(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065229
(43)【公開日】2022-04-27
(54)【発明の名称】エレベータのかご内積載物荷重検出装置
(51)【国際特許分類】
B66B 5/14 20060101AFI20220420BHJP
【FI】
B66B5/14 A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020170932
(22)【出願日】2020-10-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】廣畑 圭司朗
(72)【発明者】
【氏名】田平 尚己
【テーマコード(参考)】
3F304
【Fターム(参考)】
3F304CA08
3F304EA01
3F304EA11
(57)【要約】
【課題】荷重補償を要することなく、かご内積載物荷重を正確に検出することが可能なエレベータのかご内積載物荷重検出装置を提供する。
【解決手段】エレベータのかご内積載物荷重検出装置は、乗りかご20の荷重に関連する荷重関連量を検出する荷重関連量検出部35と、荷重関連量検出部35で検出された荷重関連量に基づいて、かご内積載物荷重を求めるエレベータ制御装置10と、を備える。エレベータ制御装置10は、乗りかご20が停止予定階で停止する都度、出発までの停止中に荷重関連量検出部35で検出された荷重関連量に基づいてかご内積載物荷重Wtの変化量Wcを求め、求めた変化量Wcを積算することでかご内積載物荷重Wtを求める。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗りかごの荷重に関連する荷重関連量を検出する荷重関連量検出部と、
前記荷重関連量検出部で検出された荷重関連量に基づいて、かご内積載物荷重を求める処理部と、を備え、
前記処理部は、前記乗りかごが停止予定階で停止する都度、出発までの停止中に前記荷重関連量検出部で検出された荷重関連量に基づいてかご内積載物荷重の変化量を求め、求めた変化量を積算することでかご内積載物荷重を求める、
エレベータのかご内積載物荷重検出装置。
【請求項2】
前記処理部は、求めたかご内積載物荷重が、成人乗客1人分の荷重よりも小さい所定荷重以下となったときは、かご内積載物荷重を零にリセットする、
請求項1に記載のエレベータのかご内積載物荷重検出装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記乗りかご内の積載物の積載状況に関するデータを入力し、入力したデータが前記乗りかご内に積載物が存在しないことを示しているときは、かご内積載物荷重を零にリセットする、
請求項1に記載のエレベータのかご内積載物荷重検出装置。
【請求項4】
前記荷重関連量検出部は、前記乗りかごを吊り下げるロープの一端を建物構造物に対してスプリングを介して支持する上下可動部材との間の上下方向距離を検出する距離センサにより構成され、
前記荷重関連量は、前記上下方向距離である、
請求項1から3のいずれか1項に記載のエレベータのかご内積載物荷重検出装置。
【請求項5】
前記荷重関連量検出部は、前記乗りかごの床面との間の上下方向距離を検出する距離センサにより構成され、
前記荷重関連量は、前記上下方向距離である、
請求項1から3のいずれか1項に記載のエレベータのかご内積載物荷重検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータのかご内積載物荷重検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、かご内の実際の積載荷重に変化がないにもかかわらず、かごに接続されたエレベータケーブルやコンペンセーションロープの影響により、ロープヒッチ部で検出される荷重が昇降路内のかご位置によって変化することに鑑み、検出された荷重にかご位置に応じた補償量を加算することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
適切な補償量は経年劣化などにより変化すると考えられる。そのため、定期的にエレベータ制御装置に対して補償量の更新設定が必要となる。
【0005】
本発明は、荷重補償を要することなく、かご内積載物荷重を正確に検出することが可能なエレベータのかご内積載物荷重検出装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のエレベータのかご内積載物荷重検出装置は、
乗りかごの荷重に関連する荷重関連量を検出する荷重関連量検出部と、
荷重関連量検出部で検出された荷重関連量に基づいて、かご内積載物荷重を求める処理部と、を備え、
処理部は、乗りかごが停止予定階で停止する都度、出発までの停止中に荷重関連量検出部で検出された荷重関連量に基づいてかご内積載物荷重の変化量を求め、求めた変化量を積算することでかご内積載物荷重を求める。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、荷重補償を要することなく、かご内積載物荷重を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1におけるエレベータの構成を示した図
