(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022066115
(43)【公開日】2022-04-28
(54)【発明の名称】情報提供のためのコンピュータプログラム、装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20220421BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20220421BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06Q30/02 380
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020175054
(22)【出願日】2020-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】301062798
【氏名又は名称】ナレルシステム株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中村圭介
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】工場や会社の独自工程の手順書や、地域の独自ノウハウ、等について、すぐにアクセスしたり運営・保守・管理したりすることが容易なコンピュータプログラム、装置及び方法を提供すること。
【解決手段】 現場で入力した画像、振動又は音声から該当する手順書又はアドバイス情報を特定して表示するコンピュータプログラムを提供する。入力したときの入力デバイスの位置に応じて表示する手順書又はアドバイス情報を決定する。入力したときの入力デバイスの位置ごとに求めた識別情報を、該当リソースにアクセスするための認証情報として用いる。表示すると決定した手順書又はアドバイス情報に対して表示されたデバイスの利用者が内容を情報追加又は修正できるようにした。手順書又はアドバイス情報が、自由な語彙および文型を許容する自動推論系又は機械学習系とリンクされており、表示又は情報追加もしくは修正が、自動推論又は機械学習による参照又は更新の対象となる共通の知識ベースを参照しながらなされる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現場で入力した画像、振動又は音声から
該当する手順書又はアドバイス情報を特定して
表示する
コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記入力したときの入力デバイスの位置に応じて
表示する手順書又はアドバイス情報を決定する
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記入力したときの入力デバイスの位置ごとに求めた識別情報を、
該当リソースにアクセスするための認証情報として用いる
請求項1または2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記表示すると決定した手順書又はアドバイス情報に対して
表示されたデバイスの利用者が内容を情報追加又は修正できるようにした
請求項1から3のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記手順書又はアドバイス情報が、
自由な語彙および文型を許容する自動推論系又は機械学習系とリンクされており、
前記、表示又は情報追加もしくは修正が、
自動推論又は機械学習による参照又は更新の対象となる共通の知識ベースを参照しながらなされる
ようにした請求項1から4のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
請求項1から5の記載のコンピュータプログラムを用いた装置。
【請求項7】
請求項1から5に記載のコンピュータプログラムを用いた方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供のためのコンピュータプログラム、装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場や会社の独自工程の手順書や、地域の独自ノウハウ、等については、検索エンジン等でアクセス困難なものもあり、必要なときにすぐに入手するのが困難であった。とりわけ、工場の手順書は、機械が油でよごれていたり、印刷した書類などが現場の厳しい環境により経年劣化したりしていて、すぐにアクセスしたり運営・保守・管理したりすることが困難であった。
また、手順書に関連する道具・機械・場所、地域の独自ノウハウに関連する物体(自然物/人工物)・施設・場所等の内部や表面にIoT機器やRFID等を埋め込んだり、二次元コードや識別模様等を表面塗装や表面加工により、必要な情報を提供するURLを与えるようにすることも考えられたが、そのようにしにくい環境(道具・機械・場所・物体・施設など)も数多く存在した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2020-170195(九谷焼などの量産美術品・工芸品に置き場の個性や家族の思い出等をのせられるようにしたもの)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
工場や会社の独自工程の手順書や、地域の独自ノウハウ、等について、すぐにアクセスしたり運営・保守・管理したりすることが容易なコンピュータプログラム、装置及び方法を提供すること。とりわけ、URL等を埋め込みにくい環境についてそのような運営(情報提供)・保守・管理を実現すること、である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を解決するため、本発明は、
現場で入力した画像、振動又は音声から
該当する手順書又はアドバイス情報を特定して
表示する
コンピュータプログラム
を提供する。
:画像の入力結果は、静止画、動画、赤外線画像、光度測定結果、又は、事前に機械学習(ディープラーニング等)された推測系回路/モデルデータ/プログラム、等の出力(識別ID、変換後画像、スカラー値、ベクトル値、等)であってよい。
