(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022066124
(43)【公開日】2022-04-28
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 21/20 20060101AFI20220421BHJP
H01Q 1/40 20060101ALI20220421BHJP
H01Q 1/38 20060101ALI20220421BHJP
H01Q 1/22 20060101ALI20220421BHJP
H01Q 15/02 20060101ALI20220421BHJP
【FI】
H01Q21/20
H01Q1/40
H01Q1/38
H01Q1/22 Z
H01Q15/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020185137
(22)【出願日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】P 2020175031
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コロニアル
2.スタイロフォーム
(71)【出願人】
【識別番号】511025411
【氏名又は名称】株式会社NejiLaw
(72)【発明者】
【氏名】道脇 裕
【テーマコード(参考)】
5J020
5J021
5J046
5J047
【Fターム(参考)】
5J020AA02
5J020BB01
5J020BD03
5J020DA03
5J021GA07
5J046AA04
5J046AA09
5J047AA04
5J047AA09
(57)【要約】
【課題】簡易な構造によって、確実に電波を広範な方位に向けて放射する手段を提供する。
【解決手段】送信回路と、上記送信回路を保護するカバーと、上記カバーに配設され、上記送信回路と接続するアンテナとを具え、上記アンテナは、少なくとも上記カバーの外側表面、内側表面、内部の何れか一か所以上に配される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信回路と、
上記送信回路を保護するカバーと、
上記カバーに配設され、上記送信回路と接続するアンテナとを具え、
上記アンテナは、少なくとも上記カバーの外側表面、内側表面、内部の何れか一か所以上に配されることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記カバーは、導電性を有し、
前記カバーと前記アンテナとの間に絶縁体が介在されることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記カバーと前記アンテナとの間に、絶縁層を形成することを特徴とする請求項2記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記カバーと前記アンテナとの間に、絶縁体を配置することを特徴とする請求項2記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記カバーは、誘電体から成り、
前記カバーに直接前記アンテナが配されることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記カバーに前記アンテナを複数配設し、
前記送信回路に各前記アンテナが接続することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記カバーに前記アンテナを複数配設し、
複数の前記アンテナの内、特定のアンテナを前記送信回路に接続し、
前記アンテナ同士を接続することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記送信回路と前記アンテナとを無線接続し、
前記カバーは、電波を透過可能に形成されることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
【請求項9】
前記アンテナは、前記カバーの周方向に沿って複数配されることを特徴とする請求項1乃至8記載のアンテナ装置。
【請求項10】
前記アンテナは、前記カバーの周方向に直交する方向に一以上配されることを特徴とする請求項 9記載のアンテナ装置。
【請求項11】
前記カバーによって囲繞される受光素子を有し、
前記カバーは、透光性を有することを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載のアンテナ装置。
【請求項12】
前記受光素子は、光学レンズ及び/又は撮像素子であることを特徴とする請求項11記載のアンテナ装置。
【請求項13】
前記カバーは、ガラス又は高分子化合物の何れかにより成ることを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載のアンテナ装置。
【請求項14】
前記ガラスは、ソーダガラス、石英、サファイア、ルビー、強化ガラス、鉛ガラスの内、一以上を含んで構成されることを特徴とする請求項13記載のアンテナ装置。
【請求項15】
前記高分子化合物は、フッ素、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレテレフタレート、アクリル、ポリエーテル、ビニル、ウレタン、ポリアミド、エポキシの内、一以上を含んで構成されることを特徴とする請求項13記載のアンテナ装置。
【請求項16】
前記アンテナは、TiO、TiN、ITO、FTO、グラフェン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムスズの何れか一以上で形成されることを特徴とする請求項1乃至15の何れかに記載のアンテナ装置。
【請求項17】
前記カバーは、閉空間を含む閉断面構造を有し、該閉空間によって前記送信回路を囲繞することを特徴とする請求項1乃至16の何れかに記載のアンテナ装置。
【請求項18】
前記カバーは、前記送信回路を取り囲む略球形状、略ドーム形状、略筒形状、略錐形状、略カップ形状、略レンズ形状の内、何れか一つ以上を有して構成されることを特徴とする請求項17記載のアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、ビル、家屋、ホール等の空間を形成する建築物や橋梁、鉄塔、ダム等の建造物(以下、これらを建造物と呼ぶ)、自動車、自転車、鉄道、車両、軌道等の乗物を含む各種移動手段、機械設備、電気機器、発電設備、化学プラント等(以下、これらを構造物と呼ぶ。)、様々な場面で多種多様な部材が用いられている。また、その素材にも、鉄、樹脂、ゴム、石、コンクリート、木、セラミック、ガラス等様々な物が使用されている。
