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特開2022-65630非アクティブ状態でのスモールデータ伝送用のリソースを事前設定するためにUEが用いる方法、及びこの方法を用いるUE
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065630
(43)【公開日】2022-04-27
(54)【発明の名称】非アクティブ状態でのスモールデータ伝送用のリソースを事前設定するためにUEが用いる方法、及びこの方法を用いるUE
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/32 20090101AFI20220420BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20220420BHJP
   H04W 72/14 20090101ALI20220420BHJP
【FI】
H04W16/32
H04W52/02 110
H04W72/14
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021164775
(22)【出願日】2021-10-06
(31)【優先権主張番号】63/092,506
(32)【優先日】2020-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/468,656
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】509024640
【氏名又は名称】エイサー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ACER INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(72)【発明者】
【氏名】林 榮懋
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA13
5K067AA43
5K067CC22
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
【課題】ユーザ装置が非アクティブ状態でスモールデータ伝送用のリソースを事前設定するために用いる方法、及びこの方法を用いるユーザ装置を提供する。
【解決手段】本発明は、ユーザ装置(UE)が非アクティブ状態でスモールデータ伝送用のリソースを事前設定するために用いる方法、及び同じ方法を用いるユーザ装置に指向したものである。好適例の1つでは、本発明は、UEが非アクティブ状態でスモールデータ伝送用のリソースを事前設定するために用いる方法に指向したものである。この方法は:非アクティブ状態に入る前にスモールデータ伝送用のCG設定を受信するステップと;SDT手順をトリガする前に、キャンピングセルが検証条件を満足するか否かを判定することによって、CG設定に関連するキャンピングセルのCGリソースを検証するステップであって、CG設定がセルのリストに関連するCG設定のリストを含むステップと;検証条件を満足するものと判定した際に、CGリソースをSDT手順用に利用するステップとを含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置(UE)が、非アクティブ状態でのスモールデータ伝送用のリソースを事前設定するために用いる方法であって、
非アクティブ状態に入る前に、スモールデータ伝送用の設定グラント(CG)設定を受信するステップと、
非アクティブ状態に入るステップと、
スモールデータ伝送(SDT)をトリガする前に、前記CG設定に関連するキャンピングセルが検証条件を満足するか否かを判定することによって、前記キャンピングセルのCGリソースを検証するステップであって、前記CG設定は、セルのリストに関連するCGリソース設定のリストを含むステップと、
前記検証条件を満足するものと判定すると、前記CGリソースを前記SDT用に利用するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記CG設定のリスト内のCGリソース設定の各々が、SDT用に用いられるCGリソース集合を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記CG設定のリスト内のCGリソース設定の各々が、CGリソースをスケジュールするために用いられるCG設定スケジュール((CG-ConfigSchedule)情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記検証条件が、前記キャンピングセルが、前記CG設定の前記セルのリスト内にあるか否かを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記検証条件が、前記キャンピングセルの前記CGリソースが有効であるか否かを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記キャンピングセルの前記CGリソースが有効であるか否かを、SDT用に予約したCGリソース(CG-SDT)の状態に応じて判定する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記CG設定に関連する前記キャンピングセルが前記検証条件を満足するか否かを判定することによって、前記キャンピングセルのCGリソースを検証するステップが、
最後のサービングセルが、前記予約したCG-SDTに属するか否か、及び前記最後のサービングセルのリソースの状態が、前記予約したCG-SDTにより有効であるものと示されているか否かを判定するステップと、
前記最後のサービングセルが、前記予約したCG-SDTに属し、前記最後のサービングセルの前記リソースの状態が、前記予約したCG-SDTにより有効であるものと示される際に、前記検証条件を満足するものと判定するステップと
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記CG設定に関連する前記キャンピングセルが前記検証条件を満足するか否かを判定することによって、前記キャンピングセルのCGリソースを検証するステップが、
前記キャンピングセルのCG-SDT設定番号が、前記予約したCG-SDTによれば有効であるか否かを判定するステップと、
前記キャンピングセルの前記CG-SDT設定番号が、前記予約したCG-SDTにより有効であるものと判定された際に、前記検証条件を満足するものと判定するステップと
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記CG設定に関連する前記キャンピングセルが前記検証条件を満足するか否かを判定することによって、前記キャンピングセルのCGリソースを検証するステップが、
請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記CGリソースを前記SDT用に利用するステップが、
前記CGリソースを用いることによって、アップリンク(UL)データを前記キャンピングセルへ送信することによって、前記SDTを実行するステップと、
前記ULデータを送信したことに応答して、応答メッセージを前記キャンピングセルから受信するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
タイマーを用いることによって、前記SDTが成功であるか否かを判定するステップと、
前記タイマーが時間切れになる前に、前記応答メッセージを受信した場合に、前記SDTが成功であるステップと、
前記タイマーが時間切れになる前に前記応答メッセージを受信しない場合に、あるいは前記タイマーが時間切れになった後に前記応答メッセージを受信した場合に、前記SDTが失敗であるステップと
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記SDTに失敗したことに応答して、ランダムアクセス・チャネル(RACH)ベースの手順を用いて、前記ULデータを再送信するステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記SDTに失敗したことに応答して、再開手順内の信号伝達を用いて、前記ULデータを再送信するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記SDTに失敗したことに応答して、一部のCGリソースをランダムにスキップした後に、他のCGリソースを用いて、前記ULデータを再送信するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記セルのリストに関連する前記CGリソース設定のリスト内のCGリソース設定の各々が、バージョン番号にさらに関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記検証条件が、前記キャンピングセルの前記CG設定が、前記バージョン番号によれば有効であるか否かをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記キャンピングセルの前記CG設定が無効であるものと判定された直後に、前記CG設定を前記キャンピングセルから再取得するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記SDTを実行する直前に、前記CG設定を前記キャンピングセルから再取得するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記キャンピングセルの前記CGリソースが、前記バージョン番号が正しくないことにより無効である場合に、前記CG設定を破棄するステップを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記CGリソース設定のリスト内のCGリソース設定の各々が、、当該CG-ConfigScheduleから前記CGリソースを取得した前記CG-ConfigScheduleに関連する、請求項3に記載の方法。
【請求項21】
前記CG-ConfigScheduleにより、前記CGリソースが有効であるか否かを検証するステップと、
前記CG-ConfigScheduleによれば前記CGリソースが有効である場合に、前記CGリソースを用いることによって前記SDTを実行するステップと、
前記CG-ConfigScheduleによれば前記CGリソースが無効である場合に、RACHベースの手順を用いることによって前記SDTを実行するステップと
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記検証条件を満足することにより前記CGリソースが有効であることに応答して、前記SDTを実行する前にCGリソース設定を取得する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記CGリソースが有効であることに応答して、前記SDTを実行する前に、前記CG-ConfigScheduleから前記CGリソース設定を取得する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
