(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065852
(43)【公開日】2022-04-28
(54)【発明の名称】車両用サイドミラー
(51)【国際特許分類】
B60R 1/07 20060101AFI20220421BHJP
【FI】
B60R1/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020174603
(22)【出願日】2020-10-16
(71)【出願人】
【識別番号】000147660
【氏名又は名称】株式会社石▲崎▼本店
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 雅之
(72)【発明者】
【氏名】中川 慎治
(72)【発明者】
【氏名】大田垣 宏亨
(72)【発明者】
【氏名】河野 康之
【テーマコード(参考)】
3D053
【Fターム(参考)】
3D053FF04
3D053GG06
3D053GG12
3D053HH18
3D053KK02
(57)【要約】
【課題】ミラーの角度調整可能にしながら、バイザーの小型化を実現する。
【解決手段】調整ユニットケーシング70と進退部材72の先端部との一方の部材がバイザー4に取り付けられ、他方の部材がフレーム9に取り付けられている。角度調整ユニット7によるバイザー4の上下方向の傾動中心軸9dがフレーム9の下側に設けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の側部に配設される車両用サイドミラーにおいて、
車両に取り付けられるミラーベースと、
後方視認用のミラーと、
前記ミラーが固定されたバイザーと、
前記ミラーの上下方向の角度を調整するための第1角度調整ユニットと、
前記ミラーベースに固定されて上方へ延びる支軸と、
前記支軸に対して回動可能に支持される回動ケーシングと、
前記支軸に対して支持されるフレームとを備え、
前記第1角度調整ユニットは、第1調整ユニットケーシングと、該第1調整ユニットケーシングに対して進退動作する第1進退部材と、前記第1調整ユニットケーシングに収容され、前記第1進退部材を進退駆動する第1調整用電動モータとを備え、
前記第1調整ユニットケーシングと前記第1進退部材の先端部との一方の部材が前記バイザーに取り付けられ、他方の部材が前記フレームに取り付けられ、
前記第1角度調整ユニットによる前記バイザーの上下方向の傾動中心軸が前記フレームにおける前記他方の部材が取り付けられた部分から上下方向に間隔をあけて設けられていることを特徴とする車両用サイドミラー。
【請求項2】
車両の側部に配設される車両用サイドミラーにおいて、
車両に取り付けられるミラーベースと、
後方視認用のミラーと、
前記ミラーが固定されたバイザーと、
前記ミラーの左右方向の角度を調整するための第2角度調整ユニットと、
前記ミラーベースに固定されて上方へ延びる支軸と、
前記支軸に対して回動可能に支持される回動ケーシングと、
前記回動ケーシングに固定されるブラケットと、
前記バイザーに取り付けられ、前記支軸に対して回動可能に支持されるフレームとを備え、
前記第2角度調整ユニットは、第2調整ユニットケーシングと、該第2調整ユニットケーシングに対して進退動作する第2進退部材と、前記第2調整ユニットケーシングに収容され、前記第2進退部材を進退駆動する第2調整用電動モータとを備え、
前記第2調整ユニットケーシングと前記第2進退部材の先端部との一方の部材が前記ブラケットに取り付けられ、他方の部材が前記フレームに取り付けられていることを特徴とする車両用サイドミラー。
【請求項3】
請求項1に記載の車両用サイドミラーにおいて、
前記回動ケーシングに固定されるブラケットと、
前記ミラーの左右方向の角度を調整するための第2角度調整ユニットとを備え、
前記フレームは、前記バイザーに取り付けられており、
前記第2角度調整ユニットは、第2調整ユニットケーシングと、該第2調整ユニットケーシングに対して進退動作する第2進退部材と、前記第2調整ユニットケーシングに収容され、前記第2進退部材を進退駆動する第2調整用電動モータとを備え、
前記第2調整ユニットケーシングと前記第2進退部材の先端部との一方の部材が前記ブラケットに取り付けられ、他方の部材が前記フレームに取り付けられていることを特徴とする車両用サイドミラー。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の車両用サイドミラーにおいて、
前記バイザーを前記ミラーベースに対して回動させることによって格納状態と使用状態とに切り替える電動格納ユニットを備えていることを特徴とする車両用サイドミラー。
【請求項5】
請求項4に記載の車両用サイドミラーにおいて、
前記電動格納ユニットは、前記支軸と、前記回動ケーシングと、該回動ケーシングに収容され、該回動ケーシングを前記支軸の軸芯まわりに回動させる格納用電動モータとを備えていることを特徴とする車両用サイドミラー。
【請求項6】
請求項3に記載の車両用サイドミラーにおいて、
