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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065272
(43)【公開日】2022-04-27
(54)【発明の名称】簡易トイレ
(51)【国際特許分類】
   A47K 11/04 20060101AFI20220420BHJP
【FI】
A47K11/04
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020173721
(22)【出願日】2020-10-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】516162434
【氏名又は名称】有限会社室井外構工事
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】室井 一雄
【テーマコード(参考)】
2D036
【Fターム(参考)】
2D036HA04
2D036HA12
2D036HA21
(57)【要約】
【課題】利用場所が制限されず、利便性の高い簡易トイレを提供すること。
【解決手段】本発明の簡易トイレは、地面に対して立設される2枚の略矩形の壁面部材10,20を備え、2枚の壁面部材10,20は、高さ方向に延びる辺が位置する幅方向における一方の端部側が回動端となるよう、高さ方向に延びる辺が位置する幅方向における他方の端部側で相互に回動可能に連結しており、2枚の壁面部材10,20が相互に回動することで、それぞれの一方の面が、相互に対面する閉じた状態と、相互に所定の角度を成すよう開いた状態と、に変形するよう構成されており、2枚の壁面部材10,20が開いた状態で、壁面部材10,20の間であって壁面部材10,20の所定の高さ位置に、地面と略平行となる便座面を形成する板状の便座部材41,42を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に対して立設される2枚の略矩形の壁面部材を備え、
2枚の前記壁面部材は、高さ方向に延びる辺が位置する幅方向における一方の端部側が回動端となるよう、高さ方向に延びる辺が位置する幅方向における他方の端部側で相互に回動可能に連結しており、2枚の前記壁面部材が相互に回動することで、それぞれの一方の面が、相互に対面する閉じた状態と、相互に所定の角度を成すよう開いた状態と、に変形するよう構成されており、
前記開いた状態で、当該壁面部材の間であって当該壁面部材の所定の高さ位置に、地面と略平行となる便座面を形成する板状の便座部材を備えた、
簡易トイレ。
【請求項2】
請求項1に記載の簡易トイレであって、
前記便座部材は、前記壁面部材の前記一方の面に回動可能なよう連結しており、前記閉じた状態のときに前記壁面部材と略平行となるよう前記壁面部材に対して回動し、前記開いた状態のときに前記壁面部材の所定の高さ位置に前記便座面が地面と略平行となるよう前記壁面部材に対して回動するように構成されている、
簡易トイレ。
【請求項3】
請求項2に記載の簡易トイレであって、
前記便座部材は、2枚の便座用板状部材にて形成されており、一方の前記便座用板状部材は一方の前記壁面部材の前記一方の面に回動可能なよう連結しており、他方の前記便座用板状部材は他方の前記壁面部材の前記一方の面に回動可能なよう連結しており、
前記一方の便座用板状部材及び前記他方の便座用板状部材は、前記閉じた状態のときにそれぞれが連結している前記壁面部材と略平行となるようそれぞれが連結して前記壁面部材に対して回動し、前記開いた状態のときに前記壁面部材の所定の高さ位置に前記便座面が地面と略平行となるようそれぞれが連結している前記壁面部材に対して回動するように構成されている、
簡易トイレ。
【請求項4】
請求項3に記載の簡易トイレであって、
前記一方の便座用板状部材及び前記他方の便座用板状部材は、それぞれが連結している前記壁面部材側とは反対側で相互に回動可能なよう連結しており、前記閉じた状態のときに相互に略平行となるよう回動し、前記開いた状態のときに相互に略同一平面に位置して上面が前記便座面を形成するよう回動するように構成されている、
簡易トイレ。
【請求項5】
請求項4に記載の簡易トイレであって、
前記開いた状態のときに、前記一方の便座用板状部材の一部が、前記他方の便座用板状部材との連結箇所において当該他方の便座用板状部材の上方に重なって位置するよう構成されている、
簡易トイレ。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の簡易トイレであって、