ミリメートル波(mm波)で動作するトランシーバと、
前記トランシーバに結合されたプロセッサとを具えたユーザ装置(UE)であって、
前記プロセッサは、
非アクティブ状態に入る前に、スモールデータ伝送用の設定グラント(CG)設定を受信し、
スモールデータ伝送(SDT)手順をトリガする前に、前記CG設定に関連するキャンピングセルが検証条件を満足するか否かを判定することによって、前記キャンピングセルのCGリソースを検証し、前記CG設定は、セルのリストに関連するCG設定のリストを含み、
前記検証条件を満足するものと判定すると、前記CGリソースを前記SDT用に利用する
ように構成されているUE。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ装置(UE:user equipment)が非アクティブ状態でのスモールデータ伝送用のリソースを事前設定するために用いる方法、及びこの方法を用いるUEに指向したものである。
【背景技術】
【0002】
現在、第5世代(5G:Fifth Generation)通信システムまたは新無線(NR:New Radio)及びその先のもの用に、装置が非アクティブ状態で動作しながらスモール(小規模)データを伝送する必要性が増加している。スモールデータは、通常、数キロバイトまたは何十キロバイトのオーダーであるデータを参照する。スモールデータ・トラフィックは、一般に、小規模で不定期なデータトラフィックを称し、一般に、インスタント・メッセージ(IM:instant message)サービス、IMまたは電子メール・クライアントからのハートビート(一定間隔通信)またはキープアライブ(定期通信)トラフィック、種々のアプリケーションからのプッシュ型通知、等のようなスマートホン関係の用途において発生する。スモールデータ・トラフィックは、ウェアラブル(装着型)機器からのデータトラフィック及び測位情報、産業用途からの周期的または非周期的なセンサ読み取り値、スマートメーターの読み取り値、等のような非スマートホン関係の用途においても発生し得る。
【0003】
スモールデータ伝送(SDT:small data transmission)の1つの目的は、タイミング・アライメント(TA:timing alignment:タイミング合わせ)情報がまだ有効である際に、設定グラント(CG:configured grant:設定された許可)タイプ1スキームを再開することによって、事前設定されたアップリンク(UL:uplink)リソース上でULデータを伝送することにある。新無線(NR)におけるCGタイプ1は、接続モードで動作するUEがULリソースを要求せずにULデータを送信するために用いることができる。UEのCGタイプ1リソース設定は、RRC(radio resource control:無線リソース制御)再設定メッセージのような専用のRRCメッセージによって解除することができる。以前のロングターム・エボリューション(LTE:Long-Term Evolution)通信システムでは、アイドル(待機)モードの下で動作するUEも、ULリソースを要求せずにULデータを送信することができる。こうした場合には、UEは、事前設定されたULリソース(PUR:preconfigured uplink resource)を用いることによってULデータを送信することができる。しかし、LTE通信システムでは、PURの使用は、不動ノードB(NB:nodeB)のモノのインターネット(IoT:Internet-of-Things)UEのような特定のUEにしか適用可能でなく、UEのPURリソース設定は、PURリソースがもはや有効でない際に解除される。
【0004】
PURリソース設定は、有効なタイミング・アライメント(TA)情報を維持するUEのような特定条件下で有効にすることができる。PURリソース設定は、解放メッセージが受信されるセルにおいて有効であるが、一旦、UEが他のセルを再選択する際にセルの再選択が発生すると、PUR設定が無効になる。最後のサービング(サービス提供中の)セル上でしか有効でないPUR設定にとって主要なことは、他のセル上に留まった後に、UL TAが未知になりやすいことである。従って、上述したPURの有効条件によれば、LTEにおけるPURスキームは、不動または安定なアイドルモードのUEにしか適用可能でない。
【0005】
現在、5GまたはNR通信システムについては、非アクティブなUE用に予約されたセルのリソース(例えば、pre-CG(事前設定グラント)設定)が導入されている。こうしたスキーム(方式)の下では、最後のサービングセルのCG-SDT設定のみが有効であるものと考えられる。このことは、非アクティブ状態のUEが他のセル上に留まるか他のセルを再選択すると、このCG-SDT設定が無効になることを意味する。従って、非アクティブ状態のUEがSDT用に設定されたCGを有する場合でも、非アクティブ状態のUEは小規模なULデータ伝送用に接続を確立する必要がある。NRセルは一般にLTEセルよりも小さいカバー領域を有することを考慮すれば、セル再選択は、非アクティブ状態下で動作する移動中のUEにとってより発生し易い。従って、CG-SDTスキームの有効性は、非アクティブ状態下で動作するこうした移動中のUEでは低下する。しかし、NRについては、他のセルを再選択するか他のセル上に留まるUEは、必ずしも当該UEのUL TAを未知にしないことがある。
【0006】
図1図3に3つのシナリオを示し、これらのシナリオ下では、非アクティブ状態下で動作するUEが最後のサービングセル以外のNRセル上に留まっていても、TAはまだ予測可能である。図1のシナリオについては、無線アクセス・ネットワーク(RAN:Radio Access Network)ベースのトラッキングエリア(追跡領域)(RNA:RAN-based tracking area)が、ミリメートル波(mm波)の下で動作する複数のセルを含み、セルのサイズはLTEセルに比べて小さい。RNA内では、図1に示すように、小さいセルサイズを有するセルが、0であるか0に近いUL TAを有することができる。このことは、RNA内の小さいNRセルについては、UEがこの種のセル上に留まる際に、UL TAを予測可能にすることができることを意味する。高速列車が非常に急速に高速専用ネットワーク(HSDN:High-Speed Dedicated Network)を通過し、HSDNは高速列車上のユーザにネットワーク・アクセスを提供すべく展開する複数の小さいセルである図2のシナリオについては、これらの小さいセル用のUL TAも0または0に近くすることができる。セル1、セル2、及びセル3が同じ場所に位置する図3のシナリオについては、UE1については、セル1、2、及び3に関連するUE1のUL TAが同じである。従って、UE1がセル1上に留まるか、セル2上に留まるか、セル3上に留まるかにかかわらず、UL TAはまだ既知である。
【0007】
従って、CG-SDT設定を、図1図3のシナリオまたは同様なシナリオ用に設定することができる場合、CG-SDTスキームの有効性を増加させることができる。しかし、こうしたことを実現すべき場合、CG-SDTスキームは、1つのセルにおいて有効でなければならないだけでなく、他のセルに拡張しなければならない。従って、非アクティブ状態で動作するUEが1つのセルから他のセルへ移動する際に、UEは、改良されたCG-SDTスキームの恩恵をまだ受けることができる。例えば、改良されたCG-SDTスキームをHSDNシナリオにおいて展開して、不変の接続設定によって生じる信号伝達の過負荷を低減することができ、UEが急速にセルからセルへ往来する際に解放することができる。例えば、こうしたネットワークは、同一場所に位置する複数のセルに関連する複数のCG-SDT設定を設定することによって、非アクティブ状態のUEを分布させて負荷平衡を実現することができる。しかし、現在、CG-SDTスキームを複数のセルに設定するための既知のメカニズムは存在しない。従って、上述した利益を実現するためには、複数のセルによる複数のCG-SDT設定を設定するために用いられる改良されたCG-SDTスキームが必要になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
技術課題
現在、複数のセルに上記CG-SDTスキームを設定するための既知のメカニズムは存在しない。改良されたCG-SDTスキームは、複数のセルによる複数のCG-SDT設定を設定して、背景の節で前述した利益を実現するために有用であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
課題の解決策
従って、本発明は、非アクティブ状態におけるスモールデータ伝送用のリソースを事前設定するためにユーザ装置(UE:user equipment)が用いる方法、及びこの方法を用いるUEに指向したものである。
【0010】
好適例のうちの1つでは、本発明は、UEが、非アクティブ状態でのスモールデータ伝送用のリソースを事前設定するために用いる方法に指向している。この方法は:非アクティブ状態に入る前に、スモールデータ伝送用の設定グラント(CG)設定を受信するステップと;スモールデータ伝送(SDT)手順をトリガする前に、このCG設定に関連するキャンピング(滞在中の)セルが検証条件を満足するか否かを判定することによって、このキャンピングセルのCGリソースを検証するステップであって、このCG設定は、セルのリストに関連するCG設定のリストを含むステップと;上記検証条件を満足するものと判定すると、このCG設定をSDT手順用に利用するステップとを含み、但しこれらのステップに限定されない。
【0011】
好適例のうちの1つでは、本発明はユーザ装置に指向し、このユーザ装置は:ミリメートル波(mm波)周波数で動作するトランシーバと、このトランシーバとを含み、但しこれらに限定されず、このプロセッサは:非アクティブ状態に入る前に、スモールデータ伝送用の設定グラント(CG)設定を受信し;スモールデータ伝送(SDT)手順をトリガする前に、キャンピングセルが検証条件を満足するか否かを判定することによって、このCG設定に関連するキャンピングセルのCGリソースを検証し、このCG設定は、セルのリストに関連するCG設定のリストを含み;上記検証条件を満足するものと判定すると、このCG設定をSDT手順用に利用するように構成されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、無線通信システムにおいて使用するのに適し、非アクティブ状態のUEが他の異なるセルに移動する際に、このUEがスモールデータをより効率的に伝送することを可能にする方法で、CG-SDTリソースを設定することができる。
【0013】
前述した本発明の特徴及び利点を分かり易くするために、図面を伴う好適な実施形態を以下に詳細に説明する。以上の一般的説明及び以下の詳細な説明は共に例示的であり、特許請求する発明のさらなる説明を提供することを意図していることは明らかである。
【0014】
