(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022006617
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】広告支援システム、広告支援サーバおよび広告支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220105BHJP
【FI】
G06Q30/02 382
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020108956
(22)【出願日】2020-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】510152976
【氏名又は名称】アンダス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(72)【発明者】
【氏名】久保 直樹
(72)【発明者】
【氏名】苫田 政雄
(72)【発明者】
【氏名】久野 了平
(72)【発明者】
【氏名】井形 加奈
(72)【発明者】
【氏名】清水 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】平井 志歩
(72)【発明者】
【氏名】坂本 明翔里
(72)【発明者】
【氏名】高崎 正史
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】企業へ問い合わせをするユーザを特定するための情報を入力することなく、どの広告による連絡かを判定することが可能な広告支援システム、広告支援サーバおよび広告支援プログラムを提供する。
【解決手段】広告支援システムにおいて、広告支援サーバ70は、ユーザが操作する第1端末装置により企業への問い合わせページが閲覧されたときに、リンクアドレスに含まれた広告識別情報と広告識別情報を受信した時刻とをコンバージョン情報として記憶するコンバージョン通知受信手段72、第1端末装置からの通話による問い合わせが企業の電話機に発生した時刻を着信情報として記憶する着信情報受信手段73及びコンバージョン情報と着信情報の時間差が所定時間内のものを紐付け、コンバージョン管理データとして管理する紐付け手段74を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが操作する第1端末装置であり、ウェブページの閲覧機能とウェブページの閲覧とは異なる問い合わせ機能を有する第1端末装置と、
前記第1端末装置によるリンクアドレスが張られた広告からのアクセスに応じて、前記広告を出稿する企業が運営する企業サイトを提供する企業サーバと、
前記第1端末装置の閲覧機能による前記企業サイトの閲覧にて、前記企業への問い合わせページが閲覧されたときに、前記第1端末装置から送信された前記リンクアドレスに含まれた広告識別情報と前記広告識別情報を受信した時刻とをコンバージョン情報として記憶し、前記第1端末装置の問い合わせ機能による問い合わせが発生した時刻を問い合わせ情報として記憶し、前記コンバージョン情報と前記問い合わせ情報との時間差が所定時間内であるものを紐付け、コンバージョン管理データとして管理する広告支援サーバとを備えた広告支援システム。
【請求項2】
前記企業サーバは、前記第1端末装置で動作する閲覧ソフトのクッキーに前記広告識別情報を格納させるトラッキングタグと、前記問い合わせページが閲覧されたときに前記広告支援サーバに前記広告識別情報を送信するコンバージョンタグとが設置された前記企業サイトを提供する請求項1記載の広告支援システム。
【請求項3】
前記企業サーバは、前記第1端末装置で動作する閲覧ソフトのクッキーに前記広告識別情報を格納させ、タップコールが発生すると、前記広告支援サーバに前記広告識別情報を送信するトラッキングタグと、前記タップコールとが設置された前記企業サイトを提供する請求項1記載の広告支援システム。
【請求項4】
前記企業の担当者が操作する第2端末装置を備え、
前記第2端末装置は、前記広告支援サーバからのコンバージョン管理データに、問い合わせに対する評価を指示し、
前記広告支援サーバは、前記第2端末装置による評価をコンバージョン管理データに付与して記憶する請求項1から3のいずれかの項に記載の広告支援システム。
【請求項5】
前記広告支援サーバは、前記第2端末装置の要求に応じて、評価が付与されたコンバージョン管理データを送信し、
前記第2端末装置は、リンクアドレスが張られた広告を検索結果ページに含めて表示する検索サイトを提供する検索サーバに移入する請求項4記載の広告支援システム。
【請求項6】
前記企業サーバは、前記企業への問い合わせページを、前記問い合わせ機能での電話による問い合わせとした企業サイトを提供するものであり、