【
図2】荷重関連量検出部の配置構造を模式的に示した図
【
図4】エレベータ制御装置による荷重検出処理を説明したフローチャート
【
図6】かご内積載物が存在しない状態の場合に検出される荷重を説明した図
【
図8】実施の形態2におけるエレベータの構成を示した図
【
図9】荷重関連量検出部の配置構造を模式的に示した図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態に係るエレベータについて図面を参照して説明する。
【0010】
(実施の形態1)
1.構成
図1は、実施の形態1におけるエレベータの構成を示した図である。
【0011】
エレベータは、乗客や荷物などの積載物を積載可能な乗りかご20と、乗りかご20を昇降させる昇降機構40と、昇降機構40等の動作を制御するエレベータ制御装置10とを有している。
【0012】
乗りかご20は、開閉可能なかごドア21を備える。乗りかご20は、かご枠25に弾性体26を介して取り付けられている。
【0013】
乗りかご20とエレベータ制御装置10とは、電力や制御信号を送受するテールケーブル30により接続されている。
【0014】
昇降機構40は、建物上部の機械室内に配置された駆動シーブ42を有する。なお、昇降機構40は、乗りかご20が昇降する昇降路に配置されてもよい。駆動シーブ42は、昇降モータ33により回転駆動される。駆動シーブ42には、主ロープ41が巻きかけられている。主ロープ41の一端部41aは、建物構造物に固定された第1ロープヒッチ機構50に結合される。主ロープ41のうち第1ロープヒッチ機構50と駆動シーブ42の間の部分41cには、第1従動シーブ43が巻きかけられ、吊り下げられる。第1従動シーブ43の回転支持枠にはかご枠25が固定される。主ロープ41の他端部41bは、建物構造物に固定された第2ロープヒッチ機構60に結合される。主ロープ41のうち第2ロープヒッチ機構60と駆動シーブ42の間の部分41dには、第2従動シーブ44が巻きかけられ、吊り下げられる。第2従動シーブ44の回転支持枠には、釣合おもり45が固定される。
【0015】
駆動シーブ42が昇降モータ33により回転駆動されると、主ロープ41で吊り下げられた乗りかご20及び釣合おもり45が上下方向で互いに反対側に昇降する。例えば、駆動シーブ42が
図1において右回りに回転すると、主ロープ41のうちの第1ロープヒッチ機構50と駆動シーブ42の間の部分41cが駆動シーブ42により巻き取られて短くなることにより乗りかご20が上昇する。一方、主ロープ41のうちの第2ロープヒッチ機構60と駆動シーブ42の間の部分41dが引き出されて長くなることにより釣合おもり45が下降する。
【0016】
第1ロープヒッチ機構50には、乗りかご20の荷重に関連する荷重関連量を検出する荷重関連量検出部35が配置されている。
【0017】
図2は、荷重関連量検出部35の配置構造を模式的に示した図である。
【0018】
第1ロープヒッチ機構50は、主ロープ41の一端部が接続されたロッド51と、ロッド51の上端側にナットなどにより固定された可動プレート52と、建物構造物に固定されるベースプレート53と、可動プレート52とベースプレート53との間に介設されたスプリング54とを有する。ロッド51は、ベースプレート53に設けられた貫通孔53aを介して、上下方向に移動可能である。
【0019】
荷重関連量検出部35は、ベースプレート53に立設された支持部材55に固定されている。乗りかご20に乗客が乗車する(乗りかご20に積載物が積載される)と、スプリング54に負荷される荷重が増加してスプリング54が圧縮され、可動プレート52が下降する。一方、乗りかご20から乗客が降車する(乗りかご20から積載物が搬出される)と、スプリング54に負荷される荷重が減少してスプリング54が延び、可動プレート52が上昇する。本例では、荷重関連量検出部35は、距離センサで構成され、荷重関連量検出部35と可動プレート52との間の上下方向距離Xを検出する。上下方向距離Xは、乗りかご20の荷重に関連する荷重関連量の一例である。エレベータ制御装置10は、荷重関連量検出部35で検出された上下方向距離Xに基づいて、スプリング54に負荷される荷重を求める。スプリング54には、主ロープ41を介して吊り下げられるかご枠25及び乗りかご20だけでなく、主ロープ41の荷重なども負荷される。
【0020】
図3は、エレベータ制御システムのブロック図である。
【0021】
エレベータ制御装置10は、エレベータの動作を制御する。エレベータ制御装置10は、昇降機構40の近くに配置される。例えば乗りかご20が昇降する昇降路に昇降機構40が配置される場合、エレベータ制御装置10は昇降路に配置され、機械室に昇降機構40が配置される場合、エレベータ制御装置10は機械室に配置される。
【0022】
エレベータ制御装置10には、乗場操作盤31、かご内操作盤32、昇降モータ33、ドアモータ34、荷重関連量検出部35、乗場表示部36が電気的に接続されている。
【0023】
エレベータ制御装置10は、プロセッサ11、記憶部12、入出力インタフェース13を有する。エレベータ制御装置10は、コンピュータなどを利用して構成できる。
