(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065666
(43)【公開日】2022-04-27
(54)【発明の名称】ニードル磁化器
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20220420BHJP
H01F 7/02 20060101ALI20220420BHJP
H01F 13/00 20060101ALI20220420BHJP
A61M 5/32 20060101ALI20220420BHJP
A61M 5/42 20060101ALI20220420BHJP
【FI】
A61M25/06
H01F7/02 Z
H01F13/00
A61M5/32
A61M5/42
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007308
(22)【出願日】2022-01-20
(62)【分割の表示】P 2019554899の分割
【原出願日】2018-04-04
(31)【優先権主張番号】62/481,964
(32)【優先日】2017-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/944,324
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イーピン マー
(72)【発明者】
【氏名】エス.レイ アイザックソン
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ジェンセン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ロビノー
(72)【発明者】
【氏名】デレク サンチェス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】様々な長さの組織穿通医療デバイスを収容するキャビティを備える磁化するデバイスを提供する。
【解決手段】磁化器400において、カバー600は、組織穿通医療デバイス500のシャフト608を覆う保護閉鎖体を形成するために、遠位端606及び近位端を有する中空の管状本体604を有するスリーブ部材602を含む。スリーブ部材602は、組織穿通医療デバイス500のシャフト608を覆うべく長さLを有する。シャフト608は、長さL
2及び遠位先端610を有している。中空の管状本体604の開放端は、組織穿通医療デバイス500の少なくともシャフト608を受け入れるための受容空間を提供する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織穿通医療デバイスを磁化するための磁化器であって、
1つ以上の磁石と第1の中央キャビティとを有するベースセグメント、
ベースセグメントの頂部に垂直構成で積み重ねられ1つ以上の磁石を有する1つ以上の可動セグメントであって、第2の中央キャビティを有する1つ以上の可動セグメント、および
第1の中央キャビティおよび第2の中央キャビティと接触しない垂直軸線を有するヒンジであって、1つ以上の可動セグメントとベースセグメントとを接続するヒンジ、
を備えることを特徴とする磁化器。
【請求項2】
前記第1の中央キャビティおよび前記第2の中央キャビティは、組織穿通医療デバイスが、前記組織穿通医療デバイスの長手方向軸線に平行な方向に、前記第1の中央キャビティおよび前記第2の中央キャビティへ移動するのを可能にすることを特徴とする請求項1に記載の磁化器。
【請求項3】
前記第1の中央キャビティおよび前記第2の中央キャビティは、前記組織穿通医療デバイスのシャフトの、受容空間へのおよび受容空間からの移動を可能にすることを特徴とする請求項1に記載の磁化器。
【請求項4】
前記ベースセグメントに配置された2つ以上の磁石が存することを特徴とする請求項1に記載の磁化器。
【請求項5】
前記1つ以上の可動セグメントの各々に配置された2つ以上の磁石が存することを特徴とする請求項1に記載の磁化器。
【請求項6】
前記1つ以上の磁石は、固定された永久磁石であることを特徴とする請求項1に記載の磁化器。
【請求項7】
前記2つ以上の磁石は、固定された永久磁石であることを特徴とする請求項4に記載の磁化器。
【請求項8】
組織穿通医療デバイスを磁化するための磁化器であって、
開いた近位端、
遠位端、
第1の側壁、
第1の側壁に摺動可能に接続された1つ以上の第1の磁石を有する第1の摺動要素、
第2の側壁、および
第1の側壁、第2の側壁、および遠位端の間に形成されたキャビティ、
を備えることを特徴とする磁化器。
【請求項9】
前記1つ以上の第1の磁石は前記第1の摺動要素に取り付けられていることを特徴とする請求項8に記載の磁化器。
【請求項10】
前記第2の側壁に摺動可能に係合される1つ以上の第2の磁石を有する第2の摺動要素を、さらに備えることを特徴とする請求項8に記載の磁化器。
【請求項11】
前記1つ以上の第2の磁石は、前記第2の摺動要素に取り付けられることを特徴とする請求項10に記載の磁化器。
【請求項12】
前記第1の摺動要素は、前記キャビティの軸線に平行な方向に移動可能であることを特徴とする請求項8に記載の磁化器。
【請求項13】
前記第2の摺動要素は、前記キャビティの軸線に平行な方向に移動可能であることを特徴とする請求項10に記載の磁化器。
【請求項14】
前記第1の摺動要素は、施術者の指に順応するプロファイルを有する接触面を含んでいることを特徴とする請求項8に記載の磁化器。
【請求項15】
前記第2の摺動要素は、施術者の指に順応するプロファイルを有する接触面を含んでいることを特徴とする請求項10に記載の磁化器。
【請求項16】
前記キャビティは、組織穿通医療デバイスを収容するように構成されることを特徴とする請求項8に記載の磁化器。
【請求項17】
前記組織穿通医療デバイスは、ニードルアセンブリ、スタイレット、カテーテル、導入ニードル、メス、またはガイドワイヤであることを特徴とする請求項16に記載の磁化器。
【請求項18】
前記組織穿通医療デバイスは、ニードルおよびシャフトを含んでいるニードルアセンブリを含み、前記シャフトが磁化されるとき、前記組織穿通医療デバイスは、侵襲的医療処置中に前記シャフトの位置を示し投影するべく、手順誘導システムでの使用のために構成されていることを特徴とする請求項17に記載の磁化器。
【請求項19】
前記キャビティは、ニードルカバーを収容するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の磁化器。
【請求項20】
前記1つ以上の磁石は、固定された永久磁石からなることを特徴とする請求項8に記載の磁化器。
【請求項21】
前記第1の摺動要素は、前記第1の側壁に沿って移動可能であることを特徴とする請求項8に記載の磁化器。
【請求項22】
前記第2の摺動要素は、前記第2の側壁に沿って移動可能であることを特徴とする請求項10に記載の磁化器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、例えば、組織穿通医療デバイスの一部または全体を覆うカバーの有無にかかわらず、様々な長さのニードルである組織穿通医療デバイスを収容および磁化することができるデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
伝統的に、ニードルまたはカテーテルの挿入中に、静脈に到達させるべく皮膚組織を通してニードルまたはカテーテルチューブのような侵襲性医療デバイスを穿通させることは、臨床医には不可視である。この理由の故に、静脈の位置を正しく特定するためには、臨床医は、ニードルの挿入と触覚との直接的な経験に依存する必要がある。これは、皮膚の下の深い場所にある小さな静脈にアクセスしようとするときは困難な作業である可能性があり、患者への過度の痛みおよび/または負傷のリスクが高まる。ガイドワイヤ、カテーテル、導入ニードル、スタイレット、および、メスなどの、他の侵襲的医療デバイスの挿入に関しても、侵襲的医療デバイスの位置を正確に視覚化できないという問題がある。
【0003】
