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特開2022-65939サーモスタット用ヒータ部材及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065939
(43)【公開日】2022-04-28
(54)【発明の名称】サーモスタット用ヒータ部材及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/68 20060101AFI20220421BHJP
【FI】
F16K31/68 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020174770
(22)【出願日】2020-10-16
(71)【出願人】
【識別番号】000228741
【氏名又は名称】日本サーモスタット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101878
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100187506
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 優子
(72)【発明者】
【氏名】熊代 毅
【テーマコード(参考)】
3H057
【Fターム(参考)】
3H057AA02
3H057BB36
3H057BB38
3H057CC06
3H057DD03
3H057EE03
3H057FC05
3H057FC07
3H057HH03
3H057HH20
(57)【要約】
【課題】製造時におけるヒータの破損を防止しつつ、リード線を短く形成し、前記ヒータとともにコネクタをインサート成型することのできるサーモスタット用ヒータ部材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】サーモスタット装置に設けられたピストンの中に配置される棒状のヒータ5と、前記ヒータから引き出されたリード9線と、前記リード線の一端が接続されたターミナルピン8と、前記ヒータの後端面と前記リード線と前記ターミナルピンとを内部に配置したコネクタ部6とを備え、前記ヒータの後端面は、前記コネクタ部内に形成された中空部に配置され、該コネクタ部を形成する樹脂と接していない。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーモスタット装置に具備されるヒータ部材であって、
前記サーモスタット装置に設けられたピストンの中に配置される棒状のヒータと、前記ヒータから引き出されたリード線と、前記リード線の一端が接続されたターミナルピンと、前記ヒータの後端面と前記リード線と前記ターミナルピンとを内部に配置したコネクタ部とを備え、
前記ヒータの後端面は、前記コネクタ部内に形成された中空部に配置され、該コネクタ部を形成する樹脂と接していないことを特徴とするサーモスタット用ヒータ部材。
【請求項2】
前記ヒータの径方向周面を樹脂により覆うとともに前記コネクタ部と一体に形成されたヒータ保護部を備えることを特徴とする請求項1に記載されたサーモスタット用ヒータ部材。
【請求項3】
前記リード線と前記ターミナルピンとは、電気的に接続されるよう接合されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたサーモスタット用ヒータ部材。
【請求項4】
前記リード線と前記ターミナルピンとは、加締めにより接続されていることを特徴とする請求項3に記載されたサーモスタット用ヒータ部材。
【請求項5】
サーモスタット装置に具備されるヒータ部材の製造方法であって、
ピストンの中に配置される棒状のヒータから引き出されたリード線とターミナルピンとを接続する工程と、
前記リード線を介して接続されたターミナルピンと前記ヒータの後端面とを内部に配置するようコネクタ部をインサート成型する工程とを備え、
前記インサート成型する工程において、
前記コネクタ部に、孔及びそれに連通する内部空間が形成される金型を用い、前記孔の形成部に前記ヒータの後端面を配置することを特徴とするサーモスタット用ヒータ部材の製造方法。
【請求項6】
前記インサート成型する工程において、
前記ヒータの径方向周面を樹脂により覆うとともに前記コネクタ部と一体に形成されたヒータ保護部を形成することを特徴とする請求項5に記載されたサーモスタット用ヒータ部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサーモスタット用ヒータ部材及びその製造方法に関し、製造時におけるヒータの破損を防止しつつ、前記ヒータとともにコネクタをインサート成型することのできるサーモスタット用ヒータ部材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車用エンジン等の冷却水系に配置され、水温可変制御を行うサーモスタット装置は、循環経路内を流れる冷却水の温度変化を感知して膨張、収縮するワックス(熱膨張体)を内蔵している。そして、サーモスタット装置は、ワックスの膨張、収縮に伴う体積変化により弁体の開閉を行って、冷却水を所定の温度に保持するように機能する。
【0003】
