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  • 特開-マスク用顔パッド 図1
  • 特開-マスク用顔パッド 図2
  • 特開-マスク用顔パッド 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022066119
(43)【公開日】2022-04-28
(54)【発明の名称】マスク用顔パッド
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220421BHJP
   A62B 18/08 20060101ALI20220421BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/08 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020183945
(22)【出願日】2020-10-16
(71)【出願人】
【識別番号】598036517
【氏名又は名称】相澤 利夫
(72)【発明者】
【氏名】相澤 利夫
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185CC32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】呼気の水蒸気や熱が、マスク内に蓄積することを防ぐ、マスク用顔パッドを提供する。
【解決手段】マスク用顔パッドは、マスクの内側に収まり、縦は鼻から顎まで、横は両頬を覆う大きさの吸汗性の薄く柔らかい繊維の層とし、この顔パッドの繊維層1の顔と接触する面の反対側全面に合成樹脂のフィルムを貼って一体とし、顔パッドの中央部分の鼻と口が当たる領域には、繊維層の厚さ方向に貫通する複数の通気口を設け、顔パッドのフィルム面2には、ソフトスポンジやシリコンゴムなどの柔らかい素材からなり、マスクを押し上げて顔との間に隙間を作り、かつマスクの機能を妨げない程度の高さの筒状のパッドリング3を、顔パッドの通気口4をすべて囲むように接着する。筒状のパッドリングの側面に複数の穴を開け、パッドリングのマスク側の縁には半月形の穴をパッドリングに沿って開け、これらを筒状のパッドリングの通気口5とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクの内側に収める顔パッドを形成するについて、まず形状は、縦は鼻から顎まで、横は両ホホを覆う程度の大きさでマスクの内側に収まるものとし、材質については、顔の汗を良く吸収する柔らかい素材の繊維の薄い層とし、これで顔パッドを作り、その繊維が吸収した汗がマスクの側に出ないように、顔パッドの二面の一方の面の全面に合成樹脂のフィルムを張り着け一体とし、その顔パッドの中央部分の鼻と口が当たる領域に、複数の穴を貫通させて通気口を設け呼吸できるようにし、続いて、顔パッドのフィルム面に、ソフトスポンジやシリコンゴムなどの柔らかい素材で、例えるなら、イカリングのような形状をしたリング、パッドリングを形成し、これを顔パッドに接着するのであるが、そのパッドリングの直径は、顔パッドの複数の通気口をすべて囲むことのできる長さとし、高さはマスク内に装着したときマスクを押し上げて、顔との間に隙間を作るなどマスクの機能を妨げない程度の高さとし、その筒状のパッドリングの側面に複数の穴を、パッドリングの片方の端の辺には半月形の穴を、パッドリングに沿って開けこれらを通気口とし、このパッドリングの半月形の穴で欠けていない他方の辺の方を、顔パッドのフィルム面と接着するのであるが、その時、顔パッドの複数の通気口がパッドリングの内側にすべて入るように接着することで顔パッドが完成するが、これを使用するときは、マスクを広げその中にパッドリングのリングの部分をマスクに付くように向けてセットし、顔の側は顔パッドの繊維の層の部分を当て、顔パッドの鼻と口の通気口が、適切に鼻と口に位置するように調節して使用することで、マスク内に呼気の水蒸気や熱が蓄積しないようにすることを目的とする、マスク用顔パッドの発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鼻や口がマスクと直接接触することで、マスクが呼気や汗を吸収し、ビショ濡れとなって呼吸が困難となり、その結果マスク内の温度が上がるなどを原因として顔が汗をかき、アセモが出来るなど、通常のマスクの使用で生ずる困難を解決する。
【背景技術】
【0002】
従来、マスクと鼻や口の間に挟むものもあったが、顔の汗を吸収する顔パッドとそれにフィルムを張り付けマスク内の空間を二つに分け、パッドリングを組み合わせて呼気の水蒸気と熱を排出しようとしたものはない。
【発明の開示】
【発明が開示しようとする課題】
【0003】
通常のマスク使用時には、口や鼻がマスクに直に触れるため、呼気の水分が口の周辺のマスクの布に集中して水滴が生じ、それを中心として濡れる部分が広がってゆく。時間の経過とともに、マスクの布の濡れた部分は口や鼻を覆うマスクの範囲を超えることにより、呼吸がしにくくなる。
その結果、呼気の熱もマスクの濡れによって外に出にくくなり、マスク内の温度も上がり、それにより顔の皮膚には汗がたまり、濡れたマスクとの間で汗は顔をまるでパックしたようになり、塩分でアセモやその他の顔の皮膚のトラブルの原因となる。
本発明は、これらマスク内の温度の上昇とマスクのビショ濡れを防止するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