【0003】
例えば、建造物だけをとっても、家屋、集合住宅、学校の校舎、駅舎、空港のターミナル、病院、市区町村の庁舎、橋梁、トンネルなど、社会インフラ等に関連する様々なものが存在する。これらの建造物は、柱、梁や床、天井、ボルト、ナット、鉄筋コンクリート等の様々な構造材によって、その形状が保たれている。また、構造材に限らず、窓ガラスやドア等の各種部材や設備が用いられ、様々な材料によって多様な形状、構造に構成されている。
【0004】
構造材は、長期間に亘って利用されることが前提となるが、寒暖による熱伸縮、経年劣化や震災等の衝撃による外力に曝されるため、老朽化は避けられない。老朽化を放置すれば、人命に関わる災害が発生する虞もある。
【0005】
そのため、加速度を計測することで、建物の健全性の判定を行う建物の健全性モニタリング装置が知られている(例えば、特許文献1)。建物の健全性モニタリング装置によれば、建物の観測層に配置されるセンサによって地震の震度や地震により地盤から建物に印加される振動の加速度を検出し、センサで得られた応答情報に基づき、建物の固有周期に対応する必要せん断力係数を求め、建物の健全性の判定を行って、その判定結果を示す情報をユーザの端末に送信している。
【0006】
また、軸力監視システムとして、自動車、列車、航空機などに軸力検出用ボルトを締付けて、締め付けによってボルトに掛かる軸力を測定するものが知られている(例えば、特許文献2)。この軸力検出用ボルトは、ロードセルを内蔵しており、ロードセルによって検出した軸力をICタグに記憶している。また、軸力検出用ボルトのICタグと別体の受信ユニットのICタグリーダ/ライタは、RFIDタグなど、近距離通信に用いられている方式によってデータ送受信を行っている。
【0007】
また、機械の潤滑油や作動流体等の各種流体の状態を検出する検出装置において、検出部によって検出された流体の状態を無線で外部に出力するものが知られている(例えば、特許文献3)。この検出装置は、ボルト状の本体が対象となる部材にねじ込み固定されており、検出結果を出力する発振部が本体の頭部側に配されてその周囲が絶縁部によって囲まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2016-75583号公報
【特許文献2】特開2010-117310号公報
【特許文献3】特開2020-65172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、無線による送信を行う場合、アンテナの周囲或いは電波の放射方向の延長線上に電波を遮るようなものを配置することができないため、アンテナ周囲の環境が制限されてしまう。また、アンテナを凹部等の窪み内に配置した場合、窪みの内周面によって電波が遮られて広範囲に電波を放射することができないという問題がある。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みて本発明者の鋭意研究により成されたものであり、広範囲に電波を放射するための手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のアンテナ装置は、送信回路と、上記送信回路を保護するカバーと、上記カバーに配設され、上記送信回路と接続するアンテナとを具え、上記アンテナは、少なくとも上記カバーの外側表面、内側表面、内部の何れか一か所以上に配されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のアンテナ装置は、前記カバーが導電性を有し、前記カバーと前記アンテナとの間に絶縁体が介在されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明のアンテナ装置は、前記カバーと前記アンテナとの間に、絶縁層を形成することを特徴とする。
【0014】
また、本発明のアンテナ装置は、前記カバーと前記アンテナとの間に、絶縁体を配置することを特徴とする。
【0015】
また、本発明のアンテナ装置は、前記カバーが誘電体から成り、前記カバーに直接前記アンテナが配されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明のアンテナ装置は、前記カバーに前記アンテナを複数配設し、前記送信回路に各前記アンテナが接続することを特徴とする。
【0017】
また、本発明のアンテナ装置は、前記カバーに前記アンテナを複数配設し、複数の前記アンテナの内、特定のアンテナを前記送信回路に接続し、前記アンテナ同士を接続することを特徴とする。
【0018】
また、本発明のアンテナ装置は、前記送信回路と前記アンテナとを無線接続し、前記カバーは、電波を透過可能に形成されることを特徴とする。
【0019】
また、本発明のアンテナ装置は、前記カバーの周方向に沿って複数配されることを特徴とする。
【0020】
また、本発明のアンテナ装置は、前記アンテナが前記カバーの周方向に直交する方向に一以上配されることを特徴とする。
【0021】
また、本発明のアンテナ装置は、前記カバーによって囲繞される受光素子を有し、前記カバーは、透光性を有することを特徴とする。
【0022】
また、本発明のアンテナ装置は、前記受光素子が光学レンズ及び/又は撮像素子であることを特徴とする。
【0023】
また、本発明のアンテナ装置は、前記カバーがガラス又は高分子化合物の何れかにより成ることを特徴とする。
【0024】
また、本発明のアンテナ装置は、前記ガラスがソーダガラス、石英、サファイア、ルビー、強化ガラス、鉛ガラスの内、一以上を含んで構成されることを特徴とする。
【0025】
また、本発明のアンテナ装置は、前記高分子化合物がフッ素、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレテレフタレート、アクリル、ポリエーテル、ビニル、ウレタン、ポリアミド、エポキシの内、一以上を含んで構成されることを特徴とする。
【0026】
また、本発明のアンテナ装置は、前記アンテナがTiO、TiN、ITO、FTO、グラフェン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムスズの何れか一以上で形成されることを特徴とする。
【0027】