この種のサーモスタット装置において、熱膨張体の温度制御を行うヒータ手段を、ワックスを封入したケース内に設け、このヒータ手段の発熱によってワックスの体積変化を制御可能に構成したものがある。
【0004】
従来この種の電子制御式サーモスタット装置は、サーモエレメントによるピストン内部にヒータを挿入配置しており、該ヒータを発熱させることにより、サーモエレメント内の熱膨張体を加熱し、サーモエレメントを作動させてバルブを開閉させる構造となっている。
【0005】
また、この種の電子制御式サーモスタット装置において、ヒータからのリード線の引出し部は、装置ハウジングの外側から組み付けた樹脂製コネクタのコネクタ端子に対し半田付け等で接続されたのち、樹脂材にてモールドされていた。
【0006】
しかしながら、前記従来の構成にあっては、装置ハウジングに対し樹脂製コネクタのケーシングが回転方向に固定されていないため、リード線が捻れ、ショートする虞があるなどの課題があった。
また、樹脂材にてモールドする際に、樹脂材がヒータ後端面に接触すると、成型圧によりヒータを破損する虞があった。
【0007】
そのような課題に対し特許文献1には、図7に示すようにヒータ70を先端部分で挟持するとともに、ヒータから引き出される一対のリード線71,72を絶縁状態を保って挟持するように構成されている一対の絶縁ロッド片80と、これらの絶縁ロッド片80のヒータ挟持部分と反対側部分に組み付けられるとともに、装置ハウジングの外側に組付け固定されるコネクタ部材81とを備えるヒータ部材の構成が開示されている。
【0008】
コネクタ部材81は、各リード線71,72が接続される一対のリード端接続片85a,86aを内方端に設けたコネクタ端子85,86に有するともに、絶縁ロッド片80の前記ヒータ挟持部分と反対側部分に設けたねじり防止用の係合凸部87に係合する係合凹部88が設けられている。
【0009】
このようなヒータ部材によれば、ヒータ70及び一対のリード線71,72が一対の絶縁ロッド片80により挟持されるとともに、その外側に有底円筒形状を呈するピストン60が被冠して設けられているから、セラミックヒータの割れ、リード線の切断、曲がり(ねじり)等を生じる虞を軽減することができる。
【0010】
しかしながら、特許文献1に開示された構成にあっては、リード線71,72が長くなるため、ヒータ部材全体の長さが長くなり、サーモスタット装置の小型化に寄与できないという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2017‐133664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
また、リード線の長さや捻じれの問題を無くすためには、リード線を用いず、ターミナルとヒータとを直接的に接合する方法が考えられる。この場合、例えば、ターミナルをインサート成形してコネクタを作製し、セラミックヒータの端子部をターミナルにレーザ接合すればよい。
しかしながら、そのような構成にあっては、レーザ接合の工程管理が難しく、接合部の出来栄えもよくないという課題があった。また、接合時のスパッタバリがピストンと接触する恐れがあり、その場合、絶縁抵抗性が悪化し、歩留まり低下の原因となるという課題があった。
【0013】
本発明は、前記した点に着目してなされたものであり、製造時におけるヒータの破損を防止しつつ、リード線を短く形成し、前記ヒータとともにコネクタをインサート成型することのできるサーモスタット用ヒータ部材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記した課題を解決するために、本発明に係るサーモスタット用ヒータ部材は、サーモスタット装置に具備されるヒータ部材であって、前記サーモスタット装置に設けられたピストンの中に配置される棒状のヒータと、前記ヒータから引き出されたリード線と、前記リード線の一端が接続されたターミナルピンと、前記ヒータの後端面と前記リード線と前記ターミナルピンとを内部に配置したコネクタ部とを備え、前記ヒータの後端面は、前記コネクタ部内に形成された中空部に配置され、該コネクタ部を形成する樹脂と接していないことに特徴を有する。
尚、前記ヒータの径方向周面を樹脂により覆うとともに前記コネクタ部と一体に形成されたヒータ保護部を備えることが望ましい。
また、前記リード線と前記ターミナルピンとは、電気的に接続されるよう接合されていることが望ましい。例えば、前記リード線と前記ターミナルピンとは、加締めにより接続されることが望ましい。
【0015】
このように構成されたサーモスタット用ヒータ部材によれば、ヒータとコネクタ部とのインサート成形時においてヒータの後端面が中空部に配置され、樹脂と接触しないため、樹脂の成型圧(射出圧、金型圧)からヒータを保護し、ヒータの破損発生を防止することができる。また、ヒータの径方向周面はヒータ保護部によって覆うため、保温性能を向上させることができる。また、リード線の長さを短くすることができるため、ヒータ部材の全長を短く抑えることができ、製品の小型化に寄与することができる。また、ターミナルピン、リード線、コネクタ、及びヒータをインサート成型することができるため、製造時間を短縮し、コストを低減することができる。また、寸法成型のばらつきを抑え、歩留りをよくすることができる。また、コネクタ部材内にリード線が配置されるため、リード線の捻れを防止することができる。
