(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022066150
(43)【公開日】2022-04-28
(54)【発明の名称】照明装置用バックパネル及び照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20220421BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20220421BHJP
F21V 19/02 20060101ALI20220421BHJP
F21W 131/40 20060101ALN20220421BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20220421BHJP
【FI】
F21S2/00 482
F21S2/00 600
F21V19/00 100
F21V19/02
F21S2/00 483
F21W131:40
F21Y115:15
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021152091
(22)【出願日】2021-09-17
(31)【優先権主張番号】P 2020174609
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】596099446
【氏名又は名称】シーシーエス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(72)【発明者】
【氏名】戸川 拓三
(72)【発明者】
【氏名】香山 貴彦
【テーマコード(参考)】
3K013
3K244
【Fターム(参考)】
3K013BA05
3K013CA02
3K244AA07
3K244BA37
3K244DA10
3K244JA10
3K244KA02
3K244KA03
3K244KA17
3K244KA18
(57)【要約】 (修正有)
【課題】発光パネルの厚さ変更に柔軟に対応可能な照明装置用バックパネル及びこれを備えた照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置用バックパネル110は、発光パネル保持時に発光パネル120の発光面121Aと反対側の裏面121Bに沿うように配置されるパネル本体112と、発光パネル保持時にフロントパネル130がパネル本体112との間で発光パネル120を挟み込む位置にフロントパネル130を保持するフロントパネル保持部114と、を備え、フロントパネル保持部114は、当該フロントパネル保持部114により保持されるフロントパネル130とパネル本体112との間の隙間の大きさを任意の大きさに設定可能に構成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントパネルとの間で照明用の発光パネルを挟んで保持するための照明装置用バックパネルであって、
前記照明装置用バックパネルにより前記発光パネルが保持される発光パネル保持時に前記発光パネルの発光面と反対側の裏面に沿うように配置されるパネル本体と、
前記発光パネル保持時に前記フロントパネルが前記パネル本体との間で前記発光パネルを挟み込む位置に前記フロントパネルを保持するフロントパネル保持部と、を備え、
前記フロントパネル保持部は、当該フロントパネル保持部により保持される前記フロントパネルと前記パネル本体との間の隙間の大きさを任意の大きさに設定可能に構成されている、照明装置用バックパネル。
【請求項2】
前記フロントパネル保持部は、前記発光パネル保持時に前記フロントパネルと前記パネル本体との間に介在して前記フロントパネルと前記パネル本体との間に前記発光パネルを収容する隙間を形成するスペーサを有し、
前記スペーサは、前記パネル本体に分離可能に取り付けられている、請求項1に記載の照明装置用バックパネル。
【請求項3】
前記スペーサは、前記発光パネル保持時に前記発光パネルの幅方向における一方の外側で前記発光パネルの延び方向全体に亘って延在する第1スペーサ部と、前記発光パネル保持時に前記発光パネルの幅方向において前記第1スペーサ部と反対側の位置で前記発光パネルの延び方向全体に亘って延在する第2スペーサ部と、を含む、請求項2に記載の照明装置用バックパネル。
【請求項4】
前記フロントパネル保持部は、前記発光パネル保持時に前記フロントパネルと前記パネル本体との間に前記スペーサが介装された状態で前記フロントパネルを前記パネル本体に締結するパネル締結螺子をさらに有する、請求項2又は3に記載の照明装置用バックパネル。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の照明装置用バックパネルであって、前記パネル本体の少なくとも一部が湾曲した前記照明装置用バックパネルと、
前記パネル本体の一方の主面に沿って湾曲した前記発光パネルと、
前記フロントパネル保持部によって保持されることにより前記発光パネルを前記パネル本体との間で挟むフロントパネルであって、前記発光パネルに沿って湾曲した前記フロントパネルと、を備える、照明装置。
【請求項6】
請求項2~4のいずれか1項に記載の照明装置用バックパネルであって、前記パネル本体の少なくとも一部が湾曲した前記照明装置用バックパネルと、
前記パネル本体の一方の主面に沿って湾曲した前記発光パネルと、
前記フロントパネル保持部によって保持されることにより前記発光パネルを前記パネル本体との間で挟むフロントパネルであって、前記発光パネルに沿って湾曲した前記フロントパネルと、を備え、
前記フロントパネル保持部は、前記フロントパネルと前記パネル本体との間に介在して前記フロントパネルと前記パネル本体との間に前記発光パネルを収容する隙間を形成するスペーサと、前記スペーサを前記パネル本体に締結するスペーサ締結螺子と、を有し、
前記フロントパネルは、前記スペーサ締結螺子の頭部が内側に配置されるように開口した螺子用開口部を有する、照明装置。
【請求項7】
前記発光パネルは、可撓性を有し、
前記フロントパネルは、弾性材料からなり、
前記発光パネル及び前記フロントパネルは、互いに結合されて前記一方の主面に沿うように一体的に湾曲している、請求項5又は6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記フロントパネル保持部は、前記発光パネル保持時に前記フロントパネルが前記パネル本体との間で前記発光パネルを挟み込む位置に前記フロントパネルを保持する爪部であって、前記パネル本体の幅方向の端部から幅方向外向きに突出すると共に、幅方向内向きに折り曲げ可能に構成された爪部を有する、請求項1に記載の照明装置用バックパネル。
【請求項9】
請求項8に記載の照明装置用バックパネルであって、前記パネル本体の少なくとも一部が湾曲した前記照明装置用バックパネルと、
前記パネル本体の一方の主面に沿って湾曲した前記発光パネルと、
前記発光パネルを前記パネル本体との間で挟むフロントパネルであって、前記発光パネルに沿って湾曲した前記フロントパネルと、を備え、
前記爪部は、前記パネル本体の長さ方向に間隔を空けて複数設けられると共に、前記パネル本体との間に隙間を空けて幅方向内向きに折り曲げられており、
前記発光パネル及び前記フロントパネルの端部は、前記隙間に挿入されている、照明装置。
【請求項10】
前記発光パネルは、前記パネル本体の凸面に沿って湾曲している、請求項5~7、9のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項11】
前記発光パネルは、発光シート部と、前記発光シート部の縁部を覆う遮光性及び電気的絶縁性を有するカバー部と、を含む、請求項5~7、9、10のいずれか1項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置用バックパネル及びこれを備えた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、OLED(Organic Light Emitting Diode)を用いたベンダブル照明が知られている。
【0003】