【0024】
プロセッサ11は、プログラムに基づく演算処理を実行し、エレベータ制御装置10における後述する各種の機能を実現する。プロセッサ11は、例えばCPU、MPU、ASIC、FPGA、GPUを利用して構成される。
【0025】
記憶部12は、プログラムや各種のデータを記憶している。プログラムには、プロセッサ11により実行されることでエレベータ制御装置10に後述する各種の機能を実現させるプログラムが含まれる。また、各種のデータには、上記プログラムが参照するデータが含まれる。記憶部12は、例えばHDD、SSD、RAM、ROMを利用して構成される。
【0026】
入出力インタフェース13は、外部機器との間で種々の電気信号を入出力するためのインタフェースである。入出力インタフェース13は、例えば、LANインタフェースや、USB、RS-232C/422/485などのシリアル通信用インタフェース、音声信号入出力端子、映像信号入出力端子、アナログ信号用入出力端子、接点信号用入出力端子、専用規格のインタフェース等を備えている。
【0027】
入出力インタフェース13には、上述した乗場操作盤31、かご内操作盤32、昇降モータ33、ドアモータ34、荷重関連量検出部35、乗場表示部36が接続されている。
【0028】
乗場操作盤31は、乗場に配置され、上方向の呼びの登録操作を受け付ける上方向呼びボタンと、下方向の呼びの登録操作を受け付ける下方向呼びボタンを有する。乗場操作盤31は、上方向呼びボタンまたは下方向呼びボタンのうち操作されたボタンに対応する信号をエレベータ制御装置10に出力する。
【0029】
かご内操作盤32は、乗りかご20内に配置され、複数個の階床ボタンや、戸開ボタンや、戸閉ボタン等を有する。かご内操作盤32は、前記各種ボタンのうち操作されたボタンに対応する信号をエレベータ制御装置10に出力する。
【0030】
昇降モータ33は、昇降機構40の駆動シーブ42を回転駆動し、乗りかご20を昇降させる。昇降モータ33は、エレベータ制御装置10から出力される駆動信号により駆動される。
【0031】
ドアモータ34は、乗りかご20のドア開閉機構(図示せず)を駆動し、かごドア21を開閉させる。ドアモータ34は、エレベータ制御装置10から出力される駆動信号により駆動される。かごドア21が開閉されるとき、乗場の乗場ドア(図示せず)が機械的に連動して開閉する。
【0032】
荷重関連量検出部35は、上述したように、当該荷重関連量検出部35と可動プレート52との間の上下方向距離Xを検出し、検出した上下方向距離Xを示す信号をエレベータ制御装置10に出力する。
【0033】
乗場表示部36は、エレベータ制御装置10から出力される信号に基づいて、乗りかご20の現在階を示す数字や、乗りかご20の進行方向を示す矢印を表示する。また、乗場表示部36は、エレベータ制御装置10から出力される表示信号に基づいて、乗りかご20内の乗客の乗車状況(混雑状況)を表示する。乗場表示部36は、例えば液晶表示装置や、有機EL表示装置や、LED表示装置により構成可能である。また、乗場表示部36は、これらの装置を組み合わせた装置により構成されてもよい。例えば、乗場表示部36において混雑状況に対応するレベルの表示を行う部分についてはLED表示装置で構成して、点灯、消灯、点滅などを行わせるようにし、乗場表示部36のその他の部分については液晶表示装置や有機EL表示装置で構成して、現在階を示す数字や、乗りかご20の進行方向を示す矢印を表示させるようにしてもよい。
【0034】
エレベータ制御装置10は、乗場操作盤31、かご内操作盤32、荷重関連量検出部35等から入力される種々の信号に基づいて、昇降モータ33、ドアモータ34の各々に駆動信号を出力するとともに、乗場表示部36に表示信号を出力する。
【0035】
2.動作
2-1.概要
いずれかの階床の乗場操作盤31の上方向呼びボタンまたは下方向呼びボタンが乗客により押されると、エレベータ制御装置10は、上方向呼びボタンまたは下方向呼びボタンの操作があった階を停止予定階に設定し、当該停止予定階に乗りかご20を停止させるように、昇降モータ33を駆動する。停止予定階に乗りかご20が到着すると、エレベータ制御装置10は、ドアモータ34を駆動して、かごドア21を戸開する。これにより、乗客が乗りかご20に乗車可能となる。かごドア21を開いてから一定時間が経過した場合、または乗りかご20に乗車した乗客によりかご内操作盤32の戸閉ボタンが押された場合、エレベータ制御装置10は、ドアモータ34を駆動して、かごドア21を戸閉する。
【0036】
かご内操作盤32の階床ボタンが、乗りかご20に乗車した乗客により押されると、エレベータ制御装置10は、押された階床ボタンに対応する階を停止予定階に設定し、当該停止予定階に乗りかご20を停止させるように、昇降モータ33を駆動する。停止予定階に乗りかご20が到着すると、エレベータ制御装置10は、ドアモータ34を駆動して、かごドア21を戸開する。これにより、乗客が乗りかご20から降車可能となる。かごドア21を戸開してから一定時間が経過した場合、または乗りかご20内の乗客によりかご内操作盤32の戸閉ボタンが押された場合、エレベータ制御装置10は、ドアモータ34を駆動して、かごドア21を戸閉する。