前記広告支援サーバは、前記問い合わせが発生した時刻を通話開始日時とした着信情報に基づいて前記コンバージョン情報と紐付けする請求項1から5のいずれかの項に記載の広告支援システム。
【請求項7】
ユーザが操作する第1端末装置であり、ウェブページの閲覧機能とウェブページの閲覧とは異なる問い合わせ機能を有する第1端末装置における閲覧機能によるリンクアドレスが張られた広告からのアクセスに応じて、前記広告を出稿する企業が運営する企業サイトの閲覧にて、前記企業への問い合わせページが前記第1端末装置により閲覧されたときに、前記第1端末装置から送信された前記リンクアドレスに含まれた広告識別情報と前記広告識別情報を受信した時刻とをコンバージョン情報として記憶するコンバージョン通知受信手段と、
前記第1端末装置の問い合わせ機能による問い合わせが発生した時刻を問い合わせ情報として記憶する問い合わせ情報受信手段と、
前記コンバージョン情報と前記問い合わせ情報との時間差が所定時間内であるものを紐付け、コンバージョン管理データとして管理する紐付け手段とを備えた広告支援サーバ。
【請求項8】
コンピュータを、
ユーザが操作する第1端末装置であり、ウェブページの閲覧機能とウェブページの閲覧とは異なる問い合わせ機能を有する第1端末装置における閲覧機能によるリンクアドレスが張られた広告からのアクセスに応じて、前記広告を出稿する企業が運営する企業サイトの閲覧にて、前記企業への問い合わせページが前記第1端末装置により閲覧されたときに、前記第1端末装置から送信された前記リンクアドレスに含まれた広告識別情報と前記広告識別情報を受信した時刻とをコンバージョン情報として記憶するコンバージョン通知受信手段と、
前記第1端末装置の問い合わせ機能による問い合わせが発生した時刻を問い合わせ情報として記憶する問い合わせ情報受信手段と、
前記コンバージョン情報と前記問い合わせ情報との時間差が所定時間内であるものを紐付け、コンバージョン管理データとして管理する紐付け手段として機能させる広告支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブページに掲載される広告の効果を評価することができる広告支援システム、広告支援サーバおよび広告支援プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ウェブページに掲載される企業の広告には、閲覧者を誘導したい企業サイトへのリンクが張られている。閲覧者は、この広告から企業サイトに遷移し、この企業サイトが通信販売サイトであれば商品を購入する。このとき、閲覧者が広告から誘導されたことがわかるように、閲覧ソフトのクッキー(COOKIE)によるトラッキングを用いたり、広告を識別するパラメータによるトラッキングを用いたりすることで、広告の効果を評価することができる。
【0003】
しかし、企業サイトに掲載された電話番号による通話で、問い合わせしたり、商品を購入したりすると、閲覧者がどの広告から企業サイトに誘導されたのかが不明なため、広告の効果を評価することができない。
このようなウェブページへの広告と電話とを結びつける技術に関し、特許文献1に記載されたものが知られている。
【0004】
特許文献1に記載の広告効果測定装置、該広告効果測定装置に用いられる広告効果測定方法及び広告効果測定制御プログラムは、受付端末にて、ユーザ端末から、データ通信網を介してユーザが広告に関する問合わせを行うためのアクセスを、広告に対応する広告識別子を含めてユーザの電話機の電話番号と共に受け付け、広告主の電話機とユーザの電話機との間の呼が電話網を介して確立されると共に、アクセスの履歴が記録されるので、履歴をユーザの電話による問合せに対応する広告効果として測定することが可能になる、というものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の広告効果測定装置、該広告効果測定装置に用いられる広告効果測定方法及び広告効果測定制御プログラムでは、ブラウザで受信された広告を見たユーザが同広告に興味をもち、広告に対して電話による問合わせを希望する場合、ユーザが広告に挿入されたリンクをクリックすることにより受付端末にアクセスされ、このとき、パラメータとして、ユーザ端末の電話番号も受付端末に送信される。
【0007】
ユーザ端末から電話番号を受付端末送信するために、ユーザ端末が携帯電話機である場合には、広告をクリックしたときに、携帯電話機に保持された電話番号を読み出し、受付端末に送信することも可能だが、電話番号は重要な個人情報であるため、プライバシーの観点から好ましくない。
【0008】
そうなると、企業への電話を掛けたユーザと、広告をクリックしたユーザとの紐付けのために、予めブラウザに電話番号を入力させ、記憶させておかなければならず、ユーザ操作が煩雑になる。
そのため、広告からリンク先の企業サイトにアクセスしようとしたけれど、個人を特定するための電話番号の入力を求められるため、この段階で離脱してしまうおそれがある。