特許文献1には、OLED照明シートと、OLED照明シートを保護する透明フィルムと、これらを収容及び支持する長方形のケーシングプレート(バックパネル)とを備えた照明が記載されている。このバックパネルは、OLED照明シートの背面に面接触するバックカバー部と、当該バックカバー部の両側面から垂直に突出するサイド突出端部と、当該サイド突出端部から内側に延びるガイドアーム部とを含む。OLED照明シート及び透明フィルムは、ガイドアーム部とバックカバー部との間の隙間(溝)に幅方向の両端部が挿入されることによりバックパネルに支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のバックパネルでは、長さ方向の全体に亘って幅方向の両端部に溝が形成されており、当該溝にOLED照明シート(発光パネル)の両端部がそれぞれ挿入されている。ここで、発光パネルは、発光層や電極の他、種々の構成要素(例えば、拡散板、偏光板、LCフィルム又はカラーフィルタ等)も含む積層構造からなり、仕様によって厚さが変わる。特許文献1のバックパネルでは、溝のサイズが一定であるため、発光パネルの厚さ変更に柔軟に対応することが困難である。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、発光パネルの厚さ変更に柔軟に対応可能な照明装置用バックパネル及びこれを備えた照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係る照明装置用バックパネルは、フロントパネルとの間で照明用の発光パネルを挟んで保持するためのものである。この照明装置用バックパネルは、前記照明装置用バックパネルにより前記発光パネルが保持される発光パネル保持時に前記発光パネルの発光面と反対側の裏面に沿うように配置されるパネル本体と、前記発光パネル保持時に前記フロントパネルが前記パネル本体との間で前記発光パネルを挟み込む位置に前記フロントパネルを保持するフロントパネル保持部と、を備える。前記フロントパネル保持部は、当該フロントパネル保持部により保持される前記フロントパネルと前記パネル本体との間の隙間の大きさを任意の大きさに設定可能に構成されている。
【0008】
この照明装置用バックパネルでは、フロントパネル保持部が、当該フロントパネル保持部により保持されるフロントパネルとパネル本体との間の隙間の大きさを任意の大きさに設定可能に構成されているため、前記発光パネル保持時にフロントパネルとパネル本体との間の隙間を発光パネルの厚さに応じた大きさに適宜設定することができる。このため、発光パネルの厚さ変更に柔軟に対応することができる。
【0009】
前記フロントパネル保持部は、前記発光パネル保持時に前記フロントパネルと前記パネル本体との間に介在して前記フロントパネルと前記パネル本体との間に前記発光パネルを収容する隙間を形成するスペーサを有し、前記スペーサは、前記パネル本体に対して分離可能に取り付けられている。
【0010】
この構成では、前記発光パネル保持時にフロントパネルとパネル本体との間に介在してフロントパネルとパネル本体との間に発光パネルを収容する隙間を形成するスペーサがパネル本体に対して分離可能に取り付けられることから、発光パネルの厚さが変更されるときに、バックパネルのうちスペーサ以外の部材はそのまま使用しつつ、スペーサのみを発光パネルの厚さに応じた厚さを有するものに変更してその発光パネルの厚さ変更に対応することができる。このため、低コストで発光パネルの厚さ変更に対応可能なバックパネルを得ることができる。
【0011】
前記スペーサは、前記発光パネル保持時に前記発光パネルの幅方向における一方の外側で前記発光パネルの延び方向全体に亘って延在する第1スペーサ部と、前記発光パネル保持時に前記発光パネルの幅方向において前記第1スペーサ部と反対側の位置で前記発光パネルの延び方向全体に亘って延在する第2スペーサ部と、を含むことが好ましい。
【0012】
仮にスペーサが発光パネルの延び方向におけるいずれかの箇所で部分的に設けられていない場合には、その箇所においてフロントパネルが発光パネルと反対の外側から押圧された場合にフロントパネルが変形して発光パネルを損傷させる可能性があるが、この構成では、第1スペーサ部及び第2スペーサ部が発光パネルの幅方向両側でその発光パネルの延び方向全体に亘って延在するため、前記のような押圧に対してより有効にフロントパネルの変形を抑制でき、発光パネルの損傷をより有効に防止できる。
【0013】
前記フロントパネル保持部は、前記発光パネル保持時に前記フロントパネルと前記パネル本体との間に前記スペーサが介装された状態で前記フロントパネルを前記パネル本体に締結するパネル締結螺子をさらに有することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、前記発光パネル保持時にスペーサが取り付けられたパネル本体に対してフロントパネルを分離させた状態で発光パネルをパネル本体に沿うように配置するとともに、その発光パネルをフロントパネルとパネル本体との間で挟み、そのフロントパネルをパネル締結螺子でパネル本体に対して締結することで発光パネルを保持できる。このため、従来の照明装置用バックパネルのようにその幅方向の両端部の溝に発光パネルの幅方向の両端部を当該発光パネルの延び方向に沿ってスライドさせて挿入することでそのバックパネルに発光パネルを保持させるものに比べて、バックパネルに発光パネルを保持させる作業が容易になり、また、バックパネルの溝に発光パネルの端部をスライドさせて挿入するときに生じ得る発光パネルの損傷を回避できる。
【0015】
本発明の他の局面に係る照明装置は、前記パネル本体の少なくとも一部が湾曲した前記照明装置用バックパネルと、前記パネル本体の一方の主面に沿って湾曲した前記発光パネルと、前記フロントパネル保持部によって保持されることにより前記発光パネルを前記パネル本体との間で挟むフロントパネルであって、前記発光パネルに沿って湾曲した前記フロントパネルと、を備える。
【0016】
この照明装置によれば、上記照明装置用バックパネルを採用することにより、発光パネルの厚さに応じてフロントパネル保持部により保持されるフロントパネルとパネル本体との間の隙間の大きさを調整し、発光パネルをパネル本体に対してより確実に当接させることができる。その結果、発光パネルからバックパネルへの放熱効果をより高めることが可能になる。
【0017】
本発明のさらに他の局面に係る照明装置は、前記フロントパネル保持部が前記スペーサを有する前記照明装置用バックパネルであって、前記パネル本体の少なくとも一部が湾曲した前記照明装置用バックパネルと、前記パネル本体の一方の主面に沿って湾曲した前記発光パネルと、前記フロントパネル保持部によって保持されることにより前記発光パネルを前記パネル本体との間で挟むフロントパネルであって、前記発光パネルに沿って湾曲した前記フロントパネルと、を備える。前記フロントパネル保持部は、前記スペーサを前記パネル本体に締結するスペーサ締結螺子をさらに有し、前記フロントパネルは、前記スペーサ締結螺子の頭部が内側に配置されるように開口した螺子用開口部を有する。
【0018】
この照明装置によれば、上記照明装置用バックパネルを採用することにより、発光パネルの厚さに応じてフロントパネル保持部により保持されるフロントパネルとパネル本体との間の隙間の大きさを調整し、発光パネルをパネル本体に対してより確実に当接させることができる。その結果、発光パネルからバックパネルへの放熱効果をより高めることが可能になる。さらに、この照明装置では、スペーサ締結螺子によりスペーサがパネル本体に締結されることにより、そのスペーサをフロントパネルとパネル本体との間に着脱可能にする構造を実現でき、発光パネルの厚さの変更に応じてフロントパネルとパネル本体との間の隙間を調整するための構造を具体化することができる。しかも、この照明装置では、スペーサ締結螺子の頭部がフロントパネルの螺子用開口部内に配置されることでそのスペーサ締結螺子の頭部とフロントパネルとの干渉を回避できる。
【0019】
前記発光パネルは、可撓性を有し、前記フロントパネルは、弾性材料からなり、前記発光パネル及び前記フロントパネルは、互いに結合されて前記一方の主面に沿うように一体的に湾曲していることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、フロントパネル保持部にフロントパネルを保持させてそのフロントパネル及び発光パネルをパネル本体の一方の主面に沿うように湾曲した状態にするときに、可撓性の発光パネルを弾性材料からなるフロントパネルと一体的に湾曲させることができる。発光パネルは、可撓性を有するとは言え、一般的には薄いガラス板を含む場合が多く、その場合に前記のように発光パネルを湾曲させるときに局所的に大きな曲げ変形が生じて応力が集中した場合には発光パネルに含まれるガラス板に割れが生じる虞がある。これに対し、本構成では、前記のように可撓性を有する発光パネルと弾性材料からなるフロントパネルとを一体的に湾曲させることで、発光パネルに局所的な曲げ変形が生じるのをフロントパネルの弾性によって回避でき、発光パネルに含まれるガラス板に応力集中による割れが発生するのを抑止できる。