また、ターミナルピンとリード線との接続を加締めにより行った場合には、レーザ接合よりも設備コストを安価にすることができ、また、レーザ接合時のスパッタバリの発生の問題を回避することができる。
【0016】
また、前記した課題を解決するために、本発明に係るサーモスタット用ヒータ部材の製造方法は、サーモスタット装置に具備されるヒータ部材の製造方法であって、ピストンの中に配置される棒状のヒータから引き出されたリード線とターミナルピンとを接続する工程と、前記リード線を介して接続されたターミナルピンと前記ヒータの後端面とを内部に配置するようコネクタ部をインサート成型する工程とを備え、前記インサート成型する工程において、前記コネクタ部に、孔及びそれに連通する内部空間が形成される金型を用い、前記孔の形成部に前記ヒータの後端面を配置することに特徴を有する。
尚、前記インサート成型する工程において、前記ヒータの径方向周面を樹脂により覆うとともに前記コネクタ部と一体に形成されたヒータ保護部を形成することが望ましい。
【0017】
このような方法によれば、ヒータとコネクタ部とのインサート成形時においてヒータの後端面が中空部に配置され、樹脂と接触しないため、樹脂の成型圧(射出圧、金型圧)からヒータを保護し、ヒータの破損発生を防止することができる。また、ヒータの径方向周面はヒータ保護部によって覆うため、保温性能を向上させることができる。また、リード線の長さを短くすることができるため、ヒータ部材の全長を短く抑えることができ、製品の小型化に寄与することができる。また、ターミナルピン、リード線、コネクタ、及びヒータをインサート成型することができるため、製造時間を短縮し、コストを低減することができる。また、寸法成型のばらつきを抑え、歩留りをよくすることができる。また、コネクタ部材内にリード線が配置されるため、リード線の捻れを防止することができる。
また、ターミナルピンとリード線との接続を加締めにより行った場合には、レーザ接合よりも設備コストを安価にすることができ、また、レーザ接合時のスパッタバリの発生の問題を回避することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、製造時におけるヒータの破損を防止しつつ、リード線を短く形成し、前記ヒータとともにコネクタをインサート成型することのできるサーモスタット用ヒータ部材及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明に係るサーモスタット用ヒータ部材(第一の実施の形態)を装着したサーモスタット装置の断面図である。
図2図2は、ヒータ部材1の斜視図である。
図3図3(a)は、ヒータ部材の正面図、図3(b)はヒータ部材の側面図(一部断面図)である。
図4図4(a)、(b)は、前記ターミナルピン8とヒータ5の端子部5aとの接続構成を説明するための側面図である。
図5図5は、本発明に係るサーモスタット用ヒータ部材(第二の実施の形態)を装着したサーモスタット装置の断面図である。
図6図6(a)は、ヒータ部材1の正面図、図6(b)は、ヒータ部材1の側面図(一部断面図)である。
図7図7は、従来のヒータ部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第一の実施の形態)
以下、本発明に係るサーモスタット用ヒータ部材の第一の実施の形態を図面に基づき説明する。図1は、本発明に係るサーモスタット用ヒータ部材を装着したサーモスタット装置の断面図である。
図1に示す電子制御式サーモスタット装置10は、例えばエンジンの冷却水系に設けられ、ラジエータ側の冷却水路と、エンジン出口部側からのバイパス通路との交差部等に付設され、これらの通路によって構成される第1、第2の流体流路での冷却水の流れを選択的に切り換えることにより、エンジン入口部に至る冷却水温度を制御する。
【0021】
前記サーモスタット装置10は、装置ハウジング11内に垂下して設けられるほぼ有底筒状を呈するピストン18と、その外側に軸線方向に摺動自在に嵌装して設けられるサーモエレメント17とを備える。サーモエレメント17の軸線方向上段部分には、装置ハウジング11内に形成された流体通路を開閉制御するメイン弁体15が設けられている。
【0022】
ここで、前記サーモエレメント17内には、ワックス等の熱膨張体が封入され、前記ピストン18の先端が熱膨張体内に臨んで配置され、該ピストン18内に設けたヒータ5で温度制御可能に構成されている。
【0023】
また、この電子制御式サーモスタット装置10では、前記メイン弁体15を付勢するばね16やばね受け16aが設けられるとともに、バイパスバルブとなる第2の弁体やバイパスばね等も付設されているが、これらの構成は周知の通りであり、ここでの具体的な図示や説明は省略する。
【0024】
なお、図中の符号12はラジエータからの冷却水の流入口、符号13はバイパス回路側の流入口、符号13aはメイン弁体15の下流側への前記バイパス回路側の流入口からの流入部、符号14はエンジンの入口部に至る通路用開口である。また、符号6は前記ピストン18内に設けたヒータ5を外部接続するためのコネクタ部である。
【0025】
本発明に係るヒータ部材は、前記ヒータ5と前記コネクタ部6とを含む部材であり、以下、符号1で示す。
