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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065534
(43)【公開日】2022-04-27
(54)【発明の名称】点検装置および点検方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/12 20060101AFI20220420BHJP
   G01N 29/46 20060101ALI20220420BHJP
【FI】
G01N29/12
G01N29/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020174172
(22)【出願日】2020-10-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003942
【氏名又は名称】日新電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504255685
【氏名又は名称】国立大学法人京都工芸繊維大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】山里 将史
(72)【発明者】
【氏名】堀越 和彦
(72)【発明者】
【氏名】増田 新
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA08
2G047AA09
2G047BA04
2G047BC07
2G047CA01
2G047EA14
2G047GF11
2G047GG12
2G047GG20
2G047GG32
2G047GG33
(57)【要約】
【課題】設備のクラック、小さな欠け等の異常を、簡単な構成で検出することが可能な点検装置を提供する。
【解決手段】圧電素子(11)は、点検対象の設備に設けられる。電源(12)は、圧電素子(11)に電圧を所定の周波数幅掃引して印加する。記録部(13)は、電源(12)によって圧電素子(11)に印加される電圧値と、圧電素子(11)に流れる電流値とを記録する。演算部(14)は、記録部(13)に記録された電圧値と電流値とを演算し、演算結果に応じて点検対象の設備の異常を検出する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
点検対象の設備に設けられる圧電素子と、
前記圧電素子に電圧を所定の周波数幅掃引して印加する電源と、
前記電源によって前記圧電素子に印加される電圧値と、前記圧電素子に流れる電流値とを演算し、演算結果に応じて前記点検対象の設備の異常を検出する演算部とを備える、点検装置。
【請求項2】
前記演算部は、前記電流値を前記電圧値で割ったアドミタンス実部のピーク値に応じて、前記点検対象の設備の異常を検出する、請求項1に記載の点検装置。
【請求項3】
前記演算部は、前記電圧値と前記電流値とをフーリエ変換し、各周波数成分において計算したアドミタンス実部のピーク値に応じて、前記点検対象の設備の異常を検出する、請求項2に記載の点検装置。
【請求項4】
前記圧電素子が設けられる箇所は、ガス遮断器のエポキシ容器である、請求項1~3のいずれか1項に記載の点検装置。
【請求項5】
前記圧電素子が設けられる箇所は、ガス遮断器のガス区画を構成する絶縁スペーサである、請求項1~3のいずれか1項に記載の点検装置。
【請求項6】
前記圧電素子が設けられる箇所は、窓ガラスである、請求項1~3のいずれか1項に記載の点検装置。
【請求項7】
前記圧電素子が設けられる箇所は、水槽のガラス面または樹脂面である、請求項1~3のいずれか1項に記載の点検装置。
【請求項8】
点検対象の設備に設けられる圧電素子に電圧を所定の周波数幅掃引して印加するステップと、
前記圧電素子に印加される電圧値と、前記圧電素子に流れる電流値とを演算し、演算結果に応じて前記点検対象の設備の異常を検出するステップとを含む、点検方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モールド成形品、ガラス等のクラックまたは小さな欠けを検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モールド成形品等のクラックや小さな欠けを点検する技術として、超音波探傷法を挙げることができる。超音波探傷法は、例えば、モールド成形されたスペーサの外部から超音波を発信し、探触子がクラック部分で生じる反射波を受信する。探触子が反射波を受信すれば、クラックの存在が疑われる。
【0003】
また、下記の特許文献1には、ガス絶縁遮断器に使用される合成樹脂製の絶縁スペーサに関し、シンブルの周囲にクラック検出用の抵抗体を設け、抵抗体の破断に基づきクラック発生を検知する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-223747号公報(1996年8月30日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の超音波探傷法を用いる場合、高価な装置が必要になるといった問題がある。