【0021】
前記フロントパネル保持部は、前記発光パネル保持時に前記フロントパネルが前記パネル本体との間で前記発光パネルを挟み込む位置に前記フロントパネルを保持する爪部であって、前記パネル本体の幅方向の端部から幅方向外向きに突出すると共に、幅方向内向きに折り曲げ可能に構成された爪部を有していてもよい。
【0022】
この構成によれば、爪部をパネル本体の幅方向内向きに折り曲げ、当該爪部とパネル本体との間の隙間にフロントパネル及び発光パネルを挿入してそのフロントパネルを当該爪部によって保持することにより、そのフロントパネルとパネル本体との間で発光パネルが保持される。爪部とパネル本体との間の隙間の大きさは、爪部の折り曲げ角度などにより調整することができる。したがって、当該構成によれば、発光パネルの厚さに応じて爪部の折り曲げ角度等を調整し、爪部とパネル本体との間の隙間の大きさを調整することにより、発光パネルの厚さ変更に柔軟に対応することができる。
【0023】
本発明のさらに他の局面に係る照明装置は、前記フロントパネル保持部が前記爪部を有する前記照明装置用バックパネルであって、前記パネル本体の少なくとも一部が湾曲した前記照明装置用バックパネルと、前記パネル本体の一方の主面に沿って湾曲した前記発光パネルと、前記発光パネルを前記パネル本体との間で挟むフロントパネルであって、前記発光パネルに沿って湾曲した前記フロントパネルと、を備える。前記爪部は、前記パネル本体の長さ方向に間隔を空けて複数設けられると共に、前記パネル本体との間に隙間を空けて幅方向内向きに折り曲げられており、前記発光パネル及び前記フロントパネルの端部は、前記隙間に挿入されている。
【0024】
この照明装置によれば、上記照明装置用バックパネルを採用することにより、発光パネルとフロントパネルの合計の厚さに応じて爪部とパネル本体との間の隙間を調整し、発光パネルをパネル本体に対してより確実に当接させることができる。その結果、発光パネルからバックパネルへの放熱効果をより高めることが可能になる。
【0025】
前記発光パネルは、前記パネル本体の凸面に沿って湾曲していてもよい。
【0026】
前記発光パネルは、発光シート部と、前記発光シート部の縁部を覆う遮光性及び電気的絶縁性を有するカバー部と、を含んでいてもよい。
【0027】
この構成によれば、発光シート部の縁部からの光漏れを抑制すると共に、発光パネルの配線とフロントパネル及びバックパネルとの間の電気的な絶縁をより確実に確保することができる。
【発明の効果】
【0028】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、発光パネルの厚さ変更に柔軟に対応可能な照明装置用バックパネル及びこれを備えた照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る照明装置の構成を模式的に示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る照明装置の分解斜視図である。
【
図3】第1実施形態に係る照明装置においてフロントパネルと一体化させた発光パネルを照明装置用バックパネルから分離させた状態を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係る照明装置の
図1中のIV-IV線に沿った断面図である。
【
図5】第1実施形態に係る照明装置の
図1中のV-V線に沿った断面図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る照明装置用バックパネルのパネル本体の背面図である。
【
図7】第1実施形態に係る照明装置用バックパネルのスペーサの背面図である。
【
図8】第1実施形態に係る照明装置のフロントパネルの平面図である。
【
図9】本発明の第2実施形態に係る照明装置の構成を模式的に示す斜視図である。
【
図10】第2実施形態に係る照明装置の分解斜視図である。
【
図11】本発明の第2実施形態に係る照明装置用バックパネルの構成を模式的に示す平面図である。
【
図12】第2実施形態に係る照明装置用バックパネルにおける爪部の折り曲げを説明するための模式図である。
【
図13】発光パネルの構成を説明するための断面図である。
【
図14】第2実施形態に係る照明装置の製造プロセスにおいてバックパネルの爪部を起立させる工程を説明するための模式図である。
【
図15】第2実施形態に係る照明装置の製造プロセスにおいてバックパネルの爪部を折り曲げる工程を説明するための模式図である。
【
図16】第2実施形態に係る照明装置の製造プロセスにおけるバックパネルの曲げ加工を説明するための模式図である。
【
図17】本発明の第3実施形態に係る照明装置の構成を模式的に示す斜視図である。
【
図18】本発明の第4実施形態に係る照明装置用バックパネルの構成を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係る照明装置用バックパネル及び照明装置を詳細に説明する。
【0031】
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態に係る照明装置用バックパネル110(以下、単に「バックパネル110」とも称する)の構成を、
図1~
図7に基づいて説明する。
【0032】
バックパネル110は、当該第1実施形態に係る照明装置100(
図1参照)において、照明用の発光パネル120をフロントパネル130との間で挟んで保持するためのものである。発光パネル120は、バックパネル110とフロントパネル130とによって保持されていない状態では、当該発光パネル120の厚さ方向に沿う方向から見て長方形の外形を有する平板状の薄いパネルである。この発光パネル120は、可撓性を有する。当該第1実施形態に係るバックパネル110は、フロントパネル130との間で発光パネル120をその厚さ方向の両側から挟み込んで湾曲した形状に保持する。バックパネル110は、
図2及び
図3に示されるように、パネル本体112と、フロントパネル保持部114と、を有する。
【0033】
パネル本体112は、バックパネル110とフロントパネル130により発光パネル120が保持される発光パネル保持時に発光パネル120の発光面121Aと反対側の裏面121Bに沿うように配置される。パネル本体112は、
図2に示されるように、一定の曲率で湾曲した板体からなる。なお、当該第1実施形態では、放熱性を考慮して、パネル本体112の素材はアルミニウムなどの熱伝導性が比較的高い素材であるが、パネル本体112の素材はこれに限定されない。
【0034】
パネル本体112は、前記発光パネル保持時に発光パネル120の裏面121Bと向き合う第1主面112Aと、当該第1主面112Aと反対側を向く第2主面112Bと、を有する。第1主面112Aは、一定の曲率で湾曲した凹面である。第2主面112Bは、一定の曲率で湾曲した凸面である。
【0035】
また、
図4及び
図5に示されるように、パネル本体112は、前記発光パネル保持時に発光パネル120の幅方向においてその発光パネル120の一方の外側に位置するパネル本体第1外側部112aと、前記発光パネル保持時に発光パネル120の幅方向においてその発光パネル120の他方の外側に位置するパネル本体第2外側部112bと、を有する。発光パネル120の前記幅方向は、発光パネル120の厚さ方向及び延び方向の両方に対して直交する方向に相当する。なお、発光パネル120の延び方向は、発光パネル120が平板状であるときの当該発光パネル120の長さ方向に相当し、また、発光パネル120がバックパネル110とフロントパネル130とによって保持されたときの当該発光パネル120の湾曲形状に沿う方向に相当する。
【0036】
パネル本体第1外側部112aとパネル本体第2外側部112bのそれぞれには、
図2に示されるように、それらの両外側部112a,112bをその厚さ方向に貫通する複数の本体螺子孔113が設けられている。パネル本体第1外側部112aに設けられた複数の本体螺子孔113は、
