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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065597
(43)【公開日】2022-04-27
(54)【発明の名称】印刷回路基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20220420BHJP
【FI】
H05K1/02 L
H05K1/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021006430
(22)【出願日】2021-01-19
(31)【優先権主張番号】10-2020-0133219
(32)【優先日】2020-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジェ フン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ヨン スーン
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA01
5E338AA02
5E338AA03
5E338BB02
5E338BB14
5E338CD05
5E338EE23
5E338EE32
(57)【要約】
【課題】露光工程のマージン確保を可能とし、且つ回路集積度を向上させることができる印刷回路基板を提供する。
【解決手段】
本発明は、絶縁層と、上記絶縁層上に配置される回路層と、を含み、上記回路層は第1及び第2回路パターンを含み、上記第1及び第2回路パターンはそれぞれ、断面上において、第1側面、上記第1側面の反対側である第2側面、及び上記第1及び第2側面のそれぞれの先端と連結されるトップ面を有し、上記第1及び第2回路パターンのそれぞれの上記第1側面は互いに対向するように配置され、上記第1及び第2回路パターンのそれぞれの上記第1側面の高さが上記第1及び第2回路パターンのそれぞれの上記第2側面の高さよりも高い印刷回路基板に関するものである。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に配置される第1回路層と、を含み、
前記第1回路層は第1及び第2回路パターンを含み、
前記第1及び第2回路パターンはそれぞれ、断面上において、第1側面、前記第1側面の反対側である第2側面、及び前記第1及び第2側面のそれぞれの先端と連結されるトップ面を有し、
前記第1及び第2回路パターンのそれぞれの前記第1側面は互いに対向するように配置され、前記第1及び第2回路パターンのそれぞれの前記第1側面の高さが前記第1及び第2回路パターンのそれぞれの前記第2側面の高さよりも高い、印刷回路基板。
【請求項2】
前記第1及び第2回路パターンが微細回路部を一対で構成し、
前記第1回路層は前記微細回路部を複数個含む、請求項1に記載の印刷回路基板。
【請求項3】
前記第1絶縁層は前記複数の微細回路部間において溝部を有する、請求項2に記載の印刷回路基板。
【請求項4】
前記溝部は、前記第1及び第2回路パターン間における前記第1絶縁層の上面を基準に前記第1絶縁層の下面に向かってリセスする、請求項3に記載の印刷回路基板。
【請求項5】
前記第1及び第2回路パターンのそれぞれの前記トップ面は、前記第1及び第2回路パターンのそれぞれの前記第1側面の先端から前記第1及び第2回路パターンのそれぞれの前記第2側面の先端までの高さが徐々に小さくなるラウンド状を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の印刷回路基板。
【請求項6】
前記第1及び第2回路パターンのそれぞれの前記トップ面は変曲点を有し、
前記第1及び第2回路パターンのそれぞれの前記トップ面は、前記第1及び第2回路パターンのそれぞれの前記第1側面の先端から前記第1及び第2回路パターンのそれぞれの前記変曲点までの高さが徐々に大きくなる第1トップ面、及び前記第1及び第2回路パターンのそれぞれの前記変曲点から前記第1及び第2回路パターンのそれぞれの前記第2側面の先端までの高さが徐々に小さくなる第2トップ面を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の印刷回路基板。
【請求項7】
前記第1絶縁層上に配置され、且つ前記第1回路層を覆う第2絶縁層と、
前記第2絶縁層上に配置される第2回路層と、をさらに含み、
前記第2回路層は第3及び第4回路パターンを含み、
前記第3及び第4回路パターンはそれぞれ、断面上において、第1側面、前記第1側面の反対側である第2側面、及び前記第1及び第2側面のそれぞれの先端と連結されるトップ面を有し、
前記第3及び第4回路パターンのそれぞれの前記第1側面は互いに対向するように配置され、
前記第3及び第4回路パターンのそれぞれの前記第1側面の高さは、前記第3及び第4回路パターンのそれぞれの前記第2側面の高さよりも大きい、請求項1から6のいずれか一項に記載の印刷回路基板。
【請求項8】
前記第2絶縁層を貫通するビアパターンをさらに含み、
前記第1及び第2回路層はそれぞれ第1及び第2パッドパターンをさらに含み、
前記第1及び第2パッドパターンは前記ビアパターンを介して連結され、
前記第2パッドパターンは、前記ビアパターンとの境界なく一体化する第1領域、及び前記第1領域を囲み、且つ前記第1領域との境界が存在する第2領域を含む、請求項7に記載の印刷回路基板。
【請求項9】
前記第1及び第2回路パターンはそれぞれ金属材料を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の印刷回路基板。
【請求項10】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に配置される第1回路層と、を含み、
前記第1回路層は、側面が互いに対向するように一対で配置される第1及び第2回路パターン、及び前記第1及び第2回路パターンと独立して配置される第3回路パターンを含み、
前記第3回路パターンは、前記第1及び第2回路パターンのそれぞれよりも線幅が大きい、印刷回路基板。
【請求項11】
前記第3回路パターンは前記第1及び第2回路パターンのそれぞれよりも高さが大きい、請求項10に記載の印刷回路基板。
【請求項12】
前記第1及び第2回路パターンはシード層なしに配置され、
前記第3回路パターンはシード層を含む、請求項10または11に記載の印刷回路基板。
【請求項13】
前記第1及び第2回路パターンが微細回路部を一対で構成し、
前記回路層は前記微細回路部を複数個含み、
前記回路層は前記第3回路パターンを複数個含む、請求項10から12のいずれか一項に記載の印刷回路基板。
【請求項14】
前記複数の微細回路部のそれぞれの前記第1及び第2回路パターン間の間隔は、前記複数の第3回路パターン間の間隔よりも小さく、前記複数の微細回路部間の間隔は、前記複数の第3回路パターン間の間隔よりも小さい、請求項13に記載の印刷回路基板。
【請求項15】
前記第1絶縁層上に配置され、且つ前記第1回路層を覆う第2絶縁層と、
前記第2絶縁層上に配置される第2回路層と、をさらに含み、
