IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 合同会社シーワイズの特許一覧

<>
  • 特開-組立用パーツセット 図1
  • 特開-組立用パーツセット 図2
  • 特開-組立用パーツセット 図3
  • 特開-組立用パーツセット 図4
  • 特開-組立用パーツセット 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022066112
(43)【公開日】2022-04-28
(54)【発明の名称】組立用パーツセット
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/10 20060101AFI20220421BHJP
   A63H 9/00 20060101ALI20220421BHJP
   A63H 33/22 20060101ALI20220421BHJP
【FI】
A63H33/10 D
A63H9/00 Z
A63H33/22 Z
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020175051
(22)【出願日】2020-10-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】520406429
【氏名又は名称】合同会社シーワイズ
(74)【代理人】
【識別番号】100200263
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 圭二郎
(72)【発明者】
【氏名】吉田 穂積
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BC01
2C150CA20
2C150EA19
2C150FC13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザーの技量によって出来栄えに差が生じることを抑制することができる、自作可能な観賞用の模型を提供する。
【解決手段】観賞用の模型を組み立てるための少なくとも第1パーツ1及び第2パーツ2を備えた組立用パーツセットであって、該第1パーツ1は、第1本体部と、該第2パーツ2と連結するための第1連結部とを有し、該第2パーツ2は、第2本体部と、該第1パーツ1と連結するための第2連結部とを有する組立用パーツセットとする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
観賞用の模型を組み立てるための少なくとも第1パーツ及び第2パーツを備えた組立用パーツセットであって、
前記第1パーツは、
第1本体部と、
前記第2パーツと連結するための第1連結部とを有し、
前記第2パーツは、
第2本体部と、
前記第1パーツと連結するための第2連結部とを有する、ことを特徴とする組立用パーツセット。
【請求項2】
前記第1連結部は、第1凸部及び第1凹部を有し、
前記第2連結部は、第2凸部及び第2凹部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の組立用パーツセット。
【請求項3】
前記第1凸部と前記第2凹部は係合可能であり、
前記第1凹部と前記第2凸部は係合可能である、ことを特徴とする請求項2に記載の組立用パーツセット。
【請求項4】
前記第1パーツと前記第2パーツを連結したときに、前記第1パーツと前記第2パーツは互いに摩擦しながら回転可能である、ことを特徴とする請求項3に記載の組立用パーツセット。
【請求項5】
前記第1連結部は、前記第1凸部及び前記第1凹部により波形状に形成され、
前記第2連結部は、前記第2凸部及び前記第2凹部により波形状に形成されている、ことを特徴とする請求項4に記載の組立用パーツセット。
【請求項6】
前記第1パーツは、前記第1本体部の内部を充填する第1充填部を有し、
前記第2パーツは、前記第2本体部の内部を充填する第2充填部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の組立用パーツセット。
【請求項7】
前記第1充填部は、前記第1連結部の先に突き出る凸状部を有する、ことを特徴とする請求項6に記載の組立用パーツセット。
【請求項8】
前記第2充填部は、前記第2連結部の手前に窪む凹状部を有し、
前記第1パーツ及び前記第2パーツが連結している状態において、前記凸状部は、前記凹状部に挿入されている、ことを特徴とする請求項7に記載の組立用パーツセット。
【請求項9】