図6に示されるように、パネル本体112の延び方向に沿って間隔を置いて配置されている。同様に、パネル本体第2外側部112bに設けられた複数の本体螺子孔113は、パネル本体112の延び方向に沿って間隔を置いて配置されている。パネル本体112の延び方向は、パネル本体112の湾曲形状に沿う方向に相当する。
【0037】
フロントパネル保持部114は、
図4に示されるように、前記発光パネル保持時にフロントパネル130がパネル本体112との間で発光パネル120を挟み込む位置にフロントパネル130を保持するものである。フロントパネル保持部114は、保持したフロントパネル130とパネル本体112との間の隙間の大きさを発光パネル120の厚さに応じて変更可能に構成されている。
【0038】
具体的に、フロントパネル保持部114は、
図2及び
図3に示されるように、スペーサ116と、複数のスペーサ締結螺子117と、複数のパネル締結螺子118と、を有する。
【0039】
スペーサ116は、前記発光パネル保持時にフロントパネル130とパネル本体112との間に介在してフロントパネル130とパネル本体112との間に発光パネル120が収容される隙間を形成するものである。スペーサ116は、前記発光パネル保持時にフロントパネル130とパネル本体第1外側部112aとの間に介在する第1スペーサ部116Aと、前記発光パネル保持時にフロントパネル130とパネル本体第2外側部112bとの間に介在する第2スペーサ部116Bと、を含む。
【0040】
第1スペーサ部116Aと第2スペーサ部116Bは、同様に構成されている。この第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bは、それぞれ、細長い板材からなり、パネル本体112の凹状の第1主面112Aに沿うように湾曲した形状を有する。第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bは、パネル本体112と同じ素材からなるが、第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bの素材は必ずしもこれに限定されない。
【0041】
第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bは、フロントパネル130とパネル本体112との間に着脱可能に構成されている。具体的には、第1スペーサ部116Aは、パネル本体第1外側部112aに対して締結されることによってそのパネル本体第1外側部112aに分離可能に取り付けられ、第2スペーサ部116Bは、パネル本体第2外側部112bに対して締結されることによってそのパネル本体第2外側部112bに分離可能に取り付けられる。第1スペーサ部116Aは、前記発光パネル保持時にパネル本体第1外側部112aに取り付けられた状態で発光パネル120の幅方向における一方の外側で発光パネル120の延び方向全体に亘って延在する。また、第2スペーサ部116Bは、前記発光パネル保持時にパネル本体第2外側部112bに取り付けられた状態で発光パネル120の幅方向において第1スペーサ部116Aと反対側の位置で発光パネル120の延び方向全体に亘って延在する。このような状態で、第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bは、それらの間に発光パネル120を収容するためのスペースを形成する。このようにパネル本体第1外側部112aとパネル本体第2外側部112bとに取り付けられた状態での第1スペーサ部116Aと第2スペーサ部116Bとの間の間隔は、発光パネル120の幅よりも僅かに大きい間隔に設定される。
【0042】
また、第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bは、共に、パネル本体112とフロントパネル130との間に発光パネル120を収容可能な隙間を形成する厚さを有する。具体的には、第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bは、共に、発光パネル120の厚さに略等しい厚さを有する。前記発光パネル保持時には、発光パネル120の厚さに応じた厚さを有する第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bが選ばれてパネル本体第1外側部112aとパネル本体第2外側部112bとに取り付けられる。このことにより、フロントパネル保持部114により保持されるフロントパネル130とパネル本体112との間の隙間の大きさを発光パネル120の厚さに応じた大きさに調整可能となっている。
【0043】
第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bのそれぞれには、その厚さ方向に貫通する複数のスペーサ螺子挿通孔116aが設けられている。複数のスペーサ螺子挿通孔116aは、それぞれ、スペーサ締結螺子117もしくはパネル締結螺子118が挿通される孔である。複数のスペーサ螺子挿通孔116aは、第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bの湾曲形状に沿うその第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bの延び方向に沿って間隔を置いて配置されている(
図7参照)。
【0044】
複数のスペーサ締結螺子117(
図2参照)は、第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bをパネル本体第1外側部112aとパネル本体第2外側部112bとにそれぞれ締結する螺子である。複数のスペーサ締結螺子117のそれぞれが
図4に示されるように対応するスペーサ螺子挿通孔116aに挿通されるとともにパネル本体112の対応する本体螺子孔113に螺入されて締め付けられることにより、パネル本体第1外側部112aに第1スペーサ部116Aが締結されるとともに、パネル本体第2外側部112bに第2スペーサ部116Bが締結される。
【0045】
複数のパネル締結螺子118(
図2参照)は、前記発光パネル保持時にフロントパネル130とパネル本体112との間にスペーサ116が介装された状態でフロントパネル130をパネル本体112に締結する螺子である。具体的に、複数のパネル締結螺子118のそれぞれが
図5に示されるように対応するフロントパネル螺子挿通孔132(後述)と対応するスペーサ螺子挿通孔116aとに挿通されるとともにパネル本体112の対応する本体螺子孔113に螺入されて締め付けられることにより、パネル本体第1外側部112aとフロントパネル130との間に第1スペーサ部116Aが介在するとともにパネル本体第2外側部112bとフロントパネル130との間に第2スペーサ部116Bが介在する状態でフロントパネル130がパネル本体112に締結される。このパネル締結螺子118によるフロントパネル130のパネル本体112への締結により、フロントパネル130がパネル本体112との間で発光パネル120を挟み込む位置に保持される。また、この複数のパネル締結螺子118により、フロントパネル130だけでなく、第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bもパネル本体112に締結される。
【0046】
次に、本発明の第1実施形態に係る照明装置100の構成について説明する。
【0047】
照明装置100(
図1参照)は、OLEDを光源として光を照射する装置であり、各種筒体や薬品アンプルの外観検査に用いられる。照明装置100は、全体的に湾曲した形状をなしている。照明装置100は、前記バックパネル110と、発光パネル120と、フロントパネル130とを備える。
【0048】
図2に示されるように、当該第1実施形態に係るバックパネル110では、パネル本体112の第1主面112Aが凹面となるようにパネル本体112が円弧状に湾曲している。パネル本体112の曲率半径は特に限定されず、照明装置100の用途などに応じて適宜設定することができる。
【0049】
発光パネル120は、OLEDパネルであり、パネル本体112よりも一回り小さい長方形の薄いパネルである。発光パネル120は、可撓性を有するものであり、パネル本体112の第1主面112Aに沿って円弧状に湾曲している。発光パネル120の延び方向(長さ方向)の一端には、後述の発光シート部121へ電力を供給するケーブル123が接続されている。発光パネル120は、後述の発光面121Aを含む面である発光パネル表面120Aと、その発光パネル表面120Aに対して反対側の面である発光パネル裏面120Bと、を有する。
