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  • 特開-物体等の収容構造物 図1
  • 特開-物体等の収容構造物 図2
  • 特開-物体等の収容構造物 図3
  • 特開-物体等の収容構造物 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065930
(43)【公開日】2022-04-28
(54)【発明の名称】物体等の収容構造物
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/12 20060101AFI20220421BHJP
   E04B 1/18 20060101ALI20220421BHJP
【FI】
E04H1/12 307
E04B1/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020174751
(22)【出願日】2020-10-16
(71)【出願人】
【識別番号】399049981
【氏名又は名称】株式会社オメガ
(72)【発明者】
【氏名】中村 信一
【テーマコード(参考)】
2E025
【Fターム(参考)】
2E025CA01
2E025CB05
2E025CC03
(57)【要約】
【課題】安価に建てることができる物体等の収容構造物を提供しようとするもの。
【解決手段】一対の支柱1と上方の屋根部2と側方の壁体3とを有し、主として前記一対の支柱1で屋根部2の荷重を支持すると共に、前記屋根部2と壁体3内の区域を物体等の収容空間とした。前記屋根部と壁体内の区域を物体等の収容空間としたので、屋根部と壁体とを支柱で支持して、その内部の区域を物体等の収容空間として利用することができシンプルな構造とすることが出来る。前記壁体3の内部に配管5を収納するようにしてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の支柱(1)と上方の屋根部(2)と側方の壁体(3)とを有し、主として前記一対の支柱(1)で屋根部(2)の荷重を支持すると共に、前記屋根部(2)と壁体(3)内の区域を物体等の収容空間としたことを特徴とする物体等の収容構造物。
【請求項2】
前記壁体(3)の内部に配管(5)を収納するようにした請求項1記載の物体等の収容構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、各種装置、各種商品などの物体等の工場、倉庫その他の収容構造物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリートブロックを用いて構築される構造躯体を備えた建築物の構築工法に関する提案があった(特許文献1)。
すなわち、コンクリートブロックを用いて構築される構造躯体を備えた建築物として、鉄筋コンクリート組積造(RM造)によるもの等が提案され、実用化されている。
ところで、鉄筋コンクリート組積造(RM造)は、いわゆるスケルトン・インフィル構造、すなわち、建築物のスケルトン(柱、梁、床等の構造躯体)とインフィル(住戸内の内装、設備等)とが分離された構造とすることで、スケルトン・インフィル構造が有する各種のメリットを備えるものである、というものである。
これに対し、安価に建てることができる物体等の収容構造物に関する要望があった。
【0003】
【特許文献1】特開2020-41261
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこでこの発明は、安価に建てることができる物体等の収容構造物を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するためこの発明では次のような技術的手段を講じている。
(1)この発明の物体等の収容構造物は、一対の支柱と上方の屋根部と側方の壁体とを有し、主として前記一対の支柱で屋根部の荷重を支持すると共に、前記屋根部と壁体内の区域を物体等の収容空間としたことを特徴とする。
このようにし、(少なくとも)一対の支柱と上方の屋根部と側方の壁体とを有するようにしたので、これらにより物体等の収容構造物を構成することが出来る。
【0006】
(少なくとも)一対の支柱の本数は一対(二本)を越えてもよく、その間に補助的に追加して三本以上としてもよい。すなわち、一対の支柱間の距離(スパン)が長い場合は、その間(例えば中間付近)に荷重を支持するもう一本(又はそれ以上)の支柱を配してもよい。
また、主として前記一対の支柱で屋根部の荷重を支持するようにしたので、鉄骨構造などの既存の技術・工法を採用することなく、物体等の収容構造物として機能させることが出来る。
さらに、前記屋根部と壁体内の区域を物体等の収容空間としたので、屋根部と壁体とを支柱で支持して、その内部の区域を物体等の収容空間として利用することができシンプルな構造とすることが出来る。
【0007】
ここで、前記構造物には、構築物や建築物などを含む。構造物として、工場、倉庫、体育館、屋内プール、展示会場、ホール、コンヴェンション・センター、空港などを例示することが出来る。