マスクの内側に収める顔パッドを形成するについて、まず形状は、縦は鼻から顎まで、横は両ホホを覆う程度の大きさでマスクの内側に収まるものとし、材質については、顔の汗を良く吸収する柔らかい素材の繊維の薄い層とし、これで顔パッドを作り、その繊維が吸収した汗がマスクの側に出ないように、顔パッドの二面の一方の面の全面に合成樹脂のフィルムを張り着け一体とし、その顔パッドの中央部分の鼻と口が当たる領域に、複数の穴を貫通させて通気口を設け呼吸できるようにし、続いて、顔パッドのフィルム面に、ソフトスポンジやシリコンゴムなどの柔らかい素材で、例えるなら、イカリングのような形状をしたリング、パッドリングを形成し、これを顔パッドに接着するのであるが、そのパッドリングの直径は、顔パッドの複数の通気口をすべて囲むことのできる長さとし、高さはマスク内に装着したときマスクを押し上げて、顔との間に隙間を作るなどマスクの機能を妨げない程度の高さとし、その筒状のパッドリングの側面に複数の穴を、パッドリングの片方の端の辺には半月形の穴を、パッドリングに沿って開けこれらを通気口とし、このパッドリングの半月形の穴で欠けていない他方の辺の方を、顔パッドのフィルム面と接着するのであるが、その時、顔パッドの複数の通気口がパッドリングの内側にすべて入るように接着することで顔パッドが完成するが、これを使用するときは、マスクを広げその中にパッドリングのリングの部分をマスクに付くように向けてセットし、顔の側は顔パッドの繊維の層の部分を当て、顔パッドの鼻と口の通気口が、適切に鼻と口に位置するように調節して使用することで、マスク内に呼気の水蒸気や熱が蓄積しないようにすることを目的とする、マスク用顔パッドの発明。
【発明の効果】
【0005】
この発明の最大の特徴は、顔パッドの合成樹脂のフィルムで、顔の皮膚とこのフィルム面の空間、仮にA空間とし、このフィルム面とマスクとの間の空間を仮にB空間とすると、この二つのA空間とB空間を合成樹脂のフィルムによって物理的に遮断したことにある。
その結果、顔パッドに開けた口と鼻にあたる通気口から出る水蒸気と熱を含んだ呼気は、A空間には入らず、もっぱらB空間に入りここで処理される。
まずA空間について、ここは顔の皮膚と汗を吸収する繊維の層が接着し、その反対側は合成樹脂のフィルムが接着されているので、空間といっても、顔の皮膚とフィルムに挟まれた狭い空間しか存在しない。顔パッドに開けられた口と鼻の通気口から呼気が排出されるため、A空間が拡張することはない。
B空間について
ここは合成樹脂のフィルムとパッドリングとマスクの3者によって構成されている。
顔パッドの通気口を通過してきた熱と水蒸気を含んだ呼気は、合成樹脂のフィルム、筒状のパッドリングとマスクによって構成される空間に入る。まず筒状のパッドリングに充満し、続いてパッドリングの通気口から横に広がりマスク全体に展開する流れと、筒状のマスクリングから直接マスクを通して外に排出されるという、二つの流れにより水蒸気と熱はマスクの外へ放出される。
そのため、次のような機能を確保することが出来る。呼気は、まず口や鼻とマスクが物理的に離れているので、顔パッドの通気口から、パッドリングの筒の大きな穴と側面の通気口を通じて流れ、マスクの布全体を通じて放出される。直にマスクを着けているときは、口や鼻がマスクについているので、呼気の水蒸気が集中して水滴が形成されマスクに蓄積され、マスクが濡れて空気を通さず、息が出来なくなる。この状態では水滴は益々溜まり、空気が放出できず熱も同様となり、結果マスク内の温度が体温よりも高くなる。
しかし本発明を使用すれば、口や鼻とマスクは離れていて、呼気の水蒸気は順調に放出されるので、マスクが濡れ始めることがなく、従ってマスクの口や鼻の部分一帯およびその周辺が濡れることない。その結果、マスクの布の濡れにより、息を吸うときに口や鼻に張り付いて、呼吸の困難、息苦しさが起こる、ということはない。加えて、呼気はマスク全体を通じて放出されるから、呼気の熱もそれに伴いマスク全体から放出され、結果、マスク内の温度は本発明の不使用の場合に比してかなり低くなるのである。さらに、マスクの使用でマスク内の温度が一定上がった場合、顔の汗が出ることもあるが、その汗は顔パッドにより吸収され、その汗はパッドの外側の合成樹脂のフィルムにより遮断され、パッドリングが間にある事からもマスクの布に伝わることは空間的に不可能で、マスクが濡れることはない。そのため汗をかいたときでも、呼気がパッドリングの大きな穴や側面の通気口から放出される機能は維持されており、マスクは濡れておらず呼気の水蒸気の熱も、外へ放出され続けている。マスク用顔パッドが顔からの汗で濡れたときは、別のマスク用顔パッドに取り換えることで、さっぱりとした状態でマスクの使用を継続できる。特別な使い方としては、パッドの繊維部分に化粧水など、肌に負担をかけない溶液をスプレーして、あらかじめ肌の荒れの予防をはかることもできる。
【発明を実施すべき最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態について説明する。
マスク(6)を着けると呼気によりマスク内の湿度と温度が上がり、顔に汗がたまり顔 の肌が荒れる恐れがあるので、まず、顔の汗を吸いとる顔パッドの繊維層(1)を設け ておき、次に繊維層(1)に 水蒸気と熱を遮断する合成樹脂のフィルム(2)を貼り 付け、その中心部分に鼻と口での呼吸用の通気口(4)を複数開け、フィルム面(2) に、その側面と下部に通気口(5)を開けた筒状のパッドリング(3)の平らな辺を、 顔パッドの複数の通気口(4)を総て囲むように接着して完成するマスク用顔パッドを 、繊維層(1)を顔に当てるようにマスク(6)の内側にセットして使用する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】 マスク用顔パッドの斜視図
図2】 マスク用顔パッドの裏面図
図3】 マスク用顔パッドの着用時の横断面図
【符号の説明】
【0008】
1 顔パッドの繊維層
2 顔パッドのフィルム面
3 筒状のパッドリング
4 顔パッドの通気口
5 筒状のパッドリングの通気口
6 マスク
図1
図2
図3