IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイシン精機株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-乗員検知装置、方法及びプログラム 図1
  • 特開-乗員検知装置、方法及びプログラム 図2
  • 特開-乗員検知装置、方法及びプログラム 図3
  • 特開-乗員検知装置、方法及びプログラム 図4
  • 特開-乗員検知装置、方法及びプログラム 図5
  • 特開-乗員検知装置、方法及びプログラム 図6
  • 特開-乗員検知装置、方法及びプログラム 図7
  • 特開-乗員検知装置、方法及びプログラム 図8
  • 特開-乗員検知装置、方法及びプログラム 図9
  • 特開-乗員検知装置、方法及びプログラム 図10
  • 特開-乗員検知装置、方法及びプログラム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065540
(43)【公開日】2022-04-27
(54)【発明の名称】乗員検知装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01V 3/12 20060101AFI20220420BHJP
   B60N 2/90 20180101ALI20220420BHJP
   G01S 13/52 20060101ALI20220420BHJP
【FI】
G01V3/12 A
B60N2/90
G01S13/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020174180
(22)【出願日】2020-10-15
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】天野 準
【テーマコード(参考)】
2G105
3B087
5J070
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB11
2G105CC01
2G105DD02
2G105EE02
2G105FF03
2G105FF13
2G105FF16
2G105HH01
2G105JJ02
3B087DE09
3B087DE10
5J070AC01
5J070AC16
5J070AE09
5J070AF03
5J070AH25
5J070AK22
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で、車両の乗員の検知精度を向上する。
【解決手段】実施形態の乗員検知装置は、車両の車室内に配置され、座席空間における物体の動き量及び車両のドアの外側空間における物体の動き量を検出する電波センサと、ドアの開閉動作時において電波センサにより検出された座席空間の動き量及び車両のドアの外側空間の動き量の検出結果に基づいて乗員検知を行う判定部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車室内に配置され、座席空間における物体の動き量及び前記車両のドアの外側空間における物体の動き量を検出する電波センサと、
前記ドアの開閉動作時において前記電波センサにより検出された前記座席空間の動き量及び前記車両のドアの外側空間の動き量の検出結果に基づいて乗員検知を行う判定部と、
を備えた乗員検知装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記ドアの開動作が検出され、第1の所定時間が経過後であって、前記ドアの閉動作が検出されるまでの第1動き検出期間における前記座席空間の動き量の検出結果に基づいて乗員の乗車検知あるいは移動検知を行う、
請求項1記載の乗員検知装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記ドアの閉動作が検出された時刻から第2の所定時間が経過するまでの第2動き検出期間における前記座席空間の動き量の検出結果に基づいて乗員の乗車検知あるいは移動検知を行う、
請求項2記載の乗員検知装置。
【請求項4】
前記判定部は、第1動き検出期間において前記座席空間における物体の動き量が検出された場合、あるいは、前記ドアの外側空間における物体の動き量が検出された場合であって、前記第2動き検出期間において前記座席空間における物体の動き量が検出されなかった場合に、乗員検知結果を不定と判定する、
請求項3記載の乗員検知装置。
【請求項5】
前記乗員検知装置は、前記電波センサの出力信号の周波数解析を行う周波数解析部を備え、
前記判定部は、前記乗員検知の結果が不定となった場合に、前記周波数解析部の解析結果に基づいて乗員検知を行う、
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の乗員検知装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記車両のドアの外側空間の動き量の検出結果に基づいて前記ドアの開閉状態を検出する、