しかし、この概要は本発明の態様及び実施形態の必ずしも全部を含み得ず、従って、いかなる方法でも制限的または限定的であることを意味しない。また、本発明は、当業者にとって自明である改良及び変更を含む。
【0015】
添付した図面は、本発明のさらなる理解をもたらすために含め、本明細書に含まれ、その一部を構成する。これらの図面は、本発明の実施形態を示し、その説明と共に、本発明の原理を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】mm波周波数で動作し小さいサイズを有するセルがRNA内に存在し、これらのセルのうち1つのセル内のTAを0にすることができるシナリオを示す図である。
図2】高速列車がHSDN内の複数のセルを横断し、これらのセルのうち1つのセル内のTAを0にすることができるシナリオを示す図である。
図3】UEが、同一場所に配置される複数のセルにわたって進行し、これらのセルのうち1つのセル内のTAを0にすることができるシナリオを示す図である。
図4】本発明の好適な実施形態による、非アクティブ状態におけるスモールデータ伝送用のデータ源を事前設定するためにUEが用いる方法を示す図である。
図5】本発明の好適な実施形態によるUEの部分的なハードウェア・ブロック図である。
図6】本発明の好適な実施形態による、複数のセルに関連する複数のCG設定を設定する手順を示す図であり、この手順は、少なくともCG-SDTリソース調整手順及びCG-SDT障害処理手順を含む。
図7】本発明の好適な実施形態による、CG-SDTリソース・ネゴシエーションの例を示す図である。
図8】本発明の好適な実施形態による、図7のCG-SDTリソース・ネゴシエーションの例において、予約されたCG-SDTリソースの状態を提供することに関する詳細を示す図である。
図9】本発明の好適な実施形態による、図7のCG-SDTリソース・ネゴシエーションの例におけるCG-SDTリソース解放メッセージに関する詳細を示す図である。
図10】本発明の好適な実施形態によるCG-SDTリソース設定の例を示す図である。
図11】本発明の好適な実施形態による、UEがCG-SDTをトリガする例を示す図である。
図12】本発明の好適な実施形態による、予約したCG-SDTリソースの状態がセルベースである際に、UEがCG-SDTをトリガする例を示す図である。
図13】本発明の好適な実施形態による、予約したCG-SDTリソースの状態がCG-SDT設定ベースである際に、UEがCG-SDTをトリガする例を示す図である。
図14】本発明の好適な実施形態による、予約したCG-SDTリソースがハイブリッドである際に、UEがCG-SDTをトリガする例を示す図である。
図15】本発明の第1の好適な実施形態に基づく、CG-SDT伝送の成功または失敗を判定する手順を示す図である。
図16】本発明の第1の好適な実施形態に基づく、CG-SFT伝送の失敗に対処する方法1を示す図である。
図17】本発明の第1の好適な実施形態に基づく、CG-SFT伝送の失敗に対処する方法2を示す図である。
図18】本発明の第1の好適な実施形態に基づく、CG-SFT伝送の失敗に対処する方法3を示す図である。
図19】本発明の第2の好適な実施形態による、CG-SDTリソース・ネゴシエーションの例を示す図である。
図20】本発明の第2の好適な実施形態による、CG-SDT設定の更新をサポートするためのCG-SDTリソース・ネゴシエーションの例において、予約されたCG-SDTリソースの状態を提供することを示す図である。
図21】本発明の第2の好適な実施形態による、CG-SDT設定の更新をサポートするために、予約したCG-SDTリソースの状態におけるバージョン番号を提供することを示す図である。
図22】本発明の第2の好適な実施形態による、UEが、CG-SDTリソースの更新をサポートすることによりCG-SDTをトリガする例を示す図である。
図23】本発明の第2の好適な実施形態による、CG-SDT設定が有効である際に、UEが、CG-SDTリソースの更新をサポートすることによりCG-SDTをトリガする例を示す図である。
図24】バージョン情報により、CG-SDT設定が無効である際に、UEが、CG-SDTリソースの更新をサポートすることによりCG-SDTをトリガする例を示す図である。
図25】本発明の第2の好適な実施形態による、図24の例の代案を示す図である。
図26】本発明の第2の好適な実施形態による、記憶しているCG-SDT設定を破棄することによって無効なCG-SDT設定を処理する例を示す図である。
図27】本発明の好適な実施形態による、CG-Configscheduleを用いてキャンピングセルがCG-SDTリソース設定を提供する方法を記述する例を示す図である。
図28】本発明の好適な実施形態による、解放メッセージを用いてCG-Configscheduleを含むCG-SDT設定を送信する例を示す図である。
図29】本発明の好適な実施形態による、UEがCG-SDTをトリガする際に、UEがCG-ConfigscheduleによりCG-SDT設定が有効であるか否かを検証する様子を示す図である。
図30】本発明の好適な実施形態による、UEが、予約したCG-SDTリソースを受信したことに応答してCG-SDTをトリガする手順を示す図である。
図31】本発明の好適な実施形態による、UEが、CG-SDT設定の有効性に基づいて、記憶しているキャンピングセルのCG-SDT設定を解除するか否かを決定する手順を示す図である。
図32】本発明の好適な実施形態による、UEが、記憶しているCD-SDT設定内のCG-Configscheduleに基づいて、キャンピングセルのCGリソース設定を取得する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
開示する実施形態の詳細な説明
以下、本発明の好適な実施形態を詳細に参照し、添付した図面にはその例を示す。可能であればいつでも、図面及び説明中では、同一または同様の部分は同じ参照番号を用いて参照する。
【0018】
上述した問題を解決するに当たり、本発明は、複数のセルに関連する複数のCG-SDT設定によりUEを設定して、UEが1つのセルから他のセルに移動する際に、UEに不要な信号伝達及び設定手順を施すことなしに、UEの最新のCG-SDT設定がまだ有効であり、このため、信号伝達のオーバーヘッドを低減することによって、及びネットワークが非アクティブ状態下で動作中のUEを再分布させることを可能にすることによって、ネットワークの負荷を潜在的に軽減して負荷のリバランス(再平衡化)を実現するためのメカニズムを提供する。本発明の発明概念は、図4及び図5に示し、これらの図面に対応する記載によって説明する。
【0019】
図4に、本発明の好適な実施形態による、UEが非アクティブ状態でのスモールデータ伝送用にリソースを事前設定するために用いる方法を示す。ステップS401では、UEが、アクティブ状態に入る前に、スモールデータ伝送用の設定グラント(CG)設定を受信する。ステップS402では、UEが、スモールデータ伝送(SDT)手順をトリガする前に、このCG設定に関連するキャンピングセルが検証条件を満足するか否かを判定することによって、このキャンピングセルのCGリソースを検証する。このCG設定は、セルのリストに関連するCG設定のリストを含むことができる。ステップS403では、上記検証条件を満足するものと判定すると、UEがこのCGリソースをSDT手順用に利用する。
【0020】
図5に、図4に記載する方法を用いるUEの部分的なハードウェア・ブロック図を示す。UEは、ハードウェア・プロセッサ501、無線トランシーバ502、及び非一時的記憶媒体503を含むことができ、但しこれらに限定されない。ハードウェア・プロセッサ501は、無線トランシーバ502及び非一時的記憶媒体503に電気接続され、少なくとも、図4に記載する方法及びそれに後続する好適な実施形態を実現するように構成されている。
【0021】
トランシーバ502は、1つ以上の統合または分離されたトランシーバ・モジュールとすることができ、これらのトランシーバ・モジュールの各々が、1つ以上の統合または分離された送信機及び受信機を含むことができ、これらの送信機及び受信機は、無線周波数またはmm波周波数の信号を、それぞれ送信及び受信するように構成されている。トランシーバ502は、低ノイズ増幅、インピーダンス整合(マッチング)、周波数混合、周波数のアップコンバージョン(高周波数変換)及びダウンコンバージョン(低周波数変換)、フィルタ処理、増幅、等のような動作を実行することもできる。トランシーバ502は、各々が1つ以上のアナログ-デジタル(A/D:analog-to-digital)変換器及びデジタル-アナログ(D/A:digital-to-analog)変換器を含むことができ、これらは、アップリンク処理中にはアナログ信号形式からデジタル信号形式に変換し、ダウンリンク処理中にはデジタル信号形式からアナログ信号形式に変換するように構成されている。トランシーバ502は、各々がアンテナアレイをさらに含み、このアンテナアレイは、無指向性アンテナビームまたは指向性アンテナビームを送信及び受信するための1つまたは複数のアンテナを含むことができる。
【0022】
ハードウェア・プロセッサ501は、デジタル信号を処理して、提案する本発明の好適な実施形態による、提案する方法の手順を実行するように構成されている。また、ハードウェア・プロセッサ501は、非一時的記憶媒体503にアクセスすることができ、非一時的記憶媒体503は、ハードウェア・プロセッサ501によって割り当てられたプログラミングコード、コードブック構成、バッファ記憶データ、及び記録構成を記憶する。ハードウェア・プロセッサ501は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP(digital signal processor:デジタルシグナルプロセッサ)チップ、FPGA(field programmable gate array:フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ)、等のようなプログラマブル装置を用いることによって実現することができる。ハードウェア・プロセッサ501の機能は、独立した電子デバイスまたはIC(integrated circuit:集積回路)で実現することもできる。なお、ハードウェア・プロセッサ501の機能は、ハードウェアでもソフトウェアでも実現することができる。
【0023】
図4及び図5に示し対応する記載によって説明する本発明の概念をさらに明らかにするために、本開示は、後続する図に示し、これらの図に対応する記載中に説明する種々の好適な実施形態を提供する。図6は、複数のセルに関連する複数のCG設定を設定する手順を、種々の好適な実施形態の概要として記述する信号線図である。複数のセルに関連する複数のCG設定を設定するための図6の手順は、CG-SDTリソース調整手順S604及びCG-SDT障害処理手順S605を含むことができる。一般に、あるセルのCGリソースは、一般にいくつかのCGリソース集合に分割することができる、というのは、各CGリソース集合は、所定のリソース位置、リソースサイズ、周期性、特性、等を有することができるからである。各CGリソース集合は、異なるCG-SDTリソース設定に関連し、従って、対応するCG-SDTリソース設定を選択することによって入手することができる。本発明は、非アクティブ状態下で動作するUEが、セルからセルへ移動する際に、一旦、有効であるものと判定されると利用することができるCG-SDTリソース設定を取得することによって、SDT用のリソースを取得することを可能にする。
