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特開2022-65637ギガビットアプリケーションのための8つのデータ伝送コンタクトを含む特定のピン配置を備える電気プラグ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065637
(43)【公開日】2022-04-27
(54)【発明の名称】ギガビットアプリケーションのための8つのデータ伝送コンタクトを含む特定のピン配置を備える電気プラグ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6463 20110101AFI20220420BHJP
   H01R 13/648 20060101ALI20220420BHJP
【FI】
H01R13/6463
H01R13/648
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021167093
(22)【出願日】2021-10-12
(31)【優先権主張番号】20202065.7
(32)【優先日】2020-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】521216119
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ インダストリアル ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】フィーリップ モンヒャー
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン アハッツ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ゾルヒャー
(72)【発明者】
【氏名】ジークフリート フンク
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA08
5E021FB20
5E021FB21
5E021FC19
5E021LA10
5E021LA11
5E021MA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電気モータの動作に使われる小型の電気プラグであって、より多様な情報伝送が容易になる電気プラグを提供する。
【解決手段】少なくとも2つの電気エネルギー伝送コンタクト11、12を含み、電気エネルギー伝送コンタクトとは別個のいくつかの信号伝送コンタクト14、15を含む電気プラグ1であって、エネルギー伝送コンタクトおよび信号伝送コンタクトの配置によって、電気プラグ1のピン配置10の一部が形成され、電気プラグは、エネルギー伝送コンタクトおよび信号伝送コンタクトに加えて、少なくとも8つのデータ伝送コンタクト16~23を含み、データ伝送コンタクト16~23は、エネルギー伝送コンタクト11、12および信号伝送コンタクト14、15とは別個であり、少なくとも1ギガビット/秒の伝送速度のデータ伝送のために構成され、ピン配置10の一部である、電気プラグに関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの別個の電気エネルギー伝送コンタクト(11、12)を含み、前記電気エネルギー伝送コンタクト(11、12)とは別個のいくつかの信号伝送コンタクト(14、15、27、28)を含む電気プラグ(1)であって、前記エネルギー伝送コンタクト(11、12)および前記信号伝送コンタクト(14、15、27、28)の配置によって、前記電気プラグ(1)のピン配置(10)の一部が形成された電気プラグ(1)において、
前記電気プラグ(1)は、前記エネルギー伝送コンタクト(11、12)および前記信号伝送コンタクト(14、15、27、28)に加えて、少なくとも8つのデータ伝送コンタクト(16~23)を含み、前記データ伝送コンタクト(16~23)は、前記エネルギー伝送コンタクト(11、12)および前記信号伝送コンタクト(14、15、27、28)とは別個であり、少なくとも1ギガビット/秒の伝送速度のデータ伝送のために構成され、前記ピン配置(10)の一部であることを特徴とする、電気プラグ。
【請求項2】
前記8つのデータ伝送コンタクト(16~23)のすべてのうちの2つがそれぞれ、データ伝送コンタクト対として構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の電気プラグ(1)。
【請求項3】
前記8つのデータ伝送コンタクト(16~23)のすべてのうちの2つがそれぞれ、ツイストペア線を含むように構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の電気プラグ(1)。
【請求項4】
前記8つのデータ伝送コンタクト(16~23)は、前記ピン配置(10)においてXコード規格に従って配置され、特に前記電気プラグ(1)はM12Xコードプラグとして構成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の電気プラグ(1)。
【請求項5】
前記8つのデータ伝送コンタクト(16~23)は、前記電気プラグ(1)の第1のコンタクトキャリア(24)に配置され、特に前記第1のコンタクトキャリア(24)は、前記電気プラグ(1)の、特に管状のスリーブ(37)に配置されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の電気プラグ(1)。
【請求項6】
前記第1のコンタクトキャリア(24)を含む前記スリーブ(37)は、前記電気プラグ(1)の第2のコンタクトキャリア(39)に配置され、前記第2のコンタクトキャリア(39)は前記第1のコンタクトキャリア(24)とは別個であり、前記第2のコンタクトキャリア(39)には、前記信号伝送コンタクト(14、15、27、28)および前記エネルギー伝送コンタクト(11、12)も配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の電気プラグ(1)。
【請求項7】
前記電気プラグ(1)は、前記エネルギー伝送コンタクト(11、12)および前記信号伝送コンタクト(14、15、27、28)からの前記データ伝送コンタクト(16~23)の電磁シールドのための別個のシールド要素を含み、前記スリーブ(37)は前記シールド要素に収容され、特に、前記スリーブ(37)の外面が前記シールド要素の内面に接触することを特徴とする、請求項5または6に記載の電気プラグ(1)。
【請求項8】
