IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エレクトロニクス インコーポレイティドの特許一覧

<>
  • 特開-チラーシステム及びその動作方法 図1
  • 特開-チラーシステム及びその動作方法 図2
  • 特開-チラーシステム及びその動作方法 図3
  • 特開-チラーシステム及びその動作方法 図4
  • 特開-チラーシステム及びその動作方法 図5
  • 特開-チラーシステム及びその動作方法 図6
  • 特開-チラーシステム及びその動作方法 図7
  • 特開-チラーシステム及びその動作方法 図8
  • 特開-チラーシステム及びその動作方法 図9
  • 特開-チラーシステム及びその動作方法 図10
  • 特開-チラーシステム及びその動作方法 図11
  • 特開-チラーシステム及びその動作方法 図12
  • 特開-チラーシステム及びその動作方法 図13
  • 特開-チラーシステム及びその動作方法 図14
  • 特開-チラーシステム及びその動作方法 図15
  • 特開-チラーシステム及びその動作方法 図16
  • 特開-チラーシステム及びその動作方法 図17
  • 特開-チラーシステム及びその動作方法 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022066176
(43)【公開日】2022-04-28
(54)【発明の名称】チラーシステム及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/49 20180101AFI20220421BHJP
   F24F 5/00 20060101ALI20220421BHJP
   F24F 11/86 20180101ALI20220421BHJP
   F24F 11/52 20180101ALI20220421BHJP
   F24F 11/56 20180101ALI20220421BHJP
【FI】
F24F11/49
F24F5/00 101
F24F11/86
F24F11/52
F24F11/56
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021169276
(22)【出願日】2021-10-15
(31)【優先権主張番号】10-2020-0134402
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(72)【発明者】
【氏名】サンヒョン キム
(72)【発明者】
【氏名】ユンジン キム
(72)【発明者】
【氏名】ジョンチョル フアン
(72)【発明者】
【氏名】クワンソク コ
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AA04
3L260AA05
3L260AB01
3L260AB06
3L260BA32
3L260CB02
3L260CB04
3L260CB37
3L260FB02
3L260FB07
3L260FB08
3L260GA17
(57)【要約】
【課題】サージ発生及び故障を防止できるチラーシステム及びその動作方法を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によるチラーシステムは、冷媒を圧縮できるように回転運転する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮された冷媒を膨脹させる膨脹機と、前記膨脹された冷媒を蒸発させる蒸発器と、複数の温度センサ、前記圧縮機の回転速度をセンシングする速度センサ、前記圧縮機の電流をセンシングする電流センサを備えるセンサ部と、前記センサ部で感知されるデータの変動率に基づいてサージ(surge)感知ロジック(logic)進入可否を判別し、サージ感知を行う制御部とを備えることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チラーシステムであって、
冷媒を圧縮できるように回転運転する圧縮機と、
前記圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、
前記凝縮された冷媒を膨脹させる膨脹機と、
前記膨脹された冷媒を蒸発させる蒸発器と、
複数の温度センサ、前記圧縮機の回転速度をセンシングする速度センサ、及び前記圧縮機の電流をセンシングする電流センサを備えるセンサ部と、
前記センサ部で感知されるデータの変動率に基づいてサージ(surge)感知ロジック(logic)進入可否を判別し、サージ感知を行う制御部と、を備える、チラーシステム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記圧縮機の回転速度、前記圧縮機の電流、及び前記複数の温度センサでセンシングされる1つ以上の温度値の変動率が、各々設定された基準範囲以内である場合に、前記サージ感知ロジックに進入することを特徴とする、請求項1に記載のチラーシステム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記サージが発生すれば、前記圧縮機に流入する冷媒流量又は前記圧縮機の回転速度を可変するサージ回避ロジックを行うことを特徴とする、請求項1に記載のチラーシステム。
【請求項4】
前記制御部は、
予め学習された人工知能にてサージ発生を予測し、感知し、
サージ発生が予測されるか、感知されれば、サージ回避ロジックを行い、
前記圧縮機の圧力比変動率と電流変動率とに基づいて前記サージ回避ロジックの終了可否を決定することを特徴とする、請求項1に記載のチラーシステム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記サージ感知ロジック進入条件に必要な因子を選定するサージ感知進入条件設定部と、
サージを予測し、感知するモデルに適した因子を抽出し、抽出された因子で学習された人工知能を含むサージ感知処理部と、
サージ感知の際、サージ回避制御を行うサージ回避制御部と、
サージ回復後、サージ回避制御終了可否を判別する正常状態進入部と、
サージ発生に該当するエラーメッセージを出力するように制御するエラーメッセージ出力部と、を備える、請求項1に記載のチラーシステム。
【請求項6】
前記圧縮機に流入する冷媒流量を調節する入口調節弁を更に備え、
前記制御部は、前記サージ感知の際、
冷水出口目標温度が現在冷水出口温度より大きい場合に、前記入口調節弁を100%に調整し、
前記冷水出口目標温度が現在冷水出口温度より小さい場合に、前記入口調節弁を固定し、
前記圧縮機の回転速度を上昇させることを特徴とする、請求項1に記載のチラーシステム。
【請求項7】
前記制御部は、一定時間の間にサージ回避を完了できなければ、前記入口調節弁を固定し、前記圧縮機を停止させることを特徴とする、請求項6に記載のチラーシステム。
【請求項8】
前記圧縮機から吐出される高温高圧の冷媒を前記圧縮機の吸入側にバイパスさせるホットガスバイパス弁を更に備え、
前記制御部は、前記サージ感知の際、前記ホットガスバイパス弁を動作させることを特徴とする、請求項7に記載のチラーシステム。
【請求項9】
前記圧縮機から吐出された冷媒のうち一部と、前記蒸発器から吐出された冷媒のうち一部とを混合して吐出し、前記圧縮機から吐出された冷媒のうち一部が流入する第1の流入部と、前記蒸発器から吐出された冷媒のうち一部が流入する第2の流入部とを備えるエジェクタを更に備え、
前記入口調節弁は、前記第1の流入部に連結された配管に配置されて、前記第1の流入部に流入する冷媒の流量を調節することを特徴とする、請求項6に記載のチラーシステム。
【請求項10】
前記制御部は、
前記圧縮機の圧力比変動率と電流変動率とが所定範囲以内である場合に、前記圧縮機の回転を次第に増加させるソフトスタートに進入し、
前記圧縮機の圧力比変動率と電流変動率とが前記所定範囲以内でない場合に、前記入口調節弁を固定し、前記圧縮機を停止させることを特徴とする、請求項6に記載のチラーシステム。
【請求項11】
前記制御部は、
所定時間が経過するまで、前記圧縮機の回転速度、前記圧縮機の電流、及び前記複数の温度センサでセンシングされる1つ以上の温度値の変動率が、各々設定された基準範囲以内に到達できない場合、前記サージ制御ロジックに進入することを特徴とする、請求項1に記載のチラーシステム。
【請求項12】
前記制御部は、マシンラーニング(machine learning)に基づいたサージ感知を行うことを特徴とする、請求項1に記載のチラーシステム。
【請求項13】
サージが発生するサージ領域と正常領域とを区分するサージラインを含む圧縮機運転マップが格納される格納部を更に備え、
前記制御部は、
前記サージが発生すれば、前記圧縮機の回転速度及び圧力比の2次元座標系で発生されたサージに対応する運転点を算出し、
前記算出された運転点が前記サージ領域を外れるようにサージ回避ロジックを行うことを特徴とする、請求項1に記載のチラーシステム。
【請求項14】
サージが発生するサージ領域と正常領域とを区分するサージラインを含む圧縮機運転マップが格納される格納部を更に備え、
前記制御部は、
前記サージが発生すれば、前記圧縮機の回転速度及び圧力比の2次元座標系で発生されたサージに対応する運転点を算出し、
前記算出された運転点に基づいて前記圧縮機運転マップをアップデートすることを特徴とする、請求項1に記載のチラーシステム。
【請求項15】
前記制御部は、
前記サージラインを前記圧縮機の回転速度を基準に複数の区間に分け、
前記サージが発生すれば、前記圧縮機の回転速度及び圧力比の2次元座標系で発生されたサージに対応する運転点を算出し、前記複数の区間のうち、前記運転点が含まれる区間をアップデートすることを特徴とする、請求項14に記載のチラーシステム。
【請求項16】
前記制御部は、前記サージが発生した圧力比に、前記サージが発生した回転速度区間に設定された補正値を合算してアップデートされる圧力比を算出することを特徴とする、請求項15に記載のチラーシステム。
【請求項17】
チラーシステムの動作方法であって、
圧縮機の回転速度、前記圧縮機の電流、及び1つ以上の地点でセンシングされる温度データの変動率が設定された基準範囲以内であれば、サージ感知ロジック(logic)進入可否を判別するステップと、
サージ感知ロジックに進入すれば、サージ感知を行うステップと、
サージが感知されれば、サージ回避動作を行うステップと、を含むことを特徴とする、チラーシステムの動作方法。
【請求項18】
前記サージ回避動作実行ステップは、
前記圧縮機の圧力比変動率と電流変動率とが所定範囲以内である場合に、前記圧縮機の回転を次第に増加させるソフトスタートに進入し、
前記圧縮機の圧力比変動率と電流変動率とが前記所定範囲以内でない場合に、前記入口調節弁を固定し、前記圧縮機を停止させることを特徴とする、請求項17に記載のチラーシステムの動作方法。
【請求項19】
前記サージが感知されれば、サージが発生するサージ領域と正常領域とを区分するサージラインを含む圧縮機運転マップをアップデートするステップを更に含み、
前記サージラインは、前記圧縮機の回転速度を基準に複数の区間に分けられ、
前記圧縮機運転マップアップデートステップは、
前記圧縮機の回転速度及び圧力比の2次元座標系で発生されたサージに対応する運転点を算出し、前記複数の区間のうち、前記運転点が含まれる区間をアップデートすることを特徴とする、請求項17に記載のチラーシステムの動作方法。
【請求項20】
前記サージ感知を行うステップは、マシンラーニング(machine learning)に基づいてサージを感知することを特徴とする、請求項17に記載のチラーシステムの動作方法。
【請求項21】
前記チラーシステムが、請求項1~16の何れか一項に記載のものであることを特徴とする、請求項17~20の何れか一項に記載のチラーシステムの動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チラーシステム及びその動作方法に関し、より詳細には、サージを防止し、安定的に動作できるチラーシステム及びその動作方法に関する。
【0002】
〔関連技術〕
本願は、韓国特許出願第10-2020-0134402号(出願日:2020年10月16日)に基づくパリ条約4条の優先権主張を伴ったものであり、本願発明は、当該韓国特許出願に開示された内容に基づくものである。参考のために、当該韓国特許出願の明細書、特許請求の範囲及び図面の内容は本願明細書の一部に包摂されるものである。
【背景技術】
【0003】
空気調和機(エアーコンディショニング;エアコンディショナー;エアコン;空気調整機)は、快適な室内環境を組成するために、室内に冷温の空気を吐出する装置である。この空気調和機は、室内温度を調節し、浄化させることで、人間により快適な室内環境を提供するために設けられる。
【0004】
一般に、空気調和機は、熱交換器で構成されて、室内に設けられる室内機と、圧縮機及び熱交換器などで構成されて、室内機に冷媒を供給する室外機とを備える。
【0005】
一方、空気調和機のうち、家庭より大きい事業場またはビルなどに使用されるチラー(chiller)は、一般的に屋外屋上に設けられる冷却塔と、冷媒を循環させて冷却塔から送られた冷却水と熱交換する熱交換ユニットとを備える。さらに、熱交換ユニットは、圧縮機、凝縮器、蒸発器を含んで構成される。
【0006】