前記第1角度調整ユニットは、前記第2角度調整ユニットの上方に位置付けられ、
前記傾動中心軸は、前記第2角度調整ユニットの下方に位置付けられていることを特徴とする車両用サイドミラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車等の車両の側部に設けられる車両用サイドミラーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に自動車の側部にはサイドミラーが配設されている。この種のサイドミラーとしては、例えば特許文献1に開示されているように、ドアに固定されるミラーベースと、ミラーベースに対して支持されるバイザーとを備えており、バイザーに、後方視界を確保するための鏡面を有するミラーが取り付けられている。また、バイザーには、当該バイザーを格納状態と使用状態とに切り替えるための電動格納ユニットが設けられるとともに、ミラーの角度調整を行うための角度調整ユニットも設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両用サイドミラーの設計現場では、レギュレーションによって定められた後方視界要件を満たすことができる大きさの鏡面サイズが決定された上で、その鏡面サイズを有するミラーを囲むようにバイザーの形状が決定される。このとき、特許文献1のようにミラーの角度調整を行う構造の場合、調整時にミラーを傾動させることになるので、ミラーの周縁部とバイザーの内面との間に、ミラーの傾動を許容するための隙間を設けておく必要がある。しかも、この隙間はミラーの周囲全周に必要であるため、その隙間を見込んでバイザーの形状を決定することになり、このことはバイザーの大型化を招いてしまう。
【0005】
その一方で、車両のデザイン上の要求からサイドミラーを小型化したい場合や、空力性能の観点からサイドミラーを小型化したい場合、運転時の斜め前方の視界拡大のためにサイドミラーを小型化したい場合等があり、バイザーの小型化が望まれている。しかし、上述したようにミラーの角度調整を可能にするためにミラーの周囲全周に亘って隙間を確保しなければならず、バイザーの小型化が困難であるとともに、角度調整ユニットのレイアウトの自由度が低かった。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ミラーの角度調整可能にしながら、バイザーの小型化を実現し、しかも角度調整ユニットのレイアウトの自由度を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、車両の側部に配設される車両用サイドミラーにおいて、車両に取り付けられるミラーベースと、後方視認用のミラーと、前記ミラーが固定されたバイザーと、前記ミラーの上下方向の角度を調整するための第1角度調整ユニットと、前記ミラーベースに固定されて上方へ延びる支軸と、前記支軸に対して回動可能に支持される回動ケーシングと、前記支軸に対して支持されるフレームとを備え、前記第1角度調整ユニットは、第1調整ユニットケーシングと、該第1調整ユニットケーシングに対して進退動作する第1進退部材と、前記第1調整ユニットケーシングに収容され、前記第1進退部材を進退駆動する第1調整用電動モータとを備え、前記第1調整ユニットケーシングと前記第1進退部材の先端部との一方の部材が前記バイザーに取り付けられ、他方の部材が前記フレームに取り付けられ、前記第1角度調整ユニットによる前記バイザーの上下方向の傾動中心軸が前記フレームにおける前記他方の部材が取り付けられた部分から上下方向に間隔をあけて設けられていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、例えば第1角度調整ユニットの調整ユニットケーシングをバイザーに取り付け、第1進退部材の先端部をフレームに取り付けた場合に、第1進退部材を進退させると、バイザーの上下方向の傾動中心軸がフレームに設けられていて、その傾動中心軸は、第1進退部材の先端部が取り付けられた部分から上下方向に間隔をあけて配置されているので、バイザーを上下方向に傾動させることができる。このバイザーには、ミラーが固定されているので、ミラーの上下方向の角度調整が可能になり、これによりミラーの上下方向の向きを調整できる。
【0009】
つまり、ミラーをバイザーに固定した状態にしておきながら、ミラーの上下方向の角度調整が可能になるので、従来のようにミラーの周縁部とバイザーとの間にミラーを傾動させるための隙間を設ける必要はなくなり、その結果、バイザーを小型化することができる。また、第1角度調整ユニットを支軸上にレイアウトする必要はなく、第1角度調整ユニットのレイアウト自由度が向上し、バイザーの更なる小型化を実現できる。
【0010】
尚、第1角度調整ユニットの第1調整ユニットケーシングをバイザーに取り付け、第1進退部材の先端部をフレームに取り付けてもよい。また、ミラーの裏面にミラーホルダのような部材が設けられている場合、そのミラーホルダもミラーを構成する部材の一つとすることができ、第1調整ユニットケーシングまたは第1進退部材の先端部をミラーホルダに取り付けることができる。