前記シールド要素は、金属から形成されたシールドスリーブ(31)であることを特徴とする、請求項7に記載の電気プラグ(1)。
【請求項9】
前記第1のコンタクトキャリア(24)および/または前記スリーブ(37)は、4つの別個の4分の1セグメント(33、34、35、36)を含み、2つのデータ伝送コンタクト(16~23)のそれぞれが、各4分の1セグメント(33、34、35、36)に配置されていることを特徴とする、請求項5から8のいずれか一項に記載の電気プラグ(1)。
【請求項10】
前記ピン配置(10)は、正確に2つまたは正確に4つの信号伝送コンタクト(14、15、27、28)を含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の電気プラグ(1)。
【請求項11】
前記信号伝送コンタクト(14、15、27、28)は、前記ピン配置(10)において前記ピン配置(10)の高さ軸(H)に対称に配置され、かつ/または、前記8つのデータ伝送コンタクト(16~23)は、前記ピン配置(10)において前記ピン配置(10)の高さ軸(H)に対称に配置され、かつ/または、前記2つのエネルギー伝送コンタクト(11、12)は、前記ピン配置(10)において前記ピン配置(10)の高さ軸(H)に対称に配置されていることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の電気プラグ(1)。
【請求項12】
前記電気プラグ(1)は、前記ピン配置(10)の一部である接地コンタクト(13)を含み、特に、前記接地コンタクト(13)は、前記ピン配置(10)の高さ軸(H)に配置されていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の電気プラグ(1)。
【請求項13】
前記電気コンタクト(11、12、13、14、15、16~23、27、28)は、前記電気プラグ(1)のプラグハウジング(2)に配置され、前記プラグハウジング(2)は角度ハウジングまたは直線ハウジングであることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の電気プラグ(1)。
【請求項14】
前記信号伝送コンタクト(14、15、27、28)は、電気モータ(47)のエンジンブレーキの信号および/または電気モータ(47)の温度センサの信号および/または電気モータ(47)の過負荷保護のための信号を意図的に伝送することを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の電気プラグ(1)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の電気プラグ(1)を備え、電気モータ(47)のハウジング(46)のハウジング部(45)を備える装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、少なくとも2つの別個の電気エネルギー伝送コンタクトと、電気エネルギー伝送コンタクトとは別個のいくつかの信号伝送コンタクトとを含む電気プラグであって、エネルギー伝送コンタクトおよび信号伝送コンタクトの配置によって電気プラグのピン配置の一部が形成されている、電気プラグに関する。
【背景技術】
【0002】
多様な設計の電気プラグが知られている。例えば、電気プラグが電気モータに接触することも知られている。その場合、これに関連して、電力コンタクトとも呼ばれるエネルギー伝送コンタクトを介して、電気エネルギーをモータから、またはモータへそれぞれ伝送することができる。信号伝送コンタクトを介して、エネルギー信号とは異なる信号、すなわち、例えば制御信号または情報信号を伝送することができる。さらなる電気プラグを、いわゆるデイジーチェーンに使用することができる。これに関連して、電気プラグはコントローラを接続することができる。
【0003】
いくつかのモータを結合する場合、この状況では、対応するチェーンを介して、一方で十分な、したがって略一定のエネルギー伝送と、他方で通信信号の伝送とを容易にすることも必要である。これにより、そのような電気プラグには高い要求がなされる。特に、これは、高電圧安定性および高電流容量の要求にも当てはまる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、電気プラグであって、小型の構成の場合に、特に電気プラグにより行われる電気モータの動作に関して、より多様な情報伝送が容易になる、電気プラグを提供することである。また、少なくとも1つのそのようなプラグを備える装置を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、独立請求項の特徴を有する電気プラグおよび装置によって解決される。
【0006】
本発明の一態様は、少なくとも2つの別個の電気エネルギー伝送コンタクトを含み、電気エネルギー伝送コンタクトとは別個のいくつかの信号伝送コンタクトを含む電気プラグであって、エネルギー伝送コンタクトおよび信号伝送コンタクトの配置によって、電気プラグのピン配置の一部が形成されている、電気プラグに関する。
【0007】
電気プラグは、エネルギー伝送コンタクトおよび信号伝送コンタクトに加えて、いくつかのデータ伝送コンタクトを含み、これらのデータ伝送コンタクトは、エネルギー伝送コンタクトおよび信号伝送コンタクトとは別個であり、少なくとも1ギガビット/秒の伝送速度のデータ伝送のために構成されている。これらのデータ伝送コンタクトは、ピン配置の一部を形成する。電気プラグのそのような設計によっても、信号伝送に関して異なる機能のために意図的に設けられた少なくとも3つの異なる電気コンタクトのタイプを提供するピン配置が提供される。これら3つのタイプの電気コンタクトのそれぞれが、少なくとも2つの電気コンタクトを含む。
【0008】
そのような設計によって、特に電気モータの動作のための採用についてより多様かつより変動的な方法で電気プラグを提供することができる。これに関して、より最近の異なる電気モータの、より柔軟性のある使用を容易にすることができる。
【0009】
実施形態において、電気プラグは、少なくとも8つ、特に正確に8つのデータ伝送コンタクトを含む。これは、特に有利な実施形態である。したがって、少なくとも1ギガビット/秒、特に少なくとも5ギガビット/秒の伝送速度のデータ伝送に対する現在最新の要求に対応することができる。したがって、特に電気モータに対する高速かつ広範囲の同時データ伝送の最高の要求に従い、しかも小型かつ堅牢な構成を有する、そのような電気プラグを使用することができる。同様に、これに関して、電気プラグを介した電気モータから別の部品への対応する広範囲の情報伝送を行うことができる。これに関連して、電気プラグは、少なくとも1ギガビット/秒のデータ伝送速度におけるデータの双方向伝送のために設けられる。