前記第1充填部又は前記第2充填部には、磁石が設けられている、ことを特徴とする請求項6~請求項8の何れか1つに記載の組立用パーツセット。
【請求項10】
前記凸状部及び前記凹状部のうちの少なくとも一方は、前記磁石を有し、
前記凸状部と前記凹状部は、前記磁石の磁力により引き合う、ことを特徴とする請求項8を引用する請求項9に記載の組立用パーツセット。
【請求項11】
香りを発生させる香り発生部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の組立用パーツセット。
【請求項12】
前記観賞用の模型は、植物の模型である、ことを特徴とする請求項1に記載の組立用パーツセット。
【請求項13】
前記第1パーツ又は前記第2パーツは、前記植物の葉または花に対応するパーツである、ことを特徴とする請求項12に記載の組立用パーツセット。
【請求項14】
香りを発生させる香り発生部を有し、
前記香りは前記植物の模型に関連する香りである、ことを特徴とする請求項12に記載の組立用パーツセット。
【請求項15】
光を発生させる光発生部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の組立用パーツセット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立用パーツセットに関する。
【背景技術】
【0002】
針金等で形成された植物模型の枝を束ねて紙テープで巻きつけることにより観賞用模型を構成する従来技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭57-082364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術は観賞用植物模型の草花の種類や見栄えを変更あるいは調整する場合には、枝を束ねている紙テープをほどき、再度枝を束ねて紙テープで巻きつける必要がある。また、紙テープを巻く人によって出来栄えが左右されるという課題がある。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ユーザーの技量によって出来栄えに差が生じることを抑制することができる、自作可能な観賞用の模型を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、観賞用の模型を組み立てるための少なくとも第1パーツ及び第2パーツを備えた組立用パーツセットであって、前記第1パーツは、第1本体部と、前記第2パーツと連結するための第1連結部とを有し、前記第2パーツは、第2本体部と、前記第1パーツと連結するための第2連結部とを有する組立用パーツセットが提供される。
【0007】
好ましくは、前記第1連結部は、第1凸部及び第1凹部を有し、前記第2連結部は、第2凸部及び第2凹部を有する、組立用パーツセットが提供される。
好ましくは、前記第1凸部と前記第2凹部は係合可能であり、前記第1凹部と前記第2凸部は係合可能である、組立用パーツセットが提供される。
好ましくは、前記第1パーツと前記第2パーツを連結したときに、前記第1パーツと前記第2パーツは互いに摩擦しながら回転可能である、組立用パーツセットが提供される。
好ましくは、前記第1連結部は、前記第1凸部及び前記第1凹部により波形状に形成され、前記第2連結部は、前記第2凸部及び前記第2凹部により波形状に形成されている、組立用パーツセットが提供される。
好ましくは、前記第1パーツは、前記第1本体部の内部を充填する第1充填部を有し、前記第2パーツは、前記第2本体部の内部を充填する第2充填部を有する、組立用パーツセットが提供される。
好ましくは、前記第1充填部は、前記第1連結部の先に突き出る凸状部を有する、組立用パーツセットが提供される。
好ましくは、前記第2充填部は、前記第2連結部の手前に窪む凹状部を有し、前記第1パーツ及び前記第2パーツが連結している状態において、前記凸状部は、前記凹状部に挿入されている、組立用パーツセットが提供される。
好ましくは、前記第1充填部又は前記第2充填部には、磁石が設けられている、組立用パーツセットが提供される。
好ましくは、前記凸状部及び前記凹状部のうちの少なくとも一方は、前記磁石を有し、前記凸状部と前記凹状部は、前記磁石の磁力により引き合う、組立用パーツセットが提供される。
好ましくは、香りを発生させる香り発生部を有する、組立用パーツセットが提供される。
好ましくは、前記観賞用の模型は、植物の模型である、組立用パーツセットが提供される。