前記第2回路層は、側面が互いに対向するように一対で配置される第4及び第5回路パターン、及び前記第4及び第5回路パターンと独立して配置される第6回路パターンを含み、
前記第6回路パターンは前記第4及び第5回路パターンのそれぞれよりも線幅が大きい、請求項10から14のいずれか一項に記載の印刷回路基板。
【請求項16】
前記第2絶縁層を貫通するビアパターンをさらに含み、
前記第3及び第6回路パターンは前記ビアパターンを介して連結され、
前記第6回路パターンは前記ビアパターンとの境界なく一体化する、請求項15に記載の印刷回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷回路基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、電子部品産業において5G高速通信や人工知能に対応するために、高集積のPCB(Printed Circuit Board)が要求されている。微細回路技術は、高集積PCBのための重要な技術であり、現在の業界では回路パターンのライン及びスペースを削減するための研究開発が活発に進行されつつある。
【0003】
一般に、PCB分野で実現する回路形成方法は、SAP(Semi Additive Process)、MSAP(Modified Semi Additive Process)、TT(Tenting)などである。但し、かかるめっき工程は、露光工程及び等方性エッチング(ウェットエッチング)の工程マージンによって回路パターンのライン及びスペースを所望するだけ減らすのに限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明のいくつかの目的のうちの一つは、露光工程のマージン確保が可能な印刷回路基板を提供することである。
【0005】
本発明のいくつかの目的のうちの他の一つは、回路集積度を向上させることができる印刷回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明を通じて提案するいくつかの解決手段のうちの一つは、スペーサー工法及び異方性エッチング工程を用いることにより、それぞれの一側面が互いに対向するように隣接して配置される一対の微細回路パターンを実現することである。
【0007】
例えば、本発明で提案する一例による印刷回路基板は、第1絶縁層と、上記第1絶縁層上に配置される第1回路層と、を含み、上記第1回路層は第1及び第2回路パターンを含み、上記第1及び第2回路パターンはそれぞれ、断面上において、第1側面、上記第1側面の反対側である第2側面、及び上記第1及び第2側面のそれぞれの先端と連結されるトップ面を有し、上記第1及び第2回路パターンのそれぞれの上記第1側面は互いに対向するように配置され、上記第1及び第2回路パターンのそれぞれの上記第1側面の高さが上記第1及び第2回路パターンのそれぞれの上記第2側面の高さよりも高くてもよい。
【0008】
例えば、本発明で提案する他の一例による印刷回路基板は、第1絶縁層と、上記第1絶縁層上に配置される第1回路層と、を含み、上記第1回路層は、側面が互いに対向するように一対で配置される第1及び第2回路パターン、及び上記第1及び第2回路パターンと独立して配置される第3回路パターンを含み、上記第3回路パターンは、上記第1及び第2回路パターンのそれぞれよりも線幅が大きくてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のいくつかの効果のうちの一つとして、露光工程のマージン確保が可能な印刷回路基板を提供できることが挙げられる。
【0010】
本発明のいくつかの効果のうちの他の一つとして、回路集積度を向上させることができる印刷回路基板を提供できることが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
図2】電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
図3】印刷回路基板の一例を概略的に示す断面図である。
図4図3の印刷回路基板の製造一例を概略的に示す工程図である。
図5図3の印刷回路基板の製造一例を概略的に示す工程図である。
図6】印刷回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
図7図6の印刷回路基板の製造一例を概略的に示す工程図である。
図8図6の印刷回路基板の製造一例を概略的に示す工程図である。
図9図6の印刷回路基板の製造一例を概略的に示す工程図である。
図10】印刷回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
図11図10の印刷回路基板の製造一例を概略的に示す工程図である。
図12図10の印刷回路基板の製造一例を概略的に示す工程図である。
図13】印刷回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
図14図13の印刷回路基板の製造一例を概略的に示す工程図である。
図15図13の印刷回路基板の製造一例を概略的に示す工程図である。
図16図13の印刷回路基板の製造一例を概略的に示す工程図である。
図17図13の印刷回路基板の製造一例を概略的に示す工程図である。
図18】印刷回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
図19】印刷回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
図20】印刷回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
図21】印刷回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
図22】電子部品パッケージの一例を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を参照して、本発明について詳細に説明する。図面における要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張又は縮小されることができる。
【0013】
図1は電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
図1を参照すると、電子機器1000は、メインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040が物理的及び/又は電気的に連結されている。これらは、後述する他の電子部品とも結合されて、様々な信号ライン1090を形成する。
【0014】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップ;セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラーなどのアプリケーションプロセッサチップ;アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の形態のチップ関連部品が含まれ得る。また、これらチップ関連部品1020が互いに組み合わされてもよい。チップ関連部品1020は、上述のチップを含むパッケージの形態であってもよい。