手順誘導システムは、超音波と磁気技術の組み合わせを利用して、皮下解剖学と面内および面外方向でのデバイスの位置との視覚化を提供する。磁化されたニードルが超音波と組み合わされて、ニードルとカテーテルの挿入をガイドするために使用されてきた。超音波法と磁気法のこの組み合わせはまた、患者の解剖学的構造に対する挿入デバイスの位置の投影または予測を許容し、それにより、血管系に正常にアクセスして侵襲的処置を完了させる可能性を向上させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在利用可能な技術は、臨床医が、使用直前にニードルカバーからニードルを取り外した後、使い捨ての磁化器内でニードルを手動で磁化することを要求している。ニードルを磁化しながらニードルカバーを使用することは、デバイスの無菌性を維持しながら、ニードル先端への偶発的な損傷を排除する助けとなる。しかしながら、ニードルカバーの存在は、ほとんどの場合、臨床医がニードル先端または磁化されるべきニードルの長さを見ることができないというジレンマを提示している。このアプローチは、ニードルの先端の損傷、微生物汚染、および/またはニードルの磁化される部分の長さの不一致をもたらす可能性がある。使用者には明らかではないニードルへの損傷が発生する可能性があり、これは挿入プロセスに悪影響を及ぼす可能性がある。また、使用者による金属製カニューレの能動的磁化には、いくつかの制限と固有のリスクがあり、これは、臨床医の手順における挿入の深さ、処理の速さ、磁化器でのニードルのセンタリングなどのばらつきにより磁化の程度が異なるので、このアプローチでは、一貫した磁化が保証されないためである。磁化されるべき遠位端近くのニードルの区域は、実際のニードルの長さに関係なく同じである。しかしながら、金属製カニューレにニードルカバーが存する状態では、標準的なニードルカバーがさまざまな長さのニードルを覆うべく現在使用されているので、施術者はニードルがどこにあるかを知ることが困難である。したがって、カバーが磁化器に置かれたときにニードルの穿通深さを示すための視覚的な確認を、施術者に提供する必要性が存する。
【0005】
ニードル先端の損傷の重大なリスク、汚染の可能性の増加、および一貫性のない磁化を考慮すると、前述の追加のリスクをもたらすことなく、ニードルを一貫して磁化するシステムがあれば有利である。さらに、各ニードルまたはカテーテルの配置後に、磁化器を廃棄することは費用がかかる。したがって、組織穿通医療デバイスの一部または全体を覆うカバーの有無にかかわらず、ニードルまたはカテーテルの磁化部分の長さの一貫性を保証するデバイスへの必要性が存する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、開いた近位端、遠位端、内表面、外表面、および近位端と遠位端との間に延在する中空の本体を有するスリーブ部材を備える組織穿通医療デバイスを磁化するためのカバーに関する。スリーブ部材は、長手方向軸線を有する組織穿通医療デバイスのシャフト上に保護閉鎖体を形成している。スリーブ部材の開いた近位端は、組織穿通医療デバイスの少なくともシャフトを受容するための受容空間を提供している。スリーブ部材の外表面は、カバーが磁化器内に置かれたときにニードルの穿通深さを示すべく、目盛り付き注入深さゲージを有している。
【0007】
目盛り付き注入深さゲージは、スリーブ部材の外表面に印刷、彫刻、エッチング、エンボス加工、またはデボス加工されてもよい。1つ以上の実施形態において、目盛り付き注入深さゲージは、ニードルの長さに相関するように縮尺される。
【0008】
1つ以上の実施形態では、カバーは無菌である。1つ以上の実施形態では、カバーは使い捨てである。1つ以上の実施形態において、カバーはプラスチックであってもよい。
【0009】
本開示の第2の態様は、開いた近位端、遠位端、およびデバイス受容空間を画定するキャビティを備える組織穿通医療デバイスを磁化するためのカバーに関する。キャビティは、組織穿通医療デバイスを取り囲むべく開いた近位端と遠位先端とを有している。カバーは、キャビティの開いた近位端と遠位先端との間に第1の長さL1を有している。カバーは、キャビティの遠位先端と遠位端との間に第2の長さL2を有している。カバーは、開いた近位端と遠位端との間に第3の長さL3を有している。
【0010】
1つ以上の実施形態では、第1の長さL1は第3の長さL3よりも短い。
【0011】
1つ以上の実施形態において、第2の長さL2は第3の長さL3よりも短い。
【0012】
1つ以上の実施形態において、第3の長さL3は、第1の長さL1と第2の長さL2との合計に等しい。
【0013】
1つ以上の実施形態において、第1の長さL1は第3の長さL3と同じである。
【0014】
本開示の第3の態様は、1つ以上の磁石および第1の中央キャビティを有するベースセグメント、ベースセグメントの頂部に垂直構成で積み重ねられ1つ以上の磁石を有する1つ以上の可動セグメントであって、第2の中央キャビティを有する1つ以上の可動セグメント、および第1のキャビティおよび第2のキャビティに接触しない垂直軸線を有するヒンジであって、1つ以上の可動セグメントとベースセグメントとを接続するヒンジを備え、組織穿通医療デバイスを磁化するためのカバーに関する。可動セグメントは、回転可能、摺動可能、または積み重ね可能である。
【0015】
1つ以上の実施形態において、第1の中央キャビティおよび第2の中央キャビティは、組織穿通医療デバイスの長手方向軸線に平行な方向において、組織穿通医療デバイスの第1の中央キャビティおよび第2の中央キャビティへの移動を可能にする。
【0016】
1つ以上の実施形態において、第1の中央キャビティおよび第2の中央キャビティは、組織穿通医療デバイスのシャフトの受容空間へのおよび受容空間からの移動を可能にする。
【0017】
1つ以上の実施形態では、ベースセグメントに配置された2つ以上の磁石が存在する。1つ以上の実施形態では、1つ以上の可動セグメントのそれぞれに配置されている2つ以上の磁石が存在する。1つ以上の実施形態では、1つ以上の磁石は固定された永久磁石である。
【0018】
本開示の第4の態様は、開いた近位端、遠位端、第1の側壁、第1の側壁に摺動可能に接続さ1つ以上の第1の磁石を有する第1の摺動要素、第2の側壁、第2の側壁に摺動可能に係合され1つ以上の第2の磁石を有する第2の摺動要素、および第1の側壁、第2の側壁および遠位端の間に形成されたキャビティを備える組織穿通医療デバイスを磁化するための磁化器に関する。
【0019】
1つ以上の実施形態において、1つ以上の第1の磁石は、第1の摺動要素に取り付けられる。1つ以上の実施形態において、1つ以上の第2の磁石は、第2の摺動要素に取り付けられる。
【0020】
1つ以上の実施形態において、第1の摺動要素および/または第2の摺動要素は、キャビティの軸線に対して平行な方向に移動可能である。
【0021】
1つ以上の実施形態において、第1の摺動要素および/または第2の摺動要素は、施術者の指を受容するプロファイルを有する接触面を含んでいる。
【0022】
1つ以上の実施形態において、キャビティは、組織穿通医療デバイスを収容するように構成されている。
【0023】
1つ以上の実施形態において、組織穿通医療デバイスは、ニードルアセンブリ、スタイレット、カテーテル、導入ニードル、メスまたはガイドワイヤである。
【0024】
1つ以上の実施形態において、組織穿通医療デバイスは、ニードルおよびシャフトを含んでいるニードルアセンブリを含み、シャフトが磁化されたとき、組織穿通医療デバイスは、侵襲的医療処置中にシャフトの位置を示し投影すべく手順誘導システムで使用するように構成されている。
【0025】
1つ以上の実施形態において、キャビティはニードルカバーを収容するように構成される。
【0026】
1つ以上の実施形態では、1つ以上の磁石は固定された永久磁石からなる。
【0027】
1つ以上の実施形態において、第1の摺動要素は、第1の側壁に沿って移動可能である。
【0028】
1つ以上の実施形態において、第2の摺動要素は、第2の側壁に沿って移動可能である。
【0029】