【0011】
第2の発明は、車両の側部に配設される車両用サイドミラーにおいて、車両に取り付けられるミラーベースと、後方視認用のミラーと、前記ミラーが固定されたバイザーと、前記ミラーの左右方向の角度を調整するための第2角度調整ユニットと、前記ミラーベースに固定されて上方へ延びる支軸と、前記支軸に対して回動可能に支持される回動ケーシングと、前記回動ケーシングに固定されるブラケットと、前記バイザーに取り付けられ、前記支軸に対して回動可能に支持されるフレームとを備え、前記第2角度調整ユニットは、第2調整ユニットケーシングと、該第2調整ユニットケーシングに対して進退動作する第2進退部材と、前記第2調整ユニットケーシングに収容され、前記第2進退部材を進退駆動する第2調整用電動モータとを備え、前記第2調整ユニットケーシングと前記第2進退部材の先端部との一方の部材が前記ブラケットに取り付けられ、他方の部材が前記フレームに取り付けられていることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、例えば第2角度調整ユニットの調整ユニットケーシングをブラケットに取り付け、第2進退部材の先端部をフレームに取り付けた場合に、第2進退部材を進退させると、ブラケットが回動ケーシングに固定されていて、フレームが支軸に対して回動可能になっているので、フレームを支軸まわりに回動させることができる。このフレームはバイザーに取り付けられているので、フレームの支軸まわりの回動によってバイザーが支軸まわりに回動する。このバイザーには、ミラーが固定されているので、ミラーの左右方向の角度調整が可能になる。これにより、ミラーの車両左右方向の向きを調整できる。
【0013】
つまり、ミラーをバイザーに固定した状態にしておきながら、ミラーの左右方向の角度調整が可能になるので、従来のようにミラーの周縁部とバイザーとの間にミラーを傾動させるための隙間を設ける必要はなくなり、その結果、バイザーを小型化することができる。また、第2角度調整ユニットを支軸上にレイアウトする必要はなく、第2角度調整ユニットのレイアウト自由度が向上し、バイザーの更なる小型化を実現できる。
【0014】
尚、第2角度調整ユニットの第2調整ユニットケーシングをフレームに取り付け、第2進退部材の先端部をブラケットに取り付けてもよい。また、ミラーの裏面にミラーホルダのような部材が設けられている場合、そのミラーホルダもミラーを構成する部材の一つとすることができ、第2調整ユニットケーシングまたは第2進退部材の先端部をミラーホルダに取り付けることができる。
【0015】
第3の発明は、前記ミラーの左右方向の角度を調整するための第2角度調整ユニットを備え、前記フレームは、前記バイザーに取り付けられており、前記第2角度調整ユニットは、第2調整ユニットケーシングと、該第2調整ユニットケーシングに対して進退動作する第2進退部材と、前記第2調整ユニットケーシングに収容され、前記第2進退部材を進退駆動する第2調整用電動モータとを備え、前記第2調整ユニットケーシングと前記第2進退部材の先端部との一方の部材が前記ブラケットに取り付けられ、他方の部材が前記フレームに取り付けられていることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、ミラーをバイザーに固定した状態にしておきながら、ミラーを上下方向の角度調整と左右方向の角度調整を行うことができる。
【0017】
第4の発明は、前記バイザーを前記ミラーベースに対して回動させることによって格納状態と使用状態とに切り替える電動格納ユニットを備えている。
【0018】
第5の発明では、前記電動格納ユニットは、前記支軸と、前記回動ケーシングと、該回動ケーシングに収容され、該回動ケーシングを前記支軸の軸芯まわりに回動させる格納用電動モータとを備えていることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、回動ケーシングを支軸の軸芯まわりに回動させると、回動ケーシングに固定されたブラケットが軸芯まわりに回動することになる。回動ケーシングの回動力はブラケット及び角度調整ユニットを介してミラー及びバイザーに作用し、これにより、ミラー及びバイザーを支軸の軸芯まわりに回動させて格納状態と使用状態とに切り替えることができる。
【0020】
第6の発明は、前記第1角度調整ユニットは、前記第2角度調整ユニットの上方に位置付けられ、前記傾動中心軸は、前記第2角度調整ユニットの下方に位置付けられていることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、第1角度調整ユニット、第2角度調整ユニット及び傾動中心軸の上下方向に並べて配置することができるので、車両用サイドミラーの車両前後方向の厚みを薄くすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ミラーをバイザーと共に動かして角度調整することができるので、ミラーの周縁部とバイザーとの間にミラーを傾動させるための隙間を設けずに済み、バイザーを小型化することができ、さらに、角度調整ユニットのレイアウトの自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態に係る車両用サイドミラーを車両後側から見た図である。