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の乗員検知装置。
【請求項7】
前記判定部は、入力されたドア信号に基づいて、前記ドアの開閉状態を検出する、
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の乗員検知装置。
【請求項8】
車両の車室内に配置され、座席空間における物体の動き量及び前記車両のドアの外側空間における物体の動き量を検出する電波センサを備えた乗員検知装置で実行される方法であって、
前記ドアの開閉動作時において前記電波センサにより検出された前記車両のドアの外側空間の動き量を検出する過程と、
前記ドアの開閉動作時において前記電波センサにより検出された前記座席空間の動き量を検出する過程と、前記座席空間の動き量及び前記車両のドアの外側空間の動き量の検出結果に基づいて乗員検知を行う過程と、
を備えた方法。
【請求項9】
車両の車室内に配置され、座席空間における物体の動き量及び前記車両のドアの外側空間における物体の動き量を検出する電波センサを備えた乗員検知装置をコンピュータにより制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記ドアの開閉動作時において前記電波センサにより検出された前記車両のドアの外側空間の動き量を検出する手段と、
前記ドアの開閉動作時において前記電波センサにより検出された前記座席空間の動き量を検出する過程と、前記座席空間の動き量及び前記車両のドアの外側空間の動き量の検出結果に基づいて乗員検知を行う手段と、
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、乗員検知装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両において、電波センサを用いて体動、呼吸あるいは心拍を検出して乗員である人を検知する装置が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2015/140333号
【特許文献2】米国特許得第10351102号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、乗員検知装置においては、乗員が着座している状態と荷物搭載状態との区別が難しく、誤検知し易い為、検知精度の向上が求められていた。
この検知精度向上のため、受信波形に対して周波数解析し、物体の動き(呼吸や心拍といった生物固有の動き)の周波数から、人と荷物を区別する方法が提案されている。
【0005】
この周波数解析を行うための手法としては、フーリエ変換等が挙げられる。
しかしながら、一般的に高演算量になり、計算時間がかかることとなっていた。
【0006】
このため、検知時間を使用上、現実的な時間範囲内に収めるためには、演算処理能力の高いマイクロプロセッサ等が要求され、高価な製品となってしまう問題点があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易な構成で、車両の乗員の検知精度を向上することが可能な乗員検知装置、方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の乗員検知装置は、実施形態の乗員検知装置は、車両の車室内に配置され、座席空間における物体の動き量及び車両のドアの外側空間における物体の動き量を検出する電波センサと、ドアの開閉動作時において電波センサにより検出された座席空間の動き量及び車両のドアの外側空間の動き量の検出結果に基づいて乗員検知を行う判定部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態の乗員検知装置の概要構成ブロック図である。
図2図2は、電波センサの検出エリアの説明図である。
図3図3は、車両内部及び車両外部の検出エリアの対応関係の説明図である。
図4図4は、実施形態の乗員検知処理の動作フローチャート(その1)である。
図5図5は、実施形態の乗員検知処理の動作フローチャート(その2)である。
図6図6は、実施形態の乗員検知処理の動作フローチャート(その3)である。
図7図7は、乗員検知状態判断用テーブルの説明図である。
図8図8は、ドア開時のドア外空間における動き検知処理の説明図である。
図9図9は、ドア開時の座席空間における動き検知処理の説明図である。
図10図10は、ドア閉検出後の座席空間における動き検知処理の説明図である。
図11図11は、第2実施形態のドア外側空間における物体の動き量検出の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に図面を参照して、好適な実施形態について詳細に説明する。
[1]第1実施形態
図1は、実施形態の乗員検知装置の概要構成ブロック図である。
以下の説明においては、乗員検知に用いる電波センサを車両内部の天井面の中央部に一つ配置した場合を例として説明する。