【0009】
そこで本発明は、企業へ問い合わせをするユーザを特定するための情報を入力することなく、どの広告による連絡かを判定することが可能な広告支援システム、広告支援サーバおよび広告支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の広告支援システムは、ユーザが操作する第1端末装置であり、ウェブページの閲覧機能とウェブページの閲覧とは異なる問い合わせ機能を有する第1端末装置と、前記第1端末装置によるリンクアドレスが張られた広告からのアクセスに応じて、前記広告を出稿する企業が運営する企業サイトを提供する企業サーバと、前記第1端末装置の閲覧機能による前記企業サイトの閲覧にて、前記企業への問い合わせページが閲覧されたときに、前記第1端末装置から送信された前記リンクアドレスに含まれた広告識別情報と前記広告識別情報を受信した時刻とをコンバージョン情報として記憶し、前記第1端末装置の問い合わせ機能による問い合わせが発生した時刻を問い合わせ情報として記憶し、前記コンバージョン情報と前記問い合わせ情報との時間差が所定時間内であるものを紐付け、コンバージョン管理データとして管理する広告支援サーバとを備えたことを特徴としたものである。
【0011】
本発明の広告支援サーバは、ユーザが操作する第1端末装置であり、ウェブページの閲覧機能とウェブページの閲覧とは異なる問い合わせ機能を有する第1端末装置における閲覧機能によるリンクアドレスが張られた広告からのアクセスに応じて、前記広告を出稿する企業が運営する企業サイトの閲覧にて、前記企業への問い合わせページが前記第1端末装置により閲覧されたときに、前記第1端末装置から送信された前記リンクアドレスに含まれた広告識別情報と前記広告識別情報を受信した時刻とをコンバージョン情報として記憶するコンバージョン通知受信手段と、前記第1端末装置の問い合わせ機能による問い合わせが発生した時刻を問い合わせ情報として記憶する問い合わせ情報受信手段と、
前記コンバージョン情報と前記問い合わせ情報との時間差が所定時間内であるものを紐付け、コンバージョン管理データとして管理する紐付け手段とを備えたことを特徴としたものである。
【0012】
本発明の広告支援プログラムは、コンピュータを、ユーザが操作する第1端末装置であり、ウェブページの閲覧機能とウェブページの閲覧とは異なる問い合わせ機能を有する第1端末装置における閲覧機能によるリンクアドレスが張られた広告からのアクセスに応じて、前記広告を出稿する企業が運営する企業サイトの閲覧にて、前記企業への問い合わせページが前記第1端末装置により閲覧されたときに、前記第1端末装置から送信された前記リンクアドレスに含まれた広告識別情報と前記広告識別情報を受信した時刻とをコンバージョン情報として記憶するコンバージョン通知受信手段と、前記第1端末装置の問い合わせ機能による問い合わせが発生した時刻を問い合わせ情報として記憶する問い合わせ情報受信手段と、前記コンバージョン情報と前記問い合わせ情報との時間差が所定時間内であるものを紐付け、コンバージョン管理データとして管理する紐付け手段として機能させるものである。
【0013】
本発明によれば、第1端末装置の閲覧機能により企業への問い合わせをするために問い合わせページが閲覧されたときに、コンバージョン情報が通知され、また第1端末装置の問い合わせ機能により企業への問い合わせに関する問い合わせ情報が通知され、これらを所定時間内に発生したか否かを判定して紐付けすることで、どの広告から誘引された企業サイトからの問い合わせであるかの判定が容易である。従って、ユーザを特定する情報を入力したり、登録したりすることなく、どの広告からの問い合わせかを特定することが可能である。
【0014】
前記企業サーバは、前記第1端末装置で動作する閲覧ソフトのクッキーに前記広告識別情報を格納させるトラッキングタグと、前記問い合わせページが閲覧されたときに前記広告支援サーバに前記広告識別情報を送信するコンバージョンタグとが設置された前記企業サイトを提供するものとすることができる。
企業サイトにトラッキングタグが設置されていることで、閲覧ソフトのクッキーに広告識別情報を記憶させることができ、コンバージョンタグが設置されていることで、問い合わせページが閲覧されたときに広告支援サーバに広告識別情報を送信することができる。
【0015】
前記企業サーバは、前記第1端末装置で動作する閲覧ソフトのクッキーに前記広告識別情報を格納させ、タップコールが発生すると、前記広告支援サーバに前記広告識別情報を送信するトラッキングタグと、前記タップコールとが設置された前記企業サイトを提供することができる。
第1端末装置がスマートフォンであれば、タップすることにより電話が掛けられるタップコールが可能である。従って、このタップコールが発生すると、広告支援サーバに広告識別情報を送信するトラッキングタグが企業サイトに設置することも可能である。
