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特開2022-65580道路側部における無人飛行体の安全飛行装置
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  • 特開-道路側部における無人飛行体の安全飛行装置 図1
  • 特開-道路側部における無人飛行体の安全飛行装置 図2
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  • 特開-道路側部における無人飛行体の安全飛行装置 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065580
(43)【公開日】2022-04-27
(54)【発明の名称】道路側部における無人飛行体の安全飛行装置
(51)【国際特許分類】
   B64F 3/02 20060101AFI20220420BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20220420BHJP
   B64D 25/00 20060101ALI20220420BHJP
   B64D 27/24 20060101ALI20220420BHJP
【FI】
B64F3/02
B64C39/02
B64D25/00
B64D27/24
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020174280
(22)【出願日】2020-10-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】592158969
【氏名又は名称】西武建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】井上 靖雄
(72)【発明者】
【氏名】畠山 正光
(72)【発明者】
【氏名】二村 憲太郎
(72)【発明者】
【氏名】川前 勝三郎
(72)【発明者】
【氏名】井戸田 和也
(72)【発明者】
【氏名】栗城 友花
(57)【要約】
【課題】無人飛行体を、道路脇に設定された所定領域内で飛行させる際に、無人飛行体が道路上へ飛行してしまうことを防止することを解決すべき課題とする。
【解決手段】遠隔操作によって道路Rの側部に沿って設定された所定領域を飛行させられる無人飛行体2を備え、この無人飛行体には、その飛行を制御する飛行制御手段3と、この飛行制御手段の作動を制御するコントロールユニット6が設けられ、無人飛行体には、所定領域に設置され無人飛行体に駆動電力を供給する電力供給手段7が電力ケーブル8を介して接続され、この電力ケーブルが、電力供給手段の設置位置と道路の側縁との距離よりも短く設定されていることを特徴とする。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔操作によって道路の側部に沿って設定された所定領域を飛行させられる無人飛行体を備え、この無人飛行体には、その飛行を制御する飛行制御手段と、この飛行制御手段の作動を制御するコントロールユニットが設けられ、前記無人飛行体には、前記所定領域に設置され、前記無人飛行体に駆動電力を供給する電力供給手段が電力ケーブルを介して接続され、この前記電力ケーブルが、前記電力供給手段の設置位置と前記道路の側縁との距離よりも短く設定されていることを特徴とする道路側部における無人飛行体の安全飛行装置。
【請求項2】
前記無人飛行体と前記電力ケーブルとの接続部、若しくは、前記電力ケーブルに、この電力ケーブルに作用する張力が所定値以上に達した際に、前記無人飛行体と前記電力ケーブルとの接続を解除する電力遮断手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の道路側部における無人飛行体の安全飛行装置。
【請求項3】
前記電力遮断手段が、前記無人飛行体側に配置される第1カプラと、前記電力ケーブル側に配置される第2カプラからなり相互に接離可能に連結されるカプラを備え、前記第1カプラおよび前記第2カプラのそれぞれには、これらが接続状態にある際に相互に当接させられて電気的に接続される可動接点と、これらの可動接点を接続方向に付勢する付勢部材と、前記第1カプラおよび前記第2カプラとを磁力により接続状態に保持する磁石が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の道路側部における無人飛行体の安全飛行装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無人飛行体の安全飛行装置に関わり、特に、道路の側部に沿って設けられている所定領域内を飛行させる際に好適に用いられる道路側部における無人飛行体の安全飛行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、道路脇に設けられている法面等における土壌の状態調査、あるいは、草の繁茂状態の調査に、無人飛行体を用いることが行なわれている(特許文献1参照)。
