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  • 特開-チップピックアップヘッド 図1
  • 特開-チップピックアップヘッド 図2
  • 特開-チップピックアップヘッド 図3
  • 特開-チップピックアップヘッド 図4
  • 特開-チップピックアップヘッド 図5
  • 特開-チップピックアップヘッド 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022066128
(43)【公開日】2022-04-28
(54)【発明の名称】チップピックアップヘッド
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/67 20060101AFI20220421BHJP
【FI】
H01L21/68 E
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021028091
(22)【出願日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】109135982
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】506292169
【氏名又は名称】力成科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】周 武毅
(72)【発明者】
【氏名】徐 坤基
(72)【発明者】
【氏名】巫 ▲勤▼達
(72)【発明者】
【氏名】施 永欽
(72)【発明者】
【氏名】劉 金城
(72)【発明者】
【氏名】▲曽▼ 仁棟
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA04
5F131BA54
5F131CA09
5F131CA23
5F131DA03
5F131DA33
5F131DB22
5F131DB25
5F131DB32
5F131DB34
5F131DB62
(57)【要約】
【課題】平坦な接触面を有するチップピックアップヘッドを提供する。
【解決手段】本発明に係るチップピックアップヘッドは、本体11と、二つの挟持アーム12と、弾性体20とを備える。二つの挟持アーム12は、本体11の内上面における対向する二つの縁部から下方に延出するように形成され、上部が広くて下部が狭い収容空間100を内上面と共に画定する。弾性体20は、収容空間100に適合するように形成され、且つ本体11の一方側から横方向に沿って収容空間100内に挿入されて固定される。弾性体20は圧迫変形が生じないため、チップとの接触面が平坦である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挟持台及び弾性体を備え、
前記挟持台は、
内上面に真空孔が形成されている本体と、
前記内上面の二つの対向する縁部から下方に延出するように形成された二つの第1挟持アームであって、前記内上面における前記真空孔と連通し且つ上部が広くて下部が狭い収容空間を前記内上面と共に画定する二つの第1挟持アームと、
を有し、
前記弾性体は、前記挟持台における前記収容空間に適合するように形成され且つ当該収容空間内に収容され、
前記弾性体は、
前記本体の内上面に平らに当接している上面と、
収容空間から突出している平坦底面と、
対応する第1挟持アームの内壁面に各々が平らに当接している二つの第1縁部と、
前記上面及び前記平坦底面に開口するように前記弾性体を貫通し且つ前記真空孔と連通する複数の貫通孔と、
を有する、チップピックアップヘッド。
【請求項2】
各前記第1挟持アームの内壁面は、下方に向かうにつれ内側に位置するように所定の傾斜角度で傾斜した傾斜面である、請求項1に記載のチップピックアップヘッド。
【請求項3】
前記本体は、前記内上面の他の一つの縁部から下方に延出するように形成された第2挟持アームを更に有する、請求項1又は2に記載のチップピックアップヘッド。
【請求項4】
前記第2挟持アームの内壁面は垂直面である、請求項3に記載のチップピックアップヘッド。
【請求項5】
前記第2挟持アームの内壁面は、下方に向かうにつれ内側に位置するように所定の傾斜角度で傾斜した傾斜面である、請求項3に記載のチップピックアップヘッド。
【請求項6】
前記本体の内上面に、前記真空孔及び前記弾性体における前記貫通孔と連通する通気路が更に形成されている、請求項3に記載のチップピックアップヘッド。
【請求項7】
前記通気路は格子状である、請求項6に記載のチップピックアップヘッド。
【請求項8】
前記弾性体における各前記第1縁部は、下方に向かうにつれ内側に位置するように所定の傾斜角度で傾斜した傾斜面である、請求項2に記載のチップピックアップヘッド。