前記開いた状態のときに、前記便座部材にて形成された前記便座面は、前記壁面部材の高さ方向の中央位置よりも低い位置に位置している、
簡易トイレ。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡易トイレに関する。
【背景技術】
【0002】
地震や大雨、洪水などの自然災害が発生した際には、人々は指定された避難所に避難する必要がある。避難所は、例えば、学校の体育館や公民館など施設が使用されるが、これらの施設は、宿泊用ではないため、大勢の人数の宿泊に適切に対応することができない。このため、避難所ではトイレが不足することが多々ある。
【0003】
一方で、上述したような状況に対応すべく、特許文献1,2に示すような簡易トイレが提案されている。例えば、特許文献1,2に示す簡易トイレは、人物が着座できるような高さに支持された便座部を備えて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-10944号公報
【特許文献2】特開2020-43889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1,2に示す簡易トイレは、利用者が着座する便座部しか設けられていないため、利用者が周囲から見られないような場所で使用する必要がある。その結果、利用場所が制限され、利便性に欠けるという問題が生じる。
【0006】
このため、本発明の目的は、上述した課題である、利用場所が制限され、利便性に欠ける、という問題を解決することができる、簡易トイレを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態である簡易トイレは、
地面に対して立設される2枚の略矩形の壁面部材を備え、
2枚の前記壁面部材は、高さ方向に延びる辺が位置する幅方向における一方の端部側が回動端となるよう、高さ方向に延びる辺が位置する幅方向における他方の端部側で相互に回動可能に連結しており、2枚の前記壁面部材が相互に回動することで、それぞれの一方の面が、相互に対面する閉じた状態と、相互に所定の角度を成すよう開いた状態と、に変形するよう構成されており、
前記開いた状態で、当該壁面部材の間であって当該壁面部材の所定の高さ位置に、地面と略平行となる便座面を形成する板状の便座部材を備えた、
という構成をとる。
【0008】
そして、上記簡易トイレでは、
請求項1に記載の簡易トイレであって、
前記便座部材は、前記壁面部材の前記一方の面に回動可能なよう連結しており、前記閉じた状態のときに前記壁面部材と略平行となるよう前記壁面部材に対して回動し、前記開いた状態のときに前記壁面部材の所定の高さ位置に前記便座面が地面と略平行となるよう前記壁面部材に対して回動するように構成されている、
という構成をとる。
【0009】
また、上記簡易トイレでは、
前記便座部材は、2枚の便座用板状部材にて形成されており、一方の前記便座用板状部材は一方の前記壁面部材の前記一方の面に回動可能なよう連結しており、他方の前記便座用板状部材は他方の前記壁面部材の前記一方の面に回動可能なよう連結しており、
前記一方の便座用板状部材及び前記他方の便座用板状部材は、前記閉じた状態のときにそれぞれが連結している前記壁面部材と略平行となるようそれぞれが連結して前記壁面部材に対して回動し、前記開いた状態のときに前記壁面部材の所定の高さ位置に前記便座面が地面と略平行となるようそれぞれが連結している前記壁面部材に対して回動するように構成されている、
という構成をとる。
【0010】
また、上記簡易トイレでは、
前記一方の便座用板状部材及び前記他方の便座用板状部材は、それぞれが連結している前記壁面部材側とは反対側で相互に回動可能なよう連結しており、前記閉じた状態のときに相互に略平行となるよう回動し、前記開いた状態のときに相互に略同一平面に位置して上面が前記便座面を形成するよう回動するように構成されている、
という構成をとる。
【0011】
また、上記簡易トイレでは、
前記開いた状態のときに、前記一方の便座用板状部材の一部が、前記他方の便座用板状部材との連結箇所において当該他方の便座用板状部材の上方に重なって位置するよう構成されている、
という構成をとる。
【0012】
また、上記簡易トイレでは、
前記開いた状態のときに、前記便座部材にて形成された前記便座面は、前記壁面部材の高さ方向の中央位置よりも低い位置に位置している、
という構成をとる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、以上のように構成されることにより、利用場所が制限されず、利便性の高い簡易トイレを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態における簡易トイレの構成を示す図であり、簡易トイレを開いて使用するときの様子を示す図である。
