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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065892
(43)【公開日】2022-04-28
(54)【発明の名称】ウェットシートディスペンサー
(51)【国際特許分類】
   A47K 7/00 20060101AFI20220421BHJP
   B65H 19/12 20060101ALI20220421BHJP
【FI】
A47K7/00 J
B65H19/12 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020174668
(22)【出願日】2020-10-16
(71)【出願人】
【識別番号】390006921
【氏名又は名称】ナカバヤシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100071010
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 行造
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】藤森 茂
【テーマコード(参考)】
3F064
【Fターム(参考)】
3F064AA01
3F064EB06
(57)【要約】
【課題】小型で簡便なウェットシートディスペンサーを提供する。
【解決手段】ロール紙からシートを送り出す送給ローラ20と、送給ローラとの間でシートを挟む押さえローラ30と、送り出されるシートに液体52を噴霧する噴霧ノズル40と、液体貯留部50と、液体貯留部と噴霧ノズルとを連通する液体流路60と、液体を噴霧ノズルから噴霧させるポンプ70と、送給ローラ、押さえローラおよび噴霧ノズルを内蔵するケーシング80と、押さえローラを回転可能に保持し、ケーシングを閉じた位置と開いた位置との間で回動するカバー90と、シートが送り出されたことを検知する紙検知センサ100と、シートが送り出されるとポンプを作動して液体を噴霧ノズルから噴霧させる制御部110とを備え、カバーは、開いた位置ではそれ以上に送り出されないようにシートの先端に当たるストッパ92を有する、ウェットシートディスペンサー1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定間隔でミシン目が入ったシートをロール状に巻き付けたロール紙を回転可能に保持するロール紙保持部と;
前記ロール紙から前記シートを取り出す方向にガイドするとともに前記シートを送り出す送給ローラと;
前記送給ローラとの間で前記シートを挟む押さえローラと;
送り出される前記シートに液体を噴霧する噴霧ノズルと;
前記液体を貯留する液体貯留部と;
前記液体貯留部と前記噴霧ノズルとを連通する液体流路と;
前記液体流路に配設され、前記液体貯留部に貯留される液体を前記噴霧ノズルから噴霧させるポンプと;
前記送給ローラ、前記押さえローラ、および、前記噴霧ノズルを内蔵可能なケーシングと;
前記ケーシングのカバーであって、前記押さえローラを回転可能に保持し、前記ケーシングを閉じた位置と開いた位置との間で回動可能なカバーと;
前記ロール紙から前記シートが送り出されたことを検知する紙検知センサと;
前記紙検知センサで前記シートが送り出されたことを検知すると前記ポンプを作動して前記液体を前記噴霧ノズルから噴霧させる制御部とを備え;
前記カバーは、前記開いた位置ではそれ以上に前記ロール紙から前記シートが送り出されないようにシートの先端に当たるストッパを有する、
ウェットシートディスペンサー。
【請求項2】
前記ストッパは、前記カバーが閉じた位置のときは、前記送給ローラと前記押さえローラとで挟まれつつ送り出されたシートを取り出しやすい位置にするガイドとして機能する;
請求項1に記載のウェットシートディスペンサー。
【請求項3】
前記紙検知センサは、前記ストッパの位置より下流側の前記シートを検知する;
請求項1または請求項2に記載のウェットシートディスペンサー。
【請求項4】
さらにスタートスイッチを備え;