また、本発明のアンテナ装置は、前記カバーが閉空間を含む閉断面構造を有し、該閉空間によって前記送信回路を囲繞することを特徴とする。
【0028】
また、本発明のアンテナ装置は、前記カバーが前記送信回路を取り囲む略球形状、略ドーム形状、略筒形状、略錐形状、略カップ形状、凸レンズ形状、凹レンズ形状、フレネルレンズ形状の内、何れか一つ以上有して構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、簡易な構造によって、広範囲に電波を放射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本実施形態のアンテナ装置の概略構成を示す図である。
【
図2】送信回路とアンテナとの接続例を示す図である。
【
図3】アンテナ6からの電波の放射を示す図である。
【
図6】撮像ユニットを具えるアンテナ装置を示す概略図である。
【
図10】物理変化検出装置の設置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、本発明のアンテナ装置の実施形態について、図を参照して説明する。
図1は本実施形態のアンテナ装置1の概略構成を示す図である。アンテナ装置1は、演算回路による演算結果に基づいてミリ波又はマイクロ波等の高周波送信信号を生成する送信回路2と、送信回路2から離間して送信回路2を保護するように囲繞するカバー4と、カバー4表面に設けられ、送信回路2と接続することで高周波送信信号を電磁波として放射するアンテナ6と、を具える。
ここで、水平面を構成するX軸及びY軸、並びに鉛直方向に平行でX軸及びY軸に直交するZ軸からなるXYZ直交座標系を設定する。アンテナ装置1は、XY平面上に設置されるものとする。
【0032】
アンテナ装置1による無線通信は、任意の無線通信が適用し得る。従って、無線通信は、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等の近距離無線通信であってもよく、また無線LAN、広域ネットワーク(Wide Area Network:WAN)、ISDNs(Integrated Service Digital Networks)、LTE(Long Term Evolution)、LTE-Advanced、CDMA(Code Division Multiple Access)、第5世代移動通信システム(5G)、LPWA(LAW Power Wide Area)等のインターネット回線等を利用する遠距離無線通信であってもよい。
【0033】
カバー4は、送信回路2を外部から隔離するために、例えば、閉空間を含む閉断面構造を有し、該閉空間によって送信回路2を囲繞する。具体的には、カバー4は、略ドーム形状を有する。また、カバー4は、導電体或いは誘電体の何れによっても形成し得る。
カバー4が、例えば、石英、セラミックス、サファイア、シリコーン、フッ素樹脂、ガラスエポキシ樹脂、液晶ポリマー、ポリイミド樹脂、シクロオレフィン、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂(ポリアミド11系樹脂、ポリアミド12系樹脂)等の誘電体の場合、カバー4に直接アンテナ6を配設することができる。
カバー4が、例えば、金、銀、銅、鉄、アルミニウム、黄銅、黒鉛等の導電体の場合は、アンテナ6とカバー4との間に絶縁性を有する部分を介在させる必要がある。アンテナ6とカバー4との間に絶縁性を有する部分を介在させることは、絶縁層の形成や絶縁体(所謂、アンテナ基板等)の配設等によって成し得る。
【0034】
絶縁層は、例えば積層印刷、パット印刷、塗装、メッキ、インクジェット印刷、スパッタリング、化学蒸着法(CVD法)、物理蒸着法(PVD法)等を用いて形成し得る。または例えば所定のマスクを配置した状態で絶縁材料をスパッタリングによって被膜形成したり、シリカ材料を塗布して乾燥或いは加熱処理したり、ポリィミド系、エポキシ系、ウレタン系、シリコーン系、フッ素系等の有機絶縁材による層を形成する等の手法を用いてもよい。また、カバー4表面を酸化処理することによって酸化皮膜化し、絶縁層を形成しても良い。またカバー4の素材がアルミニウム系の場合にはアルマイト処理によって絶縁層を形成しても良い。
【0035】
絶縁体は、基材に樹脂を含浸させた材料によって構成、又は基材を積層させることで構成することができる。勿論、基材自体をアンテナ基板としてもよい。従って、基材は、紙基材、ガラス布基材、ガラス布・ガラス不織布複合基材、アルミナ(セラミック)、ガラスセラミック、ポリイミドフィルム、PETフィルム等があり得る。
樹脂は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂等があり得る。また、絶縁体はアルミニウム基板のように、アルミニウム基材を樹脂で覆ったものとしてもよい。
【0036】
アンテナ6は、カバー4の外側に配される、針金、板金等で形成されるアンテナであってもよいが、導電性ペースト(銀ペースト等)やメッキを用いた印刷等によって成るアンテナパターンや、チップアンテナ等であってもよい。アンテナ6は、指向性を有し、カバー4に配設される複数のアンテナ6全体でカバー4のXY平面内で周囲略360°全ての方向に電波を放射するように配設数や配設位置等が設定される。
【0037】
例えば、アンテナ指向性の半値幅が略90°である場合、
図3に示すようにカバー4の外周面に、周方向に沿って等間隔に四個のアンテナ6を配することで、アンテナ装置1を中心にXY平面内で略360°で電波を放射することができる。なお、半値幅が略90°のアンテナ6を用いる場合に、アンテナ6を四個以上配してもよいことは言うまでもない。
【0038】
また、半値幅の小さいアンテナを配する場合は、各々の指向性が鋭くなるので、アンテナ6の数を増やすことで、XY平面内で略360°に電波を放射する。また、半値幅の大きいアンテナを配する場合は、各々の指向性が鈍くなるので、隣り合うアンテナ6からそれぞれ放射される電波が、干渉し合う場合には、アンテナ6の数を減らしてもよい。
勿論、アンテナ毎に指向性(半値幅)が異なっていてもよく、その場合アンテナの指向性に応じて適宜隣り合うアンテナ6同士の間隔を設定する。即ち、半値幅が小さいアンテナ6に対しては間隔を狭めて他のアンテナ6を配し、半値幅が大きいアンテナ6に対しては、間隔を空けて他のアンテナ6を配する。
【0039】
また、送信回路2とアンテナ6とはケーブル等で有線接続する。そのためカバー4には、ケーブルを通すための孔が形成されるものとする。送信回路2とアンテナ6との接続は、