【0016】
前記企業の担当者が操作する第2端末装置を備え、前記第2端末装置は、前記広告支援サーバからのコンバージョン管理データに、問い合わせに対する評価を指示し、前記広告支援サーバは、前記第2端末装置による評価をコンバージョン管理データに付与して記憶するものとすることができる。
問い合わせがあった企業の担当者により、問い合わせ内容に応じて、広告の効果についての評価を付けさせることができる。
【0017】
前記広告支援サーバは、前記第2端末装置の要求に応じて、評価が付与されたコンバージョン管理データを送信し、前記第2端末装置は、リンクアドレスが張られた広告を検索結果ページに含めて表示する検索サイトを提供する検索サーバに移入するものとすることができる。
検索サーバにコンバージョン管理データをフィードバックさせることができるので、検索サーバは、検索キーワードや個人情報だけでなく、広告が有効であったか否か、広告によって売り上げに結びついたかなどの情報を加味させることができる。
【0018】
前記企業サーバは、前記企業への問い合わせページを電話による問い合わせとした企業サイトを提供するものであり、前記広告支援サーバは、前記問い合わせが発生した時刻を通話開始日時とした着信情報に基づいて前記コンバージョン情報と紐付けするものとすることができる。
問い合わせを電話で行っても、問い合わせが発生した時刻を通話開始日時とした着信情報に基づいてコンバージョン情報と紐付けすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、ユーザを特定する情報を入力したり、登録したりすることなく、どの広告からの問い合わせかを特定することが可能であるため、企業へ問い合わせをするユーザを特定するための情報を入力することなく、どの広告による連絡かを判定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施の形態に係る広告支援システムを説明するための図である。
【
図2】
図1に示す広告支援システムの広告支援サーバの構成を説明するための図である。
【
図3】
図1に示す広告支援システムの動作を説明するための図である。
【
図4】
図1に示す広告支援システムの広告支援サーバと、第2端末装置との動作を説明するための図である。
【
図5】
図1に示す広告支援システムの検索サーバによる検索結果ページの一例の図である。
【
図6】(A)、(B)はクリックIDの一例を示す図、(C)はトラッキングタグの一例を示す図、(D)はコンバージョンタグの一例を示す図である。
【
図7】コンバージョン情報を表示した管理画面の一例を示す図である。
【
図8】着信情報を表示した管理画面の一例を示す図である。
【
図9】コンバージョン管理データを表示した管理画面の一例を示す図であり、(A)は評価前の状態の図、(B)は評価後の状態の図である。
【
図10】コンバージョン管理データを検索サーバに移入する画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態に係る広告支援システムを図面に基づいて説明する。
図1に示す広告支援システム10は、ユーザが操作する端末装置(第1端末装置20(21~24))と、検索サイトを提供する検索サーバ30と、広告を出稿する企業(企業A,企業B)における企業サーバ40(41,42)と、企業A,Bの広告の担当者が操作する端末装置(第2端末装置50(51,52))と、着信情報を通知する通知サーバ60と、広告支援サービスを提供する企業によって運営される広告支援サーバ70とを備えており、電気通信回線(データ通信網)の一例であるインターネットWを介して通信可能に接続されている。
【0022】
また、広告支援システム10では、企業A,Bに、電話通信網TNを介して第1端末装置20と通話する電話機80(81,82)が設置されている。
更に、広告支援システム10では、広告支援サーバ70とインターネットWを介して接続された管理用端末装置90が設置されている。
【0023】
第1端末装置20(21~24)は、ウェブページの閲覧機能と、問い合わせ機能の一例である電話機能と、電子メール機能とを有する。第1端末装置20は、携帯電話会社の中継局Rを介してインターネットWと接続される。また、第1端末装置20は、企業に設置された電話機80(81,82)と、携帯電話会社の中継局Rによる繋がる電話通信網TNを介して接続される。例えば、第1端末装置20は、携帯電話機とすることができ、スマートフォンとすることができる。また電話機能を有していれば、デスクトップ型、ノートブック型、パームトップ型のコンピュータでも使用できる。
【0024】