前記送給ローラは、前記スタートスイッチが入ると、前記シートを送り出し、前記紙検知センサがシートを検知後所定の長さだけ前記シートを送り出し、送り出されたシートのミシン目が、前記送給ローラより下流側で、かつ、前記紙検知センサより上流側で止まるようにする;
請求項3に記載のウェットシートディスペンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットシートディスペンサーに関する。特に、ミシン目が入ったシートに液体を噴霧し、ユーザーがミシン目でカットして使用するウェットシートを供給するウェットシートディスペンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルスの世界的な拡散により、アルコールや次亜塩素酸ナトリウム水溶液、塩化ベンザルコニウム水溶液などの消毒液を用いた拭き取り清掃が頻繁に行われるようになってきた。そのため、消毒液等で湿らしたシート(以降、ウェットシートという)の需要が増えている。
【0003】
一般的には、ウェットシートをプラスチック製の容器やプラスチックフィルムの袋などに密閉し、液体の蒸発を防いでいる。容器や袋に密閉すると、それらのコストが嵩み、また、容器や袋の廃棄物が出ることから、ウェットシートを大量に消費する場合に適しているとは言えない。
【0004】
そこで、帯状のシート材の供給手段と、シートを所定の長さに切断する切断手段と、液体を貯留する水タンクと、貯留された液体を加圧し給水する給水ポンプと、切断されたシートに液体を散布する散水手段と、シートを巻き込んで巻きおしぼりを成形する成形手段と、を備え、給水ポンプから散水手段に給水する給水路には給水孔が形成され、給水孔には給水ポンプが作動していない場合は給水孔を閉塞し、作動している場合には給水孔を開口する給水弁を備える、巻きおしぼり製造装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4509180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された巻きおしぼり製造装置は、巻きおしぼりを1本ずつ製造する装置であり、そのためにシートを切断する切断装置やシートを巻き込む成形手段が必要である。巻きおしぼりは、製造装置の下寄りの受け皿兼用蓋からユーザーに提供され、その上流側に成形装置、散水装置が配置される。散水装置が水タンクより下方に位置しており、作動していないときに液体を散布しないようにするため、給水弁を備えている。その結果、装置が大型に、そして、複雑になってしまう。
【0007】
そこで、本発明は、小型で簡便な構造のウェットシートディスペンサーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係るウェットシートディスペンサー1は、例えば図1図4に示すように、所定間隔でミシン目16が入ったシート14をロール状に巻き付けたロール紙12を回転可能に保持するロール紙保持部10と、ロール紙12からシート14を取り出す方向にガイドするとともにシート14を送り出す送給ローラ20と、送給ローラ20との間でシート14を挟む押さえローラ30と、送り出されるシート14に液体52を噴霧する噴霧ノズル40と、液体52を貯留する液体貯留部50と、液体貯留部50と噴霧ノズル40とを連通する液体流路60と、液体流路60に配設され、液体貯留部50に貯留される液体52を噴霧ノズル40から噴霧させるポンプ70と、送給ローラ20、押さえローラ30、および、噴霧ノズル40を内蔵可能なケーシング80と、ケーシング80のカバー90であって、押さえローラ30を回転可能に保持し、ケーシング80を閉じた位置と開いた位置との間で回動可能なカバー90と、ロール紙12からシート14が送り出されたことを検知する紙検知センサ100と、紙検知センサ100でシート14が送り出されたことを検知するとポンプ70を作動して液体52を噴霧ノズル40から噴霧させる制御部110とを備え、カバー90は、開いた位置ではそれ以上にロール紙12からシート14が送り出されないようにシート14の先端に当たるストッパ92を有する。
【0009】
このように構成すると、シートが送り出されると噴霧ノズルからシートに液体が噴霧されるので、シートは液体で湿らされたウェットシートとなる。そして、シートにはミシン目が入っているので、ユーザーがウェットシートを切断しやすい。カバーを開いてロール紙をセットする際には、ストッパがシートをそれ以上に送り出されないようにシートの先端に当たるので、シートの先端は所定の位置に定まり、ロール紙をセットし易い。
