(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065927
(43)【公開日】2022-04-28
(54)【発明の名称】冷却ほ乳瓶及びそれに使用する製氷容器
(51)【国際特許分類】
A61J 9/00 20060101AFI20220421BHJP
【FI】
A61J9/00 L
A61J9/00 U
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020174748
(22)【出願日】2020-10-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-11
(71)【出願人】
【識別番号】719007453
【氏名又は名称】原澤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】原澤 和彦
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047PP07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ほ乳瓶本体に急冷の機能や構造を備えたほ乳瓶を提供する。
【解決手段】冷却ほ乳瓶本体1と、飲み口部5と、冷却筒2と、冷媒挿入口3と、冷却筒栓4を備え、冷却筒に冷媒を収納し、冷却ほ乳瓶本体に入れた高温の液体の温度をほ乳瓶本体の内側から下げる構造を特徴とするほ乳瓶で、専用の製氷容器本体は、冷媒として氷を使う場合に、水注入口と、エア抜き溝製造突起と、冷媒挿入口に契合した製氷容器栓9と、氷着スティック10と、空気穴と、空気栓を備え、エア抜き溝を持ったほ乳瓶本体冷却筒に契合する氷を製造出来るとともに、氷着スティックに氷着した氷を取り出す際に、製氷容器本体の底から空気を流入させ取り出しやすくしている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却ほ乳瓶本体(1)と、飲み口部(5)と、冷却筒栓(4)を備え、冷却ほ乳瓶本体(1)内部に凹部として形成される冷却筒(2)に、冷媒挿入口(3)から挿入した冷媒(15)を収納し、冷却筒栓(4)で密閉することによって、冷却ほ乳瓶本体(1)に入れた高温の液体の温度を冷却ほ乳瓶本体(1)の内側から下げる構造を特徴とする、冷却ほ乳瓶。
【請求項2】
氷容器本体(6)と、氷着スティック(10)を接続する冷媒挿入口(3)に契合した製氷容器栓(9)と、空気栓(12)を備え、水注入口(7)から注入した水から、冷却ほ乳瓶本体(1)の冷却筒(2)に契合した氷を製造できる構造を特徴とする、請求項1記載の冷却ほ乳瓶に使用する製氷容器。
【請求項3】
水注入口(7)から注入した水を、製氷容器本体(6)内で結氷させるとき、エア抜き溝製造突起(8)により製造したエア抜き溝(17)によって、冷却筒(2)内の空気を外に排出する形態を持った氷を製造できる構造を特徴とする、請求項2記載の冷却ほ乳瓶に使用する製氷容器。
【請求項4】
氷容器本体(6)の底にある、空気穴(11)の空気穴栓(12)を外し、外部の空気の流入させることを可能にすることによって、製氷容器(6)内の空気による負圧抵抗を減らし、製氷容器本体(6)内から製氷容器栓(9)に接続する氷着スティック(10)に氷結した氷(16)を取り出しやすくする構造を特徴とする、請求項2又は3記載の冷却ほ乳瓶に使用する製氷容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ほ乳瓶に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のほ乳瓶は、粉ミルクを高温の湯で溶いたとき、手間や時間を要した。自然冷却では時間がかかり、氷水のボール等での冷却には手間やスペース等を要した。その解決手段として、高温のほ乳瓶を外側から冷やす冷却容器や冷却装置は開発されているが、ほ乳瓶本体に冷却のための機能・構造・形態を備えたものは確認されていない。
【0003】
特許文献1は、氷などの冷媒を使って、ほ乳瓶本体を外側から冷却する容器であって、ほ乳瓶本体に冷却構造を備えるものではない。
【0004】
また、特許文献2は、ほ乳瓶本体を回転させることにより、ほ乳瓶本体を外側からの放熱を促す冷却装置であって、ほ乳瓶本体に冷却構造が備えるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-033636
