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特開2022-66113企業タイアップ動画共有依頼獲得支援システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022066113
(43)【公開日】2022-04-28
(54)【発明の名称】企業タイアップ動画共有依頼獲得支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220421BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20220421BHJP
【FI】
G06Q30/02 446
G06Q30/06 312
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020175052
(22)【出願日】2020-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】520407172
【氏名又は名称】株式会社JIN
(74)【代理人】
【識別番号】100097548
【弁理士】
【氏名又は名称】保立 浩一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 隆史
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L049BB53
(57)【要約】
【課題】 超人気動画投稿者でなくともある程度の動画視聴回数が見込める動画投稿者について企業タイアップ動画の依頼を獲得するチャンスに恵まれるようにする。
【解決手段】 企業からの企業タイアップ動画の制作及び投稿の依頼について支援サーバ1から各投稿者端末3に応募ページが送信されて表示され、各動画投稿者が各投稿者端末3から応募情報を送信すると、案件管理ファイル23に記録される。依頼情報ファイル22には潜在的視聴回数指標の下限値が記録され、投稿者情報ファイル21には潜在的視聴回数指標が動画投稿者ごとに記録されている。応募した全動画投稿者の潜在的視聴回数指標の集計値が当該依頼についての潜在的視聴回数指標の下限値を超えた場合、それより後の応募情報の送信については案件管理ファイル23への記録はしない。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
企業が広告目的で動画を制作させて動画共有サイトに投稿させる依頼である企業タイアップ動画共有の一つの依頼を複数の動画投稿者が獲得する際に使用される企業タイアップ動画共有依頼獲得支援システムであって、
インターネット上の動画共有サイトに継続的に動画を投稿している各動画投稿者が操作する端末である各投稿者端末からのアクセスを受け付ける支援サーバと、
記憶部と
を備えており、
記憶部には、動画を投稿した場合に当該動画について視聴が見込める回数に関する指標である潜在的視聴回数指標を動画投稿者ごとに記録した投稿者情報ファイルと、企業タイアップ動画の制作及び投稿の依頼に関する情報を記録した依頼情報ファイルと、企業タイアップ動画の制作及び投稿の依頼についての動画投稿者からの応募に関する情報を記録した案件管理ファイルとが記憶されており、
支援サーバは、企業タイアップ動画の制作及び投稿の依頼について、動画投稿者がその依頼に応募する旨の情報である応募情報を送信することが可能な応募ページを各投稿者端末に送信して閲覧可能とするサーバであって、応募情報には、動画投稿者を特定可能な情報が含まれており、
依頼情報ファイルには、企業タイアップ動画の制作及び投稿の一つの依頼について企業が求める潜在的視聴回数指標の下限値である指標下限値が記録されているとともに、当該依頼について応募を行った複数の動画投稿者の潜在的視聴回数指標の合計である指標集計値とが記録されており、
支援サーバには、応募ページから応募情報が送信された際、当該応募情報を案件管理ファイルに記録する応募登録プログラムが実装されており、
応募登録プログラムは、送信された応募情報に係る動画投稿者の潜在的視聴回数指標を投稿者情報ファイルから取得するとともに当該応募情報に係る依頼についての指標集計値を依頼情報ファイルから取得してそれらを加算して指標集計値を更新するプログラムであって、更新後の指標集計値が当該依頼についての指標下限値を超えた場合、それより後の応募情報の送信については案件管理ファイルへの記録はしないプログラムであることを特徴とする企業タイアップ動画共有依頼獲得支援システム。
【請求項2】
前記応募登録プログラムは、前記指標下限値を割り増しした指標上限値を前記更新後の指標集計値が超えた場合、それより後の応募情報の送信については案件管理ファイルへの応募情報の記録はしないプログラムであることを特徴とする請求項1記載の企業タイアップ動画共有依頼獲得支援システム。
【請求項3】
前記投稿者情報ファイルには、各動画投稿者のメールアドレスが記録されており、
前記支援サーバには、企業タイアップ動画の制作及び投稿の依頼があった際、当該依頼があった旨と当該依頼についての前記応募ページへのアクセス情報とを含む電子メールを前記投稿者情報ファイルに記録された各メールアドレスに送信する依頼通知メール送信プログラムが実装されていることを特徴する請求項1又は2記載の企業タイアップ動画共有依頼獲得支援システム。
【請求項4】
前記潜在的視聴回数指標は、各動画投稿者が過去に制作して投稿した動画の所定期間における視聴回数であるか、又は各動画投稿者が制作して掲載した動画が優先的に視聴されるように設定している視聴者の数であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の企業タイアップ動画共有依頼獲得支援システム。
【請求項5】
応募した各動画投稿者が動画を制作して動画共有サイトに投稿を行った後の各動画の実際の視聴回数が前記案件管理ファイルに記録されており、
前記支援サーバ又は前記支援サーバにアクセス可能な管理用端末には、企業から支払われる又は支払われた全体の広告報酬を、前記案件管理ファイルに記録された視聴回数に応じて各動画投稿者に按分して各報酬額を算出する報酬算出プログラムが実装されていることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の企業タイアップ動画共有依頼獲得支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願の発明は、企業タイアップ動画を制作して動画共有サイトに投稿することで広告収入を得るビジネスを支援するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のインターネット上の動画共有サービスの普及には、目を瞠るものがある。著名な動画配信サイトの全世界での視聴者数は20億人とされており、注目を集めた動画については視聴回数が数十億回に達し、中には100億回を超える視聴回数を誇る動画も投稿されている。