【0015】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(登録商標)(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM(登録商標)、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の多数の無線又は有線標準やプロトコルのうち任意のものが含まれ得る。また、ネットワーク関連部品1030が、チップ関連部品1020とともに互いに組み合わされてパッケージの形態で提供されることもできる。
【0016】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(Low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルター、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の様々な用途のために用いられるチップ部品形態の受動部品などが含まれ得る。また、その他の部品1040が、チップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030とともに互いに組み合わされてパッケージの形態で提供されることもできる。
【0017】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されているか、又は連結されていない他の電子部品を含むことができる。他の電子部品としては、例えば、カメラ1050、アンテナ1060、ディスプレイ1070、電池1080などが挙げられる。但し、これらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、羅針盤、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカー、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、及びDVD(digital versatile disk)などであってもよい。また、これら以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために用いられるその他の部品などが含まれ得ることは言うまでもない。
【0018】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、携帯情報端末(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピューター(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであることができる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0019】
図2は電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
図2を参照すると、電子機器は、例えば、スマートフォン1100であってもよい。スマートフォン1100の内部には、メインボード1110が収容されており、かかるメインボード1110には、様々な電子部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。また、カメラモジュール1130及び/又はスピーカー1140などが内部に収容されている。電子部品1120のうち一部は、上述したチップ関連部品であることができ、例えば、パッケージ基板上に複数の電子部品が実装された電子部品パッケージ1121であってもよいが、これに限定されるものではない。一方、電子機器は、必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述のように、他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0020】
図3は印刷回路基板の一例を概略的に示す断面図である。
図3を参照すると、一例による印刷回路基板100Aは、絶縁層111、及び絶縁層111上に配置される回路層121を含む。回路層121は、第1回路パターン121a及び第2回路パターン121bを含む。第1回路パターン121aは、断面上において、第1側面121a1、第1側面121a1の反対側である第2側面121a2、及び第1及び第2側面121a1、121a2のそれぞれの先端と連結されるトップ面121a3を有する。第2回路パターン121bも、断面上において、第1側面121b1、第1側面121b1の反対側である第2側面121b2、及び第1及び第2側面121b1、121b2のそれぞれの先端と連結されるトップ面121b3を有する。第1回路パターン121a及び第2回路パターン121bは、おおよそ対称状の微細回路部121abを一対で構成することができ、回路層121は、かかる微細回路部121abを複数個含むことができる。
【0021】
微細回路部121abにおいて、第1回路パターン121a及び第2回路パターン121bは、それぞれの第1側面121a1、121b1が互いに対向するように配置されることができる。第1回路パターン121aは、第1側面121a1の高さが第2側面121a2の高さよりも高く、トップ面121a3が第1側面121a1の先端から第2側面121a2の先端までの高さが徐々に小さくなるラウンド状を有することができる。第2回路パターン121bも、第1側面121b1の高さが第2側面121b2の高さよりも大きく、トップ面121b3が第1側面121b1の先端から第2側面121b2の先端までの高さが徐々に小さくなるラウンド状を有することができる。
【0022】
絶縁層111は、微細回路部121abの間において溝部111gを有することができる。かかる溝部111gは、それぞれの微細回路部121abの第1回路パターン121aと第2回路パターン121bの間には形成されなくてもよい。これにより、溝部111gは、それぞれの微細回路部121abの第1回路パターン121aと第2回路パターン121bの間における絶縁層111の上面を基準に絶縁層111の下面に向かってリセスしたものであってもよい。
【0023】
後述する工程から分かるように、かかる構造の第1回路パターン121a及び第2回路パターン121bを含む微細回路部121abは、スペーサー工法及び異方性エッチング工程を介して形成されることができる。この場合、後述のように、ラインとスペースの割合を一対多の関係にして感光性材料を露光しても、結果として、ライン及びスペースがおおよそ一対一程度である微細回路パターンを実現することができるため、露光工程のマージン確保が可能である。これにより、回路集積度を向上させることができる。
【0024】
以下では、添付された図面を参照して、一例による印刷回路基板100Aの構成要素についてさらに説明する。
【0025】