チラーは、特許文献1(韓国登録特許公報第10-1084477号)のように、冷水を冷水需要先に供給するものであって、冷凍システムを循環する冷媒と、冷水需要先と冷凍システムとの間を循環する冷水との間に熱交換がなされ、冷水を冷却させることを特徴とし、大容量設備であって、規模の大きい建物などに設けられることができる。
【0007】
チラーは、大容量設備であって、維持補修費用及び修理費用が大きい。一般的に、チラーの状態と関係なく、決まった周期にチラーの維持補修を行うことで、不要な維持補修費用が発生しうる。また、チラーに故障が発生すれば修理費用が大きいだけでなく、チラーを稼動できないことにより、追加損失が発生しうる。
【0008】
したがって、チラーを効果的にモニタリングし、管理できる方案が求められる。
【0009】
一方、チラーシステムでは、回転運動する圧縮機で引き起こされるサージ(Surge)現象が問題になる。サージとは、冷媒の流量と対比して圧縮機の圧縮比が高いときに起こり、圧縮機の回転体が空転するようになり、冷媒流動が不規則になる現象をいう。このようなサージ現象発生の際、圧縮機は、システムの圧力抵抗より大きい圧力を生産できない。これにより、サージ現象の際、冷媒の逆流が繰り返し的に発生して、圧縮機の損傷が頻繁に発生するようになるという問題がある。
【0010】
したがって、チラーシステムで発生されるサージ現象による圧縮機の損傷を防止できる方案の摸索が求められる。
【0011】
また、圧縮機でサージが発生した後に、サージを無くすための制御をする場合、既に圧縮機に損傷が生じるという問題点が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】韓国登録特許公報第10-1084477号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、サージ発生及び故障を防止できるチラーシステム及びその動作方法を提供することにある。
【0014】
本発明の目的は、効果的にサージ発生を予測できるチラーシステム及びその動作方法を提供することにある。
【0015】
本発明の目的は、マシンラーニングを活用して正確にサージ発生を感知できるチラーシステム及びその動作方法を提供することにある。
【0016】
本発明の目的は、サージが発生する装置の圧縮機運転マップをアップデート(update)することで、装置別に最適化された圧縮機運転マップを使用できるチラーシステム及びその動作方法を提供することにある。
【0017】
本発明の目的は、最適運転制御にて効率を向上できるチラーシステム及びその動作方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
〔本発明の一の態様〕
本発明のその一の態様として以下の発明を提案することができる。
〔1〕 チラーシステムであって、
冷媒を圧縮できるように回転運転する圧縮機と、
前記圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、
前記凝縮された冷媒を膨脹させる膨脹機と、
前記膨脹された冷媒を蒸発させる蒸発器と、
複数の温度センサ、前記圧縮機の回転速度をセンシングする速度センサ、及び前記圧縮機の電流をセンシングする電流センサを備えるセンサ部と、
前記センサ部で感知されるデータの変動率に基づいてサージ(surge)感知ロジック(logic)進入可否を判別し、サージ感知を行う制御部と、を備える(含む;構成する;構築する)、チラーシステム。
〔2〕 前記制御部は、
前記圧縮機の回転速度、前記圧縮機の電流、及び前記複数の温度センサでセンシングされる1つ以上の温度値の変動率が、各々設定された基準範囲以内である場合に、前記サージ感知ロジックに進入することを特徴とする、〔1〕に記載のチラーシステム。
〔3〕 前記制御部は、
前記サージが発生すれば、前記圧縮機に流入する冷媒流量又は前記圧縮機の回転速度を可変するサージ回避ロジックを行うことを特徴とする、〔1〕に記載のチラーシステム。
〔4〕 前記制御部は、
予め学習された人工知能にてサージ発生を予測し、感知し、
サージ発生が予測されるか、感知されれば、サージ回避ロジックを行い、
前記圧縮機の圧力比変動率と電流変動率とに基づいて前記サージ回避ロジックの終了可否を決定することを特徴とする、〔1〕に記載のチラーシステム。
〔5〕 前記制御部は、
前記サージ感知ロジック進入条件に必要な因子を選定するサージ感知進入条件設定部と、
サージを予測し、感知するモデルに適した因子を抽出し、抽出された因子で学習された人工知能を含むサージ感知処理部と、
サージ感知の際、サージ回避制御を行うサージ回避制御部と、
サージ回復後、サージ回避制御終了可否を判別する正常状態進入部と、
サージ発生に該当するエラーメッセージを出力するように制御するエラーメッセージ出力部と、を備える、〔1〕に記載のチラーシステム。
〔6〕 前記圧縮機に流入する冷媒流量を調節する入口調節弁を更に備え、
前記制御部は、前記サージ感知の際、
冷水出口目標温度が現在冷水出口温度より大きい場合に、前記入口調節弁を100%に調整し、
前記冷水出口目標温度が現在冷水出口温度より小さい場合に、前記入口調節弁を固定し、
前記圧縮機の回転速度を上昇させることを特徴とする、〔1〕に記載のチラーシステム。
〔7〕 前記制御部は、一定時間の間にサージ回避を完了できなければ、前記入口調節弁を固定し、前記圧縮機を停止させることを特徴とする、〔6〕に記載のチラーシステム。
〔8〕 前記圧縮機から吐出される高温高圧の冷媒を前記圧縮機の吸入側にバイパスさせるホットガスバイパス弁を更に備え、
前記制御部は、前記サージ感知の際、前記ホットガスバイパス弁を動作させることを特徴とする、〔7〕に記載のチラーシステム。
〔9〕 前記圧縮機から吐出された冷媒のうち一部と、前記蒸発器から吐出された冷媒のうち一部とを混合して吐出し、前記圧縮機から吐出された冷媒のうち一部が流入する第1の流入部と、前記蒸発器から吐出された冷媒のうち一部が流入する第2の流入部とを備えるエジェクタを更に備え、
前記入口調節弁は、前記第1の流入部に連結された配管に配置されて、前記第1の流入部に流入する冷媒の流量を調節することを特徴とする、〔6〕に記載のチラーシステム。
〔10〕 前記制御部は、
前記圧縮機の圧力比変動率と電流変動率とが所定範囲以内である場合に、前記圧縮機の回転を次第に増加させるソフトスタートに進入し、
前記圧縮機の圧力比変動率と電流変動率とが前記所定範囲以内でない場合に、前記入口調節弁を固定し、前記圧縮機を停止させることを特徴とする、〔6〕に記載のチラーシステム。
〔11〕 前記制御部は、
所定時間が経過するまで、前記圧縮機の回転速度、前記圧縮機の電流、及び前記複数の温度センサでセンシングされる1つ以上の温度値の変動率が、各々設定された基準範囲以内に到達できない場合、前記サージ制御ロジックに進入することを特徴とする、〔1〕に記載のチラーシステム。
〔12〕 前記制御部は、マシンラーニング(machine learning)に基づいたサージ感知を行うことを特徴とする、〔1〕に記載のチラーシステム。
〔13〕 サージが発生するサージ領域と正常領域とを区分するサージラインを含む圧縮機運転マップが格納される格納部を更に備え、
前記制御部は、
前記サージが発生すれば、前記圧縮機の回転速度及び圧力比の2次元座標系で発生されたサージに対応する運転点を算出し、
前記算出された運転点が前記サージ領域を外れるようにサージ回避ロジックを行うことを特徴とする、〔1〕に記載のチラーシステム。
〔14〕 サージが発生するサージ領域と正常領域とを区分するサージラインを含む圧縮機運転マップが格納される格納部を更に備え、
前記制御部は、
前記サージが発生すれば、前記圧縮機の回転速度及び圧力比の2次元座標系で発生されたサージに対応する運転点を算出し、
前記算出された運転点に基づいて前記圧縮機運転マップをアップデートすることを特徴とする、〔1〕に記載のチラーシステム。
〔15〕 前記制御部は、
前記サージラインを前記圧縮機の回転速度を基準に複数の区間に分け、
前記サージが発生すれば、前記圧縮機の回転速度及び圧力比の2次元座標系で発生されたサージに対応する運転点を算出し、前記複数の区間のうち、前記運転点が含まれる区間をアップデートすることを特徴とする、〔14〕に記載のチラーシステム。
〔16〕 前記制御部は、前記サージが発生した圧力比に、前記サージが発生した回転速度区間に設定された補正値を合算してアップデートされる圧力比を算出することを特徴とする、〔15〕に記載のチラーシステム。
〔17〕 チラーシステムの動作方法であって、
圧縮機の回転速度、前記圧縮機の電流、及び1つ以上の地点でセンシングされる温度データの変動率が設定された基準範囲以内であれば、サージ感知ロジック(logic)進入可否を判別するステップと、
サージ感知ロジックに進入すれば、サージ感知を行うステップと、
サージが感知されれば、サージ回避動作を行うステップと、を含むことを特徴とする、チラーシステムの動作方法。
〔18〕 前記サージ回避動作実行ステップは、
前記圧縮機の圧力比変動率と電流変動率とが所定範囲以内である場合に、前記圧縮機の回転を次第に増加させるソフトスタートに進入し、
前記圧縮機の圧力比変動率と電流変動率とが前記所定範囲以内でない場合に、前記入口調節弁を固定し、前記圧縮機を停止させることを特徴とする、〔17〕に記載のチラーシステムの動作方法。
〔19〕 前記サージが感知されれば、サージが発生するサージ領域と正常領域とを区分するサージラインを含む圧縮機運転マップをアップデートするステップを更に含み、
前記サージラインは、前記圧縮機の回転速度を基準に複数の区間に分けられ、
前記圧縮機運転マップアップデートステップは、
前記圧縮機の回転速度及び圧力比の2次元座標系で発生されたサージに対応する運転点を算出し、前記複数の区間のうち、前記運転点が含まれる区間をアップデートすることを特徴とする、〔17〕に記載のチラーシステムの動作方法。
〔20〕 前記サージ感知を行うステップは、マシンラーニング(machine learning)に基づいてサージを感知することを特徴とする、〔17〕に記載のチラーシステムの動作方法。
〔21〕 前記チラーシステムが、〔1〕~〔16〕の何れか一項に記載のものであることを特徴とする、〔17〕~〔20〕の何れか一項に記載のチラーシステムの動作方法。
【0019】
上記または他の目的を達成するために、本発明の一側面によるチラーシステム及びその動作方法は、マシンラーニング(machine learning)を活用してサージを予測し、感知することにより、効果的にサージ発生を防止できる。
【0020】
本発明の一側面によるチラーシステムは、冷媒を圧縮できるように回転運転する圧縮機、前記圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器、前記凝縮された冷媒を膨脹させる膨脹機、前記膨脹された冷媒を蒸発させる蒸発器、複数の温度センサ、前記圧縮機の回転速度をセンシングする速度センサ、前記圧縮機の電流をセンシングする電流センサを備えるセンサ部、及び前記センサ部で感知されるデータの変動率に基づいてサージ(surge)感知ロジック(logic)進入可否を判別し、サージ感知を行う制御部を備える。
【0021】
本発明の一側面によるチラーシステムは、冷媒を圧縮できるように回転運転する圧縮機、前記圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器、前記凝縮された冷媒を膨脹させる膨脹機、前記膨脹された冷媒を蒸発させる蒸発器、複数の温度センサ、前記圧縮機の回転速度をセンシングする速度センサ、前記圧縮機の電流をセンシングする電流センサを備えるセンサ部、及び前記センサ部で感知されるデータの変動率に基づいてサージ(surge)感知ロジック(logic)進入可否を判別し、マシンラーニングに基づいたサージ感知を行う制御部を備えることができる。
【0022】
一方、前記制御部は、前記圧縮機の回転速度、前記圧縮機の電流、及び前記複数の温度センサでセンシングされる1つ以上の温度値の変動率が、各々設定された基準範囲以内である場合(に含まれれば)、前記サージ感知ロジックに進入することができる。
【0023】
一方、前記制御部は、前記サージが発生すれば、前記圧縮機に流入する冷媒流量または前記圧縮機の回転速度を可変するサージ回避ロジックを行うことができる。
【0024】
一方、前記制御部は、予め学習された人工知能にてサージ発生を予測し、感知し、サージ発生が予測されるか、感知されれば、サージ回避ロジックを行い、前記圧縮機の圧力比変動率と電流変動率とに基づいて前記サージ回避ロジックの終了可否を決定できる。
【0025】
一方、前記制御部は、前記サージ感知ロジック進入条件に必要な因子を選定するサージ感知進入条件設定部、サージを予測し、感知するモデルに適した因子を抽出し、抽出された因子で学習された人工知能を含むサージ感知処理部、サージ感知の際、サージ回避制御を行うサージ回避制御部、サージ回復後、サージ回避制御終了可否を判別する正常状態進入部、及びサージ発生に該当するエラーメッセージを出力するように制御するエラーメッセージ出力部を備えることができる。
【0026】
一方、本発明の一側面によるチラーシステムは、前記圧縮機に流入する冷媒流量を調節する入口調節弁をさらに備え、前記制御部は、前記サージ感知の際、冷水出口目標温度が現在冷水出口温度より大きい場合に、前記入口調節弁を100%に調整し、前記冷水出口目標温度が現在冷水出口温度より小さい場合に、前記入口調節弁を固定し、前記圧縮機の回転速度を上昇させることができる。