【
図2】カバーパネルを取り外した車両用サイドミラーを車両前側から見た図である。
【
図3】カバーパネルを取り外した車両用サイドミラーを右側から見た図である。
【
図4】カバーパネルを取り外した車両用サイドミラーを上から見た図である。
【
図6】
図2におけるVI-VI線に相当し、カバーパネルを取り付けた状態の断面図である。
【
図7】
図2におけるVII-VII線に相当し、カバーパネルを取り付けた状態の断面図である。
【
図8】
図2におけるVIII-VIII線に相当し、カバーパネルを取り付けた状態の断面図である。
【
図9】
図2におけるIX-IX線に相当し、カバーパネルを取り付けた状態の断面図である。
【
図10】電動格納ユニットのクラッチ機構が収容されている部分の縦断面図である。
【
図11】進退部材を後退させた状態の左右方向角度調整ユニットの断面図である。
【
図12】進退部材を進出せた状態の左右方向角度調整ユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0025】
図1は、本発明の実施形態に係る車両用サイドミラー1を車両後側から見た図である。車両用サイドミラー1は、例えば自動車の側部に配設されるドア(図示せず)の前端部に固定されて主に後方確認用として使用される、いわゆるドアミラーである。この実施形態では、車両の右側に設けられる車両用サイドミラー1について説明するが、図示しない左側に設けられる車両用サイドミラーは、右側のものと左右対称構造であることから説明を省略する。尚、この実施形態の説明では、車両前側を単に「前」といい、車両後側を単に「後」といい、車幅方向左側を単に「左」といい、車幅方向右側を単に「右」というものとする。
【0026】
図1に示すように、車両用サイドミラー1は、ミラーベース2と、ミラー3と、バイザー4と、電動格納ユニット5と、左右方向角度調整ユニット(第2角度調整ユニット)6と、上下方向角度調整ユニット(第1角度調整ユニット)7と、ブラケット8(
図4等に示す)と、フレーム9(
図2や
図3等に示す)とを備えている。ミラーベース2は、車両、即ちドアに対して回動不能に取り付けられ、例えばミラー3やバイザー4等を支持する部材である。
【0027】
ミラー3は、後方視認用の鏡面を有する部材である。図示しないが、ミラー3は、ミラー本体と、ミラーホルダとを有していてもよい。この場合、ミラーホルダはミラー3の一部を構成する部材である。例えば、ミラーホルダは、ミラー本体の前面が貼り付けられるミラー取付板部を有していてもよい。ミラー3はバイザー4に固定されている。
【0028】
図5~
図9に示すように、バイザー4は、カバーパネル40を有している。カバーパネル40は樹脂材で構成することができ、車両用サイドミラー1の意匠面を形成する部材である。カバーパネル40で覆われる空間に、電動格納ユニット5、左右方向角度調整ユニット6、上下方向角度調整ユニット7、ブラケット8及びフレーム9が収容されている。
【0029】
電動格納ユニット5は、バイザー4をミラーベース2に対して回動させることによって格納状態と使用状態とに切り替えるためのユニットである。電動格納ユニット5は、ミラーベース2に固定されて上方へ延びる支軸51と、該支軸51に対して回動可能に支持される格納ユニットケーシング(回動ケーシング)50と、該格納ユニットケーシング50に収容され、該格納ユニットケーシング50を支軸51の軸芯Aまわりに回動させる格納用電動モータ52(
図5に概略形状を示す)とを備えている。格納ユニットケーシング50に固定されている格納用電動モータ52の回転力が歯車機構(図示せず)によって支軸51に伝達され、これにより、格納ユニットケーシング50を支軸51の軸芯Aまわりに回動させることができる。この回転力の伝達構造は従来から周知のであるため、詳細な説明が省略する。格納用電動モータ52は、車室内に設けられたスイッチ(図示せず)の操作によって動作する点も従来から周知である。格納ユニットケーシング50を支軸51の軸芯Aまわりに回動させることによってバイザー4をミラーベース2に対して回動させることができる。尚、
図7では、格納ユニットケーシング50の内部に収容されている各部材を省略している。
【0030】
図10に示すように、格納ユニットケーシング50の内部には、バイザー4に対して外部から大きな力が作用した際にバイザー4の回動を許容するクラッチ機構53が設けられている。このクラッチ機構53の構造は従来から周知である。
【0031】
支軸51の基端部(下端部)は、ミラーベース2に対して回動不能となるように、締結部材等(図示せず)によって固定されている。支軸51の軸芯A(
図1及び
図10に示す)は上下方向に延びており、この軸芯Aは鉛直であってもよいし、鉛直線に対して傾斜していてもよい。軸芯Aは、格納ユニットケーシング50の回動中心である。支軸51とミラーベース2とを一体成形して1つの部材で構成してもよい。