図2図1に示す簡易トイレを使用するときの様子を示す図である。
図3図1に示す簡易トイレを折り畳むときの様子を示す図である。
図4図1に示す簡易トイレを折り畳むときの様子を示す図である。
図5図1に示す簡易トイレを折り畳んだ状態を示す図である。
図6図1に示す簡易トイレを折り畳んだ状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、図1乃至図6を参照して説明する。図1乃至図6は、簡易トイレの構成を示す図であり、特に、図1乃至図2は、簡易トイレを使用するときの様子を示し、図3乃至図6は、簡易トイレを使用せず折り畳むときの様子を示す図である。
【0016】
[構成]
図1に示すように、簡易トイレは、地面に対して立設される、2枚の所定の厚みを有する略矩形の壁面部材10,20を備えている。特に、本実施形態では、2枚の壁面部材10,20は、高さ方向に長辺が位置し、上端と下端に短辺が位置する、同一形状の略長方形に形成されている。そして、壁面部材10,20は、それぞれ一方の長辺が位置する幅方向(水平方向)における一方の端部側(図1の紙面手前側)が回動端となり、それぞれ他方の長辺が位置する幅方向(水平方向)における他方の端部側(図1の紙面奥側)が相互に回動可能なよう連結している。具体的に、壁面部材10,20は、それぞれ他方の長辺側が、高さ方向に延びる背面部材30に対して、それぞれが回動可能なよう連結しており、これにより、背面部材30を中心として、2枚の壁面部材20が相互に折り畳み可能なよう回動するように連結されていることとなる。つまり、2枚の壁面部材10,20は、図5に示すように、各壁面部材10,20のそれぞれの一方の面である内面10a,20aが相互に対面するよう折り畳まれた閉じた状態と、図1に示すように、各壁面部材10,20のそれぞれの内面10a,20aが相互に所定の角度(例えば、90度)を成すよう開いた状態と、に変形するよう構成されている。なお、図3及び図4は、図1に示す壁面部材10,20が開いた状態と、図5に示すよう壁面部材10,20が完全に閉じた状態と、に変化するよう、壁面部材10,20を徐々に回動させて様子を示している。
【0017】
なお、図6は、壁面部材10,20が閉じた状態の簡易トイレの背面部材30側の構成を示している。この図に示すように、背面部材30の外表面には、取っ手31が設けられており、かかる取っ手31を把持して人間が簡易トイレを持ち運ぶことができる。
【0018】
また、簡易トイレは、上述した各壁面部材10,20の内面10a,20a側に、図1に示す2枚の壁面部材10,20が開いた状態において、当該所定の角度を成す2枚の壁面部材10,20の間に挟まれて位置し、地面と略平行となる便座面を形成する板状の便座部材41,42を備えている。便座部材41,42は、図1に示すように、壁面部材10,20の高さ方向において中央位置よりも下端側に位置する高さ位置に配置されることで、人物が座りやすい高さに配置されることとなり、かつ、人物の背後に位置する壁面部材10,20が目隠しとなる。そして、壁面部材10,20が開いた状態における便座部材41,42の上面は、便座面を形成することとなる。
【0019】
ここで、便座部材41,42の中央には、上下方向に貫通する大きな穴部Hが形成されている。また、便座部材41,42の穴部Hの周囲には、上下方向に貫通する複数の係止穴hが形成されている。穴部Hは、便座部材41,42の便座面に着座した際に人物の臀部が位置することとなり、排泄物が下方に排泄される箇所となる。このため、穴部Hには、図2に示すように、排泄物を収容する袋体Bが設置されることとなる。このとき、袋体Bは、開口部が穴部Hに対応して位置する配置され、かかる開口部の周囲の一部が複数の係止穴hに挿入されることで、袋体Bを穴部Hに係止することができる。
【0020】
上記便座部材41,42は、図1に示すように、2枚の便座用板状部材41,42にて形成されている。このとき、各便座用板状部材41,42は、それぞれ所定の厚みを有する略三角形状の板部材にて形成されており、第一の便座用板状部材41(一方の便座用板状部材)の方が、第二の便座用板状部材42(他方の便座用板状部材)よりも外形が大きく形成されている。そして、第一の便座用板状部材41は第一の壁面部材10の内面10aに連結しており、第二の便座用板状部材42は第二の壁面部材20の内面20aに連結している。
【0021】