【0003】
ところで、無人飛行体を道路脇に沿って飛行させる際に、無人飛行体の飛行制御が何らかの原因で不能となった場合、この無人飛行体が道路上へ向かって移動し、道路上を走行する車両の走行に影響を与えることが想定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-144811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような従来の技術において残されている問題点を改善するためになされたもので、無人飛行体を道路脇に飛行させる際に、無人飛行体が道路上へ飛行してしまうことを防止するようにした道路側部における無人飛行体の安全飛行装置を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の道路側部における無人飛行体の安全飛行装置は、前述した課題を解決するために、遠隔操作によって道路の側部に沿って設定された所定領域を飛行させられる無人飛行体を備え、この無人飛行体には、その飛行を制御する飛行制御手段と、この飛行制御手段の作動を制御するコントロールユニットが設けられ、前記無人飛行体には、前記所定領域に設置され、前記無人飛行体に駆動電力を供給する電力供給手段が電力ケーブルを介して接続され、この前記電力ケーブルが、前記電力供給手段の設置位置と前記道路の側縁との距離よりも短く設定されていることを特徴とする。
【0007】
このように構成された本発明の道路側部における無人飛行体の安全飛行装置は、電力供給手段を、道路脇で、この道路から離れた位置に設置するとともに、この電力供給手段を無人飛行体に電力ケーブルによって接続して、使用状態とする。
【0008】
これより、無人飛行体を、遠隔操作により、たとえば、道路脇の法面上を飛行させつつこの法面の土壌状態の調査や、草の繁茂状態の調査を行なうことができる。
【0009】
無人飛行体の飛行領域は、無人飛行体と地上に設置された電力供給手段とを接続する電力ケーブルによって規制される。
【0010】
ここで、電力ケーブルが、電力供給手段の設置位置と道路の側縁との距離よりも短く設定されていることにより、無人飛行体が道路上へ飛行してしまうことを防止することができる。
【0011】
この結果、道路上を走行する車両の走行に影響を与えることを防止して、車両の安全走行を確保することができる。
【0012】
前記無人飛行体と電力ケーブルとの接続部、若しくは、電力ケーブルに、この電力ケーブルに作用する張力が所定値以上に達した際に、無人飛行体と電力ケーブルとの接続を解除する電力遮断手段を設けておくことができる。
【0013】
このような構成とすることにより、無人飛行体が道路へ向かって飛行し、その飛行が電力ケーブルによって規制されると、電力ケーブルに張力が加わる。
【0014】
この張力が所定値以上となると、電力遮断手段による無人飛行体と電力ケーブルとの接続が解除され、無人飛行体への電力供給が遮断される。
【0015】
ここで、電力ケーブルが、無人飛行体が道路上へ移動することを規制する長さとなされていることにより、前述した電力遮断手段による無人飛行体と電力ケーブルとの接続解除が道路の手前にて行なわれて無人飛行体への電力供給が停止され、これによって、無人飛行体は推進力の喪失により道路手前に落下する。
【0016】
前記電力遮断手段は、無人飛行体側に配置される第1カプラと、電力ケーブル側に配置される第2カプラからなり相互に接離可能に連結されるカプラを備え、第1カプラおよび第2カプラのそれぞれには、これらが接続状態にある際に相互に当接させられて電気的に接続される可動接点と、これらの可動接点を接続方向に付勢する付勢部材と、第1カプラおよび前記第2カプラとを磁力により接続状態に保持する磁石が設けられた構成とすることができる。
【0017】
このような構成とすることにより、第1カプラと第2カプラとを磁力により接続してそれぞれの可動接点を接続状態とする。