図2(a)に示すように複数のアンテナ6が各々送信回路2に接続させるようにしてもよく、
図2(b)に示すように、複数のアンテナ6を直列に接続すると共に、複数のアンテナ6の内、一のアンテナ6を送信回路2に接続するようにしてもよい。勿論、複数のアンテナ6の内の二以上のアンテナ6を送信回路2に接続し、当該アンテナ6に送信回路2と接続していない他のアンテナ6を接続するようにしてもよい。
【0040】
以上、説明したように、カバー4の外周面に複数のアンテナ6を配することによってアンテナ6全体で無指向性を成すように全周に向けて電波を放射でき、また送信回路2に接続されたアンテナ6が各々、指向性電波を放射するので、電波の強度が大きくなって伝搬距離を延ばすことができる。即ち、アンテナ装置1は、カバー4を中心とした周囲全域で且つ遠距離の広範囲に電波を放射することができる。
【0041】
なお、アンテナ6は、カバー4のXY平面に平行な、周方向に沿って一連のループアンテナであってもよい。また、アンテナ6をカバー4の外側に配している場合は、アンテナ6保護層として、誘電体からなる薄膜等でアンテナ6外側を覆ってもよい。この薄膜等の保護部は、アンテナ6からの電波を遮らないようにするために、後述する強誘電性の素材であることが好ましい。
【0042】
また、上記アンテナ6をカバー4の外周面に配設するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、
図4(a)に示すようにカバー4の内周面(内側表面)に配設してもよく、又例えばインサート成形等によって
図4(b)に示すようにカバー4内部に埋設してもよい。但し、アンテナ6をカバー4の内周面又はカバー4内部に配する場合、アンテナ6から放射する電波が、カバー4を透過することを要する。従って、電波透過率を向上させるために、カバー4は強誘電性の素材、或いは強誘電性の素材を樹脂に含有させた材料等によって形成することが好ましい。
【0043】
強誘電性を有するカバー4には、チタン酸ジルコン酸鉛等の強誘電体材料が用いられる。チタン酸ジルコン酸鉛には、ランタン、カルシウム、ストロンチウム等が添加されてもよい。また強誘電性を有するカバー4には、チタン酸ジルコン酸鉛のほか、チタン酸バリウム、亜硝酸ナトリウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ストロンチウムビスマス、チタン酸ビスマス、チタン酸ビスマスランタン、チタン酸バリウムストロンチウム、ビスマスフェライト等の材料が用いられてもよい。
【0044】
また、カバー4に形成する絶縁層は、少なくともアンテナ6とカバー4との境界に形成されていれば、その形状や形成範囲を適宜設定し得、例えばカバー4の全域に形成してもよく、またアンテナ6を配している箇所だけに形成してもよい。特にアンテナ6が針金、板金により成る場合や、アンテナパターンを成している場合は、アンテナ6の形状に沿って絶縁層を形成してもよく、アンテナ6を配している箇所とその周辺を含めた範囲に絶縁層を形成してもよい。勿論、絶縁体は、絶縁層と同様にアンテナ6の形状に沿った形状を有するものであってもよく、アンテナ6を配している箇所とその周辺を含めた範囲に絶縁体を配してもよい。
【0045】
また、アンテナ6は、カバー4の外周面に、周方向に沿って配するものとして説明したが、当該周方向に対して鉛直方向に設けるようにしてもよい。即ち、
図5(a)に示すように送信回路2からZ方向に離間した、カバー4の頂部位置にアンテナ6を配してもよく、
図5(b)に示すように複数のアンテナ6をZ方向に離間するように配してもよい。
【0046】
また、送信回路2とアンテナ6とを有線で接続するものとして説明したが、無線で接続してもよく、例えば、電磁界結合によって送信回路2とアンテナ6を接続してもよい。この場合、アンテナ6は、伝送コイルを含んだ構成とする。即ち、送信回路2への通電に伴って、アンテナ6の伝送コイルに誘導電流を発生させて、アンテナ6が動作し得るようにしてもよい。
また、アンテナ6に不図示の増幅回路を接続して、伝送コイルに発生させた電波を増幅して出力させるようにしてもよく、このようにすれば電波の伝搬距離を延長し得る。
【0047】
また、アンテナ装置1が撮像ユニット(カメラ)を具え、周囲を撮像し得るように構成してもよい。撮像ユニットは、受光素子として、魚眼レンズ又は超広角レンズ、ズームレンズ、フォーカスレンズを含む光学系、及び撮像面に入射した被写体光に基づく撮像信号を生成するCCDやCMOS等の撮像素子を具える。
図6は、撮像ユニット10を具えるアンテナ装置1を示す概略図である。撮像ユニット10は、カバー4によって囲繞される、カバー4内の中央部に配置される。また撮像ユニット10は、光学系の光軸をY軸に平行に向ける。勿論、光学系は、光軸がX軸に平行な向きであってもよく、Z軸に平行な向きであってもよい。
【0048】
撮像ユニット10を具える場合、カバー4は、透光性を有するガラス又は高分子化合物によって形成することが望ましい。ガラスは、ソーダガラス、石英、サファイア、ルビー、強化ガラス、鉛ガラスの内、一以上を含むものがあり得る。高分子化合物は、フッ素、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレテレフタレート、アクリル、ポリエーテル、ビニル、ウレタン、ポリアミド、エポキシの内、一以上を含むものがあり得る。
【0049】
また、撮像ユニット10を具える場合、アンテナ6は、撮像ユニット10への入射光を遮らないように、所謂透明アンテナであることが望ましく、例えば、TiO、TiN、ITO、FTO、グラフェン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムスズの何れか一以上で形成すればよい。
【0050】
また、撮像ユニット10は、一組の光学系と撮像素子により成るものに限定するものではなく、複数組の光学系と撮像素子を有して成るものであってもよい。従って、
図6(b)に示すように各光学系10a~10cの光軸をそれぞれ異なる向きに向ければ、アンテナ装置1周りを広い範囲で撮像することができる。
また、撮像ユニット10を設ける場合、
図6(c)に示すように、カバー4をレンズ形状とし、更に撮像ユニット10をカバー4が成すレンズの焦点位置に配するようにしてもよい。即ち、凸レンズ様のカバー4の焦点位置に撮像ユニット10としての撮像素子を配すれば、カバー4がレンズ機能を成し得るため、撮像ユニット10の構成の簡略化を図ることができる。また、
