(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065519
(43)【公開日】2022-04-27
(54)【発明の名称】コンクリート打設支援システム及びコンクリート打設支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20220420BHJP
E04G 21/00 20060101ALI20220420BHJP
G06F 16/90 20190101ALI20220420BHJP
G10L 15/00 20130101ALI20220420BHJP
【FI】
G06Q50/08
E04G21/00 ESW
G06F16/90 100
G10L15/00 200Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020174149
(22)【出願日】2020-10-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】309041111
【氏名又は名称】グローバルワークス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】杉橋 直行
(72)【発明者】
【氏名】矢ノ倉 ひろみ
(72)【発明者】
【氏名】川村 和湖
(72)【発明者】
【氏名】新田 智博
(72)【発明者】
【氏名】峰村 佳男
【テーマコード(参考)】
5B175
5L049
【Fターム(参考)】
5B175DA05
5B175EA01
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】現場の技術者が所定の日の天候を確認せずに、現場でのコンクリートの打設作業の可否を容易に判断できる情報を提供するコンクリート打設支援システムを提供する。
【解決手段】本発明のコンクリート打設支援システムは、ユーザが音声で入力した質問の音声情報を音声認識して質問テキストデータを作成する第1アシスタント部と、質問テキストデータから少なくとも打設を行う場所及び日時を含む打設データを抽出する第1チャットボット部と、打設データに対応して打設の作業の可否を判定し、判定結果を打設判定情報とする打設判定部と、打設の作業の可否を判定するために用いる少なくとも天気情報を取得する条件情報取得部と、打設判定情報から自然言語処理により回答テキストデータを生成する第2チャット部と、質問テキストデータに対応した回答テキストデータをユーザに通知する第2アシスタント部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが音声で入力した質問の音声情報を音声認識して質問テキストデータを作成する第1アシスタント部と、
前記質問テキストデータから少なくとも打設を行う場所及び日時を含む打設データを抽出する第1チャット部と、
前記打設データに対応して前記打設の作業の可否を判定し、判定結果を前記打設判定情報とする打設判定部と、
前記打設の作業の可否を判定するために用いる少なくとも天気情報を取得する条件情報取得部と、
前記打設判定情報から自然言語処理により回答テキストデータを生成する第2チャット部と、
前記質問テキストデータに対応した前記回答テキストデータを前記ユーザに通知する第2アシスタント部と
を備えることを特徴とするコンクリート打設支援システム。
【請求項2】
前記打設判定部が、
予め設定されている少なくとも雷、風、雪、雨及び温度の各々の状態に対する判定ルールに従い、前記天気情報に対応した前記打設の作業の可否の判定を行う
ことを特徴とする請求項1に記載のコンクリート打設支援システム。
【請求項3】
前記打設判定部が、
前記打設判定情報における前記日時の以降におけるコンクリートの前記打設の作業が可能な日時を、前記天気情報から打設推奨日時として抽出し、当該打設推奨日時を前記打設判定情報に含める
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンクリート打設支援システム。
【請求項4】
前記打設判定部が、
前記打設判定情報における前記日時に対して、前記打設の作業に要する時間である作業時間を質問し、前記日時及び当該質問に対して回答された作業時間に対応して、前記前記打設の作業の可否を判定して前記打設判定情報とする
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコンクリート打設支援システム。
【請求項5】
前記打設判定部が、
前記天気情報において前記打設の作業を可能と判定した場合、当該天気情報における降雨量及び気温の各々に対応した打設の条件を抽出する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のコンクリート打設支援システム。
【請求項6】
第1アシスタント部が、ユーザが音声で入力した質問の音声情報を音声認識して質問テキストデータを作成する第1アシスタント過程と
第1チャット部が、前記質問テキストデータから少なくとも打設を行う場所及び日時を含む打設データを抽出する第1チャット過程と、
打設判定部が、前記打設データに対応して前記打設の作業の可否を判定し、判定結果を前記打設判定情報とする打設判定過程と、
条件情報取得部が、前記打設の作業の可否を判定するために用いる少なくとも天気情報を取得する条件情報取得過程と、
第2チャット部が、前記打設判定情報から自然言語処理により回答テキストデータを生成する第2チャット過程と、
第2アシスタント部が、前記質問テキストデータに対応した前記回答テキストデータを前記ユーザに通知する第2アシスタント過程と