【0037】
エレベータ制御装置10は、乗場表示部36に、乗りかご20の現在階を示す数字や、乗りかご20の進行方向を示す矢印を表示させる。
【0038】
また、エレベータ制御装置10は、荷重関連量検出部35で検出された上下方向距離Xに基づいて、乗りかご20内に存在する積載物の荷重を求める。エレベータ制御装置10は、求めた荷重に基づいて、乗りかご20内の混雑状況を推定し、乗場表示部36に、混雑状況を示す情報を表示させる。このような表示を行うことで、乗客が乗りかご20に乗車する前に混雑状況を認識し、乗車するか否かなどの判断を行うことができる。
【0039】
2-2.かご内積載物荷重の検出動作
図4は、エレベータ制御装置10による荷重検出処理を説明したフローチャートである。
【0040】
エレベータ制御装置10は、乗りかご20が停止予定階に停止したか否かを判断する(S11)。
【0041】
乗りかご20が停止予定階に停止していない場合(S11でNO)、エレベータ制御装置10は、ステップS11の判断を再度実行する。
【0042】
乗りかご20が停止予定階に停止した場合(S11でYES)、エレベータ制御装置10は、停止時荷重検出条件が成立したか否かを判断する(S12)。停止時荷重検出条件は、例えば、乗りかご20が停止予定階に停止したときからかごドア21の戸開が完了するまでの期間における任意の所定の時点に至ったことである。好ましくは、上記期間のうちかごドア21の戸開動作期間を除く期間における任意の所定の時点である。かごドア21の戸開動作中は、かごドア21の戸開動作に伴う振動などにより、検出荷重に変動が生じる可能性があるためである。
【0043】
停止時荷重検出条件が成立していない場合(S12でNO)、エレベータ制御装置10は、ステップS12の判断を再度実行する。
【0044】
停止時荷重検出条件が成立した場合(S12でYES)、エレベータ制御装置10は、停止時荷重W1を検出する(S13)。具体的には、エレベータ制御装置10は、荷重関連量検出部35で検出された上下方向距離X(荷重関連量検出部35から出力されている信号が示す上下方向距離X)に基づいて、スプリング54に負荷されている荷重を求め、求めた荷重を停止時荷重W1とする。より具体的には、エレベータ制御装置10の記憶部12には、荷重関連量検出部35で検出される上下方向距離Xに対応する荷重を定義した距離/荷重換算テーブルが記憶されており、エレベータ制御装置10は、距離/荷重換算テーブルを参照して、上下方向距離Xに対応する荷重を求め、求めた荷重を停止時荷重W1とする。
図5は、距離/荷重換算テーブルの一例を示した図である。上述した
図1、
図2に示すロープヒッチ構造では、上記の距離/荷重換算テーブルに示すように、上下方向距離Xが小さいほど、スプリング54に負荷される荷重が大きくなる。なお、上下方向距離Xに対応する荷重を求める際、距離/荷重換算テーブルに代えて、距離/荷重換算関数を用いてもよい。
【0045】
エレベータ制御装置10は、出発時荷重検出条件が成立したか否かを判断する(S14)。出発時荷重検出条件は、例えば、かごドア21を戸開してから一定時間が経過したとき、または乗客によりかご内操作盤32の戸閉ボタンが押されたときから、かごドア21が戸閉された後、乗りかごが出発するまでの期間における任意の所定の時点に至ったことである。好ましくは、上記期間のうちかごドア21の戸閉動作期間を除く期間における任意の所定の時点である。かごドア21の戸閉動作中は、かごドア21の戸閉動作に伴う振動などにより、検出荷重に変動が生じる可能性があるためである。
【0046】
出発時荷重検出条件が成立していない場合(S14でNO)、エレベータ制御装置10は、ステップS14の判断を再度実行する。
【0047】
出発時荷重検出条件が成立した場合(S14でYES)、エレベータ制御装置10は、出発時荷重W2を検出する(S15)。具体的には、エレベータ制御装置10は、荷重関連量検出部35で検出された上下方向距離X(荷重関連量検出部35から現在出力されている信号が示す上下方向距離X)に基づいて、上記の距離/荷重換算テーブルを用いて、上下方向距離Xに対応する荷重を求め、求めた荷重を出発時荷重W2とする。なお、上下方向距離Xに対応する荷重を求める際、距離/荷重換算テーブルに代えて、距離/荷重換算関数を用いてもよい。
【0048】
エレベータ制御装置10は、出発時荷重W2から停止時荷重W1を減算して、停止予定階で停止中の荷重変化量Wcを求める(S16)。乗りかご20に乗客が乗車した場合(乗りかご20に積載物が積載された場合)は、荷重変化量Wcは正の値となり、乗客が乗りかご20から降車した場合(乗りかご20から積載物が搬出された場合)は、荷重変化量Wcは負の値となる。
【0049】
エレベータ制御装置10は、現在のかご内積載物荷重Wtを求める。かご内積載物荷重Wtは、現在、乗りかご20内に存在している乗客や荷物などの積載物の総荷重である。具体的に、エレベータ制御装置10は、記憶部12において現在記憶されているかご内積載物荷重Wtfに、今回求められた荷重変化量Wcを加算して最新のかご内積載物荷重Wtを求める(S17)。かご内積載物荷重Wtfの初期値は零(0)であり、後述するステップS20で最新の値に更新される。