図6(d)に示すように、カバー4が撮像ユニット10及び送信回路2を被覆するように略中実状を成していてもよい。なお、カバー4に適用されるレンズ形状は、特に限定されるものではなく、凸レンズ、凹レンズ、フレネルレンズ等、適宜設定し得る。
【0051】
また、透光性を有するカバー4は、ハーフミラー様の機能を有していてもよい。即ち、外部からの入射光の一部を反射させるようにすれば、撮像ユニット10によって撮像される画像に、不鮮明となる所謂ハレーション等が発生するのを抑制することができる。従って、撮像された画像に基づいて行う検出対象の検出の精度を向上させることができる。また、外部からカバー4内を視認し難くすることができる。外部からの入射光の一部を反射させれば、カバー4内部に存する、例えば樹脂材、金属等のあらゆるものが光劣化していくのを抑制することができる。
また、カバー4又は撮像ユニット10に、特定波長の光を選択的に透過又は遮光するフィルタ(例えば、赤外線透過フィルタ、紫外線透過フィルタ等)を設けるようにしてもよい。
【0052】
カバー4は、送信回路4を取り囲む閉空間を有していれば好く、例えば、中空状或いは中実状であっても好く、適宜の形状を設定し得る。従って、カバー4は、半球形状の略ドーム形状の他、
図7(a)に示す略円筒形状、
図7(b)に示す略円錐形状、
図7(c)に示す略カップ形状、
図7(d)に示す略円錐台形状であってもよい。勿論、これ以外にも、角筒形状や、多角錐形状、多角錐台形状等であってもよいことは言うまでもない。また、
図8に示すように、カバー4内部に送信回路2を埋めて成るアンテナ装置1を構成してもよい。即ち、アンテナ装置1は、インサート成型等によって送信回路2等とカバー4とを一体化させて成るものであってもよい。
【0053】
次に本発明のアンテナ装置1が適用された物理変化検出装置について説明する。物理変化検出装置は、構造体或いは構造体の構成要素等の測定対象物に直接又は間接形成されるセンサによって物理変化に関する情報を検出し、その物理変化に関する情報を外部に送信する。
図9は物理変化検出装置100を示すブロック図である。物理変化検出装置100は、各部を統括的に制御するCPU102を有する。CPU102には、メモリ104、検出回路106、通信回路(送信回路)108、電源回路110等が接続される。メモリ104は、CPU102が実行する制御プログラムを格納する他、処理結果等を記憶する。検出回路106は、測定対象物に直接形成されたひずみ検出センサ112と接続し、測定対象物に生じている物理変化の関する情報としてのひずみを検出する。
【0054】
通信回路108は、アンテナ6と接続し、高周波送信信号をアンテナ6に出力し、高周波受信信号をアンテナ6から受け取る。即ち、通信回路108は、上記送信回路4が有する機能に、高周波受信信号を受信するための機能を具える。
電源回路110は、バッテリ、発電機等の電源(図示せず)と接続し、物理変化検出装置100の各部に電力を供給する。なお、電源回路110は、伝送コイルと接続することで、外部の送信機からワイヤレス給電を受けるものであってもよい。
【0055】
ひずみ検出センサ112は、導電材料から成り所定の方向に複数回往復して延びるひずみゲージ様の導電パターンを有するセンサ構造部分を具える。ひずみ検出センサ112は、導電材料の伸縮、曲げ等の変形に伴う、電気的特性(電圧又は抵抗値)の変化を検出することで、物理的変化を検出するセンサとして利用される。
【0056】
なお、検出回路106は、ジャイロセンサ、温度センサ等の他センサと接続してもよく、その場合の物理変化に関する情報は、ジャイロセンサにおいては設置初期の姿勢(傾き、方角)を基準としたときの姿勢の変化量であり、温度センサにおいては絶対温度でもよく若しくは設置初期の温度を基準としたときの温度の変化量であってもよい。
【0057】
また、ひずみ検出センサ112と温度センサとを併用すれば、ひずみ検出センサ112によるひずみの内、温度によるひずみの影響を排除できる。即ち、ひずみ検出センサ112によるひずみに対し、温度センサによって計測した温度に基づく補正処理を行うことで、温度による影響を排除したひずみ情報を取得することができる。なお補正処理は、検出回路106にて回路補正により実行又はCPU102において演算処理により実行する等、適宜設定可能である。
また、検出回路106は、上記のセンサ以外に、例えば加速度センサ、圧力センサ、臭気センサ、特定粒子官能センサ、放射線センサ、濡れセンサ、位置センサ(GPS)、人感センサ等を有してもよい。
【0058】
次に測定対象物に直接形成されるひずみ検出センサ112の形成例について説明する。測定対象物の母材が電気伝導性を有する場合、先ず測定対象物の表面に電気絶縁層を被膜形成し、当該電気絶縁層上に導電材料等の電気伝導性が良好な材料によってひずみ検出センサ112のパターンを成す導電層を形成する。
【0059】
電気絶縁層は、例えば積層印刷、パット印刷、塗装、メッキ、インクジェット印刷、スパッタリング、化学蒸着法(CVD法)、物理蒸着法(PVD法)等を用いて形成し得る。または例えば所定のマスクを配置した状態で絶縁材料をスパッタリングによって被膜形成したり、シリカ材料を塗布して加熱処理したり、化成処理を施したり、ポリィミド系、エポキシ系、ウレタン系、シリコーン系、フッ素系等の有機絶縁材による層を形成する等の手法を用いてもよい。
【0060】
また、測定対象物の母材が電気伝導性を有する場合、その母材表面を酸化処理することによって酸化皮膜化し電気絶縁層としても良い。母材がアルミニウム系の場合にはアルマイト処理によって電気絶縁層を設けても良い。勿論電気絶縁層は、これらの手法によって形成するものに限定されるものではない。
測定対象物の母材が電気絶縁性を有する場合には、電気絶縁層を形成せず、母材に直接導電層を形成してもよい。
【0061】
導電層は、導電性ペーストを利用した積層印刷、パット印刷、塗装、メッキ、インクジェット印刷、スパッタリング、CVD法、PVD法等によって電気絶縁層又は電気絶縁性の母材に直接形成される。また導電層は、ひずみ検出センサ112の形状に合わせたマスキングを施してエッチングすることで、配線の形状を設定してもよい。このように導電層を電気絶縁層上に直接形成することで、長期間に亘って導電層が剥離しないようになっている。
【0062】
図10は物理変化検出装置100の設置例を示す図であり、物理変化検出装置100は、例えば、
図10(a)に示す長尺体や、
