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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065995
(43)【公開日】2022-04-28
(54)【発明の名称】温度制御システム
(51)【国際特許分類】
   G05D 23/19 20060101AFI20220421BHJP
【FI】
G05D23/19 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020174862
(22)【出願日】2020-10-16
(71)【出願人】
【識別番号】590000835
【氏名又は名称】株式会社KELK
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三村 和弘
(72)【発明者】
【氏名】小林 敦
(72)【発明者】
【氏名】大久保 英明
【テーマコード(参考)】
5H323
【Fターム(参考)】
5H323AA01
5H323BB04
5H323CA06
5H323CB23
5H323CB25
5H323CB35
5H323CB44
5H323DA01
5H323DA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】循環流路を流通する流体の温度を短時間で設定温度に調整する温度制御システムを提供する。
【解決手段】温度制御システム1Aは、温調対象100を含み、温調対象100の温度を調整する循環流体Fcが流通する循環流路3と、循環流路3に配置され、温調対象100に供給される循環流体Fcの温度を調整する温調器5と、第1供給流路8を介して循環流路3に接続され、第1温度の第1流体を送出する第1温調ユニット6と、第2供給流路9を介して循環流路3に接続され、第1温度よりも高い第2温度の第2流体を送出する第2温調ユニット7と、第1供給流路8に配置される第1弁10と、第2供給流路9に配置される第2弁11と、を備える。第2弁11は、電磁弁であり、温調対象100の設定温度が第1設定温度から第1設定温度よりも高い第2設定温度に変更されたときに、第2供給流路9を開放した後、第2供給流路9を閉鎖する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温調対象を含み、前記温調対象の温度を調整する循環流体が流通する循環流路と、
前記循環流路に配置され、前記温調対象に供給される前記循環流体の温度を調整する温調器と、
第1供給流路を介して前記循環流路に接続され、第1温度の第1流体を送出する第1温調ユニットと、
第2供給流路を介して前記循環流路に接続され、前記第1温度よりも高い第2温度の第2流体を送出する第2温調ユニットと、
前記第1供給流路に配置される第1弁と、
前記第2供給流路に配置される第2弁と、を備え、
前記第2弁は、電磁弁であり、前記温調対象の設定温度が第1設定温度から前記第1設定温度よりも高い第2設定温度に変更されたときに、前記第2供給流路を開放した後、前記第2供給流路を閉鎖する、
温度制御システム。
【請求項2】
前記第2弁は、前記第2供給流路を開放した後、前記循環流体の検出温度と前記第2設定温度との差が規定値以下になったときに、又は前記設定温度が前記第2設定温度に変更されてから規定時間が経過したときに、前記第2供給流路を閉鎖する、
請求項1に記載の温度制御システム。
【請求項3】
前記温調器は、熱電モジュールを含み、前記第2弁が前記第2供給流路を閉鎖したときに、前記温調対象に供給される前記循環流体の温度が前記第2設定温度になるように、前記循環流体の温度を調整する、
請求項1又は請求項2に記載の温度制御システム。
【請求項4】
前記第1弁は、比例制御弁であり、前記第2弁が前記第2供給流路を閉鎖したときに、前記温調対象に供給される前記循環流体の温度が前記第2設定温度になるように、前記循環流路に供給される前記第1流体の流量を調整する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の温度制御システム。
【請求項5】
前記第1弁は、三方弁であり、
前記第1弁と前記第1温調ユニットとを接続する第1リターン流路を備え、
前記第1弁は、前記第1温調ユニットから前記第1供給流路に送出された前記第1流体の少なくとも一部が前記第1リターン流路を介して前記第1温調ユニットに戻されるように作動可能である、
請求項4に記載の温度制御システム。
【請求項6】
前記第2弁と前記第2温調ユニットとの間の前記第2供給流路と前記第2温調ユニットとを接続する第2リターン流路と、
前記第2リターン流路に配置される第3弁と、を備え、
前記第3弁は、電磁弁であり、前記第2弁が前記第2供給流路を開放したときに、前記第2リターン流路を閉鎖し、前記第2弁が前記第2供給流路を閉鎖したときに、前記第2温調ユニットから前記第2供給流路に送出された前記第2流体が前記第2リターン流路を介して前記第2温調ユニットに戻されるように、前記第2リターン流路を開放する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の温度制御システム。
【請求項7】
前記循環流路に配置される第4弁を備え、
前記第4弁は、電磁弁であり、前記第2弁が前記第2供給流路を開放したときに、前記循環流路を閉鎖し、前記第2弁が前記第2供給流路を閉鎖したときに、前記循環流路を開放する、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の温度制御システム。
【請求項8】
前記循環流路は、前記循環流体と前記第1流体及び前記第2流体の少なくとも一方とが混合されるタンクを含み、
前記第1供給流路及び前記第2供給流路のそれぞれは、前記タンクに接続され、
前記第4弁は、前記温調対象の流出口と前記タンクの流入口との間の前記循環流路に配置される、
請求項7に記載の温度制御システム。
【請求項9】
前記循環流路と前記第1温調ユニットとを接続する第1オーバーフロー流路と、
前記循環流路と前記第2温調ユニットとを接続する第2オーバーフロー流路と、
前記第1オーバーフロー流路に配置される第5弁と、
前記第2オーバーフロー流路に配置される第6弁と、を備え、
前記第5弁は、電磁弁であり、前記第2弁が前記第2供給流路を開放したときに、前記第1オーバーフロー流路を閉鎖し、前記第2弁が前記第2供給流路を閉鎖したときに、前記第1オーバーフロー流路を開放し、
前記第6弁は、電磁弁であり、前記第2弁が前記第2供給流路を開放したときに、前記第2オーバーフロー流路を開放し、前記第2弁が前記第2供給流路を閉鎖したときに、前記第2オーバーフロー流路を閉鎖する、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の温度制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、温度制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような温度制御システムが使用される。特許文献1において、温度制御システムは、温調対象を含む循環流路と、循環流路の外部に配置される温調ユニットとを備える。温調ユニットから循環流路に流体が供給されることにより、循環流路を流通する流体の温度が調整される。循環流路と温調ユニットとを接続する流路に弁が配置される。弁が制御されることにより、温調ユニットから循環流路に流体が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/145082号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