【0027】
一方、前記制御部は、一定時間の間にサージ回避を完了できなければ、前記入口調節弁を固定し、前記圧縮機を停止させることができる。
【0028】
また、本発明の一側面によるチラーシステムは、前記圧縮機から吐出される高温高圧の冷媒を前記圧縮機の吸入側にバイパスさせるホットガスバイパス弁をさらに備え、前記制御部は、前記サージ感知の際、前記ホットガスバイパス弁を動作させることができる。
【0029】
一方、本発明の一側面によるチラーシステムは、前記圧縮機から吐出された冷媒のうち一部と、前記蒸発器から吐出された冷媒のうち一部とを混合して吐出し、前記圧縮機から吐出された冷媒のうち一部が流入する第1の流入部と、前記蒸発器から吐出された冷媒のうち一部が流入する第2の流入部とを備えるエジェクタをさらに備え、前記入口調節弁は、前記第1の流入部に連結された配管に配置されて、前記第1の流入部に流入する冷媒の流量を調節できる。
【0030】
また、前記制御部は、前記圧縮機の圧力比変動率と電流変動率とが所定範囲以内である場合に、前記圧縮機の回転を次第に増加させるソフトスタートに進入し、前記圧縮機の圧力比変動率と電流変動率とが前記所定範囲以内でない場合に、前記入口調節弁を固定し、前記圧縮機を停止させることができる。
【0031】
一方、前記制御部は、所定時間が経過するまで、前記圧縮機の回転速度、前記圧縮機の電流、及び前記複数の温度センサでセンシングされる1つ以上の温度値の変動率が、各々設定された基準範囲以内に到達できなければ(に到達できない場合)、前記サージ制御ロジックに進入することができる。
【0032】
一方、本発明の一側面によるチラーシステムは、サージが発生するサージ領域と正常領域とを区分するサージラインを含む圧縮機運転マップが格納される格納部をさらに備えることができる。
【0033】
また、前記制御部は、前記サージが発生すれば、前記圧縮機の回転速度及び圧力比の2次元座標系で発生されたサージに対応する運転点を算出し、前記算出された運転点が前記サージ領域を外れるようにサージ回避ロジックを行うことができる。
【0034】
また、前記制御部は、前記サージが発生すれば、前記圧縮機の回転速度及び圧力比の2次元座標系で発生されたサージに対応する運転点を算出し、前記算出された運転点に基づいて前記圧縮機運転マップをアップデートすることができる。
【0035】
また、前記制御部は、前記サージラインを前記圧縮機の回転速度を基準に複数の区間に分け、前記サージが発生すれば、前記圧縮機の回転速度及び圧力比の2次元座標系で発生されたサージに対応する運転点を算出し、前記複数の区間のうち、前記運転点が含まれる区間をアップデートすることができる。
【0036】
また、前記制御部は、前記サージが発生した圧力比に、前記サージが発生した回転速度区間に設定された補正値を合算してアップデートされる圧力比を算出できる。
【0037】
上記または他の目的を達成するために、本発明の一側面によるチラーシステムの動作方法は、圧縮機の回転速度、前記圧縮機の電流、及び1つ以上の地点でセンシングされる温度データの変動率が設定された基準範囲以内であれば、サージ感知ロジック(logic)進入可否を判別するステップ、サージ感知ロジックに進入すれば、サージ感知を行うステップ、及びサージが感知されれば、サージ回避動作を行うステップを含む。
【0038】
一方、前記サージ回避動作実行ステップは、前記圧縮機の圧力比変動率と電流変動率とが所定範囲以内である場合に、前記圧縮機の回転を次第に増加させるソフトスタートに進入し、前記圧縮機の圧力比変動率と電流変動率とが前記所定範囲以内でない場合に、前記入口調節弁を固定し、前記圧縮機を停止させることができる。
【0039】
上記または他の目的を達成するために、本発明の一側面によるチラーシステムの動作方法は、前記サージが感知されれば、サージが発生するサージ領域と正常領域とを区分するサージラインを含む圧縮機運転マップをアップデートするステップをさらに含むことができる。
【0040】
また、前記サージラインは、前記圧縮機の回転速度を基準に複数の区間に分けられ、前記圧縮機運転マップアップデートステップは、前記圧縮機の回転速度及び圧力比の2次元座標系で発生されたサージに対応する運転点を算出し、前記複数の区間のうち、前記運転点が含まれる区間をアップデートすることができる。
【0041】
また、前記サージ感知を行うステップは、マシンラーニング(machine learning)に基づいてサージを感知できる。
【発明の効果】
【0042】
本発明の実施形態のうち、少なくとも1つによれば、サージ発生及び故障を防止して製品の信頼性を向上できる。
【0043】
また、本発明の実施形態のうち、少なくとも1つによれば、効果的にサージ発生を予測し、防止することにより、部品寿命を向上し、部品交換費を低減できる。
【0044】
また、本発明の実施形態のうち、少なくとも1つによれば、マシンラーニングを活用して正確にサージ発生を感知できる。
【0045】
また、本発明の実施形態のうち、少なくとも1つによれば、サージが発生する装置の圧縮機運転マップをアップデートすることにより、装置別に最適化された圧縮機運転マップを使用できるチラーシステム及びその動作方法を提供する。
【0046】
また、本発明の実施形態のうち、少なくとも1つによれば、最適運転制御にて効率を上げることができる。
【0047】
一方、その他の様々な効果は、後述する本発明の実施形態に係る詳細な説明で直接的または暗示的に開示されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】本発明の一実施形態に係るチラーネットワークシステムの構成を例示する図である。
図2】本発明の一実施形態に係るチラーシステムの構成図である。
図3】本発明の一実施形態に係るチラーシステムの構成図である。
図4】本発明の一実施形態に係るチラーシステムのサージ制御器に関する説明に参照される図である。
図5】本発明の一実施形態に係るサーバの簡略な内部ブロック図である。
図6】本発明の一実施形態に係るチラーシステムの動作方法を示した順序図である。
図7】本発明の一実施形態に係るサージ感知ロジック(logic)進入条件設定についての説明に参照される図である。
図8】本発明の一実施形態に係るチラーシステムの動作方法を示した順序図である。
図9】本発明の一実施形態に係るマシンラーニングに基づいたサージ感知についての説明に参照される図である。
図10】本発明の一実施形態に係るマシンラーニングに基づいたサージ感知についての説明に参照される図である。
図11】本発明の一実施形態に係るチラーシステムの動作方法を示した順序図である。
図12】本発明の一実施形態に係るサージ制御に関する説明に参照される図である。
図13】本発明の一実施形態に係るサージ制御に関する説明に参照される図である。
図14】本発明の一実施形態に係るサージ制御に関する説明に参照される図である。
図15】本発明の一実施形態に係る圧縮機運転マップアップデートについての説明に参照される図である。
図16】本発明の一実施形態に係る圧縮機運転マップアップデートについての説明に参照される図である。
図17】本発明の一実施形態に係るチラーに対する概略図である。
図18図17のエジェクタの内部構造を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下では、添付した図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。しかしながら、本発明がこのような実施形態に限定されるものではなく、様々な形態に変形され得ることはもちろんである。
【0050】
一方、以下の説明において使用される構成要素に対する接尾辞「モジュール」及び「部」は、単に本明細書作成の容易さだけが考慮されて付与されるものであって、それ自体で特に重要な意味または役割を付与するものではない。したがって、前記「モジュール」及び「部」は、互いに混用されて使用されることもできる。
【0051】
また、本明細書において、「含む」、「備える」、または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性を予め排除しないことと理解されるべきである。
【0052】
また、本明細書において、様々な要素を説明するために、第1、第2などの用語が用いられ得るが、このような要素等は、このような用語等により制限されない。このような用語等は、単に1つの要素を他の要素から区別するために用いられる。
【0053】
図1は、本発明の一実施形態に係るチラーネットワークシステムの構成を例示する図である。
【0054】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るチラーネットワークシステムは、1つ以上のチラー(chiller)システム10とサーバ30とを備えることができる。望ましくは、本発明の一実施形態に係るチラーネットワークシステムは、複数のチラーシステム10及び複数のチラーシステム10を管理し、制御できるサーバ30を備えることができる。
【0055】
チラーシステム10は、チラー11、及びチラー11と連結されてサーバ30と通信する通信モジュール12を備えることができる。実施形態によって、通信モジュール12は、チラー11内部に内蔵されることができる。
【0056】
チラーシステム10は、通信モジュール12及びネットワーク20を介してインターネットに接続することができ、サーバ30とデータを送受信することができる。例えば、通信モジュール12は、複数のセンサを介して取得されたチラー11関連のセンシングデータをサーバ30に送信し、サーバ30から受信されるデータをチラー11に伝達することができる。
【0057】
前記サーバ30は、チラー11の製造社または製造社がサービスを委託した会社が運営するサーバであることができ、一種のクラウド(Cloud)サーバであることができる。
【0058】
サーバ30は、遠隔で複数のチラー11の状態をモニタリング(monitoring)し、異常可否を判断して動作を制御できる。
【0059】
複数のチラーシステム10及びサーバ30は、1つ以上の通信規格を支援する通信手段(図示せず)を備えて、相互通信することができる。また、複数のチラーシステム10及びサーバ30は、PC、移動端末機を含むモニタリング端末40、及び外部の他のサーバと通信することができる。
【0060】
管理者、顧客など、ユーザは、PC、移動端末機などのモニタリング端末40を介してチラーネットワークシステム内のチラー11に関する情報を確認できる。
【0061】
サーバ30は、クラウド(cloud)サーバ30で実現され、チラー11に連動されて、チラー11をモニタリング、制御し、様々なソリューションを遠隔に提供することができる。
【0062】
一方、サーバ30は、複数のサーバに情報、機能が分散されて構成されることができ、1つの統合サーバで構成されることもできるであろう。
【0063】
一方、サーバ30は、チラー11の制御及び現在状態などに関する情報をモニタリング端末40に提供することができ、このようなチラー11の制御及び状態モニタリングのためのアプリケーションを生成して配布可能である。
【0064】
このようなアプリケーションは、モニタリング端末40として適用されるPC用アプリケーションまたはスマートフォン用アプリケーションであることができる。
【0065】
サーバ30は、複数のチラーシステム10と連結されて、その動作をモニタリングし、制御することができる。このとき、サーバ30は、複数のチラー11に対する運転設定、ロック設定、スケジュール制御、グループ制御、及び異常検診などを行うことができる。
【0066】
特に、サーバ30は、複数のチラーシステム10から無線通信を介してデータを受信し、これを分析して各チラー11に異常が発生するか否かを検診できる。
【0067】
一方、サーバ30は、通信モジュール12、ユーザの端末40を認証し、データの送受信及び送受信されるデータパケットに対する無欠性検証を行うことができる。
【0068】
サーバ30は、通信モジュール12から前記チラー11の運転情報に基づくデータを受信することができる。
【0069】
通信モジュール12は、有線通信にて前記チラー11の運転情報を受信し、無線通信にて前記チラー11の運転情報に基づくデータをサーバ30に送信することができる。
【0070】
チラー11は、冷凍サイクルが形成される空調ユニットと、前記空調ユニットに冷却水を供給する冷却塔、及び前記空調ユニットと熱交換される冷水が循環する冷水需要先を備えることができる。
【0071】
冷水需要先は、冷水を用いて空気調和を行う装置または空間に該当する。一例として、冷水需要先は、室内空気と室外空気とを混合した後、混合空気を冷水と熱交換させて室内に流入させるエアーハンドリングユニット(AHU、Air Handling Unit)、室内に設けられて、室内空気を冷水と熱交換させた後、室内に吐出するファンコイルユニット(FCU、Fan Coil Unit)、室内の底に埋設された底配管ユニットのうち、少なくとも1つのユニットが含まれ得る。
【0072】
空調ユニットの主な構成は、冷媒を圧縮する圧縮機、圧縮機で圧縮された高温高圧の冷媒が流入する凝縮器、凝縮器で凝縮された冷媒を減圧させる膨脹機、そして膨脹機で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器を備えることができる。
【0073】