動画共有サービスの普及の背景には、企業の広告活動との連動があることは言うまでもない。動画共有サービスにおける連動広告については、インストリーム広告やオーバーレイ広告等が知られているが、動画の視聴回数に応じた広告報酬が動画投稿者に支払われるため、多くの者が動画を投稿し、その中から驚異的な視聴回数の動画も生まれてくる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-090509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような動画共有サイトの高い露出能力に着目にし、企業側にも新たな動きが出てきている。その一つが、企業タイアップ動画の配信である。企業タイアップ動画配信は、人気のある動画投稿者に企業が動画制作を依頼して投稿してもらう形の動画配信である。依頼の際には、広告対象の商品を使って動画を制作してもらう等、広告対象の商品又はサービスに関連づけて動画を制作してもらうようにする。そして、そのような動画を投稿して多くの者が視聴することで当該商品又はサービスについて大きな広告効果が期待できる。
企業タイアップ動画の場合、動画投稿者には、依頼時(又は動画投稿時)に報酬が支払われ、さらに動画の視聴回数に応じた報酬も支払われるため、非常に魅力的な活動となっている。
【0005】
しかしながら、企業タイアップ動画共有の依頼は、数多くのチャンネル登録者又はフォロワーを抱えている一人握りの超人気動画投稿者に限られているのが現状である。このため、企業タイアップ動画がいかに魅力的であっても、そのように数多くのチャンネル登録者又はフォロワーを持たない動画投稿者にとっては、企業タイアップ動画の依頼を獲得できることができず、報酬を得るチャンスに恵まれていない。
本願の発明は、企業広告連動型の動画共有としての企業タイアップ動画共有における上記課題を解決するために為されたものであり、超人気動画投稿者でなくともある程度の動画視聴回数が見込める動画投稿者について企業タイアップ動画の依頼を獲得するチャンスに恵まれるようにするための技術的手段を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、この明細書において、企業タイアップ動画共有依頼獲得支援システムが開示される。この支援システムは、企業タイアップ動画共有依頼を複数の動画投稿者が獲得する際に使用されるシステムである。この支援システムは、インターネット上の動画共有サイトに継続的に動画を投稿している各動画投稿者が操作する端末である投稿者端末からのアクセスを受け付ける支援サーバと、記憶部とを備えている。
記憶部には、動画を投稿した場合に当該動画について視聴が見込める回数に関する指標である潜在的視聴回数指標を動画投稿者ごとに記録した投稿者情報ファイルと、企業タイアップ動画の制作及び投稿の依頼に関する情報を記録した依頼情報ファイルと、企業タイアップ動画の制作及び投稿の依頼についての動画投稿者からの応募に関する情報を記録した案件管理ファイルとが記憶されている。
支援サーバは、企業タイアップ動画の制作及び投稿の依頼について、各動画投稿者がその依頼に応募する旨の情報である応募情報を送信することが可能な応募ページを投稿者端末に送信して閲覧可能とするサーバであり、応募情報には、動画投稿者を特定可能な情報が含まれている。
依頼情報ファイルには、企業タイアップ動画の制作及び投稿の一つの依頼について企業が求める潜在的視聴回数指標の下限値である指標下限値が記録されているとともに、当該依頼について応募を行った複数の動画投稿者の潜在的視聴回数指標の合計である指標集計値とが記録されている。
支援サーバには、応募ページから応募情報が送信された際、当該応募情報を案件管理ファイルに記録する応募登録プログラムが実装されている。応募登録プログラムは、送信された応募情報に係る動画投稿者の潜在的視聴回数指標を投稿者情報ファイルから取得するとともに当該応募情報に係る依頼についての指標集計値を依頼情報ファイルから取得してそれらを加算して指標集計値を更新するプログラムであって、更新後の指標集計値が当該依頼についての指標下限値を超えた場合、それより後の応募情報の送信については案件管理ファイルへの記録はしないプログラムである。
また、この企業タイアップ動画共有依頼獲得支援システムにおいて、応募登録プログラムは、指標下限値を割り増しした指標上限値を更新後の指標集計値が超えた場合、それより後の応募情報の送信については案件管理ファイルへの記録はしないプログラムであり得る。
また、この企業タイアップ動画共有依頼獲得支援システムは、投稿者情報ファイルには各動画投稿者のメールアドレスが記録されており、支援サーバには、企業タイアップ動画の制作及び投稿の依頼があった際、当該依頼があった旨と当該依頼についての前記応募ページへのアクセス情報とを含む電子メールを前記投稿者情報ファイルに記録された各メールアドレスに送信する依頼通知メール送信プログラムが実装されているという構成を持ち得る。
また、この企業タイアップ動画共有依頼獲得支援システムにおいて、潜在的視聴回数指標は、各動画投稿者が過去に制作して投稿した動画の所定期間における視聴回数であるか、又は各動画投稿者が制作して掲載した動画が優先的に視聴されるように設定している視聴者の数であり得る。
また、この企業タイアップ動画共有依頼獲得システムは、応募した各動画投稿者が動画を制作して動画共有サイトに投稿を行った後の各動画の実際の視聴回数が案件管理ファイルに記録されており、支援サーバ又は支援サーバにアクセス可能な管理用端末には、企業から支払われる又は支払われた全体の広告報酬を、案件管理ファイルに記録された視聴回数に応じて各動画投稿者に按分して各報酬額を算出する報酬算出プログラムが実装されているという構成を持ち得る。
【発明の効果】
【0007】
以下に説明する通り、開示された発明に係る企業タイアップ動画共有依頼獲得支援システムによれば、企業側からのタイアップ動画共有の依頼を複数の動画投稿者に対して通知し、複数の動画投稿者がその依頼を獲得できるようにしており、それら動画投稿者の潜在的視聴回数指標の合計が企業側の要求を満たすようにしているので、特に人気のある動画投稿者でなくとも企業タイアップ動画共有の依頼を獲得して参画することができ、それによる報酬を受け取ることができる。