弁の応答速度が低いと、循環流路を流通する流体の温度が設定温度に調整されるまでに長時間を要する可能性がある。
【0005】
本開示は、循環流路を流通する流体の温度を短時間で設定温度に調整することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、温調対象を含み、前記温調対象の温度を調整する循環流体が流通する循環流路と、前記循環流路に配置され、前記温調対象に供給される前記循環流体の温度を調整する温調器と、第1供給流路を介して前記循環流路に接続され、第1温度の第1流体を送出する第1温調ユニットと、第2供給流路を介して前記循環流路に接続され、前記第1温度よりも高い第2温度の第2流体を送出する第2温調ユニットと、前記第1供給流路に配置される第1弁と、前記第2供給流路に配置される第2弁と、を備え、前記第2弁は、電磁弁であり、前記温調対象の設定温度が第1設定温度から前記第1設定温度よりも高い第2設定温度に変更されたときに、前記第2供給流路を開放した後、前記第2供給流路を閉鎖する、温度制御システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、循環流路を流通する流体の温度が短時間で設定温度に調整される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る温度制御システムを示す構成図である。
図2図2は、実施形態に係る温度制御システムを示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る温調器の一例を模式的に示す図である。
図4図4は、実施形態に係る温調部の一部を拡大した断面図である。
図5図5は、実施形態に係る温度制御方法を示すフローチャートである。
図6図6は、実施形態に係る定常状態に設定された第1弁、第2弁、第3弁、第4弁、第5弁、第6弁、及び第9弁を説明するための図である。
図7図7は、実施形態に係る変更状態に設定された第1弁、第2弁、第3弁、第4弁、第5弁、第6弁、及び第9弁を説明するための図である。
図8図8は、実施形態に係る第1弁、第2弁、第3弁、第4弁、第5弁、第6弁、及び第9弁のそれぞれが変更状態に設定されたときの温度制御システムを示す図である。
図9図9は、実施形態に係る温度制御方法を示すタイミングチャートである。
図10図10は、実施形態に係る第2弁として電磁弁を使用した場合及び三方弁を使用した場合のそれぞれにおける循環流体の検出温度を示す図である。
図11図11は、実施形態に係る温度制御システムを示す構成図である。
図12図12は、実施形態に係る温度制御システムを示す構成図である。
図13図13は、実施形態に係る温度制御システムを示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[温度制御システム]
図1は、実施形態に係る温度制御システム1Aを示す構成図である。図2は、実施形態に係る温度制御システム1Aを示すブロック図である。図1及び図2に示すように、温度制御システム1Aは、温調対象100を含む循環流路3と、循環流路3に配置される循環ポンプ4と、循環流路3に配置される温調器5と、循環流路3の外部に配置される第1温調ユニット6と、循環流路3の外部に配置される第2温調ユニット7と、循環流路3と第1温調ユニット6とを接続する第1供給流路8と、循環流路3と第2温調ユニット7とを接続する第2供給流路9と、第1供給流路8に配置される第1弁10と、第2供給流路9に配置される第2弁11とを備える。
【0011】
また、温度制御システム1Aは、第1弁10と第1温調ユニット6とを接続する第1リターン流路12と、第2供給流路9と第2温調ユニット7とを接続する第2リターン流路13と、第2リターン流路13に配置される第3弁14と、循環流路3に配置される第4弁15と、循環流路3に接続されるオーバーフロー流路16と、オーバーフロー流路16と第1温調ユニット6とを接続する第1オーバーフロー流路17と、オーバーフロー流路16と第2温調ユニット7とを接続する第2オーバーフロー流路18と、循環流路3から分岐するバイパス流路19と、第1オーバーフロー流路17に配置される第5弁20と、第2オーバーフロー流路18に配置される第6弁21と、第1オーバーフロー流路17に配置される第7弁22と、第2オーバーフロー流路18に配置される第8弁23と、バイパス流路19に配置される第9弁24とを備える。
【0012】
また、温度制御システム1Aは、循環流路3を流通する循環流体Fcの流量Rを検出する流量センサ25と、温調器5に流入する循環流体Fcの温度Taを検出する温度センサ26と、温調対象100に流入する循環流体Fcの温度Tbを検出する温度センサ27と、温調対象100の温度Tcを検出する温度センサ28と、温調対象100から流出した循環流体Fcの温度Tdを検出する温度センサ29と、温度制御システム1Aを制御する制御装置30とを備える。
【0013】
温調対象100として、半導体製造装置の少なくとも一部が例示される。実施形態において、温調対象100は、プラズマ処理装置のウエハホルダである。ウエハホルダは、プラズマ処理装置においてプラズマ処理される半導体ウエハを保持する。ウエハホルダは、例えばアルミニウム製である。ウエハホルダは、半導体ウエハを静電吸着力で保持する静電チャックを有する。静電チャックは、直流電圧が印加されることによりクーロン力で半導体ウエハを吸着保持する。ウエハホルダの温度が制御されることにより、ウエハホルダに保持されている半導体ウエハの温度が調整される。
【0014】
温度制御システム1Aは、温調対象100に循環流体Fcを供給することにより、温調対象100の温度を制御する。実施形態において、循環流体Fcは、液体である。なお、循環流体Fcは、気体でもよい。
【0015】
循環流路3は、タンク2と、タンク2から温調対象100に供給される循環流体Fcが流通する供給部3Aと、温調対象100からタンク2に戻される循環流体Fcが流通するリターン部3Bとを含む。温調対象100の温度を調整する循環流体Fcは、循環流路3を循環する。タンク2は、循環流体Fcを収容する。供給部3A及びリターン部3Bのそれぞれは、管路である。タンク2は、循環流路3における循環流体Fcのバッファとして機能する。供給部3Aは、タンク2の流出口2oと温調対象100の流入口100iとを接続する。リターン部3Bは、温調対象100の流出口100oとタンク2の流入口2iとを接続する。
【0016】
循環ポンプ4は、循環流体Fcが循環流路3を循環するように駆動する。循環ポンプ4は、供給部3Aに配置される。循環ポンプ4は、制御装置30に制御される。循環ポンプ4が駆動することにより、タンク2の流出口2oから流出した循環流体Fcは、供給部3Aを流通した後、温調対象100の流入口100iを介して温調対象100に供給される。温調対象100を流通した循環流体Fcは、温調対象100の流出口100oから流出し、リターン部3Bを流通した後、タンク2の流入口2iを介してタンク2に流入する。
【0017】
温調器5は、タンク2から温調対象100に供給される循環流体Fcの温度を調整する。温調器5は、循環ポンプ4と温調対象100との間の供給部3Aに配置される。温調器5は、制御装置30に制御される。
【0018】
図3は、実施形態に係る温調器5の一例を模式的に示す図である。図3に示すように、温調器5は、温調流路42を有する本体部材40と、本体部材40に接続される温調部50と、温調部50に接続される熱交換板44と、温調部50を駆動する駆動回路45とを有する。実施形態において、温調器5は、熱電モジュール60を含む。
【0019】