【0032】
支軸51は、中空軸で構成することができる。支軸51の上側部分は、格納ユニットケーシング50に収容されている。すなわち、格納ユニットケーシング50は、支軸51の上側部分に配置され、当該支軸51に対して取り付けられている。格納ユニットケーシング50の支軸51への取付構造としては、例えば支軸51の上端部に嵌合させる止め輪(図示せず)等による取付構造や締結部材による取付構造を挙げることができる。このような取付構造を用いることにより、格納ユニットケーシング50から支軸51が抜けないように、かつ、格納ユニットケーシング50の支軸51に対する相対回動を阻害しないように格納ユニットケーシング50を取り付けることができる。
【0033】
ブラケット8は、左右方向に延びるとともに上下方向にも延びる樹脂製の板状部材で構成されている。
図9に示すように、ブラケット8の左端部8aには、前後方向に延びる複数のネジ孔8b、8bが互いに上下方向に間隔をあけて設けられている。各ネジ孔8bは、前に向けて開放されている。
【0034】
一方、格納ユニットケーシング50は、ブラケット8の左端部8aの前側に重なるように形成されている。格納ユニットケーシング50には、ブラケット8のネジ孔8b、8bと一致するネジ挿通孔50a、50aが形成されている。ネジ挿通孔50a、50aには、それぞれブラケット固定ネジ55が挿通され、ブラケット8のネジ孔8b、8bに螺合している。これにより、ブラケット8の左端部8aが格納ユニットケーシング50に固定され、ブラケット8は格納ユニットケーシング50と共に支軸51の軸芯Aまわりに回動可能になる。
【0035】
また、フレーム9は、左右方向に延びるとともに上下方向にも延びる樹脂製の板状部材で構成されている。
図6に示すように、フレーム9の下部には、前後方向に延びる下板部9aが一体成形されている。下板部9aの左端部近傍には、上下方向に貫通する円形の貫通孔9bが形成されている。この貫通孔9bに電動格納ユニット5の支軸51における円形断面を有する部分が挿通するようになっている。フレーム9は、支軸51が貫通孔9bに挿通した状態で、支軸51に対して軸芯Aまわりに回動可能に支持される。貫通孔9bの内径は、支軸51の外周面との間にがたつきが生じないように設定されている。フレーム9は、支軸51に対して上下方向や前後方向には移動することなく、軸芯Aまわりの回動だけが許容されている。
【0036】
フレーム9はバイザー4に取り付けられている。すなわち、フレーム9の下板部9aには、貫通孔9bから右側へ離れた部分に、左右方向に延びる左側軸部(傾動中心軸)9c及び右側軸部(傾動中心軸)9dが設けられている。左側軸部9cは
図9にも示している。
図6に示すように、左側軸部9cと右側軸部9dとは同芯上に位置付けられるとともに、互いに左右方向に間隔をあけて配置されている。左側軸部9c及び右側軸部9dは、フレーム9に一体成形されているが、別部材からなる左側軸部9c及び右側軸部9dをフレーム9に取り付けてもよい。
【0037】
一方、バイザー4の下側には、前方へ突出する左側支持部4a及び右側支持部4bが互いに左右方向に間隔をあけて設けられている。左側支持部4aの前端部には、円弧面状の左側凹面4c(
図9にも示す)が後方に窪むように形成されており、この左側凹面4cに左側軸部9cの後側が嵌まるようになっている。また、右側支持部4bの前端部には、円弧面状の右側凹面4dが後方に窪むように形成されており、この右側凹面4dに右側軸部9dの後側が嵌まるようになっている。
【0038】
また、左側支持部4aの前端部には、左側止め部材4eが締結部材によって固定されている。左側止め部材4eには、円弧面状の左側凹面4gが前方に窪むように形成されており、この左側凹面4gに左側軸部9cの前側が嵌まるようになっている。さらに、右側支持部4bの前端部には、右側止め部材4fが締結部材によって固定されている。右側止め部材4fには、円弧面状の右側凹面4hが前方に窪むように形成されており、この右側凹面4hに右側軸部9dの前側が嵌まるようになっている。
【0039】
フレーム9がバイザー4に取り付けられると、バイザー4はフレーム9に対して左側軸部9c及び右側軸部9dを傾動中心軸として上下方向に傾動可能になる。このとき、フレーム9は、支軸51の軸芯Aまわりの回動だけが許容されているので、バイザー4はミラーベース2を基準として左側軸部9c及び右側軸部9dまわりに傾動することになる。
【0040】
左右方向角度調整ユニット6と上下方向角度調整ユニット7とは同じ構造であるため、以下、左右方向角度調整ユニット6の詳細について説明する。
図7及び
図8では、左右方向角度調整ユニット6の内部構造を省略しており、実際には、
図11及び
図12に示すような内部構造を有している。
【0041】
左右方向角度調整ユニット6は、調整ユニットケーシング(第2調整ユニットケーシング)60と、小径進退部材61と、大径進退部材(第2進退部材)62と、調整用電動モータ(第2調整用電動モータ)63とを備えている。調整ユニットケーシング60は、例えば硬質樹脂材からなる複数の部材を組み合わせて構成することができる。