【0011】
乗員検知システム10は、大別すると、乗員検知装置11と、車両Vの各ドアにそれぞれ設けられたドアセンサ12-1~12-4と、ドアセンサ12-1~12-4から対応するドアの開閉状態を表すドア信号SD1~SD4が入力される車載ECU13と、を備えている。
【0012】
乗員検知装置11は、車両Vの内部の天井面の中央部に配置された電波センサ14と、電波センサ14の制御を行うセンサコントローラ15と、を備えている。
上記構成において、センサコントローラ15は、判定部として機能している。
さらにセンサコントローラは、電波センサ14の出力及び車載ECU14からのドア開閉データDD1~DD4に基づいて、人や物の有無及び人の移動を検出する。
さらにセンサコントローラ15は、周波数解析部として機能しており電波センサ14の出力信号波形の周波数解析の必要性を判断し、必要な場合に周波数解析を行い、人の呼吸あるいは人の心拍数を検出する。
【0013】
まず、実施形態の動作説明に先立ち、電波センサの検出エリアについて説明する。
図2は、電波センサの検出エリアの説明図である。
図2(A)は、車両Vの外部における電波センサの検出エリアの説明図である。
図2(A)に示すように、車両Vの四つのドアのそれぞれに対して検出エリアが割り当てられている。
【0014】
車両Vの左前ドアの側方には、検出エリアOFLが設けられている。以下の説明においては、この検出エリアOFLを特定するためにパラメータareaの値を6としている。
同様に、車両Vの右前ドアの側方には、検出エリアOFRが設けられている。以下の説明においては、この検出エリアOFRを特定するためにパラメータareaの値を7としている。
【0015】
また、車両Vの左後ドアの側方には、検出エリアORLが設けられている。以下の説明においては、この検出エリアORLを特定するためにパラメータareaの値を8としている。
また、車両Vの右後ドアの側方には、検出エリアORRが設けられている。以下の説明においては、この検出エリアORRを特定するためにパラメータareaの値を9としている。
【0016】
図2(B)は、車両Vの内部における電波センサの検出エリアの説明図である。
図2(B)に示すように、車両Vの五つ座席(シート)それぞれに対して検出エリアが割り当てられている。
【0017】
車両Vの前部左座席には、検出エリアFLが設けられている。以下の説明においては、この検出エリアFLを特定するためにパラメータareaの値を1としている。
同様に、車両Vの前部右座席には、検出エリアFRが設けられている。以下の説明においては、この検出エリアFRを特定するためにパラメータareaの値を2としている。
また、車両Vの後部左座席には、検出エリアRLが設けられている。以下の説明においては、この検出エリアRLを特定するためにパラメータareaの値を3としている。
【0018】
また、車両Vの後部右座席には、検出エリアRRが設けられている。以下の説明においては、この検出エリアRRを特定するためにパラメータareaの値を4としている。
また、車両Vの後部中央座席には、検出エリアRCが設けられている。以下の説明においては、この検出エリアRCを特定するためにパラメータareaの値を5としている。
【0019】
図3は、車両内部及び車両外部の検出エリアの対応関係の説明図である。
図3に示すように、車両Vの内部に対応する検出エリアのそれぞれに車両Vの外部に対応する検出エリアが対応して割り当てられている。
【0020】
例えば、パラメータarea=1に対応する前部左座席の検出エリアFLには、パラメータarea=6に対応する検出エリアOFLが対応している。
同様にパラメータarea=4に対応する後部右座席の検出エリアRRには、パラメータ9に対応する検出エリアORRが対応している。
また、パラメータエリア=5に対応する後部中央座席の検出エリアRCには、パラメータarea=8及びパラメータarea=9に対応する検出エリアORL及び検出エリアORRが対応している。これは、後部中央座席に乗り込もうとする乗員については、後部左座席あるいは後部右座席に乗り込もうとする乗員と異なり、左後ドアあるいは右後ドアのいずれから乗り込むかは同様の可能性があると考えられるからである。
【0021】
内部処理的には、関数outsideに処理対象の座席のパラメータareaを代入することで、対応する検出エリアを算出している。例えば、関数outsideに処理対象の座席のパラメータarea=1を代入することで、対応する外部の検出エリアに対応するパラメータarea=6が得られるように関数outsideを構成している。
【0022】
次に実施形態の動作を説明する。
図4は、実施形態の乗員検知処理の動作フローチャート(その1)である。
図5は、実施形態の乗員検知処理の動作フローチャート(その2)である。
図6は、実施形態の乗員検知処理の動作フローチャート(その3)である。
乗員検知装置11のセンサコントローラ15は、乗員検知処理の無限ループ処理の開始端LS1から無限ループの処理を開始する。