【0024】
図6の実現は次の通りである。ステップS601では、UE611の最後のサービングセル612が、SDT手順用に用いるCGリソースについて、ネットワーク内の当該サービングセル付近の複数のセル613とネゴシエーション(交渉)をする。ステップS601の目的は、複数のCG-SDTリソース・プリンシパルのうちの共通のCG-SDTリソース・プリンシパルを、トラフィックの種類、あるいはUE611の種類に基づいて決定することにある。CG-SDTリソースは、ネットワーク・ポリシーに基づいて、専用のUE(例えば、UE611)またはUEのグループ用に予約されたリソースとすることができる。ステップS602では、UE611の最後のサービングセル612がメッセージ(即ち、CG-SDT設定メッセージ)を送信し、このメッセージは、UE611へのSDT用に用いられるCG設定(CG-SDT設定)を含む。このCG-SDT設定メッセージは、UE611が次回のSDT手順用に用いるCG設定を含む。ステップS603では、UE611が、非アクティブ状態に入る前に、複数のセル613のうちのセル選択を実行し、セル613は、例えば、スリープ(休眠、節電)モード、低電力モード、またはオフ状態であり得る。
【0025】
ステップS604では、UEがCG-SDTリソース調整手順S604を実行することができ、リソース調整手順S604中には、UEがCG-SDT設定の有効性を、最後に予約したCG-SDTの状態に基づいて検証し、その間に、最後のサービングセル612及びその付近の複数のセル613は共に、最後に予約されたCG-SDTの状態を提供する。従って、現在のセル状態に応じて、予約したCG-SDTの状態を更新する必要があり得る。従って、最後に予約したCG-SDTの状態を用いて、CG-SDTリソースがまだ有効であるか否かをUE611に通知する。複数のセル613のうちのあらゆるセルの状態が時間と共に変化し得るので、各セルは当該セルが予約したCG-SDTリソースを調整する必要があり得る。予約したCG-SDTリソースの調整は、UE(例えば611)が非アクティブ状態にあり、CGリソース(即ち、CG-SDT伝送)を用いることによってSDTを実行するための手順をトリガする前に、あるセル上に滞在した後に当該セルのCG-SDT設定の有効性をチェックする必要があることを生じさせ得る。ステップS605では、UE611がCG-SDT障害処理手順S605を実行することができる。CG-SDT障害処理手順S605は2つの場合を含むことができ、場合#1はCG-SDT伝送の失敗に対処することを含み、場合#2はCG-SDT設定が無効であることに対処することを含む。
【0026】
CG-SDTリソース調整手順S604については、本発明は2つの異なる好適な実施形態を提供し、これらの実施形態は、最後に予約したCG-SDTリソースの状態情報をセルが異なる方法で提供するやり方に影響を与え得る。第1の好適な実施形態については、セルがCG-SDTリソースの設定を設定及び解除することを許可される。第2の好適な実施形態については、セルがCG-SDTリソースの設定を変更すること、例えば、CG-SDTリソースの設定を設定、再設定、更新、及び解除することを許可される。第1の好適な実施形態については、UE(例えば611)が、非アクティブ状態に入る前にCH-SDTリソース設定を取得することができる。第2の好適な実施形態については、UE(例えば611)が、CG-SDT手順をトリガする直前に、あるいはCG-SDTリソース設定が有効であることを検証した直後に、有効なCG-SDTリソース設定を取得することができる。
【0027】
第2の好適な実施形態の一般的概念は、本開示の少なくとも図22に示す。第1の実施形態及び第2の実施形態の両方について、UEは、以前のサービングセルにおけるキャンピングセルのCG-SDTリソース集合設定を取得する。図27は、以前のサービングセルにおけるキャンピングセルのCG-SDTリソース集合設定を取得することができないことがある代わりの例を記載する。その代わりに、UEはCG-ConfigSchedule(CG設定スケジュール)をキャンピングセルから取得することができる。従って、CG-ConfigScheduleは、キャンピングセルが当該セル自体のスケジューリングCG-SDTリソース集合設定をスケジュールするために用いることができる。従って、UEは、CG-ConfigScheduleを用いて、キャンピングセルのCG-SDTリソース集合設定を当該キャンピングセル自体から取得することができる。
【0028】
図6の複数のセルに関連する複数のCG設定を設定する手順の概要からさらに発展して、この後の開示は、より詳細な説明を提供する。図7~17は、UEが非アクティブ状態に入る前にCG-SDTリソース設定を取得することができる第1の好適な実施形態に指向したものである。図19~32は、UEがCG-SDT手順をトリガする直前にCG-SDTリソース設定を取得することができる第2の好適な実施形態に指向したものである。
【0029】
図7に、UEが非アクティブ状態に入る前にCG-SDTリソース設定を取得することができる第1の好適な実施形態に基づく、セルAとセルXとの間のCG-SDTリソース・ネゴシエーション(交渉)手順の例を示す。図7を参照すれば、ステップS701では、セルAとセルXとがCG-SDTリソースのネゴシエーションを実行することができる。セルAは、CG-SDTリソース要求メッセージを送信することによってネゴシエーションを開始することができる。CG-SDTリソース要求メッセージを受信したことに応答して、セルXはCG-SDTリソース応答メッセージをセルAに送信することができ、CG-SDTリソース応答メッセージはCG-SDTリソース設定を含む。
【0030】
あるセル用のCG-SDTリソースは、ネットワーク・ポリシー及び当該セルの状態に応じて、他の1つのセル用に予約することができ、あるいはセル・グループ用に予約することができる。セルXのCG-SDTリソースは、いくつかのCG-SDTリソース集合に分割することができる、というのは、各CG-SDTリソース集合は、異なるリソースサイズ、異なる周期性、異なる特性、等を有することができるからである。各CG-SDTリソース集合は、CG-SDTリソース設定によって設定することができる。従って、一旦、セルXが他のセル(例えばセルA)のCG-SDTリソース要求を受信すると、セルXは、CG-SDTリソース集合をセルA向けに予約して、対応するCG-SDTリソース設定をCG-SDTリソース応答メッセージ内で提供することができる。セルXは、CG-SDTリソース要求メッセージの情報を用いて、CG-SDTリソースを予約する方法を決定することができる。例えば、セルAが、小さいリソースサイズ及び短い周期性を有するCG-SDTリソースを要求する場合、セルXはこの種のCG-SDTリソースをセルA向けに予約することができる。CG-SDTリソース要求メッセージ中の情報に応じて、セルXは複数のCG-SDTリソース集合をセルAに提供することができる。
【0031】
CG-SDTリソースのネゴシエーションS701を実行した後に、ステップS702aでは、セルAがセルXのCG-SDTリソースをUE向けに設定することを開始することができる。また、ステップS702bでは、セルXが最後に予約されたCG-SDTリソースの状態を提供することができる。予約されたCG-SDTリソースの状態の目的は、現在セルA内に滞在中で非アクティブ状態のUEに、記憶しているセルXのCG-SDT設定の状態について通知することにある。従って、最後に予約したCG-SDTリソースの状態に応じて、非アクティブ状態下で動作しているUEは、記憶しているセルXのCG-SDT設定を解除するか更新するか使用するかを決定することができる。
【0032】
図8に、異なる種類の予約されたCG-SDTリソースの状態を示し、これらのCG-SDTリソース状態は、セルベース801、CG-SDT設定ベース802、またはハイブリッド(混成)803とすることができる。セルベースの予約されたCG-SDTリソースの状態801については、予約されたCG-SDTリソースの状態は、予約された対象毎に有効または無効のいずれかにすることができ、これらの対象は、セルA、セルBのような複数のセルを含むことができる。本例では、セルA及びセルBが共に有効な予約されたCG-SDTリソースの状態を含み、このことは、セルA及びセルB向けに予約された全部のCG-SDT設定が有効であることを意味ずる。CG-SDT設定ベースの予約されたCG-SDTリソースの状態801については、予約されたCG-SDTリソースの状態は、異なるCG-SDT設定識別子(ID:identifier)毎に有効または無効のいずれかにすることができる。各CG-SDT設定のCG-SDT設定IDは一意的にすることができる。本例では、CG設定1及びCG設定2が共に、有効な予約されたCG-SDTリソースの状態を含む。さらに、予約されたCG-SDTリソースの状態の種類がハイブリッド803である際には、セルベースの予約されたCG-SDTリソースの状態及びCG-SDT設定ベースの予約されたCG-SDTリソースの状態を採用して組み合わせる。ハイブリッド型の予約されたCG-SDTリソースの状態803については、セルである予約された対象が複数のCG-SDT設定をサポートすることができ、各CG-SDT設定は有効または無効にすることができる。図8の例では、セルBがCG-SDT設定1及びCG-SDT設定2をサポートし、これらのCG-SDT設定が共に有効である。
【0033】
次に、図7を参照すれば、ステップS702a及び702bを終了した後に、ステップS703では、セルXがCG-SDTリソース解放メッセージをセルAに送信することができる。CG-SDTリソース解放メッセージを受信したことに応答して、セルAはセルXのCG-SDTリソースをUE(例えば611)向けに設定することを停止することができ、セルXは最後に予約されたCG-SDTリソースの状態を提供することができる。一旦、セルXのセル状態が変更されると、負荷が重くなっており、セルXは一部の予約されたCG-SDTリソースを解放することを決意することができる。こうしたことを実現するために、セルXは、ステップS703のCG-SDTリソース解放メッセージを用いて、予約された対象(例えばセルA)を通知することができ、この対象はCG-SDT設定が解除される。CG-SDTリソース解放メッセージをセルXから受信した後に、セルAは、セルXによって解放されたCG-SDTリソースをUE向けに設定することを停止する。
【0034】