好ましくは、前記第1パーツ又は前記第2パーツは、前記植物の葉または花に対応するパーツである、組立用パーツセットが提供される。
好ましくは、香りを発生させる香り発生部を有し、前記香りは前記植物の模型に関連する香りである、組立用パーツセットが提供される。
好ましくは、光を発生させる光発生部を有する、組立用パーツセットが提供される。
【0008】
本発明によれば、第1及び第2パーツを連結することで観賞用の模型を自作することができ、ユーザーの技量によって出来栄えに差が生じることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、幹、枝、葉及び鉢から構成される観賞用の組立用パーツセット100を示している。
図2図2は、第1パーツ1と第2パーツ2とが分離している状態を示す斜視図である。
図3図3Aは、第1パーツ1と第2パーツ2とが分離している状態を示す側面図である。図3Bは、図3Aに示すA-A断面図である。
図4図4は、変形例に係る第1パーツ1及び第2パーツ2を示す斜視図である。
図5図5Aは、変形例に係る第1パーツ1及び第2パーツ2が分離している状態を示す側面図である。図5Bは、図5Aに示すA-A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
【0011】
実施形態
1 組立用パーツセット100の全体構成
図1は、幹、枝、葉及び鉢から構成される観賞用の組立用パーツセット100を示している。図1示すように、実施形態の組立用パーツセット100は、盆栽模型であり、幹、枝、葉及び鉢等の構成における任意の位置で連結可能に構成されている。例えば、組立用パーツセット100は、互いに連結可能な複数のパーツ51を備えている。例えば、図1の破線で囲まれた領域Aに示すパーツ51は、盆栽模型の幹の位置に設けられている。実施形態において、対をなすパーツの一方が第1パーツ1であり、他方が第2パーツ2である。
【0012】
2 第1及び第2パーツ1,2の構成
図2図3A及び図3Bを参照して、第1及び第2パーツ1,2の構成について説明する。なお、図2図3A及び図3Bでは、第1及び第2パーツ1,2のうちの連結部分及びその周辺をそれぞれ模式的に示しており、当該連結部分以外の部分については図示を省略している。組立用パーツセット100は、対をなすパーツ51(第1及び第2パーツ1,2)の組を複数有しており、各組の対をなすパーツ51同士は、連結自在である。ここでは、領域Aに示すパーツ51(第1パーツ1及び第2パーツ2)の構成を説明する。
【0013】
2-1 第1パーツ1
第1パーツ1は、第1本体部1Aと、円柱状の第1本体部と第2パーツ2とを連結させる第1連結部1Bと、第1磁石1Cとを備えている。
【0014】
2-1-1 第1本体部1A
第1本体部1Aは、例えば樹脂で構成される柱状部材である。第1本体部1Aは、第1充填部1A1と、第1外殻部1A2とを有している。第1外殻部1A2は、第1本体部1Aの外表面に形成された筒状体であり、例えば、盆栽表面を模した模様等が施されている。第1外殻部1A2の内側には、第1充填部1A1が形成されている。第1本体部1Aは、第1充填部1A1を備えているため、中実となっている。第1本体部1Aの端部には、第1連結部1Bが設けられている。第1本体部1Aの端部(第1充填部1A1の端部)には、凹部1A11が形成されている。凹部1A11には、第1磁石1Cが設けられている。
【0015】
2-1-2 第1連結部1B
第1連結部1Bは、例えば樹脂で構成され、第1本体部1Aの端部に設けられる。第1連結部1Bは、図2に示すように、第1凹部1Br及び第1凸部1Bpが交互に並んだ形状を有する。具体的には、第1連結部1Bには、正弦波のような滑らかな凹凸形状が形成されている。換言すると、第1連結部1Bには、波形状が形成されている。
【0016】
第1連結部1Bの端面Sf1と第1磁石1Cの端面1C1の位置関係は、第1連結部1B及び第2連結部2Bが係合しやすいように定められている。具体的には、図3Aに示すように、第1連結部1Bの第1凹部1Brと第2連結部2Bの第2凸部2Bpが係合できるように、且つ、第1連結部1Bの第1凸部1Bpと第2連結部2Bの第2凹部2Brが係合できるように、第1連結部1Bの端面Sf1は、第1磁石1Cの端面1C1よりも引っ込んだ位置にある。
【0017】
また、第1連結部1Bは、環状に構成されており、第1磁石1Cの周囲に沿うように設けられている。第1連結部1Bの内周面と第1磁石1Cの側周面との間には、隙間は形成されていない。これにより、第1磁石1Cが動いてしまうことが抑制されている。
【0018】