【0050】
発光パネル120は、発光シート部121と、当該発光シート部121の縁部を覆うカバー部122とを含む。発光シート部121は、薄いガラス板に発光層や電極等が積層された多層構造からなる。発光シート部121は、光を射出する面である発光面121Aと、その発光面121Aに対して反対側の面である裏面121Bと、を有する。発光シート部121の発光色は、例えば白色であるが、特に限定されない。また、発光シート部121は、例えば拡散板、偏光板、LCフィルム又はカラーフィルタがさらに積層されたものでもよい。
【0051】
カバー部122は、遮光性及び電気的絶縁性を有するフィルムからなり、例えば黒色のビニールテープなどが用いられる。カバー部122は、発光シート部121の発光面121Aの縁部と、発光シート部121の裏面121Bの縁部と、発光シート部121の発光面121Aと裏面121Bとを繋ぐ側面(図略)とを覆うように、発光シート部121の縁部全体に発光シート部121の4辺に沿って貼り付けられている。発光シート部121を発光面121A側から見ると、カバー部122は、発光面121Aの周囲全体を取り囲むように設けられている。このようにカバー部122が設けられていることにより、発光シート部121の発光面121Aの縁部、裏面121Bの縁部、及び、側面からの光漏れを抑制するとともに、発光シート部121の電極とフロントパネル130及びバックパネル110との間の電気的な絶縁をより確実に確保することができる。また、発光シート部121のガラス板の割れも抑制することができる。
【0052】
フロントパネル130は、発光パネル120をバックパネル110のパネル本体112との間で挟むものである。フロントパネル130は、後述のように当該フロントパネル130と発光パネル120とを一体的に湾曲させたときに、発光シート部121に含まれるガラス板に割れを生じさせるような応力の不均一が発生するのを抑止可能な弾性材料からなる。具体的には、このフロントパネル130の弾性材料は、100GPa以上の弾性率を有する材料であり、例えばSUS製の板ばねなどである。また、フロントパネル130は、例えば電着塗装やめっきにより表面処理されている。
【0053】
フロントパネル130は、発光パネル120よりも大きい長方形の外形を有する(
図8参照)。フロントパネル130は、当該フロントパネル130を厚さ方向に貫通する矩形状の開口部130Aを有する。前記発光パネル120(
図3参照)は、発光シート部121の発光面121Aがフロントパネル130の開口部130Aを通じて露出されるとともにフロントパネル130の外周部が当該発光パネル120の外側に突出するように、フロントパネル130に取り付けられている。発光パネル120がこのようにフロントパネル130に取り付けられた状態でフロントパネル130及び発光パネル120が一体的にパネル本体112に沿うように湾曲され、その状態で、フロントパネル130がパネル本体112に締結されている。
【0054】
フロントパネル130は、発光パネル120の幅方向においてその発光パネル120の一方の外側に位置するフロントパネル第1外側部130aと、発光パネル120の他方の外側に位置するフロントパネル第2外側部130bと、を有する。
【0055】
フロントパネル第1外側部130aとフロントパネル第2外側部130bのそれぞれには、それらの両外側部130a,130bをその厚さ方向に貫通する複数のフロントパネル螺子挿通孔132が設けられている。フロントパネル第1外側部130aに設けられた複数のフロントパネル螺子挿通孔132は、フロントパネル130の延び方向に沿って間隔を置いて配置されている。同様に、フロントパネル第2外側部130bに設けられた複数のフロントパネル螺子挿通孔132は、フロントパネル130の延び方向に沿って間隔を置いて配置されている。フロントパネル130の延び方向は、フロントパネル130が平板状であるときの当該フロントパネル130の長方形の外形の長さ方向に相当し、また、フロントパネル130がパネル本体112に締結されて湾曲しているときにはそのフロントパネル130の湾曲形状に沿う方向に相当する。
【0056】
上述のように、複数のパネル締結螺子118のそれぞれが、フロントパネル第1外側部130a及びフロントパネル第2外側部130bに設けられた複数のフロントパネル螺子挿通孔132と、複数のスペーサ螺子挿通孔116aとに挿通されるとともに、パネル本体112の複数の本体螺子孔113に螺入されて締め付けられることにより、フロントパネル130がパネル本体112に締結されている。
【0057】
また、フロントパネル第1外側部130aとフロントパネル第2外側部130bのそれぞれには、第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bをパネル本体112に締結している複数のスペーサ締結螺子117のそれぞれの頭部とフロントパネル130との干渉を避けるために、その複数のスペーサ締結螺子117のそれぞれの頭部に対応する各位置で開口した複数の螺子用開口部133が設けられている。複数の螺子用開口部133のそれぞれは、フロントパネル130の延び方向において隣り合うフロントパネル螺子挿通孔132の間に配置されている。各螺子用開口部133は、フロントパネル130の幅方向の端縁からその幅方向内向きに凹むように形成された切欠きであり、フロントパネル130の幅方向外向きに開放されている。複数のスペーサ締結螺子117のそれぞれの頭部は対応する螺子用開口部133内に配置され、それによって、当該複数のスペーサ締結螺子117のそれぞれの頭部とフロントパネル130との干渉が回避されている。
【0058】
次に、照明装置100の製造プロセスを説明する。
【0059】
はじめに、上記のように構成された湾曲形状のパネル本体112及び湾曲形状の第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bを準備する。そして、第1スペーサ部116Aを複数のスペーサ締結螺子117によりパネル本体第1外側部112aに締結するとともに、第2スペーサ部116Bを複数のスペーサ締結螺子117によりパネル本体第2外側部112bに締結する(
図3参照)。この際、第1スペーサ部116Aをパネル本体第1外側部112aの凹面に沿うように配置し、複数のスペーサ締結螺子117をそれぞれその第1スペーサ部116Aの対応するスペーサ螺子挿通孔116a(
図4参照)に挿通するとともにパネル本体第1外側部112aに設けられた対応する本体螺子孔113に螺入して締め付けることにより、当該第1スペーサ部116Aをパネル本体第1外側部112aに締結する。また、同様に、第2スペーサ部116Bをパネル本体第2外側部112bの凹面に沿うように配置し、複数のスペーサ締結螺子117をそれぞれ第2スペーサ部116Bの対応するスペーサ螺子挿通孔116aに挿通するとともにパネル本体第2外側部112bに設けられた対応する本体螺子孔113に螺入して締め付けることにより、当該第2スペーサ部116Bをパネル本体第2外側部112bに締結する。
【0060】
次に、発光パネル120及びフロントパネル130(
図2参照)を準備する。そして、発光パネル120の発光シート部121の発光面121Aがフロントパネル130の開口部130Aを通じて露出するように発光パネル120とフロントパネル130とを位置合わせし、その状態で接着テープ等により発光パネル120とフロントパネル130とを互いに結合させる。
【0061】
そして、
図3に示すように発光パネル120及びフロントパネル130を一体的にパネル本体112の第1主面112A(凹面)に沿うように湾曲させる。その後、発光パネル120を第1スペーサ部116Aと第2スペーサ部116Bとの間に配置し、その状態で、フロントパネル130をパネル本体112に締結する。具体的には、複数のパネル締結螺子118を、それぞれ、対応するフロントパネル螺子挿通孔132と、第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bに設けられた対応するスペーサ螺子挿通孔116aとに挿通するとともに、対応する本体螺子孔113に螺入して締め付けることにより、フロントパネル第1外側部130aとパネル本体第1外側部112aとの間に第1スペーサ部116Aが介在するとともにフロントパネル第2外側部130bとパネル本体第2外側部112bとの間に第2スペーサ部116Bが介在する状態でフロントパネル130をパネル本体112に締結する。この際、各スペーサ締結螺子117の頭部はフロントパネル130の各螺子用開口部133内に配置される。