そして、センサコントローラ15は、電波センサ14の制御を行ってデータを取得する(ステップS11)。
【0023】
次にセンサコントローラ15は、パラメータareaの値(=1~9)に対応する処理を順次行うエリアループ処理の開始端LS2からエリアループの処理を開始する。
そしてセンサコントローラ15は、いずれかのドア信号SD1~SD4がドアが開いていることを示す開状態となっているか否かを判断する(ステップS12)。
【0024】
ステップS12の判断において、いずれかのドア信号SD1~SD4がドアが開いていることを示す開状態となっていない場合には(ステップS12;No)、センサコントローラ15は、パラメータareaの値は、座席空間に相当する1~5となっているか否かを判断する(ステップS13)。
【0025】
ステップS13の判断において、パラメータareaの値は、座席空間に相当する1~5となっていない場合には(ステップS13;No)、すなわち、パラメータareaの値がドア外空間に相当する6~8となっている場合には、センサコントローラ15は、エリアループ処理の終了端LE2において、パラメータareaの値に1を加算して、再びエリアループの開始端LS2に処理を移行し、上述した処理を繰り返す。
【0026】
また、パラメータareaの値=9である場合には、パラメータareaの値を再び1に初期化して、無限ループ処理の終了端LE1を介して再び無限処理ループの開始端LS1に処理を移行し、上述した処理を繰り返すこととなる。
【0027】
ステップS13の判断において、パラメータareaの値は、座席空間に相当する1~5となっている場合には(ステップS13;Yes)、ドア信号SD1~SD4に基づくドアが閉状態となってから所定時間内であるか否かを判断する(ステップS14)。
【0028】
ステップS14の判断において、ドアが閉状態になってから所定時間内である場合には(ステップS14;Yes)、センサコントローラ15は、当該座席における電波センサ14による動き検知を行う(ステップS15)。
続いて、センサコントローラ15は、当該座席において動きが検知されたか否かを判断する(ステップS16)。
【0029】
ステップS16の判断において、当該座席において動きが検知された場合には(ステップS16;Yes)、センサコントローラ15は、当該座席のパラメータareaの値に対応するパラメータ乗員検知用第3パラメータJudge_2[area]=1(動き有りに相当)とする(ステップS17)。
【0030】
ステップS16の判断において、当該座席において動きが検知されなかった場合には(ステップS16;No)、センサコントローラ15は、当該座席のパラメータareaの値に対応するパラメータ乗員検知用第3パラメータJudge_2[area]=0(動きなしに相当)とする(ステップS18)。
【0031】
続いてセンサコントローラ15は、前回のドア信号は、ドアが開いているドア開状態であったか否かを判断する(ステップS19)。
ステップS19の判断において、前回のドア信号は、ドアが開いているドア開状態ではなかった場合には(ステップS19;No)、処理をステップS26に移行する。
【0032】
ステップS19の判断において、前回のドア信号は、ドアが開いているドア開状態であった場合には(ステップS19;Yes)、センサコントローラ15は、当該パラメータareaの座席に対応するドア外空間で動きが存在するか否かを判断する(ステップS20)。
【0033】
ステップS20の判断において、当該ドア外空間において動きが検知された場合には(ステップS20;Yes)、センサコントローラ15は、当該座席のパラメータareaの値に対応するドアが空間の乗員検知用第1パラメータJudge_0[outside[area]]=1(動き有りに相当)とする(ステップS21)。
【0034】
ステップS16の判断において、当該座席において動きが検知されなかった場合には(ステップS16;No)、センサコントローラ15は、当該座席のパラメータareaの値に対応するドアが空間の乗員検知用第1パラメータJudge_0[outside[area]]=0(動きなしに相当)とする(ステップS22)。
【0035】
続いて、センサコントローラ15は、当該座席において動きが検知されたか否かを判断する(ステップS23)。
【0036】
ステップS23の判断において、当該座席において動きが検知された場合には(ステップS23;Yes)、センサコントローラ15は、当該座席のパラメータareaの値に対応する乗員検知用第2パラメータJudge_1[area]=1(動き有りに相当)とする(ステップS24)。
【0037】
ステップS23の判断において、当該座席において動きが検知されなかった場合には(ステップS23;No)、センサコントローラ15は、当該座席のパラメータareaの値に対応する乗員検知用第2パラメータJudge_1[area]=0(動きなしに相当)とする(ステップS25)。
