IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルプス電気株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-音声システム 図1
  • 特開-音声システム 図2
  • 特開-音声システム 図3
  • 特開-音声システム 図4
  • 特開-音声システム 図5
  • 特開-音声システム 図6
  • 特開-音声システム 図7
  • 特開-音声システム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065704
(43)【公開日】2022-04-28
(54)【発明の名称】音声システム
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/02 20060101AFI20220421BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20220421BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20220421BHJP
   H04R 7/04 20060101ALI20220421BHJP
   H04R 1/00 20060101ALI20220421BHJP
【FI】
H04R1/02 102B
B60R11/02 B
H04R3/00 310
H04R3/00 320
H04R7/04
H04R1/00 310F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020174338
(22)【出願日】2020-10-16
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】田地 良輔
【テーマコード(参考)】
3D020
5D016
5D017
5D220
【Fターム(参考)】
3D020BA02
3D020BA10
3D020BA11
3D020BC04
3D020BC11
3D020BD05
3D020BE03
5D016AA01
5D017AE16
5D017AE18
5D017BC01
5D220AA11
5D220BA01
(57)【要約】
【課題】 乗員の会話音声を聴き取り易くする音声システムを提供する。
【解決手段】 本発明の音声システムは、車内の各座席Q1~Q4の位置に対応する天井40に取り付けられ、印加される駆動信号に基づき当該天井40を振動させて音声を出力する複数のエキサイタEC1~EC4と、各座席のヘッドレスト近傍に取り付けられた複数のマイクMC1~MC4と、オーディオ再生信号に応答して複数のエキサイタEC1~EC4を駆動するための駆動信号を出力し、かつ複数のマイクMC1~MC4のいずれかから入力された音声信号に応答してエキサイタあるいは他のスピーカを駆動するための駆動信号を出力するコントローラ10とを有する。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車内の各座席位置に対応する天井に取り付けられ、印加される駆動信号に基づき当該天井を振動させて音を出力する複数のエキサイタと、
各座席のヘッドレスト近傍に取り付けられた複数のマイクと、
オーディオ再生信号に応答して前記エキサイタを駆動するための駆動信号を出力し、かつ前記複数のマイクのいずれかから入力された音声信号に応答して前記エキサイタあるいは他のスピーカを駆動するための駆動信号を出力する制御手段と、
を有する音声システム。
【請求項2】
前記エキサイタは、内装用の天井基材の裏面に取り付けられる、請求項1に記載の音声システム。
【請求項3】
前記エキサイタは、座席に着座したときの乗員の頭上に取り付けられる、請求項1または2に記載の音声システム。
【請求項4】
前記マイクは、座席に着座したときの乗員の頭部によって遮蔽される位置に取り付けられる、請求項1に記載の音声システム。
【請求項5】
前記マイクは、座席の背もたれとヘッドレストとの間に取り付けられる、請求項1または4に記載の音声システム。
【請求項6】
前記他のスピーカは、座席のヘッドレスト近傍に取り付けられる、請求項1に記載の音声システム。
【請求項7】
前記制御手段は、乗員の会話音声を他の乗員に伝える会話補助機能を有する、請求項1に記載の音声システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗員の会話を補助する機能を備えた音声システムに関し、特に、内装に組み込まれたエキサイタを用いた内装組み込み型スピーカシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車内における乗員の過ごし方は多様化し、各席個別音源再生装置(ゾーンサウンド)や座席間会話補助装置(インカ―コミュニケーション:ICC)の需要が高まっている。座席間会話補助装置は、騒音下や音楽等の再生中であっても、乗員同士の会話音声を明瞭に聞き取れるようにするものである(例えば、特許文献1、2、3)。特許文献1の車内会話補助装置は、図1に示すように、各座席にスピーカ101、102、103、104が設けられ、また各座席用にマイク105、106、107、108が設けられる。制御部200は、マイクで集音した乗員の会話音声をスピーカ101~104から出力可能にするとともに、オーディオ装置203で再生されたオーディオ再生音をスピーカ101~104から出力可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-51392号公報
