(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065594
(43)【公開日】2022-04-27
(54)【発明の名称】警告灯モジュールをバックミラーの鏡に組み立てる方法
(51)【国際特許分類】
B60R 1/12 20060101AFI20220420BHJP
B60R 1/04 20060101ALI20220420BHJP
【FI】
B60R1/12 Z
B60R1/04 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020219176
(22)【出願日】2020-12-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-19
(31)【優先権主張番号】202011092261.2
(32)【優先日】2020-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518310503
【氏名又は名称】マグナ ミラーズ(タイツァン)オートモーティブ テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】ジュン ウー
(72)【発明者】
【氏名】ユル チェン
(72)【発明者】
【氏名】ガン シェン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】警告灯モジュールをバックミラーの鏡に組み立てる方法に関し、警告灯モジュールの位置ずれを修正する方法を提供する。
【解決手段】視覚処理プログラムが領域面積計算、輪郭度計算によってデータ収集を行い、バックミラーの鏡のパターンが警告灯モジュールに対してX、Y方向にずれた位置、警告灯モジュールがバックミラーの鏡に対して円周方向にずれた角度を計算し、まとめた後X、Y、R方向の位置情報をPLC制御端子にフィードバックし、更に、XとY方向に移動するサーボ機構、R方向に回転して押し下げるサーボ機構によって、目標位置に移動した後、押し下げて精確に位置合わせて貼り付け、貼り付けを完了した後、警告灯を点灯し、ドライバー方向のカメラによって再度撮影し、ドライバー角度の採光が正常か否かを検査する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックミラーの鏡を第1の位置付け装置に置き、警告灯モジュールを第2の位置付け装置に置くステップと、
R方向に回転して押し下げるサーボ機構によって、前記警告灯モジュールを第1の撮影位置に移動し、前記警告灯モジュールを点灯せずに第1のカメラにより前記警告灯モジュールに対して1回目の撮影を行うステップと、
1回目の撮影による画像に基づいて、視覚処理プログラムにより前記警告灯モジュールが第1の撮影位置にあった時の座標を確定するステップと、
XとY方向に移動するサーボ機構によって、前記バックミラーの鏡を第2の撮影位置に移動し、前記警告灯モジュールを点灯せずに前記第1のカメラにより前記バックミラーの鏡のパターンに対して2回目の撮影を行うステップと、
2回目の撮影による画像に基づいて、視覚処理プログラムにより前記バックミラーの鏡のパターンが第2の撮影位置にあった時の座標を確定するステップと、
2回の撮影画像の座標に基づいて、前記バックミラーの鏡のパターンと前記警告灯モジュールとの間の座標差分値を取得し、前記座標差分値に基づいて、XとY方向に移動するサーボ機構により前記バックミラーの鏡のパターンを移動し、又はR方向に回転して押し下げるサーボ機構により前記警告灯モジュールを回転するステップと、
R方向に回転して押し下げるサーボ機構によって、前記警告灯モジュールを前記バックミラーの鏡のパターンに押し下げるステップと、を含むことを特徴とする警告灯モジュールをバックミラーの鏡に組み立てる方法。
【請求項2】
前記バックミラーの鏡のパターンと前記警告灯モジュールとの間の前記座標差分値は、前記バックミラーの鏡のパターンの前記警告灯モジュールに対するX、Y方向での差分値Delta_XとDelta_Y及び前記警告灯モジュールの前記バックミラーの鏡のパターンに対する円周方向での差分値Delta_Rを含むことを特徴とする請求項1に記載の警告灯モジュールをバックミラーの鏡に組み立てる方法。
【請求項3】
前記第1のカメラは縦方向カメラであることを特徴とする請求項1に記載の警告灯モジュールをバックミラーの鏡に組み立てる方法。
【請求項4】
前記警告灯モジュールを前記バックミラーの鏡のパターンに押し下げた後、警告灯を点灯し、ドライバー方向に位置する第2のカメラにより撮影し、パターンの輝度、発光面積及び/又は図形位置を検出することを特徴とする請求項1に記載の警告灯モジュールをバックミラーの鏡に組み立てる方法。