続いて、センサコントローラ15は、ドアが閉状態になったと検出してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS26)。
ステップS26の判断において、ドアが閉状態になったと検出してから所定時間が経過していない場合には(ステップS26;No)、処理をステップS47に移行する。
ステップS26の判断において、ドアが閉状態になったと検出してから所定時間が経過した場合には(ステップS;Yes)、乗員検知用第1パラメータJudge_0、乗員検知用第2パラメータJudge_1及び乗員検知用第3パラメータJudge_2の値の組合せがどのようになっているか否かを判断する(ステップS27、S29、S32、S34、S37、S39、S42、S44)。
【0038】
図7は、乗員検知状態判断用テーブルの説明図である。
乗員検知用第1パラメータJudge_0[area]=1、乗員検知用第2パラメータJudge_1[area]=1、乗員検知用第3パラメータJudge_2[area]=1である場合には(ステップS27)、センサコントローラ15は、当該パラメータareaに対応する座席には、車両Vの車外から乗り込んだ乗員が有ると判断し(ステップS28)、着座席判定を更新する(ステップS47)。
【0039】
乗員検知用第1パラメータJudge_0[area]=1、乗員検知用第2パラメータJudge_1[area]=1、乗員検知用第3パラメータJudge_2[area]=0である場合には(ステップS29)、センサコントローラ15は、当該パラメータareaに対応する座席の状態は不定(判定不能)であるとする(ステップS30)。
【0040】
そして、センサコントローラ15は、周波数解析部として周波数解析等を行い、心拍数検出、呼吸数検出により乗員有無判定を行い、当該座席には、荷物が置かれているか、乗員が睡眠中であるか、あるいは、乗員が退出したと判断し(ステップS31)、着座席判定を更新する(ステップS47)。
【0041】
乗員検知用第1パラメータJudge_0[area]=1、乗員検知用第2パラメータJudge_1[area]=0、乗員検知用第3パラメータJudge_2[area]=1である場合には(ステップS32)、センサコントローラ15は、当該パラメータareaに対応する座席には、車両Vの他席から移動してきた乗員が有ると判断し(ステップS33)、着座席判定を更新する(ステップS47)。
【0042】
乗員検知用第1パラメータJudge_0[area]=1、乗員検知用第2パラメータJudge_1[area]=0、乗員検知用第3パラメータJudge_2[area]=0である場合には(ステップS34)、センサコントローラ15は、当該パラメータareaに対応する座席の状態は不定(判定不能)であるとする(ステップS35)。
【0043】
そして、センサコントローラ15は、周波数解析部として周波数解析等を行い、心拍数検出、呼吸数検出により乗員有無判定を行い、当該座席には、荷物が置かれているか、乗員が睡眠中であるか、あるいは、乗員が退出したと判断し(ステップS36)、着座席判定を更新する(ステップS47)。
【0044】
乗員検知用第1パラメータJudge_0[area]=0、乗員検知用第2パラメータJudge_1[area]=1、乗員検知用第3パラメータJudge_2[area]=1である場合には(ステップS37)、センサコントローラ15は、当該パラメータareaに対応する座席には、着座を継続している乗員が有ると判断し(ステップS38)、着座席判定を更新する(ステップS47)。
【0045】
乗員検知用第1パラメータJudge_0[area]=0、乗員検知用第2パラメータJudge_1[area]=1、乗員検知用第3パラメータJudge_2[area]=0である場合には(ステップS39)、センサコントローラ15は、当該パラメータareaに対応する座席の状態は不定(判定不能)であるとする(ステップS40)。
【0046】
そして、センサコントローラ15は、周波数解析部として周波数解析等を行い、心拍数検出、呼吸数検出により乗員有無判定を行い、当該座席には、荷物が置かれているか、乗員が睡眠中であるか、あるいは、乗員が退出したと判断し(ステップS41)、着座席判定を更新する(ステップS47)。
【0047】
乗員検知用第1パラメータJudge_0[area]=0、乗員検知用第2パラメータJudge_1[area]=0、乗員検知用第3パラメータJudge_2[area]=1である場合には(ステップS42)、センサコントローラ15は、当該パラメータareaに対応する座席には、車両Vの他席から移動してきた乗員が有ると判断し(ステップS43)、着座席判定を更新する(ステップS47)。
【0048】
乗員検知用第1パラメータJudge_0[area]=0、乗員検知用第2パラメータJudge_1[area]=0、乗員検知用第3パラメータJudge_2[area]=0である場合には(ステップS44)、センサコントローラ15は、当該パラメータareaに対応する座席の状態は不定(判定不能)であるとする(ステップS45)。
【0049】