図8に示すように、調整ユニットケーシング60は、ブラケット8の右側、即ち電動格納ユニット5への締結箇所から右側に離れた部分に固定されている。具体的には、ブラケット8の右側には、前後方向に延びるネジ孔8cが形成されている。調整ユニットケーシング60には、ネジ孔8cに一致するネジ挿通孔60eが形成されている。ネジ挿通孔60eに挿通したネジ67をネジ孔8cに螺合させることによって調整ユニットケーシング60がブラケット8に締結固定される。
【0042】
図11に示すように、調整ユニットケーシング60の後壁部の内面には、外周面にネジ溝が形成されたネジ軸60aが設けられている。ネジ軸60aは調整ユニットケーシング60と一体化されており、調整ユニットケーシング60に対して相対的に回動不能かつ移動不能になっている。このネジ軸60aの延びる方向は前後方向とされている。ネジ軸60aは中空軸とすることができる。
【0043】
調整ユニットケーシング60の前壁部には、ネジ軸60aの先端面と対向する部分に貫通孔60bが形成されている。調整ユニットケーシング60の内部には、ネジ軸60aと略平行な支軸60cが設けられている。支軸60cには中間ギヤ60dが回転可能に支持されている。中間ギヤ60dは、ネジ軸60aと同様に前後方向に長く形成されている。
【0044】
調整用電動モータ63の出力軸にはウォームギヤ63aが固定されている。ウォームギヤ63aは、中間ギヤ60dに噛み合うように配置されている。調整用電動モータ63は、車室内に設けられたスイッチ(図示せず)によって動作する。
【0045】
小径進退部材61は、ネジ軸60aを囲む筒状をなし、前後方向に長く形成されている。小径進退部材61の後端部は開放されていて、この開放された部分からネジ軸60aを挿入することが可能になっている一方、前端部は閉塞されている。小径進退部材61の内周面には、ネジ軸60aのネジ溝に螺合する第1螺合部61aが該小径進退部材61の内方へ向けて突出するように形成されている。第1螺合部61aは、突出部や突起で構成することができ、周方向に連続して形成されていてもよいし、周方向に断続して形成されていてもよい。
【0046】
小径進退部材61の外周面には、ネジ溝61bが当該小径進退部材61の長手方向一端部近傍から他端部近傍に亘って形成されている。小径進退部材61の外周面の後端部には、調整用電動モータ63の回転力が中間ギヤ60dを介して伝達される従動ギヤ部61cが該小径進退部材61の径方向外方へ延出するように形成されている。従動ギヤ部61cは、小径進退部材61の周方向に連続しており、中間ギヤ60dに噛み合うように配置されている。従動ギヤ部61cは中間ギヤ60dに噛み合った状態を維持しながら、前後方向に相対的に移動可能になっている。
【0047】
大径進退部材62は、小径進退部材61を囲む筒状をなし、前後方向に長く形成されている。大径進退部材62の後端部は開放されていて、この開放された部分から小径進退部材61を挿入することが可能になっている一方、前端部は閉塞されている。大径進退部材62の内周面には、小径進退部材61のネジ溝61bに螺合する第2螺合部62aが該大径進退部材62の内方へ向けて突出するように形成されている。第2螺合部62aは、突出部や突起で構成することができ、周方向に連続して形成されていてもよいし、周方向に断続して形成されていてもよい。大径進退部材62は、調整ユニットケーシング60の貫通孔60bに挿通可能になっている。
【0048】
小径進退部材61及び大径進退部材62は円筒状とすることができる。小径進退部材61の軸芯と大径進退部材62の軸芯は、ネジ軸60aの軸芯上に配置される。
【0049】
大径進退部材62は、小径進退部材61に対する相対回動が阻止されている。図示しないが、例えば、大径進退部材62の外周面に軸方向に延びる溝を形成しておき、調整ユニットケーシング60の貫通孔60bの内周面に、前記溝に係合する突起を形成することで、大径進退部材62の回動を阻止しながら、軸方向への移動を許容することができる。
【0050】
したがって、調整用電動モータ63が回転するとウォームギヤ63aを介して中間ギヤ60dが回転し、中間ギヤ60dの回転力が小径進退部材61の従動ギヤ部61cに伝達され、これにより小径進退部材61が回転する。小径進退部材61が回転すると、第1螺合部61aがネジ軸60aのネジ溝に螺合しているので、進出方向である前方または後退方向である後方の一方に移動する。小径進退部材61の移動方向は調整用電動モータ63の回転方向によって変更できる。
【0051】
小径進退部材61が回転すると、大径進退部材62の第2螺合部62aが小径進退部材61のネジ溝61bに螺合しているので、進出方向である前方または後退方向である後方の一方に移動する。大径進退部材62の移動方向も調整用電動モータ63の回転方向によって変更できるが、小径進退部材61のネジ溝61bは、小径進退部材61が進出するときには大径進退部材62も進出し、小径進退部材61が後退するときには大径進退部材62も後退するように形成されている。
【0052】