図2は、本発明の一実施形態に係るチラーシステムの構成図である。
【0074】
図2に示すように、チラー11の主な構成は、圧縮機110、凝縮器120、膨脹機130、蒸発器140を備えることができる。
【0075】
圧縮機110は、空気や冷媒ガスなどの気体を圧縮するための機器であって、冷媒を圧縮して凝縮器120に提供するように形成される。圧縮機は、冷媒を圧縮するインペラと、インペラに連結された回転軸、及び回転軸を回転させるモータを備えることができる。
【0076】
凝縮器120は、圧縮機110から吐出されて、凝縮器120を通過する高温高圧の冷媒と冷却水を熱交換させて冷媒を冷却するように形成される。
【0077】
膨脹機130は、液相冷媒を蒸発器140に送り、高圧の冷媒は、膨脹弁を通過しながら低温低圧に変化するように形成される。膨脹機130は、前記凝縮器120を経た冷媒を膨脹させることができる。
【0078】
蒸発器140は、冷媒が蒸発しながら冷水を冷却させるように形成される。前記蒸発器140は、前記需要先と連結されて冷水を循環させることができる。
【0079】
図3は、本発明の一実施形態に係るチラーシステムの構成図である。図3は、図2の例示において圧縮機110の内部構成の例示、及び制御部150など、内部ブロックが追加図示されたものであって、主な構成は同様である。
【0080】
図3に示すように、チラー11の主な構成は、圧縮機110、凝縮器120、膨脹機130、蒸発器140、及び制御器50を備えることができる。また、チラー11は、冷媒流路Aを備えることができる。
【0081】
圧縮機110は、空気や冷媒ガスなどの気体を圧縮するための機器であって、冷媒を圧縮して凝縮器120に提供するように形成される。圧縮機110は、冷媒を圧縮するインペラ111、インペラ111に連結された回転軸113、及び回転軸113を回転させるモータ112A、112Bを備えることができる。
【0082】
また、圧縮機110は、回転軸113に垂直方向に形成されるスラスト羽根114、スラスト羽根114を軸方向に支持するスラストベアリング115、回転軸113を支持するジャーナルベアリング116、及びギャップセンサ117、118などを備えることができる。
【0083】
冷媒流路Aは、圧縮機110で圧縮された冷媒が圧縮機110から凝縮器120まで流動する流路、凝縮器120で凝縮された冷媒が凝縮器120から膨脹機130まで流動する流路、膨脹機130で膨脹された冷媒が膨脹機130から蒸発器140まで流動する流路、及び蒸発器140で蒸発された冷媒が蒸発器140から圧縮機110まで流動する流路からなる。
【0084】
圧縮機110のギャップセンサ17、18は、回転軸113及びスラスト羽根114の位置を感知するセンサである。ギャップセンサ17、18が測定した位置情報に応じて制御器50は、スラストベアリング115とジャーナルベアリング116との電流を制御して回転軸113の位置を制御できる。
【0085】
回転軸113の位置制御のために、スラストベアリング115は、一般的に1個以上、ジャーナルベアリング116は、一般的に2個以上が備えられ得る。
【0086】
チラー11は、制御部150をさらに備えることができる。制御部150は、圧縮機110、凝縮器120、膨脹機130、蒸発器140など、チラー11の全般的な動作を制御できる。
【0087】
チラー11は、通信部180をさらに備えることができる。通信部180は、1つ以上の通信モジュールを備えて、有線または無線で他の機器と送受信することができる。例えば、通信部180は、図1に例示された通信モジュール12を備えることができる。または、通信部180は、通信モジュール12と異なる方式の有線及び/又は無線通信モジュールを備えて外部機器と通信することができる。
【0088】
制御部150は、通信部180を介してチラー11の状態情報をサーバ30など、他の機器に送信することができる。また、制御部150は、サーバ30など、他の機器から受信される制御信号、各種データに基づいてチラー11を制御できる。
【0089】
一方、制御部150は、圧縮機110、凝縮器120、蒸発器140の冷媒状態の変換を制御できる。
【0090】
また、制御部150は、サージ発生を防止し、サージを回避するために、圧縮機110に流入する冷媒流量を制御できる。また、制御部150は、サージ発生を防止し、サージを回避するために、圧縮機110回転速度を制御できる。
【0091】
一方、チラー11は、複数のセンサを備えるセンサ部160を備えることができる。センサ部160は、複数の温度センサ、前記圧縮機の回転速度をセンシングする速度センサ、及び前記圧縮機の電流をセンシングする電流センサを備えることができる。
【0092】
センサ部160は、冷媒の温度、圧力をセンシングする複数のセンサを備えることができる。例えば、空調ユニットの主な構成の入力側と出力側に複数のセンサが配置されて、温度、圧力などをセンシングすることができる。実施形態によって、センサ部160は、他の種類のセンサをさらに備えることができる。例えば、チラー11は、振動センサ、湿度センサなどを備えることができる。
【0093】
センサ部160は、複数のセンサを備えることができ、センサ等のセンシングデータを制御部150に送信することができる。例えば、前記センサ部160は、冷媒の温度と圧力をセンシングする複数のセンサ、前記圧縮機110の回転速度をセンシングする速度センサ、前記圧縮機110の電流をセンシングする電流センサを備えることができる。
【0094】
実施形態によって、チラー11及び/又はチラー11が配置された空間にモノのインターネットセンサが配置されて、チラー11の状態と関連したデータをセンシングすることができる。また、モノのインターネットセンサは、センシングされたデータをチラー11及び/又は通信モジュール12に送信することができる。例えば、モノのインターネットセンサは、チラー11が配置された空間の温度、湿度をセンシングして、チラー11及び/又は通信モジュール12に送信することができる。
【0095】
チラー11は、チラー11の動作、制御に必要なデータが格納される格納部170を備えることができる。格納部170には、センサ部160から測定されるデータ及びチラー動作制御によるデータが格納される。例えば、格納部170には、サージが発生するサージ領域と正常領域とを区分するサージラインを含む圧縮機運転マップ(Compressor Map)が格納され得る。
【0096】
また、格納部170には、サージ発生に関連したサージ領域に対する設定データ、圧縮機110に流入する冷媒流量を調節する入口調節装置、圧縮機110から吐出される高温高圧の冷媒を前記圧縮機110の吸入側にバイパスさせるホットガスバイパス弁(Hot Gas Bypass、HGBP)などの開閉制御のための基準データなどが格納され得る。一例として、前記入口調節装置は、冷媒量によって開度が調節されるバルブ、ベーン(Inlet Guide Vane、IGV)などであることができる。実施形態によって、入口調節弁は、吐出ガス再循環装置(Discharge Gas Recirculation、DGR)であることができる。吐出ガス再循環装置(DGR)は、圧縮機110で吐出された高圧のガスを圧縮機110吸入側に再供給することができる。吐出ガス再循環装置(DGR)及びDGRの効率向上に関しては、図17図18を参照して後述する。
【0097】
チラー11で発生する故障のうち、圧縮機110破損による故障は、チラー11の製品性能上重要な問題であって、安定的な運転をするためには、圧縮機110の故障を予防し、最適運転をしなければならない。
【0098】
チラー11は、単一制御でない、建物単位制御がなされるので、建物内の負荷の変動に敏感であり、急激な負荷変動発生の際、圧縮機110が損傷を受けることがあり、故障の原因になる。特に、チラー11の異常動作発生の際、内部の冷媒が圧縮機110に逆流するサージが発生しうる。
【0099】
制御部150は、格納部170のサージ領域に対する設定データに基づいて、入口調節弁またはベーン(IGV)の開度を制御したり、ホットガスバイパス弁(HGBP)の開度を制御できる。また、制御部150は、格納部170のサージ領域に対する設定データに基づいて、圧縮機110の動作可否、回転速度を制御できる。これにより、制御部150は、圧縮機110の圧力比を制御して、サージ発生を防止するか、サージを回避することができる。
【0100】
高電圧/電流を使用するチラーシステムにおいてサージ(異常)現象の続いた発生は、部品を破損させ、システムを駆動不可状態にさせることができる。
【0101】
チラーのサージ現象は、全ての負荷領域で発生するが、低負荷領域でのサージ感知及び回避制御が非常に難しい。低負荷サージは、実際必要な冷凍能力に比べてチラー冷凍容量が大きい場合、頻繁に発生する。したがって、低負荷領域でのサージを予測/感知することが重要である。
【0102】
本発明の一実施形態によれば、制御部150は、前記センサ部160で感知されるデータの変動率に基づいてサージ(surge)感知ロジック(logic)進入可否を判別する。これにより、チラー11が安定化した状態でサージ感知を行うことで、より正確にサージを感知できる。
【0103】
例えば、制御部150は、圧縮機110の回転速度、前記圧縮機110の電流、及び前記複数の温度センサでセンシングされる1つ以上の温度値の変動率が、各々設定された基準範囲以内である場合(に含まれれば)、前記サージ感知ロジックに進入するように制御することができる。
【0104】
前記圧縮機110の回転速度、前記圧縮機110の電流、及び前記複数の温度センサでセンシングされる1つ以上の温度値の変動率は、チラー11の正常運転の際、データに基づいて設定されることができる。
【0105】
一方、前記制御部150は、所定時間が経過するまで、前記圧縮機110の回転速度、前記圧縮機110の電流、及び前記複数の温度センサでセンシングされる1つ以上の温度値の変動率が、各々設定された基準範囲以内に到達できなければ(に到達できない場合)、前記サージ制御ロジックに進入するように制御することができる。安定化状態でサージ状態を感知することが正確度を高められるが、安定化状態に到達しなかったとして、引続きサージ発生を感知しないことは、製品の安定性を低下する恐れがある。したがって、製品が安定化し得る十分な時間が経た場合にも安定化状態に到達しないならば、サージなど、モニタリングを行って異常状態を感知することができる。
【0106】
従来には、特定因子(例えば、センシングされた電流または振動データ)を予め設定された閾値(Threshold Value)と比較して、チラー11の動作状態を判別し、サージ発生可否を判断した。本発明の一実施形態によれば、単に閾値を使用するものではない、複数の因子に対するセンシングデータの変化をモニタリングしてより正確にシステムの安定化可否、及び/又はサージ発生可否を判別できる。これにより、チラー11が安定化した状態であるか正確に判別し、チラー11の状態を考慮してサージ感知を行うことで、より正確にサージを感知できる。
【0107】
本発明の一実施形態に係るチラーシステム10は、次第に圧縮機110回転数を増加させるソフトスタート制御を行った後、正常運転領域に進入すれば、サージ感知を動作する。チラーの電気的/サイクル安定性を同時に満たす場合にサージ感知を行うので、製品の安定可否を判断できる。しかし、安定状態に到達できなくても、一定時間が経過した後にはサージ感知モードに進入し、異常状態及びサージ感知を行うことができる。
【0108】
また、本発明の一実施形態によれば、制御部150は、マシンラーニング(machine learning)に基づいたサージ感知を行うことができる。本発明の一実施形態に係るチラーシステム10は、学習された人工知能基盤のリアルタイムサージ感知、及び運転条件によるサージ回避制御を提供できる。
【0109】
例えば、本発明の一実施形態によれば、サポートベクトルマシンラーニング(Support Vector Machine、SVM)を介してサージ感知のための最適モデルを実現し、サポートベクトルマシンラーニングで学習された人工知能(Artificial Intelligence、AI)にてサージ発生を予測するか、感知することができる。
【0110】
また、本発明の一実施形態によれば、制御部150は、サージ感知の際、運転情報を利用して最適のサージ回避制御を実現できる。
【0111】
本発明の一実施形態によれば、冷凍空調システムにおいてサージ感知進入条件に有効な因子(物理的、電気的要素)をリアルタイムに受信して、安定した状態に進入するか否かを確認できる。
【0112】
物理的/電気的要素の特徴を考慮して、サージ発生の際に影響を与える仮引数を抽出できる。このとき、選定された仮引数リストを、PCA、mRMR、Wrapper methods、F1 scoreのうち1つ以上の因子選定アルゴリズムを適用してサージ発生に大きい影響を及ぼす仮引数を選定できる。
【0113】
選定された物理的/電気的仮引数要素等の影響を分析した後、一部因子を最終因子として抽出することができる。例えば、サージが発生するまで圧縮機回転速度を減らしながら物理的/電気的特性を分析し、サージが発生するまで入口調節装置の開度量を減らしながら物理的/電気的特性を分析し、サージが発生するまで冷却水入口温度を増加させながら物理的/電気的特性を分析することにより、最終因子を抽出できる。
【0114】
このように、サーバ30またはチラーシステム10は、選定された最終因子に対する変動率で製品の安定性を評価し、サージ感知制御に進入することができる。