絶縁層111の材料としては、絶縁材料を用いることができる。絶縁材料としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂やポリイミドのような熱可塑性樹脂、及びこれらの樹脂にシリカなどの無機フィラー及び/又はガラス繊維などの補強材が含まれるもの、例えば、CCL(Copper Clad Laminate)、PPG(Prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)などを用いることができる。但し、これに限定されるものではなく、かかる非感光性絶縁材料の他にも、感光性絶縁材料であるPID(Photo Imageable Dielectric)などを用いることができる。必要に応じて、絶縁層111の材料としてセラミックなどの無機材料を用いることもできる。
【0026】
回路層121の材料としては、金属材料を用いることができる。金属材料としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などを用いることができる。例えば、第1及び第2回路パターン121a、121bは銅(Cu)を含むことができる。回路層121の微細回路部121ab、すなわち、第1及び第2回路パターン121a、121bはそれぞれ、設計デザインに応じて、様々な機能を行うことができる。例えば、グランドパターン、パワーパターン、信号パターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれライン状を有することができる。例えば、第1及び第2回路パターン121a、121bはそれぞれライン状であってもよく、図面上では、かかるライン状の第1及び第2回路パターン121a、121bの線幅及びライン間の間隔、すなわち、ライン及びスペースが示されるように一断面を示すものであってもよい。
【0027】
図4及び図5図3の印刷回路基板の製造一例を概略的に示す工程図である。
図4を参照すると、先ず、絶縁層111を設ける。次に、絶縁層111上にパターン化されたドライフィルム210を配置する。ドライフィルム210は感光性材料を含むことができる。ドライフィルム210は、ラインx1とスペースx2の割合がおおよそ一対多の関係、例えば、1:3程度になるようにパターン化されることができる。次に、絶縁層111上にパターン化されたドライフィルム210を覆うようにパターンめっき層121pを形成する。パターンめっき層121pは、無電解めっきなどの等方性めっき工程を介して形成されることができる。
【0028】
図5を参照すると、次に、異方性エッチング工程を行う。異方性エッチング工程は、ドライエッチング工程を用いて行うことができる。異方性エッチング工程が進行すると、一対の第1及び第2回路パターン121a、121bをそれぞれ含む微細回路部121abが複数個形成される。このとき、ドライフィルム210が存在しない微細回路部121ab間の絶縁層111の領域には溝部111gが形成されることができる。次に、ドライフィルム210を剥離すると、ラインとスペースの割合がおおよそ1:1程度である第1及び第2回路パターン121a、121b、ならびにこれを含む微細回路部121abを得ることができる。一連の過程を介して、上述した一例による印刷回路基板100Aを製造することができる。
【0029】
図6は印刷回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
図6を参照すると、他の一例による印刷回路基板100Bは、上述した印刷回路基板100Aとは異なって、回路層121、122が多層で構成され、かかる多層の回路層121、122間の電気的連結のために、回路層121、122がそれぞれパッドパターン121vp、122vpをさらに含み、それぞれの絶縁層111、112にはパッドパターン121vp、122vpと連結されるビアパターン131、132が形成される。例えば、他の一例による印刷回路基板100Bは、第1絶縁層111、第1絶縁層111上に配置される第1回路層121、第1絶縁層111を貫通する第1ビアパターン131、第1絶縁層111上に配置され、且つ第1回路層121を覆う第2絶縁層112、第2絶縁層112上に配置される第2回路層122、及び第2絶縁層112を貫通する第2ビアパターン132を含むことができる。このとき、第1回路層121は、第1及び第2回路パターン121a、121bならびに第1パッドパターン121vpを含むことができ、第2回路層122は、第3及び第4回路パターン122a、122bならびに第2パッドパターン122vpを含むことができる。第1ビアパターン131は、第1パッドパターン121vpと連結されることができ、第2ビアパターン132は、第1及び第2パッドパターン121vp、122vpと連結されることができる。
【0030】
後述する工程において、第2パッドパターン122vpは、第2ビアパターン132との境界なく一体化する第1領域R1、及び第1領域R1を囲み、且つ第1領域R1との境界が存在する第2領域R2を含むことを特徴とすることができる。同様に、第1パッドパターン121vpも、第1ビアパターン131との関係においてかかる第1及び第2領域を有することができる。第1及び第2回路パターン121a、121bは、おおよそ対称状の第1微細回路部121abを一対で構成することができる。第1微細回路部121ab間の第1絶縁層111には第1溝部111g1が形成されることができる。その他にも、第1パッドパターン121vp間の第1絶縁層111に第2溝部111g2が形成されることができ、第1微細回路部121abと第1パッドパターン121vpの間の第1絶縁層111に第3溝部111g3が形成されることができる。同様に、第3及び第4回路パターン122a、122bも、おおよそ対称状の第2微細回路部122abを一対で構成することができる。第2微細回路部122ab間の第2絶縁層112には第4溝部112g1が形成されることができる。その他にも、第2パッドパターン122vp間の第2絶縁層112に第5溝部112g2が形成されることができ、第2微細回路部122abと第2パッドパターン122vpの間の第2絶縁層112に第6溝部112g3が形成されることができる。第1及び第2回路パターン121a、121bの形状及び配置は、上述のとおりであり、第3及び第4回路パターン122a、122bの形状及び配置も同様である。
【0031】
以下では、添付された図面を参照して、他の一例による印刷回路基板100Bの構成要素についてさらに説明する。
【0032】
第1及び第2絶縁層111、112の材料としては、絶縁材料を用いることができる。絶縁材料としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂やポリイミドのような熱可塑性樹脂、及びこれらの樹脂にシリカなどの無機フィラー及び/又はガラス繊維などの補強材が含まれるもの、例えば、CCL、PPG、ABFなどを用いることができる。但し、これに限定されるものではなく、かかる非感光性絶縁材料の他にも、感光性絶縁材料であるPIDなどを用いることができる。必要に応じて、第1及び第2絶縁層111、112の材料としてセラミックなどの無機材料を用いることもできる。
【0033】