企業側にとっても、複数の動画投稿者が同一の広告対象についてタイアップ動画を各々制作して投稿するので、見込みより視聴回数が少なくなるというリスクが分散により低減する。また、依頼の手間についても、運営事業者に依頼をするだけで良く、個々の動画投稿者に直接依頼する必要がないので、簡便性に欠けることはない。
企業タイアップ動画の制作及び投稿の依頼があった際に依頼があった旨と応募ページへのアクセス情報とを含む電子メールが各投稿者端末に送信される構成では、各動画投稿者が応募をし忘れてしまうことが少なくなり、また応募ページへのアクセスが簡便になるので、好適となる。
また、各動画投稿者に支払う報酬について、各動画の視聴回数に応じて按分して算出する報酬算出プログラムが実装されている構成では、各動画投稿者に公平に簡便に報酬を支払うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態の企業タイアップ動画共有依頼獲得支援システムの概略図である。
図2】投稿者情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
図3】依頼情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
図4】案件管理ファイルの構造の一例を示した概略図である。
図5】依頼通知メール送信プログラムにより各投稿者端末に送信された依頼通知メールの一例を示した概略図である。
図6】依頼通知メール送信プログラムの概略を示したフローチャートである。
図7図5に示すような依頼通知メールからアクセスされる応募ページの一例を示した概略図である。
図8】応募登録プログラムの概略を示したフローチャートである。
図9】応募受付確認メール送信プログラムにより送信された応募受付確認メールの一例を示した概略図である。
図10】視聴回数モニタプログラムの概略を示したフローチャートである。
図11】報告プログラムにより作成されたレポートの一例を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、この出願の発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
図1は、実施形態の企業タイアップ動画共有依頼獲得支援システムの概略図である。図1に示す企業タイアップ動画共有依頼獲得支援システムは、企業タイアップ動画共有依頼を複数の動画投稿者が獲得する際に使用されるシステムである。企業タイアップ動画とは、企業が広告目的で制作させる動画であり、通常、動画の内容が広告対象の商品又はサービスと関連づけられている。企業タイアップ動画共有依頼とは、そのような動画を制作して動画投稿サイトに投稿することの依頼である。尚、この明細書において、動画の「共有」とは、動画を動画共有サイトに投稿して動画共有サイトから配信する(動画共有サイトのサーバに配信させる)ことを意味する。
【0010】
実施形態の企業タイアップ動画共有依頼獲得支援システム(以下、支援システムと略称する。)は、図1に示す通り、支援サーバ1と、記憶部2とを備えている。
支援サーバ1は、インターネット9上のサーバであり、各種ウェブページをホストするサーバ(ウェブサーバ)である。支援サーバ1には、インターネット9上の動画共有サイトに継続的に動画を投稿している各動画投稿者が操作する端末(以下、投稿者端末という。)3からのアクセスがされることが予定されている。「継続的に動画を投稿している動画投稿者」とは、フォロワーやチャンネル登録者といった当該動画を継続的に視聴している者が相当数いる動画投稿者を意味する。
【0011】
記憶部2は、支援サーバ1に設けられたハードディスク等の記憶装置となっている。但し、記憶部2は、支援サーバ1とは別に設けられたコンピュータ上の記憶装置であっても良いし、ストレージサーバのように支援サーバ1とは別に設けられたサーバ上の記憶装置であっても良い。
実施形態の支援システムは、各動画投稿者と、企業タイアップ動画共有を依頼する企業との仲介を業とする事業者によって運営される。以下、この事業者を運営事業者という。図1に示すように、運営事業者においては、担当者が操作する管理用端末4が設けられている。管理用端末4は、特別なアクセス権限により支援サーバ1にアクセスすることが想定されている。
尚、図1では、支援サーバ1は、運営事業者の社内サーバのように描かれているが、これは一例であり、外部のホスティングサービスを利用している場合のように支援サーバ1が社外に置かれている場合もある。また、管理用端末4についても、運営事業者の社内LANを介して支援サーバ1につながっている場合の他、インターネット9を介して支援サーバ1につながっている場合もある。
【0012】
記憶部2には、投稿者情報ファイル21が記憶されている。投稿者情報ファイル21は、企業タイアップ動画共有依頼の獲得の際に実施形態の支援システムを利用することが許された者を登録したデータベースファイルである。図2は、投稿者情報ファイル21の構造の一例を示した概略図である。
投稿者情報ファイル21の主たる目的は、企業タイアップ動画共有依頼に応募する各動画投稿者の能力を予め評価して記録しておくことである。動画投稿者の能力とは、端的には、当該動画投稿者が動画を投稿したらどれくらいの視聴回数があるかということであり、動画の潜在的な視聴回数についての指標(潜在的視聴回数指標)である。
【0013】
潜在的視聴回数指標としては、まず考えられるのは、当該動画投稿者の過去の実績、即ち過去に投稿した動画の視聴回数である。この場合、直近の視聴回数が当該動画投稿者の能力をより正確に反映しているから、過去一週間とか過去一ヶ月といった直近の所定期間の視聴回数(以下、直近視聴回数という)が潜在的回数指標として好ましい。
別の観点では、潜在的視聴回数指標は、チャンネル登録者数やフォロワー数といった名称の指標である。これらの指標は、当該動画投稿者が新たに動画を投稿したら自動的に通知がされるユーザーの数であり、当該動画投稿者に注目しているユーザー数である(以下、注目者数という)。
【0014】
この実施形態では、これら潜在的視聴回数指標についてそれぞれ投稿者情報ファイル21に記録している。具体的に説明すると、図2に示すように、投稿者情報ファイル21は、「投稿者ID」、「パスワード」、「ハンドル名」、「責任者氏名」、「責任者住所」、「責任者電話番号」、「投稿者メールアドレス」、「潜在指標1」、「潜在指標2」等のフィールドを含むレコードを記録したデータベースファイルである。
「投稿者ID」は、支援システムにおいて動画投稿者を一意に識別するためのIDである。