【0006】
また、特許文献1の発明では、クラックを検出したい箇所のそれぞれに予め抵抗体を設けておく必要がある。そのため、十分な効果を得るためには、多数の抵抗体をガス絶縁遮断器に設けておく必要があり、構成が複雑になるといった問題がある。
【0007】
本発明の一態様は、点検対象の設備のクラック、小さな欠け等を、簡単な構成で検出することが可能な点検装置および点検方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る点検装置は、点検対象の設備に設けられる圧電素子と、圧電素子に電圧を所定の周波数幅掃引して印加する電源と、電源によって圧電素子に印加される電圧値と、圧電素子に流れる電流値とを演算し、演算結果に応じて点検対象の設備の異常を検出する演算部とを備える。
【0009】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る点検方法は、点検対象の設備に設けられる圧電素子に電圧を所定の周波数幅掃引して印加するステップと、圧電素子に印加される電圧値と、圧電素子に流れる電流値とを演算し、演算結果に応じて点検対象の設備の異常を検出するステップとを含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、点検対象の設備のクラック、小さな欠け等を、簡単な構成で検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る点検装置が設置されるガス遮断器の内部構造を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る点検装置が設置されるガス遮断器の外観例を示す図である。
図3】本実施形態に係る点検装置の圧電素子が設置される位置を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る点検装置の機能的構成を示すブロック図である。
図5】正常時における周波数とアドミタンス実部に現れるピークとの関係を示すグラフである。
図6】異常時における周波数とアドミタンス実部に現れるピークとの関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態1)
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。なお、説明の便宜上、同一の部材には同一の符号を付し、それらの名称および機能も同一である。したがって、それらの詳細な説明は繰り返さない。
【0013】
<ガス遮断器の内部構造および外観例>
図1は、本発明の一実施形態に係る点検装置1が設置されるガス遮断器100の内部構造を示す図である。なお、モールド成形品の一例として、ガス遮断器100のエポキシ容器101の場合について説明するが、これに限られるものではない。
【0014】
ガス遮断器100は、変電所や発電所等に設置され、絶縁性のあるガス中で電流の開閉を行う装置であり、エポキシ容器101と、固定コンタクト102と、可動コンタクト103と、集電子104と、絶縁操作棒106、アーク駆動コイル107とを備え、エポキシ容器101の内部には絶縁ガス105が封入されている。
【0015】
絶縁ガス105には、例えば、六フッ化硫黄(SFガス)が用いられる。SFガスは絶縁性が高く、その絶縁耐力は空気の3倍にも及ぶ。また、SFガスは不活性であり、熱伝導性も高いことから、アーク放電によって加熱した電極を速やかに冷却することができる。
【0016】
このガス遮断器100において、アーク駆動コイル107で発生する磁力によりアークを回転駆動させる磁気駆動効果と、アーク自身の熱ネルギーを有効に利用する熱バッファ効果とを用いて電流の開閉を行う。
【0017】
集電子104によって発生したアークが自身の熱でSFガスを加熱して圧力を上昇させ、その圧力でSFガスをアークに吹き付けて消弧する遮断原理で、可動コンタクト103および絶縁操作棒106を移動させ、固定コンタクト102から切り離すことにより、電流の遮断を行う。図1においては、電流の遮断が完了した状態を示している。
【0018】
図2は、本発明の一実施形態に係る点検装置1が設置されるガス遮断器100の外観例を示す図である。ガス遮断器100内に封入されたSFガスは電気的絶縁性能を有しており、その密閉されたガス圧力に正比例した絶縁性能および電流の開閉性能を有している。したがって、そのガス遮断器100の性能を常に保持するためには、封入されたガスの管理を行うことが重要である。
【0019】
この管理のために、操作器200は、ガス封入されたエポキシ容器101内のガス圧力をモニタするための圧力センサ、連成計、ガス密度スイッチ等を操作し、ガス圧力低下時に警報を出力する等の管理を行っている。