図9に、予約されたCG-SDTリソース状態をセルXが更新する例を示す。予約されたCG-SDTリソースの状態がセルベース(例えば801)であるものと仮定すれば、セルXは、予約された対象に関連するエントリを削除することによって、CG-SDT設定を解除することができる。例えば、CG-SDT設定を解除するために、ステップS801では、セルXが、予約されたCG-SDT設定に対応するエントリを、予約されたCG-SDTリソースの状態から削除して、セルXに対応するCG-SDTの設定が無効であることを表現する。同様に、予約されたCG-SDTリソースの状態がCG-SDT設定ベース(例えば802)であるものと仮定すれば、セルXは、CG-SDTリソースIDを変更することによってCG-SDT設定を解除することができる。例えば、CG-SDT設定を解除するために、ステップS802では、セルXが、解除されたCG-SDT設定に対応するCG-SDTリソースIDの状態を、予約されたCG-SDTリソースの状態から無効に変更またはタグ付けして、CG-SDT設定IDに対応するCG-SDTリソースが解放されていることを表現することができる。
【0035】
次に、図10を参照すれば、ステップS1001では、最後のサービングセル(例えば612またはセルA)が、UE(例えば611)に解放メッセージを送信することができ、この解放メッセージは、サスペンド・インジケータ(一時停止指標)、非アクティブ状態設定、SDT設定、及びCG-SDT設定を含むことができ、但しこれらに限定されない。解放メッセージを受信したことに応答して、ステップS1002では、UEが非アクティブ状態に入ることができる。非アクティブ状態である後に、ステップS1003では、SDTをトリガすることができる。サスペンド・インジケータを用いて、UEに非アクティブ状態に入ることを通知することができる。非アクティブ状態設定は、I-無線ネットワーク一時識別子(I-RNTI:I-radio network temporary identifier)、無線アクセス・ネットワーク(RAN)ネットワークエリア(RNA)設定、及びセキュリティ関係情報を含むことができ、但しこれらに限定されない。SDT設定は、SDTトリガ条件、適用されるDRB情報、等のようなSDTパラメータに関係する情報を含むことができる。CG-SDT設定はエントリを含むことができ、これらのエントリは、セルID毎に適用すべきCG-SDT設定を記述する。
【0036】
図10の例では、CG-SDT設定1をセルXに適用することになり、CG-SDT設定2をセルYに適用することになり、等である。異なるCG-SDTリソース設定の各々が、少なくとも、CG-SDT設定ID、CG-SDTリソース位置、CG_タイマー、CGリソースサイズ、周期性、及び復調基準信号(DMRS:demodulation reference signal)及びCG-RNT1といったSDTを送信するために使用されるいくつかのL1パラメータを含むことができる。DRMS及びCG-RNT1は、UEが、予約したCG-リソースにおいてアップリンク(UL)データを送信するために用いることができる。UEは、設定されたDRMSを用いてSDTを送信することもでき、CG-RNT1を用いてSDTデータをスクランブルすることができる。
【0037】
UEが最後のサービングセルから移動してセルXに滞在するものと仮定すれば、UEはCG-SDTをトリガすることができるか否かを判定することができる。図11に、UEが、セルX上に滞在しつつCG-SDTをトリガすべきか否かを決定する例を示す。ステップS1101では、UEが非アクティブ状態に入っているものと仮定する。ステップ1102で、UEがセルX上に滞在している間に、ステップS1103では、UEが、記憶しているCG-SDT設定内にキャンピングセル(例えばセルX)が見出されるか否かを判定することによって、最後に予約したCG-SDTリソースの状態を受信すべきか否かを決定することができる。記憶しているCG-SDT設定内にセルXがない場合、ステップS1104では、CG-SDTをトリガすべきでないことをUEが決定している。記憶しているCG-SDT設定内にセルXがある場合、ステップS1105では、最後に予約したCG-SDT設定をUEが受信する。この場合、ステップS1106では、UEが、予約したCG-SDTリソースの状態をセルXから受信する。ステップS1107では、UEがSDTをトリガすることができる。
【0038】
図12図14に、予約したCG-SDTリソースの状態が異なるフォーマットである際に、UEがSDTをトリガする異なる例を示す。図12に、予約したCG-SDTリソースの状態がセルベースである際に、UEがCG-SDTをトリガする例を示す。予約したCG-SDTリソースの状態をセルXから受信したことに応答して、ステップS1201では、UEが、キャンピングセルのCG-SDTリソースが有効であるか否かを判定する。キャンピングセルのCG-SDTリソースが有効であるものと仮定すれば、ステップS1202では、UEが、セルXであるキャンピングセルでCG-SDTをトリガすることができるものと判定する。キャンピングセルのCG-SDTリソースが有効でないものと仮定すれば、ステップS1203では、UEが、キャンピングセルに対応して記憶しているCG-SDT設定を削除する。図12の例では、予約して記憶しているCG-SDTリソースの状態が、セルAまたはセルBである前のキャンピングセルに対応するエントリを有する。このことは、最後のサービングセルがセルAまたはセルBである場合のみに、予約したCD-SDTリソースの状態が有効であることを意味する。UEの最後のサービングセルがセルAでもセルBでもない場合、セルXのCH-SDT設定は無効であり、UEは、予約したCG-SDTリソースの状態中にセルXを含むエントリが存在すれば、あらゆるこうしたエントリを削除する。
【0039】
図13に、予約したCG-SDTリソースの状態がCG-SDT設定ベースである際に、UEがCG-SDTをトリガする例を示す。予約したCG-SDTリソースの状態(例えば、S1103)をセルXから受信したことに応答して、ステップ1301では、UEが、キャンピングセルのCG-SDTリソースが有効であるか否かを判定する。キャンピングセルのCG-SDTリソースが有効であるものと仮定すれば、ステップS1302では、UEが、セルXであるキャンピングセルでCG-SDTをトリガすることができるものと判定する。キャンピングセルのCG-SDTリソースが有効でないものと仮定すれば、ステップS1303では、UEが、キャンピングセルに対応して記憶しているCG-SDT設定を削除する。図13の例では、予約して記憶しているCG-SDTリソースの状態が、CG-SDT設定1及びCG-SDT設定2に対応するエントリを有する。このことは、セルXのCG-SDT設定IDがCG-SDT設定1またはCG-SDT設定2である場合のみに、設定されたCG-SDTリソースが有効であることを意味する。さもなければ、セルXのCG-SDT設定IDがCG-SDT設定1でもCG-SDT設定2でもない場合には、セルXのCG-SDT設定が無効であり、UEは、予約したCG-SDTリソースの状態中にセルXを含むエントリが存在すれば、あらゆるこうしたエントリを削除する。
【0040】
図14に、予約したCG-SDTリソースの状態がハイブリッドである際に、UEがCG-SDTをトリガする例を示す。予約したCG-SDTリソースの状態(例えば、S1103)をセルXから受信したことに応答して、ステップS1401では、UEがキャンピングセルのCG-SDTリソースが有効であるか否かを判定する。キャンピングセルのCG-SDTリソースが有効であるものと仮定すれば、ステップS1402では、UEが、セルXであるキャンピングセルでCG-SDTをトリガすることができるものと判定する。キャンピングセルのCG-SDTリソースが有効でないものと仮定すれば、ステップS1403では、UEが、キャンピングセルに対応して記憶しているCG-SDT設定を削除する。図14の例では、最後のサービングセルがセルBであり、セルXのCG-SDT設定IDがCG-SDT設定1またはCG-SDT設定3のいずれかである場合、セルXの設定CG-SDTリソースを有効であるものと考える。同様に、UEの最後のサービングセルがセルAであり、セルXのCG-SDT設定IDがCG-SDT設定2である場合、セルX用に設定されたCG-SDTリソースが有効であるものと考える。さもなければ、セルXのCG-SDT設定を無効であるものと考える。
【0041】
CG-SDTリソース調整手順(例えばS604)後に、CG-SDT設定が有効である場合、UEはCG-SDT伝送をトリガすることができる。CG-SDT伝送が不成功である場合、UEは、CG-SDT障害処理手順を実行して、CG-SDT伝送の失敗に対処することができる。図15に、本発明の第1の好適な実施形態に基づく、CG-SDT伝送の成功または失敗を判定する手順を示す。ステップS1501では、非アクティブ状態のUEが無線リソース制御(RRC)メッセージを送信することができ、このRRCメッセージはULデータをCG-SDTリソース内でキャンピングセルへ搬送する。このCG-SDTリソースは予約したCG-SDTリソースであり、ネットワーク・ポリシーに応じてUE専用にすることもグループのUE間で共用することもできる。ステップS1501後に、UEは、応答メッセージを待機し、CG_Timer(CG_タイマー)によって定義されるタイムウィンドウ(時間窓)内に応答メッセージを受信したか否かを判定する。応答メッセージの目的は、CG-SDTが成功であったか否かをUEに知らせることにある。応答メッセージは、確認応答(ACK:acknowledgement)メッセージ、メディア・アクセス制御(MAC:media access control)コントロール・エレメント(CE:control element:制御要素)、またはRRC SDT完了メッセージによるように、レイヤ1メッセージにより送信することができる。UEは、CGリソース設定によって設定されるCG-RNTIを用いて応答メッセージを受信することもできる。
【0042】
UEがCG-SDTリソースを用いることによってスモールデータを送信すると、CG_タイマーが始動する。UEが応答メッセージを受信すると、CG_タイマーが停止する。ステップS1502では、UEがキャンピングセルから応答メッセージを受信する。CG_タイマーが時間切れになる前に応答メッセージを受信した場合、CG-SDTは成功であるものと考えることができる。図15の上側の信号線図では、CG_タイマーが時間切れになる前に応答メッセージを受信するものと仮定すれば、CG-SDTに成功している。図15の下側の信号線図では、CG_タイマーが時間切れになった後に応答メッセージを受信するか、応答メッセージを全く受信しないかのいずれかであり、CG-SDTに失敗したものと考えられている。CG-SDTに失敗したものと仮定すれば、3つの異なる方法を、CG-SDT障害処理手順(例えばS605)の一部として利用して、CG-SDTの失敗に対処することができる。
【0043】
図16図18に、CG-SDT障害処理手順(例えばS605)を実行しつつ、CG-SDT伝送の失敗に対処する3つの方法を示す。方法1では、アクティブ状態のUEが、ランダムアクセス・チャネル(RACH:random-access channel)ベースの手順を用いてSDTを再試行し、但しRACHベースの手順がキャンピングセルによって可能にされるものと仮定する。方法2では、非アクティブ状態のUEが、再開手順に戻って伝送を再開することができる。方法3では、非アクティブ状態のUEが、一部のCG-SDTリソースをランダムにスキップして、CG-SDTリソースを用いることによってCG-SDTをトリガすることができる。