「ハンドル名」は、動画共有サイトに投稿する際のハンドル名であり、チャンネル登録者やフォロワーは、この投稿ハンドル名に対してチャンネル登録をしたり、フォロワー登録をしたりする。
【0015】
「責任者氏名」は、この支援システムによって企業タイアップ動画共有依頼獲得をする主体の責任者の氏名が記録されるフィールドである。投稿者が個人一人である場合、投稿ハンドル名で投稿をしている者の実名がここでの責任者氏名である。あるグループや組織において動画を制作して投稿している場合、そのグループ等における責任者(リーダー)の氏名(実名)である。「責任者住所」は、このような責任者の住所が記録されるフィールドである。「投稿者メールアドレス」は、投稿者との連絡用のメールアドレスが記録されるフィールドである。
【0016】
「潜在指標1」は、直近視聴回数が記録されるフィールドであり、例えば過去一ヶ月の視聴回数を記録したフィールドである。「潜在指標2」は、注目者数が記録されるフィールドであり、チャンネル登録者数、フォロワー数のように新規投稿があった際に通知がされるユーザー数を記録したフィールドである。
この他、投稿者情報ファイル21には、企業タイアップ動画共有に対する報酬を受け取るための銀行口座の情報も記録されている。
【0017】
このような投稿者情報ファイル21は、各動画投稿者から申請があった場合、運営事業者において審査をした後に投稿者情報ファイル21に記録をして登録を行う。担当者は、管理用端末4を使用して支援サーバ1にアクセスし、記憶部2上の投稿者情報ファイル21に新規レコードを追加して上記各情報を記録する。尚、潜在的視聴回数指標については、申請者(登録を欲する投稿者)からの申告を動画共有サイトにおいて確認してから記録を行う。即ち、動画共有サイトが公表している正式なデータ(視聴回数やチャンネル登録数等)と照合してから登録を行う。誤っている場合、動画共有サイトの正式データで訂正をしてから登録を行う。
【0018】
運営事業者は、多くの動画投稿者に登録を募り、申請をしてもらって審査の後に上記のように登録を行う。申請については、支援サーバ1を利用してウェブサイトで行う場合もあるし、書面に記入して郵送で行う場合もある。いずれの場合にも、個人であれば住民票等を送付してもらい、法人であれば登記簿謄本等を送付してもらい、本人確認等を適切に行いながら登録をする。
【0019】
また、記憶部2には、各企業から依頼された案件(企業タイアップ動画共有依頼)についての募集を管理するためのデータベースファイルである依頼情報ファイル22が記録されている。図3は、依頼情報ファイル22の構造の一例を示した概略図である。
図3に示すように、依頼情報ファイル22は、「依頼ID」、「企業名」、「広告対象名」、「投稿期限」、「指標下限値」、「指標上限値」、「募集開始日」、「応募期限」、「応募者数」、「指標集計」、「募集打ち切り日」等のフィールドから成るデータベースファイルである。
「依頼ID」は、各企業からのタイアップ動画共有依頼1件について1個付与されるIDであり、依頼情報ファイル22の各レコードを一意に識別するIDである。
「企業名」は各依頼を行った企業の名前、「広告対象名」は広告対象である商品又はサービスの名前がそれぞれ記録されるフィールドである。
「投稿期限」は、企業タイアップ動画を動画共有サイトに投稿する期限を記録するフィールドであり、応募して依頼を獲得した各動画投稿者はこの日までに動画を投稿することが義務づけられる。
【0020】
「指標下限値」は、当該依頼について所定期間内の潜在的視聴回数指標の下限値が入力されるフィールドである。この値は、通常、依頼を行う企業からの要求である。例えば、一ヶ月での最低視聴回数が30万回という指標が要求される場合、「300000」という数値が「指標下限値」に記録される。この場合、投稿者情報ファイル21における「潜在指標1」における期間は、「指標下限値」における期間と同一の期間とされる。つまり、投稿者情報ファイル21において、一ヶ月単位で潜在的視聴回数指標を設定している場合、企業からの依頼も、一ヶ月単位でどの程度の視聴回数を欲しているかということで下限値を提示してもらい、「指標下限値」に記録する。
【0021】
「指標上限値」は、募集を打ち切る際の指標の値である。後述するように、実施形態の支援システムでは、募集に参加した全動画投稿者の潜在的視聴回数指標の合計が一定値に達したら募集を打ち切る構成が採用されている。この打ち切りを行う際の値が「指標上限値」である。指標上限値についても、潜在的視聴回数指標における所定期間内は、投稿者情報ファイル21の「潜在指標1」における期間と同一となっている。
【0022】
「募集開始日」には、募集を開始した日、即ち依頼通知メールが送信された日が記録される。「応募期限」は、応募が可能な期限が記録される。企業からのタイアップ動画共有依頼は、動画の配信開始期限(投稿期限)が依頼内容として含まれており、これから逆算して、動画制作の日数等を考慮して応募期限が決められて記録される。
「応募者数」は、その時点での応募者数の合計が記録されるフィールド、「指標集計」は、その時点での全応募者の潜在的視聴回数指標(この例では直近視聴回数)の合計が記録されるフィールドである。「募集打ち切り日」は、募集打ち切りを行った日付が記録されるフィールドである。
【0023】
このような依頼情報ファイル22は、企業タイアップ動画共有の依頼があった際、運営事業者における担当者が管理用端末4を操作して入力し、各フィールドの値を記録する。支援サーバ1(管理用端末4でも良い)には、依頼情報ファイル22に新規レコードを追加する依頼登録プログラム19が実装されている。依頼登録プログラム19は、依頼IDを自動生成するコードを含んでおり、生成した依頼IDを「依頼ID」に記録する。即ち、新規の依頼があるたびに、依頼IDが新規に生成されて応募状況ファイルの新規レコードに記録される。
【0024】
さらに、記憶部2には、各企業タイアップ動画共有依頼についてそれぞれ作成される管理用のファイル(以下、案件管理ファイルという。)23が記憶されている。図4は、案件管理ファイル23の構造の一例を示した概略図である。
案件管理ファイル23は、例えば依頼IDを使用したファイル名とする等の方法により、依頼IDに紐づけられた状態で作成される。依頼情報ファイル22に案件管理ファイル23のファイル名を記録したフィールドを設けておいても良い。
【0025】
図4に示すように、案件管理ファイル23は、「参加投稿者ID」、「参加投稿者ハンドル名」、「潜在指標1」、「応募受付日」、「確認連絡日」、「動画URL」、「現在視聴回数」、「コンプラ確認日」、「最終視聴回数」等のフィールドから成るデータベースファイルである。