【請求項5】
前記第1のカメラにより前記警告灯モジュールに対して1回目の撮影を行う時に、補助光源によって前記警告灯モジュールに光を補充し、前記第1のカメラにより前記バックミラーの鏡のパターンに対して2回目の撮影を行う時に、前記補助光源により前記バックミラーの鏡のパターンに光を補充することを特徴とする請求項1に記載の警告灯モジュールをバックミラーの鏡に組み立てる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両部品分野に関し、特に、バックミラー死角領域警告灯に関し、具体的には、警告灯モジュールをバックミラーの鏡に組み立てる方法である。
【背景技術】
【0002】
車両のバックミラーには一般に視覚死角領域があり、ドライバーが死角領域中の車両を視認できないことになり、死角領域に追い越している車両があれば、この時に車線変更すると、衝突事故が発生してしまう。雷雨や濃霧の天気、光線が暗い夜間等の悪い環境では、ドライバーが後方車両を視認することが一層困難になり、この時に車線変更がより危険なことになる。バックミラーの視覚死角領域を解消するために、死角監視システムがその機運に応じて生まれた。
【0003】
死角監視システムは、車線変更補助システムとも呼ばれ、英語でBSM(Blind Spot Monitor)又はBLIS(Blind Spot Information System)と略称され、バックミラーの死角領域を解消することを主な機能としている。電子制御器によって、左右の2つのバックミラー内又は他のところでドライバー後方の安全範囲に障害物又は後続車があるか否かを監視する。死角監視システムの警告灯は、一般にバックミラーに取り付けられ、後方安全範囲に障害物又は後続車がある時に、警告光を発光してドライバーに対して注意を促す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
死角監視システムの警告灯モジュールは、一般に貼り付けることでバックミラーの鏡の対応するパターン位置に組み立てられる。米国特許第9769930号明細書には、映像などの技術によって2種の部品(警告灯モジュールとバックミラーの鏡の対応するパターン)の間の正確な位置合わせを実現する、警告灯を位置付けて組み立てる方法が開示されている。しかしながら、警告灯モジュールを位置付けて組み立てる過程で、部品自身の些細な欠陥のため位置合わせが不正確になり、ドライバー方向から視認する光形に差異があるという実際の問題が発生する。例えば、モジュール点灯中に膜の縁部又は非形状領域に光漏れなどが発生した時に、位置合わせの計算にずれが発生して、実際に正確に貼り付けられない現象を引き起こしてしまう。
【0005】
本発明は、上述した問題に対して、精確に位置付けることができる、警告灯モジュールをバックミラーの鏡に組み立てる方法を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明は、具体的には、
バックミラーの鏡を第1の位置付け装置に置き、警告灯モジュールを第2の位置付け装置に置くステップと、
R方向に回転して押し下げるサーボ機構によって、警告灯モジュールを第1の撮影位置に移動し、警告灯モジュールを点灯せずに第1のカメラにより警告灯モジュールに対して1回目の撮影を行うステップと、
1回目の撮影による画像に基づいて、視覚処理プログラムにより警告灯モジュールが第1の撮影位置にあった時の座標を確定するステップと、
XとY方向に移動するサーボ機構によって、バックミラーの鏡を第2の撮影位置に移動し、警告灯モジュールを点灯せずに第1のカメラによりバックミラーの鏡のパターンに対して2回目の撮影を行うステップと、
2回目の撮影による画像に基づいて、視覚処理プログラムによりバックミラーの鏡のパターンが第2の撮影位置にあった時の座標を確定するステップと、
2回の撮影画像の座標に基づいて、バックミラーの鏡のパターンと警告灯モジュールとの間の座標差分値を取得し、座標差分値に基づいて、XとY方向に移動するサーボ機構によりバックミラーの鏡のパターンを移動し、又はR方向に回転して押し下げるサーボ機構により警告灯モジュールを回転するステップと、
R方向に回転して押し下げるサーボ機構によって、警告灯モジュールをバックミラーの鏡のパターンに押し下げるステップと、を含む警告灯モジュールをバックミラーの鏡に組み立てる方法を用いる。
【0007】
好ましくは、バックミラーの鏡のパターンと警告灯モジュールとの間の座標差分値は、バックミラーの鏡のパターンの警告灯モジュールに対するX、Y方向での差分値Delta_XとDelta_Y及び警告灯モジュールのバックミラーの鏡のパターンに対する円周方向での差分値Delta_Rを含む。