本開示の別の態様は、開いた近位端、遠位端、内表面、外表面、外表面に配置された1つ以上の物理的停止要素を有するスリーブ部材、そして、近位端と遠位端との間に延在し、組織穿通医療デバイスのシャフト上に保護閉鎖体を形成する中空の本体を備える組織穿通医療デバイスを磁化するためのカバーに関する。1つ以上の実施形態において、1つ以上の物理的停止部は、異なるニードルの長さに対応し、カバーが磁化器内に置かれたときのニードル穿通深さを示す。
【0030】
1つ以上の実施形態において、1つ以上の物理的停止部は、カバーが磁化器内に配置されたときのニードル穿通深さを示す異なるニードルゲージに対応する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本開示のニードル磁化器の実施形態の斜視図を示す。
【
図2A】本開示のニードル磁化器の代替実施形態の斜視図を示す。
【
図2B】本開示の
図2Aに示されたニードル磁化器の代替実施形態の斜視図を示す。
【
図2C】本開示のニードル磁化器の代替実施形態の斜視図を示す。
【
図2D】本開示の
図2Cに示されたニードル磁化器の代替実施形態の斜視図を示す。
【
図3A】本開示のニードル磁化器のさらに別の代替実施形態の斜視図を示す。
【
図3B】本開示の
図3Aに示されたニードル磁化器の断面図を示している。
【
図4】本開示のニードル磁化器のさらに別の代替実施形態の断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、提供される説明は、以下の説明に記載される構成またはプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本明細書で説明されるデバイスおよび方法は、他の実施形態が可能であり、さまざまな方法で実施または実行することができる。
【0033】
本開示では、デバイスの遠位端が患者に最も近い端であり、デバイスの近位端が患者から離れて施術者に最も近い端であるという慣例に従う。
【0034】
本開示の態様は、末梢静脈(IV)カテーテルで使用されるニードルなどのニードルを磁化するための既存の技術およびシステムに対する課題に対処する改善されたシステムに関する。本開示の態様は、組織穿通医療デバイスの無菌性を維持するのに役立ち、そしてまた組織穿通医療デバイスの磁化中に組織穿通医療デバイスの遠位先端部への損傷をも防ぐ改善されたデバイスおよびシステムに関する。したがって、本開示の1つ以上の実施形態では、組織穿通医療デバイスは、本開示のカバーが組織穿通医療デバイス上に配置された状態で磁化される。組織穿通医療デバイスの区域、例えば、磁化されるべき遠位端近くのニードルは、実際のニードルの長さに関係なく同じである。
【0035】
本開示の1つ以上の実施形態は、本開示のカバーが組織穿通医療デバイス上に配置された状態で様々な長さのニードルを収容することができるニードル磁化器に関する。本開示の代替の実施形態において、ニードル磁化器は、組織穿通医療デバイス上にカバーが配置されることなく、様々な長さのニードルを収容することができる。1つ以上の実施形態によれば、本開示のデバイスおよびシステムは、本開示のカバーが組織穿通医療デバイス上に配置された状態で様々な長さのニードルを一貫して磁化する。本開示の1つ以上の実施形態において、組織穿通医療デバイスは、カバーが組織穿通医療デバイス上に配置されない状態で磁化される。1つ以上の実施形態において、本明細書に記載のデバイスおよびシステムは、磁化されるべきデバイスに対する磁石の位置のより正確な制御を提供し、侵襲性医療デバイスに適用されるより一貫した予測可能な磁場をもたらす。1つ以上の実施形態において、本明細書に記載のデバイスおよび方法は、既存の磁化器と比較してニードル損傷の追加リスクを生じさせず、且つ既存の磁化器と比較して汚染の追加リスクを生じさせない。むしろ、本明細書に記載のデバイス、システムおよび方法は、既存の磁化器と比較してニードルの損傷のリスクを減らし、既存の磁化器と比較して汚染のリスクを減らす。
【0036】
ここで
図1を参照するに、本開示の一態様は、組織穿通医療デバイス用のカバー10に関し、カバーは、組織穿通医療デバイスのシャフト上に保護閉鎖体を形成するべく、遠位端21、開いた近位端22、内表面23および外表面24を有している中空の本体20を有するスリーブ部材14を有している。1つ以上の実施形態において、中空の本体20は、管状または任意の他の適切な形状であってもよい。
【0037】
1つ以上の実施形態では、遠位端21は開いていてもよい。1つ以上の実施形態において、遠位端21は閉じられていてもよい。
【0038】
カバー10は、組織穿通医療デバイス、例えば、様々な長さのニードルと共に用いられる。
図1に示されるように、1つ以上の実施形態では、スリーブ部材14の外表面24が、様々な所望の長さのニードルの磁化のために、カバー10を磁化器(図示せず)にどの距離挿入するべきかを示すための1つ以上の線(26、27、28、29)を有する目盛り付き注入深さゲージ25を含んでいる。1つ以上の実施形態では、複数のマーキング、例えば、線(26、27、28、29)がカバー10に配置されてもよく、これにより、各マーキングが、カバー10と共に用いられる異なるニードルの長さに対応してもよい。例えば、1つ以上の実施形態において、
図1に示されるように、カバー10が4つの異なる長さを有する組織穿通医療デバイスをカバーするべく意図されている場合、カバー10のスリーブ部材14の外表面24上には4つの線(26、27、28、29)が存するであろう。組織穿通医療デバイス、例えば、ニードルの遠位端から所与のニードル長さについてのマーキングまでの距離は、すべてのニードルの長さについて、それらの対応するマーキング、例えば、線(26、27、28、29)に同じである。このように、磁化されるニードル先端区域の長さは、所与のニードルの長さについてのニードルカバーのマーキングが磁化器の特徴に整列されている場合、同じになるであろう。組織穿通医療デバイスは、開いた近位端22の開口部30を介してカバー10内に配置される。カバー10は、その後、磁化器(図示せず)内に挿入され、使用者は目盛り付き注入深さゲージ25の線(26、27、28、29)を、ニードル磁化の所望の意図された長さに揃える。1つ以上の実施形態において、目盛り付き注入深さゲージ25の線(26、27、28、29)は、カバーが磁化器内に置かれたときにニードルの穿通深さを示すことによって、使用者に視覚的確認を提供する。
【0039】
1つ以上の実施形態では、目盛り付き注入深さゲージ25は、スリーブ部材14の外表面24に印刷されてもよい。別の実施形態では、目盛り付き注入深さゲージは、使用者がニードル深さを測定するのを支援するべく、スリーブ部材14の外表面24に、成形により刻印、エッチング、エンボス加工、デボス加工、または形成されてもよい。1つ以上の実施形態において、目盛り付き注入深さゲージは、ニードルの長さに相関するように縮尺される。
【0040】
典型的に、製造業者は、異なるニードルの長さとゲージを備えるデバイスに対して同じニードルカバーを使用している。したがって、ニードルカバーの先端とニードルとの間の距離は、ニードルの長さとニードルカバーの設計によって異なる。しかしながら、これらの距離は製造業者には知られており、所与のニードルの長さおよびニードルカバーの設計に対して直されている。したがって、ニードルの先端の位置または磁化されるニードル区域の望ましい長さを示すマーキングまたは目盛り付き注入深さゲージは、臨床医がニードルの修正された長さを磁化器に挿入することを可能にし、したがって、既存の技術の欠点を克服する。同様に、ニードル先端とニードルカバー先端との間に同じ距離を備えるニードルカバーの設計でも同じ結果が得られる。
【0041】
組織穿通医療デバイスは、ニードルハウジングと、鋭い遠位先端84を有するニードルシャフトとを含んでいるニードルアセンブリを含むことができる。1つ以上の実施形態では、スリーブ部材14は、組織穿通医療デバイスのシャフトおよびニードルカニューレが見えるようにするために透明であってもよい。スリーブ部材14は、偶発的なニードル突き刺しを防止するべく、鋭利な遠位先端部を含んでいる組織穿通医療デバイスのシャフトを覆う長さLを有している。長さ「L」に関して
図1に示されている矢印はまた、ニードルシャフトの長手方向軸線も示している。中空の本体20の開口端22は、組織穿通医療デバイスの少なくともシャフトを受け入れるためのデバイス受容空間40を提供する。