「参加投稿者ID」は、動画投稿者のうち、当該依頼に応募して登録がされた投稿者の投稿者IDが記録されるフィールドである。案件管理ファイル23では、参加する1投稿者に1レコードが記録され、各レコードは投稿者IDで識別される。
「参加投稿者ハンドル名」は当該投稿者IDに係る投稿者のハンドル名、「潜在指標1」は当該投稿者に係る直近視聴回数であり、投稿者情報ファイル21での値が転記される。
【0026】
「応募受付日」は、当該投稿者が依頼に応募した日にちが記録される。「確認連絡日」は、運営事業者から当該投稿者に動画共有依頼の応募受け付けの確認の連絡をした際の日にちが記録される。
「動画URL」は、投稿された動画のURLが記録されるフィールド、「現在視聴回数」は、当該動画の視聴回数について記録するフィールドであり、定期的に更新がされる。「コンプラ確認日」は、投稿された動画についてのコンプライアンス等を運営事業者が確認した日にちが入力されるフィールドであり、「最終視聴回数」は、ある時期で集計を打ち切った際の最終的な動画視聴回数が記録されるフィールドである。
【0027】
一方、支援サーバ1は、企業タイアップ動画共有依頼について動画投稿者が応募する旨の情報である応募情報を送信することが可能な応募ページを提供するサーバとなっている。応募ページは、投稿者情報ファイル21に登録された投稿者のみが閲覧できるページである。この実施形態では、企業タイアップ動画共有の依頼があった際、その旨を電子メールで各動画投稿者に通知するようになっており、支援サーバ1には、各投稿者端末3にこの電子メール(以下、依頼通知メールという。)を送信する依頼通知メール送信プログラム191が実装されている。
【0028】
図5は、依頼通知メール送信プログラム191により各投稿者端末3に送信された依頼通知メールの一例を示した概略図である。
図5に示すように、依頼通知メールには、企業タイアップ動画共有依頼をした企業名、広告対象の商品又はサービスの名前、応募期日、動画投稿期限等が記載されている。それとともに、依頼通知メールには、支援サーバ1が提供する応募ページを表示するためのコード(応募ページ表示用コード)が組み込まれている。この例では、応募ページ表示用コードは、支援サーバ1に実装された応募ページ表示プログラム18の実行コードであり、依頼IDと投稿者IDとが組み込まれたハイパーリンク51である。
【0029】
図6は、依頼通知メール送信プログラム191の概略を示したフローチャートである。依頼通知メール送信プログラム191は、上述した新規依頼を依頼情報ファイル22に記録する依頼登録プログラム19のサブルーチンとして実行される。この際、依頼通知メール送信プログラム191には、生成した依頼IDが引数として渡される。
図6に示すように、依頼通知メール送信プログラム191は、投稿者情報ファイル21の各レコードから投稿者IDとメールアドレスとを取得する。そして、依頼IDで依頼情報ファイル22を検索して「企業名」や「広告対象名」等を取得し、これらをメールテンプレートに組み込んで依頼通知メールを生成する。この際、依頼通知メール送信プログラム191は、依頼IDと投稿者IDとを組み込んで応募ページ表示用コードを生成する。この例では、依頼IDと投稿者IDとを引数にして応募ページ表示プログラム18を実行するコードをハイパーリンク51として生成する。そして、図5に示すように依頼通知メールに組み込み、取得したメールアドレスに送信する。投稿者情報ファイル21の全てのレコードについて上記処理を行うと、依頼通知メール送信プログラム191は終了である。
【0030】
図7は、図5に示すような依頼通知メールからアクセスされる応募ページの一例を示した概略図である。図5に示すハイパーリンク51が押されると、パスワードを入力するページが表示され(投稿者IDは引数で渡されたものをデフォルトで表示)、ここでパスワードが正しく入力されて送信ボタンが押されると、ログインがされ、図7に示すような応募ページが投稿者端末3において表示される。この際、環境変数には、投稿者ID及び依頼IDが保持される。
【0031】
応募ページ表示プログラム18は、依頼IDで依頼情報ファイル22を検索し、各情報を取得して応募ページに組み込む。したがって、図5に示すように、応募ページでは、依頼通知メールで通知した内容(企業名、広告対象の名前、応募期日、動画投稿期日等)が確認的に表示される。また、企業側から依頼に際してのコメントがある場合があり、それも併せて表示される場合もある。コメントとは、例えば広告宣伝の趣旨や目的、タイアップ動画として好ましい内容の例とかである。
【0032】
さらに、図7に示すように、応募ページには、投稿者のハンドル名、責任者氏名等が確認のため表示される。これらの情報は、応募ページ表示プログラム18が投稿者IDにより投稿者情報ファイル21を検索して取得して表示する。
図7に示すように、応募ページには、応募ボタン52が設けられている。一方、支援サーバ1には応募登録プログラム11が実装されている。応募ボタン52には、「この企業タイアップ動画共有依頼に応募します。宜しいですか?」というような確認メッセージを表示するページがリンクしており、このページに設けられたOKボタンは、支援サーバ1上の応募登録プログラム11の実行ボタンとなっている。
【0033】
図8は、応募登録プログラム11の概略を示したフローチャートである。
前述したように、応募登録プログラム11は、応募ページにおいて応募ボタン52が押され、確認ページでOKボタンが押されると実行される。応募登録プログラム11は、まず、ログインの際に保持された依頼IDを取得し、依頼情報ファイル22を検索する。そして、該当レコードの「募集打ち切り日」がNull値かどうか判断する。Null値でなければ、募集は打ち切られているので、その旨のエラーメッセージを投稿者端末3に送信してプログラムを終了する。
【0034】
「募集打ち切り日」がNull値であれば、応募登録プログラム11は、ログインの際に保持された投稿者IDを取得し、投稿者IDで投稿者情報ファイル21を検索する。そして、該当レコードの「潜在指標1」のフィールドの値(直近視聴回数)を取得し、また依頼情報ファイル22の当該レコードの「指標集計」の値を取得する。これら二つの値を加算し、それが「指標上限値」を越えているかどうか判断する。越えている場合、当該依頼情報ファイル22の「募集打ち切り日」にプログラムの実行日を記録する。越えていない場合、越えている場合のいずれにおいても、応募登録プログラム11は、「指標集計」のフィールドに加算後の値を記録する。また、案件情報ファイルに新規レコードを追加し、投稿者ID、ハンドル名、直近視聴回数、応募受付日等を記録する。その上で、依頼ID及び投稿者IDを引数にして応募受付確認メール送信プログラム12を実行する。