また、実施形態では、上述したように、第1連結部1Bの第1凹部1Brと第2連結部2Bの第2凸部2Bpとが係合し、第1連結部1Bの第1凸部1Bpと第2連結部2Bの第2凹部2Brとが係合している。つまり、第1パーツ1と第2パーツ2とが連結された状態において、第1連結部1Bは、第2連結部2Bに噛み合うように接触している。この際、第1パーツ1又は第2パーツ2の両方又は一方が、第1パーツ1又は第2パーツ2の軸を中心とする回転力を受けたとき、第1及び第2連結部1B,2Bは、互いに噛み合うように接触しているので、第1及び第2連結部1B,2Bには、摩擦力が発生する。これにより、ユーザーが意図しないで第1パーツ1又は第2パーツ2に力を加えてしまったときやユーザーが意図しない外力(例えば、近くの物体にぶつかる等)が加えられたときにおいて、第1パーツ1及び第2パーツ2がずれたりせず、第1パーツ1及び第2パーツ2は安定した連結状態を維持することができる。ユーザーが第1パーツ1又は第2パーツ2を回転させることを意図して力を加えたときにおいては、第1及び第2連結部1B,2Bには波形状が滑らかに形成されているので、ユーザーはスムーズに第1及び第2連結部1B,2Bを回転させることができる。
【0019】
2-1-3 第1磁石1C
第1磁石1Cは第1連結部1Bと干渉しない直径を有する円柱形状である。第1磁石1Cは、第1本体部1Aの端部(第1充填部1A1の端部)に設けられた凹部1A11に配置されている。そして、第1磁石1Cは、例えば、第1磁石1Cの中心が第1本体部1Aの中心と一致するように配置される。第1磁石1Cの端面1C1は、第1連結部1Bの端面Sf1よりも突き出た位置に設けられている。このため、図2及び図3Bに示すように、第1パーツ1には、第1磁石1Cが設けられた部分に凸状部Prが形成されることになる。つまり、実施形態では、凸状部Prは、磁石を有し、且つ、凸状部Prは、第2パーツ2へ挿入可能となっている。その結果、第1パーツ1及び第2パーツ2は、凹凸による係合が実現可能な構成となっており、磁力だけでなく構造的にも結合可能に構成されている。
【0020】
2-2 第2パーツ2について
第2パーツ2は、第2本体部2Aと、円柱状の第2本体部と第1パーツとを連結させる第2連結部2Bと、第2磁石2Cとを備えている。
【0021】
2-2-1 第2本体部2A
第2本体部2Aは、例えば樹脂で構成される柱状部材である。第2本体部2Aは、第2充填部2A1と、第2外殻部2A2とを有している。第2外殻部2A2は、第2本体部2Aの外表面に形成された筒状体であり、例えば、盆栽表面を模した模様等が施されている。第2外殻部2A2の内側には、第2充填部2A1が形成されている。第2本体部2Aは、第2充填部2A1を備えているため、中実となっている。第2本体部2Aの端部には、第2連結部2Bが設けられている。第2本体部2Aの端部(第2充填部2A1の端部)には、凹部2A11が形成されている。凹部2A11には、第2磁石2Cが設けられている。
【0022】
2-2-2 第2連結部2B
第2連結部2Bは、例えば樹脂で構成され、第2本体部2Aの端部に設けられる。第2連結部2Bは、図2に示すように、第2凹部2Br及び第2凸部2Bpが交互に並んだ形状を有する。具体的には、第2連結部2Bには、正弦波のような滑らかな凹凸形状が形成されている。換言すると、第2連結部2Bには、波形状が形成されている。
【0023】
第2連結部2Bの端面Sf2と第2磁石2Cの端面2C1の位置関係は、第2連結部2B及び第1連結部1Bが係合しやすいように定められている。具体的には、図3Aに示すように、第1連結部1Bの第1凹部1Brと第2連結部2Bの第2凸部2Bpが係合できるように、且つ、第1連結部1Bの第1凸部1Bpと第2連結部2Bの第2凹部2Brが係合できるように、第2連結部2Bの端面Sf2は、第2磁石2Cの端面2C1よりも突き出た位置にある。
【0024】
また、第2連結部2Bは、環状に構成されており、第2磁石2Cの周囲に沿うように設けられている。第2連結部2Bの内周面と第2磁石2Cの側周面との間には、隙間は形成されておらず、第2磁石2Cの位置がずれてしまうことが抑制されている。
【0025】
2-2-3 第2磁石2C
第2磁石2Cは第2連結部2Bと干渉しない直径を有する円柱形状である。第2磁石2Cは、第2本体部2Aの端部(第2充填部2A1の端部)に設けられた凹部2A11に配置されている。そして、第2磁石2Cは、例えば、第2磁石2Cの中心が第2本体部2Aの中心と一致するように配置される。第1パーツ1に対向する第2磁石2Cの端面2C1は、第2連結部2Bの端面Sf2よりも引っ込んだ位置に設けられている。つまり、第2パーツ2には、第1パーツ1を挿入可能な凹状部Rsが形成されている。凹状部Rsは、凸状部Prを挿入可能となっている。第2磁石2Cは、第1磁石1Cと磁力により引き合う。