図10(b)に示す板状体等の測定対象物に固定可能に設置される。ひずみ検出センサ112は、測定対象物表面に直接形成される。また、物理変化検出装置100の制御基板100aを測定対象物に設置し、当該制御基板100aを囲繞するようにカバー4を測定対象物に設置する。
【0063】
このように、物理変化検出装置100を測定対象物に設置した場合、ひずみ検出センサ112と接続される検出回路106から出力される物理変化に関する情報を通信回路108によって外部に送信し、このとき測定対象物に設置されたカバー4の外周に設けられている各アンテナ6を介して電波放射を行うので、アンテナ6全体で広範囲な電波放射を行うことができる。
【0064】
なお、全体で無指向性を成すように、アンテナ6を複数配するものとして説明したが、隣接するアンテナ6同士で電波放射領域が一部重複するように各アンテナ6を配してもよい。但し、電波同士が干渉したときに電波を強め合うような位置関係にすることが望ましい。
【0065】
また、アンテナ装置1を搭載し得る構造体は、特に限定されるものではなく、種々の物(乗物、建造物等)や機器(家電機器等)、機械(農業機械、建設機械、工作機械等)も含まれ得る。例えば、乗物としては有人移動若しくは無人移動を含め、陸用として、多輪乗物と無輪乗物を含む。四輪以上の多輪乗物には、トラック、バス、消防車、はしご車、ポンプ車、トレーラー、タンクローリー、ミキサー車、クレーン車、路面清掃車、バキュームカー、牽引車、除雪車、電車、モノレール、新幹線、路面電車、機関車、ケーブルカー、装甲車、戦車等を含み、四輪乗物には、自動車、パトカー、救急車、キャンピングカー等を含み、三輪乗物には三輪車、自動三輪車を含み、二輪乗物には、オートバイ、スクーター、自転車、電動アシスト自転車、車椅子、ベビーカー、人力車等を含み、一輪乗物には、一輪車を含む。無輪乗物は、リニアモーターカー、ホバークラフト、エレベータ、エスカレーター、リフト、ゴンドラ、ロープウェイ、観覧車、メリーゴーランド、ブランコ、シーソー等を含む。その他の車輪付乗物には、ホイール・ローダ、タイヤ・ローラ、ロード・ローラ、グレーダ、アスファルト・フィニッシャ、モータ・スイーパ、ダンプカー、ホイール・クレーン、フォークリフト、ストラドル・キャリヤ、ターレット式構内運搬車、農耕トラクタ、農業用薬剤散布車、刈取脱穀作業車、田植機、コンバイン、ショベルカー、バックホー、ローディングショベル、スノーモービル、ローラースケート、ローラーシューズ、スケートボード、キックボード、スキー、スノーボード、スケートシューズ等を含む。空用乗物又は移動体は、有人飛行若しくは無人飛行を問わず、気球、飛行船等の軽飛行機、飛行機、回転翼飛行機、グライダー、ヘリコプター、ドローン、ロケット、垂直離着陸機等の重飛行機を含む。海用乗物は、船ボート、ヨット、船舶客船、客船、貨客船、貨物船、タンカー、漁船、軍艦、潜水艦等を含む。また、乗物に用いられる部品としては、モノコック、ボディシェル、ボンネット、ドア、テールゲート、フロントフェンダー、ラジエーターグリル、バンパー、メーター、ヒーター、ウインドシールドグラス、ドアウインドグラス、エンジン、ラジエーター、マフラー、ブレーキペダル、アクセルペダル、クラッチペダル、シート、エグゾーストパイプ、テールランプ、ヘッドランプ、ホイール、タイヤ、線路、プロペラ、タンク、シリンダ、ピストン、アクチュエータ、ダンパ、リニアガイド、ベアリング、シャーシ、シャフト等を含む。
【0066】
建造物としては、建物と土木建造物(工作物)を含む。建物は住居、商業施設、公共施設、文化施設、教育施設、医療施設、娯楽施設、交通施設、工業施設、宗教施設、軍事施設、プラント施設を含む。建物は更に、戸建住宅、連棟住宅(テラスハウス)、集合住宅、共同住宅、シェアハウス、オフィスビル、教会、修道院、寺院、神社、城、宮殿、御所、庭園、公園、病院、診療所、駅、駅舎、空港、官公庁宿舎、官公庁舎、警察署、消防署、交番、競技場、球場、運動場、プール、学校、体育館、劇場、映画館、演舞場、演芸場、観覧場、公会堂、集会場、ホテル、旅館、工場、倉庫、物流倉庫、ロジスティクスセンター、下宿、寄宿舎、児童福祉施設、助産所、身体障害者更生支援施設、精神障害者社会復帰施設、保護施設、婦人保護施設、知的障害者援護施設、老人福祉施設、有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、デイサービスセンター、母子保健施設、映画館、博物館、美術館、図書館、公衆便所、スポーツ練習場、ボウリング場、スキー場、百貨店、スーパーマーケット、雑貨屋、展示場、キャバレー、カフェ、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合室、料理店、飲食店、店舗、自動車車庫、自動車修理工場、映画スタジオ、テレビスタジオ等を含む。
【0067】
土木建造物(工作物)は、橋梁、金属構造物、鉄道、道路、港湾、海岸、河川、発電施設や発電設備、ダム、トンネル、土地改良建造物、防災建造物、農業土木建造物を含む。橋梁は、桁橋、斜張橋、トラス橋、アーチ橋、ラーメン橋、吊橋を含み、金属構造物は、塔状構造物、貯蔵用構造物、水門・閘門、水圧鉄管、合成構造物、上水道、下水道、ガスや石油等の配送用途の物を含む各種のパイプラインを含み、鉄道は、線路、軌道構造、路盤、鉄道停車場、信号・保安・通信設備、高速鉄道、特殊鉄道、索道、市街鉄道を含み、道路は、路床・路盤、舗装、アスファルト系舗装、コンクリート系舗装、砂利道、防じん処理道等を含み、港湾は、泊地、防波堤、護岸、突堤、埠頭、岸壁、桟橋、上屋、荷役・陸上設備、船車連絡設備、漁港、航路標識等を含み、海岸は海岸構造物を含み、河川は堤防・護岸、砂防、河川構造物、運河を含み、発電施設や設備は取水設備、貯水池、調整池、原子力発電所、火力発電所、水力発電所、潮力発電、地熱発電、波力発電、風力発電を含み、ダムは重力ダム、フィルタイプダム、アーチダムを含み、トンネルはトンネル構造物を含み、土地改良構造物は、土地造成、干拓、浚渫、かんがい、排水、開墾、客土を含む。
【0068】
また、建造物で用いられる部材は、自然石、人造石、砕石を含む石類、木材、プレカット材、無垢材、機械等級製材、目視等級製材、無等級製材、甲種構造材、乙種構造材、集成材、エンジニアリングウッド、構造用集成材、合板、木質製品、樹脂製品、金属製品、鋼材、鋼板、鉄骨、有機系材料、塗装材料、防水材料、セメントペースト、のろ、モルタル、コンクリート、タイル、磁器質タイル、せっ器質タイル、陶器質タイル、畳、軽量気泡コンクリート、コンパネ、耐水合板、石膏ボード、耐火ボード、珪酸カルシウム板、断熱材、グラスウール、ロックウール、硬質ウレタンフォーム、スタイロフォーム、フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム、セルロースファイバー、プレストレストコンクリート、プレキャストコンクリート、水中コンクリート、ポリマーコンクリート、レジンコンクリート、マスコンクリート、膨張コンクリート、低収縮コンクリート、無収縮コンクリートを含む。