温調流路42は、本体部材40の内部に設けられる。タンク2からの循環流体Fcは、入口41を介して温調流路42に流入する。温調流路42を流通した循環流体Fcは、出口43を介して温調流路42から流出する。温調流路42から流出した循環流体Fcは、温調対象100に供給される。
【0020】
温調部50は、本体部材40を介して、温調流路42を流通する循環流体Fcの温度を調整する。温調部50は、熱電モジュール60を含む。温調部50は、熱電モジュール60を用いて、循環流体Fcの温度を調整する。
【0021】
熱電モジュール60は、吸熱又は発熱して、温調流路42を流通する循環流体Fcの温度を調整する。熱電モジュール60は、電力の供給により吸熱又は発熱する。熱電モジュール60は、ペルチェ効果により、吸熱又は発熱する。
【0022】
熱交換板44は、温調部50と熱交換する。熱交換板44は、温調用媒体が流通する内部流路(不図示)を有する。温調用媒体は、媒体温度制御装置(不図示)により温度調整された後、熱交換板44の内部流路に流入する。温調用媒体は、内部流路を流通して、熱交換板44から熱を奪ったり、熱交換板44に熱を与えたりする。温調用媒体は、内部流路から流出し、流体温度制御装置に戻される。
【0023】
図4は、実施形態に係る温調部50の一部を拡大した断面図である。図4に示すように、温調部50は、複数の熱電モジュール60と、複数の熱電モジュール60を収容するケース51とを有する。ケース51の一端面と本体部材40とが接続される。ケース51の他端面と熱交換板44とが接続される。
【0024】
熱電モジュール60は、第1電極61と、第2電極62と、熱電半導体素子63とを有する。熱電半導体素子63は、p型熱電半導体素子63Pと、n型熱電半導体素子63Nとを含む。第1電極61は、p型熱電半導体素子63P及びn型熱電半導体素子63Nのそれぞれに接続される。第2電極62は、p型熱電半導体素子63P及びn型熱電半導体素子63Nのそれぞれに接続される。第1電極61は、本体部材40に隣接する。第2電極62は、熱交換板44に隣接する。p型熱電半導体素子63Pの一方の端面及びn型熱電半導体素子63Nの一方の端面のそれぞれは、第1電極61に接続される。p型熱電半導体素子63Pの他方の端面及びn型熱電半導体素子63Nの他方の端面のそれぞれは、第2電極62に接続される。
【0025】
熱電モジュール60は、ペルチェ効果により、吸熱又は発熱する。駆動回路45は、熱電モジュール60を吸熱又は発熱させるための電力を熱電モジュール60に供給する。駆動回路45は、第1電極61と第2電極62との間に電位差を与える。第1電極61と第2電極62との間に電位差が与えられると、熱電半導体素子63において電荷が移動する。電荷の移動により、熱電半導体素子63において熱が移動する。これにより、熱電モジュール60は、吸熱又は発熱する。例えば、第1電極61が発熱し、第2電極62が吸熱するように、第1電極61と第2電極62との間に電位差が与えられると、温調流路42を流通する循環流体Fcは加熱される。第1電極61が吸熱し、第2電極62が発熱するように、第1電極61と第2電極62との間に電位差が与えられると、温調流路42を流通する循環流体Fcは冷却される。
【0026】
駆動回路45は、熱電モジュール60に電力(電位差)を与える。駆動回路45は、制御装置30に制御される。熱電モジュール60に与えられる電力が調整されることにより、熱電モジュール60による吸熱量又は発熱量が調整される。熱電モジュール60による吸熱量又は発熱量が調整されることにより、温調流路42を流通する循環流体Fcの温度が調整される。
【0027】
第1温調ユニット6は、第1温度T1の第1流体F1を送出する。第1温調ユニット6は、第1供給流路8を介して循環流路3に接続される。実施形態において、第1供給流路8は、タンク2に接続される。第1温調ユニット6は、第1供給流路8を介してタンク2に接続される。第1温調ユニット6は、第1流体F1を第1供給流路8に送出する。
【0028】
第1温調ユニット6は、制御装置30に制御される。第1温調ユニット6は、第1タンクと、第1温調器と、第1流体F1を送出させる第1ポンプとを含む。第1温調器は、熱交換器を含む。第1温調器は、第1流体F1の温度を第1温度T1に調整する。第1温度T1に調整された第1流体F1は、第1タンクに貯蔵される。一例として、第1温度T1は、5℃である。
【0029】
第2温調ユニット7は、第1温度T1よりも高い第2温度T2の第2流体F2を送出する。第2温調ユニット7は、第2供給流路9を介して循環流路3に接続される。実施形態において、実施形態において、第2供給流路9は、タンク2に接続される。第2温調ユニット7は、第2供給流路9を介してタンク2に接続される。第2温調ユニット7は、第2流体F2を第2供給流路9に送出する。
【0030】
第2温調ユニット7は、制御装置30に制御される。第2温調ユニット7は、第2タンクと、第2温調器と、第2流体F2を送出させる第2ポンプとを含む。第2温調器は、熱交換器を含む。第2温調器は、第2流体F2の温度を第2温度T2に調整する。第2温度T2に調整された第2流体F2は、第2タンクに貯蔵される。一例として、第2温度T2は、85℃である。
【0031】
第1供給流路8は、第1温調ユニット6とタンク2とを接続する。第1温調ユニット6から送出された第1流体F1は、第1供給流路8を流通した後、タンク2に供給される。
【0032】
第2供給流路9は、第2温調ユニット7とタンク2とを接続する。第2温調ユニット7から送出された第2流体F2は、第2供給流路9を流通した後、タンク2に供給される。
【0033】
第1弁10は、第1供給流路8に配置される。第1弁10は、三方弁である。第1弁10は、比例制御弁である。第1弁10は、制御装置30に制御される。第1弁10は、第1温調ユニット6から循環流路3に供給される第1流体F1の流量を調整することができる。
【0034】
第2弁11は、第2供給流路9に配置される。第2弁11は、電磁弁である。第2弁は、開閉弁(オンオフ弁)である。第2弁11は、制御装置30に制御される。第2弁11は、第2供給流路9を閉鎖及び開放することができる。第2供給流路9が閉鎖されると、第2温調ユニット7からタンク2に第2流体F2が供給されない。第2供給流路9が開放されると、第2温調ユニット7からタンク2に第2流体F2が供給される。
【0035】
第1リターン流路12は、第1弁10と第1温調ユニット6とを接続する。第1弁10は、第1温調ユニット6から第1供給流路8に送出された第1流体F1の少なくとも一部が第1リターン流路12を介して第1温調ユニット6に戻されるように作動可能である。
【0036】
図1に示すように、第1弁10が第1供給流路8を第1開度で開放し第1リターン流路12を第2開度で開放したときに、第1温調ユニット6から第1供給流路8に送出された第1流体F1の一部は、第1弁10及び第1供給流路8を介してタンク2に供給される。第1温調ユニット6から第1供給流路8に送出された第1流体F1の一部は、第1弁10及び第1リターン流路12を介して第1温調ユニット6に戻される。第1温調ユニット6から第1供給流路8に送出された第1流体F1の一部は、第1温調ユニット6、第1供給流路8、第1弁10、及び第1リターン流路12を含む循環流路において循環する。
【0037】
第1弁10が第1リターン流路12を閉鎖し第1供給流路8を開放したときに、第1温調ユニット6から第1供給流路8に送出された第1流体F1の全部が、第1弁10及び第1供給流路8を介してタンク2に供給される。
【0038】
第1弁10が第1供給流路8を閉鎖し第1リターン流路12を開放したときに、第1温調ユニット6から第1供給流路8に送出された第1流体F1の全部が、第1弁10及び第1リターン流路12を介して第1温調ユニット6に戻される。第1温調ユニット6から第1供給流路8に送出された第1流体F1は、第1温調ユニット6、第1供給流路8の一部、第1弁10、及び第1リターン流路12を含む循環流路において循環する。