を含むことを特徴とするコンクリート打設支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート打設支援システム及びコンクリート打設支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建設現場におけるコンクリートの打設を問題なく行うため、コンクリートの特性から天候、例えば雨、雪、雷及び風の状態によって打設を行うか否かの判断を行っている。
雨、雪、雷及び風の状態によって、それぞれコンクリートが固化した後の強度を低下させたり、打設の作業に危険性を生じさせることが知られている。
【0003】
雨に関しては、打設する現場に屋根やシートなどの遮蔽物を設けて、型枠内に雨水が混入することを防止することも行われている(例えば、特許文献1)が、打設の面積が小さい現場であれば可能であるが、打設の面積によっては屋根を設けることが不可能である。
このため、現場を監督する技術者がコンクリートの打設の作業を行う前日に、翌日の天気予報を確認して、打設の作業が可能か否かの判断を行う必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、技術者が作業を行いつつ、所定の日時、例えば、翌日の天気予報をリアルタイムに検索して、即座にコンクリートの打設の可否を判断することは、作業状況によっては困難な場合がある。
また、熟練した技術者であれば多くの天候下によるコンクリートの打設を経験しているため、上記所定の日時の天気予報を確認することにより、打設が可能か否かの判断を行うことを即座に判定を行うことができる。
【0006】
一方、所定の日時の天気予報をリアルタイムに検索できたとしても、天候の状態によっては、コンクリートの打設の監督経験の少ない技術者には、打設の可否に関しての的確な判断を行うことが容易ではない場合がある。
【0007】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、現場の技術者が所定の日の天候を確認することなく、現場におけるコンクリートの打設の作業の可否を容易に判断できる情報を提供するコンクリート打設支援システム及びコンクリート打設支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明のコンクリート打設支援システムは、ユーザが音声で入力した質問の音声情報を音声認識して質問テキストデータを作成する第1アシスタント部(例えば、本実施形態におけるアシスタントサーバ3)と、前記質問テキストデータから少なくとも打設を行う場所及び日時を含む打設データを抽出する第1チャット部(例えば本実施形態におけるチャットサーバ4)と、前記打設データに対応して前記打設の作業の可否を判定し、判定結果を前記打設判定情報とする打設判定部と、前記打設の作業の可否を判定するために用いる少なくとも天気情報を取得する条件情報取得部(例えば、本実施形態における打設判定サーバ5)と、前記打設判定情報から自然言語処理により回答テキストデータを生成する第2チャット部(例えば本実施形態におけるチャットサーバ4)と、前記質問テキストデータに対応した前記回答テキストデータを前記ユーザに通知する第2アシスタント部(例えば、本実施形態におけるアシスタントサーバ3)とを含むことを特徴とする。
【0009】
本発明のコンクリート打設支援方法は、第1アシスタント部が、ユーザが音声で入力した質問の音声情報を音声認識して質問テキストデータを作成する第1アシスタント過程と、第1チャット部が、前記質問テキストデータから少なくとも打設を行う場所及び日時を含む打設データを抽出する第1チャット過程と、打設判定部が、前記打設データに対応して前記打設の作業の可否を判定し、判定結果を前記打設判定情報とする打設判定過程と、条件情報取得部が、前記打設の作業の可否を判定するために用いる少なくとも天気情報を取得する条件情報取得過程と、第2チャット部が、前記打設判定情報から自然言語処理により回答テキストデータを生成する第2チャット過程と、第2アシスタント部が、前記質問テキストデータに対応した前記回答テキストデータを前記ユーザに通知する第2アシスタント過程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、現場の技術者が所定の日の天候を確認することなく、現場におけるコンクリートの打設の作業の可否を容易に判断できる情報を提供するコンクリート打設支援システム及びコンクリート打設支援方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態によるコンクリート打設支援システムの構成例を示す概略構成図である。
【
図2】ユーザデバイス2の表示画面であり、アシスタントサーバ3を介したチャットサーバ4によるユーザとのコンクリート打設の可否における対話処理の概念を説明する図である。
【
図3】本実施形態によるコンクリート打設支援システムのコンクリートの打設の可否をユーザに示す支援処理の動作例を示すフローチャートである。
【
図4】本実施形態によるコンクリート打設支援システムのコンクリートの打設の可否をユーザに示す支援処理の動作例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の他の実施形態によるコンクリート打設支援システムの構成例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の一実施形態によるコンクリート打設支援システムの構成例を示す概略構成図である。本実施形態においては、コンクリート打設(以下、単に打設と示す場合がある)の可否の判定を一例として説明するが、打設に関する他の複数の質問に対しても対応可能である。