【0026】
3 実施形態の効果
実施形態に係る組立用パーツセット100は、各パーツを連結することで観賞用の模型を手軽に自作することができ、ユーザーの技量によって出来栄えに差が生じることが抑制されている。
【0027】
実施形態に係る組立用パーツセット100の各連結部は、凹部と凸部を有するので、パーツ同士が係合可能になり、意図しない力を与えたときであっても安定した連結が可能となる。
【0028】
実施形態に係る組立用パーツセット100の連結部は、滑らかな凹部と凸部が形成されており、意図しない力が加えられても摩擦しながら回転するため、各パーツに無理な力がかからず破損等することを抑制することができる。逆に、ユーザーが意図的に力を加えたときには、ユーザーはスムーズに各パーツを回転させることができるため、各パーツの位置の微調整が容易になる。また、各パーツの形状が非対称な形状等である場合には、各パーツを回転させることにより、観賞用の模型の形状を変化させることができ、ユーザーにとって異なる見た目とすることができる。
【0029】
各パーツに設けられた各磁石の一方は、各連結部よりも突き出た位置に設けられ、他方は、引っ込んだ位置に設けられている。このため、磁石は、パーツ同士が連結する際にガイドの役目を果たし、安定した係合が可能となる。
【0030】
本体部端部に磁石を使用することで、パーツ同士を適度な力で連結することができる。これにより、ユーザーの連結作業が容易になり、模型の損傷等を抑制することができるだけでなく、ユーザーが手指を怪我してしまうことも抑制することができる。
【0031】
4 変形例
4-1 変形例1:第1及び第2連結部1B,2Bの形状
図4図5A及び図5Bは、図2に示す各パーツの各連結部形状の別のバリエーションを示している。第1連結部1Bの形状及び第2連結部2Bの形状は、滑らかな波形状ではなく、急峻な山形状である。図2の構成では、幹の軸方向に回転外力を受けたとき、各連結部はお互い接触した状態で回転可能であるのに対し、本変形例1の構成は、ユーザーが意図的に回転させようとしたときに相対的に回転し難くなるが、意図しない力が加わっても安定した係合状態をより維持しやすいというメリットがある。
【0032】
なお、本変形例1の構成の他に、各連結部の形状は、矩形状の凹凸が櫛状に交互に形成されてもよい。つまり、変形例1の各連結部は、山形状であるため、鋭角の斜面を有するが、これに限定されるものではなく、各連結部は、鋭角の斜面の代わりに、各本体部の長手方向に立ち上がる面が形成された形態であってもよい。この構成では、ユーザーが意図的にパーツを回転させようとしたときに回転させることはできないため、ユーザーは各パーツを回転させるときに各パーツの連結を一旦解除する必要があるが、非常に安定した係合状態を維持することができる。
【0033】
4-2 変形例2:第1及び第2パーツ1,2の連結手段
磁石は必ずしも対である必要はなく、一方を鉄等の磁性体に置き換えても良い。また、磁石ではなく、例えば一方の本体部を凸形状にしたり、もう片方の本体部を凹形状にして係合するように連結させたりしても良い。また、磁石ではなく、面ファスナーやゲル状両面テープ、連結式プラスチック等でもよい。あるいは、各連結部のみで十分係合状態が保たれる場合は、各磁石あるいは上記連結手段はなくてもよい。
【0034】
4-3 変形例3:香り発生部
例えば、植物の模型であれば、パーツの中に香りを発生させる香り発生部を持たせ、関連する香りを発生させることができる。また、パーツの中に限らず、鉢や花、葉等の模型に埋め込み、香りを発生させても構わない。例えば、香り発生部は、香りを有する液体が貯留されたデフューザー等で構成することがでる。この場合、香り発生部は、例えば、ユーザーが模型に設けられたボタンを押すことで香り成分が吹き出るように構成することができる。変形例3では、ユーザーに癒しを提供することができる。
【0035】
4-4 変形例4:光発生部
例えば、植物の模型であれば、パーツの中に光を発生させる光発生部を持たせ、適当なタイミングで光を発生させることができる。また、パーツの中に限らず、鉢や花、葉等の模型に埋め込み、光を発生させても構わない。変形例4も、ユーザーに癒しを提供することができる。
【0036】
その他、枝、幹、鉢及び装飾品等の中に香り、蒸気、光、音等の五感を刺激する現象を発生させる装置と組み込み、ユーザーに癒しを提供する構成としてもよい。
【0037】