【0020】
しかし、高圧のSFガスを封入したエポキシ容器101が割れるといった不具合が発生する場合がある。この場合、急激なガス漏れが発生し、開閉性能が奪われるため、操作器200は、遮断器動作をロックする。
【0021】
また、ガス圧力が低下すると、電流開閉時における絶縁性能が保てない等の事象が発生し、大きな損害に繋がる可能性がある。そのため、エポキシ容器101に割れが発生する前段階であるクラックのうちに、それを発見することが望まれる。しかしながら、小さいクラックのうちは、目視やガス圧力で見つけ難く、初期の状態異常を検出することが困難である。
【0022】
本実施形態においては、高圧ガスが封入されたエポキシ容器101が割れる等の大きな不具合に進展する前に、未然にエポキシ容器101のクラック、小さな欠け、歪み等の異常を容易に検出するものである。そのために、図2に示すように、ガス遮断器100と操作器200とを接続する金属フレーム120に圧電素子11が設けられる。
【0023】
図3は、本実施形態に係る点検装置1の圧電素子11が設置される位置を示す図である。ガス遮断器100側のGIS(Gas Insulated Switchgears)タンク110と、操作器200側のGISタンク210との間に絶縁スペーサ220が設けられており、GISのガス区画が構成されている。
【0024】
圧電素子11は、布バンド、磁石等によって、絶縁スペーサ220の平面部や近接する金属部分に押し付けられる。また、エポキシ容器101に圧電素子11を押し付けるようにしてもよいし、上述のように金属フレーム120に圧電素子11を押し付けるようにしてもよい。
【0025】
<点検装置の機能的構成>
図4は、本発明の一実施形態に係る点検装置1の機能的構成を示すブロック図である。点検装置1は、圧電素子11と、電源12と、記録部13と、演算部14と、表示部15とを備える。
【0026】
電源12は、例えば、20kHz~120kHzの周波数の、一定の振幅の電圧を、例えば、10秒間で掃引して圧電素子11に印加する。このとき、一定の振幅の電圧を、20kHzから徐々に増加させて120kHzまで掃引するようにしてもよいし、周波数を20kHz~120kHzの間でランダムに切り替えるようにしてもよい。なお、圧電素子11に印加される電圧の周波数および掃引時間はこれに限られるものではない。
【0027】
圧電素子11と電源12との間には、圧電素子11に流れる電流を測定するための抵抗16が設けられている。記録部13は、内部に電圧計および電流計を有しており、圧電素子11に印加される電圧と、圧電素子11を流れる電流とを計測し、所定のサンプリング時間で電圧値および電流値を記録する。この所定のサンプリング時間は、最大の120kHzの波形を十分に再現できる程度の周期とする。
【0028】
演算部14は、記録部13に記録される10秒間の電圧値および電流値をそれぞれフーリエ変換する。そして、演算部14は、フーリエ変換した後の周波数幅(20kHz~120kHz)の各成分について、圧電素子11の電流値を印加電圧で割ったアドミタンスを計算する。
【0029】
図5は、正常時における周波数とアドミタンス実部に現れるピークとの関係を示すグラフである。このグラフは、エポキシ容器101にクラック等が発生していない状態で(正常時に)計測した圧電素子11の電圧値と電流値とから計算したアドミタンスの実部のピーク(周波数特性)を示している。
【0030】
図6は、異常時における周波数とアドミタンス実部に現れるピークとの関係を示すグラフである。このグラフは、エポキシ容器101にクラック等が発生している状態で(異常時に)計測した圧電素子11の電圧値と電流値とから計算したアドミタンスの実部のピークを示している。図5に示す周波数特性と比較して、63kHzにおけるアドミタンスの実部のピークが大きくなっており、逆に、55kHzにおけるアドミタンスの実部のピークが小さくなっているのが分かる。このピーク値の差によって、エポキシ容器101にクラック等が発生しているか否かを点検する。
【0031】
アドミタンスの周波数特性の比較方法として、例えば、演算部14が、単調に周波数を増加させながら、図6に示すアドミタンスの実部の成分から図5に示すアドミタンスの実部の成分を引き算し、その値によってピーク値の差が大きくなっている箇所を検出するようにしてもよい。
【0032】
また、正常時におけるピークA(例えば、63kHz)とピークB(例えば、55kHz)の値を抽出し、その比率から異常と判断する場合の閾値を予め決めておく。そして、演算部14が、点検対象のグラフにおけるピークAの値とピークBの値との比率を計算し、その比率と閾値とを比較することによってクラック等の発生を検出するようにしてもよい。
【0033】
表示部15は、演算部14によって異常が検出された場合、ガス遮断器100に異常があることを表示する。また、表示部15は、2つのグラフ(正常時におけるグラフと点検対象のグラフ)を表示し、検査者が目視で点検するようにしてもよい。
【0034】