第1及び第2回路層121、122の材料としては、金属材料を用いることができる。金属材料としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などを用いることができる。例えば、第1及び第2回路パターン121a、121bならびに第1パッドパターン121vpは銅(Cu)を含むことができる。また、第3及び第4回路パターン122a、122bならびに第2パッドパターン122vpも銅(Cu)を含むことができる。第1及び第2回路層121、122の第1及び第2微細回路部121ab、122ab、すなわち、第1及び第2回路パターン121a、121bならびに第3及び第4回路パターン122a、122bはそれぞれ、設計デザインに応じて、様々な機能を行うことができる。例えば、グランドパターン、パワーパターン、信号パターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれライン状を有することができる。例えば、第1及び第2回路パターン121a、121bならびに第3及び第4回路パターン122a、122bはそれぞれライン状であってもよく、図面上では、かかるライン状の第1及び第2回路パターン121a、121bならびに第3及び第4回路パターン122a、122bの線幅及びライン間の間隔、すなわち、ライン及びスペースが示されるように一断面を示すものであってもよい。一方、第1及び第2パッドパターン121vp、122vpも、グランド用パッドパターン、パワー用パッドパターン、信号用パッドパターンなど、様々な用途のパッドパターンであってもよい。
【0034】
第1及び第2ビアパターン131、132の材料としては、金属材料を用いることができる。金属材料としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などを用いることができる。例えば、第1及び第2ビアパターン131、132は銅(Cu)を含むことができる。第1及び第2ビアパターン131、132はそれぞれ、設計デザインに応じて、信号用ビア、グランド用ビア、パワー用ビアなどを含むことができる。第1及び第2ビアパターン131、132は、金属材料で充填された形であることができる。第1及び第2ビアパターン131、132はテーパー状を有することができる。
【0035】
図7図9図6の印刷回路基板の製造一例を概略的に示す工程図である。
図7を参照すると、先ず、第1絶縁層111に第1回路層121及び第1ビアパターン131を形成し、第1絶縁層111上に第2絶縁層112を形成する。第1回路層121及び第1ビアパターン131を形成する方法は、後述する第2回路層122及び第2ビアパターン132を形成する方法と同一であるため、詳細な説明は省略する。その後、第2絶縁層112に第1パッドパターン121vpを露出させるビアホール112vhを形成する。ビアホール112vhは、第2絶縁層112の材料に応じて、機械的ドリル及び/又はレーザードリルなどで形成してもよく、フォトリソグラフィ工程などで形成してもよい。次に、第2絶縁層112上にビアホール112vhを露出させる開口310phを有するビアパッド用ドライフィルム310を形成する。ビアパッド用ドライフィルム310は、感光性材料を含むことができる。次に、電解めっきなどで第2絶縁層112のビアホール112vh、及びビアパッド用ドライフィルム310の開口310phを満たしてビアめっき層132pを形成する。
【0036】
図8を参照すると、次に、ビアパッド用ドライフィルム310を剥離する。次に、第2絶縁層112上にパターン化されたドライフィルム220を配置する。ドライフィルム220は感光性材料を含むことができる。上述のように、ドライフィルム220は、ラインとスペースの割合がおおよそ一対多の関係、例えば、1:3程度になるようにパターン化されることができる。次に、第2絶縁層112上にパターン化されたドライフィルム220を覆うようにパターンめっき層122pを形成する。パターンめっき層122pは、無電解めっきなどの等方性めっき工程を介して形成されることができる。
【0037】
図9を参照すると、次に、異方性エッチング工程を行う。異方性エッチング工程は、ドライエッチング工程を用いて行うことができる。異方性エッチング工程が進行すると、一対の第3及び第4回路パターン122a、122bをそれぞれ含む微細回路部122abが複数個形成される。また、複数の第2パッドパターン122vpが形成される。尚、第2ビアパターン132が形成される。第2パッドパターン122vpは、ビアめっき層132pの一部及びパターンめっき層122pの一部を含むことができる。ドライフィルム220が存在しない微細回路部122ab間の第2絶縁層112の領域、第2パッドパターン122vp間の第2絶縁層112の領域、及び微細回路部122abと第2パッドパターン122vpの間の第2絶縁層112の領域にはそれぞれ第4~第6溝部112g1、112g2、112g3が形成されることができる。次に、ドライフィルム220を剥離すると、ラインとスペースがおおよそ1:1程度である第3及び第4回路パターン122a、122b、ならびにこれを含む微細回路部122abを得ることができる。一連の過程を介して、上述した他の一例による印刷回路基板100Bを製造することができる。
【0038】
図10は印刷回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
図10を参照すると、他の一例による印刷回路基板100Cは、上述した一例による印刷回路基板100Aとは異なって、回路層121が第1及び第2回路パターン121a、121bの他にも、第3パッドパターン121cをさらに含む。上述のように、第1及び第2回路パターン121a、121bは、側面が互いに対向するように配置されて微細回路部121abを一対で構成し、第3回路パターン121cがこれと独立して配置される。第3回路パターン121cは、一般のSAPやMSAPなどのめっき工程を介して形成される回路パターンであって、微細回路パターンである第1及び第2回路パターン121a、121bのそれぞれよりも線幅及び高さが大きい。
【0039】
後述する工程において、第1及び第2回路パターン121a、121bは、無電解めっきなどの等方めっき層のみを含むことができることから、シード層なしに配置されることを特徴とする。これに対し、第3回路パターン121cは、等方めっき層上に形成される電解めっき層を含むことができることから、シード層Sを含むことができる。すなわち、第3回路パターン121cを構成する金属層の層数は、第1及び第2回路パターン121a、121bのそれぞれを構成する金属層の層数よりも多くてもよい。第1及び第2回路パターン121a、121bは、一対の微細回路部121abを構成することができ、回路層121は、微細回路部121abを複数個含むことができる。また、回路層121は、第3回路パターン121cも複数個含むことができる。複数の微細回路部121abのそれぞれの第1及び第2回路パターン121a、121b間の間隔は、複数の第3回路パターン121c間の間隔よりも小さくてもよく、複数の微細回路部121ab間の間隔も、複数の第3回路パターン121c間の間隔よりも小さくてもよい。微細回路部121ab間の絶縁層111には第1溝部111g1が形成されることができる。また、第3回路パターン121c間の絶縁層111には第2溝部111g2が形成されることができ、微細回路部121abと第3回路パターン121cの間の絶縁層111には第3溝部111g3が形成されることができる。第1及び第2回路パターン121a、121bの形状及び配置は上述したとおりである。