【0042】
デバイス受容空間40は、組織穿通医療デバイスのシャフトがデバイス受容空間40に出入りする動きを可能にする大きさおよび形状である。一実施形態では、デバイス受容空間40は、組織穿通医療デバイスのシャフトの長手方向軸線に平行な動きで、デバイス受容空間40への組織穿通医療デバイスのシャフトの動きを可能にする。ニードルカニューレは、カバー10を備えたニードルカニューレが別個の磁化器(図示せず)に挿入されるとき磁化する。別の実施形態では、ニードルカニューレは、カバー10なしのニードルカニューレが別個の磁化器(図示せず)に挿入されるとき磁化する。ニードルカニューレは、カバー10を備えたニードルカニューレが別個の磁化器(図示せず)に挿入されると磁化する。1つ以上の実施形態では、磁化器は、ニードルが挿入され得る少なくとも1つの開口部を備えるキャビティから構成される。キャビティおよび開口部は、カバーを備えた組織穿通医療デバイスを収容するのに十分な大きさであり、したがって、組織穿通医療デバイスの無菌性および完全性を保証している。磁化器のキャビティは、様々な長さおよび幅のカバー10を備えた組織穿通医療デバイスが磁化のために所望の深さまで磁化器内に挿入されるのを許容するべく、両端に開口部を有することができる。別の実施形態では、磁化器のキャビティは、様々な長さおよび幅のカバー10を備えない組織穿通医療デバイスが、磁化のために所望の深さまで磁化器内に挿入されるのを許容するべく、両端に開口部を有してもよい。
【0043】
磁化器は、永久磁石または電磁石などのキャビティの周りの磁化手段または他の磁化手段、からさらに構成される。磁化手段に晒される組織穿通医療デバイスの区域は、組織穿通医療デバイスが挿入され、そして磁化器から取り外されると磁化される。
【0044】
使用中、使用者は、スリーブ部材14の外表面24の目盛り付き注入深さゲージ25が磁化器の頂部に整列されるまで、カバー10を備えた組織穿通医療デバイスを磁化器に挿入する。組織穿通医療デバイスが磁化器から取り外されるとき、組織穿通医療デバイスの所望の部分、例えば、ニードル、磁化される。スリーブ部材14の外表面24上の目盛り付き注入深さゲージ25は、組織穿通医療デバイス、例えば、ニードルの長さおよび/またはゲージに応じて、外表面24に沿った異なる位置に配置されてもよい。1つ以上の実施形態において、カバー10は無菌である。1つ以上の実施形態において、カバー10は使い捨てである。1つ以上の実施形態において、カバー10はプラスチックである。
【0045】
本開示の第2の態様は、1つ以上の組織穿通医療デバイスのカバーに関し、そのカバーは、異なる長さを備える組織穿通医療デバイス、例えば、ニードルのために使用されてもよい。1つ以上の実施形態では、各カバー110または120は均一な長さであり、可変長さの組織穿通医療デバイスと共に使用される。1つ以上の物理的停止要素150が、カバー110または120の外表面に配置されている。1つ以上の実施形態では、1つ以上の物理的停止要素150がカバー110または120の外表面上に成形されている。1つ以上の実施形態において、カバー110または120の外表面に配置された物理的停止要素150の位置は、カバー110または120と共に使用される様々な組織穿通医療デバイスの異なるゲージすなわち大きさに対応する。したがって、組織穿通デバイスの長さまたは部分は、使用者が、カバー110または120を組織穿通医療デバイスの所望のゲージまたは大きさに対応してカバー110または120の外表面に配置されている物理的停止要素150が磁化器の頂部に到達するまで、磁化器に挿入したときに磁化される。したがって、磁化される組織穿通医療デバイスの長さまたは部分は、カバー110または120内での組織穿通デバイスの長さに依存する。1つ以上の実施形態では、1つ以上の物理的停止要素が磁化器の内表面に配置される。1つ以上の実施形態において、磁化器の内表面に配置される物理的停止要素150の位置は、カバー110または120と共に使用される様々な組織穿通医療デバイスの異なるゲージまたは大きさに対応する。したがって、使用者が、カバー110または120を磁化器に挿入したときに磁化される、組織穿通医療デバイスの長さまたは部分は、カバー110または120の外表面に配置されている物理的停止要素150が磁化器の内表面の対応する物理的停止部に当接するときの、組織穿通医療デバイスの所望のゲージまたは大きさに対応する。
【0046】
図2Aおよび
図2Bに示されるように、本開示の第2の態様は、組織穿通医療デバイス(160、170)を囲むべく、カバー(110、120)の開いた近位端(122、132)と遠位端(121、131)との間に均一な固定長を有するように設計されたカバー110およびカバー120に関する。したがって、カバー110または120は均一な長さであり、可変長さ、例えば、
図2Aおよび
図2Bに示されるように、L
1の長さの組織穿通医療デバイスを収容することができる。
【0047】
組織穿通医療デバイスは、ニードルハウジングと、鋭い遠位先端を有するニードルシャフトとを含んでいるニードルアセンブリを含んでいてもよい。キャビティ161の開いた近位端122は、組織穿通医療デバイス(160、170)の少なくともシャフトを受容するためのデバイス受容空間を提供する。
【0048】
図2Aおよび2Bに関して、長さL
1は、カバー(110、120)の開いた近位端(122、132)と組織穿通医療デバイス(160、170)の遠位先端(162、172)との間の長さを指している。
【0049】
長さL
1は、偶発的なニードルの突き刺しを防止するために、鋭利な遠位先端を含む組織穿通医療デバイスのシャフトを覆う長さを表している。
図2Aおよび2Bに関して、長さL
2は、組織穿通医療デバイス(160、170)の遠位先端(162、172)と組織穿通医療デバイスを囲むカバー(110、120)の遠位端(121、131)との間の長さを指す。1つ以上の実施形態において、カバー(110、120)は、管状または任意の他の適切な形状であってもよい。
図2Aおよび2Bに関して、長さL
3は、カバー(110、120)の開いた近位端(122、132)とカバー(110、120)の遠位端(121、131)との間の長さを指す。1つ以上の実施形態では、遠位端(121、131)は開いていてもよい。1つ以上の実施形態において、遠位端(121、131)は閉じられていてもよい。カバー(110、120)が組織穿通医療デバイス(160、170)を囲み、そして両者が、カバー(110、120)の遠位端(121、131)が磁化器のキャビティの底に接触する、または組織穿通医療デバイスの所望のゲージまたは大きさに対応しカバー110または120の外表面に配置された物理的停止要素150が、磁化器の内表面上の対応する物理的停止部に到達するように磁化器に挿入されるとき、長さL
1の組織穿通医療デバイス(160、170)の所望の区域が、磁化されるべく磁場に晒される。
【0050】
カバー(110、120)は、組織穿通医療デバイス(160、170)のシャフトのデバイス受容空間への出入りの動きを可能にする大きさおよび形状である。一実施形態では、カバー(110、120)は、組織穿通医療デバイス(160、170)のシャフトのカバー(110、120)への移動を、組織穿通医療デバイスのシャフトの長手方向軸線に平行である動きにおいて可能にする。組織穿通医療デバイス(160、170)の金属部分は、カバー(110、120)が別の磁化器に挿入されるとき、組織穿通医療デバイス(160、170)が磁化するときに磁化する。別の実施形態では、カバー(110、120)のない組織穿通医療デバイスが別個の磁化器に挿入されるとき、組織穿通医療デバイスの金属部分が磁化する。磁化器は、カバー(110、120)が挿入され得る少なくとも1つの開口部を備えたキャビティで構成されている。キャビティと磁化器の開口部は、組織穿通医療デバイス(160、170)およびその遠位先端(162、172)の無菌性と完全性を保証すべく、カバー(110、120)を備える組織穿通医療デバイス(160、170)を収容するのに十分な大きさである。磁化器は、様々な長さの組織穿通医療デバイスおよび様々な長さL3のカバー110が所望の深さまで挿入されるのを許容するべく、両端に開口部を有することができる。1つ以上の実施形態では、遠位端(121、131)は開いている。1つ以上の実施形態において、遠位端(121、131)は閉じられている。