【0008】
好ましくは、第1のカメラは縦方向カメラである。
【0009】
好ましくは、警告灯モジュールをバックミラーの鏡のパターンに押し下げた後、警告灯を点灯し、ドライバー方向に位置する第2のカメラにより撮影し、パターンの輝度、発光面積及び/又は図形位置を検出する。
【0010】
好ましくは、第1のカメラにより警告灯モジュールに対して1回目の撮影を行う時に、補助光源によって警告灯モジュールに光を補充し、第1のカメラによりバックミラーの鏡のパターンに対して2回目の撮影を行う時に、補助光源によりバックミラーの鏡のパターンに光を補充する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る警告灯モジュールをバックミラーの鏡に組み立てる方法を採用した場合、警告灯モジュールが点灯していない状態で、映像デバイスが2回の撮影を行って、警告灯モジュールの位置を取得し且つバックミラーの鏡のパターンの位置を確定し、警告灯モジュールのバックミラーの鏡のパターンに対する歪みを防止する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る警告灯モジュールをバックミラーの鏡に組み立てる方法の全体の流れ図である。
【
図2】本発明に係る警告灯モジュールをバックミラーの鏡に組み立てる方法の全体の流れ図である。
【
図3】本発明に係る警告灯モジュールをバックミラーの鏡に組み立てる方法の全体の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の技術的解決手段をより明瞭に説明するために、以下、具体的な実例を参照しながら更に詳述する。
【0014】
図1~
図3に示すように、本発明による警告灯モジュールをバックミラーの鏡に組み立てる方法は、具体的なステップが以下のとおりである。
(1)バックミラーの鏡を人力で第1の位置付け装置に置き、XとY方向に移動するサーボ機構を配置し、バックミラーの鏡のX方向とY方向での移動を実現する。
(2)警告灯モジュールを人力で第2の位置付け装置に置き、R方向に回転して押し下げるサーボ機構を配置し、警告灯モジュールのR方向を巡った回転及びR方向の降下を実現する。
(3)組み立てシステム全体を起動する。
(4)R方向に回転して押し下げるサーボ(圧入取付)機構によって、警告灯モジュールを第1の撮影位置に降下させ、補助環境光源により警告灯モジュールに光を補充し、縦方向カメラにより警告灯モジュールに対して1回目の撮影を行う。
(5)1回目の撮影による画像に基づいて、視覚処理プログラムにより処理し、第1の所定のパターンに対して図形を対応付け、且つ警告灯モジュールが第1の撮影位置にあった時のX、Y、R方向の座標値を確定する。
(6)XとY方向に移動するサーボ機構によって、設定されたバックミラーの鏡のパターンのX、Y座標値に基づいて、バックミラーの鏡のパターンを第2の撮影位置に移動し、補助環境光源によりバックミラーの鏡のパターンに光を補充し、縦方向カメラによりバックミラーの鏡のパターンに対して2回目の撮影を行う。
(7)2回目の撮影による画像に基づいて、視覚処理プログラムにより処理し、第2の所定のパターンに対して図形を対応付け、且つバックミラーの鏡のパターンが第2の撮影位置にあった時のX、Y、R方向の座標値を確定する。
(8)2回の撮影によるX、Y、R値に基づいて、視覚処理プログラムにより、バックミラーの鏡のパターンの警告灯モジュールに対するX、Y方向での差分値Delta_XとDelta_Y及び警告灯モジュールのバックミラーの鏡のパターンに対する円周方向での差分値Delta_Rを算出する。
(9)Delta_X、Delta_Y、Delta_RをPLC(Programmable Logic Controller)に伝送し、PLCによりX方向、Y方向、R方向のサーボ運動を制御し、Delta_X、Delta_Y、Delta_Rの3つの差分値の補償を完成する。
(10)押し下げ機構により警告灯モジュールをバックミラーの鏡のパターンに押し付け、警告灯モジュールを点灯し、ドライバー方向角度のカメラによって、圧入取付を完了した後の警告灯と外部鏡全体パターンの輝度、発光面積、図形位置の検出を完成し、設定された上下限値、下限値に基づいて組み立てが成功したか否かを判断する。
【0015】
そのうち、第1の位置付け装置と第2の位置付け装置は、左右部材認識センサーを配置してよく、XとY方向に移動するサーボ機構は、復帰、限界検出スイッチを配置してよい。XとY方向に移動するサーボ機構、R方向に回転して押し下げるサーボ機構は、サーボモーターとねじ機構を用いて実現してよい。