【0040】
以下では、添付された図面を参照して、他の一例による印刷回路基板100Cの構成要素についてさらに説明する。
【0041】
回路層121の材料としては、金属材料を用いることができる。金属材料としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などを用いることができる。例えば、第1及び第2回路パターン121a、121bならびに第3回路パターン121cは銅(Cu)を含むことができる。回路層121の第1及び第2回路パターン121a、121bならびに第3回路パターン121cはそれぞれ、設計デザインに応じて、様々な機能を行うことができる。例えば、グランドパターン、パワーパターン、信号パターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれラインやパッドなどの形態を有することができる。例えば、第1及び第2回路パターン121a、121bならびに第3回路パターン121cはそれぞれライン状であってもよく、図面上では、かかるライン状の第1及び第2回路パターン121a、121bならびに第3回路パターン121cの線幅及びライン間の間隔、すなわち、ライン及びスペースが示されるように一断面を示すものであってもよい。
【0042】
図11及び図12図10の印刷回路基板の製造一例を概略的に示す工程図である。
図11を参照すると、先ず、絶縁層111を設け、絶縁層111上にパターン化した第1ドライフィルム210を配置した後、第1ドライフィルム210を覆うように第1パターンめっき層121p1を形成する。これについての詳細な説明は上述のとおりである。次に、第1パターンめっき層121p1上に開口320phを有する第2ドライフィルム320を配置する。第2ドライフィルム320も感光性材料を含むことができる。次に、電解めっきなどを介して第2ドライフィルム320の開口320phを充填することで第2パターンめっき層121p2を形成する。このとき、第1パターンめっき層121p1はシード層として機能することができる。
【0043】
図12を参照すると、次に、第2ドライフィルム320を剥離する。次に、異方性エッチング工程を行う。異方性エッチング工程は、ドライエッチング工程を用いて行うことができる。異方性エッチング工程が進行すると、一対の第1及び第2回路パターン121a、121bをそれぞれ含む微細回路部121abが複数個形成される。また、シード層Sを含む第3回路パターン121cが複数個形成される。このとき、第1ドライフィルム210が存在しない微細回路部121ab間の絶縁層111の領域、第3回路パターン121c間の絶縁層111の領域、及び微細回路部121abと第3回路パターン121cの間の絶縁層111の領域にはそれぞれ第1~第3溝部111g1、111g2、111g3が形成されることができる。次に、第1ドライフィルム210を剥離すると、ラインとスペースがおおよそ1:1程度である第1及び第2回路パターン121a、121b、ならびにこれを含む微細回路部121abを得ることができる。一連の過程を介して、上述した他の一例による印刷回路基板100Cを製造することができる。
【0044】
図13は印刷回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
図13を参照すると、他の一例による印刷回路基板100Dは、上述した他の一例による印刷回路基板100Cとは異なって、回路層121、122が多層で構成され、かかる多層の回路層121、122間の電気的連結のために、それぞれの絶縁層111、112にはビアパターン131、132が形成される。例えば、他の一例による印刷回路基板100Dは、第1絶縁層111、第1絶縁層111上に配置される第1回路層121、第1絶縁層111を貫通する第1ビアパターン131、第1絶縁層111上に配置され、且つ第1回路層121を覆う第2絶縁層112、第2絶縁層112上に配置される第2回路層122、及び第2絶縁層112を貫通する第2ビアパターン132を含むことができる。このとき、第1回路層121は、第1及び第2回路パターン121a、121bならびに第3回路パターン121cを含むことができ、第2回路層122は、第4及び第5回路パターン122a、122bならびに第6回路パターン122cを含むことができる。第1ビアパターン131は、第3回路パターン121cと連結されることができ、第2ビアパターン132は、第3及び第6回路パターン121c、122cと連結されることができる。
【0045】
後述する工程において、第3回路パターン121cのうち少なくとも一つは、第1ビアパターン131と一体化することができ、第1シード層S1を含むことができる。同様に、第6回路パターン122cのうち少なくとも一つは、第2ビアパターン132と一体化することができ、第2シード層S2を含むことができる。第1及び第2回路パターン121a、121bは、おおよそ対称状の第1微細回路部121abを一対で構成することができる。第1微細回路部121ab間の第1絶縁層111には第1溝部111g1が形成されることができる。その他にも、第3回路パターン121c間の第1絶縁層111には第2溝部111g2が形成されることができ、第1微細回路部121abと第3回路パターン121cの間の第1絶縁層111には第3溝部111g3が形成されることができる。同様に、第4及び第5回路パターン122a、122bも、おおよそ対称状の第2微細回路部122abを一対で構成することができる。第2微細回路部122ab間の第2絶縁層112には第4溝部112g1が形成されることができる。その他にも、第6回路パターン122c間の第2絶縁層112には第5溝部112g2が形成されることができ、第2微細回路部122abと第6回路パターン122cの間の第2絶縁層112には第6溝部112g3が形成されることができる。第1~第3回路パターン121a、121b、121cの形状及び配置は上述したとおりであり、第4~第6回路パターン122a、122b、122cの形状及び配置も同様である。
【0046】
以下では、添付された図面を参照して、他の一例による印刷回路基板100Dの構成要素についてさらに説明する。
【0047】
第1及び第2絶縁層111、112の材料としては、絶縁材料を用いることができる。絶縁材料としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂やポリイミドのような熱可塑性樹脂、及びこれらの樹脂にシリカなどの無機フィラー及び/又はガラス繊維などの補強材が含まれるもの、例えば、CCL、PPG、ABFなどを用いることができる。但し、これに限定されるものではなく、このような非感光性絶縁材料の他に、感光性絶縁材料であるPIDなどを用いることができる。必要に応じて、第1及び第2絶縁層111、112の材料としてセラミックなどの無機材料を用いることもできる。
【0048】