【特許文献2】特開2010-163054号公報
【特許文献3】特開平11-342799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図2は、従来の座席会話補助装置の概略構成例を示す図である。車内の前方座席の近傍にスピーカSP1、SP2が取り付けられ、後方座席の近傍にスピーカSP3、SP4が取り付けられ、後方にスピーカSP5、SP6が取り付けられる。また、各座席の乗員の会話音声を入力するためのマイクMC1、MC2、MC3、MC4が各座席の位置に応じて取り付けられる。コントローラ10は、マイクMC1~MC4で集音された音声信号S1を入力し、入力した音声信号S1に基づきスピーカSP1~SP6から会話音声を出力させる。コントローラ10は、例えば、マイクMC1~MC4に入力された音声信号のレベルに基づき発話した乗員の座席を判定し、他の乗員の座席のスピーカから会話音声を出力させる。あるいは、各座席に設けられたトークスイッチや座席センサなどを併用して発話した乗員の座席を判定したり、乗員が着座していない座席から会話音声を出力させないようにしてもよい。さらにコントローラ10は、オーディオ装置20で再生されたオーディオ再生信号S2を受け取り、スピーカSP1~SP6からオーディオ再生音を出力する。
【0005】
会話音声の入出力は、電話再生の技術を利用しており、これには幾つかの性能指標がある。例えば、後席で前席の声がはっきりと聞こえること、後席で出力される音にノイズが少ないこと、信号処理の遅延時間が少なく、自然に聞こえること、エコー除去量が十分であること、ハウリングがないこと、音質が良いこと、音が途切れないことなどである。
【0006】
これらの性能指標を満たす上で、乗員の会話音声を取得するマイクに自席近傍のスピーカから出力されるオーディオ再生音やロードノイズが取り込まれると、遠端の座席のスピーカから出力される音声信号のS/N(信号対雑音比)が低くなり、会話音声が聴き取り難くなる。また、会話音声は、遅延を伴ってスピーカから出力されるため、残響が多くなり、車内全体が飽和したような聴感となってしまう課題があった。この様子を図3を用いて説明する。運転者U1が発話すると、その会話音声P1がハンドル近傍に取り付けられたマイクMC1から入力され、入力された音声信号S1がコントローラ10によって信号処理され、後部座席側のスピーカSP5から運転者U1の会話音声が出力される。一方、運転者U1の座席近傍のドアに設置されたスピーカSP1からオーディオ再生音P2が出力されている場合、マイクMC1がオーディオ再生音P2を集音すると、後部座席側のスピーカSP5から出力される会話音声にオーディオ再生音が混入される。このため、後部座席の乗員U2にとって、運転者U1の会話音声が聞き取り難くなってしまう。
【0007】
このような課題の対策として、会話音声からオーディオ再生音を取り除くための適応フィルタを使用したり、あるいは指向性のあるマイクを使用することも可能であるが、会話音声のさらなる性能向上のためには、会話音声にオーディオ再生音が混入しないように会話音声の入力部分での改善が望まれる。
【0008】
本発明は、このような従来の課題を解決し、乗員の会話音声を聴き取り易くする音声システムを提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る音声システムは、車内の各座席位置に対応する天井に取り付けられ、印加される駆動信号に基づき当該天井を振動させて音を出力する複数のエキサイタと、各座席のヘッドレスト近傍に取り付けられた複数のマイクと、オーディオ再生信号に応答して前記エキサイタを駆動するための駆動信号を出力し、かつ前記複数のマイクのいずれかから入力された音声信号に応答して前記エキサイタあるいは他のスピーカを駆動するための駆動信号を出力する制御手段とを有する。
【0010】
ある実施態様では、前記エキサイタは、内装用の天井基材の裏面に取り付けられる。ある実施態様では、前記エキサイタは、座席に着座したときの乗員の頭上に取り付けられる。ある実施態様では、前記マイクは、座席に着座したときの乗員の頭部によって遮蔽される位置に取り付けられる。ある実施態様では、前記マイクは、座席の背もたれとヘッドレストとの間に取り付けられる。ある実施態様では、前記他のスピーカは、座席のヘッドレスト近傍に取り付けられる。ある実施態様では、前記制御手段は、乗員の会話音声を他の乗員に伝える会話補助機能を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数のエキサイタを天井に取り付け、複数のマイクを座席のヘッドレスト近傍に取り付けるようにしたので、エキサイタにより出力された音声は、乗員の頭部とヘッドレストの障壁によりマイクに直接入力するのが抑制される。これにより、会話音声がオーディオ再生音等の他の音源から分離してマイクに入力されるため、会話音声に含まれるノイズを低減し、会話音声を聴き取り易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】従来の座席間会話補助装置の構成例を示す図である。