【0062】
以上のようなプロセスにより、発光パネル120がフロントパネル130とパネル本体112との間で挟まれて所定の湾曲形状に保持された照明装置100(
図1参照)が完成する。
【0063】
発光パネル120の厚さが変更される場合には、フロントパネル130とパネル本体112との間に介装する第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bを変更後の発光パネル120の厚さに応じた厚さを有するものに変更する。すなわち、上記した第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bを準備する際に変更後の発光パネル120の厚さに応じた厚さを有する第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bを準備し、その第1スペーサ部116Aをスペーサ締結螺子117によりパネル本体第1外側部112aに締結するとともに、その第2スペーサ部116Bをスペーサ締結螺子117によりパネル本体第2外側部112bに締結する。これにより、その後、上記のようにフロントパネル130をパネル締結螺子118によりパネル本体112に締結すれば、そのフロントパネル130とパネル本体112との間に、変更後の発光パネル120の厚さに応じた隙間が第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bによって形成されるため、発光パネル120の厚さ変更に対応できる。
【0064】
以上の通り、当該第1実施形態に係る照明装置用バックパネル110では、フロントパネル130とパネル本体112との間の隙間の大きさを任意の大きさに設定可能であるため、前記発光パネル保持時にフロントパネル130とパネル本体112との間の隙間を発光パネル120の厚さに応じた大きさに適宜設定することができる。このため、発光パネル120の厚さ変更に柔軟に対応することができる。
【0065】
具体的には、当該第1実施形態では、前記発光パネル保持時にフロントパネル130とパネル本体112との間に介在してフロントパネル130とパネル本体112との間に発光パネル120を収容する隙間を形成する第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bがフロントパネル130とパネル本体112との間に着脱可能となっていることにより、発光パネル120の厚さが変更されるときに第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bを発光パネル120の厚さに応じた厚さを有するものに変更してフロントパネル130とパネル本体112との間の隙間を発光パネル120の厚さに応じた大きさに調整することができる。しかも、前記のように第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bがフロントパネル130とパネル本体112との間に着脱可能であることから、バックパネル110のうち第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116B以外の部材はそのまま使用しつつ、第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bのみを発光パネル120の厚さに応じた厚さを有するものに変更してその発光パネル120の厚さ変更に対応することができる。このため、低コストで発光パネル120の厚さ変更に対応可能である。
【0066】
また、当該第1実施形態では、第1スペーサ部116Aが前記発光パネル保持時に発光パネル120の幅方向における一方の外側で発光パネル120の延び方向全体に亘ってフロントパネル130とパネル本体112との間に介在するものであり、第2スペーサ部116Bが前記発光パネル保持時に発光パネル120の幅方向において第1スペーサ部116Aと反対側の位置で発光パネル120の延び方向全体に亘ってフロントパネル130とパネル本体112との間に介在するものである。仮に第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bが発光パネル120の延び方向におけるいずれかの箇所で部分的に設けられていない場合には、その箇所においてフロントパネル130が発光パネル120と反対の外側から押圧された場合にフロントパネル130が変形して発光パネル120を損傷させる可能性があるが、当該第1実施形態では、第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bが発光パネル120の幅方向両側でその発光パネル120の延び方向全体に亘って延在するため、前記のような押圧に対してより有効にフロントパネル130の変形を抑制でき、発光パネル120の損傷をより有効に防止できる。
【0067】
また、当該第1実施形態では、前記発光パネル保持時に第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bが取り付けられたパネル本体112に対してフロントパネル130を分離させた状態で発光パネル120をパネル本体112の第1主面112Aに沿うように配置するとともに、その発光パネル120をフロントパネル130とパネル本体112との間で挟み、そのフロントパネル130を複数のパネル締結螺子118によりパネル本体112に締結することで発光パネル120を保持できる。このため、従来の照明装置用バックパネルのようにその幅方向の両端部の溝に発光パネルの幅方向の両端部を当該発光パネルの延び方向に沿ってスライドさせて挿入することでそのバックパネルに発光パネルを保持させるものに比べて、バックパネル110に発光パネル120を保持させる作業が容易になり、また、従来の照明装置用バックパネルにおいてそのバックパネルの溝に発光パネルの端部をスライドさせて挿入するときに生じ得る発光パネルの損傷を回避できる。
【0068】
また、当該第1実施形態による照明装置100では、上記バックパネル110を採用していることから、発光パネル120の厚さに応じてフロントパネル130とパネル本体112との間の隙間の大きさをスペーサ116の厚さの変更によって調整し、発光パネル120をパネル本体112に対してより確実に当接させることができる。その結果、発光パネル120からバックパネル110への放熱効果をより高めることができる。
【0069】
また、当該第1実施形態では、フロントパネル保持部114にフロントパネル130を保持させてそのフロントパネル130及び発光パネル120をパネル本体112の凹面である第1主面112Aに沿うように湾曲した状態にするときに、可撓性を有する発光パネル120を弾性材料からなるフロントパネル130と一体的に湾曲させることができる。発光パネル120は、可撓性を有するとは言え、薄いガラス板を含むため、前記のように発光パネル120を湾曲させるときに局所的に大きな曲げ変形が生じて応力が集中した場合には発光パネル120に含まれるガラス板に割れが生じる虞がある。これに対し、当該第1実施形態では、前記のように可撓性を有する発光パネル120と弾性材料からなるフロントパネル130とを一体的に湾曲させることで、発光パネル120に局所的な曲げ変形が生じるのをフロントパネル130の弾性によって回避でき、発光パネル120に含まれるガラス板に応力集中による割れが発生するのを抑止できる。
【0070】
また、当該第1実施形態では、フロントパネル保持部114は、第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bをパネル本体112に締結する複数のスペーサ締結螺子117を有し、フロントパネル130は、複数のスペーサ締結螺子117のそれぞれの頭部が内側に配置されるように開口した複数の螺子用開口部133を有する。よって、当該第1実施形態では、複数のスペーサ締結螺子117により、第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bがパネル本体112に分離可能に取り付けられる構成を実現しつつ、それらのスペーサ締結螺子117の頭部がフロントパネル130の対応する螺子用開口部133内に配置されることでそれらのスペーサ締結螺子117の頭部とフロントパネル130との干渉を回避できる。
【0071】