【0115】
チラー11は、水温度変化が圧力変化に直結するので、製品の安定性評価において温度条件が重要である、例えば、製品の安定性は、設定された冷水出口目標温度から変化が±0.3[deg]以内である第1条件、ユーザが設定した冷却水入口温度からの変化が±0.3[deg]以内である第2条件を満たさなければならない。また、正常状態に進入する条件であるから、IGVなど、入口調節装置、圧縮機回転速度(VFD)は、全領域に対比して2[%]以内の変動率範囲以内である第3条件を満たさなければならない。
【0116】
制御部150は、第1ないし第3条件が満たされれば、製品が安定化して正常状態に進入したこととみなし、サージ感知動作を行うことができる。
【0117】
仮りに、外部環境の影響や冷凍容量が足りない場合、起動後にも正常状態に進入できないことがある。この場合に、所定時間が経過すれば、自動に制御部150はサージ感知動作を行うことができる。
【0118】
本発明の一実施形態によれば、前記制御部150は、予め学習された人工知能にてサージ発生を予測し、感知することができる。
【0119】
サージ感知ロジックは、マシンラーニングを利用して自動にラベリングすることにより、指導学習モデルに使用されるデータを速く、かつ正確に構築できるように助け、学習データの正確なラベリングを介して最終推定モデルの正確度向上にも期することができるようにする。
【0120】
チラーのサージ発生有無による物理的/電気的信号を分析してチラーのサージ有無を分類することができる因子を選定し、当該因子のデータを用いて学習することにより、サージ感知及び予測システムを実現できる。
【0121】
サーバ30またはチラーシステム10は、各製品に互換可能なデータとして使用できるように最小-最大正規化(Min-max normalization)を行ってデータを前処理することができる。このとき、データ範囲を外れた場合、サーバ30またはチラーシステム10は、自動に受信されたデータの範囲を既存学習データの上/下限線範囲内に調整することができる。また、サーバ30またはチラーシステム10は、ディープラーニングのハイパーパラメータを細かく調整して最適の推定性能を確保でき、最適化されたモデルと前処理されたデータとを学習データとして活用することができる。例えば、SVM(Support Vector Machine)を用い、リアルタイムチラー運転データを用いてサージ発生可否を感知できる。
【0122】
一方、前記制御部150は、前記サージが発生すれば、前記圧縮機110に流入する冷媒流量または前記圧縮機110の回転速度を可変するサージ回避ロジックを行うことができる。場合によって、前記制御部150は、前記圧縮機110に流入する冷媒流量及び前記圧縮機110の回転速度を可変するサージ回避ロジックを行うことができる。
【0123】
本発明の一実施形態に係るチラーシステム10は、圧縮機に流入する冷媒流量を調節する入口調節装置をさらに備えることができる。前記入口調節装置は、冷媒量によって開度が調節される入口調節弁(図示せず)または入口調節ベーン(IGV、図示せず)であることができる。
【0124】
本発明の一実施形態に係るチラーシステム10は、圧縮機110から吐出される高温高圧の冷媒を前記圧縮機110の吸入側にバイパスさせるホットガスバイパス弁(HGBP、図示せず)をさらに備えることができる。例えば、ホットガスバイパス弁は、圧縮機110の吐出配管と吸入配管とを連結する配管上に配置されることができる。ホットガスバイパス弁は、圧縮機110から吐出されてオイル回収機を経た冷媒を圧縮機110吸入側にバイパスさせる。このとき、圧縮機110には、アキュムレータがさらに連結され得るし、ホットガスバイパス弁は、アキュムレータの吸入側に連結されることができる。
【0125】
前記制御部150は、サージ発生の際、運転条件を比較した後、入口調節弁、IGVなど、入口調節装置、またはホットガスバイパス弁(HGBP)の開度を開いて、チラー11が安定した運転領域に進入するように制御することができる。
【0126】
本発明の一実施形態によれば、前記制御部150は、サージ発生の際、前記圧縮機110の回転速度及び圧力比の2次元座標系で発生されたサージに対応する運転点を算出し、前記算出された運転点が前記サージ領域を外れるようにサージ回避ロジックを行うことができる。
【0127】
本発明の一実施形態によれば、サージ回避ロジックは、出水温度偏差を基準に設計されることができる。例えば、偏差(冷水出口目標温度-現在冷水出口温度)が0より大きい場合、入口調節弁を100%に調整して流量を増加させることができる。また、偏差が0より小さい場合、入口調節弁を固定した後、圧縮機回転速度(VFD)を上昇して圧縮比を調整できる。また、一定時間の間、サージ回避を完了できなければ、入口調節弁を固定した状態で圧縮機110を停止させることができる。
【0128】
前記制御部150は、前記サージ感知の際、冷水出口目標温度が現在冷水出口温度より大きい場合に、前記入口調節弁など、入口調節装置の開度を100%に調整することにより、流量を増加させてサージを回避することができる。
【0129】
前記制御部150は、前記サージ感知の際、前記冷水出口目標温度が現在冷水出口温度より小さい場合に、前記入口調節弁など、入口調節装置を固定し、前記圧縮機110の回転速度を上昇させて、圧縮比を調整してサージを回避することができる。
【0130】
前記制御部150は、冷水出口目標温度が現在冷水出口温度と同じであれば、現在状態を維持する途中、温度差が発生すれば、それによる制御を行うことができる。
【0131】
一方、前記制御部150は、前記サージ感知の際、前記ホットガスバイパス弁(HGBP)を動作させてサージを回避することができる。ホットガスバイパス弁がオープンされれば、圧縮機110から吐出される高温高圧の気体冷媒は、一部が圧縮機110の吸入側に一部バイパスされるので、圧縮機110から吐出される気体冷媒の圧力は減少し、圧縮機110に吸入される冷媒の圧力は上昇するようになる。圧縮機110が低い負荷で高い圧力比にて作動する場合、圧縮機110でサージ(surge)が発生するようになる。圧縮機110の圧力比が上昇するとき、ホットガスバイパス弁を開放すれば、吐出圧力は減少し、吸入圧力は増加することで、圧力比が減少するようになり、サージを防止できる。
【0132】
一方、前記制御部150は、一定時間の間にサージ回避を完了できなければ、入口調節弁など、入口調節装置の状態を固定し、前記圧縮機110を停止させることができる。一定時間の間、サージ回避制御を行ったにもかかわらず、サージ回避に失敗したとするならば、より大きい損傷を防止して前記圧縮機110を停止させることができる。
【0133】
前記制御部150は、サージによるエラー状態を出力するようにディスプレイなど、出力部(図示せず)を制御できる。
【0134】
本発明の一実施形態によれば、サージ回避制御の終了条件として、サージ回避制御を行う区間内の圧力比変動率と電流変動率とを利用することができる。例えば、サージ回避制御を行う区間内の圧力比変動率と電流変動率とが2[%]以内であることをサージ回避制御の終了条件として設定することができる。
【0135】
サージ回避制御実行後、前記圧縮機110の圧力比変動率と電流変動率とが所定範囲以内である場合に、前記制御部150は、前記圧縮機110の回転を次第に増加させるソフトスタートに進入するように制御することができる。前記制御部150は、サージ回避制御実行後、前記圧縮機110の圧力比変動率と電流変動率とが安全な領域に対応する範囲以内であれば、サージ回避制御を終了し、ソフトスタート、正常運転の順に進行することができる。例えば、圧力比変動率と電流変動率とが2[%]以内を満たす場合、ターゲット温度までゆっくり駆動するソフトスタートに進入後、正常運転に切換(サージ感知再実行)することができる。
【0136】
サージ回避制御実行後、前記圧縮機110の圧力比変動率と電流変動率とが前記所定範囲以内でない場合に、前記制御部150は、前記入口調節弁など、入口調節装置の状態を固定し、前記圧縮機110を停止させることができる。一定時間の間、サージ回避制御を行ったにもかかわらず、前記圧縮機110の圧力比変動率と電流変動率とが前記所定範囲以内(例えば、圧力比変動率と電流変動率とが2[%]以内)でなければ、サージ回避が失敗したことと判別することができる。この場合に、より大きい損傷を防止して前記圧縮機110を停止させることができる。
【0137】
本発明の一実施形態に係るチラーシステム10は、リアルタイムにサージ感知及び回避が可能である。したがって、リアルタイムにサージを感知し、サージ感知の際に回避動作を行うことにより、製品の破損や異常が発生した後、製品を維持補修する場合より、製品のダメージ及び維持補修費用を低減できるようになる。
【0138】
一方、サージ発生が予測されるか、感知されれば、前記制御部150は、サージ回避ロジックを行い、前記圧縮機110の圧力比変動率と電流変動率とに基づいて前記サージ回避ロジックの終了可否を決定できる。すなわち、サージ感知ロジックの進入だけでなく、サージ回避ロジックの終了可否も圧縮機110の圧力比変動率と電流変動率とで判断することにより、システムが十分に安定化した以後にサージ回避制御を終了できる。
【0139】
従来には、単純に電流基準値以上であればサージと判断する方法を多く使用した。しかし、本発明の一実施形態によれば、サイクル安全性を、圧力比変動率と電流変動率とを同時に満たすことと判断することができ、十分に安全な運転領域まで移動した後にサージ回避制御を終了することにより、サージ領域と正常領域との境界で運転することで、サージが繰り返し的に発生することを防止できる。
【0140】
また、本発明の一実施形態によれば、圧縮機110故障を判断するために、銅センサ、騒音測定センサ、イメージセンサなどの追加センサが必要なく、圧縮機故障発生前の時点で予め予測が可能であるという長所がある。
【0141】
一方、本発明の一実施形態によれば、前記制御部150は、前記サージが発生すれば、前記圧縮機110の回転速度及び圧力比の2次元座標系で発生されたサージに対応する運転点を算出し、前記算出された運転点に基づいて格納部170に格納された圧縮機運転マップをアップデートすることができる。
【0142】
実施形態によって、圧縮機運転マップは、全体区間をN個に分けて部分的にアップデートが可能なように設定されることができる。
【0143】
前記制御部150は、前記圧縮機運転マップのサージラインを前記圧縮機110の回転速度を基準に複数の区間に区分することができる。この場合に、前記サージが発生すれば、前記制御部150は、前記圧縮機110の回転速度及び圧力比の2次元座標系で発生されたサージに対応する運転点を算出し、前記複数の区間のうち、前記運転点が含まれる区間をアップデートすることができる。
【0144】
一方、前記制御部150は、前記サージが発生した圧力比に前記サージが発生した回転速度区間に設定された補正値を合算して、アップデートされる圧力比を算出することができる。
【0145】
本発明の一実施形態によれば、チラーシステム10でサージを感知/発生した時点の運転情報を利用してアップデートが可能な圧縮機運転マップを提供し、その後、類似した運転条件でチラーを駆動する場合、サージが発生しないようにアップデートされた圧縮機運転マップを用いてサージを制御(防止)できる。
【0146】
サポートベクトルマシン学習など、マシンラーニング技法を適用したサージ感知ロジックによってサージ発生を感知すれば、ユーザが設定した圧縮機運転マップ情報にサージ発生情報をアップデートすることができる。
【0147】
チラーは、同一製品であっても、設置環境、場所、条件によって圧縮機運転特性が変わる。しかし、本発明の一実施形態によれば、当該製品で発生したサージイベントにより圧縮機運転マップがアップデートされるので、個別条件に合う圧縮機運転マップの生成及びアップデートが可能である。これにより、その後、同一運転条件では、サージに進入する前に予め防止制御を行うことができ、維持補修費用の減少と信頼性向上にも助けになることができる。
【0148】
制御部150は、アップデートされた圧縮機運転マップで、実際サージラインにマージンをおいて低いサージ防止ラインを設定できる。
【0149】
現在サージ防止ラインと実際サージラインとの間にあり、偏差(冷水出口目標温度-現在冷水出口温度)が0より大きければ、制御部150は、現在圧力比に該当する安全周波数まで圧縮機回転速度(VFD)を固定しながら入口調節装置の制御を行うことができる。
【0150】
現在サージ防止ラインと実際サージラインとの間にあり、偏差が0より小さければ、前記制御部150は、現在圧力比に該当する安全周波数まで圧縮機回転速度(VFD)を上昇させ、入口調節装置は固定することができる。
【0151】
一方、サージ防止ラインの下に存在する場合、安定的な正常領域であるから、前記制御部150は、圧縮機回転速度を現在のように維持することができる。
【0152】
実施形態によって、チラー11は、図4を参照して後述するサージ制御器400を備えることができる。すなわち、サージ感知及びサージ関連制御のためのサージ制御器400を備えることにより、サージにさらに効果的に対応することができる。
【0153】
一方、サージ制御器400は、制御部150の一部ブロックで実現されるか、制御部150とは別のブロックで実現されることができる。
【0154】