【0010】
データ伝送速度は、伝送チャネルを介してある期間内に伝送されるデジタルデータの量を指定する。そのデータ量は、データ量の基準である。データ量の基本単位はビットである。ここでは、データはデジタル情報として理解すべきである。したがって、データ伝送コンタクトは、デジタル信号を伝送するために意図的に設けられ構成されている。
【0011】
信号伝送コンタクトは、特に、電気信号を機能ユニットにより伝送する電気コンタクトである。例えば、電気信号は、電気モータの機能ユニットの信号であり得る。信号伝送コンタクトはデータ伝送コンタクトではない。したがって、信号伝送コンタクトによって、データ伝送、およびしたがってデジタル信号の伝送を行うことはできない。したがって、少なくとも1ギガビット/秒の伝送速度で信号を伝送することもできない。信号伝送コンタクトは、アナログ信号を伝送する電気コンタクトである。これは、信号伝送コンタクトが、アナログ信号を伝送するために意図的に設けられ構成されていることを意味する。アナログ信号は直流電圧信号または交流電圧信号である。
【0012】
少なくとも2つのエネルギー伝送コンタクトを含み、エネルギー伝送コンタクトとは別個の少なくとも2つの信号伝送コンタクトを含み、かつエネルギー伝送コンタクトおよび信号伝送コンタクトとは別個の少なくとも8つのデータ伝送コンタクトを含むそのような電気プラグによって、多様な信号を、特に同時にも伝送可能な電気プラグを提供することができる。特に、これは電気モータを動作させるときに有利である。
【0013】
データ伝送コンタクトは、電気プラグのデータ伝送モジュールの一体部分である。
【0014】
いくつかの、特に少なくとも8つのデータ伝送コンタクトを含む実施形態において、2つがそれぞれデータ伝送コンタクト対として構成されている。これは、それぞれのデータ伝送コンタクトが結合されていることも意味する。したがって、このデータ伝送コンタクト対を介して、対応するデータ伝送を共同で行うことができる。これは、より高いデータ伝送速度を実現するために有利である。さらに、そのような実施形態によって、データ伝送のセキュリティが向上し、より故障しにくくなる。
【0015】
実施形態において、いくつかの、特に少なくとも8つのデータ伝送コンタクトのうち、2つのデータ伝送コンタクトがそれぞれ、ツイストペア線を含むように構成されている。そのようなローピングまたはツイストにより、電線の相互の影響を低減させる。そのようなツイストは、誘導的に結合される差動モード干渉を低減させる有効な措置である。
【0016】
実施形態において、いくつかの、特に少なくとも8つのデータ伝送コンタクトは、ピン配置においてM12Xコード規格に従って配置されている。特に、電気プラグはM12プラグである。これは特に有利な実施形態である。これは、一方で、M12プラグにより、非常に小型の構成を容易にすることができるからである。さらに、そのようなプラグタイプを、多様な方法で意識的に採用および使用することができる。特に電気モータの動作の場合に、そのようなプラグは非常に有利である。
それ故、これに関連して、この特に有利な実施形態の場合に、ピン配置においてこれら8つのデータ伝送コンタクトを含み、ピン配置においてこれら8つのデータ伝送コンタクトをXコード規格に従って配置する電気プラグが提供される。これは、とりわけ、M12タイプの場合に特に有利である。そのようなM12プラグの使用の柔軟性および範囲が、いくつかのデータ伝送コンタクト、特に8つのデータ伝送コンタクトをこのように組み込むことによって明らかに増加し、少なくとも1ギガビット/秒のデータ伝送速度が可能になる。したがって、特にM12Xコードがプラグタイプとして提供される。
【0017】
M12プラグは、他の部品に対する接続部として、特に12mmのねじ山を含む電気プラグである。これは、サイズの点で、これに関して対応して規格化または正規化される。
【0018】
実施形態において、いくつかの、特に少なくとも8つのデータ伝送コンタクトが、電気プラグの第1のコンタクトキャリアに配置されている。この第1のコンタクトキャリアは、電気プラグの管状スリーブに配置されている。一実施形態において、第1のコンタクトキャリアは、この管状スリーブとは別個に構成されている。一実施形態において、第1のコンタクトキャリアは、単一部品として形成され、特にプラスチックから形成されるように構成されている。この第1のコンタクトキャリアは、存在するすべてのデータ伝送コンタクトをスナップ係合して受け入れ、または配置するように構成されていることが好ましい。この第1のコンタクトキャリアを管状スリーブに受け入れる、特に完全に受け入れることにより、小型の構成および安全な位置における配置が容易になる。さらに、これらのデータ伝送コンタクトおよび第1のコンタクトキャリアは、周囲の管状スリーブによって保護される。
【0019】
実施形態において、第1のコンタクトキャリアを含むこの管状スリーブは、電気プラグの第2のコンタクトキャリアに配置されている。この第2のコンタクトキャリアには、信号伝送コンタクトおよびエネルギー伝送コンタクトも直接配置されている。したがって、第2のコンタクトキャリアは中央キャリアとして機能し、電気プラグのすべての電気コンタクトを受け入れる。一実施形態において、第2のコンタクトキャリアは、プラスチックから形成されるように構成されている。
【0020】
電気プラグは、上記の管状スリーブとは別個の、特に管状の外側スリーブを有することが想定され得る。この管状の外側スリーブは、同様に、プラスチックから形成されるように構成されていてよい。特に、この管状外側スリーブに、第2のコンタクトキャリアが受け入れられ、特に完全に受け入れられる。
【0021】
実施形態において、電気プラグは、エネルギー伝送コンタクトおよび信号伝送コンタクトに対するデータ伝送コンタクトの電磁シールドのための別個のシールド要素を含む。したがって、この別個のシールド要素は、データ伝送コンタクトの電磁シールドのために意図的に構成され設けられている。上記のスリーブは、特にシールド要素に受け入れられる。特に、スリーブの外面がシールド要素の内面に接触する。
【0022】
したがって、特に有利な方法では、電気プラグの残りの電気コンタクトに対するデータ伝送コンタクトの電磁シールドが実現される。これにより、特に干渉を低減させたデータ伝送が実現される
【0023】