:振動の入力結果は、強度、周波数、周波数分布、又は、事前に機械学習(ディープラーニング等)された推測系回路/モデルデータ/プログラム、等の出力値であってよい。
:音声の入力結果は、強度、周波数、周波数分布、又は、事前に機械学習(ディープラーニング等)された推測系回路/モデルデータ/プログラム、音声認識結果テキスト又はその分類値、等の出力値であってよい。
:手順書は、機械や道具等の操作方法、保守方法、障害対策であってもよく、恋愛や人間関係についてのヒントであってよく、該当する現場における様々な対処の仕方(料理法、撃退法、治療法、回避法、組み立て法、判別法、判断方法、等々)であってもよい。
:アドバイス情報は、最新の現場情報(天気、湿度、温度、込み具合、潮の具合、等)およびこれらから自動推論できるお勧め選択肢などであってもよい。
:表示は、ディスプレイに表示する以外に、音声ガイダンス、チャットボット対話(テキスト/音声/動画)、動画説明、人形ガジェットによるデモ、等であってよい。
>これにより、どのような環境でも、情報提供する内容(該当する手順書又はアドバイス情報)を特定しやすくなり、目的を達成することができる。
また、本発明は、
前記入力したときの入力デバイスの位置に応じて
表示する手順書又はアドバイス情報を決定する
かかるコンピュータプログラム
を提供する。
:入力したときの入力デバイスの位置は、GPS(グローバルポジショニングシステム)やWIFI設備や5G関連設備から取得した緯度・経度・高度(もしくはその概数値組)として求められるだけでなく、入力した画像等の位置の自動解析結果として求められたり、その緯度・経度・高度・画像等に該当する組織や施設や個人宅(自治体、会社、団体等)を示す識別情報として求められたりもされる。
:この識別情報により、登録された複数の手順書やアドバイス情報等から、該当するふさわしい内容(利用者が必要なもの)を決定し、適切なアドバイス等の情報提供をコンピュータプログラムが行えるようになる。
また、本発明は、
前記入力したときの入力デバイスの位置ごとに求めた識別情報を、
該当リソースにアクセスするための認証情報として用いる
かかるコンピュータプログラム
を提供する。
>これにより、リソース(例えば、所定サイトに共有保管された会社独自手順書や地域ノウハウ、等)への情報アクセスのための認証時の利用者偽装等を、通常のID/パスワードだけのときよりもはるかに困難にすることができる(特に通信路やデバイス内の情報チャンネルやメモリも暗号化されている場合)。
また、本発明は、
前記表示すると決定した手順書又はアドバイス情報に対して
表示されたデバイスの利用者が内容を情報追加又は修正できるようにした
かかる、コンピュータプログラム
を提供する。
:情報追加の内容は、例えば、表示されたコンテンツの内容についての質問点や問題点であってよく、修正の内容としては、例えば、最新の現場状況に対応したコンテンツ更新案等であってよい。
>これにより、情報提供されるコンテンツがさらに充実し、正確なものになっていく。
>また、このように多数の会社や個人のノウハウ等をクラウド等で一括管理しやすくすることにより、
矛盾や問題の発見、複数分野・複数主体・複数地域の知見(手順、ノウハウ等)を交えたアイディアの自動合成、そのようなアイディアの提供者への恩返しもしやすくなる。
:なお、手順やアドバイスの内容は、仕事面だけでなく、恋愛、遊び、家族関係、人間関係、自由研究などをふくんでいてもよい。
また、本発明の請求項5は、
前記手順書又はアドバイス情報が、
自由な語彙および文型を許容する自動推論系又は機械学習系とリンクされており、
前記、表示又は情報追加もしくは修正が、
自動推論又は機械学習による参照又は更新の対象となる共通の知識ベースを参照しながらなされる
ようにした請求項1から4のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム
を提供する。
:自由な語彙および文型を許容する自動推論系またはこれを前提とした推論規則の機械学習系については、当社が特願2013-87008以降の特許出願や日本ソフトウエア科学会全国大会発表(2019)への予稿として提出しているので、これを参照されたい。
:リンクは、単純参照でも知識内容テキスト等へのインライン展開(引用)でもよく、リンク先は、インターネット等のURLなどとして指定することもできる。
:共通の知識ベースは、上記特願2013-87008やPROLOG等の記法にもとづく知識(事実と推論規則の集合)をインターネットでそれぞれの会社等から公開したものであってもよい。
>これにより、各社、各工場、各地域の独自性を活かしながらも、公開された一般的な知識や最新情報を参酌した手順書やアドバイス情報の情報提供等が可能となる。
また、本発明は、このようなコンピュータプログラムを用いた装置を提供する。
また、本発明は、このようなコンピュータプログラムを用いた方法を提供する。
【実施例0006】
様々な利用者(設置された棟の家族のみ、施設の関係者、又は、オープンな設置場所を観光する旅行者)が、所定の機能をもつ九谷作品(家族や一緒に見た人を仲良くさせる機能をもつ)の型番とその設置場所からなる「位置テーマ識別情報」に、その九谷と設置場所の「両方」に関する「思いや知識や情報」(九谷作品の仲良くする機能に感化されたものであることが多い)を記憶していく。これらは、型番が異なれば異なり、設置場所が異なれば異なるため、独自の知識・情報・ノウハウや仲良くなる手順等を構成しやすく、九谷自体も発展しやすい(九谷ではない産業機械や家庭用家電等の場合についても同じことが言える)。型番(九谷や産業機械や家庭用電化製品、等の)や設置場所(特定の利用者の自宅や、特定の会社の特定の工場、等)は、誰かがBBS等に記憶するときも、さらに他の誰かがそのBBSやAIと対話するときも、利用者のスマホにインストールした専用アプリ等(当該発明によるコンピュータプログラムを含む)からのカメラ撮影とGPS検出で自動取得できる。利用者は、これをもとに独自のBBS~チャットボットAIとの対話が可能になり、そのBBSやチャットボットに、その利用者属性や利用者ハンドル名とひもづいた新たな想い(感謝し合うもの、仲良くなるための)や手順(みんなが好きな魚料理のレシピ、家族独自のそうじ手順、この地域の恋愛のこつ、等)やノウハウ(家族・地域・会社・工場の独自のもの)等を加えることができる。