検索サーバ30は、検索サイトを提供するものである。検索サーバ30は、第1端末装置20からの検索キーワードに基づいて検索された検索結果ページを送信する。検索結果ページには、企業A,Bからの依頼により、企業サイトにリンクが張られた広告が掲載される登録がなされている。
検索サーバ30は、検索キーワードに基づいて広告を出稿する企業の企業サイトを検索結果に反映させる検索サービスを提供する企業が運営するサーバである。検索サーバ30は、検索結果に様々な企業サイトの広告を含め表示するときに、検索キーワードの種類、ユーザの個人情報などに応じて決定して、各社広告の表示の最適化を図っている。検索サーバ30は、ヤフー社の「yahoo!JAPAN」(https://www.yahoo.co.jp/)を提供するサーバや、グーグル社の「google」(https://www.google.com/)を提供するサーバとすることができる。
【0025】
企業サーバ40(41,42)は、企業を紹介したり、商品やサービスの内容についての質問や、購入の申し込みなどの問い合わせをするための電話番号が掲載されたりする企業ページ(企業サイト)を提供するサーバである。企業サーバ40は、企業に設置される他、レンタルサーバとすることができる。
【0026】
第2端末装置50(51,52)は、企業の広告の担当者が操作する端末装置である。第2端末装置50は、広告支援サーバ70をアクセスして、コンバージョン管理データをエクスポートさせて取得し、検索サイトにコンバージョン情報(広告識別情報)をフィードバックする。第2端末装置50は、デスクトップ型やノートブック型、パームトップ型、タブレット型のコンピュータとすることができる。
【0027】
通知サーバ60は、第1端末装置20から電話機80への通話による着信情報(問い合わせ情報)を、広告支援サーバ70に通知するものである。通知サーバ60は、コールトラッキングと称されるサービスを提供する企業が運営するサーバとすることができる。
【0028】
広告支援サーバ70は、第1端末装置20からのコンバージョン通知を受信し、通知サーバ60からの着信通知を受信すると、コンバージョン通知を発信した顧客を、通話と紐付けるコンピュータである。広告支援サーバ70には、広告支援プログラムが動作して機能している。
図2に示すように、広告支援サーバ70は、通信手段71と、コンバージョン通知受信手段72と、着信情報受信手段73(問い合わせ情報受信手段)と、紐付け手段74と、管理画面提供手段75と、評価付与手段76と、エクスポート手段77と、記憶手段78とを備えている。
【0029】
通信手段71は、インターネットWから受信したデータを、広告支援サーバ70の各手段に出力したり、広告支援サーバ70の各手段からのデータを入力してインターネットWへ送信したりする。
コンバージョン通知受信手段72は、第1端末装置20からのコンバージョン通知を、通信手段71を介して受信して、記憶手段78に受信した時刻と共に、コンバージョン情報として格納する。
着信情報受信手段73は、通知サーバ60からの着信情報を、通信手段71を介して受信して、記憶手段78に格納する。
【0030】
紐付け手段74は、コンバージョン通知の受信時刻と、着信情報の入電日時との時間差が所定時間内であるものを紐付け、コンバージョン管理データとして記憶手段78に記憶させる。
管理画面提供手段75は、アクセス元(第2端末装置50(51,52),管理用端末装置90)の要求に応じて、コンバージョン情報、着信情報、コンバージョン管理データなどの各種の情報を表示する管理画面をウェブページとして提供する。
【0031】
評価付与手段76は、企業の担当者が操作する第2端末装置50(51,52)から送信された、企業の電話機80に掛かった通話の内容に基づくコンバージョン管理データへの評価を、コンバージョン情報に対応付けて記憶手段78に格納する。
エクスポート手段77は、紐付け手段74により紐付けられたコンバージョン管理データを記憶手段78から読み出し、通信手段71を介して、要求元の第2端末装置50へ送信する。
【0032】
記憶手段78は、ハードディスクドライブとしたり、フラッシュメモリとしたりすることができる。記憶手段78には、OSやアプリケーションソフト、各種の設定情報の他、コンバージョン情報と、着信情報と、コンバージョン管理データが格納される。
コンバージョン情報は、検索結果ページにて表示されたリンクに付与された広告識別情報と、検索キーワードと、アクセス経由サイト名、ランディングサイト名、完了サイト名などから構成される。
また、着信情報は、入電日時、入電番号、発信者電話番号、ステータス、通話時間などから構成される。
コンバージョン管理データは、コンバージョン情報とコンバージョン情報の受信時刻とを、着信情報に紐付けた情報である。
【0033】
図1に示す電話機80(81,82)は、一般的なビジネスフォンが使用でき、家庭用でも支障がなければ使用できる。電話機80(81,82)は、電話通信網TNと、大規模企業であれば構内交換機を介して接続され、小規模企業であれば直接接続されている。