【0044】
図16に示す方法1の信号線図を参照すれば、ステップS1601の前に、非アクティブ状態のUEがタイマーを始動させることができ、このタイマーは、パラメータCG_タイマーに応じた特定の継続時間に設定され、UEはその後にCG-SDTリソースを用いてRRCメッセージを送信し、このRRCメッセージはULデータを搬送する。次に、UEは、CG-SDTの失敗が存在するか否かを、CG_タイマーが時間切れになる前に対応する応答メッセージを受信したか否かに基づいて判定する。CG-SDTの失敗が発生したものと仮定すれば、ステップS1601では、RACHベースのSDT手順がキャンピングセルによって可能にされていれば、非アクティブ状態のUEが、RACHベースのSDT手順を用いてSDTを再試行する。RACHベースのSDT手順は、UEが、このRACHベースのSDT手順用に予約された専用のプリアンブル(前文)を送信して、このRACHベースのSDT用のULリソースを要求することを含む。ランダムアクセス応答(RAR:random access response)が、要求が承認されたことを示す指標を含む場合、UEは、RAR中に示されるULリソースを用いてResumeRequest(再開要求)メッセージを送信し、このResumeRequestメッセージはRACHベースのSDT用のULデータを搬送する。RARが承認を示さない場合、UEは、再開手順を実行してキャンピングセルとの接続を再開するべきである。UEは、RAR中に示されるULリソースによってResumeRequestをULデータと共に送信する。これに続いて、キャンピングセルは、解放メッセージをUEに送信して非アクティブ状態の動作に戻るようにUEに指示することによって、ステップS1601に応答することができる。
【0045】
図17に示す方法2の信号線図を参照する。ステップS1701の前は、動作は方法1の動作と同一または同様であるものと仮定する。ステップS1701では、非アクティブ状態のUEが、再開手順を用いることに戻って、キャンピングセルとの接続を再開することができる。非アクティブ状態のUEは、再開手順に含まれる信号伝達または追加的な信号伝達を用いてULデータを送信することもできる。換言すれば、ULデータは、再開手順の信号伝達中に組み込むことができ、あるいは、再開手順に後続する追加的な信号伝達の一部とすることができる。
【0046】
図18に示す方法3の信号線図を参照する。ステップS1801の前は、動作は方法1の動作と同一または同様であるものと仮定する。ステップS1801では、非アクティブ状態のUEが1つ以上のCG-SDTリソースをランダムにスキップすることができる。ステップS1802では、UEが、スキップしたCG-SDTリソースに後続するランダムに選択したCG-SDTリソースを用いることによって、CG-SDTをトリガすることができる。例えば、UEは、N番目のCG-SDTリソースをランダムにスキップして、N+1番目のCG-SDTリソースにおいてCG-SDTをトリガすることができ、ここにNは0よりも大きい整数である。
【0047】
次に、後続する開示は第2の好適な実施形態に指向し、この実施形態では、UEが、CG-SDTリソース設定を、CG-SDT手順をトリガする直前に取得することができる。第1の好適な実施形態については、CG-SDT設定は、設定及び解除に関係する手順しか含まず、但しCG-SDT設定は更新されない。しかし、セル及びそのCG-SD状態の条件は不変のままではないので、リソースの利用及びCG-SDTの成功率を最適化するためには、CG-SDT設定を更新する必要がある。例えば、セルの負荷が重くなると、CG-SDTの成功率が減少し得る、従ってCG-SDTリソースを更新する必要がある。
【0048】
図19に、第2の好適な実施形態に基づく、セルAとセルXとの間のCG-SDTリソースのネゴシエーション手順(例えばS601)の例を示し、このネゴシエーション手順では、UEが、非アクティブ状態に入る前にCG-SDTリソース設定を取得することができ、セルは、例えばCG-SDT設定を再設定し、解除し、そして更新することによってCG-SDT設定を修正することを許可されている。それに加えて、CG-SDTネゴシエーションの他の目的は、CG-SDT設定の更新をサポートすることにある。図19を参照すれば、ステップS1901では、セルAとセルXとがCG-SDTリソースについてのネゴシエーションを実行することができる。セルAがCG-SDTリソース要求メッセージを送信することによってネゴシエーションを開始することができる。CG-SDTリソース要求メッセージを受信したことに応答して、セルXはCG-SDT応答メッセージをセルAに送信することができ、CG-SDT応答メッセージはCG-SDTリソース設定及び追加的にバージョン情報を含む。
【0049】
図19のCG-SDTリソースのネゴシエーション手順は、図7のリソースのネゴシエーション手順と非常に類似している。しかし、本例では、セルXのCG-SDT設定は、セルXにもたらされる条件の変化により更新することができる。設定バージョンを採用して、CG-SDT設定が更新されたか否かをUEが検証することを支援する。CG-SDTリソースの更新をサポートするために、このCG-SDTリソースを予約するセル(例えばセルX)は、他のセル(例えばセルA)からのCG-SDTリソースを要求するために、CG-SDT設定のバージョン情報を提供する必要がある。
【0050】
セルAがCG-SDTリソースについてセルXとネゴシエーションをした後に、ステップS1902では、セルXが予約されたCG-SDTリソースの状態を提供しなければならない。また、予約されたCG-SDTリソースの状態を提供することの他の主目的は、セルXがCG-SDTバージョン情報をセルAに提供して、CG-SDTリソース(または設定)の更新をサポートすることにある。図20に、異なる種類の予約されたCG-SDTリソースの状態を示し、これらの状態は、セルベース2001、CG-SDT設定ベース2002、またはハイブリッド2003とすることができる。セルベースの予約されたCG-SDTリソースの状態2001については、予約されたCG-SDTリソースの状態が、CG-SDTリソース設定のバージョン番号を、予約された対象毎に含み、これらの対象は、セルA、セルB、等のような複数のセルを含むことができる。CG-SDT設定ベースの予約されたCG-SDTリソースの状態2002については、異なるCG-SDT設定IDの各々をバージョン番号に関連付けることができる。本例では、CG設定1がバージョン番号1に関連し、CG設定2がバージョン番号2に関連する。さらに、予約されたCG-SDTリソースの状態がハイブリッド2003である際には、セルベースの予約されたCG-SDTリソースの状態及びCG-SDT設定ベースの予約されたCG-SDTリソースの状態の両方を採用して組み合わせる。ハイブリッド型の予約されたCG-SDTリソースの状態2003については、1つのセルである予約された対象が複数のCG-SDT設定をサポートすることができ、各CG-SDT設定がバージョン番号に関連する。図20の例では、セルBが、バージョン番号2に関連するCG-SDT設定1及びバージョン番号1に関連するCG-SDT設定3をサポートし、セルAが、バージョン番号3に関連するCG-SDT設定2をサポートする。
【0051】
次に、図10と同様に、最後のサービングセル(例えば、612またはセルA)が、UE(例えば611)に解放メッセージを送信することができ、この解放メッセージは、図21に示すように、サスペンド・インジケータ、非アクティブ状態設定、SDT設定、及びCG-SDT設定を含むことができ、但しこれらに限定されない。しかし、第2の好適な実施形態については、CG-SDT設定がバージョン番号をさらに含むことができる。解放メッセージに応答して、UEは非アクティブ状態に入ることができる。アクティブ状態である後に、SDTをトリガすることができる。サスペンド・インジケータを用いて、非アクティブ状態に入るべきことをUEに通知する。非アクティブ状態設定は、I-無線ネットワーク一時識別子(I-RNTI)、無線アクセス・ネットワーク(RAN)ネットワークエリア(RNA)設定、及びセキュリティ関係情報を含むことができ、但しこれらに限定されない。SDT設定は、SDTトリガ条件、適用されるDRB情報、等のようなSDTパラメータに関係する情報を含むことができる。CG-SDT設定はエントリを含むことができ、これらのエントリは、セルID毎に適用すべきCG-SDT設定を記述する。
【0052】
図21の例では、CG-SDT設定1をセルXに適用することになり、CG-SDT設定2をセルYに適用することになり、そしてCG-SDT設定3をセルZに適用することになる。さらに、各CG-SDT設定は最新のCG-SDT設定バージョン番号に関連付けることができる。図21の例におけるように、CG-SDT設定1はバージョン1に関連し、CG-SDT設定2はバージョン0に関連し、CG-SDT設定3はバージョン2に関連する。異なるCG-SDTリソース設定の各々が、少なくとも、CG-SDT設定ID、CG-SDTリソース位置、CG_タイマー、CGリソースサイズ、周期性、及び復調基準信号(DMRS)及びCG-RNT1といったSDTを送信するために使用されるいくつかのL1パラメータを含むことができる。DRMS及びCG-RNT1は、UEが、予約したCG-リソースにおいてアップリンク(UL)データを送信するために用いることができる。UEは、設定されたDRMSを用いてSDTを送信することもでき、CG-RNT1を用いてSDTデータをスクランブルすることができる。
【0053】
UEがアクティブ状態でCG-SDTをトリガする手順を図22図27に示し、これらの図では、UEが非アクティブ状態に入る前にCG-SDTリソース設定を取得するものと仮定し、CG-SDTリソースの処理が無効であることも記載する。図22に、本発明の第2の好適な実施形態に基づく、UEがCG-SDTをトリガする手順を示し、ステップS605の一部としてCG-SDTリソースの更新をサポートすることを伴う。図22を参照すれば、ステップS2201では、非アクティブ状態のUEが、最後に予約したCG-SDTリソースの状態を受信し、この状態がCG-SDT設定を更新する。ステップS2202では、UEが、予約したCG-SDTリソースの状態に応答して、現在記憶しているCG-SDT設定が有効であるか否かを判定する。ステップS2203では、UEが、現在記憶しているCG-SDT設定が有効であるものと判定しており、図23及びこれに対応する記載は、ステップS2203の実現をさらに説明する。記憶しているCG-SDT設定がもはや有効でないと考えられるものと仮定すれば、ステップS2204では、UEが、CG-SDT設定がバージョン情報により無効であるか否かを判定する。その答えが「はい」である場合、ステップS2206、あるいはその代わりにステップS2207から手順を開始し、ステップS2207は記憶しているCG-SDT設定を破棄することになる。その答えが「いいえ」である場合、UEは記憶しているCG-SDT設定を破棄する。