図1において、コンクリート打設支援システムは、ユーザデバイス2、アシスタントサーバ3、チャットサーバ4及び打設判定サーバ5の各々を備えている。ユーザデバイス2、アシスタントサーバ3、チャットサーバ4及び打設判定サーバ5の各々は、インターネットを含む情報通信網6を介してデータの送受信を行なう。
【0013】
ユーザデバイス2は、例えばタブレット端末やスマートフォンなどの携帯端末であり、作業現場の現場監督(作業を指示する技術者)が使用するデバイスである。また、ユーザデバイス2は、ノートパソコン(パーソナルコンピュータ)などを用いてもよい。ユーザデバイス2は、チャットボットと会話するためのアプリケーションのプログラムがインストールされており、このプログラムを起動することにより、コンクリート打設に関する質問情報の入力、及び当該質問情報の示す質問に対する回答である打設判定情報を現場監督あるいは打設の施工管理を行う技術者(以下、ユーザと示す)に対して、音声あるいは表示画面に対する表示により通知する。
【0014】
アシスタントサーバ3は、音声認識エンジンを備えており、ユーザが入力する音声情報の音声認識の処理を行ってテキストデータを作成し、チャットサーバ4に対して送信する。アシスタントサーバ3は、音声合成エンジンを備えており、質問情報に対応して判定された打設の作業の可否を示す打設判定情報のテキストデータを、音声信号に変換してユーザデバイス2に通知する。アシスタントサーバ3は、音声信号に換えて、あるいは音声信号に加えて、ユーザデバイス2の表示画面に表示する打設判定情報を、このユーザデバイス2に対して送信する。また、アシスタントサーバ3は、対話型AI(artificial intelligence)エンジンを備えている。
【0015】
チャットサーバ4は、例えばクラウドベースのプラットフォームで動作するソフトウェアロボットである自然言語処理のアプリケーションプログラムを搭載している。チャットサーバ4は、アシスタントサーバ3から供給される質問情報のテキストデータ(以下、質問テキストデータ)に対して後述する自然言語処理を行う。
【0016】
そして、本実施形態において、打設の作業に関連する質問及び回答に対応した対話をユーザとの間で行なうため、チャットサーバ4は、打設に関するワードの抽出及び質問の意味の解析など(形態素解析、構文解析、意味解析及び文脈解析などを含む一般的な自然言語処理)を、コンクリート打設に関する機械可読目録やコーパスなどを用いて行なう。チャットサーバ4は、質問テキストデータから少なくとも打設を行う場所及び日時、打設にかかる作業時間などの打設条件情報を含む、打設の可否を判定に必要な打設データを抽出する。
【0017】
また、チャットサーバ4は、打設の作業の可否を判定するために必要な打設条件情報が全て打設データに含まれているか否かを判定する。そして、チャットサーバ4は、打設条件情報が不足している場合、この不足している打設条件情報をユーザに質問するため、打設条件情報を質問する質問情報のテキストデータ(以下、質問テキストデータ)を、上記コーパスを利用して生成し、アシスタントサーバ3に送信する。チャットサーバ4は、打設の可否を判定するために必要な打設条件情報が揃った場合、この打設条件情報の組合せを打設データとして、打設判定サーバ5に対して出力する。
【0018】
図2は、ユーザデバイス2の表示画面であり、アシスタントサーバ3を介したチャットサーバ4によるユーザとの打設の可否における対話処理の概念を説明する図である。
図2において、ユーザが打設が可能か否かの質問として、「明日コンクリート打設してよい」を、ユーザデバイス2に対して発声する。ユーザデバイス2は、ユーザの音声を入力し音声データ(音声波形)を、アシスタントサーバ3に対して送信する。
アシスタントサーバ3は、音声認識エンジンにより、ユーザの音声の音声認識を行ない、質問テキストデータ「明日コンクリート打設していい?」を生成し、生成した質問テキストデータを、チャットサーバ4及びユーザデバイス2に対して送信する。
【0019】
ユーザデバイス2は、供給された質問テキストデータ「明日コンクリート打設していい?」を、自身の表示画面200Sにおいて、文字列画像200S_1として表示する。
また、チャットサーバ4は、質問テキストデータ「明日コンクリート打設していい?」を自然言語処理を行い、打設を行う可否を問う質問であることを認識する。チャットサーバ4は、質問テキストデータに、打設を行う日にち以外の他の打設条件情報である打設を行う場所、打設の作業を行う開始時間及び終了時間の各々が含まれていないことを認識し、順次、打設を行う場所及び開始時間及び終了時間の各々を、ユーザに対して問い合わせる質問テキストデータを生成する。チャットサーバ4は、質問テキストデータ「明日コンクリート打設していい?」から、打設条件情報として日にちの文字列「明日」を抽出する。チャットサーバ4は、本日が「2020年03月06日」なので、文字列「明日」が「2020年03月07日」であると認識し、打設を行う日にちの打設条件情報を「2020年03月07日」とする。
【0020】
チャットサーバ4は、不足する打設条件情報における打設を行う場所を質問する質問テキストデータ「どこで打設ですか?」を自然言語処理により生成し、生成した質問テキストデータをアシスタントサーバ3に対して送信する。
これにより、アシスタントサーバ3は、質問テキストデータ「どこで打設ですか?」を音声合成エンジンにより音声データに変換し、質問テキストデータ及び音声データをユーザデバイス2に対して送信する。
【0021】
ユーザデバイス2は、供給された質問テキストデータ「どこで打設ですか?」を、自身の表示画面200Sにおいて、文字列画像200S_2として表示し、スピーカ(不図示)から音声として出力する。
ユーザは、ユーザデバイス2の表示画面200Sにおける文字列画像200S_2にて通知される「どこで打設ですか?」の打設する場所に対する質問を見て、この回答として打設を行う場所として、「○×市」と音声で回答する(文字により入力してもよい)。