【0010】
発明の第2の態様に係るウェットシートディスペンサー1では、例えば図3に示すように、ストッパ92は、カバー90が閉じた位置のときは、送給ローラ20と押さえローラ30とで挟まれつつ送り出されたシート14を取り出しやすい位置にするガイドとして機能する。このように構成すると、ストッパが、カバーを閉じてウェットシートディスペンサーからウェットシートを取り出すときにガイドとして機能するので、少ない部品で所望の性能を備えたウェットシートディスペンサーとなる。
【0011】
発明の第3の態様に係るウェットシートディスペンサー1では、例えば図3に示すように、紙検知センサ100は、ストッパ92の位置より下流側のシート14を検知する。このように構成すると、送給ローラでシートを送り出すときに紙検知センサはシートを検知し、シートが送り出されるときにのみシートに液体を噴霧することができる。
【0012】
発明の第4の態様に係るウェットシートディスペンサー1は、例えば図2および図3に示すように、さらにスタートスイッチ120を備え、送給ローラ20は、スタートスイッチ120が入ると、シート14を送り出し、紙検知センサ100がシート14を検知後所定の長さだけシート14を送り出し、送り出されたシート14のミシン目16が、送給ローラ20より下流側で、かつ、紙検知センサ100より上流側で止まるようにする。このように構成すると、スタートスイッチを入れることで切断されるべきウェットシートが送り出される。そのウェットシートを切断することでシートの先端は、送給ローラより下流側となり、すなわち、送給ローラと押さえローラとでシートを挟んでおり、次の送給ローラの作動でシートが送られる。さらに、シートの先端は、紙検知センサより上流側となり、噴霧ノズルから液体がシートに噴霧されなくなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザーがミシン目でカットして使用するウェットシートを供給するウェットシートディスペンサーであって、小型で簡便な構造のウェットシートディスペンサーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係るウェットシートディスペンサーの構成を説明する側面模式図である。
図2図1に示すウェットシートディスペンサーの作動開始状態を示す側面模式図である。
図3図1に示すウェットシートディスペンサーのユーザーがウェットシートを切断する直前の状態を示す側面模式図である。なお、図では制御部を省略する。
図4図1に示すウェットシートディスペンサーにおいて、ロール紙をセットする状態を示す側面模式図である。なお、図では制御部を省略する。
図5図1に示すウェットシートディスペンサーにおいて、液体貯留部の液体が少なくなった状態を示す側面模式図である。なお、図では制御部を省略する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、互いに同一または相当する装置には同一符号を付し、重複した説明は省略する。図1は、ウェットシートディスペンサー1の側面概念図であり、図2図5は、図1に示すウェットシートディスペンサー1の使用状態を示す側面概念図である。なお、図3図5では、見やすさのため、制御部を省略している。まず、ウェットシートディスペンサー1の構成について説明する。
【0016】
ウェットシートディスペンサー1は、所定間隔毎にミシン目16の入ったシート14をロール状に巻き付けたロール紙12を回転可能に保持するロール紙保持部10を有する。ロール紙12は、ミシン目で切断することにより、使用に適した大きさの1枚のシートとなる。ロール紙保持部10は、ロール紙12の中心の中空部に通す軸でもよく、あるいは、より回転を滑らかに、かつ、所定の抵抗を有するために軸の周囲に設けられた回転リングを有していてもよい。ロール紙保持部10は、位置を変えずに留まっていてもよい。あるいは、シート14の使用によりロール紙12の径が小さくなると、シート14の送り出される位置の高さが一定となるように、例えばスプリングで懸架することで、上下に移動するようにしてもよい。シート14の送り出される位置の高さが一定であると、シート14と、後述する噴霧ノズル40との間隔が一定に保たれ、シート14への液体の噴霧を均一に行いやすい。