管理用端末装置90は、広告支援サーバ70が提供する管理画面を閲覧することができるコンピュータである。
【0034】
以上のように構成された本発明の実施の形態に係る広告支援システム10の動作および使用状態を図面に基づいて説明する。本実施の形態では、ユーザがスマートフォンである
図1に示す第1端末装置21を操作して、企業Aの企業サイトをアクセスして、第1端末装置21の電話機能を使用して問い合わせを行うことを例に説明する。
【0035】
まず、ユーザが第1端末装置21を操作して閲覧機能を実現する閲覧ソフトに表示させた検索サイトに、検索キーワードを入力して検索する(
図3のステップS10参照)。検索サーバ30は、検索キーワードに基づいて検索して、検索結果ページを要求元である第1端末装置21へ送信する(ステップS20参照)。例えば、
図5に示す検索結果ページP1の一例では、検索キーワードとして、コピー機が入力されている。
【0036】
このユーザは、検索結果ページP1に表示された検索結果のうち、いずれかの検索結果を押下する(
図5では矢印で示す)。この押下は、例えば、第1端末装置21がスマートフォンであればタップであり、デスクトップ型であればマウスによるクリックである。本実施の形態では、検索結果ページP1に表示された検索結果に企業からの広告が含まれており、ユーザは広告として表示された企業サイトを選択したものとする。
【0037】
この検索結果にはリンクアドレスが張られており、このリンクアドレスには企業サイトを示すURLだけでなく、広告識別情報が付加されている。
例えば、グーグル社の検索サイトでは、
図6(A)に示すように、リンクアドレスに「gclid=」に続く文字列が、「クリックID」と称される広告識別情報として含まれている。
また、ヤフー社の検索サイトでは、
図6(B)に示すように、リンクアドレスに「yclid=」に続く文字列が、「クリック識別情報」と称される広告識別情報として含まれている。
【0038】
リンクが張られた検索結果が押下されたことにより、第1端末装置21が企業サーバ41をアクセスする。企業サーバ41にアクセスされると(ステップS30参照)、企業サーバ41が、企業Aが運営するウェブページ(ランディングページP2(
図3参照))を第1端末装置21へ送信することで、ウェブページが第1端末装置21の閲覧ソフトに表示される(ステップS40参照)。
このとき、リンク先のアドレスが指す広告の着地となるランディングページP2に、
図6(C)に示すように、閲覧ソフトのクッキー(COOKIE)に広告識別情報を記憶させるためのトラッキングタグが設置されている。
従って、閲覧ソフトにて表示された企業Aのウェブページを閲覧することで、閲覧ソフトのクッキーに広告識別情報を記憶させることができる(ステップS50参照)。
【0039】
次に、ユーザが第1端末装置21の閲覧ソフトを操作して、企業Aのウェブページを閲覧して、興味を持ち、問い合わせをするときには、電話番号が表記されたページを表示させる(ステップS60参照)。
このとき、電話番号が表記されたページ(問い合わせページP3(
図3参照))に、
図6(D)に示すコンバージョンタグが設置されている。コンバージョンタグには、広告支援サーバ70へのアドレスが示されている。
【0040】
従って、第1端末装置21の閲覧ソフトが、コンバージョンタグが設置されたページ(問い合わせページ)を閲覧したことにより、閲覧ソフトのクッキーをコンバージョン通知として、広告支援サーバ70に送信させることができる(ステップS70参照)。
【0041】
また、電話番号を表示させるウェブページにて、当初は電話番号を非表示状態とする共に、電話番号を表示させるためのボタンを設置しておき、ボタンの押下によりコンバージョンタグが実行されるようにしてもよい。
このコンバージョンタグを用いる方法が、第1端末装置21がスマートフォン以外の端末装置(例えば、パーソナルコンピュータなどの電話機能を有していないコンピュータ)であれば有効な手段である。
【0042】
しかし、スマートフォンであれば、タップコールと称されるタグを設置することが可能である。タップコールであれば、表示画面上で電話を掛ける操作を表示しながら、内部でコンバージョン通知を広告支援サーバ70に送信させることが可能である。
そのため、
図6(D)に示すトラッキングタグでは、下線部分にて、タップコールが発生すると、広告支援サーバ70に広告識別情報を含むコンバージョン通知を送信するよう記述されている。
【0043】
このように、広告支援サーバ70では、
図2に示すコンバージョン通知受信手段72がコンバージョン通知を受信して受信時刻と共に、コンバージョン情報として記憶手段78に記憶することができる(
図4のステップS80参照)。
【0044】
コンバージョン情報の一例を、
図7に示す。