第1及び第2回路層121、122の材料としては、金属材料を用いることができる。金属材料としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などを用いることができる。例えば、第1及び第2回路パターン121a、121bならびに第3回路パターン121cは銅(Cu)を含むことができる。また、第4及び第5回路パターン122a、122bならびに第6回路パターン122cも銅(Cu)を含むことができる。第1及び第2回路パターン121a、121bならびに第3回路パターン121c、また、第4及び第5回路パターン122a、122bならびに第6回路パターン122cはそれぞれ、設計デザインに応じて、様々な機能を行うことができる。例えば、グランドパターン、パワーパターン、信号パターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれラインやパッドなどの形態を有することができる。例えば、第1及び第2回路パターン121a、121bならびに第3回路パターン121c、また、第4及び第5回路パターン122a、122bならびに第6回路パターン122cはそれぞれライン状であってもよく、図面上では、かかるライン状の第1及び第2回路パターン121a、121bならびに第3回路パターン121c、また、第4及び第5回路パターン122a、122bならびに第6回路パターン122cの線幅及びライン間の間隔、すなわち、ライン及びスペースが示されるように一断面を示すものであってもよい。
【0049】
第1及び第2ビアパターン131、132の材料としては、金属材料を用いることができる。金属材料としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などを用いることができる。例えば、第1及び第2ビアパターン131、132は銅(Cu)を含むことができる。第1及び第2ビアパターン131、132はそれぞれ、設計デザインに応じて、信号用ビア、グランド用ビア、パワー用ビアなどを含むことができる。第1及び第2ビアパターン131、132は、金属材料で充填された形であることができる。第1及び第2ビアパターン131、132はテーパー状を有することができる。
【0050】
図14図17図13の印刷回路基板の製造一例を概略的に示す工程図である。
図14を参照すると、先ず、第1絶縁層111上にパターン化された第1ドライフィルム210を配置する。第1ドライフィルム210についての説明は上述したとおりである。また、第1絶縁層111に第1ビアホール111vhを形成する。第1ビアホール111vhは、第1絶縁層111の材料に応じて、機械的ドリル及び/又はレーザードリルなどで形成してもよく、フォトリソグラフィ工程などで形成してもよい。次に、第1絶縁層111上に、第1ドライフィルム210を覆うように、第1パターンめっき層121p1を形成する。第1パターンめっき層121p1は、第1ビアホール111vhの壁面上にも配置することができる。第1パターンめっき層121p1は無電解めっきなどの等方性めっき工程を介して形成されることができる。次に、第1パターンめっき層121p1上に開口320phを有する第2ドライフィルム320を配置する。第2ドライフィルム320も感光性材料を含むことができる。
【0051】
図15を参照すると、次に、電解めっきなどを介して第2ドライフィルム320の開口320phを充填することで第2パターンめっき層121p2を形成する。第2パターンめっき層121p2は、第1ビアホール111vhも充填することができる。このとき、第1パターンめっき層121p1はシード層として機能することができる。次に、第2ドライフィルム320を剥離する。次に、異方性エッチング工程を行う。異方性エッチング工程は、ドライエッチング工程を用いて行うことができる。
【0052】
図16を参照すると、異方性エッチング工程が進行すると、一対の第1及び第2回路パターン121a、121bをそれぞれ含む微細回路部121abが複数個形成される。また、シード層Sを含む第3回路パターン121cが複数個形成される。尚、第3回路パターン121cと連結される第1ビアパターン131が形成される。このとき、第1ドライフィルム210が存在しない微細回路部121ab間の第1絶縁層111の領域、第3回路パターン121c間の第1絶縁層111の領域、及び微細回路部121abと第3回路パターン121cの間の第1絶縁層111の領域にはそれぞれ第1~第3溝部111g1、111g2、111g3が形成されることができる。次に、第1ドライフィルム210を剥離すると、ラインとスペースがおおよそ1:1程度である第1及び第2回路パターン121a、121b、ならびにこれを含む微細回路部121abを得ることができる。次に、第1絶縁層111上に第2絶縁層112を形成する。
【0053】
図17を参照すると、次に、第2絶縁層112に第2ビアホール112vhを形成する。第2ビアホール112vhは、第2絶縁層112の材料に応じて、機械的ドリル及び/又はレーザードリルなどで形成してもよく、フォトリソグラフィ工程などで形成してもよい。次に、第2絶縁層112上にパターン化された第3ドライフィルム220を配置する。第3ドライフィルム220についての説明は、上述した第1ドライフィルム210についての説明と同一である。次に、図14図16を介して説明した過程を繰り返す。一連の過程を介して、上述した他の一例による印刷回路基板100Dを製造することができる。
【0054】
図18は印刷回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
他の一例による印刷回路基板100Eは、上述した一例による印刷回路基板100Aとは異なって、第1及び第2回路パターン121a、121bのそれぞれのトップ面が変曲点を有する。かかる変曲点は、第1及び第2回路パターン121a、121bのトップ面の一部に対してエッチング工程を行って形成することができる。例えば、第1回路パターン121aのトップ面は、上述した第1側面の先端から変曲点までの高さが徐々に大きくなる第1トップ面121a3-1、及び変曲点から上述した第2側面の先端までの高さが徐々に小さくなる第2トップ面121a3-2を有することができる。また、第2回路パターン121bのトップ面は、上述した第1側面の先端から変曲点までの高さが徐々に大きくなる第1トップ面121b3-1、及び変曲点から上述した第2側面の先端までの高さが徐々に小さくなる第2トップ面121b3-2を有することができる。その他は上述したとおりである。
【0055】
図19は印刷回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