具体的に、第二の便座用板状部材42は、図1に示すように、略三角形である外形を形成する外周のうちの一辺が、第二の壁面部材20の内面20aの所定の高さ位置で水平方向に沿って、当該第二の壁面部材20に対して回動可能なよう連結している。このため、第二の便座用板状部材42は、図1に示す壁面部材10,20を開いた状態にするときには、便座面を形成するその板面が地面と略平行つまり壁面部材20と略垂直となるよう当該壁面部材20に対して回動する。また、第二の便座用板状部材42は、図5に示す壁面部材10,20を閉じた状態にするときには、図3乃至図5に示すように、第二の壁面部材20との連結箇所とは反対側に位置し、第一の壁面部材10に向かって位置する外周の他の一辺に相当する回動端42a側が徐々に上方に跳ね上がり、便座面を形成するその板面が第二の壁面部材20と略平行つまり地面と略垂直となるよう、当該第二の壁面部材20に対して回動する。なお、壁面部材10,20が開いた状態において、第二の便座用板状部材42の上述した回動端42aは、第一の便座用板状部材41と連結している。
【0022】
そして、第一の便座用板状部材41も、上述した第二の便座用板状部材42とほぼ同様の構成をとっている。具体的に、第一の便座用板状部材41は、図1に示すように、略三角形である外形を形成する外周のうちの一辺が、第一の壁面部材10の内面10aの所定の高さ位置で水平方向に沿って、当該第一の壁面部材10に対して回動可能なよう連結している。このため、第一の便座用板状部材41は、図1に示す壁面部材10,20を開いた状態にするときには、便座面を形成するその板面が地面と略平行つまり第一の壁面部材10と略垂直となるよう当該第一の壁面部材10に対して回動する。また、第一の便座用板状部材41は、図5に示す壁面部材10,20を閉じた状態にするときには、図3乃至図5に示すように、第一の壁面部材10との連結箇所とは反対側に位置し、第二の壁面部材20に向かって位置する外周の他の一辺に相当する回動端41a側が徐々に上方に跳ね上がり、便座面を形成するその板面が第一の壁面部材10と略平行つまり地面と略垂直となるよう、当該第一の壁面部材10に対して回動する。
【0023】
なお、壁面部材10,20が開いた状態において、第一の便座用板状部材41の第一の壁面部材10との連結箇所とは反対側に位置する上述した回動端41a,41bは、第二の便座用板状部材42の第二の壁面部材20との連結箇所とは反対側に位置する回動端42aと、相互に回動可能なよう連結している。但し、第一の便座用板状部材41の第二の壁面部材20に向かう端部は、図3の符号41a,41bに示すように2段に形成されており、開いた状態のときに下段に位置する端部41aが第二の便座用板状部材42の端部42aと回動可能に連結している。これにより、図5に示すように壁面部材10,20が閉じた状態のときには、第一の便座用板状部材41と第二の便座用板状部材42との連結箇所が回動し、第一の便座用板状部材41と第二の便座用板状部材42とが相互に略平行に位置することとなる。
【0024】
また、図3に示すように、第一の便座用板状部材41の第二の壁面部材20に向かう端部の開いた状態のときに上段に位置する上段部分41bは、下段部分41aよりもさらに第二の壁面部材20に向かって延設している。このため、図1に示すように壁面部材10,20が開いた状態のときには、第一の便座用板状部材41と第二の便座用板状部材42との連結箇所が回動し、第一の便座用板状部材41と第二の便座用板状部材42とが相互に略同一平面に位置して上面が便座面を形成すると共に、第一の便座用板状部材41の第二の壁面部材20に向かう端部の上段部分41bは、第二の便座用板状部材42との連結箇所及びそれよりも第二の壁面部材20側において、当該第二の便座用板状部材42の上方に重なって位置することとなる。
【0025】
[動作]
次に、上述した簡易トイレの動作を説明する。まず、簡易トイレを使用するときの動作を説明する。まず、図6図5に示すように壁面部材10,20が閉じた状態の簡易トイレを設置場所まで運ぶ。そして、設置場所において、壁面部材10の長手方向が高さ方向に位置するよう簡易トイレ配置して、2枚の壁面部材10,20を開く。すると、図5に示す壁面部材10,20が閉じた状態から、図4及び図3に示すように壁面部材10,20が徐々に開くことで、第一の便座用板状部材41及び第二の便座用板状部材42がそれぞれ第一の壁面部材10及び第二の壁面部材20に対してそれぞれ回動し、併せて、それぞれ壁面部材10,20との連結箇所とは反対側の端部41a,42aで相互に連結された第一の便座用板状部材41及び第二の便座用板状部材42の相互間も回動する。そして、図1に示すように壁面部材10,20が完全に開いた状態となると、第一の便座用板状部材41及び第二の便座用板状部材42が略同一平面に位置して、これらの上面が便座面を形成することとなる。
【0026】