【0016】
本発明による警告灯モジュールをバックミラーの鏡に組み立てる方法は、視覚処理プログラムが領域面積計算、輪郭度計算によってデータ収集を行い、バックミラーの鏡のパターンが警告灯モジュールに対してX、Y方向にずれた位置、警告灯モジュールがバックミラーの鏡に対して円周方向にずれた角度を計算し、まとめた後X、Y、R方向の位置情報をPLC制御端子にフィードバックし、更に、XとY方向に移動するサーボ機構、R方向に回転して押し下げるサーボ機構によって、目標位置に移動した後、押し下げて精確に位置合わせて貼り付け、貼り付けを完了した後、警告灯を点灯し、ドライバー方向の映像機構によって再度撮影し、ドライバー角度の採光が正常か否かを検査する。
【0017】
点灯していない状態で撮影することで、点灯した後膜の縁部の散乱及び膜自身の欠陥による光漏れのため計算歪みが発生することを防止可能である。それと同時に、警告灯モジュールの左右PCBが間違って取り付けられたか否か、膜が筐体に取り付けられた否か、左右膜が間違って貼り付けられたか否かなどを検出する。
【0018】
この明細書では、本発明について、その特定の実施例を参照して説明した。ただし、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な修正や変換を加えるのができることはいうまでもない。従って、明細書は、限定する意図がなく、説明するためのものであると考えるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックミラーの鏡を第1の位置付け装置に置き、警告灯モジュールを第2の位置付け装置に置く配置ステップと、
R方向に回転して押し下げる第1のサーボ機構によって、前記警告灯モジュールを第1の撮影位置に移動し、前記警告灯モジュールを点灯せずに第1のカメラにより前記警告灯モジュールを撮影する第1撮影ステップと、
前記第1撮影ステップで取得した画像に基づいて、視覚処理プログラムにより前記警告灯モジュールが前記第1の撮影位置にあった時の座標を確定する第1座標確定ステップと、
X方向とY方向のそれぞれに移動する第2のサーボ機構によって、前記バックミラーの鏡を第2の撮影位置に移動させ、前記警告灯モジュールを点灯せずに前記第1のカメラにより前記バックミラーの鏡のパターンを撮影する第2撮影ステップと、
前記第2撮影ステップで取得した画像に基づいて、前記視覚処理プログラムにより前記バックミラーの鏡のパターンが前記第2の撮影位置にあった時の座標を確定する第2座標確定ステップと、
前記第1撮影ステップで得た画像と前記第2撮影ステップで得た画像の座標に基づいて、前記バックミラーの鏡のパターンと前記警告灯モジュールとの間の座標差分値を取得し、前記座標差分値に基づいて、前記第2のサーボ機構により前記バックミラーの鏡を移動させ、又は前記第1のサーボ機構により前記警告灯モジュールを回転させる座標修正ステップと、
前記第1のサーボ機構によって、前記警告灯モジュールを前記バックミラーの鏡のパターンに押し下げる押し下げステップと、を含むことを特徴とする警告灯モジュールをバックミラーの鏡に組み立てる方法。
【請求項2】
前記バックミラーの鏡のパターンと前記警告灯モジュールとの間の前記座標差分値は、前記バックミラーの鏡のパターンの前記警告灯モジュールに対する前記X方向と前記Y方向での各差分値Delta_XとDelta_Y及び前記警告灯モジュールの前記バックミラーの鏡のパターンに対する円周方向での差分値Delta_Rを含むことを特徴とする請求項1に記載の警告灯モジュールをバックミラーの鏡に組み立てる方法。
【請求項3】
前記第1のカメラは、レンズが前記X方向及び前記Y方向に直交する方向に向いていることを特徴とする請求項1に記載の警告灯モジュールをバックミラーの鏡に組み立てる方法。
【請求項4】
前記押し下げステップが完了した後、警告灯を点灯し、ドライバー方向に位置する第2のカメラにより撮影し、前記バックミラーの鏡のパターンの輝度、発光面積及び/又は図形位置を検出する検出ステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の警告灯モジュールをバックミラーの鏡に組み立てる方法。
【請求項5】
前記第1のカメラにより前記警告灯モジュールに対して前記第1撮影ステップの撮影を行う時に、補助光源によって前記警告灯モジュールに光を補充し、前記第1のカメラにより前記バックミラーの鏡のパターンに対して前記第2撮影ステップの撮影を行う時に、前記補助光源により前記バックミラーの鏡のパターンに光を補充することを特徴とする請求項1に記載の警告灯モジュールをバックミラーの鏡に組み立てる方法。