B2,第2送出口側逆止弁510D2,第2吸入口側逆止弁510C2の順に並べて配置されている。
【0061】
弁構造以外の構成については、上記実施例1における構成と同一であるので、その説明は省略する。上記のように構成される本実施例に係る液体供給システムについても、上記実施例1の場合と同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0062】
(実施例4)
図6には、本発明の実施例4が示されている。本実施例においては、4つの逆止弁(第1吸入口側逆止弁と第1送出口側逆止弁と第2吸入口側逆止弁と第2送出口側逆止弁)の並び順が、上記実施例1の場合とは異なる場合の構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0063】
図6は本発明の実施例4に係る液体供給システムの概略構成図である。本実施例においても、4つの逆止弁(第1吸入口側逆止弁510A3と第1送出口側逆止弁510B3と第2吸入口側逆止弁510C3と第2送出口側逆止弁510D3)は、軸線方向の一か所に、軸線方向に並べて配置されている。隣り合う逆止弁の間には、逆止弁を構成する構成部材以外の部材が介在されていても、空間を挟まないように、4つの逆止弁は並べて配置されている。そして、本実施例においても、容器200における軸線方向の中央の一か所に、4つの逆止弁が軸線方向に並べて配置されている。本実施例の場合には、上記実施例1の場合とは異なり、一端側から他端側に向かって、第1送出口側逆止弁510B3,第1吸入口側逆止弁510A3,第2吸入口側逆止弁510C3,第2送出口側逆止弁510D3の順に並べて配置されている。
【0064】
弁構造以外の構成については、上記実施例1における構成と同一であるので、その説明は省略する。上記のように構成される本実施例に係る液体供給システムについても、上記実施例1の場合と同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0065】
(実施例5)
図7には、本発明の実施例5が示されている。本実施例においては、4つの逆止弁(第1吸入口側逆止弁と第1送出口側逆止弁と第2吸入口側逆止弁と第2送出口側逆止弁)の配置位置が、上記実施例1の場合とは異なる場合の構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その
説明は省略する。
【0066】
図7は本発明の実施例5に係る液体供給システムの概略構成図である。本実施例においても、4つの逆止弁(第1吸入口側逆止弁510A4と第1送出口側逆止弁510B4と第2吸入口側逆止弁510C4と第2送出口側逆止弁510D4)は、軸線方向の一か所に、軸線方向に並べて配置されている。隣り合う逆止弁の間には、逆止弁を構成する構成部材以外の部材が介在されていても、空間を挟まないように、4つの逆止弁は並べて配置されている。そして、本実施例においては、上記実施例1の場合とは異なり、容器200における軸線方向の一端側に偏った一か所に、4つの逆止弁が軸線方向に並べて配置されている。なお、本実施例においても、上記実施例1の場合と同様に、一端側から他端側に向かって、第1送出口側逆止弁510B4,第1吸入口側逆止弁510A4,第2送出口側逆止弁510D4,第2吸入口側逆止弁510C4の順に並べて配置されている。
【0067】
弁構造以外の構成については、上記実施例1における構成と同一であるので、その説明は省略する。上記のように構成される本実施例に係る液体供給システムについても、上記実施例1の場合と同様の効果が得られることは言うまでもない。なお、逆止弁の並び順については、上記の順に限らず、上記の実施例2~4のいずれかを適用してもよいことは言うまでもない。
【0068】
(実施例6)
図8には、本発明の実施例6が示されている。本実施例においては、4つの逆止弁(第1吸入口側逆止弁と第1送出口側逆止弁と第2吸入口側逆止弁と第2送出口側逆止弁)の配置位置が、上記実施例1の場合とは異なる場合の構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0069】
図8は本発明の実施例6に係る液体供給システムの概略構成図である。本実施例においても、4つの逆止弁(第1吸入口側逆止弁510A5と第1送出口側逆止弁510B5と第2吸入口側逆止弁510C5と第2送出口側逆止弁510D5)は、軸線方向の一か所に、軸線方向に並べて配置されている。隣り合う逆止弁の間には、逆止弁を構成する構成部材以外の部材が介在されていても、空間を挟まないように、4つの逆止弁は並べて配置されている。そして、本実施例においては、上記実施例1の場合とは異なり、容器200における軸線方向の他端側に偏った一か所に、4つの逆止弁が軸線方向に並べて配置されている。なお、本実施例においても、上記実施例1の場合と同様に、一端側から他端側に向かって、第1送出口側逆止弁510B5,第1吸入口側逆止弁510A5,第2送出口側逆止弁510D5,第2吸入口側逆止弁510C5の順に並べて配置されている。
【0070】
弁構造以外の構成については、上記実施例1における構成と同一であるので、その説明は省略する。上記のように構成される本実施例に係る液体供給システムについても、上記実施例1の場合と同様の効果が得られることは言うまでもない。なお、逆止弁の並び順については、上記の順に限らず、上記の実施例2~4のいずれかを適用してもよいことは言うまでもない。
【0071】
(その他)
本実施例においては、真空容器20の内部のうち、システム本体10,吸入管41及び送出管42の外側の空間を真空状態にして断熱機能を備えさせる構成を採用している。しかしながら、この空間にも超低温液体を流すことで、循環流路を流れる流体の温度を低温に維持させることも可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 液体供給システム
10 システム本体
20 真空容器
30 リニアアクチュエータ
41 吸入管
42 送出管
100 軸部材
142 ベローズ
200 容器
210 天井部側胴体部
211 天井部
211a 開口部
220 底部側胴体部
221 底部
230 中央胴体部
231 内向きフランジ部
232 第1貫通孔
233 第2貫通孔
234 第3貫通孔
235 第4貫通孔
240 流路形成部材
241 第5貫通孔
242 第6貫通孔
250 配管接続部材
251a 吸入口
251b 送出口
310 円筒状部材
311 第1環状突出部
312 第2環状突出部
320 第3環状突出部
410 第1ベローズ
420 第2ベローズ
430 第3ベローズ
510A,510A1,510A2,510A3,510A4,510A5 第1吸入口側逆止弁
510B,510B1,510B2,510B3,510B4,510B5 第1送出口側逆止弁
510C,510C1,510C2,510C3,510C4,510C5 第2吸入口側逆止弁
510D,510D1,510D2,510D3,510D4,510D5 第2送出口側逆止弁
511A 弁体
511Aa 円筒部
511Ab 内向きフランジ部
511Ac 内向きフランジ部
512A 副弁体
513A ガイド部材
513Aa 流路
514A 環状部材
511B 弁体
511Ba 円筒部
511Bb 外向きフランジ部
511Bc 外向きフランジ部
512B 副弁体
513B ガイド部材
513Ba 流路
514B 第3ストッパ
520 第1仕切部材
521 弁座部
522 第1ストッパ
530 第2仕切部材
P1 第1ポンプ室
P2 第2ポンプ室
R1 流路
R2 流路