そして、ユーザデバイス2は、ユーザの音声を入力して、「○×市」に対応する音声データ(音声波形)として、アシスタントサーバ3に対して送信する。
【0022】
アシスタントサーバ3は、音声認識エンジンにより、ユーザの音声データの音声認識を行ない、回答テキストデータ「○×市」を生成し、生成した回答テキストデータ「○×市」を、チャットサーバ4及びユーザデバイス2に対して送信する。
ユーザデバイス2は、供給された回答テキストデータ「○×市」を、自身の表示画面200Sに文字列画像200S_3として表示する。
【0023】
チャットサーバ4は、回答テキストデータ「○×市」に対する自然言語処理を行い、文字列「○×市」が場所であることを認識し、打設データにおける打設する場所を示す打設条件情報とする。チャットサーバ4は、不足する打設条件情報における打設の作業の開始時間及び終了時間を質問する質問テキストデータ「何時から何時までの予定ですか?午前午後をつけて答えて下さい」を自然言語処理により生成し、生成した質問テキストデータをアシスタントサーバ3に対して送信する。
【0024】
これにより、アシスタントサーバ3は、質問テキストデータ「何時から何時までの予定ですか?午前午後をつけて答えて下さい」を音声合成エンジンにより音声データに変換し、質問テキストデータ及び質問テキストデータに対応する音声データをユーザデバイス2に対して送信する。ユーザデバイス2は、供給された質問テキストデータ「何時から何時までの予定ですか?午前午後をつけて答えて下さい」を、自身の表示画面200Sにおいて、文字列画像200S_4として表示するとともに、スピーカ(不図示)から音声として出力する。
【0025】
ユーザは、ユーザデバイス2の表示画面200Sにおける文字列画像200S_4にて通知される「何時から何時までの予定ですか?午前午後をつけて答えて下さい」の打設する作業の開始時間及び終了時間に対する質問を見て、この回答として打設する作業の開始時間及び終了時間として、「午前9時から午後5時まで」と音声で回答する(文字により入力してもよい)。ユーザデバイス2は、ユーザの音声を入力して、「午前9時から午後5時まで」に対応する音声データ(音声波形)として、アシスタントサーバ3に送信する。
【0026】
アシスタントサーバ3は、音声認識エンジンにより、ユーザの音声データの音声認識を行ない、回答テキストデータ「午前9時から午後5時まで」を生成する。アシスタントサーバ3は、生成した回答テキストデータを、チャットサーバ4及びユーザデバイス2に対して送信する。 ユーザデバイス2は、回答テキストデータ「午前9時から午後5時まで」を、自身の表示画面200Sにおいて、文字列画像200S_5として表示する。
【0027】
そして、チャットサーバ4は、回答テキストデータ「午前9時から午後5時まで」に対する自然言語処理を行い、文字列「午前9時から午後9時まで」が開始時間及び終了時間であることを認識し、打設データにおける打設の作業を行う開始時間及び終了時間を示す打設条件情報とする。チャットサーバ4は、打設の可否を判定する打設データにおける打設条件情報が充足されたことを認識し、打設条件情報として、打設を行う日にち「2020年03月07日」、場所「○×市」、作業の開始時間及び終了時間の打設条件情報として24時間表記の「9時」、「17時」を打設データとして打設判定サーバ5に送信する。
【0028】
打設判定サーバ5は、送信された打設データにおける日にちの打設条件情報「2020年03月07日」、場所の打設条件情報「○×市」、打設の作業の開始時間及び終了時間の打設条件情報「9時」、「17時」により、打設の判定を行う(詳細は後述)。打設判定サーバ5は、「○×市」での打設条件情報の示す「2020年03月07日」の「9時」から「17時」で打設が可能か否かを示す回答情報をチャットサーバ4に送信する。
【0029】
上記回答情報は、例えば、打設条件情報「2020年03月07日」、「9時」から「17時」に対して、「2020年03月07日」の「9時~12時」の天気予報が「曇り」、日平均気温が「0.72℃」、風速が「6.98m/s」、降雨量が「0.00mm」であることと、日平気温が5℃のため寒中コンクリートの作業となり、かつ最低打ち込み温度(流し込むコンクリートの温度)を「10℃」とし、養生の方法が「寒中養生」である。
【0030】
そして、チャットサーバ4は、供給される回答情報に対して、自然言語処理を行い、回答テキストデータ「[○×市] 2020年03月07日 9時から17時 9時~12時の天気予報 曇り 日平均気温:0.72℃ 風速:毎秒6.98m 降雨量:毎時0.00mm 日平均気温が5℃以下のため、寒中コンクリートです。最低打込み温度は10℃となります。 寒中養生を実施してください。」を生成し、アシスタントサーバ3に送信する。アシスタントサーバ3は、回答テキストデータを音声合成エンジンにより音声データに変換し、質問テキストデータ及びこの回答テキストデータに対応する音声データをユーザデバイス2に送信する。ユーザデバイス2は、供給された回答テキストデータを、自身の表示画面200Sにおいて、文字列画像200S_6として表示するとともに、スピーカ(不図示)から音声として出力する。これにより、ユーザは、明日(2020年03月07日)に打設を行うことが可能であることと、寒中コンクリートの処理を行うことなどの情報を得ることができる。
【0031】
図1に戻り、打設判定サーバ5は、上述したように、供給される打設データに対応して、指定された場所、日にち及び作業時間帯(開始時刻から終了時刻)における打設の可否を判定する。打設判定サーバ5は、打設条件情報に対応した条件情報データを取得する条件情報取得部501と、条件情報データにより打設を行うか否かの判定のルールである判定ルールのデータを記憶する記憶部502を備えている。