【0017】
ロール紙12からシート14が略水平方向に送り出される位置に、送給ローラ20と押さえローラ30が配置される。ここで、略水平方向とは、厳密ではなく広い意味での水平方向であり、例えば水平から45°傾斜していてもよい。送給ローラ20は、シート14をロール紙12から送り出す方向に、例えばモータ(不図示)に駆動されて、回転する。押さえローラ30は、送給ローラ20との間にシート14を挟み、送給ローラ20の回転により、シート14が滑ることなく送られるように、シート14を押さえつつ従動回転する。送給ローラ20および押さえローラ30のシート14との接触面は、シート14との摩擦が大きくなるような材質で形成されるのが好ましい。
【0018】
図2に示すように、ロール紙保持部10と送給ローラ20との間のシート14に向けて液体52を噴霧する噴霧ノズル40が設置される。噴霧ノズル40は、送給ローラ20と押さえローラ30とで挟まれる位置の近くに液体52を噴霧するのが好ましい。液体52を噴霧されたシート14が、噴霧された液体52の力によりたわむのを抑えるためである。なお、送給ローラ20と押さえローラ30とにより送り出されるシート14に、ロール紙12との間にある程度のテンションを掛けたわみを抑えてもよい。ただし、抵抗が大きすぎると、送給ローラ20と押さえローラ30とにより送り出される際にシート14がミシン目で切れてしまうこともある。
【0019】
ウェットシートディスペンサー1は、噴霧ノズル40から噴霧される液体52を貯留する液体貯留部50を有する。液体貯留部50は、典型的には、液体52を貯留するタンクである。液体貯留部50の底部には、液体流路60が接続される。あるいは、液体貯留部50をボトルとしてもよい。ボトルとすると、液体52の補充がボトルを取り換えることで行える。
【0020】
噴霧ノズル40と液体貯留部50は、液体流路60で連通される。液体流路60は管路でもチューブでもよい。液体流路60に、液体貯留部50の液体52を噴霧ノズル40から噴霧させるためのポンプ70が配設される。ポンプ70は、例えばギアポンプであり、液体52を加圧すると共に所定量だけ送出することができる。液体流路60には、その最下位置に、液体貯留部50および液体流路60内の液体52を排出するためのドレイン64が設けられるのが好ましい。例えば、ウェットシートディスペンサー1の清掃、あるいは、液体52の変更の際に、すべての液体52を排出するためである。
【0021】
また、液体流路60には、逆止弁62が設置されるのが好ましい。図5に示すように、液体貯留部50の液体52が少なくなった場合に、液体流路60内の液体52が逆流して空気が入り、次回の噴霧において、噴霧するまでに余計に時間が掛かることがある。逆止弁62を液体流路60に設置することで、液体52の逆流を防止できる。また、逆止弁として、例えばスプリング式チェック弁を用いることで、例えば図1に示すように、液体貯留部50の液体52の液面が噴霧ノズル40より高い位置にある場合にも、噴霧ノズル40からの液体52の漏洩を防止できる。スプリング式チェック弁を用いる場合、液体52は所定の圧力以上にならないと噴霧されない。なお、スプリング式チェック弁の逆止弁62は、噴霧ノズル40の近傍に設置するのが、所定の圧力を低くできるので好ましい。
【0022】
送給ローラ20、押さえローラ30および噴霧ノズル40は、ケーシング80内に内蔵される。すなわち、ロール紙保持部10およびロール紙12、液体貯留部50、ポンプ70などは、ケーシング80内に収納されずに、ウェットシートディスペンサー1の一部として支持される。なお、ロール紙保持部10およびロール紙12、液体貯留部50、ポンプ70など全体をケーシング80内に内蔵してもよい。少なくとも送給ローラ20、押さえローラ30および噴霧ノズル40をケーシング80内に内蔵することにより、噴霧ノズル40から噴霧される液体52が拡散することなくケーシング80内に留まる。よって、液体52によりウェットシートディスペンサー1の周辺を汚すことも、周囲の環境に悪影響を及ぼすことも防止される。送給ローラ20からシート14が垂れ下がる位置で、ケーシング80は開口しており、この開口がシート14の排出口82となる。