図7に示すコンバージョン情報は、管理用端末装置90、または企業A,Bに設置された第2端末装置51,52による広告支援サーバ70へのアクセスに応じて、
図2に示す管理画面提供手段75が記憶手段78から読み出し、管理画面を提供したものである。
【0045】
図7に示す管理画面P4に示されるコンバージョン情報は、受信時刻(CV時間)、キーワード、CV種別、CV名、gclid、yclid、電話番号、アクセス経由、ランディングURL、完了URL、デバイスが管理されている。
キーワードは、検索サイトの検索窓に入力されたキーワードである。CV種別は、コンバージョン通知が送信されたウェブページが電話による問い合わせであることを示している。例えば、メールによる問い合わせページなどでコンバージョン通知が送信されるようにしてもよい。
CV名は、ポップアップウィンドウによるものか、通常のページ遷移によるものかを示している。gclidはグーグル社による広告識別情報を示しており、yclidはヤフー社による、広告識別情報を示している。
ランディングURLは、検索結果ページからリンクが張られたアクセス先ページを示している。完了URLはユーザが離脱したウェブページを示している。ユーザが操作する第1端末装置20の種類を示している。
【0046】
また、
図1に示す第1端末装置21の問い合わせ機能である電話機能による通話の発信が企業Aの電話機81に着信してユーザと企業Aの受付者が通話をする。
この通話により、通知サーバ60から広告支援サーバ70へ着信情報が送信される(
図3のステップS90参照)。
広告支援サーバ70では、着信情報受信手段73(
図2参照)により通知サーバ60からの着信情報を受信して記憶手段78に記憶される(
図4のステップS100参照)。
【0047】
この着信情報の一例を
図8に示す。
図8に示す着信情報は、コンバージョン情報と同様に、管理用端末装置90、または企業A,Bに設置された第2端末装置51,52による広告支援サーバ70へのアクセスに応じて、管理画面提供手段75が記憶手段78から読み出し、管理画面として提供したものである。
図8に示す管理画面P5の着信情報では、入電日時、入電番号、発信者電話番号、ステータス、通話時間が管理される。
入電日時は、電話機81による通話開始日時である。入電番号は、着信側電話番号である。発信者電話番号は、ユーザ(発信者)が操作する第1端末装置21の電話番号であり、ユーザを識別するユーザ識別情報である。ステータスは、通話の状態を示す。
【0048】
そして、
図2に示す広告支援サーバ70の紐付け手段74は、コンバージョン通知の受信時刻と、着信情報の入電日時との差が所定時間内であるものを紐付け、コンバージョン管理データとして記憶手段78に格納して管理する(
図4のステップS110参照)。本実施の形態では、所定時間として±2分以内のものが同じユーザからのページ操作および電話の通話であるとして、紐付けしている。なお、この所定時間は、適宜変更することが可能である。また、所定時間内のコンバージョン通知と着信情報とが複数ある場合には、コンバージョン管理データから削除される。これは、複数のユーザが同時に近い時間に通話をする確率が低く、多少のデータの削除は統計的に問題無いからである。
【0049】
企業Aの担当者は、
図1に示す第2端末装置51を操作して、広告支援サーバ70が提供する、コンバージョン管理データを表示する管理画面にアクセスする(
図4のステップS120参照)。
図9(A)および同図(B)に、コンバージョン管理データが表示された管理画面の一例を示す。
図9(A)に示す管理画面P6に表示されたコンバージョン管理データでは、種別、入電日時、入電番号、発信者電話番号、ステータス、通話時間、コンバージョン名が管理されている。種別は、ウェブページによるコンバージョンか、電話によるコンバージョンかを示す情報である。このコンバージョン管理データは、管理画面P6には表示されていないが、
図6(A)および同図(B)に示す広告識別情報が含まれている。
【0050】
図9(A)に示す管理画面P6には、コンバージョン名には、有効か、無効か、または受注かを選択することができる評価ボタン群B41が配置されている。また、このコンバージョン管理データをCSV(Comma Separated Value)形式のファイルでダウンロードするために、「CSVファイルダウンロード」と表記されたダウンロードボタンB42が配置されている。
【0051】
企業Aの担当者は、
図1に示す電話機81に着信した第1端末装置21からの通知内容に応じて、第2端末装置51を操作して、
図9(A)に示す評価ボタン群B41を選択することで、コンバージョン管理データに評価を指示する(
図3および
図4のステップS130参照)。
例えば、
図9(B)に示すように、通話が、ユーザからの問い合わせであり、