【0035】
図9は、応募受付確認メール送信プログラムにより送信された応募受付確認メールの一例を示した概略図である。
図9に示すように、応募受付確認メールでは、応募が受け付けられ、企業タイアップ動画共有依頼について依頼先の一つとして依頼がされた旨(依頼を獲得した旨)が記載されている。それとともに、動画投稿の期限日や、コンプライアンスその他の企業広告として遵守すべき条件等が記載されている。
尚、支援サーバ1には、投稿された動画のURLを登録する動画URL登録プログラム13が実装されている。図9に示すように、応募受付確認メールには、動画URL登録プログラム13の実行コード(この例ではハイパーリンク)53が埋め込まれている。
【0036】
動画URL登録プログラム13は、ログイン後に動画URLを入力させるためのページを投稿者端末3に表示し、そこで入力されたURLを案件管理ファイル23に記録するプログラムである。即ち、実行コードには依頼IDが含まれており、依頼IDにより該当する依頼の案件管理ファイル23について投稿者IDで検索し、該当するレコードの「動画URL」に入力されたURLを記録するようプログラミングされている。
【0037】
尚、支援サーバ1には、打ち切りメール送信プログラム14が実装されている。応募登録プログラム11は、直近視聴回数を加算した「指標集計」の値が「指標上限値」を越えたので「募集打ち切り日」にプログラムの実行日を記録した場合、サブルーチンとして、打ち切り通知メールを各投稿者端末3に送信する打ち切りメール送信プログラム14を実行する。打ち切り通知メールは、応募した動画投稿者による見込み視聴回数が予定を越えたので応募を打ち切る旨を記載したメールである。
【0038】
このような支援システムにおいて、支援サーバ1には、依頼に基づいて制作させて投稿される動画の視聴回数を逐次把握して案件管理ファイル23や依頼情報ファイル22に記録する視聴回数モニタプログラム15が実装されている。
図10は、視聴回数モニタプログラム15の概略を示したフローチャートである。視聴回数モニタプログラム15は、例えば1日1回というように定期的に自動実行されるファイルである。例えば、毎日午前0時に自動実行される。
【0039】
視聴回数モニタプログラム15は、各案件管理ファイル23について実行される。図10に示すように、視聴回数モニタプログラム15は、依頼情報ファイル22を開き最初のレコードの「依頼ID」の値を取得する。そして、それに対応した案件管理ファイル23を開き、最初のレコードの「動画URL」の値を取得する。この値がNull値でない場合、当該URLで視聴回数取得用のサブルーチン(視聴回数取得モジュール)を実行する。
この実施形態では、企業タイアップ動画が投稿される動画共有サイトは、特定の一つのサイトに限定されている。多くの動画共有サイトでは、投稿された動画の視聴回数(その時点での視聴回数)を取得するコードを公開している。したがって、視聴回数取得モジュールは、公開されているコードを利用して視聴回数を取得するようコーディングされている。
【0040】
視聴回数取得モジュールから戻り値(視聴回数)が戻されると、視聴回数モニタプログラム15は、戻り値を案件管理ファイル23の当該レコードの「現在視聴回数」に上書きして記録する。そして、案件管理ファイル23の次のレコードについて同様に処理を繰り返す。案件管理ファイル23の最後のレコードについて処理を終えたら、視聴回数モニタプログラム15は、当該案件について依頼情報ファイル22の「最終視聴回数」の値を更新する。即ち、案件情報ファイルの各レコードの「現在視聴回数」の値を次々に加算して全体の視聴回数を取得し、視聴回数の総計を依頼情報ファイル22の「最終視聴回数」に上書きして記録する。
【0041】
次に、視聴回数取得モジュールは、依頼情報ファイル22の次のレコードについて同様に処理を繰り返す。即ち、次のレコードの「依頼ID」を読み込み、これに対応した案件管理ファイル23を開く。そして、同様に各レコードにおいて「動画URL」を取得し、Null値でない場合、視聴回数取得モジュールを実行して戻り値を「現在視聴回数」に記録する。最後のレコードまで処理を終えたら、その案件情報ファイルについて各レコードの「現在視聴回数」を合計して依頼情報ファイル22の該当レコードの「最終視聴回数」を更新する。依頼情報ファイル22の全てのレコードについて処理が終了すると、視聴回数モニタプログラム15は終了である。
【0042】
支援サーバ1には、企業タイアップ動画共有依頼が各投稿者において実行された結果をまとめて依頼元の企業に報告するための報告プログラム16が実装されている。図11は、報告プログラムにより作成されたレポート(以下、動画共有プロジェクトレポートという。)の一例を示した概略図である。
図11に示すように、動画共有プロジェクトレポートは、依頼をした企業名や広告対象名が確認のために記載され、タイアップ動画の公開期間が記載されている。公開期間は、企業側が指定した動画公開日から報告プログラム16の実行日までの期間である。もしくは、公開期間が企業側から指定されている場合、その期間で区切ってレポートが作成されるので、その期間が記載される。
そして、図11に示すように、動画共有プロジェクトレポートには、依頼を獲得して動画を投稿した各動画投稿者のハンドル名、投稿した動画のURL、最終的な視聴回数がリストの状態で記載されている。その上で、最終総視聴回数が記載されている。この数字が全体の広告実績であることは、言うまでもない。
【0043】
報告プログラム16は、適宜の時期に、管理用端末4からのアクセスにより実行される。管理用端末4には、企業名や広告対象名を入力することで依頼情報ファイル22を検索し、依頼IDを取得する依頼検索プログラムが実装されている。そして、依頼IDを引数にして報告プログラム16を実行することで、図11に示すような動画共有プロジェクトレポートが作成される。報告プログラム16は、依頼IDで依頼情報ファイル22を検索し、該当するレコードから企業名や広告対象名等を取得するとともに、対応する案件管理ファイル23を開き、各レコードの「ハンドル名」、「動画URL」、「現在視聴回数」の各値を取得する。そして、図11に示すようにリスト表示する。その上で、「現在視聴回数」の値の合計値を算出して、最終総視聴回数として記載する。報告プログラム16は、PDFのようなファイル形式でこのような動画共有プロジェクトレポートを作成して終了する。
【0044】
支援サーバ1又は管理用端末4には、一つの企業タイアップ動画共有依頼に対して応募した各動画投稿者に対して支払い報酬を計算するためのプログラム(以下、報酬算出プログラム)17が実装されている。以下、この点について説明する。