【特許文献2】特開2014-135955
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のほ乳瓶は、持ちやすさや飲みやすさに比重が置かれたデザインはあるが、ほ乳瓶本体に高温のミルクを急冷する機能や構造を備えていなかった。
【0007】
このため、空腹時にミルクをせがむ乳児に対し、粉ミルクをお湯で溶き冷ますのにしばらく時間を要したため、待っている子供の泣き声が育児中のストレスにもなっていた。
【0008】
こうした課題を解決するために、ほ乳瓶本体に急冷の機能や構造を備えたほ乳瓶を、本発明で提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
冷却ほ乳瓶本体1と、飲み口部5と、冷却筒栓4を備え、冷却ほ乳瓶本体1内部に凹部として形成される冷却筒2に、冷媒挿入口3から挿入した冷媒15を収納し、冷却筒栓4で密閉することによって、冷却ほ乳瓶本体1に入れた高温の液体の温度を冷却ほ乳瓶本体1の内側から下げる構造を特徴とする、冷却ほ乳瓶である。
【0010】
製氷容器本体6と、氷着スティック10を接続する冷媒挿入口3に契合した製氷容器栓9と、空気栓12を備え、水注入口7から注入した水から、冷却ほ乳瓶本体1の冷却筒2に契合した氷を製造できる構造を特徴とする、冷却ほ乳瓶に使用する製氷容器である。
【0011】
水注入口7から注入した水を、製氷容器本体6内で結氷させるとき、エア抜き溝製造突起(8)により製造したエア抜き溝17によって、冷却筒2内の空気を外に排出する形態を持った氷を製造できる構造を特徴とする、冷却ほ乳瓶に使用する製氷容器である。
【0012】
氷容器本体6の底にある、空気穴11の空気穴栓12を外し、外部の空気の流入させることを可能にすることによって、製氷容器6内の空気による負圧抵抗を減らし、製氷容器本体6内から製氷容器栓9に接続する氷着スティック10に氷結した氷16を取り出しやすくする構造を特徴とする、冷却ほ乳瓶に使用する製氷容器である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の冷却ほ乳瓶は、育児中の家庭等への貢献度は極めて大きく、従来のほ乳瓶では解決が難しかった、高温の湯で溶いた粉ミルクの冷却時間の短縮・冷却時の手間の削減・ミルクをせがむ乳児の泣き声の低減により、育児中のストレス削減に大きな期待が持てる。また、飲み口部とほ乳瓶本体は、消毒液から取り出した状態のものを使え、その飲み口部やほ乳瓶本体内部に直接触れることなく、簡単に冷媒をほ乳瓶に挿入・密閉できるため、衛生面での安全・安心も確保できる。急ぎの時は、冷媒を挿入した本発明品を、従来の方法で外側からも冷やせば、さらなる冷却時間の短縮が図れる。更に、本発明品のほ乳瓶に使用する製氷容器は、それが備える冷却筒に挿入しやすく、高温のミルクの冷却効率を上げられる氷を製造出来る。また、本発明の冷却ほ乳瓶の構造を、ビールジョッキ等に転用すれば、注いだ液体の保冷・冷却が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】(a)本発明の冷却ほ乳瓶全体の斜視図である。(b)本発明の冷却ほ乳瓶本体を構成する部分(冷却ほ乳瓶本体・冷却筒栓・飲み口部)の斜視図である。(c)本発明の冷却ほ乳瓶本体の断面図である。(d)本発明の冷却ほ乳瓶本体と氷着スティックが接続した製氷器栓の関係を示した断面図である。
【
図2】(a)本発明の冷却ほ乳瓶に使用する製氷器の斜視図である。(b)本発明の冷却ほ乳瓶に使用する製氷器を構成する部分(製氷容器本体・氷着スティックを接続した製氷容器栓・空気穴栓)の斜視図である。(c)氷着した氷が抜け落ちないための構造を持った、板状の氷着スティックの形態例で、先端を碇状にしたものである。(d)エア抜き溝を持った氷を製氷するための突起の断面形状が四角形の場合の冷却ほ乳瓶に使用する製氷容器および氷の断面図である。(e)エア抜き溝を持った氷を製氷するための突起の断面形状が半円状の場合の冷却ほ乳瓶に使用する製氷容器および氷の断面図である。(f)エア抜き溝を持った氷を製氷するための突起の断面形状が三角形の場合の冷却ほ乳瓶に使用する製氷容器および氷の断面図である。(g)エア抜き溝を持った氷を製氷するための突起が2つある場合の、製氷容器および氷の断面図である。
【