図5に示す検索結果による広告による効果が有効と思われた場合には「有効」が選択される。また、通話が、間違い電話やいたずら電話などで、広告の効果とは無関係であった場合には「無効」が選択される。更に、通話にて商品やサービスの購入に結びついたものであれば「受注」が選択される。
このように架電があった企業Aの担当者により、問い合わせ内容に応じて、広告の効果について評価を付けることができる。
【0052】
この評価ボタン群B41の選択により、広告支援サーバ70では、評価付与手段76は、コンバージョン管理データに「無効」、「有効」、または「受任」による評価を示す評価データを付与して記憶手段78に格納する(
図4のステップS140参照)。そうすることで、コンバージョン管理データにより広告効果を管理することができる。
【0053】
そして、企業Aの担当者は、第2端末装置51を操作して、コンバージョン管理データが表示された、
図9(B)に示す管理画面P6のダウンロードボタンB42を押下して、コンバージョン管理データのダウンロードを要求する(
図4のステップS150参照)。
そうすると、
図2に示す広告支援サーバ70では、要求に応じてエクスポート手段77が、コンバージョン管理データを記憶手段78から読み出し、CSV形式のファイルを生成して、要求元である第2端末装置51へ送信する(
図3および
図4のステップS160参照)。
【0054】
そして、企業Aの担当者は、第2端末装置51を操作して、コンバージョン管理データを、検索サイトを運営する企業の検索サーバ30にアップロードして移入する(
図3と
図4のステップS170参照)。
例えば、
図10に示す例では、グーグル社にコンバージョン管理データをアップロードすることを操作画面P7である。
図10に示す例では、まず「ツールと設定」B51を選択し、次に、「コンバージョン」B52を選択し、そして、「アップロード」B53を選択して、コンバージョン管理データのファイルをアップロードすることで、グーグル社が運営するサーバに移入することができ、検索サーバの検索結果に反映することができる。
【0055】
そうすることで、検索サーバ30にコンバージョン管理データをフィードバックさせることができる。そのため、検索サーバ30は、企業広告を検索結果に反映させる際に、検索キーワードや個人情報だけでなく、広告が有効であったか否か、広告によって売り上げに結びついたかなどの情報を加味させることができる。従って、より的確な広告を出稿することができる。
【0056】
以上のように本発明の実施の形態に係る広告支援システム10によれば、企業への問い合わせをするために電話を掛けるためのページ(問い合わせページ)が閲覧されたときに、コンバージョン情報が通知され、また企業への通話に関する着信情報が通知され、これらを所定時間内に発生したか否かを判定して紐付けすることで、どの広告から誘引された企業サイトからの問い合わせ電話であるかの判定が容易である。
従って、ユーザを特定する情報を入力したり、登録したりする必要がない。
よって、企業へ問い合わせをするユーザを特定するための情報を入力することなく、どの広告による連絡かを判定することが可能である。
【0057】
なお、本実施の形態では問い合わせ機能として電話を例に説明したが、他の問い合わせ機能として、電子メールによる問い合わせでも、本発明は適用することができる。電子メールで問い合わせをする場合には、企業サイトにて電子メールによる取り合わせページが閲覧されたときにコンバージョン通知が広告支援サーバ70へ送信されるようにし、企業に届いた電子メールの送信時間または着信時間を企業サーバ40から広告支援サーバ70へ送信して問い合わせ情報とすることで、紐付けすることが可能となる。
また、本実施の形態では広告は、検索サーバ30が提供する検索結果に表示されるものであったが、様々なホームページやブログなどに掲載されるバナー広告であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、ウェブページだけでは完結しない場合でも広告効果を評価できるので、ウェブページに広告を出稿する企業に好適である。
【符号の説明】
【0059】
10 広告支援システム
20,21~24 第1端末装置
30 検索サーバ
40,41,42 企業サーバ
50,51,52 第2端末装置
60 通知サーバ
70 広告支援サーバ
71 通信手段
72 コンバージョン通知受信手段
73 着信情報受信手段
74 紐付け手段
75 管理画面提供手段
76 評価付与手段
77 エクスポート手段
78 記憶手段
80,81,82 電話機
90 管理用端末装置
A,B 企業
R 中継局
W インターネット
TN 電話通信網
P1 検索結果ページ
P2 ランディングページ
P3 問い合わせページ
P4,P5,P6 管理画面
P7 操作画面
B41 評価ボタン群
B42 ダウンロードボタン
B51「ツールと設定」
B52 「コンバージョン」
B53 「アップロード」