前記物体等として、各種装置、各種商品、収容ラック(棚)、また(随時)出入りする作業者、居住者、人員、動物、植物その他を例示することが出来る。
一対の支柱の相互間には、耐荷重ワイヤーを張り渡したり、トラス構造を配設したりすることが出来る。
支柱の下方の約三分の一は基礎の地面下に埋設し、上方の約三分の二は地上に現すことが出来る。
【0008】
(2)前記壁体の内部に配管を収納するようにしてもよい。
このように構成し、壁体の内部に配管を収納するようにすると、配管中に水を貯めたり流したりすることにより構造物を防火仕様とすることが出来る。
前記配管は、水平方向に配して端部を略U字状に曲げて方向転換していって配設することが出来る。そして、この配管には屋上で貯めた雨水、水道水、温水などを貯めたり流したりすることが出来る。
壁体の内部には配管の他に、断熱材、防音材、防火材などを収納することが出来る。これにより、屋内側の結露を防止・抑制したり、防暑・防寒仕様としたりすることが出来る。
【0009】
壁体タンクの構造として、雨水などを内部の配管中に集めて貯めたり、壁体のパネルとしてサンドイッチ構造にすることを例示することが出来る。
壁体パネルのサンドイッチ構造として、外側から鉄板(両端)、石膏ボード、ウレタン(やグラス・ウール)、配管、ウレタン(やグラス・ウール)、石膏ボード、鉄板(両端)、壁紙クロス(屋内側)と配置することを例示することが出来る。
【発明の効果】
【0010】
この発明は上述のような構成であり、次の効果を有する。
屋根部と壁体とを支柱で支持してその内部の区域を物体等の収容空間として利用することができシンプルな構造とすることができるので、安価に建てることができる物体等の収容構造物を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明の物体等の収容構造物の実施形態を説明する正面図。
図2】この発明の物体等の収容構造物の実施形態を説明する側面図。
図3】この発明の物体等の収容構造物の実施形態を説明する平面視した断面図。
図4】この発明の物体等の収容構造物の壁部の断面構造を説明する一部拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3に示すように、この実施形態の物体等の収容構造物は、一対の支柱1と上方の屋根部2と側方の壁体3とを有し、主として前記一対の支柱1で屋根部2の荷重を支持すると共に、前記屋根部2と壁体3内の区域を物体等の収容空間とした。
支柱1の本数は一対(二本)を越えて、その間に補助的に追加して三本とした。すなわち、一対の支柱間の距離(スパン)を32mと長くしたので、その間(中間の16m付近)に荷重を支持するもう一本の支柱10を配した。
前記構造物は、構築物たる倉庫とした。前記物体等は、測定器(装置)とこれを扱う測定者(人員)とした(図示せず)。
支柱1の下方の約三分の一は基礎の地面4の下に埋設し、上方の約三分の二は地上に現した。一対の支柱1の相互間にはトラス構造を配設した(図示せず)。
【0013】
図4に示すように、前記壁体3の内部にステンレス配管5を収納した。前記配管5は、水平方向に配して端部を略U字状に曲げて方向転換して配設した。そして、この配管5には屋上で貯めた雨水を収容した。
壁体3の内部には配管5の他に、断熱材(ウレタン)を収納した。これにより、屋内側の結露を防止・抑制し、防暑・防寒仕様とした。
壁体タンクの構造として、雨水などを内部の配管5中に集めて貯め、壁体3のパネルとしてサンドイッチ構造にした。これにより、壁内のデッド・スペースを有効利用するようにした。
壁体パネルのサンドイッチ構造として、外側から鉄板(両端)6、石膏ボード7(防火仕様となる)、ウレタン8/配管5/ウレタン8(防火・断熱仕様となる)、石膏ボード、鉄板(両端)、壁紙クロス(屋内側)(図示せず)の配置にした。
複数本とした配管5の端部は凹凸状として、外部からの風雨の浸入を防止するようにした。
【0014】
次に、この実施形態の物体等の収容構造物の使用状態を説明する。
この物体等の収容構造物は上記のようにし、一対の支柱1と上方の屋根部2と側方の壁体3とを有するようにしており、これらにより物体等の収容構造物を構成することが出来た。
また、主として前記一対の支柱1で屋根部2の荷重を支持するようにしており、鉄骨構造などの既存の技術・工法を採用することなく、物体等の収容構造物として機能させることが出来た。
【0015】
さらに、前記屋根部2と壁体3内の区域を物体等の収容空間としており、屋根部1と壁体3とを支柱1で支持して、その内部の区域を物体等の収容空間として利用することができシンプルな構造とすることができ、安価に建てることができることが分かった。
そして、前記壁体3の内部に配管5を収納するようにしており、配管5中に雨水を貯めることにより構造物を防火仕様とすることが出来た。
【産業上の利用可能性】
【0016】
安価に建てることができることによって、種々の物体等の収容構造物の用途に適用することが出来る。
【符号の説明】
【0017】
1 支柱
2 屋根部
3 壁体
5 配管
図1
図2
図3
図4