実施形態において、シールド要素は管状シールドスリーブである。これにより、シールド要素は特に固く、他の部品のキャリアとしても機能する。さらに、これにより、特に有利なシールドが実現される。シールドスリーブは、金属から形成されるように構成されている。
【0024】
実施形態において、第1のコンタクトキャリアおよび/またはスリーブは、結合のための端部として、4つの別個の4分の1セグメントを含む。一実施形態において、各4分の1セグメントに、2つのデータコンタクトのそれぞれ、特に正確に2つのデータコンタクトが配置されている。したがって、これらのデータ伝送コンタクトの、特に簡単で、しかも結合が容易なピン配置が実現される。
【0025】
実施形態において、4分の1セグメントが等しいサイズを有するように構成されている。特に、電気プラグのデータ伝送モジュールの中心点の周りの対称配置が形成される。
【0026】
実施形態において、ピン配置は正確に2つの信号伝送コンタクトを含む。信号伝送コンタクトを、電気モータの機能ユニットの信号伝送のため、特にアナログ信号のために意図的に設けることができる。そのような機能ユニットは、例えば、モータブレーキ機能またはブレーキ機構であってよい。したがって、電気モータを、減速または加速のために具体的に制御することができる。さらなる機能ユニットは、例えば、電気モータの温度センサであってよい。それ故、これに関連して、この温度センサの信号を、これらの信号伝送コンタクトを介して伝送することができる。さらなる実施形態において、信号伝送コンタクトを、電気モータの過負荷保護のための信号を伝送するように意図的に設けて使用することができる。
【0027】
さらなる実施形態において、ピン配置は3つ以上の信号伝送コンタクトを含む。例えば、一実施形態において、ピン配置が正確に4つの信号伝送コンタクトを含むことが想定され得る。したがって、例えば前述したようないくつかの機能部品のいくつかの信号を、特に同時にも伝送することができる。
【0028】
実施形態において、信号伝送コンタクトは、ピン配置において、このピン配置の高さ軸に対称に配置されている。これに関連して、高さ軸は、ピン配置を正面から見た場合、垂直軸である。加えてまたは代わりに、いくつかの、特に8つのデータ伝送コンタクトが、ピン配置においてピン配置のこの高さ軸に対称に配置されることが想定され得る。加えてまたは代わりに、一実施形態において、2つのエネルギー伝送コンタクトが、ピン配置においてピン配置の高さ軸に対称に配置されることが想定され得る。したがって、一実施形態において、多様な対称ピン配置が提供される。一方で、これにより、特に小型の構成が容易になり、他方で、別のプラグの相補ピン配置に対する特に確実かつ簡単な結合が容易になる。
【0029】
特に、上記の電気コンタクトは、ピン配置の水平軸に非対称に配置されている。これも、ピン配置の正面視を基準として見たものである。一実施形態において、データ伝送コンタクトは、ピン配置を高さ軸の方向で正面から見た場合に、エネルギー伝送コンタクトよりも高く位置決めされるように配置されている。この高さ軸の方向で見ると、少なくとも2つの信号伝送コンタクトは、データ伝送コンタクトの延長部の領域に重なるように配置されるか、またはこの領域に配置されている。一実施形態において、データ伝送コンタクトは、ピン配置の中心点の周りに対称に配置されていない。したがって、データ伝送コンタクトの中心点は、ピン配置全体の中心点とは等しくない。特に、横軸も、プラグのピン配置全体を第1のピン配置半部と第2のピン配置半部とに細分する。
【0030】
実施形態において、いくつかの、特に8つのデータ伝送コンタクトは、これらのデータ伝送コンタクトの中心点の周りの1つの円に配置されている。データ伝送コンタクトの中心点は、データ伝送モジュールの中心点である。
【0031】
実施形態において、電気プラグは、1つ、特に正確に1つの接地コンタクトを含む。接地コンタクトは、信号伝送コンタクト、エネルギー伝送コンタクト、およびデータ伝送コンタクトとは別個の電気プラグの電気コンタクトである。接地コンタクトはピン配置の一部である。一実施形態において、接地コンタクトは、ピン配置の高さ軸に配置されている。高さ軸は、ピン配置を正面から見た場合、垂直軸である。特に、接地コンタクトは、この高さ軸に対称であるように、この高さ軸に配置されている。一実施形態において、接地コンタクトは、ピン配置の中心に配置されていない。特に、接地コンタクトは、データ伝送コンタクトの配置の中心点に直列に、高さ軸に沿って位置決めされている。接地コンタクトは、特に2つのエネルギー伝送コンタクト間に配置されている。接地コンタクトは、高さ軸に沿って見ると、エネルギー伝送コンタクトに対してさらに下方にずれている。
【0032】
実施形態において、信号伝送コンタクトは、高さ軸に垂直に見ると、データ伝送コンタクトよりもこの高さ軸から離れて配置されている。特に、これは、すべてのデータ伝送コンタクトと比較して、すべての信号伝送コンタクトに当てはまる。
【0033】
実施形態において、電気コンタクトは、電気プラグのプラグハウジングに配置されている。一実施形態において、この電気プラグハウジングは角度ハウジングである。これは、このプラグハウジングが、第1のプラグハウジング部分と第1のプラグハウジング部分に対して傾斜して配置されている第2のプラグハウジング部分とを有することを意味する。特に、これら2つのプラグハウジング部分の長手方向軸間の角度は、80°~100°、特に90°になる。
【0034】
プラグハウジング部分は、特に管状に構成されている。プラグハウジング部分は、特に金属から形成されている。
【0035】
本発明のさらなる態様は、上記の態様またはその有利な実施形態による電気プラグを備える装置に関する。この装置は、電気モータのハウジングの少なくとも1つのハウジング部をさらに備える。電気プラグは、ハウジング部に接続可能である。
【0036】
このために、プラグのプラグハウジングは、フランジスリーブを含むことができる。このフランジスリーブにより、電気プラグをハウジング部の外面に配置することができる。特に、電気プラグをハウジング部の外面にねじ留めすることができる。
【0037】
しかしながら、ハウジング部に対する電気プラグの異なる取付けも可能である。例えば、これに関連して、簡単なプラグ接続が設けられる。これに関連して、ハウジング部、特にハウジング部のプラグソケットに対する電気プラグの取付けを、そのようなプラグ接続のみによって容易にすることができる。それにより、複雑なねじ取付けまたは追加の別個のねじによる取付けを避けることができる。
【0038】
実施形態において、電気プラグは直流(DC)プラグとして構成されている。
【0039】