この状態において、電力ケーブルによる無人飛行体への電力供給が保持されて無人飛行体の飛行が可能となる。
【0018】
そして、無人飛行体が道路へ向かって飛行して電力ケーブルに張力が加わり、この張力が磁石の吸引力よりも大きくなると、第1カプラと第2カプラとが切り離されて無人飛行体への電力供給が遮断される。
【0019】
ここで、磁石の吸引力を調整することにより、第1カプラと第2カプラの切り離しに必要な電力ケーブルに作用する張力を容易に調整することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の道路側部における無人飛行体の安全飛行装置にあっては、無人飛行体の道路上への飛行を防止して、道路を走行する車両の走行の安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態を示す概略図である。
図2】本発明の一実施形態を示す概略図である。
図3】本発明の一実施形態の作用を示す概略図である。
図4】本発明の一実施形態の要部の拡大正面図である。
図5】本発明の一実施形態を示すもので、電力遮断手段の縦断面図である。
図6】本発明の一実施形態を示すもので、無人飛行体のシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ついで、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1において符号1は本実施形態の道路側部における無人飛行体の安全飛行装置(以降、安全飛行装置と略称する)を示す。
【0023】
本実施形態の安全飛行装置1は道路脇の除草に適用したもので、遠隔操作によって道路の側部の草Bの繁茂領域W(本実施形態においては法面A)に沿って飛行させられる無人飛行体2を備え、この無人飛行体2には、図6に示すように、その飛行を制御する飛行制御手段3と、繁茂領域Wの草種を検出する草種検出手段4と、草Bへ除草剤を散布する除草剤散布手段5と、これらの飛行制御手段3、草種検出手段4、および、除草剤散布手段5の作動を制御するコントロールユニット6が設けられ、この無人飛行体2には、地上に設置され、無人飛行体2に駆動電力を供給する電力供給手段7が電力ケーブル8を介して接続されているとともに、地上に設置され、無人飛行体2へ除草剤を供給する除草剤供給手段9がホース10を介して接続されている。
【0024】
また、無人飛行体2には草Bの繁茂状態を撮像する撮像手段11が搭載されている。
【0025】
図1において符号Rは、高速道路等の道路を示し、その道路脇に沿って法面Aが設けられており、道路Rの側縁にはガードレールGが立設されて法面Aと区画されている。
【0026】
そして、本実施形態においては、電力ケーブル8およびホース10が、電力供給手段7および除草剤供給手段9の設置位置と道路Rの側縁(ガードレールG)との距離よりも短く設定されている。
【0027】
また、図4に示すように、電力ケーブル8およびホース10は、その長さ方向の途中において、クリップ14によって結束されており、このクリップ14と無人飛行体2との間において、ホース10の長さが電力ケーブル8よりも長く設定されている。
【0028】
さらに、本実施形態においては、図5に示すように、無人飛行体2と電力ケーブル8との接続部に、これらの接続を、電力ケーブル8に加わる張力が所定値以上となった際に切り離す電力遮断手段15が設けられている。
【0029】
この電力遮断手段15は、無人飛行体2側に配置される第1カプラ16aと、電力ケーブル8側に配置される第2カプラ16bからなり相互に接離可能に連結されるカプラ16を備え、第1カプラ16aおよび第2カプラ16bのそれぞれには、これらが接続状態にある際に相互に当接させられて電気的に接続される可動接点17・18と、これらの可動接点17・18を接続方向に付勢する付勢部材19・20と、第1カプラ16aおよび第2カプラ16bとを磁力により接続状態に保持する磁石21・22が設けられた構成となっている。
【0030】
このように構成された本実施形態の安全飛行装置1は、電力供給手段7および除草剤供給手段9を、道路Rの脇で、この道路Rから所定距離離して設置するとともに、これらの電力供給手段7および除草剤供給手段9を、無人飛行体2に電力ケーブル8やホース10によって接続して使用状態とする。
【0031】
これより、無人飛行体2を、遠隔操作により道路脇の草Bの繁茂領域Wを移動させつつこの繁茂領域Wに除草剤を散布することにより、繁茂領域Wの除草を行なうことができる。
【0032】