【0051】
磁化器は、永久磁石または電磁石などのキャビティの周りの磁化手段、または他の磁化手段からさらに構成される。磁化手段に晒される組織穿通医療デバイス(160、170)の部分は、組織穿通医療デバイス(160、170)が磁化器に挿入され、磁化器から取り外されると磁化される。磁化器は、様々な長さL1を有する組織穿通医療デバイス(160、170)および様々な長さL3のカバー110またはカバー120が所望の深さまで挿入されるのを許容するべく両端に開口部を有することができる。
【0052】
1つ以上の実施形態では、
図2Aに示されるように、長さL
1は長さL
3よりも短い。1つ以上の実施形態では、
図2Aに示されるように、長さL
2は長さL
3よりも短い。1つ以上の実施形態において、
図2Aに示されるように、長さL
3は、長さL
1と長さL
2のほぼ合計である。1つ以上の実施形態では、
図2Bに示されるように、長さL
1は長さL
3とほぼ同じである。1つ以上の実施形態では、カバー110または120の外表面に配置された物理的停止要素150のそれぞれは、組織穿通医療デバイスの所望のゲージまたは大きさの対応する長さL
1、L
2またはL
3に対応する。
【0053】
図2Dに関連して
図2Cに示されるように、代替の実施形態は、組織穿通医療デバイスを包囲するべく、カバー110の遠位端121またはカバー120の遠位先端131と、キャビティ161の開いた近位端122、132との間に異なる固定長さを有するように設計されているカバー110およびカバー120に関する。したがって、カバー110または120は、組織穿通医療デバイスの長さに応じて使用される。したがって、カバー付きの組織穿通医療デバイスの磁化器への挿入深さが同じである場合、組織穿通医療デバイスの磁化される区域の結果の長さは、異なる長さの組織穿通医療デバイス、例えば、ニードルについても同じになる。
【0054】
図2Cに関して、長さL
1は、カバー110の開いた近位端122とキャビティ260の遠位端262との間の長さを指し、組織穿通医療デバイスを包囲する。1つ以上の実施形態において、カバー110の遠位端121は開いていてもよい。1つ以上の実施形態において、カバー110の遠位端121は閉じられていてもよい。
【0055】
組織穿通医療デバイスは、ニードルハウジングと、鋭い遠位先端を有するニードルシャフトとを含んでいるニードルアセンブリを含んでいてもよい。キャビティ161の開いた近位端122は、組織穿通医療デバイスの少なくともシャフトを受容するためのデバイス受容空間を提供する。
【0056】
長さL
1は、偶発的なニードル突き刺しを防止するために、鋭利な遠位先端を含んでいる組織穿通医療デバイスのシャフトを覆う長さを表している。
図2Cに関して、長さL
2は、組織穿通医療デバイスを囲むべきキャビティ161での遠位端262とカバー110の遠位端121との間の長さを指している。1つ以上の実施形態において、キャビティ260は、管状または他の適切な形状であってもよい。
図2Cに関して、長さL
3は、カバー110の開いた近位端122とカバー110の遠位端121との間の長さを指す。カバー110が組織穿通医療デバイスを囲み、両方がカバー110の遠位端121が磁化器のキャビティの底部に接触するように磁化器に挿入されるとき、組織穿通医療デバイスの長さL
1の所望の区域が磁化されるべく磁場に晒される。
【0057】
キャビティ260は、組織穿通医療デバイスのシャフトがデバイス受容空間に出入りする動きを可能にする大きさおよび形状にされている。一実施形態では、キャビティ260は、組織穿通医療デバイスのシャフトの長手方向軸線に平行な動きで、組織穿通医療デバイスのシャフトのキャビティ260への移動を可能にしている。組織穿通医療デバイスの金属部分は、カバー110を備えた組織穿通医療デバイスが別個の磁化器に挿入されるとき磁化する。別の実施形態では、組織穿通医療デバイスの金属部分は、カバー110を備えない組織穿通医療デバイスが別個の磁化器に挿入されるとき磁化する。磁化器は、ニードルが挿入され得る少なくとも1つの開口部を持つキャビティで構成されている。キャビティと磁化器の開口部は、組織穿通医療デバイスとそのカバーを収容するのに十分な大きさであり、したがって、ニードルの無菌性と完全性を保証している。磁化器は、様々な長さの組織穿通医療デバイスおよび様々な長さL3のカバー110が所望の深さまで挿入されるのを許容するべく、両端に開口部を有することができる。
【0058】
磁化器はさらに、永久磁石または電磁石などのキャビティの周りの磁化手段、または他の磁化手段から構成される。磁化手段に晒されるニードルの部分は、ニードルが磁化器から取り外されるとき磁化される。
【0059】
図2Dに関して、長さL
1は、組織穿通医療デバイスを囲むための、カバー120の開いた近位端132とキャビティ270の遠位先端172との間の長さを指している。組織穿通医療デバイス(図示せず)は、ニードルハウジングと鋭い遠位先端を有するニードルシャフトを含んでいるニードルアセンブリを含んでもよい。キャビティ270の開いた近位端132は、組織穿通医療デバイスの少なくともシャフトを受け入れるためのデバイス受容空間を提供する。
【0060】
長さL
1は、偶発的なのニードル突き刺しを防止するために、鋭利な遠位先端を含んでいる、組織穿通医療デバイスのシャフトを覆う長さを表している。
図2Dに関して、長さL
2は、組織穿通医療デバイスを囲むためのキャビティ270の遠位先端272とカバー120の遠位先端131との間の長さを指す。1つ以上の実施形態において、キャビティ270は、管状または任意の他の適切な形状であってもよい。
図2Dに関して、長さL
3は、カバー120の開いた近位端132とカバー120の遠位先端131との間の長さを指す。カバー120が組織穿通医療デバイスを囲み、カバー120の遠位先端131が磁化器のキャビティの底部に接触するように両方が磁化器に挿入されるとき、組織穿通医療デバイスの長さL
1の所望の区域が、磁化されるべき磁場に晒される。
【0061】
キャビティ270は、組織穿通医療デバイスのシャフトがデバイス受容空間に出入りする動きを可能にする大きさおよび形状にされている。一実施形態では、キャビティ270は、組織穿通医療デバイスのシャフトの長手方向軸線に平行な動きで、組織穿通医療デバイスのシャフトのキャビティ270への移動を可能にする。組織穿通医療デバイスの金属部分は、カバー120を備えた組織穿通医療デバイスが別の磁化器に挿入されるとき磁化する。別の実施形態では、カバー120なしの組織穿通医療デバイスが別個の磁化器に挿入されるとき、組織穿通医療デバイスの金属部分が磁化する。磁化器は、ニードルが挿入され得る少なくとも1つの開口部を持つキャビティで構成されている。キャビティと磁化器の開口部は、組織穿通医療デバイスとそのカバーを収容するのに十分な大きさであり、したがって、ニードルの無菌性と完全性を保証している。磁化器は、様々な長さの組織穿通医療デバイスおよび様々な長さL3のカバー110またはカバー120が所望の深さまで挿入されるのを許容するべく、両端に開口部を有することができる。
【0062】
1つ以上の実施形態において、
図2Cに示されるように、長さL
1は長さL
3よりも短い。1つ以上の実施形態では、
図2Cに示されるように、長さL
2は長さL
3よりも短い。1つ以上の実施形態において、
図2Cに示されるように、長さL
3は、長さL
1と長さL
2のほぼ合計である。1つ以上の実施形態において、
図2Dに示されるように、長さL
1は長さL
3とほぼ同じである。
【0063】
磁化器は、永久磁石または電磁石などのキャビティの周りの磁化手段、または他の磁化手段からさらに構成される。磁化手段に晒されるニードルの部分は、ニードルが磁化器から取り外されるとき磁化される。
【0064】
1つ以上の実施形態において、カバー110およびカバー120は、組織穿通医療デバイスのシャフトおよびニードルカニューレが見えるのを許容するために、透明にすることができる。代替実施形態では、カバー110およびカバー120は不透明であってもよい。