以上説明したように、本実施形態に係る点検装置によれば、記録部13は、圧電素子11に印加される電圧と、圧電素子11を流れる電流とを計測し、電圧値および電流値を記録する。演算部14は、記録部13に記録される10秒間の電圧値および電流値をそれぞれフーリエ変換し、各周波数成分について、圧電素子11の電流値を印加電圧で割ったアドミタンスを計算する。そして、演算部14は、アドミタンスの実部のピーク値に基づいて、ガス遮断器100のエポキシ容器101の異常を検出するようにしたので、クラック、小さな欠け等の異常を、簡単な構成で検出することが可能となった。
【0035】
また、圧電素子11をガス遮断器100のエポキシ容器101やガス区画を構成する絶縁スペーサ220に設置するだけで点検が行えるので、ガス遮断器100をそのままの状態でクラック、小さな欠け等の異常を検出することが可能となった。
【0036】
(実施形態2)
実施形態1においては、ガス遮断器100等のモールド成形品の異常を検出するものであった。実施形態2においては、実施形態1に係る点検装置を他の点検対象の設備に利用するものである。
【0037】
実施形態1において説明したように、圧電素子11によって対象物の周波数の伝達特性変化を検出することにより対象物の異常や変異点を高感度で検出するため、他の点検対象に対しても、この点検装置を利用することができる。
【0038】
例えば、高層ビルの窓ガラスに圧電素子11を貼り付け、点検装置を用いて点検することにより、窓ガラスの異変、すなわち、取付け緩み、クラック等の異常を早期に検出することが可能である。
【0039】
また、鉄道車両の窓ガラスに圧電素子11を貼り付け、点検装置を用いて点検することにより、窓ガラスの異変、すなわち、取付け緩み、クラック等の異常を早期に検出することが可能である。
【0040】
また、航空機の窓ガラスに圧電素子11を貼り付け、点検装置を用いて点検することにより、窓ガラスの異変、すなわち、取付け緩み、クラック等の異常を早期に検出することが可能である。
【0041】
また、水槽のガラスまたは樹脂に圧電素子11を貼り付け、点検装置を用いて点検することにより、ガラス面または樹脂面の異変、すなわち、取付け緩み、クラック等の異常を早期に検出することが可能である。
【0042】
<ソフトウェアによる実現例>
点検装置1の制御ブロック(特に演算部14)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0043】
後者の場合、点検装置1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0044】
<まとめ>
本発明の態様1に係る点検装置は、点検対象の設備に設けられる圧電素子と、圧電素子に電圧を所定の周波数幅掃引して印加する電源と、電源によって圧電素子に印加される電圧値と、圧電素子に流れる電流値とを演算し、演算結果に応じて点検対象の設備の異常を検出する演算部とを備える。
【0045】
本発明の態様2に係る点検装置は、上記態様1において、演算部は、電流値を電圧値で割ったアドミタンス実部のピーク値に応じて、点検対象の設備の異常を検出する。
【0046】
本発明の態様3に係る点検装置は、上記態様2において、演算部は、電圧値と電流値とをフーリエ変換し、各周波数成分において計算したアドミタンス実部のピーク値に応じて、点検対象の設備の異常を検出する。
【0047】
本発明の態様4に係る点検装置は、上記態様1~3のいずれかにおいて、圧電素子が設けられる箇所は、ガス遮断器のエポキシ容器である。
【0048】
本発明の態様5に係る点検装置は、上記態様1~3のいずれかにおいて、圧電素子が設けられる箇所は、ガス遮断器のガス区画を構成する絶縁スペーサである。
【0049】
本発明の態様6に係る点検装置は、上記態様1~3のいずれかにおいて、圧電素子が設けられる箇所は、窓ガラスである。
【0050】
本発明の態様7に係る点検装置は、上記態様1~3のいずれかにおいて、圧電素子が設けられる箇所は、水槽のガラス面または樹脂面である。
【0051】
本発明の態様8に係る点検方法は、点検対象の設備に設けられる圧電素子に電圧を所定の周波数幅掃引して印加するステップと、圧電素子に印加される電圧値と、圧電素子に流れる電流値とを演算し、演算結果に応じて点検対象の設備の異常を検出するステップとを含む。
【0052】
<付記事項>
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
1 点検装置
11 圧電素子
12 電源
13 記録部
14 演算部
15 表示部
100 ガス遮断器
101 エポキシ容器
102 固定コンタクト
103 可動コンタクト
104 集電子
105 絶縁ガス
106 絶縁操作棒
107 アーク駆動コイル
110,210 GISタンク
120 金属フレーム
200 操作器
220 絶縁スペーサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6