【0039】
第2リターン流路13は、第2弁11と第2温調ユニット7との間の第2供給流路9と、第2温調ユニット7とを接続する。
【0040】
第3弁14は、第2リターン流路13に配置される。第3弁14は、電磁弁である。第3弁14は、開閉弁(オンオフ弁)である。第3弁14は、制御装置30に制御される。第3弁14は、第2リターン流路13を閉鎖及び開放することができる。第2リターン流路13が閉鎖されると、第2温調ユニット7から送出された第2流体F2は、第2温調ユニット7に戻されない。
【0041】
第3弁14は、第2弁11が第2供給流路9を開放したときに、第2リターン流路13を閉鎖する。第3弁14は、第2弁11が第2供給流路9を閉鎖したときに、第2温調ユニット7から第2供給流路9に送出された第2流体F2が第2リターン流路13を介して第2温調ユニット7に戻されるように、第2リターン流路13を開放する。
【0042】
図1に示すように、第2弁11が第2供給流路9を閉鎖し第3弁14が第2リターン流路13を開放したときに、第2温調ユニット7から第2供給流路9に送出された第2流体F2の全部が、第3弁14及び第2リターン流路13を介して第2温調ユニット7に戻される。第2温調ユニット7から第2供給流路9に送出された第2流体F2は、第2温調ユニット7、第2供給流路9、第3弁14、及び第2リターン流路13を含む循環流路において循環する。
【0043】
第3弁14が第2リターン流路13を閉鎖し第2弁11が第2供給流路9を開放したときに、第2温調ユニット7から第2供給流路9に送出された第2流体F2の全部が、第2弁11及び第2供給流路9を介してタンク2に供給される。
【0044】
第2温調ユニット7からタンク2に第2流体F2が供給されるとき、第1温調ユニット6からタンク2に第1流体F1が供給されない。すなわち、第2弁11が第2供給流路9を開放するときに、第1弁10が第1供給流路8を閉鎖する。
【0045】
第1温調ユニット6からタンク2に第1流体F1が供給されるとき、第2温調ユニット7からタンク2に第2流体F2が供給されない。すなわち、第1弁10が第1供給流路8を開放するときに、第2弁11は第2供給流路9を閉鎖する。
【0046】
循環流体Fcとタンク2に供給された第1流体F1及び第2流体F2の少なくとも一方とは、タンク2において混合される。第1温調ユニット6からタンク2に第1流体F1が供給されることにより、循環流体Fcと第1流体F1とがタンク2において混合される。第2温調ユニット7からタンク2に第2流体F2が供給されることにより、循環流体Fcと第2流体F2とがタンク2において混合される。
【0047】
第4弁15は、循環流路3に配置される。実施形態において、第4弁15は、温調対象100の流出口100oとタンク2の流入口2iとの間の循環流路3のリターン部3Bに配置される。第4弁15は、電磁弁である。第4弁15は、開閉弁(オンオフ弁)である。第4弁15は、制御装置30に制御される。第4弁15は、循環流路3のリターン部3Bを閉鎖及び開放することができる。リターン部3Bが閉鎖されると、温調対象100から送出された循環流体Fcは、タンク2に戻されない。リターン部3Bが開放されると、温調対象100からから送出された循環流体Fcは、タンク2に戻される。
【0048】
第4弁15は、第2弁11が第2供給流路9を開放したときに、循環流路3を閉鎖する。第4弁15は、第2弁11が第2供給流路9を閉鎖したときに、循環流路3を開放する。すなわち、第2温調ユニット7からタンク2に第2流体F2が供給されるとき、温調対象100からタンク2に循環流体Fcが戻されない。第2温調ユニット7からタンク2に第2流体F2が供給されないとき、温調対象100からタンク2に循環流体Fcが戻される。
【0049】
オーバーフロー流路16は、タンク2に接続される。オーバーフロー流路16は、循環流路3から分岐するようにタンク2に接続される。
【0050】
第1オーバーフロー流路17は、循環流路3と第1温調ユニット6とを接続する。実施形態において、第1オーバーフロー流路17の一端部は、オーバーフロー流路16に接続され、オーバーフロー流路16を介してタンク2に接続される。第1オーバーフロー流路17の他端部は、第1リターン流路12に接続され、第1リターン流路12を介して第1温調ユニット6に接続される。
【0051】
第2オーバーフロー流路18は、循環流路3と第2温調ユニット7とを接続する。実施形態において、第2オーバーフロー流路18の一端部は、オーバーフロー流路16に接続され、オーバーフロー流路16を介してタンク2に接続される。第2オーバーフロー流路18の他端部は、第2リターン流路13に接続され、第2リターン流路13を介して第2温調ユニット7に接続される。
【0052】
バイパス流路19は、循環流路3のリターン部3Bと第1オーバーフロー流路17及び第2オーバーフロー流路18のそれぞれとを接続する。
【0053】
第5弁20は、第1オーバーフロー流路17に配置される。第5弁20は、電磁弁である。第5弁20は、開閉弁(オンオフ弁)である。第5弁20は、制御装置30に制御される。第5弁20は、第1オーバーフロー流路17を閉鎖及び開放することができる。第1オーバーフロー流路17が閉鎖されると、タンク2から第1温調ユニット6に循環流体Fcが供給されない。第1オーバーフロー流路17が開放されると、タンク2から第1温調ユニット6に循環流体Fcが供給される。
【0054】
第5弁20は、第2弁11が第2供給流路9を開放したときに、第1オーバーフロー流路17を閉鎖し、第2弁11が第2供給流路9を閉鎖したときに、第1オーバーフロー流路17を開放する。すなわち、第2温調ユニット7からタンク2に第2流体F2が供給されるとき、タンク2から第1温調ユニット6に循環流体Fcが供給されない。第2温調ユニット7からタンク2に第2流体F2が供給されないとき、タンク2から第1温調ユニット6に循環流体Fcが供給される。
【0055】
第6弁21は、第2オーバーフロー流路18に配置される。第6弁21は、電磁弁である。第6弁21は、開閉弁(オンオフ弁)である。第6弁21は、制御装置30に制御される。第6弁21は、第2オーバーフロー流路18を閉鎖及び開放することができる。第2オーバーフロー流路18が閉鎖されると、タンク2から第2温調ユニット7に循環流体Fcが供給されない。第2オーバーフロー流路18が開放されると、タンク2から第2温調ユニット7に循環流体Fcが供給される。
【0056】
第6弁21は、第2弁11が第2供給流路9を開放したときに、第2オーバーフロー流路18を開放し、第2弁11が第2供給流路9を閉鎖したときに、第2オーバーフロー流路18を閉鎖する。すなわち、第2温調ユニット7からタンク2に第2流体F2が供給されるとき、タンク2から第2温調ユニット7に循環流体Fcが供給される。第2温調ユニット7からタンク2に第2流体F2が供給されないとき、タンク2から第2温調ユニット7に循環流体Fcが供給されない。
【0057】
第7弁22は、第1オーバーフロー流路17において、第5弁20と第1リターン流路12との間に配置される。第7弁22は、第1温調ユニット6から第1オーバーフロー流路17を介してタンク2に第1流体F1が供給されることを抑制する逆止弁である。
【0058】
第8弁23は、第2オーバーフロー流路18において、第6弁21と第2リターン流路13との間に配置される。第8弁23は、第2温調ユニット7から第2オーバーフロー流路18を介してタンク2に第2流体F2が供給されることを抑制する逆止弁である。
【0059】