条件情報取得部501は、打設判定サーバ5に入力される場所の日にちにおける作業時間帯における天気予報(天気、日平均気温、風速、降雨量など)を取得する。
そして、打設判定サーバ5は、条件情報取得部501が取得した場所の日にちにおける作業時間帯における天気予報に対応して、打設が行えるか否かの判定を、記憶部502に予め書き込まれて記憶されている判定ルールにしたがって処理する。この判定ルールは、例えば、以下に示す判定ルールA、判定ルールB、判定ルールC、判定ルールD、判定ルールE_1及び判定ルールE_2を含んでいる。すなわち、打設判定サーバ5は、予め設定されている少なくとも雷、風、雪、雨及び温度の各々の状態に対する判定ルールに従い、天気予報(天気情報)に対応した打設の作業の可否の判定を行う。
【0032】
判定ルールAは、天気が「雷」であるか否かの判定に用いられ、天気が「雷」であった場合、打設の作業が行えないことを示し、天気が「雷」以外の「晴れ」、「雨」、「曇り」、「雪」であった場合、判定ルールBの判定を行うことを示している。判定ルールBは、天気が「雪」であった場合、積雪量が積雪閾値を超えるか否かにより、打設の作業が行えるか否かの判定に用いられ、積雪量が積雪閾値を超える場合、打設が行いないことを示し、天気が「雪」以外の「晴れ」、「雨」、「曇り」であった場合、判定ルールCの判定を行うことを示している。判定ルールCは、天気予報の「風速」が風速閾値を超えるか否かにより、打設の作業が行えるか否かの判定に用いられ、「風速」が風速閾値を超える場合、打設が行いないことを示し、「風速」が風速閾値以下の場合、判定ルールDの判定を行うことを示している。
【0033】
判定ルールDは、天気が「雨」であるか否かの判定に用いられ、天気が「雨」であった場合、さらに降雨量が降雨閾値R1(例えば、4mm/h)以上か否かの判定を行うことが示されている。判定ルールDは、降雨量が降雨閾値R1以上である場合、打設が行いないことを示し、降雨量が降雨閾値R1未満である場合、さらに、降雨量が降雨閾値R2(例えば、0)を超えるか否かを判定することが示されている。判定ルールDは、降雨量が降雨閾値R2以下(例えば、天気が晴れまたは曇り)の場合、判定ルールE_1の判定を行い、降雨量が降雨閾値R2を超え、かつ降雨閾値R1未満(雨量が0mm/hを超え、4mm/h未満)の場合、判定ルールE_2の判定を行うことを示している。
【0034】
判定ルールE_1は、降雨量が降雨閾値R1以下(例えば、0.00mm/h)の天候に対応して、日平均気温が25℃(上限値)以上か、4℃(下限値)以下であるかの判定に用いられ、25℃以上の場合に打設の処理を暑中コンクリートS_1で行い、4℃以下の場合に打設の処理を寒中コンクリートW_1で行い、4℃を超えて25℃未満の場合に打設の処理を普通コンクリートN_1で行うことを示している。
判定ルールE_2は、降雨量が降雨量が降雨閾値R2を超え、かつ降雨閾値R1未満の天候に対応して、日平均気温が25℃以上か、4℃以下であるかの判定に用いられ、25℃以上の場合に打設の処理を暑中コンクリートS_2で行い、4℃以下の場合に打設の処理を寒中コンクリートW_2で行い、4℃を超えて25℃未満の場合に打設の処理を普通コンクリートN_2で行うことを示している。
【0035】
図3及び
図4の各々は、本実施形態によるコンクリート打設支援システムの打設の可否をユーザに示す支援処理の動作例を示すフローチャートである。以下の説明において、所定の日にちにおける打設が可能か否かの判定を回答として得る場合を例に説明する。また、ユーザは、予めユーザデバイス2において、アプリケーションを起動している。
ステップS101:ユーザは、コンクリートの打設を指定の日時に行うことが可能か否かの質問として、「明日コンクリート打設してよい」を、ユーザデバイス2に対して発声する。ユーザデバイス2は、ユーザの音声データを、アシスタントサーバ3に対して送信する。アシスタントサーバ3は、音声データを質問テキストデータに変換して、チャットサーバ4に対して送信する。チャットサーバ4は、供給される質問テキストデータ「明日コンクリート打設していい?」が、打設の可否を判定する質問であることを認識する。
【0036】
ステップS102:チャットサーバ4は、打設を行うか否かの判定を行う打設条件情報の全てを取得するため、
図2において説明した会話形式におけるユーザとの質問及び回答のやり取りを行い、取得した全ての打設条件情報を打設判定サーバ5に対して送信する。
【0037】
ステップS103:打設判定サーバ5は、送信された打設データにおける場所の打設条件情報「○×市」の打設条件情報「所定の日にち」の天気予報を、条件情報取得部501に対して取得させる。条件情報取得部501は、○×市の所定の日にち(例えば、明日)の天気予報を、例えば、情報通信網6におけるインターネットを用いて所定の天気予報ウェブサイトから取得する。
【0038】
ステップS104:打設判定サーバ5は、記憶部502から判定ルールAを読み出す。打設判定サーバ5は、判定ルールAに従い、天気が「雷」か否かの判定を行い、天気が「雷」以外の場合、処理をステップS105へ進め、一方、「雷」の場合、処理をステップS118へ進める。
【0039】
ステップS105:打設判定サーバ5は、記憶部502から判定ルールBを読み出す。打設判定サーバ5は、判定ルールBに従い、「雪」で積雪が積雪閾値を超える(積雪がある)か否かの判定を行う。打設判定サーバ5は、積雪が積雪閾値以下の場合、処理をステップS106へ進め、一方、積雪が積雪閾値を超える場合、処理をステップS119へ進める。
【0040】