【0050】
エレベータ制御装置10は、かご内積載物荷重Wtが所定荷重Wo未満であるか否かを判断する(S18)。所定荷重Woは、成人乗客1人分の荷重よりも小さい荷重であって、乗りかご20内に乗客が全く乗車していないと判断することができる荷重である。所定荷重Woは、例えば25kgである。
【0051】
かご内積載物荷重Wtが所定荷重Wo未満である場合(S18でYES)、つまり乗りかご20内に乗客が全く乗車していないと判断される場合、エレベータ制御装置10は、かご内積載物荷重Wtの値を0(零)にリセットする(S19)。
【0052】
エレベータ制御装置10は、ステップS17またはS19で今回求められたかご内積載物荷重Wtを、かご内積載物荷重Wtfに代入し(S20)、ステップS11の処理に戻る。
【0053】
かご内積載物荷重Wtが所定荷重Wo未満でない場合(S18でNO)、つまり乗りかご20内に乗客が乗車していると判断される場合、エレベータ制御装置10は、ステップS19の処理は行わず、ステップS20の処理を行った後、ステップS11の処理に戻る。
【0054】
なお、ステップS18において、エレベータ制御装置10は、乗りかご20内の積載物の積載状況に関する情報を入力し、入力した情報が乗りかご20内に積載物が存在しているか否かを判断してもよい。そして、積載物が存在していない場合、ステップS19で、現在のかご内積載物荷重を零にリセットしてもよい。また、本判断を、かご内積載物荷重Wtが所定荷重Wo未満であるか否かの判断とあわせて実行してもよい。この場合、いずれか一方の判断において条件が満たされた場合に、ステップS19で、かご内積載物荷重Wtを零にリセットしてもよい。なお、積載物の積載状況に関する情報は、例えば、エレベータ制御装置10が管理する呼び登録の有無を示す情報や、乗りかご内に別途設けた人感センサ(赤外線センサやカメラ)での乗客検知有無を示す情報である。
【0055】
3.本実施の形態による作用
まず、課題について説明する。本実施の形態では、前述したように、荷重関連量検出部35は、主ロープ41の一端部41aをスプリング54を介して建物構造物に固定する第1ロープヒッチ機構50に併設される。そして、荷重関連量検出部35は、第1ロープヒッチ機構50の可動プレート52との間の上下方向距離Xを検出する。このような構成の場合、スプリング54には、かご枠25及び乗りかご20だけでなく、主ロープ41のうち一端部41aと駆動シーブ42との間の部分41cの荷重が負荷されることとなるが、当該部分41cの長さは乗りかご20の現在位置(現在階)によって変化する。また、主ロープ41の荷重と比べるとはるかに小さいが、テールケーブル30のうち乗りかご20から吊り下がっている部分の長さ、つまりこれに比例する荷重も乗りかご20の現在位置(現在階)によって変化する。そのため、スプリング54に負荷される荷重が乗りかご20の現在位置(現在階)によって変化することとなる。この場合、
図6に示すように、乗りかご20内に積載物(乗客や荷物)が存在しておらず、あるいは積載状況(乗客乗車状況)に変化がなくても、乗りかご20の現在位置(現在階)によって、荷重関連量検出部35で検出される上下方向距離Xが異なってくる。その結果、上下方向距離Xに基づいて求められる荷重も異なってくる。
【0056】
これに関し、特許文献1は、検出される荷重に、かご位置に応じた補償量を加算することを提案している。しかし、この方法では、適切な補償量は経年劣化などにより変化すると考えられる。そのため、定期的にエレベータ制御装置に対して補償量の更新設定が必要となる。
【0057】
これに鑑み、本実施の形態では、特許文献1のような方法を採用せず、エレベータ制御装置10は、乗りかご20が停止予定階で停止する都度、出発までの停止中に荷重関連量検出部35で検出された荷重関連量に基づいてかご内積載物荷重Wtの変化量Wcを求め、求めた変化量Wcを積算することでかご内積載物荷重Wtを求めるように構成されている。このような構成による作用及び効果について、
図7を用いて説明する。
【0058】
図7は、本実施の形態による作用の一例を説明した図である。例えば、乗りかご20が停止予定階としての1階で停止したものとする。停止前に乗りかご20内には、乗客などの積載物は存在していないものとする。そして、停止時荷重検出条件が成立すると、エレベータ制御装置10は、荷重関連量検出部35から現在入力されている荷重信号が示す上下方向距離Xを、距離/荷重換算テーブルを用いて荷重に換算し、換算により得られた荷重を停止時荷重W11として設定する。説明便宜上、本作用の説明では、停止時荷重の「W1」に停止予定階の階数を付加して「W11」、「W13」、「W15」と記載する。また、停止時荷重の「W2」に停止予定階の階数を付加して「W21」、「W23」、「W25」と記載する。また、荷重変化量の「Wc」に停止予定階の階数を付加して「Wc1」、「Wc3」、「Wc5」と記載する。その後、エレベータ制御装置10は、かごドア21を戸開する。戸開後、乗客Aが乗りかご20に乗車したものとする。その後、出発時荷重検出条件が成立すると、エレベータ制御装置10は、荷重関連量検出部35から現在入力されている荷重信号が示す上下方向距離Xを、距離/荷重換算テーブルを用いて荷重に換算し、換算により得られた荷重を出発時荷重W21として設定する。そして、エレベータ制御装置10は、出発時荷重W21から停止時荷重W11を減算することで、1階で停止中の荷重変化量Wc1を求める。1階で停止中には主ロープ41の長さに変化がないため、荷重変化量Wc1は、主ロープ41の長さ変化の影響を受けない。したがって、荷重変化量Wc1は、1階で積載された積載物(乗客を含む)の荷重と概ね等しい。なお、1階では乗客Aが乗車したことに伴い、荷重変化量Wc1は正の値となる。エレベータ制御装置10は、求めた荷重変化量Wc1を前回停止時に記憶されたかご内積載物荷重Wtf(