【0065】
1つ以上の実施形態において、カバー110またはカバー120の外表面は、ニードルおよびニードルカバーが磁化器に挿入されたときに磁化されるべきニードルの所望の区域を示すべく、目盛り付き注入深さゲージまたはマーキングを有し得ることが企図されている。1つ以上の実施形態において、目盛り付き注入深さゲージは、カバー10の外表面に印刷されてもよい。別の実施形態では、目盛り付き注入深さゲージは、施術者がニードルの侵入深さを測定するのを支援するために、カバー110またはカバー120の外表面に成形によって彫刻、エッチング、エンボス加工、デボス加工され、または形成されてもよい。1つ以上の実施形態において、目盛り付き注入深さゲージは、ニードルの長さに相関するように縮尺される。
【0066】
使用中、使用者は、組織穿通医療デバイスの所望の部分を磁化するために、カバー110またはカバー120を備える組織穿通医療デバイスを磁化器に挿入する。1つ以上の実施形態において、長さL1、L2および/またはL3は、所望の組織穿通医療デバイスの長さおよび/またはゲージに応じて変化され得る。カバー110またはカバー120は、各ニードルの長さに対してカバーをどれだけ挿入するかを示すべく、線をその上に有することができる。ニードルは、使用者の側で何等の追加の操作無しに所望の長さの磁化を得るために、カバーを付けたまま磁化器の底部に接触するべく磁化器に挿入される。
【0067】
1つ以上の実施形態では、カバーは無菌である。1つ以上の実施形態では、カバーは使い捨てである。1つ以上の実施形態において、カバーはプラスチックである。
【0068】
本開示の第3の態様は、
図3Aおよび
図3Bに示されるように、1つ以上の磁石320を有するベースセグメント310と、ベースセグメント310の頂部上に垂直形態に積み重ねられた1つ以上の可動セグメント(330、340)とを有する磁化器300に関する。1つ以上の実施形態において、可動セグメント(330、340)は、リングの形態であってもよい。
【0069】
ベースセグメント310および可動セグメント(330、340)は中央キャビティ360を有している。1つ以上の可動セグメント(330、340)は、キャビティ360に接触しない垂直軸線380を有するヒンジ370の周りを旋回または移動する。1つ以上の実施形態において、可動セグメント(330、340)は、1つ以上の磁石320を有する。1つ以上の実施形態において、磁化器300は、
図3Aおよび
図3Bに示されるように、様々な異なる長さのニードルに使用され得る均一な固定長のニードルカバーを収容することができる。したがって、磁化器300のキャビティ360の底部に対するカバーの挿入深さは、様々な異なる長さのニードルに対して同じに保たれる。ベースセグメント310上の可動セグメント(330、340)の数は、カバー内に囲まれた所望のニードル長に対応するように可動セグメント(330、340)を動かすことにより調整することができる。1つ以上の実施形態では、最も長い長さのニードルを磁化するとき、磁化用キャビティ360を形成するためには、ベースセグメント310の上のすべての可動セグメント(330、340)が使用される。最短長のニードルを磁化する場合には、他の可動セグメント(330、340)はその場所から移動されて、ベースセグメント310のみがニードルの磁化に使用される。したがって、可動セグメントの移動により、磁化用キャビティ360の底部と磁化器300の頂部との間の距離が調整される。
【0070】
様々な長さの組織穿通医療デバイスまたはカバーに合わせて、磁化器の長さを調整するために、1つ以上の可動セグメント(330、340)が軸線380を中心に移動または回転されてもよく、その結果、1つ以上の可動セグメント(330、340)は、異なる長さの組織穿通医療デバイス、例えばニードルが、磁化されるべく磁化器300のキャビティ360に挿入されるとき、邪魔にならない。
【0071】
最初に
図3Aを参照するに、本開示の一実施形態による磁化器300は、積み重ねられて垂直方向の軸線380に中心付けられた複数の2つ以上の可動セグメント(330、340)とベースセグメント310との間に形成されるキャビティ360を有する。各可動セグメント(330、340)およびベースセグメント310は、様々な長さで、組織穿通医療デバイスの一部または全体を覆うカバーを備える組織穿通医療デバイス、例えば、ニードルを受け入れるのに十分な大きさの中央キャビティ360を有する。各可動セグメント(330、340)およびベースセグメント310のキャビティ360は、組織穿通医療デバイスをキャビティ360に挿入できるように、軸線380と同心の円形アレイに配置および整列させることができる。キャビティ360は、様々な長さで、組織穿通医療デバイスの一部または全体を覆うカバー付きの組織穿通医療デバイス、例えば、ニードルを受け入れるのに十分な大きさである。1つ以上の実施形態において、ベースセグメント310は、開いた近位端および開いた遠位端を有することができる。1つ以上の実施形態では、ベースセグメント310は、開いた近位端と閉じた遠位端を有することができる。1つ以上の実施形態において、ベースセグメント310は、閉じた近位端と開いた遠位端とを有することができる。1つ以上の実施形態において、可動セグメント(330、340)は、軸線380の周りの回転運動で移動することができ、反対方向または同じ方向に移動または回転することができる。各可動セグメント(330、340)には、1つ以上の磁石320を埋め込むことができる。1つ以上の実施形態において、磁石320は永久磁石である。本発明のこの実施形態の上記の特徴のいくつかは、例示のためのものであり、本発明の他の実施形態では異なり得る。1つ以上の実施形態において、セグメントの数、およびそれらのそれぞれのキャビティは、磁化器によって磁化される所望のカバーまたは組織穿通医療デバイスの大きさ、形状、高さ、長さなどを含んでいる寸法に依存する。1つ以上の可動セグメント(330、340)およびベースセグメント310のそれぞれは、1つ以上の可動セグメント(330、340)とベースセグメント310で構成されている磁化器に挿入される、所望の組織穿通医療デバイスおよび/またはカバーに応じて、様々な大きさ、形状、長さ、高さ、直径、半径などであってもよい。
【0072】
図3Aに示されるように、可動セグメント(330、340)は、上方に延在する直立円筒の形態であってもよいベースセグメント310によって支持される。各可動セグメント(330、340)は、組織穿通医療デバイス、例えば、様々な長さで、組織穿通医療デバイスの一部または全体を覆うカバー付きのニードルを収容するために、中央に延在する円筒形キャビティを有する。各セグメントは、ベースセグメント310と同軸関係にある。ヒンジ370は、各可動セグメント(330、340)の移動または回転を可能にしつつ、ベースセグメント310を支持するべく、各可動セグメント(330、340)を結合している。
【0073】
1つ以上の実施形態において、各セグメントは、1つ以上の磁石320で埋め込まれてもよい。1つ以上の実施形態において、磁石320は永久磁石であってもよい。1つ以上の実施形態では、1つ以上のセグメントが、組織穿通医療デバイスが配置されるキャビティの長さを変えるべく、垂直軸線の周りに移動または回転されてもよい。それ故に、1つ以上のセグメントを、垂直軸線を中心にして移動させることにより、キャビティの長さを所望の長さに調整できる。したがって、使用者は磁化されるべき組織穿通医療デバイスの部分または長さを制御できる。例えば、
図3Bに示されるように、ベースセグメント310は長さL
1を有し、セグメント330は長さL
2を有し、セグメント340は長さL
3を有する。磁化されるべきカバーまたは組織穿通医療デバイスの長さに応じて、組織穿通医療デバイスが配置されるキャビティの長さを変えるために、1つ以上のセグメントが垂直軸線の周りに移動されてもよい。1つ以上の実施形態において、動きは回転または並進であってもよい。例えば、磁化されるカバーまたは組織穿通医療デバイスの所望の長さがL
1である場合、組織穿通医療デバイスが配置されているキャビティの長さをL
1に調整するべく、セグメント330およびセグメント340の両方が垂直軸線の周りに移動または回転されてもよい。例えば、磁化されるカバーまたは組織穿通医療デバイスの望ましい長さがL