ステップS106:打設判定サーバ5は、記憶部502から判定ルールCを読み出す。打設判定サーバ5は、判定ルールCに従い、「風速」が風速閾値(例えば、風速10/m)以上か否かの判定を行い、「風速」が風速閾値未満の場合、処理をステップS107へ進め、一方、風速閾値以上の場合、処理をステップS120へ進める。
【0041】
ステップS107:打設判定サーバ5は、記憶部502から判定ルールDを読み出す。打設判定サーバ5は、判定ルールDに従い、降雨量が降雨閾値R1(例えば降雨閾値が4mm/h)以上か、降雨量が降雨閾値R2(例えば、降雨閾値が0mm/h)以下か、降雨量が降雨閾値R1未満であり、かつ降雨閾値R2を超えているか、のいずれであるかの判定を行う。打設判定サーバ5は、降雨量が降雨閾値R1以上の場合、処理をステップS121へ進め、一方、降雨量が降雨閾値R2以下の場合、処理をステップS108へ進める。打設判定サーバ5は、降雨量が降雨閾値R1未満であり、かつ降雨閾値R2を超えている場合、処理をステップS113へ進める。
【0042】
ステップS108:打設判定サーバ5は、記憶部502から判定ルールE_1を読み出す。打設判定サーバ5は、判定ルールE_1に従い、降雨量が降雨閾値R2以下である(すなわち、天気が「晴れ」あるいは「曇り」と判定された)場合、「日平均気温」が上限値(例えば、25℃)を超えているか否かの判定を行う。打設判定サーバ5は、「日平均気温」が上限値以下の場合、処理をステップS109へ進め、一方、「日平均気温」が上限値を超える場合、処理をステップS110へ進める。
【0043】
ステップS109:打設判定サーバ5は、判定ルールE_1に従い、「日平均気温」が下限値(例えば、4℃)以下であるか否かの判定を行う。打設判定サーバ5は、「日平均気温」が下限値以下の場合、処理をステップS110へ進め、一方、「日平均気温」が下限値を超える場合、処理をステップS112へ進める。
【0044】
ステップS110:打設判定サーバ5は、暑中コンクリートS1の処理を行うことを示す打設処理情報として、例えば、「日平均気温25℃以上」、判定ルールE_1における「暑中コンクリート」、「練り混ぜ開始から1.5時間以内に打設終了」のワード情報を、チャットサーバ4に対して送信する。チャットサーバ4は、ワード情報が供給された場合、回答テキストデータ「日平均気温が25℃以上のため、暑中コンクリートです。練混ぜ開始から1.5時間以内に打ち終わってください。」を生成し、アシスタントサーバ3に対して送信する。
【0045】
アシスタントサーバ3は、回答テキストデータを、音声合成により音声データに変換し、回答テキストデータ及びこの回答テキストデータの音声信号とを、ユーザデバイス2に対して送信する。
図2において説明したように、ユーザデバイス2は、回答テキストデータを表示画面200Sに表示するとともに、音声データに対応した音声により、ユーザの質問に対応した回答を通知する。
【0046】
ステップS111:打設判定サーバ5は、寒中コンクリート処理W1の処理を行うことを示す打設処理情報として、例えば、「日平均気温が4℃以下」、判定ルールE_1における「寒中コンクリート」、「最低打込温10℃」、「寒中養生」のワード情報を、チャットサーバ4に対して送信する。
チャットサーバ4は、ワード情報が供給された場合、回答テキストデータ「日平均気温が4℃以下のため、寒中コンクリートです。最低打込み温度は10℃となります。寒中養生を実施してください。」を生成し、アシスタントサーバ3に対して送信する。以降の処理は、ステップS110と同様である。
【0047】
ステップS112:打設判定サーバ5は、普通コンクリート処理N1の処理を行うことを示す打設処理情報として、例えば、判定ルールE_1における「急な天候の変化に注意」のワード情報を、チャットサーバ4に対して送信する。
チャットサーバ4は、ワード情報が供給された場合、回答テキストデータ「急な天候の変化に注意して、打設してください。」を生成し、アシスタントサーバ3に対して送信する。以降の処理は、ステップS110と同様である。
【0048】
ステップS113:打設判定サーバ5は、記憶部502から判定ルールE_2を読み出す。打設判定サーバ5は、判定ルールE_2に従い、降雨量が降雨閾値R2を超え、かつ降雨量が降雨閾値R1未満の場合、「日平均気温」が上限値(例えば、25℃)を超えているか否かの判定を行う。打設判定サーバ5は、「日平均気温」が上限値以下の場合、処理をステップS114へ進め、一方、「日平均気温」が上限値を超える場合、処理をステップS115へ進める。
【0049】
ステップS114:打設判定サーバ5は、判定ルールE_2に従い、「日平均気温」が下限値(例えば、4℃)以下であるか否かの判定を行い、「日平均気温」が下限値以下の場合、処理をステップS116へ進め、一方、「日平均気温」が下限値を超える場合、処理をステップS117へ進める。
【0050】
ステップS115:打設判定サーバ5は、暑中コンクリートS2の処理を行うことを示す打設処理情報として、例えば、「〇時時点で降雨量が4mm/h」、判定ルールE_1における「雨量の増加に注意」、「暑中コンクリート」、「練り混ぜ開始から1.5時間以内に打設終了」のワード情報を、チャットサーバ4に対して送信する。チャットサーバ4は、打設判定サーバ5からワード情報が供給された場合、回答テキストデータ「〇時時点で、降雨量は毎時4mm未満ですが雨量の増加に注意して打設してください。暑中コンクリートです。練混ぜ開始から、1.5時間以内に打ち終わってください。」を生成し、アシスタントサーバ3に対して送信する。以降の処理は、ステップS110と同様である。
【0051】