図7の例では0)に加算して、最新のかご内積載物荷重Wtを求める。
【0059】
その後、エレベータ制御装置10は、かごドア21を戸閉し、乗りかご20を1階から次の停止予定階へ向けて出発させる。次の停止予定階が3階であったものとする。この場合、乗りかご20は1階から3階へ上昇運転される。このとき、主ロープ41のうちの第1ロープヒッチ機構50と駆動シーブ42の間の部分41cが巻き取られて短くなることにより、第1ロープヒッチ機構50のスプリング54に負荷される荷重が減少していく(上下方向距離Xが大きくなっていく)。
【0060】
乗りかご20が停止予定階としての3階で停止して、停止時荷重検出条件が成立すると、エレベータ制御装置10は、荷重関連量検出部35から現在入力されている荷重信号が示す上下方向距離Xを、距離/荷重換算テーブルを用いて荷重に換算し、換算により得られた荷重を停止時荷重W13として設定する。その後、エレベータ制御装置10は、かごドア21を戸開する。戸開後、乗客Bが乗りかご20に乗車したものとする。その後、出発時荷重検出条件が成立すると、エレベータ制御装置10は、荷重関連量検出部35から現在入力されている荷重信号が示す上下方向距離Xを、距離/荷重換算テーブルを用いて荷重に換算し、換算により得られた荷重を出発時荷重W23として設定する。そして、エレベータ制御装置10は、出発時荷重W23から停止時荷重W13を減算することで、3階で停止中の荷重変化量Wc3を求める。3階で停止中には主ロープ41の長さに変化がないため、荷重変化量Wc3は、主ロープ41の長さ変化の影響を受けない。したがって、荷重変化量Wc3は、3階で積載された積載物(乗客を含む)の荷重と概ね等しい。なお、3階では乗客Bが乗車したことに伴い、荷重変化量Wc3は正の値となる。また、求めた荷重変化量Wc3を前回停止時に記憶されたかご内積載物荷重Wtfに加算して、最新のかご内積載物荷重Wtを求める。本例では、かご内積載物荷重Wtは、Wc1+Wc3となる。
【0061】
その後、エレベータ制御装置10は、かごドア21を戸閉し、乗りかご20を3階から次の停止予定階へ向けて出発させる。次の停止予定階が5階であったものとする。この場合、乗りかご20は3階から5階へ上昇運転される。このとき、主ロープ41のうちの第1ロープヒッチ機構50と駆動シーブ42の間の部分41cが巻き取られて短くなることにより、第1ロープヒッチ機構50のスプリング54に負荷される荷重が減少していく(上下方向距離Xが大きくなっていく)。
【0062】
乗りかご20が停止予定階としての5階で停止して、停止時荷重検出条件が成立すると、エレベータ制御装置10は、荷重関連量検出部35から現在入力されている荷重信号が示す上下方向距離Xを、距離/荷重換算テーブルを用いて荷重に換算し、換算により得られた荷重を停止時荷重W15として設定する。その後、エレベータ制御装置10は、かごドア21を戸開する。戸開後、乗客A,Bが乗りかご20から降車したものとする。その後、出発時荷重検出条件が成立すると、エレベータ制御装置10は、荷重関連量検出部35から現在入力されている荷重信号が示す上下方向距離Xを、距離/荷重換算テーブルを用いて荷重に換算し、換算により得られた荷重を出発時荷重W25として設定する。そして、エレベータ制御装置10は、出発時荷重W25から停止時荷重W15を減算することで、5階で停止中の荷重変化量Wc5を求める。5階で停止中には主ロープ41の長さに変化がないため、荷重変化量Wc5は、主ロープ41の長さ変化の影響を受けない。したがって、荷重変化量Wc5は、5階で積載された積載物(乗客を含む)の荷重と概ね等しい。なお、5階では乗客A、Bが降車したことに伴い、荷重変化量Wc5は負の値となる。また、求めた荷重変化量Wc5を前回停止時に記憶されたかご内積載物荷重Wtfに加算して、最新のかご内積載物荷重Wtを求める。本例では、かご内積載物荷重Wtは、Wc1+Wc3+Wc5となる。このとき、求めたかご内積載物荷重Wtが所定荷重Wo未満であったものとする。この場合、かご内積載物荷重Wtが零(0)にリセットされる。
【0063】
その後、エレベータ制御装置10は、かごドア21を戸閉し、乗りかご20を5階から次の停止予定階へ向けて出発させる。次の停止予定階が例えば2階であったものとする。この場合、乗りかご20は5階から2階へ下降運転される。このとき、主ロープ41のうちの第1ロープヒッチ機構50と駆動シーブ42の間の部分41cが繰り出されて長くなることにより、第1ロープヒッチ機構50のスプリング54に負荷される荷重が増加していく(上下方向距離Xが小さくなっていく)。