実施形態において、電気プラグは、特にそのいくつかのデータ伝送コンタクトに関して、Cat6規格に従って意図的に構成されている。電気プラグは、これに関してより高い規格、例えばCat6a、Cat7、またはCat7a、またはCat8について構成されていてもよい。
【0040】
本発明のさらなる態様は、情報の地点間伝送のために構成されているシステムに関する。しかしながら、同様に、システムは、いわゆるデイジーチェーン構成であってもよい。
【0041】
上記の電気プラグを多様な応用分野で使用することができる。例えば、工業オートメーションにおけるフィールドバス通信で使用することができる。同様に、電気プラグを個々のドライブ間の通信に使用することができる。さらに、電気プラグを集中構造、分散構造、またはモータ一体型構造で使用することもできる。さらなる応用は、例えば、ビデオシステムまたは一般に光学システムにおける応用であってよい。例えば、医療診断機器、光学的品質制御システム、または乗客情報システム、およびエンターテインメントシステムの場合である。
【0042】
ピン配置を、雄または雌であるように構成することができる。したがって、電気プラグの電気コンタクトを、例えば、それぞれコンタクトピンとして、またはコンタクトホールもしくは止まり穴として構成することができる。
【0043】
「上」、「下」、「前」、「後」、「水平」、「垂直」、「深さ方向」、「幅方向」、「高さ方向」という表示を用いて、プラグの意図された使用および意図された配置の場合に与えられる位置および向きが示される。
【0044】
本発明のさらなる特徴が、特許請求の範囲、図面、および図面の説明から明らかになる。上記の説明における特徴および特徴の組合せ、ならびに以下の図面の説明に記載され、かつ/または図面のみに示されている特徴および特徴の組合せは、それぞれ指定された組合せだけでなく他の組合せでも、本発明の範囲から逸脱することなく使用可能であり、または単独で取り出すことができる。したがって、図面に明示されず説明されないが、別々の特徴の組合せによって、説明された実装形態から明らかになり生成できる実装形態も、本発明によって包含および開示されるものとみなされる。
したがって、最初に策定された独立請求項の特徴のすべてを含むわけではない実装形態および特徴の組合せも、開示されるものとみなされる。さらに、特許請求の範囲の後方参照に記載される特徴の組合せを超える、または逸脱する実装形態および特徴の組合せは、特に上記の実装形態によって開示されるものとみなされる。
【0045】
以下で、概略図面を参照することにより、本発明の実施形態についてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】ピン配置の実施形態を含む電気プラグの実施形態の正面図である。
図2】ピン配置の実施形態を含む電気プラグのさらなる実施形態の正面図である。
図3図1または図2によるピン配置を含む電気プラグの実施形態のさらなる斜視図である。
図4図1または図2によるピン配置を含む電気プラグのさらなる実施形態の斜視図である。
図5図3による電気プラグのさらなる斜視図である。
図6図2によるピン配置を含む電気プラグのさらなる実施形態の斜視図である。
図7】電気プラグの一部の部品を含む、電気プラグの実施形態の分解図である。
図8図2による電気プラグを、電気コンタクトの寸法の例と共に示す図である。
図9図2による電気プラグを、電気コンタクトの寸法の例と共に示す後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図中、同一の要素または同一の機能を有する要素は、同一の参照符号で示す。
【0048】
図1において、電気プラグ1が示されている。電気プラグ1を、例えば、電気モータのハウジング部に接続するように意図的に設けることができる。電気プラグ1は、例えば角度プラグであってよい。これに関連して、図3に、そのような角度プラグの斜視図が示されている。図3による電気プラグ1は、プラグハウジング2を備える。プラグハウジング2は、第1のプラグハウジング部分3と第2のプラグハウジング部分4とを備える。2つの管状プラグハウジング部分3、4は、互いに対して斜めに配置されている。特に、この角度は90°になる。図3に示す実施形態において、電気プラグ1はフランジスリーブ5も備える。フランジスリーブ5は、第2のプラグハウジング部分4に接続されている。フランジスリーブ5により、電気プラグ1を電気モータのハウジング部の外側に取り付けることができる。特に、電気プラグ1を電気モータのハウジング部の外側にねじ留めすることができる。
【0049】
図3でも認識できるように、電気プラグ1は、第1のプラグハウジング部分3の自由端9において、さらなる部品への結合可能性を有する。例えば、さらなるプラグを自由端9に接続することができる。このために、管状の第1のプラグハウジング部分3の外側部分6に、ねじ山7および/またはバヨネット結合部8が構成されている。したがって、場合により、ねじ山7またはバヨネット結合部8による別のプラグとの機械的結合を実現することができる。この結合可能性は、M12に従って構成される。
【0050】
第1のプラグハウジング部分3は長手方向軸Aを有する。一実施形態において、この電気プラグ1は図1によるピン配置を含む。図1では、一実施形態において、自由端9における長手方向軸Aの方向の上面図が示されている。図1で認識できるように、この電気プラグ1のピン配置10全体が、第1のエネルギー伝送コンタクト11を含む。さらに、ピン配置10全体は、第2の電気エネルギー伝送コンタクト12を含む。さらに、電気接地コンタクト13が設けられている。エネルギー伝送コンタクト11、12によって、エネルギー伝送信号が伝送される。
【0051】
認識できるように、ピン配置10は高さ軸Hを有する。高さ軸Hは長手方向軸Aに垂直に向けられる。ピン配置10の正面から見ると、この高さ軸Hは垂直軸である。高さ軸Hは、この円形のプラグ幾何形状のこのピン配置10全体の中心Mを通って延びる。円形のプラグ幾何形状が図1に示されている。特に、対応する電気プラグはM12プラグである。
【0052】
認識できるように、エネルギー伝送コンタクト11、12は、高さ軸Hに対称に配置されている。接地コンタクト13は、この高さ軸Hに直接配置されている。
【0053】
実施形態において、ピン配置10は2つの信号伝送コンタクト14、15を含む。2つの信号伝送コンタクト14、15は、エネルギー伝送コンタクト11、12とは異なる。ここでは、信号伝送コンタクト14、15は、エネルギー伝送コンタクト11、12よりも直径が小さくなるように構成されている。信号伝送コンタクト14、15によって、エネルギー伝送信号は伝送されない。より正確に言えば、機能部品を制御するため、かつ/またはこれらの機能部品から情報を伝送するための信号が伝送される。信号伝送コンタクト14、15はデータ伝送コンタクトではない。信号伝送コンタクト14、15の伝送速度は、データ伝送コンタクトの場合よりも遅く、特に何倍も遅い。特に、信号伝送コンタクト14、15はギガビットデータ伝送コンタクトではない。