ステップS116:打設判定サーバ5は、寒中コンクリートW2の処理を行うことを示す打設処理情報として、例えば、「〇時時点で降雨量4mm未満」、判定ルールE_1における「雨量の増加」、「寒中コンクリート」、「最低打込温度10℃」、「寒中養生」のワード情報を、チャットサーバ4に対して送信する。チャットサーバ4は、ワード情報が供給された場合、回答テキストデータ「〇時時点で、降雨量は毎時4mm未満ですが雨量の増加に注意して打設してください。また、寒中コンクリートです。最低打込温度10℃となります。寒中養生を実施してください。」を生成し、アシスタントサーバ3に対して送信する。以降の処理は、ステップS110と同様である。
【0052】
ステップS117:打設判定サーバ5は、普通コンクリートN2の処理を行うことを示す打設処理情報として、例えば、「〇時時点で降雨量4mm未満」、判定ルールE_2における「急な天候の変化に注意」のワード情報を、チャットサーバ4に対して送信する。チャットサーバ4は、ワード情報が供給された場合、回答テキストデータ「〇時時点で降雨量4mm未満ですが、急な天候の変化に注意して、打設してください。」を生成し、アシスタントサーバ3に対して送信する。以降の処理は、ステップS110と同様である。
【0053】
ステップS118:打設判定サーバ5は、判定ルールAに従い、打設を予定している所定の日にちの9時から17時の間において、9時から12時の間に「雷」が発生するなどの場合、危険であるために打設の作業を中止する判定を行う。打設判定サーバ5は、予め判定ルールAに示されている、作業を中止した日から所定の日数間における天気を確認し、ユーザが打設に必要な作業時間(開始時刻から終了時刻までの時間)の間、作業可能な天候の日時を、天気予報のウェブサイトにおいて検索する。
【0054】
そして、打設判定サーバ5は、作業可能な天候の日時が検索された場合、判定ルールAにおける「雷」による打設中止を示す打設処理情報として、例えば、「〇時時点において落雷」、判定ルールAにおける「中止」、「打設可能日情報」、「〇日〇時以降」、「再調整」のワード情報を、チャットサーバ4に対して送信する。チャットサーバ4は、ワード情報が供給された場合、回答テキストデータ「〇時時点で落雷の恐れがありますので、打設は中止してください。次の打設可能日時は〇日〇日以降です。それ以降で、打設日時・時間を再調整してください。」を生成し、アシスタントサーバ3に対して送信する。以降の処理は、ステップS110と同様である。
【0055】
一方、打設判定サーバ5は、上記所定の日数の間において作業可能な天候の日時が検索されない場合、判定ルールAにおける「雷」による打設中止を示す打設処理情報として、例えば、「〇時時点において落雷」、判定ルールAにおける「中止」、「所定日数で打設可能日時なし」、「〇日〇時以降」のワード情報を、チャットサーバ4に対して送信する。
チャットサーバ4は、ワード情報が供給された場合、回答テキストデータ「〇時時点で落雷の恐れがありますので、打設は中止してください。〇日〇日△時まで落雷の可能性があります。」を生成し、アシスタントサーバ3に対して送信する。以降は、作業可能な天候の日時が検索された場合の処理と同様である。
【0056】
ステップS119:打設判定サーバ5は、判定ルールBに従い、所定の日にちの9時から17時の間において、9時から12時の間に「雪」により積雪閾値以上の積雪が予想される場合、コンクリートの養生が適切に行えないために打設の作業を中止する判定を行う。打設判定サーバ5は、ステップS118と同様に作業可能な天候の日時を、天気予報のウェブサイトにおいて検索する。
【0057】
そして、打設判定サーバ5は、作業可能な天候の日時が検索された場合、判定ルールBにおける「雪」の積雪が積雪閾値以上となり、打設中止を示す打設処理情報として、例えば、「〇時時点において積雪あり」、判定ルールBの「中止」、「打設可能日情報」、「〇日〇時以降」、「再調整」のワード情報を、チャットサーバ4に対して送信する。
チャットサーバ4は、ワード情報が供給された場合、回答テキストデータ「〇時時点で、積雪がありますので、打設は中止してください。次の打設可能日時は〇日〇日以降です。それ以降で、打設日時・時間を再調整してください。」を生成し、アシスタントサーバ3に対して送信する。以降の処理は、ステップS118と同様である。
【0058】
一方、打設判定サーバ5は、上記所定の日数の間において作業可能な天候の日時が検索されない場合、判定ルールBにおける「雪」による積雪が積雪閾値以上であるため打設中止を示す打設処理情報として、例えば、「〇時時点において積雪あり」、判定ルールBにおける「中止」、「所定日数で打設可能日時なし」、「〇日〇時以降」のワード情報を、チャットサーバ4に対して送信する。チャットサーバ4は、ワード情報が供給された場合、回答テキストデータ「〇時時点で積雪がありますので、打設は中止してください。〇日〇日△時まで積雪の可能性があります。」を生成し、アシスタントサーバ3に対して送信する。以降の処理は、ステップS118と同様である。
【0059】
ステップS120:打設判定サーバ5は、判定ルールCに従い、上記2020年03月07日の9時から17時の間の天気予報において、9時から12時の間の「風速」が風速閾値以上である場合、コンクリートの養生が適切に行えないために打設の作業を中止する判定を行う。打設判定サーバ5は、ステップS118と同様に作業可能な天候の日時を、天気予報のウェブサイトにおいて検索する。
【0060】
そして、打設判定サーバ5は、作業可能な天候の日時が検索された場合、判定ルールCにおける「風速」が風速閾値以上となり、打設中止を示す打設処理情報として、例えば、「〇時時点において風速が風速閾値(例えば、10m/s)以上」、判定ルールCにおける「中止」、「打設可能日情報」、「〇日〇時以降」、「再調整」のワード情報を、チャットサーバ4に対して送信する。チャットサーバ4は、ワード情報が供給された場合、回答テキストデータ「〇時時点で、風速10m/s以上となりますので、打設は中止してください。次の打設可能日時は〇日〇日以降です。それ以降で、打設日時・時間を再調整してください。」を生成し、アシスタントサーバ3に対して送信する。以降の処理は、ステップS118と同様である。