その後、図2に示すように、便座面に形成された穴部Hに袋体Bを配置することで、簡易トイレとして利用することができる。このとき、2枚の壁面部材10,20が目隠しとなり、利用者が外部から視認されることを抑制することができる。このため、本発明の簡易トイレは、利用場所が制限されることなく、利便性が極めて高いと言える。
【0027】
次に、上述したように簡易トイレを利用した後に片づけるときの動作を説明する。まず、図2に示すように便座面に配置された袋体Bを取り外して、袋体Bの開口部を縛って塞ぐといった処理を行う。その後、図1に示すように壁面部材10が開いた状態から、図3及び図4に示すように壁面部材10,20を徐々に閉じることで、第一の便座用板状部材41及び第二の便座用板状部材42がそれぞれ第一の壁面部材10及び第二の壁面部材20に対してそれぞれ回動し、併せて、それぞれ壁面部材10,20との連結箇所とは反対側の端部41a,42aで相互に連結された第一の便座用板状部材41及び第二の便座用板状部材42の相互間も回動する。すると、第一の便座用板状部材41及び第二の便座用板状部材42の相互に連結された端部41a,42aが徐々に上方に跳ね上がり、図5に示すように壁面部材10,20が完全に閉じた状態となると、第一の便座用板状部材41及び第二の便座用板状部材42が第一の壁面部材10及び第二の壁面部材20に対して略平行に位置することとなる。このように簡易トイレを折り畳むことで、図5及び図6に示すように、小型化して収納することができる。
【0028】
なお、本発明における簡易トイレは、上述した構成や形状に限定されない。例えば、上記では、壁面部材10,20の形状が略長方形であるとして説明したが、必ずしも長方形であることに限定されず、略矩形であってもよく、いかなる形状であってもよい。また、便座用板状部材の形状も、略三角形状であることに限定されず、いかなる形状であってもよい。
【0029】
以上、上記各実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることが出来る。
【符号の説明】
【0030】
10,20 壁面部材
10a,20a 内面
30 背面部材
31 取っ手
41,42 便座部材、便座用板状部材
H 穴部
h 係止穴
B 袋体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2020-12-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に対して立設される2枚の略矩形の壁面部材を備え、
2枚の前記壁面部材は、高さ方向に延びる辺が位置する幅方向における一方の端部側が回動端となるよう、高さ方向に延びる辺が位置する幅方向における他方の端部側で相互に回動可能に連結しており、2枚の前記壁面部材が相互に回動することで、それぞれの一方の面が、相互に対面する閉じた状態と、相互に所定の角度を成すよう開いた状態と、に変形するよう構成されており、
前記開いた状態で、前記壁面部材の間であって当該壁面部材の所定の高さ位置に、地面と略平行となる便座面を形成する板状の便座部材を備え、
前記便座部材は、2枚の便座用板状部材にて形成されており、一方の前記便座用板状部材は一方の前記壁面部材の前記一方の面に回動可能なよう連結しており、他方の前記便座用板状部材は他方の前記壁面部材の前記一方の面に回動可能なよう連結しており、
前記一方の便座用板状部材及び前記他方の便座用板状部材は、前記閉じた状態のときにそれぞれが連結している前記壁面部材と略平行となるよう前記壁面部材に対して回動し、前記開いた状態のときに前記壁面部材の所定の高さ位置に前記便座面が地面と略平行となるようそれぞれが連結している前記壁面部材に対して回動するように構成されている、
簡易トイレ。
【請求項2】
請求項に記載の簡易トイレであって、
前記一方の便座用板状部材及び前記他方の便座用板状部材は、それぞれが連結している前記壁面部材側とは反対側で相互に回動可能なよう連結しており、前記閉じた状態のときに相互に略平行となるよう回動し、前記開いた状態のときに相互に略同一平面に位置して上面が前記便座面を形成するよう回動するように構成されている、
簡易トイレ。
【請求項3】
請求項に記載の簡易トイレであって、
前記開いた状態のときに、前記一方の便座用板状部材の一部が、前記他方の便座用板状部材との連結箇所において当該他方の便座用板状部材の上方に重なって位置するよう構成されている、
簡易トイレ。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれかに記載の簡易トイレであって、
前記開いた状態のときに、前記便座部材にて形成された前記便座面は、前記壁面部材の高さ方向の中央位置よりも低い位置に位置している、
簡易トイレ。