【0064】
以上説明したように、本実施の形態では、エレベータ制御装置10は、乗りかご20が停止予定階で停止する都度、出発までの停止中に荷重関連量検出部35で検出された上下方向距離X(荷重関連量)に基づいてかご内積載物荷重Wtの変化量Wcを求め、求めた変化量Wcを積算することでかご内積載物荷重Wtを求める。各停止予定階で停止中には主ロープ41の長さに変化がないため、停止中に検出された荷重関連量に基づいて求められる荷重変化量Wcは、主ロープ41の長さ変化の影響を受けない。したがって、このような荷重変化量Wcは、当該停止階で乗降した乗客(当該停止階で積載された積載物)の荷重に等しいものとなる。また、各停止階で求められた荷重変化量Wcを積算して得られたかご内積載物荷重Wtは、乗りかご20内に現在存在する全積載物の荷重となる。したがって、乗りかご20内に現在存在する積載物の荷重を正確に検出することができる。
【0065】
また、乗場表示部36に、精度のよい乗客乗車状況表示(混雑状況表示)を行うことができる。
【0066】
(実施の形態2)
図8は、実施の形態2におけるエレベータの構成を示した図である。
【0067】
実施の形態2におけるエレベータでは、昇降機構の構成及び荷重関連量検出部の配置が実施の形態とは異なっている。エレベータ制御装置10の制御動作などその他の構成は実施の形態1と同じである。
【0068】
具体的に、実施の形態2における昇降機構140では、駆動シーブ142に巻き掛けられた主ロープ141の一端がかご枠25の上部に結合され、主ロープ141の他端が釣合おもり45の上部に結合されている。また、建物下部の機械室内に、コンペンセーションシーブ146が配置されている。コンペンセーションシーブ146には、コンペンセーションロープ145が巻きかけられ、その一端がかご枠25の下部に結合され、他端が釣合おもり45の下部に結合されている。なお、主ロープ141やコンペンセーションロープ145は、実際には上下に対して僅かに傾斜しているだけであるが、
図8では、課題を理解しやすいように、傾斜をデフォルメして記載している。かご枠25及び釣合おもり45は、ガイドレール151、152にそれぞれガイドされて上下に昇降する。
【0069】
荷重関連量検出部35は、乗りかご20と接続されたかご枠25に配置されている。
【0070】
図9は、荷重関連量検出部35の配置構造を模式的に示した図である。
【0071】
乗りかご20は、弾性体26を介してかご枠25に支持されている。弾性体26は、例えばラバーやスプリングである。
【0072】
荷重関連量検出部35は、かご枠25に固定されている。乗りかご20に乗客が乗車すると、乗りかご20の荷重が増加して弾性体26が圧縮され、乗りかご20が沈み込む。一方、乗りかご20から乗客が降車すると、乗りかご20の荷重が減少して弾性体26が延び、乗りかご20が浮き上がる。荷重関連量検出部35は、荷重関連量検出部35と乗りかご20の床の下面との間の上下方向距離Xを検出する。エレベータ制御装置10は、荷重関連量検出部35で検出された上下方向距離Xに基づいて、乗りかご20内に存在する積載物の荷重を求める。
【0073】
ここで、昇降機構140が上記のように構成されている場合、かご枠25には、コンペンセーションロープ145による下向きの引っ張り力が作用する。この下向きの引っ張り力は、乗りかご20の昇降に伴って、かご枠25からコンペンセーションシーブ146の長さの変化にあわせて、変化する。引っ張り力が変化すると、わずかではあるがかご枠25が撓み変形し、かご枠25と乗りかご20の底面との間の距離に変化が生じる。その結果、実施の形態1でも説明したように、乗りかご20内に積載物(乗客や荷物)が存在しておらず、あるいは積載状況(乗客乗車状況)に変化がなくても、乗りかご20の現在位置(現在階)によって、荷重関連量検出部35で検出される上下方向距離Xが異なってくる。その結果、上下方向距離Xに基づいて求められる荷重も異なってくる。
【0074】
しかし、本実施の形態では、実施の形態1同様、エレベータ制御装置10は、乗りかご20が停止予定階で停止する都度、出発までの停止中に荷重関連量検出部35で検出された荷重関連量に基づいてかご内積載物荷重Wtの変化量Wcを求め、求めた変化量Wcを積算することでかご内積載物荷重Wtを求める。これにより、かご内積載物荷重Wtを正確に検出することができる。
【0075】
また、乗場表示部36に、精度のよい乗客乗車状況表示(混雑状況表示)を行うことができる。
【0076】
(実施の形態のまとめ)
(1)本実施の形態のエレベータのかご内積載物荷重検出装置は、
乗りかご20の荷重に関連する荷重関連量を検出する荷重関連量検出部35と、
荷重関連量検出部35で検出された荷重関連量に基づいて、かご内積載物荷重Wtを求めるエレベータ制御装置10(処理部)と、を備え、
エレベータ制御装置10は、乗りかご20が停止予定階で停止する都度、出発までの停止中に荷重関連量検出部35で検出された荷重関連量に基づいてかご内積載物荷重の変化量Wcを求め、求めた変化量Wcを積算することでかご内積載物荷重Wtを求める。
【0077】
この構成によれば、荷重補償を要することなく、かご内積載物荷重Wtを正確に検出することができる。
【0078】