そして、センサコントローラ15は、周波数解析部として周波数解析等を行い、心拍数検出、呼吸数検出により乗員有無判定を行い、当該座席には、荷物が置かれているか、乗員が睡眠中であるか、あるいは、乗員が退出したと判断し(ステップS46)、着座席判定を更新する(ステップS47)。
【0050】
続いて乗員検知装置10のセンサコントローラ15は、パラメータareaの値が座席空間に相当する1~4となっている場合には、センサコントローラ15は、エリアループ処理の終了端LE2において、パラメータareaの値に1を加算して、再びエリアループの開始端LS2に処理を移行し、上述した処理を繰り返す。
【0051】
また、パラメータareaの値=5である場合には、パラメータareaの値を再び1に初期化して、無限ループ処理の終了端LE1を介して再び無限処理ループの開始端LS1に処理を移行し、上述した処理を繰り返すこととなる。
【0052】
図8は、ドア開時のドア外空間における動き検知処理の説明図である。
一方、ステップS12の判断において、いずれかのドア信号SD1~SD4がドアが開いていることを示す開状態となっている場合には(ステップS12;No)、センサコントローラ15は、パラメータareaの値が、外部空間に相当する6以上の値となっている場合には、開状態になっているドアに対応するドア外空間における動き(乗車しようとしている乗員の動き)を検出する(ステップS48)。
具体的には、ドア信号SD1~SD4のいずれかが開状態となった場合に、当該ドア信号に対応するドアの外部空間の所定の動き検出期間における動きを検出する。
例えば、センサコントローラ15は、図7に示すように、時刻t1においてドア信号が開状態になってから所定時間Td1が経過した時刻t2から所定時間TM0が経過する時刻t3までの時間帯を動き検出期間として、所定の人検出閾値Thhmを超える(乗員と想定される)人の動き量の最大値の有無を検出する。
【0053】
図9は、ドア開時の座席空間における動き検知処理の説明図である。
次にセンサコントローラ15は、パラメータareaの値が、座席空間に相当する1~5の値となっている場合には、開状態から閉状態に移行したドアに対応する座席空間における動きを検出する(ステップS49)。
具体的には、まずセンサコントローラ15は、ドア信号SD1~SD4のいずれかが開状態となった場合に、当該ドア信号に対応する座席空間の所定の第1動き検出期間における動きを検出する。
例えば、センサコントローラ15は、図7に示すように、時刻t1においてドア信号が開状態になってから、時刻t4においてドア信号が閉状態になるまでの時間TM1の期間を第1動き検出期間として、所定の人検出閾値Thhmを超える人の動き量の最大値の有無を検出する。
そして、所定の人検出閾値Thhmを超える人の動き量の最大値が検出された場合には、センサコントローラ15は、乗員検知用第2パラメータJudge_1[area]=1とする。また、所定の人検出閾値Thhmを超える人の動き量の最大値が検出されなかった場合には、センサコントローラ15は、乗員検知用第2パラメータJudge_1[area]=0とする。
【0054】
図10は、ドア閉検出後の座席空間における動き検知処理の説明図である。
続いて、ドア信号が開状態となった後、閉状態となった場合に、当該ドア信号に対応する座席空間の所定の第2動き検出期間における動きを検出する。
【0055】
例えば、センサコントローラ15は、図9に示すように、時刻t1においてドア信号が開状態になり、その後、時刻t4においてドア信号が閉状態になってから時間TM2の期間を第2動き検出期間として、現在の注目座席及び当該注目座席に隣接する隣接座席において、動き検出の遷移の有無を検出する。すなわち、車両Vの内部における座席間の移動等を検出する。
【0056】
そして、この第2動き検出期間において、注目座席の動き検出量が所定の人検出閾値Thhmを超えてから再び所定の人検出閾値Thhmを下回った時刻Tf1から、注目座席に隣接する隣接座席の動き検出量が所定の人検出閾値Thhmを超えた時刻Tf2までの時間が所定の座席移動検出閾値TF以下の時間であれば、車両V内で乗員の座席移動があったとして、センサコントローラ15は、乗員検知用第3パラメータJudge_2[area]=1とする。
【0057】
また、注目座席の動き検出量が所定の人検出閾値Thhmを超えてから再び所定の人検出閾値Thhmを下回った時刻Tf1から注目座席に隣接する隣接座席の動き検出量が所定の人検出閾値Thhmを超えた時刻Tf2までの時間が所定の座席移動検出閾値TFを超えている場合には、車両V内で乗員の座席移動がなかったとして、センサコントローラ15は、乗員検知用第3パラメータJudge_2[area]=0とする。
【0058】
続いて乗員検知装置10のセンサコントローラ15は、パラメータareaの値が1~8となっている場合には、センサコントローラ15は、エリアループ処理の終了端LE2において、パラメータareaの値に1を加算して、再びエリアループの開始端LS2に処理を移行し、上述した処理を繰り返す。