4-5 その他変形例
実施形態で説明した連結部(第1及び第2連結部1B,2B)の構成は、幹以外に、分枝、枝、葉、鉢等に設けられていても良い。また、模型は盆栽に限定されるものではなく、例えば、別の植物(例えば、幹、分枝、枝、葉等以外に花を有する植物)や動物(例えば、動物の関節に連結部を適用する)、又は食物等の模型であっても良い。
【0038】
第1本体部1Aと第1連結部1Bとは、一体成形されているが、第1本体部1Aと第1連結部1Bが別体で構成され、互いに連結されているものであってもよい。また、実施形態では、第1本体部1Aは第1充填部1A1を有しているが、第1磁石1Cが設けられる凹部1A11が形成できれば、必ずしも第1充填部1A1は設けなくても良い。
なお、ここでは第1パーツ1を例として説明したが、第2パーツ2についても同様である。
【0039】
各本体部(第1及び第2本体部1A,2A)の断面は円形に限らず多角形でもよい。また、各パーツ(第1及び第2パーツ1,2)の各本体部及び各連結部の径は、一定である必要はなく、任意の場所で任意の径に変化させても良い。
【0040】
各磁石(第1及び第2磁石1C,2C)は、設置可能な範囲内で2つ以上のパーツから構成されても良い。また、磁石断面形状は円形状でなくても多角形状であってもよい。また、各磁石の端面の位置は、各連結部の凸部の頂部の位置に一致していてもよい。更に、各磁石の一方を鉄等の磁性体に置き換えても良い。
【0041】
実施形態では、各パーツが磁石を有する形態であるが、磁石を有していなくてもよい。つまり、各磁石が設けられている部分が、樹脂であってもよい。この場合には、第1パーツ1及び第2パーツ2は、磁力を利用した連結は実現できないものの、構造的な凹凸による係合(凹状部と凸状部とによる係合)は実現されているので、互いに連結可能である。
【0042】
実施形態では、第1連結部1Bにおける凹凸(第1凹部1Br及び第1凸部1Bp)と、第2連結部2Bにおける凹凸(第2凸部2Bp及び第2凹部2Br)とが、係合するものとして説明したが、これに限定されるものではない。第1連結部1Bにおける凹凸と第2連結部2Bにおける凹凸とが、嵌合する形態であってもよい。第1連結部1Bにおける凹凸と第2連結部2Bにおける凹凸との嵌合は、例えば、凹凸のクリアランスを適宜調整することで、実現することができる。
また、実施形態では、凸状部Prが凹状部Rsに挿入されるものとして説明したが、ここで、凸状部Prが、凹状部Rsへ圧入され、凸状部Prと凹状部Rsとが嵌合するように構成されていてもよい。
【0043】
第1連結部1Bの第1凸部1Bpの数は、例えば、3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20のいずれかに設定してもよく、また、これらの値のうちの2つの範囲に設定してもよい。なお、第2連結部2Bの第2凹部2Brの数は、第1連結部1Bの第1凸部1Bpの数と同様である。
第1連結部1B及び第2連結部2Bの外径は、例えば、0.5cm,0.75cm,1.25cm,1.5cm,1.75cm,2cm,2.25cm,2.5cm,2.75cm,3cm,3.25cm,3.5cm,3.75cm,4cm,4.25cm,4.5cm,4.75cm,5cmのいずれかに設定してもよく、また、これらの値のうちの2つの範囲に設定してもよい。また、第1連結部1B及び第2連結部2Bの外径は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第1連結部1B及び第2連結部2Bの厚みは、例えば、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mmのいずれかに設定してもよく、また、これらの値のうちの2つの範囲に設定してもよい。また、第1連結部1B及び第2連結部2Bの厚みは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0044】
各本体部、各連結部は樹脂製が好ましいが、その限りではなく、例えば、紙や金属等であってもよい。
【0045】
第1パーツ1の第2パーツ2に対向しない側の端部は、葉などの装飾物が配置されても良いし、例えば、第1連結部1B及び第1磁石1C、又は、第2連結部2B及び第2磁石2Cが設けられていてもよい。第2パーツ2についても同様である。
【0046】
第1パーツ1及び第2パーツ2の各本体部は、各磁石が設置できれば必ずしも充填される必要はなく、空洞であっても良い。
【0047】