図2】従来の座席間会話補助装置の構成例を示す図である。
図3】従来の座席間会話補助装置の課題を説明する図である。
図4】本発明の実施例に係る座席会話補助機能を備えた音声システムの概略構成を示す図である。
図5】本発明の実施例に係るエキサイタの取り付け例を示す断面図である。
図6】本発明の実施例に係るマイクの取り付け例を示す斜視図である。
図7】本発明の実施例による音声システムの効果を説明する図である。
図8】本発明の他の実施例に係る音声システムの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る音声システムは、自動車等の移動体の車内において、オーディオ再生音の出力に加えて、乗員同士の会話音声を出力する機能を有する。また、電気自動車の普及に伴う車両の軽量化(車両形状の変化、ドアの樹脂化)や運転者や乗員のスペースを重視した車両構造の変化、また信号処理技術の変化などにより、既存の位置以外に取り付け可能な超軽量のスピーカの開発が求められている。そこで、本発明に係る音声システムは、車両の内装にエキサイタを組み込んだ内装組み込み型のスピーカを用いる。
【実施例0014】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、図面のスケールは、発明の理解を容易にするために誇張されて記載されており、必ずしも実際の製品のスケールを表すものではないことに留意すべきである。
【0015】
図4(A)は、本発明の実施例に係る音声システムのエキサイタやマイクの取り付け位置を平面的に表した図であり、図4(B)は、音声システムのエキサイタやマイクの取り付け位置を立体的に表した断面図である。ここでは、車内の前方に2つの前方座席Q1、Q2、後方に2つの後部座席Q3、Q4が配置される例を示しているが、これは一例であり、他の座席数や座席の並び(例えば、3列の座席)であってもよい。
【0016】
音声システム1は、各座席Q1、Q2、Q3、Q4の位置に対応する天井40に取り付けられた複数のエキサイタEC1、EC2、EC3、EC4と、各座席Q1、Q2、Q3、Q4のヘッドレスト近傍に取り付けられた複数のマイクMC1、MC2、MC3、MC4と、エキサイタEC1~EC4およびマイクMC1~MC4に電気的に接続され、音声の出力制御を行うコントローラ10と、オーディオ再生信号S2をコントローラ10へ提供するオーディオ装置20とを含んで構成される。
【0017】
座席Q1は、着座部30、背もたれ部32およびヘッドレスト34を含み、マイクMC1は、ヘッドレスト34の近傍に取り付けられる。例えば、図6に示すように、ヘッドレスト34と背もたれ部32との間の空間に取り付けられるようにしてもよいし、ヘッドレスト34や背もたれ部32に埋め込まれるように取り付けられてもよい。他の座席Q2、Q3、Q4にも同様に、ヘッドレスト34の近傍にマイクMC2、MC3、MC4が取り付けられる。マイクMC1~MC4は、乗員の会話音声を入力するものであり、マイクMC1~MC4で集音された会話音声の音声信号S1は、有線または無線によりコントローラ10へ入力される。
【0018】
座席Q1に対応する天井40の位置にエキサイタEC1が取り付けられる。エキサイタEC1は、図4(B)に示すように、乗員U1が座席Q1に着座したときに乗員U1の頭上近傍に取り付けられる。エキサイタEC1とマイクMC1との好ましい位置関係は、エキサイタEC1から出力される音が乗員U1の頭部やヘッドレスト34によって遮られ、エキサイタEC1から出力された音がマイクMC1に直接入力されないような関係である。他のエキサイタEC2、EC3、EC4も同様に、座席Q2、Q3、Q4に対応する天井40の位置に取り付けられ、エキサイタEC2、EC3、EC4から出力される音が乗員の頭部やヘッドレストによって遮られることでマイクMC2、MC3、MC4に対して直接入力されないような位置に取り付けられる。
【0019】
エキサイタEC1~EC4は、有線または無線によりコントローラ10から出力される音声駆動信号DVにより駆動される。エキサイタEC1~EC4は、通常のコーン型スピーカと同様に、音声駆動信号DVを振動に変換する振動子であるが、コーン型スピーカと比較して、小型化、省スペース化、軽量化が可能である。
【0020】
図5は、エキサイタEC1の取り付けを模式的に示した断面図である。天井の内装材(天井基材)42は、表面44と裏面46とを含み、エキサイタEC1は、内装材42の裏面側に取り付けられる。このため、乗員U1は、表面44からエキサイタEC1を視認することはできない。内装材42は、振動板としても機能し、エキサイタEC1が音声駆動信号DVによって振動されると、その振動が内装材42に伝達され、内装材42の振動によって天井40から音が出力される。他のエキサイタEC2~EC4も同様である。
【0021】
オーディオ装置20は、オーディオ信号を再生する機能を備えたデバイスであり、特にその構成は限定されない。オーディオ装置20は、例えば、AVN(オーディオ・ビジュアル・ナビゲーション)装置、スマートフォン、携帯型オーディオプレイヤーなどであることができる。オーディオ装置20は、乗員からの指示を受け取ると、オーディオ信号の再生を開始し、オーディオ再生信号S2がコントローラ10に出力される。