他の一例による印刷回路基板100Fは、上述した一例による印刷回路基板100Bとは異なって、第1及び第2回路パターン121a、121bならびに第3及び第4回路パターン122a、122bのそれぞれのトップ面が変曲点を有する。かかる変曲点は、第1及び第2回路パターン121a、121bならびに第3及び第4回路パターン122a、122bのトップ面の一部に対してエッチング工程を行って形成することができる。例えば、第1回路パターン121aのトップ面は、上述した第1側面の先端から変曲点までの高さが徐々に大きくなる第1トップ面121a3-1、及び変曲点から上述した第2側面の先端までの高さが徐々に小さくなる第2トップ面121a3-2を有することができる。また、第2回路パターン121bのトップ面は、上述した第1側面の先端から変曲点までの高さが徐々に大きくなる第1トップ面121b3-1、及び変曲点から上述した第2側面の先端までの高さが徐々に小さくなる第2トップ面121b3-2を有することができる。その他は上述したとおりである。同様に、第3回路パターン122aのトップ面は、上述した第1側面の先端から変曲点までの高さが徐々に大きくなる第1トップ面122a3-1、及び変曲点から上述した第2側面の先端までの高さが徐々に小さくなる第2トップ面122a3-2を有することができる。また、第4回路パターン122bのトップ面は、上述した第1側面の先端から変曲点までの高さが徐々に大きくなる第1トップ面122b3-1、及び変曲点から上述した第2側面の先端までの高さが徐々に小さくなる第2トップ面122b3-2を有することができる。その他は上述したとおりである。
【0056】
図20は印刷回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
他の一例による印刷回路基板100Gは、上述した一例による印刷回路基板100Cとは異なって、第1及び第2回路パターン121a、121bのそれぞれのトップ面が変曲点を有する。かかる変曲点は、第1及び第2回路パターン121a、121bのトップ面の一部に対してエッチング工程を行って形成することができる。例えば、第1回路パターン121aのトップ面は、上述した第1側面の先端から変曲点までの高さが徐々に大きくなる第1トップ面121a3-1、及び変曲点から上述した第2側面の先端までの高さが徐々に小さくなる第2トップ面121a3-2を有することができる。また、第2回路パターン121bのトップ面は、上述した第1側面の先端から変曲点までの高さが徐々に大きくなる第1トップ面121b3-1、及び変曲点から上述した第2側面の先端までの高さが徐々に小さくなる第2トップ面121b3-2を有することができる。その他は上述したとおりである。
【0057】
図21は印刷回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
他の一例による印刷回路基板100Hは、上述した一例による印刷回路基板100Dとは異なって、第1及び第2回路パターン121a、121bならびに第4及び第5回路パターン122a、122bのそれぞれのトップ面が変曲点を有する。かかる変曲点は、第1及び第2回路パターン121a、121bならびに第4及び第5回路パターン122a、122bのトップ面の一部に対してエッチング工程を行って形成することができる。例えば、第1回路パターン121aのトップ面は、上述した第1側面の先端から変曲点までの高さが徐々に大きくなる第1トップ面121a3-1、及び変曲点から上述した第2側面の先端までの高さが徐々に小さくなる第2トップ面121a3-2を有することができる。また、第2回路パターン121bのトップ面は、上述した第1側面の先端から変曲点までの高さが徐々に大きくなる第1トップ面121b3-1、及び変曲点から上述した第2側面の先端までの高さが徐々に小さくなる第2トップ面121b3-2を有することができる。その他は上述したとおりである。同様に、第4回路パターン122aのトップ面は、上述した第1側面の先端から変曲点までの高さが徐々に大きくなる第1トップ面122a3-1、及び変曲点から上述した第2側面の先端までの高さが徐々に小さくなる第2トップ面122a3-2を有することができる。また、第5回路パターン122bのトップ面は、上述した第1側面の先端から変曲点までの高さが徐々に大きくなる第1トップ面122b3-1、及び変曲点から上述した第2側面の先端までの高さが徐々に小さくなる第2トップ面122b3-2を有することができる。その他は上述したとおりである。
【0058】
図22は電子部品パッケージの一例を概略的に示す断面図である。
図22を参照すると、一例による電子部品パッケージ500は、パッケージ基板450、パッケージ基板450内に配置される連結構造体480、及びパッケージ基板450上に配置され、且つ連結構造体480を介して互いに電気的に連結される複数の電子部品410、420を含む。パッケージ基板450は、公知のBGA(Ball Grid Array)基板であってもよい。連結構造体480は微細回路を有する基板であってもよく、かかる基板には上述した印刷回路基板100A~100Hのうち少なくとも一つを適用することができる。複数の電子部品410、420はそれぞれ、ロジックチップ又はメモリチップであってもよい。このように、上述した印刷回路基板100A~100Hは微細回路が必要な基板に適用することができる。
【0059】
本発明において、「側部」や「側面」などの表現は、便宜上、図面を基準に左/右方向又はその方向における面を意味するものとして用いられ、「上側」、「上部」、「上面」などの表現は、便宜上、図面を基準に上の方向又はその方向における面を意味するものとして用いられ、「下側」、「下部」、「下面」などの表現は、便宜上、下の方向又はその方向における面を意味するものとして用いられる。加えて、「側部、上側、上部、下側、又は下部に位置する」というのは、対象の構成要素が基準となる構成要素及び該当構成要素の方向に直接接触する場合だけでなく、該当構成要素の方向に位置し、且つ直接接触しない場合も含む概念として用いられる。但し、これは、説明の便宜上、方向を定義したもので、特許請求の範囲の権利範囲がかかる方向の記載によって特に限定されるものではなく、上/下の概念などはいつでも変わり得る。
【0060】
本発明において「連結される」というのは、直接的に連結された場合だけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結された場合を含む概念である。また、「電気的に連結される」というのは、物理的に連結された場合と、連結されていない場合をともに含む概念である。尚、「第1」や「第2」などの表現は、一つの構成要素と他の構成要素を区分するために用いられるもので、該当する構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、本発明の範囲を外れずに、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、類似して第2構成要素は第1構成要素と命名されることもできる。
【0061】
本発明で用いられた「一例」又は「他の一例」という表現は、互いに同一の実施例を意味せず、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されるものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対であるか矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明であると理解されることができる。
【0062】
尚、本発明で用いられた用語は、一例を説明するために説明されたものであるだけで、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数を含む。
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