第1パーツ1は、第2パーツ2の各構成を更に有するようにしてもよく、同様に第2パーツ2は、第1パーツ1の各構成を更に有するようにしてもよい。すなわち、パーツによっては第1パーツ1及び第2パーツ2の両方の構成を有するようにしてもよい。
【0048】
第1パーツ1及び第2パーツ2の数に制限を設けなければ、より多くの第1パーツ1及び第2パーツ2を連結することにより、様々な形状や大きさの観賞用の模型を組み立てることができる。この場合、組み立てに用いる各パーツの種類や数はユーザーが適宜調整することができる。
【0049】
実施形態、上述した変形例は、単独で実施すること、あるいは各々を組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 :第1パーツ
1A :第1本体部
1A1 :第1充填部
1A11 :凹部
1A2 :第1外殻部
1B :第1連結部
1Bp :第1凸部
1Br :第1凹部
1C :第1磁石
1C1 :端面
2 :第2パーツ
2A :第2本体部
2A1 :第2充填部
2A11 :凹部
2A2 :第2外殻部
2B :第2連結部
2Bp :第2凸部
2Br :第2凹部
2C :第2磁石
2C1 :端面
51 :パーツ
100 :組立用パーツセット
Pr :凸状部
Rs :凹状部
Sf1 :端面
Sf2 :端面

図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021-02-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
観賞用の模型を組み立てるための少なくとも第1パーツ及び第2パーツを備えた組立用パーツセットであって、
前記第1パーツは、
第1本体部と、
前記第2パーツと連結するための第1連結部とを有し、
前記第1連結部は、第1凸部及び第1凹部を有し、
前記第2パーツは、
第2本体部と、
前記第1パーツと連結するための第2連結部とを有し、
前記第2連結部は、第2凸部及び第2凹部を有し、
前記第1凸部と前記第2凹部は係合可能であり、
前記第1凹部と前記第2凸部は係合可能であり、
前記第1パーツと前記第2パーツを連結したときに、前記第1パーツと前記第2パーツは互いに摩擦しながら回転可能である、ことを特徴とする組立用パーツセット。
【請求項2】
前記第1連結部は、前記第1凸部及び前記第1凹部により波形状に形成され、
前記第2連結部は、前記第2凸部及び前記第2凹部により波形状に形成されている、ことを特徴とする請求項に記載の組立用パーツセット。
【請求項3】
観賞用の模型を組み立てるための少なくとも第1パーツ及び第2パーツを備えた組立用パーツセットであって、
前記第1パーツは、
第1本体部と、
前記第2パーツと連結するための第1連結部と、
前記第1本体部の内部を充填する第1充填部とを有し、
前記第2パーツは、
第2本体部と、
前記第1パーツと連結するための第2連結部と、
前記第2本体部の内部を充填する第2充填部とを有し、
前記第1充填部又は前記第2充填部には、磁石が設けられている、ことを特徴とする組立用パーツセット。
【請求項4】
前記第1充填部は、前記第1連結部の先に突き出る凸状部を有する、ことを特徴とする請求項に記載の組立用パーツセット。
【請求項5】
前記第2充填部は、前記第2連結部の手前に窪む凹状部を有し、
前記第1パーツ及び前記第2パーツが連結している状態において、前記凸状部は、前記凹状部に挿入されている、ことを特徴とする請求項に記載の組立用パーツセット。
【請求項6】
前記凸状部及び前記凹状部のうちの少なくとも一方は、前記磁石を有し、
前記凸状部と前記凹状部は、前記磁石の磁力により引き合う、ことを特徴とする請求項に記載の組立用パーツセット。
【請求項7】
香りを発生させる香り発生部を有する、ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の組立用パーツセット。
【請求項8】
前記観賞用の模型は、植物の模型である、ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の組立用パーツセット。
【請求項9】
前記第1パーツ又は前記第2パーツは、前記植物の葉または花に対応するパーツである、ことを特徴とする請求項に記載の組立用パーツセット。
【請求項10】
香りを発生させる香り発生部を有し、
前記香りは前記植物の模型に関連する香りである、ことを特徴とする請求項に記載の組立用パーツセット。
【請求項11】
光を発生させる光発生部を有する、ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の組立用パーツセット。