図3】(a)冷却ほ乳瓶に使用する製氷容器栓に接続する氷着スティックに、水が氷結した時の氷着スティックを除いた氷の斜視図である。(b)冷却ほ乳瓶に使用する製氷容器栓に接続する氷着スティックに、水が氷結した時の状態を示した断面図である。(c)冷却ほ乳瓶本体底の冷媒挿入口に、製氷器栓に接続する氷着スティックに氷結した氷を挿入するときの関係を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1(a)(b)、
図2(a)(b)(c)(d)に示すように、冷却ほ乳瓶本体1の内側に冷媒15を収納する空間としての冷却筒2と、冷却ほ乳瓶本体1の底に冷媒挿入口3と、冷媒15を密閉するための冷却筒栓4と、飲み口部5を備えた形態をとる。尚、ここではほ乳瓶についてのみ記載したが、冷却ほ乳瓶本体1が備える形態は、ほ乳瓶に限定せず、冷却・保冷構造を持つビールジョッキ等への転用も可能である。
【0016】
図2(a)(b)、
図3(a)(b)に示すように、冷媒として氷を使う場合に使用する製氷容器本体6の内側は、本発明の冷却ほ乳瓶本体1の冷却筒2の形態に契合した氷を製氷できる、とともに冷却筒2に挿入時に、冷却筒2の空気の外に排出できるエア抜き溝17を持った氷を製造できる構造を備えた形態をとる。尚、ここでは冷媒として氷のみを記載したが、氷に限定するものではない。また、エア抜き溝製造突起8の形態および本数についても、限定するものではない。
【0017】
図2(c)に示すように、図の氷着スティック10の形態は、板状のものに氷着した氷16が抜け落ちないための先端が碇状に滑り止め加工したものであるが、全体を鋸状・エンボス状・穴空き状に加工してもよい。また、氷着スティック10の形態を棒状にした場合も、同じ滑り止め加工を施すことが可能である。
【0018】
図1(d)、
図3(c)に示すように、氷着スティック10に接続された製氷容器栓9は、接続する氷着スティック10に氷結した氷16をそのまま冷却ほ乳瓶本体1の冷却筒2に差し込み密閉することが出来る、却筒栓4として代替可能な形態を取る。
【0019】
図2(a)(b)に示すように、製氷容器6は、氷着スティック10に氷結した氷を取り出すときに必要な、空気穴11と、空気穴栓12を製氷容器本体6の底に備えた形態をとる。
【0020】
図1(a)、
図2(a)(b)に示すように、冷却ほ乳瓶本体1は、計量目盛り13と、サーモメーター14を備え、適温・適量のミルクをつくることが出来る。
【0021】
図1(a)(b)(c)(d)、
図3(c)に示すように、冷却ほ乳瓶本体1は、冷却筒栓4を抜くだけで冷却筒2内の冷媒15を排出できるため、ミルクを飲む時には冷媒15の質量の分だけ軽くなる形態をとる。
【符号の説明】
【0022】
1 冷却ほ乳瓶本体
2 冷却筒
3 冷媒挿入口
4 冷却筒栓
5 飲み口部
6 製氷容器本体
7 水注入口
8 エア抜き溝製造突起
9 製氷容器栓
10 氷着スティック
11 空気穴
12 空気穴栓
13 計量目盛り
14 サーモメーター
15 冷媒
16 氷着した氷
17 エア抜き溝
18 氷着スティックホール
19 氷の断面
【手続補正書】
【提出日】2021-06-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却ほ乳瓶本体(1)と、飲み口部(5)と、冷却筒栓(4)を備え、冷却ほ乳瓶本体(1)内部に凹部として形成される冷却筒(2)に、冷媒挿入口(3)から挿入した冷媒(15)を収納し、冷却筒栓(4)で密閉することによって、冷却ほ乳瓶本体(1)に入れた高温の液体の温度を、冷却ほ乳瓶本体(1)の内側から下げる構造からなる冷却ほ乳瓶に使用する製氷容器において、
製氷容器本体(6)と、氷着スティック(10)を接続する冷媒挿入口(3)に契合した製氷容器栓(9)と、空気栓(12)を備え、水注入口(7)から注入した水から、冷却ほ乳瓶本体(1)の冷却筒(2)に契合した氷を製造できる構造にあって、
水注入口(7)から注入した水を、製氷容器本体(6)内で結氷させるとき、エア抜き溝製造突起(8)により製造したエア抜き溝(17)によって、冷却筒(2)内の空気を外に排出する形態を持った氷を製造できる構造を特徴とする、製氷容器。
【請求項2】
製氷容器本体(6)の底にある、空気穴(11)の空気穴栓(12)を外し、外部の空気の流入させることを可能にすることによって、製氷容器本体(6)内の空気による負圧抵抗を減らし、製氷容器本体(6)内から製氷容器栓(9)に接続する氷着スティック(10)に氷結した氷(16)を取り出しやすくする構造を特徴とする、請求項1記載の製氷容器。