つまり、小径進退部材61を回転させて小径進退部材61をネジ軸60aに対して進出させると、大径進退部材62を小径進退部材61に対して進出させることができるので、大径進退部材62の先端部の進出量は、小径進退部材61の進出量と大径進退部材62の進出量とを合わせた量になり、よってストローク量が多くなる。
【0053】
一方、進出方向と反対方向に小径進退部材61を回転させると、小径進退部材61が後退するとともに、大径進退部材62が小径進退部材61に対して後退していく。そして、ネジ軸60aが小径進退部材61に収容され、小径進退部材61が大径進退部材62に収容されることになるので、左右方向角度調整ユニット6のストローク方向(前後方向)の外寸が短くなる。
【0054】
大径進退部材62の前端部(先端部)には、球状部62cが前方へ突出するように設けられている。
図7及び
図8に示すように、球状部62cには、下側ジョイント部材64が連結されている。下側ジョイント部材64の後端部には、球状部62cの外周面を覆うように形成され、当該球状部62cが嵌合する下側嵌合部64aが設けられている。下側嵌合部64aが球状部62cに嵌合した状態で、球状部62cの外周面を摺動可能になっており、これにより、下側ジョイント部材64は、球状部62cまわりに任意の方向に回動させることができるとともに、回転させることも可能になる。つまり、下側ジョイント部材64は、例えば上下方向に延びる軸まわりや左右方向に延びる軸まわりのいずれにも回動可能に大径進退部材62に連結される。このような連結構造は、ボールジョイント構造である。ボールジョイント構造では、上述した回動や回転、傾動等を許容しながら、大径進退部材62の進退動作に連動させて下側ジョイント部材64も進退させることができる。
【0055】
下側ジョイント部材64の前端部には、下側凹部64bが設けられている。下側凹部64bは左側へ向けて開放されており、この左側の開放部分からフレーム9の縦軸部9eが挿入される。縦軸部9eは、フレーム9に一体成形されており、上下方向に延びる円柱状をなしている。フレーム9の縦軸部9eが下側凹部64bに挿入された状態で両者が係合し、これにより、大径進退部材62の先端部は、下側ジョイント部材64を介してフレーム9に取り付けられている。連結された状態で、下側ジョイント部材64は縦軸部9eまわりに回動可能である。また、大径進退部材62の進退方向の力は、下側ジョイント部材64を介してフレーム9に伝達される。縦軸部9eは、バイザー4の左右方向の傾動中心線(軸芯A)と平行である。
【0056】
図3に示すように、上下方向角度調整ユニット7も左右方向角度調整ユニット6と同様に、調整ユニットケーシング(第1調整ユニットケーシング)70と、小径進退部材(図示せず)と、大径進退部材(第1進退部材)72と、調整用電動モータ(第1調整用電動モータ)73(破線で示す)とを備えている。
【0057】
図2に示すように、調整ユニットケーシング70は、ネジ77によってバイザー4の上側に対して取り付けられている。この状態で、上下方向角度調整ユニット7は左右方向角度調整ユニット6の上方に位置付けられている。また、左側軸部9c及び右側軸部9dは、左右方向角度調整ユニット6の下方に位置付けられている。このような配置により、上下方向角度調整ユニット7と、左右方向角度調整ユニット6と、左側軸部9c及び右側軸部9dとを上下方向に並べて配置することができる。
【0058】
大径進退部材72には球状部72c(
図3に破線で示す)が設けられており、この球状部72cには、下側ジョイント部材64と同様に構成された上側ジョイント部材74が連結されている。上側ジョイント部材74の後端部には、球状部72cが嵌合する上側嵌合部74aが設けられている。上側ジョイント部材74は、例えば上下方向に延びる軸まわりや左右方向に延びる軸まわりのいずれにも回動可能に大径進退部材72に連結される。
【0059】
図4に示すように、上側ジョイント部材74の前端部には、上側凹部74bが設けられている。上側凹部74bは下側へ向けて開放されており、この下側の開放部分からフレーム9の横軸部9fが挿入される。横軸部9fは、フレーム9に一体成形されており、左右方向に延びる円柱状をなしている。フレーム9の横軸部9fが上側凹部74bに挿入された状態で両者が係合し、これにより、大径進退部材72の先端部は、上側ジョイント部材74を介してフレーム9に取り付けられている。連結された状態で、上側ジョイント部材74は横軸部9fまわりに回動可能である。また、大径進退部材72の進退方向の力は、上側ジョイント部材74を介してフレーム9に伝達される。横軸部9fは、バイザー4の上下方向の傾動中心軸である左側軸部9c及び右側軸部9dと平行である。
【0060】
(バイザーの格納動作)