【0054】
ステップS2206から手順を開始するものと仮定すれば、UEは、現在のバージョン情報が期限切れまたは無効であるものと判定した後に、最新のCG-SDT設定を取得する。ステップS2206は2つの選択肢を有し、第1の選択肢S2208は、CG-SDT設定が無効であることを発見した直後に最新のCG-SDT設定を取得することを含み、またはその代わりに、第2の選択肢S2209は、UEがSDTをトリガする際に、UEが最新のCG-SDT設定を取得することを含む。第2の選択肢S2209については、UEが、再開手順を用いて最新のCG-SDT設定を要求することによって(S2210)、あるいは最新のCG設定を要求するためにRACHベースのSDTを用いてULデータを送信することによって(S2211)、UEは最新のCG-SDT設定を取得することができる。
【0055】
UEがCG-SDTをトリガする手順を図23に示し、CG-SDTリソースの更新をサポートすることを伴う。図23の例については、CG-SDT設定が有効であるものと仮定する。図23をさらに詳細に説明するために、ステップS2301では、非アクティブ状態のUEがセルX上に滞在していた。ステップS2302では、UEが、予約したCG-SDTリソースの状態をセルXから受信する。図23の例では、予約したCG-SDTリソースの状態がセルベースのCG-SDTリソースの状態であるものと仮定するが、予約したCG-SDTリソースの状態は、CG-SDT設定ベースまたはハイブリッドのような他の種類のものとすることもできる。また。本例における予約したCG-SDTリソースの状態によれば、セルAがCG-SDT設定バージョン2を有するのに対し、セルBはCG-SDT設定バージョン1を有する。このことは、セルAがUEにとってセルXの前の最後のサービングセルであり、記憶しているCG-SDT設定のバージョンがバージョン2でなければならないことを意味する。ステップS2303では、UEが、自身が記憶しているCG-SDT設定バージョンをチェックする。記憶しているCG-SDT設定バージョンが、予約したCG-SDTリソースの状態に応じて要求されるバージョン情報と一致するものと仮定すれば、記憶しているCG-SDTリソースの状態は有効であるものと考えられる。従って、記憶しているUEのCG-SDT設定のバージョンが2であれば、記憶しているCG-SDT設定バージョンは有効である。ステップS2304では、UEがセルXのCG-SDTリソースを用いることによってSDTをトリガすることができる。
【0056】
無効なCG-SDT設定を処理する手順を図24に示す。図24のステップは図23と同様であり、但し、CG-SDT設定バージョンをチェックした後に(S2303)、UEが、記憶しているセルXのCG-SDT設定バージョンがバージョン1であり、最新バージョンではないので、記憶しているCG-SDT設定バージョンが、予約したCG-SDTリソースの状態が要求するように無効であることを見出している点を除く。ステップS2401では、UEが、CG設定がバージョン情報により無効であることを発見した直後に(即ちS2208)、最新のCG-SDT設定を取得することによって、無効なCG-SDT設定に応答する。UEは、再開手順を用いて最新のCG-SDT設定を要求することによって(即ちS2210)、このことを行うことができる。再開手順(S2401a)中には、UEがキャンピングセル、即ちセルXに再開メッセージを送信し、再開メッセージは、更新されたCG-SDT設定の要求を含む。UEは、その後にセルXから解放メッセージを受信し、この解放メッセージは最新のCG-SDT設定を含む。CG-SDT設定を受信すると、UEは、最新のCG-SDT設定を用いることによってSDTをトリガすることができる。
【0057】
図25に、図24の例の代案を示す。図25では、ステップはS2501を除いて図24と同じであり、ステップS2501は、UEがSDT手順によってULデータを送信する必要がある際に、再開手順の代わりにRACHベースのSDT手順(S2501a)を用いることによって、最新のCG-SDT設定を取得することを含む。RACHベースのSDT手順(S2501a)については、UEが、セルXであるキャンピングセルに再開要求メッセージを送信し、この再開要求メッセージは、更新されたCG-SDT設定の要求並びにULデータを含む。再開要求メッセージを送信したことに応答して、UEはセルXからRA応答(RAR)メッセージを受信し、このRARメッセージは最新のCG-SDT設定を含む。最新のCG-SDT設定を受信すると、UEはこの最新のCG-SDT設定を用いることによってSDTをトリガすることができる。
【0058】
図26に、図24及び図25の例の他の代案を示す。図26では、ステップは図24及び図25と同じであり、但し、CG-SDT設定バージョンが無効であるものと判定すると、ステップS2601では、UEが記憶しているCG-SDT設定を破棄する点を除く。しかし、UE内に記憶されているCG-SDT設定が破棄されても、RACHベースの手順がキャンピングセルXにおいて可能にされているものと仮定すれば、UEはまだRACHベースの手順を用いることができる。
【0059】
図26の代案として、CG-SDT設定が無効である他のシナリオは、UE内に記憶されているCG-SDT設定が、予約したCG-SDTリソースの状態中に存在しないことによるものである。こうしたシナリオは、UEの最後のサービングセルがセルCであるものと仮定され、かつUEが記憶しているセルXのCG-SDT設定のバージョンがバージョン1であるものと仮定される場合に発生し得る。こうしたシナリオ下では、UEが予約したCG-SDTリソースの状態をチェックした後に、UEは、当該UEの最後のサービングセルがセルCであり、セルCは予約したCG-SDTリソースの状態中に存在しないので、現在記憶しているセルXのCG-SDT設定が無効であるものと考える。予約したCG-SDTリソースの状態中に存在しないことによりCG-SDT設定が無効である際には、UEは記憶しているCG-SDT設定を破棄することができ、このCG-SDT設定はセルXに対応する。その後に、RACHベースの手順がキャンピングセルXによって可能にされているものと仮定すれば、UEは、RACHベースの手順をSDT用に用いることができる。
【0060】
図19~26の例では、UEが、非アクティブ状態に入る直前にCG-SDTリソース設定を取得することができ、UEはその後の非アクティブ状態中にCG-SDTリソース設定を記憶する。これらの例では、CGリソースを予約するUEが、予約したCG-SDTリソースの状態をシステム情報ブロードキャスト・メッセージ中でブロードキャストする(広く伝える)必要がある。従って、予約したCG-SDTリソースを更新するタイミングは、システム情報ブロードキャスト・メッセージの変更周期によって制約される。また、UEは、あるセルに滞在した後に、検証プロセスを実行して、記憶しているCG-SDT設定の有効性を検証する必要がある。UEがCG-SDTをトリガしない場合、検証プロセスは余分であり、無駄をもたらす。しかし、図19~26の例の代案として、UEは、CG-SDTをトリガする際に(即ちS2209)、代わりに、キャンピングセルについてのCG-SDTリソース設定を取得することができる。従って、キャンピングセルは、予約されたCG-SDTリソースを動的に更新することができ、UEがCG-SDTをトリガする際に、UEは、CG-SDTリソース設定をキャンピングセルから取得するだけでよい。図27図32は関係する例を提供し、これらの例では、UEがCG-SDTをトリガする際に、UEは、CG-SDTリソース設定をキャンピングセルから取得する。
【0061】
図27に、CG-Configscheduleを用いてキャンピングセルがCG-SDTリソース設定を提供する方法を記述することによって、セルAとセルXとの間でCG-SDTリソースについてネゴシエーションをする例を示す。図27を参照すれば、ステップS2701では、セルAがCG-SDT要求メッセージをセルXに送信し、セルXはCG-SDT応答メッセージを送信することによって応答し、CG-SDT応答メッセージはパラメータCG-Configscheduleを含む。本例では、CG-SDTリソースを予約するセルXが、CG-SDTリソース設定を自分自身で提供し、従って、セルXは、CG-SDTリソースのネゴシエーション中にCG-SDTリソース設定を提供する必要がない。その代わりに、セルXはCG-ConfigscheduleをCG-SDT応答メッセージ中で提供する。CG-Configscheduleは、セルXがCG-SDTリソース設定をスケジュールする方法の情報である。例えば、CG-Configscheduleは、少なくとも、CG設定の探索空間、及びCG設定を受信するため、及び/またはCG設定の送信をスケジュールするためのCG_config-RNTI(CGC-RNTI)を含むことができる。
【0062】
異なるCG-SDT設定用のCG-Configscheduleは、同じにすることも異ならせることもできる。例えば、セルXは、CG-SDTリソース1をセルA向けに予約することができ、CG-SDTリソース2をセルB向けに予約することができる。CG-SDTリソース1に関連するCG-SDT用のCG-ConfigscheduleとCG-SDTリソース2に関連するCG-SDT用のCG-Configscheduleとは異なることができる。しかし、セルXがCG-SDTリソース1及びCG-SDTリソース2を共にセルA向けに予約することができる場合、CG-SDTリソース1に関連するCG-SDT設定用のCG-Configscheduleと、CG-SDTリソース2に関連するCG-SDT設定用のCG-Configscheduleとは同じにすることができる。
【0063】
UEが他のセルに移動した後に、解放メッセージが最後のサービングセルからUEに送信される。CG-Configscheduleを含む解放メッセージを用いてCG-SDT設定を送信する例を図28に示す。ステップS2801では、最後のサービングセルがCG-Configscheduleを含む解放メッセージをUEに送信する。解放メッセージを受信したことに応答して、UEは非アクティブ状態に入ることができ、その後にUEはCG-SDTをトリガすることができる。解放メッセージは、サスペンド・インジケータ、非アクティブ状態設定、SDT設定、及びCG-SDT設定を含むことができる。サスペンド・インジケータは、非アクティブ状態に入るべきことをUEに通知するために使用する。非アクティブ状態設定は、I-RNTI、RNA設定、及びセキュリティ関係情報を含むことができる。SDT設定は、SDTトリガ条件、適用されるDRB情報、等のようなSDTパラメータに関係する情報を含む。CG-SDT設定は、少なくとも、CG-ConfigScheduleを含み、表2802も含み、表2802は、特定のセルに適用すべきCG-SDT設定を記述する。例えば、表2802は、UEがセルZ上に滞在する際に、CG-SDT設定3を適用すべきことを示す。