(2)本実施の形態のエレベータのかご内積載物荷重検出装置において、
エレベータ制御装置10は、求めたかご内積載物荷重Wtが、成人乗客1人分の荷重よりも小さい所定荷重Wo以下となったときは、かご内積載物荷重Wtを零にリセットする。
【0079】
これにより、かご内積載物荷重Wtを、各階で求められた荷重変化量Wcの積算により求める場合に生じる誤差を解消できる。
【0080】
(3)本実施の形態のエレベータのかご内積載物荷重検出装置において、
エレベータ制御装置10は、
乗りかご20内の積載物の積載状況に関する情報を入力し、
入力した情報が乗りかご20内に積載物が存在しないことを示しているときは、かご内積載物荷重Wtを零にリセットしてもよい。
【0081】
これにより、かご内積載物荷重Wtを、各階で求められた荷重変化量Wcの積算により求める場合に生じる誤差を解消できる。
【0082】
(4)本実施の形態のエレベータのかご内積載物荷重検出装置において、
荷重関連量検出部35は、乗りかご20を吊り下げる主ロープ41(ロープ)の一端を建物構造物に対してスプリング54を介して支持する可動プレート52(上下可動部材)との間の上下方向距離Xを検出する距離センサにより構成され、
荷重関連量は、上下方向距離Xである。
【0083】
これにより、このような構造を有するエレベータにおいて、上述した効果が得られる。
【0084】
(5)本実施の形態のエレベータのかご内積載物荷重検出装置において、
荷重関連量検出部35は、乗りかご20の床面との間の上下方向距離Xを検出する距離センサにより構成され、
荷重関連量は、上下方向距離Xである。
【0085】
これにより、このような構造を有するエレベータにおいて、上述した効果が得られる。
【0086】
(他の実施の形態)
前記実施の形態において、本発明の複数の態様を説明した。しかし、本発明の具体的態様は、上述した実施の形態に限られず、これらの実施の形態を組み合わせたものとすることもできる。
【0087】
前記実施の形態では、乗りかご20の荷重に関連する荷重関連量として上下方向距離Xを例示した。しかし、荷重関連量はこれに限定されず、かご内積載物荷重の変化量を求めることができる量であればどのようなものでもよい。例えば、荷重関連量は、荷重そのものであってもよい。
【0088】
前記実施の形態では、1台のエレベータを有するエレベータシステムを例示したが、本発明は、複数台のエレベータを有するエレベータシステムにも適用できる。
【0089】
前記実施の形態では、求められたかご内積載物荷重Wtに基づいて、乗場表示部36に、乗りかご20内の混雑状況を表示させる例を説明した。しかし、本発明は、エレベータに関する他の制御にも利用できる。例えば、求められたかご内積載物荷重Wtに基づいて、群管理における配車制御を行ってもよい。本発明によれば、かご内積載物荷重Wtを正確に求めることができるため、これに基づく配車制御を適切に行うことができ、運行効率などを向上させることができる。
【符号の説明】
【0090】
10 エレベータ制御装置
11 プロセッサ
12 記憶部
13 入出力インタフェース
20 乗りかご
21 かごドア
25 かご枠
26 弾性体
30 テールケーブル
31 乗場操作盤
32 かご内操作盤
33 昇降モータ
34 ドアモータ
35 荷重関連量検出部
40 昇降機構
41 主ロープ
42 駆動シーブ
43 第1従動シーブ
44 第2従動シーブ
45 釣合おもり
50 第1ロープヒッチ機構
51 ロッド
52 可動プレート
53 ベースプレート
54 スプリング
55 支持部材
60 第2ロープヒッチ機構
140 昇降機構
141 主ロープ
142 駆動シーブ
145 コンペンセーションロープ
146 コンペンセーションシーブ
【手続補正書】
【提出日】2022-01-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗りかごの荷重に関連する荷重関連量を検出する荷重関連量検出部と、
前記荷重関連量検出部で検出された荷重関連量に基づいて、かご内積載物荷重を求める処理部と、を備え、
前記処理部は、
前記乗りかごが停止予定階で停止する都度、出発までの停止中に前記荷重関連量検出部で検出された荷重関連量に基づいてかご内積載物荷重の変化量を求め、求めた変化量を積算することでかご内積載物荷重を求め、
求めたかご内積載物荷重が、成人乗客1人分の荷重よりも小さい所定荷重以下となったときは、かご内積載物荷重を零にリセットする、
エレベータのかご内積載物荷重検出装置。
【請求項2】
前記荷重関連量検出部は、前記乗りかごを吊り下げるロープの一端を建物構造物に対してスプリングを介して支持する上下可動部材との間の上下方向距離を検出する距離センサにより構成され、
前記荷重関連量は、前記上下方向距離である、
請求項1に記載のエレベータのかご内積載物荷重検出装置。
【請求項3】
前記乗りかごは弾性体を介してかご枠に支持されており、前記かご枠はロープにより吊り下げられており、
前記荷重関連量検出部は、前記かご枠に固定されて前記乗りかごの床面との間の上下方向距離を検出する距離センサにより構成され、
前記荷重関連量は、前記上下方向距離である、
請求項1に記載のエレベータのかご内積載物荷重検出装置。