このような除草作業中に、誤操作や機器の不具合等により無人飛行体2の飛行制御が不能となった場合、この無人飛行体2が、地上に設置された電力供給手段7や除草剤供給手段9に電力ケーブル8やホース10によって接続されていることにより、これらの電力ケーブル8やホース10によって飛行領域が規制される。
【0033】
ここで、電力ケーブル8やホース10が、電力供給手段7および除草剤供給手段9の設置位置と道路Rの側縁との距離よりも短く設定されていることにより、無人飛行体2が道路R上へ飛行してしまうことが防止される。
【0034】
したがって、除草作業を遠隔操作によって行ない、かつ、無人飛行体2の道路R上への不用意な移動を防止して、安全な除草作業を実施することができる。
【0035】
そして、本実施形態においては、電力ケーブル8と無人飛行体2との接続部に電力遮断手段15が設けられていることにより、電力ケーブル8に作用する張力が磁石21・22の吸着力を上回った際に、電力遮断手段15を構成する第1カプラ16aと第2カプラ16bが切り離されて、図3に示すように、電力ケーブル8が無人飛行体2から切り離される。
【0036】
これによって、無人飛行体2への電力供給が停止されて、無人飛行体2の推進力をなくし、この無人飛行体2を強制的に道路Rの脇に落下させることができる。
【0037】
そして、本実施形態においては、図4に示すように、電力ケーブル8およびホース10は、その長さ方向の途中において、クリップ14によって結束されており、このクリップ14と無人飛行体2との間において、ホース10の長さが電力ケーブル8よりも長く設定されていることにより、電力ケーブル8に加わる張力がホース10によって支持されることがない。
【0038】
したがって、無人飛行体2の飛行によって生じさせられる張力の全てを電力ケーブル8に加えて、電力遮断手段15の切り離しを確実に行なわせることができる。
【0039】
なお、前記実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 (道路側部における無人飛行体の)安全飛行装置
2 無人飛行体
3 飛行制御手段
4 草種検出手段
5 除草剤散布手段
6 コントロールユニット
7 電力供給手段
8 電力ケーブル
9 除草剤供給手段
10 ホース
11 撮像手段
14 クリップ
15 電力遮断手段
16 カプラ
16a 第1カプラ
16b 第2カプラ
17 可動接点
18 可動接点
19 付勢部材
20 付勢部材
21 磁石
22 磁石
A 法面
B 草
G ガードレール
R 道路

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-12-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔操作によって道路の側部に沿って設定された所定領域を飛行させられる無人飛行体を備え、この無人飛行体には、その飛行を制御する飛行制御手段と、この飛行制御手段の作動を制御するコントロールユニットが設けられ、前記無人飛行体には、前記所定領域に設置され、前記無人飛行体に駆動電力を供給する電力供給手段が電力ケーブルを介して接続されているとともに、地上に設置され、前記無人飛行体へ除草剤を供給する除草剤供給手段がホースを介して接続され、前記電力ケーブルが、前記電力供給手段の設置位置と前記道路の側縁との距離よりも短く設定され、前記無人飛行体と前記電力ケーブルとの接続部、若しくは、前記電力ケーブルに、この電力ケーブルに作用する張力が所定値以上に達した際に、前記無人飛行体と前記電力ケーブルとの接続を解除する電力遮断手段が設けられ、前記電力ケーブルおよびホースは、その長さ方向の途中においてクリップによって結束されているとともに、このクリップと前記無人飛行体との間において、前記ホースの長さが電力ケーブルよりも長く設定されていることを特徴とする道路側部における無人飛行体の安全飛行装置。
【請求項2】
前記電力遮断手段が、前記無人飛行体側に配置される第1カプラと、前記電力ケーブル側に配置される第2カプラからなり相互に接離可能に連結されるカプラを備え、前記第1カプラおよび前記第2カプラのそれぞれには、これらが接続状態にある際に相互に当接させられて電気的に接続される可動接点と、これらの可動接点を接続方向に付勢する付勢部材と、前記第1カプラおよび前記第2カプラとを磁力により接続状態に保持する磁石が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の道路側部における無人飛行体の安全飛行装置。