実施形態によって、チラー11は、サージ制御器400を備えるサーバ30と通信し、サージ防止運転、サージ回避運転を行うことができる。
【0155】
図4は、本発明の一実施形態に係るチラーシステムのサージ制御器に関する説明に参照される図である。
【0156】
図4に示すように、サージ制御器400は、前記サージ感知ロジック進入条件に必要な因子を選定するサージ感知進入条件設定部410、サージを予測し、感知するモデルに適した因子を抽出し、抽出された因子で学習された人工知能を含むサージ感知処理部420、及びサージ感知の際、サージ回避制御を行うサージ回避制御部430を備えることができる。
【0157】
サージ感知進入条件設定部410は、チラー運転情報を利用してデータを分析し、サージ感知進入条件に必要な因子を選定できる。
【0158】
サージ感知処理部420は、サージ予測/感知モデルに適した因子を抽出し、最適の推定性能を確保するために、学習データとチューニングされたハイパーパラメータを用いてサージ予測/感知モデルを実現できる。例えば、サージ感知処理部420は、SVMなど、マシンラーニング技法で学習された人工知能を含むことができ、その後、受信されるチラー運転データを用いてサージ感知を行うことができる。
【0159】
サージ回避制御部430は、サージ感知後、流量及び圧縮機を調整するサージ回避動作を制御できる。サージ回避制御部430は、サージ感知の際、運転条件によるサージ回避制御を行い、サージ回避制御にもサージ回避されなければ、圧縮機110を強制終了させることができる。
【0160】
実施形態によって、サージ制御器400は、サージ回復後、サージ回避制御終了可否を判別する正常状態進入部440をさらに備えることができる。正常状態進入部440は、圧力比、電流などの変動率に基づいてサージ回避制御の終了可否を判別できる。
【0161】
実施形態によって、サージ制御器400は、サージ防止制御部(図示せず)をさらに備えることができる。サージ防止制御部(図示せず)は、サージ区間への再進入防止のためのものであって、圧縮機運転マップに実際サージラインより右下側に離間してサージ防止ラインを設定できる。この場合に、正常状態進入部440は、サージ防止ラインに基づいて運転するサージ防止制御終了可否を判別できる。
【0162】
一方、サージ制御器400は、サージと関連した各種メッセージを出力するように制御するメッセージ出力部450をさらに備えることができる。メッセージ出力部450は、サージ発生、サージ感知、サージ回避と関連した細部項目に対するメッセージを出力できる。例えば、メッセージ出力部450は、サージ発生に該当するエラーコードを含むメッセージを出力するようにディスプレイを制御できる。
【0163】
実施形態によって、サージ制御器400は、格納部170に格納された圧縮機運転マップをアップデートする圧縮機運転マップアップデート部460をさらに備えることができる。圧縮機運転マップアップデート部460は、サージ予測/感知データを活用して圧縮機運転マップアップデートを行なうことができる。場合によって、圧縮機運転マップアップデート部460は、サージ防止制御が可能なようにチラー11の実際運転領域とサージ防止制御の運転領域とを分離して格納することができる。
【0164】
図5は、本発明の一実施形態に係るサーバの簡略な内部ブロック図である。
【0165】
図5に示すように、サーバ30は、プロセッサ210、通信部220、メモリ230を備えることができる。
【0166】
プロセッサ210は、サーバ30の全般的な動作を制御できる。
【0167】
実施形態によって、前記プロセッサ210には、マシンラーニング(machine learning)にて予め学習された人工神経網(Artificial Neural Networks:ANN)が搭載されて、チラー11の異常診断などを行うことができる。例えば、前記プロセッサ210は、ディープラーニング(Deep Learning)で学習されたCNN(Convolutional Neural Network)、RNN(Recurrent Neural Network)、DBN(Deep Belief Network)など、深層神経網(Deep Neural Network:DNN)を含むことができる。
【0168】
一方、サーバ30は、チラー11製造社が運営するサーバまたはサービス提供者が運営するサーバであることができ、一種のクラウド(Cloud)サーバであることができる。
【0169】
通信部220は、チラー11、通信モジュール12、ゲートウェイ、他の電子機器などから状態情報、動作情報、操作情報など、各種データを受信することができる。
【0170】
そして、通信部220は、受信される各種情報に対応するデータをチラー11、通信モジュール12、ゲートウェイ、他の電子機器などに送信することができる。
【0171】
このために、通信部220は、インターネットモジュール、移動通信モジュールなど、1つ以上の通信モジュールを備えることができる。
【0172】
メモリ230は、受信される情報を格納し、これに対応する結果情報生成のためのデータを備えることができる。
【0173】
また、メモリ230は、マシンラーニングに使用されるデータ、結果データなどを格納することができる。
【0174】
メモリ230は、サーバ30動作に必要なデータを格納することができる。
【0175】
例えば、メモリ230は、サーバ30で行うための学習アルゴリズムを格納することができる。
【0176】
プロセッサ210において、マシンラーニング(Machine learning)の一種であるディープラーニング(Deep Learning)技術は、データを基盤に多段階で深い水準まで下がって学習を行うことができる。
【0177】
ディープラーニング(Deep Learning)は、ヒードンレイヤを順に経ながら複数のデータから核心的なデータを抽出するマシンラーニング(Machine learning)アルゴリズムの集合を表すことができる。
【0178】
ディープラーニング構造は、CNN、RNN、DBNなど、深層神経網(DNN)で構成されることができる。
【0179】
深層神経網(DNN)は、入力レイヤ(Input Layer)、ヒードンレイヤ(Hiddent Layer)、及び出力レイヤ(Output Layer)を備えることができる。
【0180】
一方、多重のヒードンレイヤ(hidden layer)を有することをDNN(Deep Neural Network)ということができる。
【0181】
各レイヤは、複数のノードを含み、各レイヤは、次のレイヤと連関している。ノードは、ウェイト(weight)を有して互いに連結されることができる。
【0182】
第1のヒードンレイヤ(Hidden Layer 1)に属した任意ノードからの出力は、第2のヒードンレイヤ(Hidden Layer 2)に属する少なくとも1つのノードの入力になる。このとき、各ノードの入力は、以前レイヤのノードの出力にウェイト(weight)が適用された値であることができる。ウェイト(weight)は、ノード間の連結強度を意味できる。ディープラーニング過程は、適切なウェイト(weight)を探し出す過程ともみなすことができる。
【0183】
一方、人工神経網の学習は、与えられた入力に対して所望の出力が出るようにノード間連結線のウェイト(weight)を調整(必要な場合、バイアス(bias)値も調整)することによりなされることができる。また、人工神経網は、学習によりウェイト(weight)値を持続的にアップデートさせることができる。
【0184】
サーバ30は、通信モジュール12から伝達されたデータを配置及びデータベース(database、DB)化してユーザが接近可能なように処理することができる。
【0185】
通信モジュール12が連結されたチラー11関連の各種データを内部メモリ140に格納し、基地局に送信するようになると、送信されたデータは、サーバ30で信号処理される。
【0186】
サーバ30は、前記チラー11の制御情報及びId、Time、Site、Date情報などを含んでいるデータを、日付別、時間別に分類し、分類されたデータを日付別に統合することができる。また、統合されたデータは、データベース化されることができる。
【0187】
サーバ30は、データに対して無欠性検証(チラー11の運転サイクル)を行い、格納されたデータに異常がない場合、圧縮及び/又はデータベース(database)化過程を行うことができる。
【0188】
サーバ30は、受信されるデータを、装置別、日付別に分類してデータベースに格納することができる。
【0189】
サーバ30は、前記チラー11の状態情報、制御に対応する動作情報などをモニタリング端末40に送信する。また、サーバ30は、前記チラー11の異常状態が感知される場合に、前記モニタリング端末40にお知らせメッセージを送信できる。
【0190】
前記モニタリング端末40は、スマートフォン(smart phone)、PDA(Personal Digital Assistants)などの移動端末機であることができ、ノートブックコンピュータ(laptop computer)、PCなどのインターネット接続が可能な端末装置であることができる。
【0191】
前記モニタリング端末40は、前記サーバ30に所定サービスを要請し、前記サーバ30から受信されるデータに基づいて前記チラー11の状態情報を含むユーザーインターフェース画面を提供できる。
【0192】
前記モニタリング端末40は、サーバ30DBのデータをユーザが利用できるように視角化して提供することができる。
【0193】
ユーザは、前記モニタリング端末40を用いてチラー11関連データをリアルタイムに確認することができる。
【0194】
図6は、本発明の一実施形態に係るチラーシステムの動作方法を示した順序図である。
【0195】
図6に示すように、制御部150は、圧縮機110の回転速度、前記圧縮機110の電流、及び1つ以上の地点でセンシングされる温度データの変動率が設定された基準範囲以内であれば、サージ感知ロジック(logic)進入可否を判別できる(S610)。例えば、圧縮機110の回転速度、前記圧縮機110の電流、冷水出口温度の変化が各々設定された基準より小さければ、サージ感知ロジックに進入することができる。
【0196】
また、サージ感知ロジックに進入すれば、制御部150は、マシンラーニング(machine learning)に基づいたサージ感知を行うことができる(S620)。
【0197】
図7は、本発明の一実施形態に係るサージ感知ロジック(logic)進入条件設定及びサージ感知学習についての説明に参照される図であって、学習に使用される因子選定を例示する。
【0198】
正確かつ一貫性のあるデータラベリングは、ディープラーニング基盤モデルの推定性能において絶対的に重要な要素であるが、これを人が行うには伴われる種々の困難が生じる。特に、ビッグデータから来る膨大な作業量と一貫性のあるようにデータを分類すべき作業自体の困難を解決するために、教師なし学習アルゴリズムを使用してデータラベリングプロセスを自動化できる。
【0199】
これにより、サージ予測モデルに使用されるデータを速くかつ正確に構築できるように助け、学習データの正確なラベリングを介して最終推定モデルの正確度向上にも寄与することができる。データ自動分類部で使用される教師なし学習アルゴリズムは、k平均クラスタリング(k-means clustering)、自己組織化マップ(Self-Organizing Map)、Fuzzy C-means、階層的群集化分析(Hierarchical Cluster Analysis)アルゴリズムのうち1つ以上のアルゴリズムを用いてチラー運転データをサージ発生と正常とに自動分類することができる。
【0200】
マシンラーニングモデルの推定性能においてデータラベリングと同様に重要なものは、推定結果に影響を及ぼす致命因子選定にある。本発明の一実施形態によれば、全体因子リストのうち、事前定義された物理的/電気的因子フィルタを適用して1次に分類し、選定された仮引数リストをPCA(Principle Component Analysis)、mRMR(Minimum Redundancy Maximum Relevance)、Wrapper Methods、Chi-Squared Test、F1 Scoreのうち1つ以上の因子選定アルゴリズムに適用して、サージ予測に最も大きい影響を及ぼす致命因子を自動選定することになる。
【0201】
図7は、F1-Scoreを用いて因子選定をする例示である。F1スコアは、精密度と再現率との調和平均(Harmonic Mean)であり、図7の(a)は、合計10因子に対するF1スコア測定結果を例示したものである。F1スコアを基準に図7の(b)のように因子順位を付けることができる。仮りに、致命因子を2個のみ選定する場合、電流と冷水入口温度とを選定できる。参考として、図7の(a)と(b)は、例示であり、実際使用された因子とは変わることができる。
【0202】
一方、チラー運転データは、因子別単位及び範囲が異なるので、これを一定範囲に正規化する作業が必要である。このように、互いに異なる範囲を有した因子等の正規化処理をしない場合、互いに異なるスケールのため、費用関数が歪曲されて、場合によっては学習速度が遅く、地域最適の状態(local minima)に陥るなど、マシンラーニングモデルの学習が効率的になされないことがある。
【0203】
正規化に普通使用される最小-最大正規化(Min-max Normalization)の数式1は、次のとおりである。
【0204】