第9弁24は、バイパス流路19に配置される。第9弁24は、電磁弁である。第9弁24は、開閉弁(オンオフ弁)である。第9弁24は、制御装置30に制御される。第9弁24は、バイパス流路19を閉鎖及び開放することができる。バイパス流路19が閉鎖されると、リターン部3Bから第1オーバーフロー流路17及び第2オーバーフロー流路18のそれぞれに循環流体Fcが供給されない。バイパス流路19が開放されると、リターン部3Bから第1オーバーフロー流路17及び第2オーバーフロー流路18のそれぞれに循環流体Fcが供給される。バイパス流路19が開放された状態で第1オーバーフロー流路17が開放されることにより、リターン部3Bから第1温調ユニット6に循環流体Fcが供給される。バイパス流路19が開放された状態で第2オーバーフロー流路18が開放されることにより、リターン部3Bから第2温調ユニット7に循環流体Fcが供給される。
【0060】
第9弁24は、第2弁11が第2供給流路9を開放したときに、バイパス流路19を開放し、第2弁11が第2供給流路9を閉鎖したときに、バイパス流路19を閉鎖する。
【0061】
流量センサ25は、循環ポンプ4と温調器5との間の供給部3Aに配置される。流量センサ25は、タンク2から流出し、温調器5に流入する前の循環流体Fcの流量Rを検出する。
【0062】
温度センサ26は、循環ポンプ4と温調器5との間の供給部3Aに配置される。温度センサ26は、タンク2から流出し、温調器5に流入する前の循環流体Fcの温度Taを検出する。
【0063】
温度センサ27は、温調器5と温調対象100との間の供給部3Aに配置される。温度センサ27は、温調器5で温度を調整され、温調対象100に流入する前の循環流体Fcの温度Tbを検出する。
【0064】
温度センサ28は、温調対象100に配置される。温度センサ28は、温調対象100の温度Tcを検出する。なお、温度センサ28は、温調対象100を流通する循環流体Fcの温度を検出してもよい。
【0065】
温度センサ29は、温調対象100と第4弁15との間のリターン部3Bに配置される。温度センサ29は、温調対象100から流出し、タンク2に流入する前の循環流体Fcの温度Tdを検出する。
【0066】
制御装置30は、コンピュータシステムを含む。制御装置30は、プロセッサと、メインメモリと、ストレージと、インタフェースとを有する。プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)が例示される。メインメモリとして、不揮発性メモリ及び揮発性メモリが例示される。不揮発性メモリとして、ROM(Read Only Memory)が例示される。揮発性メモリとして、RAM(Random Access Memory)が例示される。ストレージとして、磁気ディスク、光磁気ディスク、及び半導体メモリが例示される。インタフェースとして、入出力回路又は通信回路が例示される。
【0067】
制御装置30は、温調対象100の温度が設定温度SVになるように、温調器5、第1弁10、及び第2弁11のそれぞれを制御する。温調対象100の設定温度SVとは、温調対象100の目標温度をいう。
【0068】
また、制御装置30は、第1弁10の状態及び第2弁11の状態に合わせて、第3弁14、第4弁15、第5弁20、第6弁21、及び第9弁24のそれぞれを制御する。
【0069】
制御装置30は、例えば、温度センサ27の検出データ、温度センサ28の検出データ、又は温度センサ29の検出データに基づいて、温調器5、第1弁10、及び第2弁11のそれぞれを制御する。実施形態においては、説明を簡単にするために、制御装置30は、温度センサ29の検出データに基づいて、温調器5、第1弁10、及び第2弁11のそれぞれを制御することとする。また、以下の説明においては、温度センサ29により検出された循環流体Fcの温度を適宜、循環流体Fcの検出温度PV、と称する。
【0070】
実施形態において、第2弁11は、温調対象100の設定温度SVが第1設定温度SVlから第1設定温度SVlよりも高い第2設定温度SVhに変更されたときに、第2供給流路9を開放した後、第2供給流路9を閉鎖する。第2弁11は、電磁弁なので、第2供給流路9を素早く開放して、タンク2に対する第2流体F2の供給を素早く実施することができる。また、第2弁11は、電磁弁なので、第2供給流路9を素早く閉鎖して、タンク2に対する第2流体F2の供給停止を素早く実施することができる。すなわち、第2弁11の開閉動作により、循環流路3に対して適量の第2流体F2が素早く供給される。循環流路3に対して適量の第2流体F2が素早く供給されることにより、循環流体Fcの温度が素早く調整される。
【0071】
実施形態において、設定温度SVが第1設定温度SVlから第2設定温度SVhに変更されたときに、第2弁11の開閉動作は、1回だけ実施される。第2弁11の開閉動作とは、第2供給流路9を開放した後に閉鎖する動作をいう。第2弁11の開閉動作が多数回実施されないので、第2弁11の劣化が抑制される。
【0072】
温調器5は、第2弁11が第2供給流路9を閉鎖したときに、温調対象100に供給される循環流体Fcの温度が第2設定温度SVhになるように、循環流体Fcの温度を調整する。温調器5は、熱電モジュール60を含むので、循環流体Fcの温度を高精度に調整することができる。
【0073】
また、第1弁10は、第2弁11が第2供給流路9を閉鎖したときに、温調対象100に供給される循環流体Fcの温度が第2設定温度SVhになるように、循環流路3に供給される第1流体F1の流量を調整する。第1弁10は、比例制御弁なので、循環流路3に供給される第1流体F1の流量を高精度に調整することができる。循環流路3に供給される第1流体F1の流量が高精度に調整されるので、循環流体Fcの温度が高精度に調整される。
【0074】
すなわち、実施形態においては、温調対象100の設定温度SVが第1設定温度SVlから第2設定温度SVhに変更されたときに、循環流体Fcの温度と第2設定温度SVhとの差が短時間で小さくなるように、第2弁11の開閉動作が実施される。第2弁11の開閉動作により、循環流体Fcの温度が大まかに調整された後、温調器5及び流量が高精度に調整された第1流体F1の一方又は両方により、循環流体Fcの温度が高精度に調整される。
【0075】
[制御方法]
図5は、実施形態に係る温度制御方法を示すフローチャートである。図5を参照しながら、温調対象100の設定温度SVが第1設定温度SVlから第1設定温度SVlよりも高い第2設定温度SVhに変更されたときの温調対象100の温度制御方法について説明する。
【0076】
温調対象100がプラズマ処理装置のウエハホルダである場合、ウエハホルダにウエハが保持された状態で、ウエハホルダの設定温度SVが変更される場合がある。すなわち、プラズマ処理の内容に基づいて、ウエハホルダの設定温度SVが第1設定温度SVlに設定される場合と第2設定温度SVhに設定される場合とがある。一例として、第1設定温度SVlは25℃であり、第2設定温度SVhは60℃である。
【0077】
温調対象100の設定温度SVが第1設定温度SVlに維持されているときに、第1弁10、第2弁11、第3弁14、第4弁15、第5弁20、第6弁21、及び第9弁24のそれぞれは、定常状態に設定される。
【0078】
図6は、実施形態に係る定常状態に設定された第1弁10、第2弁11、第3弁14、第4弁15、第5弁20、第6弁21、及び第9弁24を説明するための図である。また、図1は、第1弁10、第2弁11、第3弁14、第4弁15、第5弁20、第6弁21、及び第9弁24のそれぞれが定常状態に設定されたときの温度制御システム1Aを示す。
【0079】
図1及び図6に示すように、定常状態は、第1弁10が循環流路3に供給される第1流体F1の流量を調整し、第2弁11が第2供給流路9を閉鎖し、第3弁14が第2リターン流路13を開放し、第4弁15が循環流路3を開放し、第5弁20が第1オーバーフロー流路17を開放し、第6弁21が第2オーバーフロー流路18を閉鎖し、第9弁24がバイパス流路19を閉鎖する状態である。