【0061】
一方、打設判定サーバ5は、上記所定の日数の間において作業可能な天候の日時が検索されない場合、判定ルールCにおける「風速」が風速閾値以上であるため打設中止を示す打設処理情報として、例えば、「〇時時点において風速が風速閾値以上」、判定ルールCにおける「中止」、「所定日数で打設可能日時なし」、「〇日〇時以降」のワード情報を、チャットサーバ4に対して送信する。チャットサーバ4は、ワード情報が供給された場合、回答テキストデータ「〇時時点で風速10m/s以上となりますので、打設は中止してください。〇日〇日△時まで風速10m/s以上の可能性があります。」を生成し、アシスタントサーバ3に対して送信する。以降の処理は、ステップS118と同様である。
【0062】
ステップS121:打設判定サーバ5は、判定ルールDに従い、上記所定の日にちの9時から17時の間において、9時から12時の間の「雨」による降雨量が降雨閾値R1以上である場合、コンクリートの養生が適切に行えないために打設の作業を中止する判定を行う。打設判定サーバ5は、ステップS118と同様に作業可能な天候の日時を、天気予報のウェブサイトにおいて検索する。
【0063】
そして、打設判定サーバ5は、作業可能な天候の日時が検索された場合、判定ルールDにおける「雨」による降雨量が降雨閾値R1以上となり、打設中止を示す打設処理情報として、例えば、「〇時時点において降雨量が降雨閾値R1(例えば、4mm/h)以上」、判定ルールDにおける「中止」、「打設可能日情報」、「〇日〇時以降」、「再調整」のワード情報を、チャットサーバ4に対して送信する。チャットサーバ4は、ワード情報が供給された場合、回答テキストデータ「〇時時点で、降雨量が毎時4mm以上となりますので、打設は中止してください。次の打設可能日時は〇日〇日以降です。それ以降で、打設日時・時間を再調整してください。」を生成し、アシスタントサーバ3に対して送信する。以降の処理は、ステップS118と同様である。
【0064】
一方、打設判定サーバ5は、上記所定の日数の間において作業可能な天候の日時が検索されない場合、判定ルールCにおける「雨」による降雨量が降雨閾値以上であるため打設中止を示す打設処理情報として、例えば、「〇時時点において降雨量が降雨閾値以上」、判定ルールCにおける「中止」、「所定日数で打設可能日時なし」、「〇日〇時以降」のワード情報を、チャットサーバ4に対して送信する。チャットサーバ4は、ワード情報が供給された場合、回答テキストデータ「〇時時点で降雨量が4mm/h以上となりますので、打設は中止してください。〇日〇日△時まで降雨量が4mm/h以上となる可能性があります。」を生成し、アシスタントサーバ3に対して送信する。以降の処理は、ステップS118と同様である。
【0065】
上述したように、本実施形態によれば、現場の技術者が所定の日の天候を確認することなく、天候の状態の各々がコンクリートの打設に与える影響を考慮して、現場におけるコンクリートの打設の作業を行うか否かの判定を行うための情報が提供できるため、コンクリートの打設の作業における経験の少ない現場監督であっても、作業の可否の判断を容易に行うことが可能となる。
また、本実施形態によれば、コンクリートの打設が可能とされた場合におけるそれぞれの天候状態に対応して、コンクリートの打設の作業方法(暑中コンクリート、寒中コンクリート及び普通コンクリート、や養生の仕方)が提示されるため、経験の少ない現場監督にとっては、技術アシスタントとして用いることが可能である。
また、本実施形態によれば、指定した日時におけるコンクリートの打設の作業が中止する必要がある場合、その指定した日時から所定の日数の間で、コンクリートの打設の作業が行える候補日を示してくれるため、作業の計画の変更などの作業を容易とすることが可能である。
【0066】
上述した実施形態においては、打設作業が中止となった場合、中止と判定された日にちから所定の日数の範囲で、打設が可能な日時の検索を行い、ユーザの質問に対する回答に加えているが、単に、打設を行うと指定された日にちに打設作業が行えるか否かの判定のみを通知するように構成してもよい。
また、上述した実施形態においては、「雷」、「積雪」、「風速」、「降雨量」の順番で判定しているが、その天候となる可能性が低い順番で、かつ打設の作業が行えるか否かの判定に対する影響が大きい順番となっているが、処理の効率の点においては「雷」、「積雪」、「風速」の判定の順序を変更した構成としてもよい。
【0067】
図5は、本発明の他の実施形態によるコンクリート打設支援システムの構成例を示す概略構成図である。
図1のコンクリート打設支援システムに対して、文書検索サーバ700がさらに備えられた構成となっている。
文書検索サーバ700は、ユーザの質問がコンクリートの打設の可否ではなく、作業の方法や言葉の意味などの検索を行う。
ユーザが作業の方法や言葉の意味などを知りたい場合、例えば、「寒中コンクリートの養生はどうやるの?」の質問を音声で行った場合、アシスタントサーバ3が音声のテキスト化を行い、チャットサーバ4が自然言語処理を行う。
チャットサーバ4は、ユーザの質問がコンクリートの打設の可否と認識した場合、打設条件情報を打設判定サーバ5に送信し、一方、作業の方法や言葉の意味などと認識した場合、質問のキーワードを抽出し、このキーワードの検索を所定の検索サイトによって行う。
【符号の説明】
【0068】
2…ユーザデバイス 3…アシスタントサーバ 4…チャットサーバ 5…打設判定サーバ 6…情報通信網 7…文書検索サーバ 501…条件情報取得部