【請求項9】
前記本体の前記第2挟持アームに対応する前記弾性体の第2縁部は、下方に向かうにつれ内側に位置するように所定の傾斜角度で傾斜した傾斜面である、請求項5に記載のチップピックアップヘッド。
【請求項10】
前記弾性体はゴムからなる、請求項1から9のいずれか一項に記載のチップピックアップヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップピックアップヘッドに関し、特に真空チップピックアップヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体パッケージングプロセスでは、チップを移動するために、チップに接触し且つ真空吸着力によってチップを吸着する真空ピックアップヘッドが使用されています。
【0003】
図5に示すように、従来のチップピックアップヘッド30として、収容空間300を画定する四つの挟持アームを有する挟持台31と、収容空間300の下方から収容空間300内に圧嵌されている弾性体32とを備えたものがある。
【0004】
弾性体32が収容空間300から抜け落ちないように、弾性体32は収容空間300より僅かに大きく形成され、収容空間300内に圧嵌されている。しかし、図6に示すように、圧嵌によって収容空間300内に装着された弾性体32は、底面321が突起しており、平ではない。
【0005】
近年、チップの薄型化が進んでいるところ、このような薄型化チップのピックアップに従来のピックアップヘッドを使用する場合、薄型化チップに対し弾性体がその突起した底面で接触することによる薄型化チップの損傷が発生しやすいという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来のチップピックアップヘッドの問題点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、従来のチップピックアップヘッドの問題点の解消に有用である、平坦な接触面を有するチップピックアップヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係るチップピックアップヘッドの特徴は、
挟持台及び弾性体を備え、
前記挟持台は、
内上面に真空孔が形成されている本体と、
前記内上面の二つの対向する縁部から下方に延出するように形成された二つの第1挟持アームであって、前記内上面における前記真空孔と連通し且つ上部が広くて下部が狭い収容空間を前記内上面と共に画定する二つの第1挟持アームと、
を有し、
前記弾性体は、前記挟持台における前記収容空間に適合するように形成され且つ当該収容空間内に収容され、
前記弾性体は、
前記本体の内上面に平らに当接している上面と、
収容空間から突出している平坦底面と、
対応する第1挟持アームの内壁面に各々が平らに当接している二つの第1縁部と、
前記上面及び前記平坦底面に開口するように前記弾性体を貫通し且つ前記真空孔と連通する複数の貫通孔と、
を有する点にある。
【発明の効果】
【0008】
以上から分かるように、本発明に係るチップピックアップヘッドでは、二つの対向した第1挟持アームにより、上部が広くて下部が狭い収容空間を本体において画定し、且つ弾性体を収容空間に適合するように形成して当該収容空間内に収容している。二つの第1挟持アームを有するように構成された本発明に係るチップピックアップヘッドによれば、挟持アームが設けられていない側から横方向に沿って弾性体を収容空間内へ挿入することができるため、弾性体の底面を平坦面のままにすることが可能である。また、収容空間を上部が広くて下部が狭い形状に形成しているため、弾性体が収容空間の底部の開口から抜け落ちることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係るチップピックアップヘッドの第1実施形態の外観を示す斜視図である。
図2図1に示すチップピックアップヘッドの分解斜視図である。
図3】本発明に係るチップピックアップヘッドの第2実施形態の外観を示す斜視図である。
図4図1に示すチップピックアップヘッドの側面図である。
図5】従来のチップピックアップヘッドの分解斜視図である。
図6図5に示すチップピックアップヘッドの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、半導体パッケージングプロセス用チップピックアップヘッドについて構造の改良を行って得られたものであり、以下、図面を参考しながら複数の実施形態を用いて本発明のチップピックアップヘッドの特徴を説明する。
【0011】