4の場合、組織穿通医療デバイスが配置されているキャビティの長さをL
4(L
1とL
2の合計)に調整するべく、セグメント340が垂直軸線を中心に移動または回転されてもよい。例えば、磁化されるカバーまたは組織穿通医療デバイスの望ましい長さがL
5の場合、セグメント(340、350)のいずれも垂直軸線を中心に移動または回転されず、代わりに、セグメント340およびセグメント350が、組織穿通医療デバイスが配置されているキャビティの長さをL
5(L
1、L
2およびL
3の合計)に調整するべく、ベースセグメント310と整列される。したがって、使用者は、磁化されるべき組織穿通医療デバイスの部分または長さを制御できる。
【0074】
1つ以上の実施形態において、磁化器300は、本明細書で開示される任意のカバー110または120と共に使用されてもよい。1つ以上の実施形態において、カバー110または120は、外表面上に配置される1つ以上の物理的停止要素150を有する均一な長さであり得、そして可変長の組織穿通医療デバイスと共に使用される。1つ以上の実施形態では、1つ以上の物理的停止要素150がカバー110または120の外表面上に成形される。1つ以上の実施形態において、カバー110または120の外表面に配置された物理的停止要素150の位置は、カバー110または120と共に使用される様々な組織穿通医療デバイスの異なるゲージまたは大きさに対応する。したがって、組織穿通医療デバイスの長さまたは部分は、使用者が、カバー110または120を組織穿通医療デバイスの所望のゲージまたは大きさに対応してカバー110または120の外表面に配置されている物理的停止要素150が磁化器300の頂部に到達するまで、磁化器300に挿入したときに磁化される。したがって、磁化される組織穿通医療デバイスの長さまたは部分は、カバー110または120内での組織穿通医療デバイスの長さに依存する。
【0075】
磁化器300は、一回だけ使用の使い捨てアイテムとして使用することができ、またはニードルカバーが磁化ステップ中に所定の位置に留まるので、磁化器300は再利用可能であってもよい。他の実施形態では、ベースセグメント310の長さL1、それぞれのセグメント(330、340)のL2およびL3、ならびに磁化器300の長さL4、L5は、組織穿通医療デバイスのシャフトの全体または所望の部分が磁化され得るように構成されてもよい。他の実施形態では、長さL1、L2、L3、L4およびL5は、磁化されるカバーまたは組織穿通医療デバイスの長さの10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%または任意の介在パーセンテージであってもよい。
【0076】
図3Bは、磁化器300のベースセグメントおよびそれぞれのセグメント(330、340)の側壁に、1つ以上の埋め込まれた磁石320を有する磁化器300の断面図を示す。1つ以上の磁石320はスロット内に埋め込まれてもよい。1つ以上の磁石320は、スロット内に摺動可能に取り付けられるか、摩擦嵌めにより所定の位置に保持される大きさにすることができ、または1つ以上の磁石320は接着剤または他の適切な方法で取り付けられてもよい。あるいは、1つ以上の磁石320は、磁化器300のベースセグメント310およびそれぞれのセグメント(330、340)の側壁に一体成形され得る。1つ以上の実施形態において、磁石は、永久磁石、電磁石、または他の磁化手段であってもよい。
【0077】
1つ以上の実施形態において、磁化器300は、特に磁化器のキャビティが1つの開口部のみを含んでいる場合に、磁極先端位置が磁化器キャビティに対して変更されることを可能にする。磁化手段の頂部は、より長い長さのニードルを磁化するとき、キャビティの底部により近くに変更されてもよい。
【0078】
本開示の第4の態様は、
図4に示されるように、開いた近位端402、遠位端404、第1の側壁406、第1の側壁406に摺動可能に接続され1つ以上の第1の磁石412を有している第1の摺動要素410、第2の側壁414、第2の側壁414に摺動可能に係合され1つ以上の第2の磁石420を有する第2の摺動要素418、第1の側壁406、第2の側壁414および遠位端404の間に形成されたキャビティ422を有する磁化器400に関する。1つ以上の第1の磁石は、第1の摺動要素410に取り付けられている。1つ以上の第2の磁石420は、第2の摺動要素418に取り付けられている。第1の摺動要素410および第2の摺動要素418は、組織穿通医療デバイス500または磁化器400のキャビティ422内に挿入される様々な長さのカバー600を磁化するべく、磁化器の長さを調整するために、キャビティ422の軸線に平行に移動され得、磁化用キャビティ422の底部と磁石(412/420)の頂部との間の距離の調整を可能にする。1つ以上の実施形態において、第1の側壁406は、第1のスロット408、1つ以上の第1の磁石412を有する第1の摺動要素410であって、第1のスロット408に摺動可能に接続されている第1の摺動要素410、第2のスロットを有する第2の側壁414、1つ以上の第2の磁石420を有する第2の摺動要素418であって、第2のスロット416に摺動可能に係合されている第2の摺動要素418、第1の側壁406、第2の側壁414および遠位端404の間に形成されるキャビティ422を有することができる。
【0079】
本開示の1つ以上の実施形態は、様々な長さの組織穿通医療デバイス500またはカバー600を収容することができるニードル磁化器に関する。
【0080】
キャビティ422は、組織穿通医療デバイス500またはカバー600のキャビティ422への出入りの動きを可能にする大きさおよび形状である。一実施形態では、キャビティ422は、組織穿通医療デバイスのシャフトの長手方向軸線に平行な動きで、組織穿通医療デバイス500またはカバー600のキャビティ422への移動を可能にする。ニードルカニューレは、組織穿通医療デバイス500またはカバー600がキャビティ422内に配置され、続いて、第1の摺動要素410および/または第2の摺動要素418が、磁化器400のキャビティ422内に挿入される様々な長さの組織穿通医療デバイス500またはカバー600の所望の部分を磁化するべく、磁化器の長さを調整するために、キャビティ422の軸線に平行に移動される。磁化器は、組織穿通医療デバイス500またはカバー600が挿入され得る少なくとも1つの開いた近位端402を備えたキャビティから構成される。キャビティ422および開いた近位端402は、磁化器400のキャビティ422内に挿入される様々な寸法および長さの組織穿通医療デバイス500またはカバー600を収容するのに十分に大きく、したがって、組織穿通医療デバイスの無菌性および完全性を保証する。1つ以上の実施形態において、キャビティ422は、様々な長さおよびニードルカバー長さのニードルが所望の深さまで挿入されるのを許容するように、両端に開口部を有することが企図されている。
【0081】
第1の摺動要素410および/または第2の摺動要素418は、使用者が、組織穿通医療デバイス500の磁化されるべき部分または長さを制御することを許容するように、組織穿通医療デバイス500のシャフトに対してカバー600の長さLに沿って可変的に配置されてもよい。磁化器400は、一回使用の使い捨てアイテムとして使用することができ、または、カバー600は磁化工程中に所定の位置に留まるので、磁化器400は再利用可能であってもよい。したがって、使用者は、磁化されるべき組織穿通医療デバイス500の部分または長さを制御することができる。スライダは、第1のスロット408および第2のスロット416を介して、カバー600の長さに沿って摺動可能に移動され得る。他の実施形態において、第1のスロット408および第2のスロット416の長さは、組織穿通医療デバイス500のシャフト全体が磁化され得るように、カバー600または組織穿通医療デバイス500の長さLに等しくてもよい。他の実施形態では、組織穿通医療デバイス500の長さLの任意の所望の部分(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%またはその点での増分)が磁化され得る。