(第2実施形態)
まず、本発明の第2実施形態に係る照明装置用バックパネル10(以下、単に「バックパネル10」とも称する)の構成を、
図9~
図11に基づいて説明する。
図9は、第2実施形態に係るバックパネル10が組み込まれた照明装置1を模式的に示す斜視図である。
図10は、第2実施形態に係る照明装置1の分解斜視図である。
【0072】
図10に示すように、バックパネル10は、照明用の発光パネル20をフロントパネル30との間で挟んで保持するためのものであり、円弧状に湾曲した状態で照明装置1に組み込まれている。バックパネル10は、例えばアルミ板などからなり、
図10のように湾曲した状態で曲率を一定に保持することができる。なお、この第2実施形態では、放熱性を考慮してアルミ製のバックパネル10が採用されているが、バックパネルの素材はこれに限定されない。
【0073】
図11は、湾曲前の平板状態のバックパネル10の構成を模式的に示す平面図である。
図11に示すように、バックパネル10は、平面視で長方形の板からなるパネル本体11と、パネル本体11の幅方向の端部13から幅方向外向きに突出する複数の爪部12とを備える。
【0074】
パネル本体11は、発光パネル20(
図10)が配置される第1主面11Aと、当該第1主面11Aと反対側を向く第2主面11B(
図12)とを有する。
【0075】
パネル本体11の幅方向の端部13には、幅方向内向きに凹む切欠部13Aが形成されている。
図11に示すように、切欠部13Aは、幅方向外向きに開放された溝部であり、一対の溝壁面13Cと溝底面13B(底部)とにより規定されている。溝壁面13Cは、それぞれ幅方向に延びると共に、長さ方向に互いに間隔を空けて対向している。溝底面13Bは、長さ方向に延びており、溝壁面13Cの内端部同士を繋ぐ。
【0076】
この第2実施形態では、切欠部13Aは、幅方向の一方及び他方のそれぞれの端部13において、長さ方向に等間隔を空けて複数形成されている。各切欠部13Aは、同じ形状及びサイズで形成されているが、これに限定されない。
【0077】
複数の爪部12は、本発明におけるフロントパネル保持部の概念に含まれるものであり、フロントパネル30がパネル本体11との間で発光パネル20を挟み込む位置にフロントパネル30を保持するものである。各爪部12は、切欠部13Aの溝底面13Bから幅方向外向きに突出する。より具体的には、
図11に示すように、各爪部12は、溝底面13Bに接続された基端12Aと、パネル本体11の端部13よりも幅方向外側に位置する先端12Bとを有し、基端12Aから先端12Bに向かって延出する。また爪部12の両側面と溝壁面13Cとの間には僅かに隙間が空いており、爪部12の側面と溝壁面13Cとは互いに接触していない。
【0078】
爪部12は、各切欠部13Aに対して1つずつ設けられている。このため、当該第2実施形態では、複数の爪部12が、幅方向の一方及び他方のそれぞれの端部13において、長さ方向に等間隔を空けて設けられている。なお、切欠部13A及び爪部12は、平面視長方形の平板をレーザ加工することにより形成されており、形状は特に限定されない。
【0079】
爪部12は、発光パネル20及びフロントパネル30をパネル本体11に対して保持するための部分であり(
図9)、パネル本体11の幅方向内向きに折り曲げ可能に構成されている。
図12は、
図11中の矢印XIIの方向から見たバックパネル10の側面図である。
図12中破線で示すように、爪部12は、パネル本体11との接続部(基端12A、
図11)を中心にパネル本体11の幅方向内向きに折り曲げることができる。このとき、爪部12の折り曲げ角度によって爪部12と第1主面11Aとの間の隙間の高さH1を調整することができる。なお、
図12では、爪部12が第1主面11Aと対向するように折り曲げられているが、爪部12は第2主面11Bと対向するように折り曲げることもできる。
【0080】
次に、本発明の第2実施形態に係る照明装置1の構成を、
図9及び
図10に基づいて説明する。照明装置1は、OLEDを光源とすると共に湾曲形状を有し、各種筒体や薬品アンプルの外観検査に用いられる。照明装置1は、バックパネル10と、発光パネル20と、フロントパネル30とを備える。
【0081】
図10に示すように、第2実施形態におけるバックパネル10では、爪部12がパネル本体11の第1主面11Aとの間に隙間を空けて幅方向内向きに折り曲げられると共に、当該第1主面11Aが凹面となるようにパネル本体11が円弧状に湾曲している。発光パネル20及びフロントパネル30の幅方向の両端部は、当該隙間に挿入されている。パネル本体11の曲率半径は特に限定されず、照明装置1の用途などに応じて適宜設定することができる。
【0082】
発光パネル20は、OLEDパネルであり、バックパネル10よりも一回り小さい長方形の薄いパネルである。発光パネル20は、曲げ可能なものであり、
図10に示すようにパネル本体11の第1主面11Aに沿って円弧状に湾曲している。
【0083】
より具体的には、発光パネル20は、発光シート部21と、当該発光シート部21の縁部を覆うカバー部22とを含む。発光シート部21は、薄いガラス板に発光層や電極等が積層された多層構造からなり、発光面21Aを有する。発光色は例えば白色であるが、特に限定されない。また発光シート部21は、例えば拡散板、偏光板、LCフィルム又はカラーフィルタがさらに積層されたものでもよい。
【0084】
カバー部22は、遮光性及び電気的絶縁性を有するフィルムであり、例えば黒色のビニールテープなどを用いることができる。
図13は、発光パネル20の幅方向に沿った断面を示している。
図13に示すように、カバー部22は、発光シート部21の表面(発光面21Aを含む面)の縁部と、発光シート部21の裏面21Bの縁部と、発光シート部21の側面21C(表面と裏面21Bとを繋ぐ面)とを覆うように、発光シート部21の縁部全体に亘って(発光シート部21の4辺に沿って)貼り付けられている。発光シート部21の表面側から見ると、カバー部22は、発光面21Aの周囲全体を取り囲むように設けられている。このカバー部22を設けることにより、発光シート部21の表裏面の縁部及び側面からの光漏れを抑制すると共に、発光シート部21の電極とフロントパネル30及びバックパネル10との電気的な絶縁をより確実に確保することができる。また発光シート部21のガラス板の割れも抑制することができる。
【0085】
フロントパネル30は、発光パネル20をバックパネル10との間で挟むものであり、例えばSUS製の板ばねなどの弾性材料からなる。フロントパネル30は、発光パネル20に沿って湾曲しており、当該湾曲状態で爪部12によって発光パネル20と共にバックパネル10に保持されている。フロントパネル30は、バックパネル10よりも小さく且つ発光パネル20よりも大きい長方形を有し、発光面21Aを露出させる開口部30Aが形成されている。またフロントパネル30は、例えば電着塗装やめっきにより表面処理されている。
【0086】
発光パネル20は、フロントパネル30の湾曲に伴う反力によってバックパネル10の第1主面11A(凹面)に押し付けられている。具体的には、フロントパネル30は弾性材料からなるため、湾曲状態から平板状態に戻ろうとする反力F1(
図9)が発生する。この反力F1によって、発光パネル20がバックパネル10側に押される。当該第2実施形態では、長さ方向の略中央部が頂部となるようにフロントパネル30が湾曲しているため、反力F1は当該中央部から長さ方向に離れるに従って大きく作用する。
【0087】
次に、照明装置1の製造プロセスを説明する。
【0088】
はじめに、バックパネル10を次の手順で作製する。まず、平面視長方形のアルミ平板(図示しない)を準備し、この平板の外形をレーザによって
図11のように加工する。次に、爪部12をハンマー(図示しない)などによって叩き、
図14中の破線で示すように爪部12をパネル本体11に対して所定の角度θで起立させる。
【0089】
次に、バックパネル10を治具(図示しない)にセットし、
図15に示すようにパネル本体11の第1主面11A上に高さ調整用プレート40を配置する。この高さ調整用プレートとしては、発光パネル20とフロントパネル30の合計の厚さに相当する厚さを有するものを用いる。この状態で、
図15中の破線で示すように、爪部12を高さ調整用プレート40の上面に沿うように径方向内向きに折り曲げる。その後、高さ調整用プレート40を抜き取る。以上のようにして、バックパネル10の爪加工が完了する。
【0090】
次に、バックパネル10の曲げ加工を行う。