各動画投稿者への報酬については、企業から運営事業者に対する報酬の支払われ方により異なる。即ち、企業から運営事業者への報酬の支払われ方については、固定型と成功報酬型とがあり得る。前者は、実際の視聴回数にかかわらず、一定額が支払われる場合である。この場合でも、視聴回数の下限値をクリアすることが条件とされる場合が多い。後者は、視聴回数に応じた報酬が支払われる場合である。この場合の視聴回数は、投稿された全動画の最終視聴回数(最終総視聴回数)である。
【0045】
まず、固定型の場合の報酬算出プログラム17について説明すると、報酬算出プログラム17は、企業から支払われる報酬について、運営事業者が得る手数料の額をまず差し引き、残りの額について最終視聴回数に応じて各動画投稿者に配分するようプログラミングされる。即ち、最終総視聴回数に対して各動画の最終視聴回数の割合を計算し、手数料控除後の額にこの割合を掛け算して各動画投稿者の報酬を算出する。
成功報酬型の場合、上記のような動画共有プロジェクトレポートを企業側に提出する際に最終総視聴回数に基づいて運営事業者から企業側に請求書が発行され、これに基づいて企業側から報酬が支払われる。この場合も、報酬算出プログラム17は、運営事業者の手数料を差し引いた後、最終総視聴回数に対する各動画の最終視聴回数の割合を算出し、手数料控除後の額にこの割合を掛け算して各動画投稿者の報酬を算出するようプログラミングされる。
【0046】
上記のような構成に係る実施形態の支援システムの全体の動作について、以下に説明する。
運営事業者は、動画共有サイトに動画を定常的に投稿している動画投稿者に、支援システムへの登録を募る。これに応じた動画投稿者は、申請書を運営事業者に送り、審査の後、登録される。即ち、投稿者情報ファイル21に投稿者の情報が記録される。企業タイアップ動画の投稿によって報酬を得ようとする多くの動画投稿者が申請をし、審査の後、登録される。
【0047】
一方、運営事業者は、各企業に企業タイアップ動画共有について説明し、利用を募る。これに応じた企業は、自社の商品又はサービスについて企業タイアップ動画共有による広告宣伝を運営事業者に依頼をする。この際、広告対象の商品又はサービスやどのような動画が望ましいかの説明をする。また、必要な視聴回数下限値とその期間、さらに支払う用意がある報酬について運営事業者に伝える。運営事業者における担当者は、依頼に基づき、管理用端末4を操作し、依頼登録プログラムを実行する。これにより依頼情報ファイル22に新規レコードが追加されて各情報が記録され、サブルーチンとして依頼通知メール送信プログラム191が実行される。これにより、図5に示すような依頼通知メールが各動画投稿者(登録されている動画投稿者)の投稿者端末3に送信される。また、依頼IDに対応した形で案件管理ファイル23が新たに生成され、記憶部2に記憶される。
【0048】
各動画投稿者は、依頼通知メールに見て、応募するかどうか検討する。この検討には、広告対象の商品又はサービスにとって自分のところの視聴者層が適しているかの検討が含まれる。例えば、自分が投稿している動画の視聴者層が主に主婦層である場合に男性用化粧品の企業タイアップ動画共有依頼については視聴回数を上げることが難しく、適していないと判断されるからである。ある程度の視聴回数を上げることができると判断される場合、動画投稿者は募集に応じることを決断し、依頼通知メールにある応募ページ表示用コードを実行し、応募ページを投稿者端末3に表示する。
【0049】
動画投稿者は、応募ページに募集内容を再確認した後、応募ボタン52を押し、確認ページでOKボタンを押して支援サーバ1に応募登録プログラム11を実行させる。応募登録プログラム11は、案件管理ファイル23に新規レコードを追加し、投稿者IDや直近視聴回数、注目者数等を記録する。また、依頼情報ファイル22の当該レコードの「指標集計」の値に、当該投稿者の直近視聴回数を加算して更新する。
【0050】
このようにして複数の動画投稿者が応募を行い、それらの情報が案件管理ファイル23にそれぞれ記録され、依頼情報ファイル22の「指標集計」の値が加算されていく。そして、「指標集計」の値が「指標下限値」を上回った段階で、応募登録プログラム11は、依頼情報ファイル22の「応募打ち切り日」にプログラム実行日を記録する。そして、サブルーチンとして、打ち切りメール送信プログラム14を実行する。
【0051】
応募を行った各動画投稿者には、応募受付確認メールが送信される。各動画投稿者は、動画投稿期限やコンプライアンス等の各必要条件を確認し、動画制作に入る。そして、動画が完成したら、動画共有サイトに投稿する。そして、投稿者端末3により支援サーバ1にアクセスし、動画URL登録プログラム13を実行させ、投稿した動画のURLを案件管理ファイル23の該当レコードに記録させる。
【0052】
一方、運営事業者は、投稿された動画を実際に視聴して確認し、コンプライアンス等の観点から問題がないかどうかチェックする。そして、問題がある場合、それを当該動画を投稿した動画投稿者に通告し、動画を動画共有サイトから削除するよう要請する。
また、支援サーバ1上の視聴回数モニタプログラム15が定期的に自動実行され、各動画の視聴回数が取得されて案件管理ファイル23の各レコードに記録される。そして、それらの合計が依頼情報ファイル22の該当レコードの「最終視聴回数」に上書きされる。
【0053】
このようにして所定の公開期間の間、動画共有サイトで各企業タイアップ動画が共有され、各視聴者が視聴する。公開期間が過ぎた段階で、運営事業者の担当者は、管理用端末4を操作し、報告プログラム16を実行する。これにより、図11に示すような動画共有プロジェクトレポートが作成される。尚、公開期間は、集計のための期間であり、公開期間後の各動画は動画共有サイトに掲載されており、視聴が可能である。
運営事業者は、動画共有プロジェクトレポートを企業側に送付し、報酬を請求する。企業側から報酬が支払われると、報酬算出プログラム17により各最終視聴回数に応じて按分して報酬を算出し、各動画投稿者に報酬を支払う。
【0054】
このような実施形態の支援システムによれば、企業側からのタイアップ動画共有の依頼を複数の動画投稿者に対して通知し、複数の動画投稿者がその依頼を獲得できるようにしており、それら動画投稿者の潜在的視聴回数指標の合計が企業側の要求を満たすようにしているので、特に人気のある動画投稿者でなくとも企業タイアップ動画共有の依頼を獲得して参画することができ、それによる報酬を受け取ることができる。
【0055】