【0054】
認識できるように、2つの信号伝送コンタクト14、15は、この高さ軸Hに対称であるように構成されている。図1では水平軸であり、同様に中心Mを通って延びる横軸Qに対して、2つの信号伝送コンタクト14、15が、第1のピン配置半部、特に上部ピン配置半部に配置されている。エネルギー伝送コンタクト11、12および接地コンタクト13は、これとは異なるピン配置半部、特に、下部ピン配置半部に配置されている。
【0055】
さらに、ピン配置10はいくつかのデータ伝送コンタクトを有する。実施形態において、8つ、特に正確に8つのデータ伝送コンタクト16、17、18、19、20、21、22、23が構成されている。これらのデータ伝送コンタクト16~23は、ギガビットデータ伝送コンタクトである。これは、これらのデータ伝送コンタクト16~23が、少なくとも1ギガビット/秒の伝送速度、特に少なくとも5ギガビット/秒のデータ伝送速度のデータ伝送のために構成されていることを意味する。
一実施形態において、ここでは、8つのデータ伝送コンタクト16~23がそれぞれデータ伝送コンタクト対で組み合わされることが想定される。実施形態において、これは、データ伝送コンタクト16、17がデータ伝送コンタクト対を形成することを意味する。同様に、データ伝送コンタクト18、19がデータ伝送コンタクト対を形成する。さらに、データ伝送コンタクト20、21がデータ伝送コンタクト対を形成する。そして、特に、データ伝送コンタクト22、23もデータ伝送コンタクト対を形成する。
【0056】
これに関連して、実施形態において、8つのデータ伝送コンタクト16~23のうちの2つのそれぞれが4分の1セグメントに配置されることも想定される。ここでは、4つの4分の1セグメントが示されている。これらの4分の1セグメントは、互いに別個に構成されている。
【0057】
特に、これらの別個の4分の1セグメントを、他のプラグに結合するための結合構造として含む、電気プラグ1の第1のコンタクトキャリア24が設けられている。この第1のコンタクトキャリア24は、特にプラスチックから単一部品として形成されるように構成されている。しかしながら、4分の1セグメントは、電気プラグ1のデータ伝送モジュール25のスリーブ37(図7)の一体部分であってもよい。このスリーブ37は、第1のコンタクトキャリア24とは別個である。その場合、第1のコンタクトキャリア24はスリーブ37に収容される。
【0058】
一実施形態において、電気プラグ1はデータ伝送モジュール25を含む。このデータ伝送モジュール25は、ここでは、これら8つのデータ伝送コンタクト16~23を含む。データ伝送モジュール25は、ここでは、円形のプラグ外形を有して構成されている。データ伝送モジュール25は、ピン配置10に完全に組み込まれている。
【0059】
全体として考えると、これは、このデータ伝送モジュール25の対応する独自のピン配置が、プラグ1のピン配置10全体の表面内に完全に配置されていることも意味する。このデータ伝送モジュール25のピン配置26は、ここでは、これら8つのデータ伝送コンタクト16~23を含む。このデータ伝送モジュール25のピン配置26は中心M1を有する。特に、ピン配置26は円形配置であり、ピン配置10の円形配置に含まれている。この中心M1の周りに、ここでは8つのデータ伝送コンタクト16~23が配置されている。データ伝送コンタクト16~23は、この中心M1に対して等しい半径で配置されている。ピン配置26の中心M1は、ピン配置10の中心Mとは異なる。一実施形態において、中心M1は、ピン配置10の上部ピン配置半部にある。特に、8つのデータ伝送コンタクト16~23のすべてが、ピン配置10の上部ピン配置半部にある。
【0060】
実施形態において、図1に示すように、中心M1は高さ軸Hに配置されている。一実施形態において、ここでは8つのデータ伝送コンタクト16~23が、この高さ軸Hに対称に配置されている。これは、4つのデータ伝送コンタクト16~19が、それぞれ互いに対称に、高さ軸Hに対して一側に配置され、他のデータ伝送コンタクト20~23が、この高さ軸Hの他側に配置されていることを意味する。
【0061】
ここでは8つのデータ伝送コンタクト16~23のうち、2つのデータ伝送コンタクトがそれぞれ、ツイストペア線を含むように構成されている。
【0062】
一実施形態において、8つのデータ伝送コンタクト16~23は、ピン配置においてXコード規格に従って配置されている。特に、ここでは、M12Xコードが実現されている。これは、電気プラグ1が、Xコード規格に従って、データ伝送コンタクトを配置しているか、またはデータ伝送コンタクトを含む、M12プラグであることを意味する。
【0063】
図1でも認識できるように、信号伝送コンタクト14、15は、高さ軸Hに垂直に見ると、すべてのデータ伝送コンタクト16~23よりもこの高さ軸Hから離れている。
【0064】
図2では、電気プラグ1のさらなる実施形態が示されている。図2では、図1に関して説明したようなピン配置10が同様に示されている。図1とは対照的に、図2では、2つの信号伝送コンタクト14、15だけでなく、4つの別個の信号伝送コンタクト14、15、27、28がピン配置10に含まれることが想定される。ここでは、4つの信号伝送コンタクト14、15、27、28のすべてが、ピン配置10の上部ピン配置半部に構成されている。4つの信号伝送コンタクト14、15、27、28は、高さ軸Hに対称に配置されている。信号伝送コンタクト14、15、27、28はすべて、高さ軸Hに垂直に測定された、すべてのデータ伝送コンタクト16~23のそれぞれの対応する距離よりも大きい距離をおいて配置されている。
【0065】
図3では、図示の電気プラグ1が、例えば図1または図2に示すようなピン配置の設計を有する。
【0066】
電気プラグ1は外側スリーブ29を備える。外側スリーブ29はプラスチックから形成されている。この管状外側スリーブ29は、第1のプラグハウジング部分3とは別個である。第1のプラグハウジング部分3は金属、特にダイカスト合金から形成されている。この管状外側スリーブ29は、データ伝送モジュール25を備える。さらに、管状外側スリーブ29は、別個の第2のコンタクトキャリア(図3では認識できない)を備える。この第2のコンタクトキャリアは、プラスチックから形成されるように構成されている。