図16に示すように、爪加工後のバックパネル10をダイ50の上に載置する。そして、バックパネル10を所定のピッチで長さ方向に搬送し、ダイ50と曲面状のパンチ60との間を通過させる。これにより、バックパネル10が所定の曲率半径で湾曲し、バックパネル10の加工が完了する。
【0091】
次に、発光パネル20及びフロントパネル30をそれぞれ準備する。そして、これらをバックパネル10の凹面(第1主面11A)に沿うように配置し、爪部12によってこれらの幅方向両端部を保持する。具体的には、発光パネル20とフロントパネル30とを重ね、これを長さ方向の一端から爪部12とパネル本体11との間の隙間に挿入する。これにより、発光パネル20がフロントパネル30とバックパネル10とにより挟まれた照明装置1(
図9)が完成する。
【0092】
以上の通り、当該第2実施形態に係る照明装置用バックパネル10によれば、発光パネル20の厚さに応じて爪部12の折り曲げ角度等を調整し、爪部12とパネル本体11との間の隙間の大きさを調整することができるため、発光パネル20の厚さ変更にも柔軟に対応することができる。これにより、発光パネル20をバックパネル10の凹面に対してより確実に接触させることが可能になり、発光パネル20からバックパネル10への放熱効果をより高めることができる。
【0093】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る照明装置2の構成を、
図17に基づいて説明する。第3実施形態は基本的に第2実施形態と同様であるが、発光パネル20及びフロントパネル30がバックパネル10の凸面側に配置されている点で異なっている。以下、当該第3実施形態に係るバックパネル10及び照明装置2の構成のうち前記第2実施形態と異なる点についてのみ説明する。
【0094】
図17に示すように、第3実施形態では、爪部12は、パネル本体11の凸面(第2主面11B)と対向するように幅方向内向きに折り曲げられている。発光パネル20及びフロントパネル30は、パネル本体11の第2主面11Bに沿って湾曲しており、第2実施形態と同様に爪部12によりバックパネル10に保持されている。
【0095】
このように、バックパネル10の爪部12は、第1主面11A側だけでなく、第2主面11B側へも折り曲げることができる。このため、同じバックパネル10を用いて、発光パネル20がバックパネル10の凹面に配置される照明装置1だけでなく、発光パネル20がバックパネル10の凸面に配置される照明装置2を製造することも可能である。
【0096】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る照明装置用バックパネル3の構成を、
図18に基づいて説明する。第4実施形態に係るバックパネル3は、基本的に第2実施形態に係るバックパネル10と同様であるが、爪部12のピッチについて第2実施形態に係るバックパネル10と異なっている。以下、当該第4実施形態に係るバックパネル3の構成のうち、前記第2実施形態に係るバックパネル3と異なる点についてのみ説明する。
【0097】
図18は、第4実施形態に係るバックパネル3における爪部12の配置を模式的に示している。
図18に示すように、第4実施形態に係るバックパネル3は、全体が湾曲部となっている。この第4実施形態に係るバックパネル3は、長さ方向の中央部61と、長さ方向の第1端部62及び第2端部63と、中央部61と第1端部62との間に位置する第1中間部64と、中央部61と第2端部63との間に位置する第2中間部65とを含む。そして、爪部12のピッチは、パネル本体11の湾曲部のうち長さ方向の中央部61及び両端部に比べて、当該湾曲部のうち第1中間部64及び第2中間部65において狭くなっている。すなわち、第1中間部64及び第2中間部65では、中央部61、第1端部62及び第2端部63に比べて、長さ方向に隣接する爪部12同士の間隔が狭くなっている。換言すると、第1中間部64及び第2中間部65では、中央部61、第1端部62及び第2端部63に比べて、爪部12がより密に形成されている。
【0098】
本発明者の検討によると、湾曲したバックパネル10に発光パネル20を沿わせる場合、第1中間部64及び第2中間部65において発光パネル20がバックパネル10の主面から離れ易くなることが分かった。これに対し、第1中間部64及び第2中間部65において爪部12をより密に設けることにより、発光パネル20をバックパネル10に対してより強固に保持し、発光パネル20とバックパネル10との間の隙間が広がるのを抑制することができる。その結果、発光パネル20からバックパネル10への放熱効果をより高めることができる。
【0099】
なお、爪部12をバックパネル10の凹面側に折り曲げる場合に爪部12の疎密を設ける場合に限定されず、爪部12をバックパネル10の凸面側に折り曲げる場合に当該第4実施形態のように爪部12の疎密を設けてもよい。
【0100】
(その他実施形態)
ここで、本発明のその他実施形態を説明する。
【0101】
前記第1~第4実施形態では、バックパネル110,10,3の全体が円弧状に湾曲している場合を説明したが、これに限定されない。例えば、バックパネルは、S字状に湾曲していてもよいし、湾曲部と平板部とを含んでいてもよい。またバックパネルが湾曲部を含む場合にも限定されず、バックパネル全体が平板状であってもよい。
【0102】
また、前記第1実施形態では、バックパネル110の第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bは発光パネル120の延び方向全体に亘って延在するものであったが、これに限定されない。
【0103】
例えば、スペーサは、その延び方向において複数に分割され、その分割された複数のスペーサが発光パネルの延び方向に沿って間隔を置いて設けられてもよい。この場合、分割された各スペーサは、フロントパネルをパネル本体に締結する各パネル締結螺子に対応する箇所に設けられることが好ましい。
【0104】
また、スペーサは、フロントパネルとパネル本体との間で各パネル締結螺子ごとに設けられてその各パネル締結螺子が挿通される筒状のものであってもよい。
【0105】
また、スペーサは、フロントパネルとパネル本体との間で発光パネルの全周を囲むように配置されるものであってもよい。また、スペーサは、フロントパネルとパネル本体との間で発光パネルのケーブル側を除いた三方を囲むように配置されるものであってもよい。
【0106】
また、前記第1実施形態では、第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bがスペーサ締結螺子117によりパネル本体112に締結されているが、本発明の構成は、スペーサがパネル本体に対してスペーサ締結螺子によって締結されるものに必ずしも限定されない。例えば、パネル締結螺子によってフロントパネルと共にスペーサがパネル本体に締結されることのみでスペーサが締結されてもよく、スペーサ締結螺子によるスペーサ単独でのパネル本体への締結は省略してもよい。また、スペーサは、単にフロントパネルとパネル本体との間に挟み込まれるだけでそのフロントパネルとパネル本体との間に固定されるものであってもよく、螺子によるスペーサの締結が省略されてもよい。
【0107】
また、スペーサによりフロントパネルとパネル本体との間に隙間が形成されるバックパネル及び照明装置において、発光パネル及びフロントパネルが前記第3実施形態の場合と同様にパネル本体の凸面側に配置されてその凸面に沿って湾曲するようにしてもよい。この場合、スペーサは、パネル本体の凸面に沿うように湾曲した形状をなし、そのパネル本体の凸面上に設置されればよい。例えば、前記第1実施形態における第1スペーサ部116A及び第2スペーサ部116Bを逆向きに湾曲させてパネル本体の凸面に沿う形状にしてもよい。
【0108】
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0109】
100,1,2 照明装置
110,3,10 バックパネル
112,11 パネル本体
112A,11A 第1主面
112B,11B 第2主面
12 爪部(フロントパネル保持部)
114 フロントパネル保持部
116 スペーサ
116A 第1スペーサ部
116B 第2スペーサ部
117 スペーサ締結螺子
118 パネル締結螺子
120,20 発光パネル
121,21 発光シート部
122,22 カバー部
130,30 フロントパネル
133 螺子用開口部