図1及び図2に示すように、第1実施形態において、本発明に係るチップピックアップヘッド1は挟持台10及び弾性体20を備える。挟持台10は、上部が広くて下部が狭い形状(下細り状)の収容空間100を有する。弾性体20は、収容空間100に適合した、上部が広くて下部が狭い形状(下細り状)のものである。
【0012】
挟持台10は、本体11と、二つの第1挟持アーム12とを有する。本体11の内上面110には、真空孔101が形成されている。二つの第1挟持アーム12は、内上面110の対向する二つの縁部112から下方に延出するように形成されている。各第1挟持アーム12の内壁面は、下方に向かうにつれ内側に位置するように傾斜角度θで傾斜した傾斜面121である。図4に示すように、二つの第1挟持アーム12と内上面110とにより、上部が広くて下部が狭い収容空間100が形成される。また、内上面110における真空孔101は、収容空間100と連通している。本実施形態において、真空孔101は本体11の中央部に位置し、本体11の内上面110には、真空孔101と連通する通気路111が形成されている。通気路111は、格子状となっている。
【0013】
弾性体20は、挟持台10における、第1挟持アーム12が形成されていない縁部113側から収容空間100内に挿入される。弾性体20における、第1挟持アーム12に対応する第1縁部23は、下方に向かうにつれ内側に位置するように同一の傾斜角度θで傾斜した傾斜面に形成されている。図4に示すように、弾性体20は、上面21、平坦底面22、及び複数の貫通孔25を有する。弾性体20の上面21は、本体11の内上面110に平らに当接している(即ち、内上面11に当接している上面21が平らな状態である)。弾性体20の平坦底面22は、第1挟持アーム12の長さよりも弾性体20の厚さが大きいため、収容空間100から突出している。複数の貫通孔25は、弾性体20の上面21及び平坦底面22に開口するように弾性体20を貫通し、且つ通気路111を介して真空孔101と連通している。本実施形態において、複数の貫通孔25はマトリックス状に配置されている。なお、弾性体20はゴムからなるものである。
【0014】
図2に示すように、弾性体20の装着を容易にするため、本体11の内上面110のもう一つの縁部114から下方に延出するように第2挟持アーム13が形成されている。縁部114に対向する縁部113側から弾性体20を挿入し第2挟持アーム13に当接させれば、収容空間100内への弾性体20の挿入が完成する。本実施形態において、第2挟持アーム13の内壁面131は垂直面である。図3に示す挟持台10’の他の実施形態では、第2挟持アーム13’の内壁面131’は、下方に向かうにつれ内側に位置するように同一の傾斜角度θで傾斜した傾斜面に形成されている。この場合、弾性体20における、第2挟持アーム13’に対応する第2縁部24も同一の傾斜角度で傾斜した傾斜面に形成されている。なお、弾性体20の四つの縁部のすべてを傾斜面に形成してもよい。
【0015】
図2に示すように、弾性体20は、収容空間100に適合する(サイズ、形状が実質的に同一である)ように形成されており且つ挟持台10の一つの縁部113側から挿入されるため、収容空間100に挿入された弾性体20は、図4に示すように、底面22が平坦面のままである。更に、収容空間100を、上部が広くて下部が狭い形状に形成していることにより、弾性体20が収容空間100から抜け落ちることは防止される。
【0016】
以上のように、本発明に係るチップピックアップヘッドによれば、挟持台への弾性体の装着が容易であるのみならず、挟持台に装着された弾性体の底面は平坦なままである。本発明に係るチップピックアップヘッドは平坦なチップ接触面を有するため、チップの真空吸着を行う際に発生するチップの損傷を抑えることができる。
【0017】
上述した実施形態は例示にすぎず、本発明を限定するものではない。本発明を上記実施形態により説明したが、本発明はこれら開示された実施形態に限定されず、当業者であれば、本発明の技術的思想を逸脱することなく、様々な変更および修飾を加えて均等物とすることができる。したがって、上記実施形態に変更、改変および修飾を加えた内容もまた、本発明の技術的思想に含まれるものである。
【符号の説明】
【0018】
1 チップピックアップヘッド
10、10’ 挟持台
100 収容空間
101 真空孔
11 本体
110 内上面
111 通気路
112 縁部
113 縁部
114 縁部
12 第1挟持アーム
121 傾斜面
13、13’ 第2挟持アーム
131 内壁面
131’ 内壁面
20 弾性体
21 上面
22 底面
23 第1縁部
24 第2縁部
25 貫通孔
30 チップピックアップヘッド
300 収容空間
31 挟持台
311 挟持アーム
32 弾性体
321 底面
図1
図2
図3
図4
図5
図6