第2のコンタクトキャリアは、すべての電気コンタクトを直接含むと考えられる。これは、データ伝送モジュール25と少なくとも2つの信号伝送コンタクト14、15、27、28との両方が、2つのエネルギー伝送コンタクト11、12と接地コンタクト13とを含むことを意味する。これらのコンタクトを、例えば、第2のコンタクトキャリアにスナップ係合することができる。
【0067】
さらに、電気プラグ1は第1のコンタクトキャリアを備える。この第1のコンタクトキャリア(同様に図3では認識できない)は、データ伝送モジュール25の一体部分である。第1のコンタクトキャリアは、特にプラスチックから単一部品として形成されている。いくつかの、特に8つのデータ伝送コンタクト16~23を、第1のコンタクトキャリアに直接取り付けることができる。
さらに、電気プラグ1、特にデータ伝送モジュール25は、管状スリーブ(同様に図3には示さない)を備える。この管状スリーブは、この第1のコンタクトキャリアを備える。管状スリーブは、外周側で、この第1のコンタクトキャリアを完全に囲む。この管状スリーブは、特に金属から形成されるように構成されている。このスリーブは、第1のコンタクトキャリアによって第2のコンタクトキャリアに直接取り付けられている。したがって、このデータ伝送モジュール25も、存在することが好ましい外側スリーブ29内に配置され、外周側でこの外側スリーブ29によって囲まれる。
【0068】
特に、この外側スリーブ29で、接地コンタクト13との電気接続が実現されて、その後さらに、金属の第1のプラグハウジング部分3との対応する電気接触も形成されるようになっている。これにより、接地が実現される。
【0069】
実施形態において、データ伝送モジュール25のスリーブの外側に、電気プラグ1の残りの電気コンタクトに対するデータ伝送モジュール25の電磁シールドのための別個のシールド部が配置されている。例えば、このシールド部は金属から形成された網であってよい。
【0070】
実施形態において、ピン配置10が正確に2つの信号伝送コンタクト、正確に2つのエネルギー伝送コンタクト、正確に1つの接地コンタクト、および正確に8つのデータ伝送コンタクトを含むことが想定される。さらなる一実施形態において、ピン配置10は正確に2つのエネルギー伝送コンタクト、正確に1つの接地コンタクト、正確に8つのデータ伝送コンタクト、および正確に4つの信号伝送コンタクトを含むことができる。
信号伝送コンタクト14、15または14、15、27、28は、電気モータのエンジンブレーキの信号および/または電気モータの温度センサの信号および/または電気モータの温度センサの信号および/または電気モータの過負荷保護のための信号を伝送するために意図的に設けられている。特にそのような信号は、これらの信号伝送コンタクト14、15および/または27、28を介して伝送される。特に、データ伝送コンタクト16~23を介して、データ信号は1ギガビット/秒以上の伝送速度で伝送される。
【0071】
図4に、プラグ1のさらなる実施形態が示されている。この電気プラグ1は、図3で説明したような角度プラグではない。ここでは、電気プラグ1は直線プラグである。この電気プラグ1を、例えば、図3による電気プラグ1に直接接続または結合するために設けることができる。例えば、図4による電気プラグ1を、結合部30で結合部9に直接結合することができる。
【0072】
図5に、図3による電気プラグ1のさらなる斜視図が示されている。ここでは、雄プラグとしての構成が示されている。エネルギー伝送コンタクト11、12、接地コンタクト13、ここでは4つの信号伝送コンタクト14、15、27、28、および8つのデータ伝送コンタクト16~23である電気コンタクトは、コンタクトピンである。図5では、データ伝送モジュール25の前述したスリーブ31をさらに認識することができる。
【0073】
図6に、ここでも角度プラグである電気プラグ1の構成が示されている。図5との違いは、図6の電気プラグは雌ピン配置10を有して構成されていることである。これは、上記の電気コンタクトが、コンタクトピンとして構成されているのではなく、コンタクトソケット、特に挿入開口部として構成されていることを意味する。
【0074】
図6には、データ伝送モジュール25の第1のコンタクトキャリア24の実施形態もさらに示されている。これに関して、ここでも、4分の1セグメント33、34、35、36を認識することかできる。明確にするために、ここでは、データ伝送コンタクト16~23の参照符号は図6に示されていない。
【0075】
図7に、図4による電気プラグ1の実施形態の分解図が示されている。しかしながら、ここでは、電気プラグ1のすべての部品が示されているわけではない。
【0076】
第1のコンタクトキャリア24、データ伝送コンタクト16~23、および管状スリーブ37を備えるデータ伝送モジュール25が示されている。ここに示す実施形態においては、データ伝送コンタクト16~23の電磁シールドのためのシールド要素がさらに示されている。シールド要素は、ここでは、別個の管状シールドスリーブ31である。管状シールドスリーブ31も、ここでは、データ伝送モジュール25の一体部分である。シールドスリーブ31は金属から形成されている。
【0077】
データ伝送コンタクト16~23が直接配置される第1のコンタクトキャリア24は、このスリーブ37に挿入される。スリーブ37は、シールドスリーブ31に挿入される。データ伝送モジュール25は、第2のコンタクトキャリア39の受入部38に挿入可能である。この第2のコンタクトキャリア39はさらに、エネルギー伝送コンタクト11、12、接地コンタクト13、および信号伝送コンタクト14、15、および設けられている場合には、信号伝送コンタクト27、28が、直接取り付けられるように、特にスナップ係合されるように構成されている。さらに、前述した外側スリーブ29が示されている。装着状態で、外側スリーブ29に第2のコンタクトキャリア39を挿入可能である。
【0078】
図7に、接地コンタクト13を電気プラグ1の金属ハウジング部41に導電接続する電気コンタクト40も示されている。この管状ハウジング部41に、外側スリーブ29を含むコンタクトモジュールが挿入される。さらに、図7に、追加のシールおよびねじ留め部品も示されている。さらに、さらなるハウジング部42が示されている。ハウジング部42を第1のハウジング部41とねじ留めすることができ、これにより、この電気プラグ1のプラグハウジングが形成されるようになっている。このプラグハウジングは、電気プラグ1の外側ハウジングでもある。これに関し、他の実施形態において、プラグハウジング部分3、4およびフランジスリーブ5は、外側ハウジングを形成する部品である。