【0080】
制御装置30は、温調対象100の設定温度SVが第1設定温度SVlに維持されているときに、循環流路3が開放されるように、第4弁15を制御する。制御装置30は、循環流体Fcが循環流路3を循環している状態で、温調対象100が第1設定温度SVlになるように、温調器5を制御する。また、制御装置30は、循環流体Fcが循環流路3を循環している状態で、温調対象100が第1設定温度SVlになるように、第1弁10を制御して、第1温調ユニット6から循環流路3に供給される第1流体F1の流量を調整する。制御装置30は、循環流体Fcの検出温度PVに基づいて、温調器5及び第1弁10を制御する。
【0081】
図1に示すように、第1温調ユニット6から第1供給流路8に送出された第1流体F1の一部は、タンク2に供給される。第1温調ユニット6から第1供給流路8に送出された第1流体F1の一部は、第1リターン流路12を介して第1温調ユニット6に戻される。
【0082】
また、制御装置30は、第1温調ユニット6から循環流路3に第1流体F1が供給される場合、第1オーバーフロー流路17が開放されるように、第5弁20を制御し、第2オーバーフロー流路18が閉鎖されるように、第6弁21を制御し、バイパス流路19が閉鎖されるように、第9弁24を制御する。第1流体F1が循環流路3に供給されることにより、循環流路3を流通する循環流体Fcの量が増える。第1オーバーフロー流路17が開放されることにより、循環流路3の余剰な循環流体Fcは、第1オーバーフロー流路17を介して第1温調ユニット6に供給される。
【0083】
また、制御装置30は、設定温度SVが第1設定温度SVlに維持されているときに、第2供給流路9が閉鎖されるように、第2弁11を制御し、第2リターン流路13が開放されるように、第3弁14を制御する。第2供給流路9が閉鎖され第2リターン流路13が開放されることにより、図1に示すように、第2温調ユニット7から送出された第2流体F2の全部が、第2温調ユニット7に戻される。
【0084】
温調対象100の設定温度SVが第1設定温度SVlから第1設定温度SVlよりも高い第2設定温度SVhに変更されると、第1弁10、第2弁11、第3弁14、第4弁15、第5弁20、第6弁21、及び第9弁24のそれぞれは、変更状態に設定される(ステップS1)。
【0085】
なお、設定温度SVが第1設定温度SVlから第2設定温度SVhに変更された場合、プラズマ処理が停止される。
【0086】
図7は、実施形態に係る変更状態に設定された第1弁10、第2弁11、第3弁14、第4弁15、第5弁20、第6弁21、及び第9弁24を説明するための図である。図8は、実施形態に係る第1弁10、第2弁11、第3弁14、第4弁15、第5弁20、第6弁21、及び第9弁24のそれぞれが変更状態に設定されたときの温度制御システム1Aを示す図である。
【0087】
図7及び図8に示すように、変更状態は、第1弁10が第1供給流路8を閉鎖し、第2弁11が第2供給流路9を開放し、第3弁14が第2リターン流路13を閉鎖し、第4弁15が循環流路3を閉鎖し、第5弁20が第1オーバーフロー流路17を閉鎖し、第6弁21が第2オーバーフロー流路18を開放し、第9弁24がバイパス流路19を開放する状態である。
【0088】
制御装置30は、設定温度SVが第1設定温度SVlから第2設定温度SVhに変更されたときに、第2供給流路9が開放されるように、第2弁11を制御する。また、制御装置30は、設定温度SVが第1設定温度SVlから第2設定温度SVhに変更されたときに、第2リターン流路13が閉鎖されるように、第3弁14を制御する。第2供給流路9が開放され第2リターン流路13が閉鎖されることにより、図8に示すように、第2温調ユニット7から第2供給流路9に送出された第2流体F2の全部が、タンク2に供給される。
【0089】
また、制御装置30は、設定温度SVが第1設定温度SVlから第2設定温度SVhに変更されたときに、第1供給流路8が閉鎖されるように、第1弁10を制御する。第1供給流路8が第1弁10により閉鎖されることにより、第1温調ユニット6から第1供給流路8に送出された第1流体F1の全部が、第1リターン流路12を介して第1温調ユニット6に戻される。
【0090】
また、制御装置30は、設定温度SVが第1設定温度SVlから第2設定温度SVhに変更されたときに、循環流路3のリターン部3Bが閉鎖されるように、第4弁15を制御する。
【0091】
また、制御装置30は、第2温調ユニット7から循環流路3に第2流体F2が供給される場合、第2オーバーフロー流路18が開放されるように、第6弁21を制御し、第1オーバーフロー流路17が閉鎖されるように、第5弁20を制御する。第2流体F2が循環流路3に供給されることにより、循環流路3を流通する循環流体Fcの量が増える。第2オーバーフロー流路18が開放されることにより、循環流路3の余剰な循環流体Fcは、第2オーバーフロー流路18を介して第2温調ユニット7に供給される。
【0092】
また、制御装置30は、第4弁15により循環流路3のリターン部3Bが閉鎖された場合、バイパス流路19が開放されるように、第9弁24を制御する。バイパス流路19が開放されることにより、温調対象100の流出口100oから流出した循環流体Fcは、バイパス流路19及び第2オーバーフロー流路18を介して、第2温調ユニット7に供給される。
【0093】
制御装置30は、第1弁10、第2弁11、第3弁14、第4弁15、第5弁20、第6弁21、及び第9弁24のそれぞれを変更状態に設定した後、温度センサ29から循環流体Fcの検出温度PVを取得する(ステップS2)。
【0094】
制御装置30は、ステップS2において取得した循環流体Fcの検出温度PVと第2設定温度SVhとの差が規定値γ以下になったか否かを判定する(ステップS3)。
【0095】
規定値γは、予め定められている値であり、制御装置30に記憶されている。
【0096】
ステップS3において、循環流体Fcの検出温度PVと第2設定温度SVhとの差が規定値γ以下になっていないと判定した場合(ステップS3:No)、制御装置30は、循環流体Fcの検出温度PVと第2設定温度SVhとの差が規定値γ以下になるまで、第3弁14、第4弁15、第5弁20、第6弁21、及び第9弁24のそれぞれを変更状態に維持して、ステップS2及びステップS3の処理を実施する。
【0097】
ステップS3において、循環流体Fcの検出温度PVと第2設定温度SVhとの差が規定値γ以下になったと判定した場合(ステップS3:Yes)、制御装置30は、第1弁10、第2弁11、第3弁14、第4弁15、第5弁20、第6弁21、及び第9弁24のそれぞれを定常状態に設定する(ステップS4)。
【0098】
このように、第2弁11は、ステップS1において第2供給流路9を開放した後、循環流体Fcの検出温度PVと第2設定温度SVhとの差が規定値γ以下になったときに、第2供給流路9を閉鎖する。
【0099】
なお、第2弁11は、ステップS1において第2供給流路9を開放した後、設定温度SVが第2設定温度SVhに変更されてから規定時間が経過したときに、第2供給流路9を閉鎖してもよい。
【0100】
図1及び図6を参照して説明したように、定常状態は、第1弁10が循環流路3に供給される第1流体F1の流量を調整し、第2弁11が第2供給流路9を閉鎖し、第3弁14が第2リターン流路13を開放し、第4弁15が循環流路3を開放し、第5弁20が第1オーバーフロー流路17を開放し、第6弁21が第2オーバーフロー流路18を閉鎖し、第9弁24がバイパス流路19を閉鎖する状態である。
【0101】
第4弁15により循環流路3のリターン部3Bが開放されることにより、循環流体Fcは、循環流路3を循環する。