【0059】
また、パラメータareaの値=9である場合には、パラメータareaの値を再び1に初期化して、無限ループ処理の終了端LE1を介して再び無限処理ループの開始端LS1に処理を移行し、上述した処理を繰り返すこととなる。
【0060】
以上の説明のように、本第1実施形態によれば、電波センサを用いた乗員検知処理において、簡易な構成で乗員検知精度の向上を図ることができる。
また、電波センサの測定時間帯は、ドア開閉時、すなわち、ドア開閉直後であり、車両の停車時にほぼ限定されるので、トータルの演算時間を低減することができる。
【0061】
さらに電波センサの検出データの処理において、フーリエ変換による周波数解析等を行う必要性を低減でき、演算処理量を大幅に低減することができる。
さらに周波数解析等を行う場合でも、時間的な余裕度が大きくなるため、高速な演算処理装置を用いる必要が無く、安価にシステムを構築することができる。
【0062】
[2]第2実施形態
上記第1実施形態においては、センサコントローラ15は、ドアの開閉検出を車載ECU13からのドア信号SD1~SD4に基づいて行っていたが、本第2実施形態においては、電波センサ14の出力信号に基づいてドアの開閉検出を行っている。
図11は、第2実施形態のドア外側空間における物体の動き量検出の説明図である。
図11に示すように、人が車両Vに乗車しようとして、いずれかのドアの開動作を行うと、時刻t11において、ドア開時の動き量の検出が開始される。
これにより、センサコントローラ15は、電波センサ14の出力信号に基づいて動き量を検出し、電波センサ14の出力信号が所定のドア開閾値THdrを超えたか否かを判断する。
例えば、センサコントローラ15は、図11に示すように、時刻t11においてドア開時の動き量の検出が開始されてから(動き検出量が所定の閾値を超えてから)所定時間Td1が経過して人の動き検出処理に移行する時刻t12までの期間をドアの動き検出期間として、所定のドア検出閾値THdrを超える(ドア開と想定される)ドアの動き量の最大値の有無を検出する。
そして、ドアの動き検出期間中にドア検出閾値THdrを超えるドアの動き量の最大値が検出された場合には、ドアが開状態になったとして、時刻t12~時刻t13の時間帯を人の動き検出期間として、所定の人検出閾値Thhmを超える(乗員と想定される)人の動き量の最大値の有無を検出し、以下、第1実施形態と同様の処理を行うこととなる。
【0063】
以上の説明のように、本第2実施形態によれば、車載ECU13側にドア開を検出する機能が設けられていなかったり、故障している場合でも、ドア開をセンサコントローラ15で検出して処理を行うことができる。
したがって、本第2実施形態によれば、簡易な構成で乗員検知の精度を向上させることができ、システムの構築コストの低減も図ることができる。あるいは、システム全体の冗長性を確保して、乗員検知装置の信頼性を向上させることができる。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0065】
以上の説明においては、電波センサ15を車両Vの車室内に一つ設ける構成としていたが、複数設けるように(例えば、前部座席用及び後部座席用の二つ)することも可能である。
【0066】
以上の説明においては、隣席からの移動について移動元と移動先との関係については、明確に述べなかったが、後部座席間、前部座席-後部座席間等適宜に検出するように構成することが可能である。これにより、身体が小さい子供のように車室内で容易に移動が可能な乗員であってもより確実に着座席位置を把握して、より安全な制御を行うようにすることができる。
【0067】
また、本実施形態のセンサコントローラ15で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供されるようにしてもよい。
【0068】
本実施形態のセンサコントローラ15で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでDVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能なディスク状記録媒体、USBメモリ、SSD(Solid state Disk)等の半導体メモリ装置等に記録して提供するように構成してもよい。
【0069】
さらに、本実施形態のセンサコントローラ15で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のコントローラ15で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【符号の説明】
【0070】
10 乗員検知システム
11 乗員検知装置
12-1~12-4 ドアセンサ
13 車載ECU
14 電波センサ
15 センサコントローラ(判定部、周波数解析部)
SD1~SD4 ドア信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11