【0079】
さらに、図7に、圧着スリーブ32が例として示されている。さらに、ケーブルクランプ43およびシールドリング44が示されている。
【0080】
図8に、図2による電気プラグ1が示されている。明確にするために、参照符号の一部のみが示されている。このようにして、例として理解すべき寸法を認識することができる。一実施形態において、エネルギー伝送コンタクト11、12から最も離れた2つのデータ伝送コンタクト16、23間の、高さ軸H(中心Mを通って延びる)に垂直に測定された距離は、2.5mm~3.0mm、特に2.7mm~2.9mmである。実施形態において、これは、エネルギー伝送コンタクト11、12に最も近いデータ伝送コンタクト19、20にも当てはまる。データ伝送コンタクト19、20は、他のデータ伝送コンタクト16、17、18、21、22、23と比較して、横軸Q(中心Mを通って延びる)に最も近い。
【0081】
実施形態において、横軸Qに垂直に測定された2つのデータ伝送コンタクト16、17間の距離は、1.2mm~1.6mm、特に1.3mm~1.5mmである。これに関して、データ伝送コンタクト18、19間、およびデータ伝送コンタクト20、21間、およびデータ伝送コンタクト22、23間で測定された距離にも同じことが当てはまる。したがって、これらの距離は、データ伝送コンタクト対をそれぞれ形成する2つのデータ伝送コンタクトのそれぞれに関連する。
【0082】
実施形態において、高さ軸Hに垂直に測定された信号伝送コンタクト14、15が設けられている場合、これらの信号伝送コンタクト14、15間の距離は14.0mm~15.0mm、特に14.5mm~14.7mmである。一実施形態において、高さ軸Hに垂直に測定された信号伝送コンタクト27、28が設けられている場合、これらの信号伝送コンタクト27、28間の距離は14.0~15.0mm、特に14.5mm~14.7mmである。これに関して、信号伝送コンタクト27、28間の距離は、信号伝送コンタクト14、15間の距離に等しくてよい。しかしながら、別の実施形態において、これらの距離は異なっていてもよい。特に、差は0.05mm~1.5mmになってもよい。
【0083】
実施形態において、高さ軸Hに垂直に測定されたエネルギー伝送コンタクト11、12間の距離は、10.6mm~11.2mm、特に10.8mm~11.0mmである。
【0084】
実施形態において、横軸Qに垂直に測定された、信号伝送コンタクト14および/または15とエネルギー伝送コンタクト11および/または12との間の距離は、4.9mm~5.5mm、特に5.1mm~5.3mmである。この距離の決定のために割り当てられた信号伝送コンタクト14または15およびエネルギー伝送コンタクト11または12は、このために、高さ軸Hに対して同じピン配置半部に配置されている。
【0085】
実施形態において、横軸Qに垂直に測定された、信号伝送コンタクト27および/または28とエネルギー伝送コンタクト11および/または12との間の距離は、7.7mm~8.3mm、特に7.9mm~8.1mmである。この距離の決定のために割り当てられた信号伝送コンタクト27または28およびエネルギー伝送コンタクト11または12は、このために、高さ軸Hに対して同じピン配置半部に配置されている。
【0086】
上記の距離はそれぞれ、ここではコンタクトピンであるこれら上記の電気コンタクトの中心間または長手方向軸間で測定されている。
【0087】
図9に、図2による電気プラグ1の後面図が示されている。明確にするために、参照符号の一部のみが示されている。このようにして、例として理解すべき寸法を認識することができる。
【0088】
ここでは、図8とは対照的に、雄ピン配置が示されず、雌ピン配置が示されている。距離は、電気コンタクトの外側の平行な接線間の距離として理解すべきである。ここでは、電気コンタクトはコンタクトピンではなく、コンタクトホールである。
【0089】
実施形態において、2つの隣接するデータ伝送コンタクト22、23、特にデータ伝送コンタクト対間の距離は、0.4mm~0.8mm、特に0.5mm~0.7mmである。
【0090】
実施形態において、横軸Qに垂直に測定された、同じピン配置半部(高さ軸Hに対して見て)に配置されている信号伝送コンタクト27とさらなる信号伝送コンタクト14との間の距離は、0.7mm~1.1mm、特に0.8mm~1.0mmである。他の信号伝送コンタクト15、28にも同じことが当てはまる。
【0091】
実施形態において、データ伝送モジュール25のピン配置26の横軸(M1を通って延びる)に垂直に測定された、データ伝送コンタクト17と隣接するデータ伝送コンタクト18との間の距離は、1.3mm~1.6mm、特に1.4mm~1.5mmである。これらのデータ伝送コンタクト17、18は、ピン配置の横軸に対称に向き合い、この横軸に最も近いデータ伝送コンタクトである。これらのデータ伝送コンタクト17、18は、ピン配置26の高さ軸によって形成されている、データ伝送モジュール25のピン配置26のピン配置半部に配置されている。実施形態において、ピン配置10全体の高さ軸Hは、ピン配置26の高さ軸に等しい。これは図8の実施形態にも当てはまる。図9のさらなるデータ伝送コンタクト21、22について、対応する距離が構成されている。
【0092】
実施形態において、同じピン配置半部において高さ軸Hに対して配置されている信号伝送コンタクト15とエネルギー伝送コンタクト12との間の距離は、2.1mm~2.5mm、特に2.3mm~2.4mmである。2つの信号伝送コンタクト15、28がピン配置半部に配置されている場合、エネルギー伝送コンタクト12とエネルギー伝送コンタクト12に最も近い信号伝送コンタクト15との間のこの距離が当てはまる。電気コンタクト14、11、27に関して同じことが当てはまる。
【0093】
実施形態において、高さ軸Hに垂直に測定されたエネルギー伝送コンタクト11、12間の距離は、6.7mm~7.3mm、特に6.9mm~7.1mmである。
【0094】
実施形態において、エネルギー伝送コンタクト11、12と接地コンタクト13との間の距離は、1.8mm~2.3mm、特に2.0mm~2.1mmである。
【0095】
上記の寸法は、個々に見て、ピン配置10における電気コンタクトの配置の他の実施形態にも当てはまる。
【0096】
特に、前述した電気プラグは、特に図5に概略的に例として示す電気モータ47のハウジング46の少なくとも1つのハウジング部45をさらに備える装置の一体部分である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】