【0064】
図29の例は、非アクティブ状態のUEがセルX上に滞在する様子を示す。ステップS2901では、UEがCG-SDTをトリガする前に、UEがCG-SDTリソース設定を取得することができる。しかし、本例では、セルXが予約したCG-SDTリソースの状態を提供しなくてもよい。従って、UEがCG-SDTをトリガする前に、UEは、CG-SDT設定が有効であるか否かを、CG-ConfigScheduleにより検証する。UEがCG-SDTをトリガする前に、CG-ConfigScheduleによればCG-SDT設定が有効である場合、UEは、設定されたCG-SDTリソースをCG-SDT用に用いる。UEがCG-SDTをトリガする前に、CG-ConfigScheduleによればCG-SDT設定が無効である場合、UEは、対応するCG-ConfigScheduleによってCG-SDTリソース設定を取得することができない。その結果、CG-SDTリソース設定がキャンピングセル内に存在しないことにより障害が発生し得る。その時、RACHベースの手順がキャンピングセルにおいて可能にされているものと仮定すれば、UEは代わりにRACHベースの手順をSDT用に用いることができる。さもなければ、UEは、キャンピングセルXではSDTが無効であるものと考える。
【0065】
図30に、CG-SDTトリガ手順の例を示す。本例では、非アクティブ状態のUEが、前から存在して記憶されているCG-SDT設定を有するものと仮定し、記憶されているCG-SDT設定のリスト内にあるセルX上に滞在するものと仮定する。しかし、本例では、セルXが、予約されたCG-SDTリソースの状態を提供することができ、この状態は有効なCG設定を示す。図30の手順は次の通りである。ステップS3001では、UEが、予約したCG-SDTリソースをセルXから獲得して記憶する。ステップS3002では、UEが、記憶しているキャンピングセルのCG-SDT設定が、予約したCG-SDTリソースの状態において有効であるか否かを判定する。記憶しているキャンピングセルのCG-SDT設定が、予約したCG-SDTリソースの状態において無効である場合、ステップS3003では、UEが、記憶しているキャンピングセルのCG-SDT設定を無効であるものと考える。記憶しているキャンピングセルのCG-SDT設定が、予約したCG-SDTリソースの状態において有効である場合、ステップS3004では、UEが記憶しているキャンピングセルのCG-SDT設定を保持する。ステップS3005では、UEがCG-SDTをトリガすべきか否かを決定する。トリガすべきでない場合、プロセスをステップS3004から開始する。トリガすべきである場合、ステップS3006では、UEがCG-ConfigSchedule情報によってCG-SDTリソース設定を取得する。ステップS3007では、UEがCG-SDTをトリガする。本例のメカニズム全体は、予約したCG-SDTリソースの状態をキャンピングセルによって提供するものであり、従って、予約したCG-SDTリソースの状態から、UEは、まず、記憶しているCG-SDT設定が有効であるか否かを知ることができる。このメカニズムの利点は、UEが、まず、設定を取得すべきか否かを決定することができることにある。例えば、記憶しているCG-SDT設定が時間切れになったことを知れば、UEがSTIをトリガすべきことを決定した際にいつでも、UEはこの設定を取得しようと試みることに時間を費やす必要がない。
【0066】
図31に、UEが、有効なCG-SDT設定に応答して、記憶しているキャンピングセルのCG-SDT設定を解除しており、その後にCG-SDTをトリガしない例を示す。非アクティブ状態のUEが、記憶しているCG-SDT設定を有し、このUEがセルX上に滞在し、記憶しているCG-SDT設定中のセルのリスト内にセルXがあるものと仮定する。ステップS3101では、セルXが、予約されたCG-SDTリソースの状態を提供し、この状態は、CG設定がセルA及びセルBにとって有効であることを示す。原則として、最後のサービングセルまたは最後のgNBから受信したCG-SDTリソースの状態が無効である場合、非アクティブ状態のUEは対応するCG-SDT設定を解除する。CG-SDTリソースの状態の無効は、予約されたCG-SDTリソースの状態によれば、記憶しているCG-SDT設定が無効として示される場合に発生し得る。さらに、予約されたCG-SDTリソースの状態がセルベースであり、UEの最後のサービングセルが、予約されたCG-SDTリソースの状態中に存在しない場合、UEは、記憶しているキャンピングセルのCG-SDT設定を無効であるものと考える。図31の例では、予約されたCG-SDTリソースの状態3102内にセルXがないので、UEは、記憶しているセルXのCG-SDT設定を無効であるものと考え、その後に、記憶しているCG-SDT設定を解除する。この時、UEは、記憶しているキャンピングセルのCG-SDT設定を、結果的なSDT用に用いない。
【0067】
図32に、UEが、記憶しているCG-SDT設定内のCG-ConfigScheduleに基づいて、キャンピングセルのCGリソース設定を取得し、その後に、予約したCGリソースを用いることによってCG-SDTを実行する例を示す。本例では、記憶しているCG-SDT設定を有する非アクティブ状態のUEがセルX上に滞在し、セルXは記憶しているCG-SDT設定内にある。セルXは、予約されたCG-SDTリソースの状態を提供することができ、この状態は、セルA及びセルBにとって有効なCG設定を示す。図32を参照すれば、ステップS3201では、セルXが、当該セルの予約されたCG-SDTリソースの状態をUEに送信し、このUEはアクティブ状態であり、セルX上に滞在する。次に、UEは、記憶しているキャンピングセルのCG-SDT設定が、上記予約されたCG-SDTリソースの状態中で有効であるか否かを判定する。上記予約されたCG-SDTリソースの状態より、UEは、上記予約されたCG-SDTリソースの状態内でリソースの状態を取得することができ、このリソースの状態は、記憶しているキャンピングセルのCG-SDT設定が有効であるか無効であるかを示すことができる。このリソースの状態が、記憶しているキャンピングセルのCG-SDT設定が有効であることを示す場合、ステップS3202では、UEが、キャンピングセルのCGリソース設定を、記憶しているCG-SDT設定内のCG-ConfigScheduleに基づいて取得することができる。このリソース状態が、記憶しているキャンピングセルのCG-SDT設定が無効であることを示す場合、ステップS3203では、UEが、他の手段を用いることによって、例えばRACHベースの手順または再開手順を用いることによって、SDTをトリガすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
上述した説明を考慮すれば、本発明は、無線通信システムにおいて用いるのに適し、非アクティブ状態のUEが異なるセル間を移動する際に、このUEがスモールデータをより効率的に伝送することを可能にする方法で、CG-SDTリソースを設定することができる。
【0069】
本願に開示する実施形態の詳細な説明中に用いるいずれの要素、動作、または命令も、特に断りのない限り本発明にとって絶対的に重要または不可欠なものとして解釈するべきでない。また、本明細書中に用いる各要素は2つ以上のアイテムを含み得る。1つだけのアイテムを意図する場合、「単一の」または同様な文言を用いる。さらに、本明細書中に用いる、複数のアイテム及び/またはアイテムの複数のカテゴリが後続する「...のいずれか」は、「...のいずれか」、「...の任意の組合せ」、「任意数の...」、及び/または「複数のアイテム及び/またはアイテムのカテゴリの任意の組合せ」を含むことを意図し、これらのアイテムまたはカテゴリは、個別でも、他のアイテム及び/またはアイテムのカテゴリと併せてもよい。さらに、本明細書中に用いる「集合」とは、0を含めた任意数のアイテムを含むことを意図している。さらに、本明細書中に用いる「数」とは、0を含めた任意の数を含むことを意図している。
【0070】
本発明の範囲または精神から逸脱することなしに、開示した実施形態に種々の変更及び変形を加えることができることは、当業者にとって明らかである。以上のことを考慮すれば、本発明の変更及び変形が、以下の特許請求の範囲及びその等価物の範囲内に入るものとすれば、本発明はこれらの変更及び変形をカバーすることを意図している。
【符号の説明】
【0071】
参照符号
S401 方法のステップ
S402 方法のステップ
S403 方法のステップ
501 プロセッサ
502 トランシーバ
503 記憶媒体
612 最後のサービングセル
613 セル
S601 方法のステップ
S602 方法のステップ
S603 方法のステップ
S604 方法のステップ
S605 方法のステップ
S701 方法のステップ
S702a 方法のステップ
S702b 方法のステップ
S703 方法のステップ
S704a 方法のステップ
S705b 方法のステップ
801 表
802 表
803 表
S901 方法のステップ
S902 方法のステップ
S1001 方法のステップ
S1002 方法のステップ
S1003 方法のステップ
S1101 方法のステップ
S1102 方法のステップ
S1103 方法のステップ
S1104 方法のステップ
S1105 方法のステップ
S1106 方法のステップ
S1107 方法のステップ
S1201 方法のステップ
S1202 方法のステップ
S1203 方法のステップ
S1301 方法のステップ
S1302 方法のステップ
S1303 方法のステップ
S1401 方法のステップ
S1402 方法のステップ
S1403 方法のステップ
S1501 方法のステップ
S1502 方法のステップ
S1503 方法のステップ
S1601 方法のステップ
S1701 方法のステップ
S1801 方法のステップ
S1802 方法のステップ
S1901 方法のステップ
S1902 方法のステップ
2001 表
2002 表
2003 表
S2201 方法のステップ
S2202 方法のステップ
S2203 方法のステップ
S2204 方法のステップ
S2205 方法のステップ
S2206 方法のステップ
S2207 方法のステップ
S2208 方法のステップ
S2209 方法のステップ
S2210 方法のステップ
S2211 方法のステップ
S2302 方法のステップ
S2401 方法のステップ
S2501 方法のステップ
S2501a 方法のステップ
S2601 方法のステップ
S2701 方法のステップ
S2702 方法のステップ
S2801 方法のステップ
S2802 表
S2901 方法のステップ
S3001 方法のステップ
S3002 方法のステップ
S3003 方法のステップ
S3004 方法のステップ
S3005 方法のステップ
S3006 方法のステップ
S3007 方法のステップ
S3101 方法のステップ
3102 表
S3201 方法のステップ
S3202 方法のステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
【外国語明細書】