【0023】
ケーシング80は、上部が開口しており、カバー90で開口が閉塞される。図4に示すように、カバー90は、ケーシング80の開口を開放する位置に回動する。押さえローラ30は、カバー90に回転可能に支持されており、カバー90を開くことにより、送給ローラ20から離れ、送給ローラ20と押さえローラ30の間のシート14を挟まなくなる。この場合、シート14を容易に動かすことができる。カバー90を閉じたときには、送給ローラ20と押さえローラ30でシート14を挟む。ケーシング80からスプリング蝶番でカバー90を閉じるようにすると、押さえローラ30が送給ローラ20を押し、所定の圧力でシート14を挟むことができるので、好ましい。カバー90は、送給ローラ20より、ロール紙保持部10と逆側でケーシング80に回動可能に支持される。よって、カバー90を開いた位置にすると、ケーシング80の上部開口はロール紙保持部10の上方とつながる。
【0024】
カバー90には、ストッパ92がケーシング80内に突出して設けられる。ストッパ92は、例えば1枚の平板でよい。カバー90を閉じた位置にすると、ストッパ92は、送給ローラ20から鉛直に垂れ下がるシート14の近くにその先端が位置し、垂れ下がるシート14がユーザーが取り出しやすい位置となるようにガイドとして機能する。図4に示すように、カバー90を開いた位置にすると、ストッパ92は、送給ローラ20から垂れ下がるシート14の先端に当たる位置となる。図4では、送給ローラ20から垂れ下がるシート14は斜めに垂れ下がるように示されるが、鉛直に垂れ下がっても、ストッパ92はシート14の先端に当たる。
【0025】
カバー90がケーシング80に支持される位置の下方に、紙検知センサ100が設置される。詳しくは、紙検知センサ100は、シート14がストッパ92にシート14の先端が当たる位置より下方のシート14を検知する位置に設置される。紙検知センサ100は、反射型等、公知のセンサでよい。
【0026】
ケーシング80の排出口82の近くにスタートスイッチ120が設けられる。スタートスイッチ120は、押しボタン、反射型センサ等、任意のスイッチでよい。
【0027】
ウェットシートディスペンサー1は、制御部110を備える。制御部110は、スタートスイッチ120が入ると、すなわち、押しボタンであれば押されると、反射型センサであれば手を感知すると、送給ローラ20を回転させ、ロール紙12からシート14を送り出し、排出口82からシート14を排出する。シート14を送り出す長さは、所定の長さであり、典型的には、ミシン目16間の長さLである。所定の長さのシート14を送り出すために、送給ローラ20の回転数あるいは回転角度を制御しても、送給ローラ20を回転する時間を制御しても、あるいは他の方法により制御してもよい。また、制御部110は、紙検知センサ100でシート14を検知すると、ポンプ70を起動して、噴霧ノズル40から液体52を噴霧させる。同時に液体52は液体貯留部50から液体流路60へ流出する。噴霧ノズル40から所定量の液体52を噴霧させても、所定時間に亘って液体52を噴霧させても、あるいは、紙検知センサ100でシート14を検知している間は液体52を噴霧してもよい。制御部110は、公知の制御装置でよく、また、その設置場所は任意である。
【0028】
続いて、ウェットシートディスペンサー1の作用について説明する。まず、消耗品であるロール紙12をウェットシートディスペンサー1のロール紙保持部10に取り付ける。。液体貯留部50に液体52を補充するそして、カバー90を開いた位置にして、ロール紙12からシート14を引き出し、シート14の先端をカバー90のストッパ92に当たる位置とし、カバー90を閉める。
【0029】
シート14の先端をカバー90のストッパ92に当たる位置とすることにより、ウェットシートディスペンサー1の使用開始時に紙検知センサ100でシート14が検知されることがない。すなわち、噴霧ノズル40から液体52が噴霧されることがない。また、ロール紙12の取り換え時に、常にシート14の先端が一定の位置となり、ミシン目16でシート14を切断することにより、切断されて先端となる位置が一体の位置に定まることになる。これで、ウェットシートディスペンサー1の準備が完了する。