【数1】
【0205】
仮りに、入力データが既存学習データの最小、最大値を外れた場合、最小-最大正規化適用の際、正規化範囲を外れることができるので、入力データを既存学習データの最小/最大値に自動調整し、次の数式2にしたがう。
【0206】
【数2】
【0207】
データ前処理の際、欠損値削除フィルタと安定状態感知フィルタとを使用できる。欠損値削除フィルタは、データに欠損値が存在する場合、当該データベクトルは、学習モデルに使用できないように削除する機能を果たす。仮りに、入力データは、k次元を有するベクトルであるが、新規データベクトルは、m次元のベクトル(m<k)である場合、新規データは削除するようになる。
【0208】
【数3】
【0209】
安定状態データフィルタは、冷房サイクルが安定状態である運転データのみを受信するように指数加重移動平均フィルタ(EWMA filter)、目標アクチュエータ値到達有無確認方式のうち1つ以上の方式を採択して運転データの安定状態を判断する方式を含む。指数移動平均フィルタ数式は、特定周期Tの間、フィルタエラーが決まったフィルタエラー値より小さいか、同じである場合、安定状態であると判断し、フィルタエラーと(t番目)フィルタを表す数式4は、次のとおりである。
【0210】
【数4】
【0211】
目標アクチュエータ値到達有無判断は、特定周期Tの間、アクチュエータ値が制御目標値に一定値に近接する場合、安定状態であると判断することができる。
【0212】
ハイパーパラメータ等の最適値を導出するためには、種々の組み合わせをテストして、モデル性能の最も良い組み合わせを探す方法を使用し、グリッドサーチ(Grid Search)アルゴリズムやランダムサーチ(Random Search)アルゴリズムを使用して種々の組み合わせを比較するようになる。各ハイパーパラメータ組み合わせを検証の際、交差検証データを使用して検証するようになり、主に、k-fold交差検証(k-fold cross validation)方式を利用する。k-fold交差検証は、交差検証データセットをk個の小さい単位(subset)に分けた後、k-1個のデータは、学習データとして使用し、残りの1個のデータセットでは、当該ハイパーパラメータ組み合わせを検証するのに使用する。最終的に、合計k個のモデル推定性能が導出され、当該k個のモデル結果の平均値で特定ハイパーパラメータ組み合わせを評価する。使用されるデータは、高負荷領域(25~100[%])と低負荷領域(25[%]以内)とに分けて、高負荷モデルと低負荷モデルとに対して各々別にハイパーパラメータ最適化を進行する。
【0213】
例えば、グリッドサーチ(Grid Search)アルゴリズム手順は、次のとおりに進行される。
【0214】
1.最適のハイパーパラメータ値を探すための検索範囲を定義
・例示:C=[0.001、0.01、0.1、1.0、10.0、100.0]
【0215】
2.考慮対象ハイパーパラメータ数の分だけ2.1-2.4のステップを繰り返し:
2.1.考慮対象である定数Cを適用して学習データに対する学習進行
2.2.交差検証データセットを使用して当該モデルの正確度算出
2.3.仮りに、1番目の繰り返しである場合、最大正確度値を任意の小さい数、例えば、1e-5に設定
2.4.仮りに、2.2で求めた正確度が既存の最大正確度より高い場合、最大値を2.2で求めた正確度値に変更し、最適のC値を当該C値にアップデート
【0216】
3.2において全ての場合の数の分だけ比較が終わった後、最大正確度を提供する最適のC値選定
【0217】
一方、既存チラーのサージ制御アルゴリズムは、低負荷領域でのサージ感知率が高負荷領域でのサージ感知率より低いという問題がある。本明細書では、低負荷領域でのサージ感知を改善するために、サポートベクトルマシン学習など、マシンラーニングを活用したチラーのサージ制御アルゴリズムを提案する。提案された方法は、既存チラーに適用できるだけでなく、センサ購入及び装着による追加費用が発生しない。
【0218】
一方、サージ制御アルゴリズムを行うために、初期サイクル安定状態判断を先に行うことができる。
【0219】
図8は、本発明の一実施形態に係るチラーシステムの動作方法を示した順序図であって、ターボチラーでサージ感知進入条件判断過程(S610)を詳細に示したものである。
【0220】
図8に示すように、ターボチラーは、初期設定によって運転を始めることができる(S810)。
【0221】
その後、制御部150は、回転速度変動率、電流変動率、温度安定度を基準に安定化可否を判断できる。
【0222】
制御部150は、基準時間が経過する前までにデータの変動率をモニタリングすることができる(S820)。例えば、20分が経過する前に、制御部150は、サージ感知進入条件が満たされるか判断することができる。
【0223】
制御部150は、冷水出口温度安定可否を判別できる(S830)。例えば、冷水出口温度安定度は、0.3[度]以内であれば、冷水出口温度が安定化状態であることと判別することができる。
【0224】
制御部150は、冷却水入口温度安定可否を判別できる(S840)。例えば、冷却水入口温度安定度は、0.3[度]以内であれば、冷却水入口温度が安定化状態であることと判別することができる。
【0225】
制御部150は、回転速度安定可否を判別できる(S850)。例えば、圧縮機回転速度変化率が2[%]以内であれば、回転速度が安定化状態であることと判別することができる。
【0226】
制御部150は、電流安定可否を判別できる(S860)。例えば、圧縮機電流変化率が2[%]以内であれば、電流が安定化状態であることと判別することができる。
【0227】
サイクル安定状態を判断するために、1周期(例、40秒)の間、制御部150は、冷水出口温度及び冷却水入口温度の変化が平均値から±0.3[度]以上外れないながら(S830、S840)、回転速度及び電流変動率が平均値から±2[%]以内に安定しているか確認する(S850、S860)。
【0228】
一方、サージ感知進入条件は、「AND」条件であって、順序と関係ない。したがって、本発明は、図8において例示された進入条件判断順序に限定されない。
【0229】
上記のように、全てのサージ感知進入条件(S830~S860)を満たすと、制御部は、サージ制御ロジックに進入することができる(S870、S620)。
【0230】
一方、通常、ターボチラーは、冷水出口目標温度に到達した後、正常運転を行うが、顧客社で冷水出口目標温度に到達しなかった状態で強制的に運転する場合がたびたびあった。この場合に、冷水出口目標温度に到達できないため、サージ制御ロジックに進入できない場合が発生する。製品の破損や焼損を防止するために、サージ制御ロジック進入条件を満たすことができなくても一定時間(例、20分)が経た後(S820)、強制的にサージ制御ロジックに進入することができる(S870、S620)。
【0231】
本発明の一実施形態に係るチラーシステム10は、サージ制御ロジックにおいて、マシンラーニング(machine learning)に基づいたサージ感知を行うことができる(S870、S620)。
【0232】
図9図10は、本発明の一実施形態に係るマシンラーニングに基づいたサージ感知についての説明に参照される図である。
【0233】
本発明の一実施形態に係るサージ制御器400は、サージ予測モデルを学習できる。サージ予測モデル学習は、モデル最適化の際、決定されたハイパーパラメータ値で設計されたモデルを学習データとして学習するものである。例えば、SVMモデル学習の際、サージ予測モデル学習は、マージンを最大化しながら分類失敗エラーは最小化する方向に学習が進行される。
【0234】
サージ制御器400は、データ前処理過程で加工されたデータを学習データとして学習を進行できる。過去データを基盤に学習データをアップデートする場合に、確保された新規データを学習データセット(set)に反映し、既存学習モデルよりアップデートされたモデル性能が優れた場合には、新規モデルアップデートを進行し、そうでない場合には、既存モデルを維持する。
【0235】
仮りに、SVMモデルに多項式カーネル(Polynomial Kernel)が使用される場合、最終決定境界(Decision Boundary)は、次の数式を有する。
【0236】
【数5】
【0237】
ここで、xは、入力データであり、dは、多項の次元(degree)を意味する。仮りに、dが1であれば、線形カーネル(Linear Kernel)になる。基本的に、SVMは、二値分類器であるが、本発明の一実施形態によれば、多重クラス分類(Multiclass Classification)モデルを使用できる。SVMモデルを適用しようとするならば、one vs. all方法を使用して学習を進行するようになる。One vs. all方法は、図9のように、全体クラス数がC個であれば、1番目に選択されたクラスと残りのC-1個のクラスとを二値化し、学習を進行させて決定境界を作り、これを合計C回繰り返してC個の決定境界を生成させる。図9の(a)ないし(d)は、決定境界を生成する例を示したものである。モデル検証の際には、それぞれのC個の決定境界に対して全てテストデータセットで検証するようになり、C回のテスト値のうち、最も大きい決定境界値を有するクラスを予測されたクラスとして選定する。
【0238】
図10は、SVMを介してのサージ感知ロジックモデルと既存の電流基準値を用いたサージ感知方式を比較したテスト結果を示す。図10のように、定速型ターボチラーとインバータ型ターボチラーとの正常/サージデータを分類した後、サポートベクトルマシン学習を適用すれば、数式6のとおりである。
【0239】
【数6】
【0240】
ここで、c1、c2、c3は、サージ感知モデルの変数であって、各々1.0、0.5、-8.0であり、ΔIとPrは、1周期内での電流変動率と圧力比変動率である。サージ感知モデルの変数は、クラシックサージ(Classic surge)異常発生時のモデルであり、マイルドサージ(Mild surge)異常発生時に変更の際、c1、c2、c3は、サージ感知モデルの変数が各々1.0、0.5、-5.2である。サージ判断条件は、ysurが0より大きい場合、サージと判断し、0より小さいか、同じ場合には、正常応答と判断する。
【0241】
図10に示すように、既存の電流基準値を用いたサージ感知方式が感知できなかったが、本発明の一実施形態に係るサージ感知モデルによって感知された改善領域を確認できる。
【0242】
本発明の一実施形態に係るチラーシステム10及び/又はサーバ30は、学習モデリング過程では、受信したデータ基盤にチラー11の状態を予測及び分析する。
【0243】
チラーシステム10及び/又はサーバ30は、チラー11の状態を把握し、設計された制御モデリングの制御手順にしたがってチラー11を制御できる。
【0244】
チラーシステム10及び/又はサーバ30は、データ前処理過程が終わるようになると、チラー11の状態判断及び制御のためのマシンラーニングモデル演算を行うことができる。
【0245】
高性能演算が求められるマシンラーニングモデルを既存チラーにも適用しようとして、サーバ30のリソースを活用することが好ましい。
【0246】
仮りに、チラー11が強力な演算性能を有したハードウェア資源を有しているならば、エンベデッド形態でデータ受信から前処理、マシンラーニングモデル演算、及び予測結果導出までの全ての過程を制御器内部の資源を用いて実現することもできる。
【0247】
チラーシステム10及び/又はサーバ30は、運転情報をマシンラーニングモデルによって学習し、処理することができる。また、チラーシステム10は、マシンラーニングモデルの判断/予測に基づく制御運転を行うことができる。
【0248】
一方、サージが感知されれば(S630)、チラーシステム10は、サージ回避動作を行う(S650)。例えば、サージ回避動作は、流量増大、ヘッド低減、圧縮機回転数調節、入口調節装置、ホットガスバイパス弁(HGBP)の調節などによってなされることができる。
【0249】
一方、制御部150は、サージ回避動作でチラー11が安全な運転領域に進入したと判断されれば、サージ回避動作を終了できる(S660)。
【0250】
場合によって、制御部150は、サージ回避(S650、S660)後、直ちに正常運転に進入せずに、所定時間ソフトスタートを行った後に正常運転に進入するように制御することができる。制御部150は、圧縮機110の圧力比変動率と電流変動率とが所定範囲以内である場合に、前記圧縮機110の回転を次第に増加させるソフトスタートに進入するように制御することができる。
【0251】
仮りに、前記圧縮機110の圧力比変動率と電流変動率とが前記所定範囲以内でない場合に、制御部150は、入口調節弁など、入口調節装置を固定し、前記圧縮機110を停止させることができる。
【0252】
本発明の一実施形態によれば、製品に最適化された圧縮機運転マップを生成し、管理するために、サージ発生の際、データに基づいて圧縮機運転マップをアップデートすることができる(S640)。
【0253】
前記サージが感知されれば(S630)、制御部150は、サージが発生するサージ領域と正常領域とを区分するサージラインを含む圧縮機運転マップをアップデートするように制御することができる(S640)。
【0254】