【0069】
建造物の部位は、構造材、締結部材、仕上げ材、下地材、内装材、外装材、面材、保温材、基礎、土台、壁、柱(通柱、管柱、隅柱、添え柱、大黒柱)、梁(小屋梁、火打梁、丸太梁、登り梁)、屋根、天井、床、階段、束、小屋束、窓、窓ガラス、窓枠、ドア、ドア枠、扉、棚、巾木、框(上り框)、化粧柱、床の間、床框、床板、床柱、欄間、鴨居、付鴨居、胴差、火打梁、筋交い、貫、間柱、束、軒、軒天井、野縁、ひさし、とい、フローリング、カーペット、クッションフロア、クロス、壁紙、障子、障子紙、サイディング、エキスパンションジョイント、瓦、セメント瓦、スレート瓦、コロニアル、波板鋼板、手摺を含む。
【0070】
建造物の各部材が実現する構造は、石積、レンガ造、木造、木質構造、土蔵構造、鉄骨造(S造)、軽量鉄骨造(LGS)、重量鉄骨造、無筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、コンクリート充填鋼管構造、コンクリートブロック造(CB造)、補強コンクリートブロック造、鋼・コンクリート合成構造、プレストレストコンクリート構造(PC)、膜構造、壁構造、架構構造、組積造、空気膜構造(一重膜)、空気膜構造(二重膜)、空気膜構造(エアービーム)、純ラーメン構造、有壁ラーメン、筋違付きラーメン、ブレース構造、コア構造、チューブ構造、トラス構造、ボールト構造、シェル構造、ケーブル(吊り)構造、ピン構造、スペースフレーム、アーチ、ドームシェル、耐震構造、免震構造、制振構造、剛構造、柔構造、断震構造を含む。
【0071】
家電機器は、テレビ、プロジェクター等の映像機器(表示装置)、ビデオテープレコーダー、DVDレコーダー、Blue-rayDiscレコーダー、HDDレコーダー、DVDプレイヤー、Blue-rayDiscプレイヤー等の映像機器(記録・再生装置)、ビデオカメラ、デジタルカメラ等の映像機器(撮影装置)、ワイヤーレコーダー、テープレコーダー、ミニディスクレコーダー、ラジカセ、ICレコーダー等の音響機器(録音・再生装置)、アナログプレーヤー、CDプレイヤー、アンプ、ラジオ等の音響機器(再生装置)、スピーカー、ヘッドホン等の音響機器(再現装置)、白物家電、情報家電等を含む。
【0072】
農業機械は、トラクタ等の汎用的な農業機械、プラウ(すき)、ハロー、ローラ、ロータリー耕耘機、代かき機、鎮圧機、均平機、うね立機、みぞ切り機等の耕耘・整地に用いる農業機械、抜根機、心土破砕機、みぞ掘り機、モールドレイナ(暗渠せん孔機)、穴掘機、バックホー等の耕土・造成・改良に用いる農業機械、マニュアスプレッダー(たい肥散布機)、スラリースプレッダー、ライムソーワー(石灰散布機)、プランタ(点播機)、施肥播種機等の施肥に用いる機械、田植機、野菜移植機、トランスプランタ(移植機)、散播機等の播種・移植に用いる農業機械、噴霧機、動力噴霧機、ミスト機、散粉機、動力散粉機、散粒機、動力散粒機、煙霧機、航空散布機・ヘリコプター(航空防除)、土壌消毒機、刈払機、管理機、スピードスプレーヤー、凍霜害防除機、中耕除草機、シンナ(間引機)、動力ポンプ、スプリンクラー(潅水装置)等の防除・管理に用いる農業機械、バインダー、コンバイン、野菜収穫機、モーアー、ヘイベーラー、ロールベーラー、ウィンドローワ、脱穀機、ビーンカッター(豆類収穫機)、とうもろこし収穫機、コーンシェラ、ばれいしょ収穫機、ビート収穫機、甘藷堀取り機、甘藷つる切り機、さとうきび収穫機、らっかせい収穫機、亜麻収穫機、たまねぎ堀取り機、栗用脱穀機、らっかせい脱穀機、摘採機、条桑刈取機、特用作物堀取り機、振動収穫機、ホップ摘花機等の収穫に用いる農業機械、乾燥機、籾すり機、選別機、精米機、牧草乾燥機、鶏糞乾燥機、特用作物乾燥機、精穀機、ディスクモアー、モアーコンディショナー、テッダー、レーキ、フォレージハーベスター、ヘーベーラ、ヘープレス、ロードワゴン、ヘーローダ、ベールローダー、飼料さい断機、フォレージブローワ、サイレージアンローダー、飼料粉砕機、フィードチョッパー、ルートカッター、飼料配合機、飼料成形機等の収穫物の乾燥と調製に用いる農業機械、自動給餌機、搾乳機械、牛乳冷却機、給水機、温水機、尿散布機、畜舎清掃機、固液分離機、糞尿処理装置、保温機、エッグリフター、洗卵選別機、畜舎消毒機等の家畜の管理に用いる農業機械、稚蚕共同飼育濕温調整装置、動力ざ桑機、稚蚕用自動飼育装置、壮蚕用自動飼育装置、条ばらい機、収けん機、まゆ毛羽取り機等の育蚕に用いる農業機械、マルチャ、磔耕栽培装置、ハウス暖房機、蔬菜洗浄機、深層施肥機、動力剪定機、ツリータワー、果樹園用ロータリーカッター、選果機、樹園地内運搬用機、管理機等の蔬菜果樹園芸(畑作)に用いる農業機械、蒸し機、粗じゅう機、じゅうねん機、中じゅう機、精じゅう機等の製茶に用いる農業機械、剪枝機、ラミー剥皮機、い草選別機、チューリップ選別機、らっかせい脱皮機等の花卉特用作物に用いる農業機械、刈払機、チェーンソー、集材機等の林業に用いる農業機械、トレーラー、穀物用搬送機、フロントローダー等の運搬搬送に用いる農業機械等を含む。
【0073】
一般建設機械は、ブルドーザ、リッパドーザ(リッパ付ブルドーザ)、スクレイプドーザ、被けん引式スクレイパー、モータスクレイパー等のブルドーザ・スクレイパー、油圧ショベル(ユンボ、バックホー、パワーショベル)、ドラグライン、クラムシェル、泥上掘削機、トラクタショベル、ホイールローダー、トレンチャ、バケットホイールエクスカベーター等の掘削機・積み込み機、トラック、ダンプトラック、クレーン装置付トラック、トレーラー、機関車、ズリ鋼車、シャトルカー、不整地運搬車(特装運搬車)、ショベルローダー、フォークローダー、総輪駆動車、ベルトコンベア、バケットホイールエクスカベーター等の運搬機械、クローラークレーン、トラッククレーン、ホイールクレーン(オールテレーンクレーン、ラフテレーンクレーン)、タワークレーン、ジブクレーン、鉄道クレーン、浮きクレーン、パイプレイヤ、建設用リフト、エレベータ、門型クレーン、フォークリフト、ストラドルキャリア、コンテナキャリア、トップリフタ、クランプリフト、高所作業車(リフト車)、コンクリート床仕上げロボット、玉掛け外しロボット、アンローダー等のクレーン・荷役機械、杭打ち機、ディーゼルハンマ、油圧ハンマ、バイブロハンマ、ウォータージェット(ウォータージェットカッタ)、アースオーガ、アースオーガ中掘り機、モンケン、油圧式鋼管圧入引き抜き機、サンドパイル打ち機、粉体噴射攪拌機、オールケーシング掘削機、穴掘建柱車、アースドリル、リバースサーキュレーションドリル、地下連続壁施工機、泥排水処理設備(アルカリ水中和装置、汚泥吸排車(バキュームカー)含む)、グラウトポンプ、グラウトミキサ(モルタルプラント含む)、ニューマチックケーソン施工機器、深層混合処理機、高圧噴射攪拌用地盤改良機、薬液注入施工機器、深礎工用機械(ロータリー吹き付け機、水中切断機等)、杭抜き機等の基礎工事用機械、ボーリングマシン、ダウンザホールハンマ、さく岩機(ハンドハンマ、レッグハンマ、ドリフタ、ピックハンマ、ベビーハンマ、リベッティングハンマ、チッピングハンマ、コーキングハンマ、スケーリングハンマ、サンドランマ、コンクリートブレーカ、大型ブレーカ等)、ドリルジャンボ、クローラドリル、トンネル掘削機・切削機、グラブホッパ、グラブリフタ、トンネル施工機器、シールド工事用機器等のせん孔機械・トンネル工事用機械、モータグレーダ、スタビライザ、ミキシングプラント、超軟弱地盤用混合機等のモータグレーダ・路盤用機械、ロードローラ(マカダムローラ、タンデムローラ)、タイヤローラ、タンピングローラ、振動ローラ、タンパ、ランマ、振動コンパクタ等の締固め機械、コンクリートプラント、トラックミキサ(アジテータトラック)、コンクリートポンプ車、コンクリートポンプ、コンクリートプレーサ、スクリュークリート、アジテータカー、コンクリート圧砕機等のコンクリート機械、アスファルトプラント、リサイクルプラント、アスファルトフィニッシャ、アスファルトケットル、ディストリビュータ、チップスプレッダ、アスファルトクッカ、コンクリートスプレッダ、コンクリートフィニッシャ、コンクリートレベラ(コンクリート縦仕上げ機)、コンクリート簡易仕上げ機、コンクリート横取り機、振動目地切り機、コンクリートカッタ、インナーバイブレータ、アスファルトエンジンスプレーヤ、アスファルトカーバ、ジョイントシーラ、プレーサスプレッタ、スリップフォームベーパ、キュアリングマシン等の舗装機械、路面ヒータ、ジョイントクリーナ、路面清掃車、ラインマーカ、溶解槽、区画線消去機、路面切削機、路上表層再生機、ガードレール清掃車、路面安全溝切削機(グルービング機)、散水車、ガードレール支柱打ち込み機、区画線施工機、床版上面増厚機、マイクロサーフェースマシン、排水性舗装機能回復機等の道路維持用機械、空気圧縮機(コンプレッサ)、送風機(ファン)等の空気圧縮機・送風機、小型うず巻きポンプ、小型多段遠心ポンプ(タービンポンプ)、深井戸用水中モータポンプ、真空ポンプ、工事用水中モータポンプ(潜水ポンプ)、水中サンドポンプ(攪拌装置付工事用水中ポンプ)、スラリーポンプ等のポンプ、変圧器(トランス)、高圧気中開閉器、キュービクル式高圧受変電設備、発動発電機等の電気機器、ウインチ、ホイスト、チェーンブロック等のウインチ、トラックスケール、計量器、コア採取器(コアボーリングマシン)、CBR試験器、平板載荷試験装置、グラウト流量・圧力測定装置、ガス検知器、騒音計、振動計測機器、沈下・傾斜測定機器、粉塵計、濁度計、自動測量装置、光波測定器等の試験測定機器、架設桁、ベント、門型クレーン、ホイスト、チェーンブロック、ギヤードトロリー、ウインチ、ジャッキ、油圧ポンプ、重量台車、送り出し装置、鉄塔、キャリア、サドル、バックステイ調整装置、ケーブル定着装置、ターンバックル、ロープハンガ、アンリーラー、送り出し装置、横取り装置、降下装置、トラベラクレーン、桁吊り装置、桁吊り門構え移動装置、ターンテーブル、移動支保、地覆高欄作業車等の鋼橋・PC橋 架設用仮設備機器、コンクリートミキサ、骨材計量器、コンクリートバケット、コンクリートバイブレータ、コンクリート破砕器、ジョークラッシャ、インパクトクラッシャ、溶接機、溶接棒乾燥機、油圧ジャッキ、モンケン、軌条、ターンテーブル、モルタルコンクリート吹付機、コンクリート吹付機、急結剤供給装置、種子吹付機、ベントナイトミキサ、水槽、刈払機、芝刈機、チェーンソー、フロート、工事用信号機、工事用高圧洗浄機、薬剤散布機、集草機、ジェットヒータ、パッカー車、自走式破砕機、自走式土質改良機、自走式木材破砕機等のその他陸上用一般建設機械を含む。
【0074】
また、本発明は、特殊建設機械への適用も可能であり、特殊建設機械としては、主作業船、付属作業船、作業船用付属設備、港湾工事用付属機器等の港湾・河川・海岸工事用機械、コンクリート生産設備、コンクリート運搬設備、コンクリート冷却設備、骨材生産設備、セメント輸送・貯蔵設備、給水設備、公害対策設備、その他ダム施工機械等のダム工事用機械、雪上車、除雪装置、除雪用アタッチメント、散布車等の除雪機械、推進工事用機械等の下水道工事用機械、地雷除去機械等を含む。
【0075】
工作機械は、汎用又はNCのタレット旋盤等の旋盤、フライス、エンドミル等を用いるフライス盤、バイト等を用いる形削り盤、バイト等を用いる平削り盤、ドリル、リーマー、タップ等を用いるボール盤、バイト等を用いる中ぐり盤、ワイヤーカット放電加工機、形彫放電加工機等の放電加工機、ブローチ等を用いるブローチ盤、ボブ盤(ボブ)、歯車形削り盤(ラックカッタ、ピニオンカッタ)等の歯切り盤、砥石等を用いる研削盤、コンターマシン、帯鋸盤、マシニングセンタ、ウォータージェット加工機、レーザー加工機、電子ビーム加工機、ホーニング加工機、電解加工機、バリ取り・面取り機、電解バリ取り機、裁断機、転造機、ナットフォーマやパーツフォーマ等のフォーミング装置等を含む。また、これらの工作機械に含まれる、ドリル、エンドミル、バイト、チップ、タップ、鋸歯状ツール類、ダイス、金型等の各種加工工具、工具ホルダも含む。
【0076】
その他、構造体としては、躯体の構造材、建築物の構造材、外装材、内装材、風力発電のプロペラ、ソーラーパネル、シリンダ、ピストン、アクチュエータ、ダンパ、リニアガイド、ベアリング、エンジンブロック、シャーシ、シャフト、ロッド、L字金具、カーテン、ロールカーテン、ベランダ/バルコニ/出窓等の手摺/格子/サッシ、廊下や通路や階段やベッドサイドやトイレ内壁等の手摺、椅子、机、書棚、食器棚、ベッド、浴槽、便座、便器等を含む。
【符号の説明】
【0077】
1…アンテナ装置、2…送信回路、4…カバー、6…アンテナ、10…撮像ユニット、100…物理変化検出装置、102…CPU、104…メモリ、106…検出回路、108…通信回路、110…電源回路。