【0030】
使用する際には、ユーザーはスタートスイッチ120を押す、ユーザーがスタートスイッチ120に近づく、あるいは、スタートスイッチ120に手をかざす、などにより、スタートスイッチ120を入れる。スタートスイッチ120が入ると、制御部110は送給ローラ20を回転させ、ロール紙12からシート14を送り出す。ロール紙12からシート14が送り出される方向で、ロール紙12側を上流側、送り出される側を下流側という。送り出されることによりシート14は、ケーシング80の排出口82から下方に垂れ下がる。所定長さ、すなわち、ミシン目間の距離Lだけシート14が送り出されると送給ローラ20の回転を止め、それ以上にシート14は送り出されない。
【0031】
一方、紙検知センサ100でシート14を検知すると、制御部はポンプ70を起動し、液体52を噴霧ノズル40から噴霧する。噴霧された液体52は、シート14を湿らせてウェットシートにする。すなわち、スタートスイッチ120を入れることにより、ミシン目16間の長さのウェットシート1枚分が排出口82から供給される。ユーザーが排出口82から垂れ下がったウェットシートを切断することで、1枚のウェットシートが得られる。残されたシート14の先端は、使用開始前にロール紙12をセットしたときのシート14の先端の位置、すなわち、紙検知センサ100でシート14が検知されない位置となる。すなわち、切断されたミシン目16の位置は、送給ローラ20より下流側で、紙検知センサ100で検知される位置より上流側となる。紙検知センサ100でシート14を検知したときにだけ液体52を噴霧するので、シート14がない状態で液体を噴霧することを防止できる。
【0032】
ウェットシートディスペンサー1によれば、ユーザーは、簡単に1枚のウェットシートを取り出すことができる。ウェットシートが必要なときににスタートスイッチ120を入れることで、液体52が直前に噴霧されたウェットシートが供給される。おしぼりのように巻かれてはいないので、シート14を平らに開く手間も必要ない。
【0033】
また、ウェットシートディスペンサー1では、噴霧ノズル40から液体を噴霧させないで、乾燥したシート14を供給するようにして用いることもできる。例えば、制御部110で紙検知センサ100がシート14を検知してもポンプ70を作動させないモード設定を出来るようにすれば、例えばウェットシートで拭き取り掃除をしたのちに、乾燥シートで乾拭きをするためのシートを提供することもできる。なお、ウェットシートディスペンサー1は、手指や身体用に用いるウェットシートを提供できることは、勿論である。
【0034】
また、ロール紙12にシート14がなくなったことを検知する第2の紙検知センサ(不図示)を備え、シート切れのアラームを発するようにしてもよい。第2の紙検知センサは、紙検知センサ100と同様のセンサがロール紙保持部10と送給ローラ20との間のシート14を検知するセンサでも、ロール紙12の厚みからシート切れを検知するセンサでもよく、他の公知のセンサであってもよい。あるいは、シート14を送るように送給ローラ20を回転しても、紙検知センサ100がシート14を検知しないときにシート切れのアラームを発してもよい。
【0035】
また、液体貯留部50に液体52がなくなったことを検知する液体検知センサ(不図示)を備え、液体切れのアラームを発するようにしてもよい。液体検知センサは、液体貯留部50の液面が所定の高さ以下になったことを検知するフロートスイッチでも、液面の位置から液体切れを検知するセンサでもよく、その他の公知のセンサであってもよい。
【0036】
本発明についてウェットシートディスペンサー1を実施の形態として説明したが、本発明の範囲は実施の形態に限定されることはなく、当業者にとって種々の改変が可能であることは明白である。
【符号の説明】
【0037】
1 ウェットシートディスペンサー
10 ロール紙保持部
12 ロール紙
14 シート
16 ミシン目
20 送給ローラ
30 押さえローラ
40 噴霧ノズル
50 液体貯留部
52 液体
60 液体流路
62 逆止弁
64 ドレイン
70 ポンプ
80 ケーシング
82 排出口
90 カバー
92 ストッパ
100 紙検知センサ
110 制御部
120 スタートスイッチ
L ミシン目間の長さ
図1
図2
図3
図4
図5