企業側にとっても、特に人気のある一人の(又は一団体の)動画投稿者に依頼をする方が簡便であり確実とも言えるが、その動画投稿者が常に多くの視聴回数を獲得できるとも限らず、要求が満たされる保証はない。一方、実施形態の支援システムを利用する場合、複数の動画投稿者が同一の広告対象についてタイアップ動画を各々制作して投稿するので、見込みより視聴回数が少なくなるというリスクが分散により低減する。また、依頼の手間についても、運営事業者に依頼をするだけで良く、個々の動画投稿者に直接依頼する必要がないので、簡便性に欠けることはない。
【0056】
さらに、上記実施形態では、企業側が要求する指標下限値を上回る値を指標上限値としておき、指標上限値を超えるまで募集を続けるので、見込まれる総視聴回数よりも少ない視聴回数になってしまうリスクを低減できる。指標上限値を指標下限値よりもどの程度多くするかについては、例えば3割増しとすることができる。例えば、企業側からの要請が一ヶ月で30万回視聴であるとすると、応募した動画投稿者の直近視聴回数(この例では直近の一ヶ月の視聴回数)の合計が39万回視聴になるまで募集を継続し、39万回視聴を越えた段階で募集を打ち切るようにする。1割増しや2増しでも良いことは、勿論である。
【0057】
また、この実施形態では、 企業タイアップ動画共有の依頼があった際に依頼があった旨と応募ページへのハイパーリンク51とを含む依頼通知メールが各投稿者端末3に送信されるので、各動画投稿者が応募をし忘れてしまうことが少なくなり、また応募ページへのアクセスが簡便になるので、好適となる。ハイパーリンク51以外のアクセス情報としては、単に応募ページのURLが記載されているだけであっても良い。この他、ログインページのURLが記載されていたり又はログインページのハイパーリンクが埋め込まれていたりしても良い。
さらに、各動画投稿者に支払う報酬について、各動画の視聴回数に応じて按分して算出する報酬算出プログラム17が実装されているので、各動画投稿者に公平に簡便に報酬を支払うことができる。
【0058】
尚、募集を無制限に継続する構成もあり得るが、管理が煩雑になる等の問題がある。即ち、募集を無制限に行うと、潜在的視聴回数の数が多くなり、より多くの視聴回数が見込めるようにはなるが、その分だけ動画投稿者の数が多くなる。これは、同時に監視すべき動画の数が多くなることを意味し、コンプライアンスチェック等の手間がより多くかかることを意味する。したがって、ある時点で募集を打ち切ることが好ましい。
また、上述した実施形態において、募集期間が経過した時点で直近視聴回数が指標上限値を下回っている場合、募集を延長しても良い。この場合は、募集を延長した旨の通知メールを各投稿者端末3に送信するプログラムが支援サーバ1に実装される。但し、募集期間が経過した際、直近視聴回数が指標下限値を上回っていれば、募集を延長しない場合もあり得る。
【0059】
上記実施形態では、投稿者情報ファイル21に記録された潜在的視聴回数指標のうち、直近視聴回数を集計して指標下限値を越えているかどうか判断した。これは、企業側が視聴回数の観点で下限値の要求を出しているためである。企業側の要求としては、各動画投稿者の注目者(例えばチャンネル登録数)の合計を要求値として出してくる場合もあり、この場合は、応募をしてきた動画投稿者の注目者数(投稿者情報ファイル21の「潜在指標2」の値)を集計し、それが要求値を十分に上回った(例えば3割増しの)段階で募集を打ち切るようにする。
【0060】
さらには、直近視聴回数と注目者数の双方が指標上限値を上回るまで募集と続ける場合もあり得る。企業側が視聴回数で要求を出している場合、直近視聴回数の合計とは別に、必要な注目者数の合計を運営事業者が見積もり、これを視聴上限値として別に設定してこれも上回るまで募集を続けるようにしても良い。このようにすると、企業側の要求を実際に満足できる可能性がより高まるので好適である。
【0061】
尚、投稿者情報ファイル21に記録されている直近視聴回数と注目者数は、定期的に更新される。直近視聴回数については、企業タイアップ動画以外の当該動画投稿者が自由に制作、投稿している動画の直近の視聴回数を定期的にモニタして更新する。但し、企業タイアップ動画の視聴回数の実績を記録しておき、次回以降の応募の際に利用しても良い。また、注目者数についても、定期的にモニタして値を更新する。これらの更新作業については、各動画投稿者からの申告を運営事業者側でチェックして行うか、又は動画共有サイトにアクセスして自動的に取得するプログラムを支援サーバ1に実装する。
【0062】
上記実施形態において、潜在的視聴回数指標がある値以上である動画投稿者のみ投稿者情報ファイル21への登録をするようにしても良い。直近視聴回数があまりにも少なかったりチャンネル登録数があまりにも少なかったりする動画投稿者まで登録をすると、登録される動画投稿者の数が膨大になり、管理が煩雑になる面もある。このため、一定以上の潜在的視聴回数を持つ動画投稿者のみ登録をするようにしても良い。
尚、コンプライアンスその他の観点で問題があった動画投稿者については、投稿者情報ファイル21から削除し、次回以降の依頼については通知しないようにする構成が採用され得る。
【0063】
また、上記実施形態において、募集打ち切りのための技術構成は、依頼情報ファイル22に募集打ち切り日を記録しておき、応募登録ブログラムがそれを参照する構成であったが、他の構成もあり得る。例えば、応募ページ表示プログラム18が「募集打ち切り日」のフィールドの値を参照し、それがNull値でなければ、応募ページを投稿者端末3に表示しない構成であっても良い。
【0064】
以上の説明は、1個の特定の動画共有サイトのみに複数の動画投稿者が企業タイアップ動画を投稿することを想定したものであったが、本願発明は、複数の異なる動画共有サイトへの企業タイアップ動画の投稿の場合であっても実施可能である。この場合、一人の(又は一団体の)動画投稿者が異なる二以上の動画共有サイトに投稿する場合もあるし、Aという動画投稿者がXという動画共有サイトに投稿し、Bという動画投稿者がYという動画共有サイトに投稿する場合もある。これらの場合においても、視聴回数モニタプログラム15は、それぞれのサイトでの動画視聴回数をモニタして集計する。同じ一つの動画が異なる複数の動画共有サイトに投稿されている場合、それらの視聴回数が合計される。
【符号の説明】
【0065】
1 支援サーバ
11 応募登録プログラム
14 視聴回数モニタプログラム
2 記憶部
21 投稿者情報ファイル
22 依頼情報ファイル
23 案件管理ファイル
3 投稿者端末
4 管理用端末
51 ハイパーリンク
52 応募ボタン
9 インターネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11