使用状態にあるバイザー4を格納させる際には、車室内のスイッチを操作し、電動格納ユニット5の格納用電動モータ52を格納方向に作動させる。支軸51はミラーベース2に固定されているので、格納ユニットケーシング50が支軸51の軸芯Aまわりに回動する。このとき、格納ユニットケーシング50にはブラケット8が固定されているので、ブラケット8が軸芯Aまわりに回動する。また、このブラケット8に左右方向角度調整ユニット6が固定され、ブラケット8が下側ジョイント部材64を介してフレーム9と連結されており、フレーム9が上側ジョイント部材74を介して上下方向角度調整ユニット7と連結され、この上下方向角度調整ユニット7がバイザー4に取り付けられているので、ブラケット8の回動力がバイザー4まで伝達され、フレーム9、左右方向角度調整ユニット6、上下方向角度調整ユニット7及びバイザー4も軸芯Aまわりに回動する。なお、格納状態にあるバイザー4を使用状態にする際には、車室内のスイッチを操作し、電動格納ユニット5の格納用電動モータ52を逆方向に回転させればよい。
【0061】
(ミラーの角度調整)
まず、ミラー3の左右方向の角度調整を行う場合について説明する。車室内のスイッチを操作し、左右方向角度調整ユニット6の調整用電動モータ63を回転させて大径進退部材62を進出させていくと、下側ジョイント部材64も進出し、これにより、フレーム9を押す力が発生する。このとき、フレーム9は、支軸51に対して軸芯Aまわりに回動可能に取り付けられる一方、左右方向角度調整ユニット6の調整ユニットケーシング60は、電動格納ユニット5に固定されたブラケット8に取り付けられていてミラーベース2に対する回動が阻止されているので、大径進退部材62の進出によってフレーム9が軸芯Aまわりに回動していく。フレーム9は、左側軸部9c及び右側軸部9dを介してバイザー4に取り付けられているので、フレーム9の回動により、バイザー4及びミラー3が軸芯Aまわりに回動する。これにより、ミラー3の右側が後に向けて回動ないし傾動していく。調整用電動モータ63を逆方向に回転させれば、大径進退部材62が後退するので、ミラー3の右側が前に向けて回動していく。これにより、ミラー3の左右方向の角度調整が行える。
【0062】
次に、ミラー3の上下方向の角度調整を行う場合について説明する。車室内のスイッチを操作し、上下方向角度調整ユニット7の調整用電動モータ73を回転させて大径進退部材72を進出させていくと、上側ジョイント部材74も進出し、フレーム9の上側を押す力が発生する。このとき、フレーム9は軸芯Aまわりの回動のみが許容されている。そして、フレーム9の下側に設けられている左側軸部9c及び右側軸部9dがバイザー4に対して回動可能に取り付けられているので、大径進退部材72の進出によってバイザー4及びミラー3が左側軸部9c及び右側軸部9dまわりに傾動する。これにより、ミラー3の上側が後に向けて回動していく。調整ユニットケーシング70の調整用電動モータを逆方向に回転させれば、大径進退部材72が後退するので、ミラー3の上側が後に向けて回動していく。これにより、ミラー3の上下方向の角度調整が行える。
【0063】
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、この実施形態によれば、ミラー3をバイザー4に固定した状態にしておきながら、ミラー3の上下方向の角度調整及び左右方向の角度調整が可能になるので、従来のようにミラーの周縁部とバイザーとの間にミラーを傾動させるための隙間を設ける必要はなくなり、その結果、バイザー4を小型化することができる。また、上下方向角度調整ユニット7を支軸51上にレイアウトする必要はなく、上下方向角度調整ユニット7のレイアウト自由度が向上し、バイザー4の更なる小型化を実現できる。
【0064】
また、電動格納ユニット5の格納ユニットケーシング50を支軸51の軸芯まわりに回動させると、格納ユニットケーシング50に固定されたブラケット8が軸芯Aまわりに回動することになる。格納ユニットケーシング50の回動力によりミラー3及びバイザー4を支軸51の軸芯Aまわりに回動させて格納状態と使用状態とに切り替えることができる。
【0065】
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。例えば、左右方向角度調整ユニット6の調整ユニットケーシング60をフレーム9に取り付け、大径進退部材62の先端部をブラケット8に取り付けるようにしてもよい。また、上下方向角度調整ユニット7の調整ユニットケーシング70をフレーム9に取り付け、大径進退部材72の先端部をバイザー4に取り付けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上説明したように、本発明は、例えば自動車等の車両の側部に設けられる車両用サイドミラーに適用することができる。
【符号の説明】
【0067】
1 車両用サイドミラー
2 ミラーベース
3 ミラー
4 バイザー
5 電動格納ユニット
6 左右方向角度調整ユニット(第2角度調整ユニット)
7 上下方向角度調整ユニット(第1角度調整ユニット)
8 ブラケット
9 フレーム
9c 左側軸部(傾動中心軸)
9d 右側軸部(傾動中心軸)
50 格納ユニットケーシング(回動ケーシング)
51 支軸
60 調整ユニットケーシング(第2調整ユニットケーシング)
62 大径進退部材(第2進退部材)
63 調整用電動モータ(第2調整用電動モータ)
70 調整ユニットケーシング(第1調整ユニットケーシング)
72 大径進退部材(第1進退部材)
73 調整用電動モータ(第1調整用電動モータ)