図2は、ヒータ部材1の斜視図であり、図3(a)はヒータ部材1の正面図、図3(b)はヒータ部材1の側面図(一部断面図)である。
ヒータ部材1は、セラミックからなる平棒状の前記ヒータ5と、樹脂成形された前記コネクタ部6とを備える。
【0026】
図3(b)に示すようにコネクタ部6内には、一対のターミナルピン8が固定配置されている。このターミナルピン8は、リード線9を介してヒータ5の端子部5aと電気的に接続されている。
図4(a)、(b)は、前記ターミナルピン8とヒータ5の端子部5aとの接続構成を説明するための側面図である。
図4(a)に示すようにターミナルピン8の後端部にはカシメ部3が設けられ、ヒータ5の端子部5aから引き出されたリード線9の端部が配置される。そして、リード線9の端部は図4(b)に示すようにカシメ部3において加締めされ、ターミナルピン8に対しリード線9が電気的に接続されて接合される。
【0027】
また、ヒータ5の後端面5bはコネクタ部6内に配置されているが、この後端面5bはコネクタ部6を形成する樹脂と接触しないようにコネクタ部6内の中空部に配置されている。図2の斜視図に示すように、ヒータ5が延出されるフランジ部6aの略中央には、コネクタ部6内の中空部に連通する孔6bが形成されており、この孔6bはヒータ部5と接触しない径の大きさに形成されている。即ち、ヒータ5の後端面5bはコネクタ部6内の中空部に、樹脂に接触しない状態に配置されている。
【0028】
このように構成することにより、コネクタ部6のインサート成型時において、成型樹脂とヒータ5の後端面5bとが接触しないようにし、成型圧によるヒータ5の破損発生を防止することができる。
【0029】
このようなヒータ部材1を製造するには、先ず、図4(a)(b)に示したようにターミナルピン8とヒータ5から引き出されたリード線9とを加締めにより接続する。
次いで、コネクタ部6を樹脂により形成するため、前記リード線9を介して接続されたヒータ5とターミナルピン8とを図示しない金型に配置し、インサート成形する。このとき、コネクタ部6に前記孔6b及びそれに連通する中空部が形成されるように金型が形成されており、前記孔6bの形成部にヒータ5の後端面5bが配置されるため、成型樹脂とヒータ5の後端面5bとが接触せず、ヒータ5への樹脂の成型圧の影響を回避することができる。
【0030】
このように構成されたサーモスタット用ヒータ部材1によれば、ヒータ5とコネクタ部6とのインサート成形時においてヒータ5の後端面5bが中空部に配置され、樹脂と接触しないため、樹脂の成型圧(射出圧、金型圧)からヒータ5を保護し、ヒータ5の破損発生を防止することができる。
また、リード線9の長さを短くすることができるため、ヒータ部材1の全長を短く抑えることができ、製品の小型化に寄与することができる。また、ターミナルピン8、リード線9、コネクタ6、及びヒータ5をインサート成型することができるため、製造時間を短縮し、コストを低減することができる。また、寸法成型のばらつきを抑え、歩留りをよくすることができる。また、コネクタ部材6内にリード線9が配置されるため、リード線9の捻れを防止することができる。
また、ターミナルピン8とリード線9との接続を加締めにより行った場合には、レーザ接合よりも設備コストを安価にすることができ、また、レーザ接合時のスパッタバリの発生の問題を回避することができる。
【0031】
尚、前記実施の形態においては、ターミナルピン8とリード線9との接合を加締めにより行ったが、本発明にあっては、その形態に限定されるものではなく、レーザ接合や半田付けによりターミナルピン8とリード線9とを接合するようにしてもよい。
【0032】
(第二の実施の形態)
続いて、本発明に係るサーモスタット用ヒータ部材の第二の実施の形態を図面に基づき説明する。
図5は、本発明に係るサーモスタット用ヒータ部材(第二の実施の形態)を装着したサーモスタット装置の断面図である。また、図6(a)はヒータ部材1の正面図、図6(b)はヒータ部材1の側面図(一部断面図)である。尚、この第二の実施の形態の説明においては、上述の第一の実施の形態と同じ部材については同じ符号で示し、その詳細な説明を省略する。
【0033】
この第二の実施の形態にあっては、図5図6(a)(b)に示すように長尺のヒータ5の中途から後端側(コネクタ部6側)までヒータ5の径方向周面を覆うようにヒータ保護部7が設けられていることが前記第一の実施の形態と異なる。
【0034】
前記ヒータ保護部7は、コネクタ部6に一体形成される。即ち、コネクト部6のインサート成形において、ヒータ5の径方向周面を覆うようにヒータ保護部7を樹脂形成する。尚、このヒータ保護部7の形成時にあっては、射出圧による衝撃は金型で受けるため、直接的にヒータ5に掛からず圧が弱まる。また、保圧は、径方向(横方向)から加わるが、平面の両側で受けるため、相殺され弱まる。
このように本発明の第二の実施の形態においては、ヒータ5の径方向周面はヒータ保護部7によって覆われるため、保温性能を向上させることができる。
【符号の説明】
【0035】
1 サーモスタット用ヒータ部材
5 ヒータ
6 コネクタ部
6b 孔
7 ヒータ保護部
8 ターミナルピン
9 リード線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7