【0022】
コントローラ10は、少なくともオーディオ装置20で再生されたオーディオ再生音をエキサイタEC1~EC4から出力させる機能と、乗員の会話音声をエキサイタEC1~EC4から出力させる機能とを有する。コントローラ10は、このような機能を実行する上で必要なDSP、マイクロコントローラ、アンプ、適応フィルタなどのハードウエア資源やハードウエアを制御するソフトウエア資源を含むことができる。また、コントローラ10は、オーディオ装置20と連携し、オーディオ装置20を制御したり、オーディオ装置20から制御されることが可能である。
【0023】
コントローラ10は、オーディオ装置20からのオーディオ再生信号S2を受け取ると、オーディオ再生信号S2に応じた音声駆動信号DVをエキサイタEC1~EC4へ出力し、エキサイタEC1~EC4を介して天井40からオーディオ音声を出力させる。
【0024】
また、乗員の会話音声がマイクMIC1~MC4から音声信号S1として入力されると、コントローラ10は、音声信号S1に必要な信号処理を施し、音声駆動信号DVを介して1つまたは複数のエキサイタを駆動し、天井40から会話音声を出力させる。ある実施態様では、コントローラ10は、マイクMIC1~MC4に入力された音声信号のレベルの大きさから発話された座席を識別し、他の座席に対応するエキサイタに音声駆動信号を出力する。例えば、図4(B)に示す運転席Q1の乗員U1が発話したとき、マイクMC1の入力音声信号のレベルが大きくなるため、コントローラ10は、発話された運転席Q1を識別し、他の座席Q2~Q4に対応するエキサイタEC2~4に音声駆動信号DVを出力し、それらの天井から乗員U1の会話音声を出力させる。さらに別の実施態様では、座席への乗員の有無を検知する重量センサが搭載されている場合には、コントローラ10は、重量センサの検知結果に基づき乗員が不在の座席に対応するエキサイタに音声駆動信号DVを出力しないようにすることも可能である。
【0025】
次に、本実施例の音声システムの効果について説明する。従来の音声システムでは、図3に示すように、ハンドル近傍に取り付けたマイクMC1は、乗員U1の会話音声P1とドアスピーカSP1から出力されたオーディオ音声P2とを入力するため、会話音声P1をオーディオ音声P2から分離して入力することができない。さらにマイクMC1は、ロードノイズ等を拾いやすい。このため、スピーカから出力される会話音声のノイズが大きくなり、会話音声が聴き取り難くなる。
【0026】
これに対し、本実施例の音声システムでは、図7に示すように、オーディオ装置20により再生されたオーディオ音声がエキサイタEC1によって出力されている状態で乗員U1が発話した場合、エキサイタEC1により出力されたオーディオ音声P2は、乗員U1の頭部によって遮られ、マイクMC1に直接入力することが抑制される。さらにロードノイズも拾い難くなる。また、ヘッドレスト34の近傍にマイクMC1が取り付けてあるため、マイクMC1は、乗員U1の頭部の骨や皮膚を介して伝播する発話音声を入力することができ、仮に、空気中を伝播する乗員U1の発話音声の入力レベルが減少したとしても、この減少が相殺される。これにより、エキサイタから出力される会話音声のノイズを小さくすることができ、会話音声が聴き取りやすくなる。
【0027】
次に、本発明の他の実施例について説明する。上記実施例では、乗員の会話音声をエキサイタから出力する例を示したが、乗員の会話音声は、天井のエキサイタ以外のスピーカから出力させることも可能である。図8に、他の実施例による音声システム1Aを示す。ここでは、後部座席Q3、Q4のためのスピーカSP7、SP8を取り付けた例を示している。スピーカSP7、SP8は、座席Q3、Q4の乗員にとって会話音声を聴き易くするため、座席Q3、Q4のヘッドレスト近傍またはヘッドレスト内部に取り付けられる。
【0028】
コントローラ10は、オーディオ装置20のオーディオ音声を出力させる場合には、音声駆動信号DV1を介してエキサイタEC1~EC4を駆動し、後方座席Q3、Q4から会話音声を出力させる場合には、音声駆動信号DV2を介してスピーカSP7、SP8を駆動する。前方座席Q1、Q2から会話音声を出力させる場合には、音声駆動信号DV1を介してエキサイタEC1、EC2を駆動する。このように、天井のエキサイトとは異なるスピーカから会話音声を出力することで、会話音声をさらに明瞭に聴くことができる。なお、図8の例では、後方座席Q3、Q4のヘッドレスト近傍にスピーカSP7、SP8を取り付ける例を示したが、さらに前方座席Q1、Q2のヘッドレスト近傍にもスピーカを取り付けるようにしてもよい。この場合、全ての会話音声は、エキサイタではなく、スピーカから出力される。
【0029】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0030】
SP1~SP6:スピーカ MC1~MC4:マイク
EC1~EC4:エキサイタ 10:コントローラ
20:オーディオ装置 30:着座部
32:背もたれ部 34:ヘッドレスト
40:天井 42:内装板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8