【0102】
制御装置30は、循環流体Fcが循環流路3を循環している状態で、温調対象100が第2設定温度SVhになるように、温調器5を制御する。また、制御装置30は、循環流体Fcが循環流路3を循環している状態で、温調対象100が第2設定温度SVhになるように、第1弁10を制御して、第1温調ユニット6から循環流路3に供給される第1流体F1の流量を調整する。制御装置30は、循環流体Fcの検出温度PVに基づいて、温調器5及び第1弁10を制御する。
【0103】
図1に示すように、第1温調ユニット6から第1供給流路8に送出された第1流体F1の一部は、タンク2に供給される。第1温調ユニット6から第1供給流路8に送出された第1流体F1の一部は、第1リターン流路12を介して第1温調ユニット6に戻される。第2温調ユニット7から送出された第2流体F2は、第2温調ユニット7に戻される。
【0104】
なお、循環流体Fcの検出温度PVと第2設定温度SVhとの差が予め定められている閾値δ以下になったとき、プラズマ処理が再開される。
【0105】
図9は、実施形態に係る温度制御方法を示すタイミングチャートである。図9において、時点t0は、温調対象100の設定温度SVが第1設定温度SVlから第2設定温度SVhに変更された時点である。図9において、横軸は、時点t0からの経過時間を示し、第1グラフの縦軸は、温度を示し、第2グラフの縦軸は、制御装置30から第1弁10、第2弁11、及び温調器5のそれぞれに出力される制御信号の制御値を示す。
【0106】
第1グラフにおいて、ラインPVは、循環流体Fcの検出温度PVを示し、ラインSVは、温調対象100の設定温度SVを示す。
【0107】
第2グラフにおいて、ラインCaは、第1弁10に出力される制御信号の制御値Caを示し、ラインCbは、第2弁11に出力される制御信号の制御値Cbを示し、ラインCcは、温調器5に出力される制御信号の制御値Ccを示す。
【0108】
図9に示すように、時点t0において、制御装置30は、第1供給流路8が所定の開度で開放されている状態から閉鎖される状態に変化するように、第1弁10に制御信号を出力する。時点t0において、制御装置30は、第2供給流路9が閉鎖されている状態から開放される状態に変化するように、第2弁11に制御信号を出力する。制御装置30は、温調器5の調整可能温度範囲において最も高温度になるように、温調器5に制御信号を出力する。これにより、循環流体Fcの検出温度PVは、第1設定温度SVlから急激に上昇する。検出温度PVと第2設定温度SVhとの差は、短時間で小さくなる。
【0109】
第2弁11が第2供給流路9を開放した後、循環流体Fcの検出温度PVと第2設定温度SVhとの差が規定値γ以下になったときに、制御装置30は、第2供給流路9が開放されている状態から閉鎖される状態に変化するように、第2弁11に制御信号を出力する。実施形態において、制御装置30は、循環流体Fcの検出温度PVが第2設定温度SVhに到達せず、且つ、検出温度PVと第2設定温度SVhとの差が規定値γになったときに、第2供給流路9が閉鎖されるように、第2弁11に制御信号を出力する。すなわち、実施形態において、制御装置30は、循環流体Fcの検出温度PVが温度[SVh-γ]に到達したときに、第2供給流路9が閉鎖されるように、第2弁11に制御信号を出力する。
【0110】
制御装置30は、第2弁11の開閉動作を1回だけ実施する。第2弁11の開閉動作が多数回実施されないので、第2弁11の劣化が抑制される。第2弁11は、電磁弁なので、第2供給流路9を素早く開放して、タンク2に対する第2流体F2の供給を素早く実施することができる。また、第2弁11は、電磁弁なので、第2供給流路9を素早く閉鎖して、タンク2に対する第2流体F2の供給停止を素早く実施することができる。第2弁11の開閉動作により、循環流路3に対して適量の第2流体F2が素早く供給される。循環流路3に対して適量の第2流体F2が素早く供給されることにより、循環流体Fcの検出温度PVと第2設定温度SVhとの差が短時間で小さくなる。
【0111】
制御装置30は、第2弁11が第2供給流路9を閉鎖したときに、温調対象100に供給される循環流体Fcの温度が第2設定温度SVhになるように、温調器5に制御信号を出力する。温調器5は、熱電モジュール60を含むので、循環流体Fcの温度を高精度に調整することができる。
【0112】
また、制御装置30は、第2弁11が第2供給流路9を閉鎖したときに、温調対象100に供給される循環流体Fcの温度が第2設定温度SVhになるように、第1弁10を制御して、循環流路3に供給される第1流体F1の流量を調整する。第1弁10は、比例制御弁なので、循環流路3に供給される第1流体F1の流量を高精度に調整することができる。循環流路3に供給される第1流体F1の流量が高精度に調整されるので、循環流体Fcの温度が高精度に調整される。
【0113】
このように、実施形態においては、温調対象100の設定温度SVが第1設定温度SVlから第2設定温度SVhに変更されたときに、循環流体Fcの検出温度PVと第2設定温度SVhとの差が短時間で小さくなるように、第2弁11の開閉動作が実施される。第2弁11の開閉動作により、循環流体Fcの温度が大まかに調整された後、温調器5及び流量が高精度に調整された第1流体F1の一方又は両方により、循環流体Fcの温度が高精度に調整される。
【0114】
なお、第2弁11が第2供給流路9を開放した後、設定温度SVが第1設定温度SVlから第2設定温度SVhに変更されてから規定時間が経過したときに、制御装置30は、第2供給流路9が開放されている状態から閉鎖される状態に変化するように、第2弁11に制御信号を出力してもよい。すなわち、時点t0から規定時間後の時点tsにおいて、第2弁11が第2供給流路9を閉鎖し、温調器5及び第1流体F1の少なくとも一方による循環流体Fcの温度の調整が開始されてもよい。規定時間は、予め定められた値である。
【0115】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、温度制御システム1Aは、温調対象100を含む循環流路3と、循環流路3の外部に配置される第2温調ユニット7と、循環流路3と第2温調ユニット7とを接続する第2供給流路9と、第2供給流路9に配置される電磁弁(開閉弁)である第2弁11とを備える。温調対象100の設定温度SVが第1設定温度SVlから第2設定温度SVhに変更されたときに、第2弁11は、第2供給流路9を1回だけ開放し、検出温度PVが温度[SVh-γ]に到達したときに、第2供給流路9を閉鎖する。電磁弁である第2弁11の応答速度は、例えば比例制御弁である三方弁の応答速度よりも高い。第2弁11の応答速度が高いので、循環流路3を流通する循環流体Fcの検出温度PVと第2設定温度SVhとの差が規定値γ以下になるまでに要する時間が短くなる。したがって、温調対象100の設定温度SVが第1設定温度SVlから第2設定温度SVhに変更されたときに、循環流路3を流通する循環流体Fcの温度が短時間で第2設定温度SVhに調整される。
【0116】
図10は、実施形態に係る第2弁11として電磁弁を使用した場合及び三方弁を使用した場合のそれぞれにおける循環流体Fcの検出温度PVを示す図である。図10に示すグラフにおいて、横軸は時間であり、縦軸は検出温度PVである。時点t0において、温調対象100の設定温度SVが第1設定温度SVlから第2設定温度SVhに変更される。ラインPV1は、第2弁11として電磁弁(開閉弁)を使用した場合の検出温度PVを示す。ラインPV2は、第2弁11として三方弁(比例制御弁)を使用した場合の検出温度PVを示す。第2弁11として電磁弁を使用した場合、検出温度PVがプロセス開始温度[SVh-α]に時点t1で到達する。αは予め定められた任意の閾値である。第2弁11として三方弁を使用した場合、検出温度PVがプロセス開始温度[SVh-α]に時点t1よりも時間ΔTだけ後の時点t2で到達する。このように、第2弁11として電磁弁を使用した場合、第2弁11として三方弁を使用した場合に比べて、検出温度PVは、プロセス開始温度[SVh-α]に短時間で到達することができる。