【0082】
磁石(412、420)は、接着剤または他の適切な方法で摺動要素(410、418)に取り付けられてもよい。あるいは、磁石(412、420)は、摺動要素(410、418)に一体成形されてもよい。
【0083】
磁石(412、420)は、第1の側壁(406)および/または第2の側壁(414)に摺動可能に取り付けられるような大きさにすることができる。1つ以上の実施形態において、磁石(412、420)は、スロット(408、416)内に摺動可能に取り付けられるような大きさにすることができる。
【0084】
1つ以上の実施形態において、磁石(412、420)は、永久磁石、電磁石、または他の磁化手段であってもよい。
【0085】
第1の側壁406および/または第2の側壁414は、ニードルおよびニードルカバーが磁化器に挿入されたときに、磁化されるべきニードルの所望の長さまたは区域を示すために、目盛り付き注入深さゲージまたはマーキング430を有することができると考えられる。1つ以上の実施形態では、目盛り付き注入深さゲージは、第1の側壁406および/または第2の側壁414の外表面に印刷されてもよい。別の実施形態では、目盛り付き注入深さゲージは、施術者がニードルの深さの侵入を測定するのを支援するために、第1の側壁406および/または第2の側壁414の外表面に成形による、彫刻、エッチング、エンボス加工、デボス加工、または形成することができる。1つ以上の実施形態において、目盛り付き注入深さゲージは、ニードルの長さに相関するように縮尺される。
【0086】
1つ以上の実施形態において、第1の摺動要素410および/または第2の摺動要素418は、施術者の指に順応するプロファイルを有する接触面を含んでいる。
【0087】
第1の摺動要素410および/または第2の摺動要素418は、組織穿通医療デバイス500またはカバー600に対して、平行または直交方向にトグル留めするように構成されてもよい。
【0088】
第1の摺動要素410および/または第2の摺動要素418の第1の側壁406の前端から第2の側壁414の後端への移動は、第1の摺動要素410および/または第2の摺動要素418の指接触面440に圧力を加えることにより達成され得る。
【0089】
図4は、組織穿通医療デバイス500、組織穿通医療デバイス500のシャフトを磁化するためのカバー600を示している。カバー600は、組織穿通医療デバイス500のシャフト608を覆う保護閉鎖体を形成するために、遠位端606および近位端(図示せず)を有する中空の管状本体604を有するスリーブ部材602を含み、スリーブ部材602は、組織穿通医療デバイス500のシャフト608を覆うべく長さLを有し、シャフト608は長さL2および遠位先端610を有している。中空の管状本体604の開放端(図示せず)は、組織穿通医療デバイス500の少なくともシャフト608を受け入れるための受容空間を提供する。1つ以上の実施形態では、シャフト608を磁化するのに、単一の磁石が使用され、または2つ以上の磁石が使用されてもよい。
【0090】
2つの磁石が利用される実施形態では、2つの磁石の磁場の向きは変わり得る。1つの磁石は、組織穿通医療デバイスのシャフトの軸線上にN極とS極を有し、一方、2番目の磁石は、軸線外すなわち組織穿通医療デバイスのシャフトに直交してN極とS極を有することができる。あるいは、2つの磁石は両方とも、組織穿通医療デバイスのシャフトの軸線外にN極とS極を持つことができ、または、2つの磁石は両方とも、組織穿通医療デバイスのシャフトの軸線上にN極とS極を持つことができる。
【0091】
磁化器400から取り外すと、組織穿通医療デバイス500は、標的解剖学的構造に対するニードル先端位置を測定および予測する手段として磁気センサを利用する手順誘導システムと共に使用できるようになる。
【0092】
1つ以上の実施形態では、磁化器400は、特に、磁化器キャビティが1つの開口部のみを含んでいる場合に、磁極先端位置が磁化器キャビティに対して変更されることを可能にする。磁化手段の頂部は、より長い長さのニードルを磁化するときに、キャビティの底部により近くなるように変更され得る。
【0093】
代替実施形態では、ニードルカバーが提供され、これはニードルカバーがニードルシャフトを覆っている間にニードルカバーが既存のニードル磁化器の内側に配置されることを可能にする幾何学的寸法を有している。ニードルカバーの遠位端は、ニードル磁化器の底部に接触する止め具を設けることによって、挿入の深さを制限するために使用されてもよい。別法として、ニードルカバーの近位部分の近くの特徴部が、ニードル磁化器の近位開口部の止め具によって挿入の深さを制限するために、カバーに設けられてもよい。
【0094】
本明細書に記載されるカバーは、様々な特性を有し得る。1つ以上の実施形態において、カバーはプラスチックから形成される。1つ以上の実施形態では、カバーは無菌である。1つ以上の実施形態では、カバーは使い捨てである。他の実施形態では、カバーは、滅菌および使い捨ての両方であってもよい。
【0095】
組織穿通医療デバイスは、ニードル、カテーテル、導入ニードル、スタイレット、メス、またはガイドワイヤであってもよい。一実施形態では、組織穿通医療デバイスはニードルであり、磁化されると、手順誘導システムと共に使用され、侵襲的医療処置中にニードルの位置を特定し、投影することができる。1つ以上の実施形態による組織穿通医療デバイスは、磁化可能な金属材料を含んでいる。特定の実施形態では、磁化可能な金属材料はステンレス鋼である。
【0096】
本明細書に記載のカバーは、カテーテル、カテーテルアダプターサブアセンブリ、および導入ニードル、導入ニードルの近位端に接続されたニードルハブ、および本明細書に記載の任意の実施形態のニードルカバーを含んでいるニードルサブアセンブリを備える血管アクセス装置に組み込むこともできる。本開示の磁化器はまた、カテーテル、カテーテルアダプターサブアセンブリ、および導入ニードルを含んでいるニードルサブアセンブリを備える血管アクセスデバイスと併せて使用されてもよい。
【0097】
本開示の別の態様は、組織穿通医療デバイスを磁化する方法に関する。方法の実施形態は、デバイス受容空間を含んでいる本開示のカバーに組織穿通医療デバイスのシャフトを配置すること、組織穿通医療デバイスを含んでいるカバーを磁化器に配置すること、および組織穿通医療デバイスの所望の部分を磁化するために磁化器からカバーを組織穿通医療デバイスと共に取り外すこと、を含んでいる。本開示の方法の別の実施形態は、デバイス受容空間を有する利用可能なカバー内に組織穿通医療デバイスのシャフトを配置すること、カバーを組織穿通医療デバイスと共に本開示の磁化器内に配置すること、および組織穿通医療デバイスの所望の部分を磁化するべく、カバーを組織穿通医療デバイスと共に本開示の磁化器から取り外すこと、を含んでいる。
【0098】
本明細書を通して、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」または「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、材料、または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な箇所における、「1つ以上の実施形態において」、「特定の実施形態において」、「1つの実施形態において」または「実施形態において」などの語句の出現は、必ずしも開示の同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、材料、または特性は、任意の適切な方法で1つ以上の実施形態において組み合わされてもよい。
【0099】
本明細書の開示は、特定の実施形態を参照して説明を提供したが、これらの実施形態は、本開示の原理および用途の単なる例示であることを理解されたい。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、本開示の方法および装置に様々な修正および変更を加えることができることは当業者には明らかであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内にある修正および変更を含むことが意図されている。