【0117】
温調器5は、熱電モジュール60を含む。これにより、温調器5は、温調対象100に供給される循環流体Fcの温度を高精度に調整することができる。
【0118】
第1供給流路8に配置される第1弁10として、比例制御弁(三方弁)が使用される。実施形態において、温調対象100は、プラズマ処理装置のウエハホルダである。ウエハホルダは、プラズマ処理において専ら加熱される。すなわち、温調対象100には熱外乱が入力される。熱外乱が入力される温調対象100の温度を設定温度SV(SVl,SVh)に調整する場合、循環流路3に低温度の第1流体F1を適正な流量で供給することが有効である。そのため、第1弁10として、第1温調ユニット6から循環流路3に供給される第1流体F1の流量を高精度に調整可能な比例制御弁(三方弁)が用いられる。第1弁10として比例制御弁(三方弁)が用いられることにより、熱外乱が入力される温調対象100の温度は、設定温度SV(SVl,SVh)に適正に調整される。
【0119】
第1弁10は、三方弁であり、第1温調ユニット6から第1供給流路8に送出された第1流体F1の少なくとも一部が第1リターン流路12を介して第1温調ユニット6に戻されるように作動可能である。これにより、第1流体F1を循環流路3に供給する状態及び供給しない状態の両方において、第1温調ユニット6を一定条件で作動させることができる。第1温調ユニット6が一定条件で作動するので、第1温調ユニット6から送出される第1流体F1の温度は第1温度T1に維持される。第1弁10により循環流路3に供給される第1流体F1の流量が調整されるだけで、循環流路3を流通する循環流体Fcの温度が高精度に調整される。
【0120】
第2リターン流路13に第3弁14が配置される。第3弁14は、電磁弁(開放弁)である。第3弁14は、第2弁11と同等の応答速度で作動することができる。第3弁14は、第2弁11が第2供給流路9を開放したときに、第2リターン流路13を閉鎖し、第2弁11が第2供給流路9を閉鎖したときに、第2温調ユニット7から第2供給流路9に送出された第2流体F2が第2リターン流路13を介して第2温調ユニット7に戻されるように、第2リターン流路13を開放する。これにより、第2流体F2を循環流路3に供給する状態及び供給しない状態の両方において、第2温調ユニット7を一定条件で作動させることができる。第2温調ユニット7が一定条件で作動するので、第2温調ユニット7から送出される第2流体F2の温度は第2温度T2に維持される。第2温調ユニット7が一定条件で作動している状態で、第2温調ユニット7から循環流路3に第2流体F2が供給される状態と第2温調ユニット7から第2リターン流路13を介して第2温調ユニット7に第2流体F2が戻される状態とが切り換えられる。
【0121】
循環流路3に第4弁15が配置される。第4弁15は、電磁弁(開放弁)である。第4弁15は、第2弁11と同等の応答速度で作動することができる。第4弁15は、第2弁11が第2供給流路9を開放したときに、循環流路3を閉鎖し、第2弁11が第2供給流路9を閉鎖したときに、循環流路3を開放する。第2供給流路9が開放され、タンク2に第2流体F2が供給されるとき、循環流路3のリターン部3Bが閉鎖され、タンク2に循環流体Fcが供給されることが抑制されるので、タンク2から循環流体Fcが溢れ出ることが抑制される。タンク2において循環流体Fcと第2流体F2とが適正に混合される。第2供給流路9が閉鎖され、タンク2に第2流体F2が供給されないとき、循環流路3のリターン部3Bが開放されるので、循環流路3において循環流体Fcが適正に循環する。
【0122】
第1オーバーフロー流路17に第5弁20が配置され、第2オーバーフロー流路18に第6弁21が配置される。第5弁20及び第6弁21のそれぞれは、電磁弁(開放弁)である。第5弁20及び第6弁21のそれぞれは、第2弁11と同等の応答速度で作動することができる。
【0123】
第5弁20は、第2弁11が第2供給流路9を開放したときに、第1オーバーフロー流路17を閉鎖する。これにより、第2温調ユニット7から循環流路3に第2流体F2が供給されているときにタンク2から溢れ出た循環流体Fcが第1温調ユニット6に供給されることが抑制される。第5弁20は、第2弁11が第2供給流路9を閉鎖したときに、第1オーバーフロー流路17を開放する。これにより、第1温調ユニット6から循環流路3に第1流体F1が供給されているときにタンク2から溢れ出た循環流体Fcが第1温調ユニット6に供給される。
【0124】
第6弁21は、第2弁11が第2供給流路9を開放したときに、第2オーバーフロー流路18を開放する。これにより、第2温調ユニット7から循環流路3に第2流体F2が供給されているときにタンク2から溢れ出た循環流体Fcが第2温調ユニット7に供給される。第6弁21は、第2弁11が第2供給流路9を閉鎖したときに、第2オーバーフロー流路18を閉鎖する。これにより、第1温調ユニット6から循環流路3に第1流体F1が供給されているときにタンク2から溢れ出た循環流体Fcが第2温調ユニット7に供給されることが抑制される。
【0125】
[その他の実施形態]
図11は、実施形態に係る温度制御システム1Bを示す構成図である。図11に示すように、第9弁24は省略されてもよい。
【0126】
図12は、実施形態に係る温度制御システム1Cを示す構成図である。図12に示すように、オーバーフロー流路16は省略されてもよい。
【0127】
図13は、実施形態に係る温度制御システム1Dを示す構成図である。図13に示すように、第9弁24及びオーバーフロー流路16のそれぞれが省略されてもよい。
【0128】
上述の実施形態において、タンク2は省略されてもよい。すなわち、循環流路3の全部が管路により構成されてもよい。
【符号の説明】
【0129】
1A…温度制御システム、1B…温度制御システム、1C…温度制御システム、1D…温度制御システム、2…タンク、2o…流出口、2i…流入口、3…循環流路、3A…供給部、3B…リターン部、4…循環ポンプ、5…温調器、6…第1温調ユニット、7…第2温調ユニット、8…第1供給流路、9…第2供給流路、10…第1弁、11…第2弁、12…第1リターン流路、13…第2リターン流路、14…第3弁、15…第4弁、16…オーバーフロー流路、17…第1オーバーフロー流路、18…第2オーバーフロー流路、19…バイパス流路、20…第5弁、21…第6弁、22…第7弁、23…第8弁、24…第9弁、25…流量センサ、26…温度センサ、27…温度センサ、28…温度センサ、29…温度センサ、30…制御装置、40…本体部材、41…入口、42…温調流路、43…出口、44…熱交換板、45…駆動回路、50…温調部、51…ケース、60…熱電モジュール、61…第1電極、62…第2電極、63…熱電半導体素子、63P…p型熱電半導体素子、63N…n型熱電半導体素子、100…温調対象、100i…流入口、100o…流出口、Ca…ライン、Cb…ライン、Cc…ライン、Fc…循環流体、F1…第1流体、F2…第2流体、PV…検出温度、PV1…ライン、PV2…ライン、R…流量、SV…設定温度、SVl…第1設定温度、SVh…第2設定温度、Ta…温度、Tb…温度、Tc…温度、Td…温度、t0…時点、t1…時点、t2…時点、ts…時点、γ…規定値、δ…閾値、ΔT…時間。
図1
図2
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図10
図11
図12
図13