その後、制御部150は、アップデートされた圧縮機運転マップを用いてチラー11の運転を制御できる。例えば、制御部150は、実際製品で発生したサージイベントによって変更されたサージライン及び/又は当該製品の実際サージラインにオフセットを加えて設定された運転ラインに基づいてチラー11を制御できる。これにより、本発明の一実施形態に係るチラーシステム10は、当該製品及び設置環境によって最適化された運転が可能である。
【0255】
本発明の一実施形態に係るチラーシステム10は、サージ発生以後には、同一運転条件でサージ発生なしに運転が可能である。サービスエンジニアによる点検が必要でないか、減少するので、サービス費用及び時間減少の効果があり、顧客信頼向上、製品非運転によるダウンタイム解消、圧縮機焼損による部品交換費用節約、盛需期がくる前にサービス民願を分散させるなどの効果がある。
【0256】
図6の順序度において圧縮機運転マップアップデート(S640)は、サージ回避(S650)の以前ステップと示されたが、本発明は、これに限定されない。圧縮機運転マップアップデート(S640)は、サージ回避(S650)と並行して行われるか、サージ回避(S650)の完了または動作中に行われることもできる。
【0257】
一方、前記サージラインは、前記圧縮機110の回転速度を基準に複数の区間に分けられることができる。制御部150は、前記圧縮機110の回転速度及び圧力比の2次元座標系で発生されたサージに対応する運転点を算出し、前記複数の区間のうち、前記運転点が含まれる区間をアップデートすることができる。これにより、圧縮機運転マップを区間別にアップデートすることで、より精巧に圧縮機運転マップをアップデートすることができる。
【0258】
図11は、本発明の一実施形態に係るチラーシステムの動作方法を示した順序図であって、チラーがサージ感知(制御)ロジック(S620)からサージ回避動作(S660)までの過程を行う一例を詳細に示したものである。
【0259】
図12図14は、本発明の一実施形態に係るサージ制御に関する説明に参照される図である。
【0260】
図11に示すように、本発明の一実施形態に係るチラーシステム10は、サージ制御ロジックの進入条件を満たすと、サージ制御ロジックに進入することができる(S1110)。例えば、サージ制御ロジックの進入条件は、冷却水入口温度安定度:0.3[度]、回転速度変化率:2[%]、入口調節装置(IGV、DGR、HGBP)変化率:2[%]であることができる。
【0261】
本発明の一実施形態に係るチラーシステム10は、サージ感知を行う(S1120)。本発明の一実施形態に係るチラーシステム10は、マシンラーニングに基づいたサージ感知を行うことができる(S1120)。
【0262】
サージ現象は、チラー11の圧縮機110と凝縮器120での不安定な流動のため、凝縮器120から圧縮機110へと冷媒が反対に流れることであって、流量変動、電流変動、凝縮器(蒸発器)の温度変化が発生する。
【0263】
1周期(例えば、40秒)の間、冷却水入口温度の変動が±0.3[度]以内、回転速度と入口調節装置(IGV、DGR、HGBP)の変動が2[%]以内であるサージ制御ロジックの進入条件を満たすと(S1110)、チラーシステム10は、サポートベクトルマシン学習を介してサージ感知を進行する(S1120)。
【0264】
実施形態によって、サージが感知されれば(S1120)、サージ感知時間(例えば、4周期)の間、サージ感知イベントが引続き発生するか確認して(S1130)、設定した時間が経つと、自動にサージ回避制御ロジックを行うことになる(S1150)。
【0265】
サージ(Surge)は、流量に対して圧縮比が高いときに表れ、圧縮機110の回転体から発生する空転のため、流動が不規則になる不安定な状態を意味する。このような不安定な状態は、チラー11圧縮機110の運転と制御とで制約を有することがあり、サージ発生のため、圧縮機110など、部品の損傷危険がある。
【0266】
定速型ターボチラーは、圧縮機回転速度が固定された状態で入口調節装置の変化によってターボチラーの性能曲線を図示することができ、運転領域を外れた場合、サージが発生するようになり、負荷や運転条件に関係なく、運転領域内に強制的に移動させなければならない。サージが高負荷領域で発生すれば、入口調節装置の開度を閉じるようになり、冷却水出口温度上昇抑制を介して圧力差を減らしてサージ回避制御を行う。逆に、サージが低負荷領域で発生すれば、入口調節装置の開度を開いて強制的に運転領域内側に運転点を移動させる。低負荷領域では、圧縮機電流上昇のため、安全な運転領域まで開度を開くことができない場合がある。最悪の場合、チラーの冷水出口目標温度を放棄するか、製品保護のために強制終了(Trip)をするようになる。高負荷領域では、低負荷領域に比べて相対的に容易にサージ感知を介してサージ回避をすることができるが、低負荷運転は、圧縮機電流と入口調節装置の相関関係のためにサージ制御が難しい。
【0267】
サージ制御は、チラーの圧縮機運転に影響を与えない状態でなされることを目標とし、通過流動量増大、ヘッド低減、圧縮機回転数調節、入口調節装置、ホットガスバイパス弁(HGBP)などの調節によってなされる。
【0268】
ターボチラーの部分負荷とは、空調と冷凍の対象になる空間や建物の冷凍要求が少なくなるとき、冷凍機が自分の能力を減らして対応するときのサイクルを意味する。体積型圧縮機の負荷が減る場合、圧縮機入出口圧力は減少するようになり、減少された圧力に該当する冷媒循環量が決定された後、冷凍容量が減る部分負荷運転を行う。しかし、ターボチラーのように回転を介して圧縮する製品では、体積型圧縮機に比べて相対的に圧縮比が小さい。低負荷運転は、入口調節装置を利用して冷媒流量を調節するので、圧縮比を部分的に減らすことができ、入口調節装置にて圧縮比を減らすことができない場合には、ホットガスバイパスを適用する。ホットガスバイパスは、既に圧縮しておいた冷媒を冷凍することに使用せずに、サイクルに再度戻す機能をするので、ターボチラーの圧縮機消費電力は変わらず、冷凍能力のみ減るようになり、性能係数(Coefficient of Performance)が非常に悪くなるだけでなく、持続的に運転すれば、ターボチラーに無理がかかる恐れがある。したがって、ホットガスバイパスの動作は、他の入口調節装置など、回避動作によりサージ回避が難しい場合に補充的に適用することが好ましい。
【0269】
図12は、ターボチラーのサージ回避制御動作を例示した図であって、圧縮機回転速度(VFD)、及び圧力比(Pr.)上にサージライン1210と運転点(1230など)を示したものである。
【0270】
図12に示すように、チラーシステム10は、製品発売の際、サージライン1210が格納されている。サージライン1210の左側は、サージ現象が発生するサージ領域を意味し、サージライン1210の右側は、サージが発生しない正常領域を意味することができる。
【0271】
一方、製品及び設置環境によって、設定されたサージライン1210と実際サージライン1230とは差がありうる。図12の(a)に示すように、運転点1230は、サージライン1210の右側にあるが、実際サージライン1230の左側に存在するので、実際サージが発生しうる。この場合に、サージが感知され(S1120)、サージ回避制御ロジックが作動できる(S1150)。
【0272】
例えば、運転過程中、サージを感知するようになると(S1120)、図12の(b)のように、DGR弁など、入口調節装置を100[%]開度して運転点をサージラインの下に移動させることができる。
【0273】
一方、サージが感知されなければ(S1120)、圧縮機110及び入口調節装置は、通常の常時制御状態に設定され(S1190)、正常運転を進行する(S1195)。例えば、圧縮機回転速度(VFD)とDGR弁とは、圧縮機運転マップのマップサージライン(運転ライン)に基づいてサージ領域に運転点が存在しないように制御されることができる。
【0274】
図13は、ターボチラーの性能曲線を示したものである。製造社では、実験によって圧縮機回転速度による圧縮比、効率、流量、サージ発生地点、最大圧力比を図式化して提供する。ターボチラーの圧力と流量とは、圧縮機の性能を表すのに用いており、設計点Aは、インペラ設計の基準点であって、入口調節装置が最大に開いたときに基準となる圧力に対する流量を意味する。Bは、ターボチラーの圧力抵抗増加により圧縮機の圧縮比が設計点Aより高まり、流量が減少した状態である。サージ点(Surge point)Cは、システム圧力抵抗が増加し続けて圧縮機性能曲線とサージラインとの交差点に到達する地点であって、圧縮機の逆流が生じるサージ現象が起こるようになる。Dは、サージ区間であり、Eは、システム圧力抵抗減少により圧縮機の圧縮比が設計点より低くなり、流量が増加した状態である。
【0275】
サージは、C→D→E→C→...の過程で進行され、連続的にサージが繰り返しながら変動の幅が大きくなる。区間別に説明すれば、C→Dでは、圧力抵抗が大きくなるにつれて逆流が発生し、流量が減少する過程であり、流量が0であるD点に到達するようになる。D→Eは、圧縮機の生成圧力が現在圧力より大きくなりながら流量が正方向(逆流→正流)に変わりつつ点Eに移動する。このとき、圧力変化は一定であり、生成流量のみ増加する特徴を有している。E→Cは、圧縮機の圧力が過多な関係でターボチラー性能曲線に沿ってC点に移動する。上記の過程をサージ1回(1サイクル)と規定し、5回以上サージが発生すれば、圧力変動の幅が大きくなるため、インペラに損傷を与える可能性が高まるようになる。サージのため、ターボチラーでは、冷媒逆流、異常振動及び騒音発生、インペラやギヤ損傷、電流ハンチングなどの異常現象が発生する。サージは、ターボチラーにおいて圧縮機と凝縮器での不安定な現象であって、凝縮器の圧力が圧縮機ホイールの一端より大きくなりながら凝縮器から圧縮機に逆に流れるようになる。
【0276】
サージを解決するために、流量を増加させるか、圧縮比を減少させて、圧縮機性能曲線からサージライン内に入らなければならない。サージ発生の際、無負荷(Unloading)状態に作らなければならず、このとき、ホットガスバイパスを開いて吸入流量を増加させる。普通は、圧縮機が運転中、サージを発生させないために、入口調節装置の速度を適宜調節し、圧縮機駆動の際、サージを防止するために、入口調節装置の最小開度を設定することもある。
【0277】
図13に示すように、圧縮機110の場合、水頭(head)を一定に維持した状態では、流量が少ない領域で運転し難い状態となる。図13においてサージラインに沿って流量が少ない領域に運転する場合、サージ現象が発生する可能性が大きくなる。
【0278】
図12の(b)に示すように、運転点1231は、既存1230より圧力比が減少して、サージを回避することができる(S1160)。
【0279】
一方、サージ回避が完了すれば(S1160)、DGR弁など、入口調節装置の開度を調整して正常運転に戻る(S1170)。サージ回避完了(S1160)後、サージ制御は、ソフトスタートを経て正常運転に初期化することができる(S1170)。サージ回避完了可否は、圧力比、電流変動率が所定基準値以内であるか否かで判別することができる。
【0280】
一方、所定時間以内にサージ回避が完了できなければ(S1160)、圧縮機110の動作を停止させることができる(S1180)。このとき、入口調節装置の開度状態は維持したまま、圧縮機110動作を停止させることができる(S1180)。
【0281】
本発明の一実施形態によれば、圧縮機回転速度変化率、サージ発生地点の圧力比を用いて、圧縮機運転マップをアップデートすることができる(S1140)。
【0282】
図12の(a)と(b)に示すように、サージ発生運転点1230を反映して、サージライン1210をアップデートすることができる。アップデートされたサージライン1211は、既存のサージライン1210より実際サージライン1230により近いことができる。
【0283】
最初サージ感知区間での圧縮機回転速度と圧力比情報を利用して圧縮機運転マップアップデートを進行するようになる(S1140)。圧縮機運転マップアップデートは、最初サージ感知区間の圧縮機回転速度(VFD)と圧力比を利用する。
【0284】
圧縮機運転マップアップデートは、複数の周期の間、サージ発生を感知する場合に、サージ発生初期データを使用し、圧縮機回転速度の増加の際、圧力比も増加することができる。
【0285】
一方、圧縮機運転マップアップデートを進行するために、圧縮機の最小回転速度と最大回転速度との区間をユーザが設定したN個の区域に分けることができる。仮りに、サージが発生した地点がVi-1とViとの間である場合、圧縮機運転マップでアップデートされる圧力比を算出する圧縮機運転マップアップデート数式は、次のとおりである。
【0286】
【数7】
【0287】
ここで、vi-1とviとは、圧縮機回転速度であり、Pv-1とPviとは、圧縮機回転速度区間vi-1とviに該当する圧力比を意味する。vestとPvestは、チラー運転過程で最初サージが発生した地点の回転速度と圧力比を意味する。傾斜パラメータαは、0<α≦1に決めることができ、ターボチラーの運転領域を保守的にみるときは、αを小さく設定すればよい。
【0288】
サージ回避完了(S1160)後、サージ制御は、ソフトスタートを経て正常運転に初期化することができる(S1170)。図12の(c)に示すように、サージ回避完了(S1160)後、DGR弁を閉じて正常運転を行うことにより(S1170)、圧力比が再上昇1232し得る。この場合に、圧力比再上昇によって運転点1232がアップデートされたサージライン1211を越えないように制御することができる。例えば、図12の(d)に示すように、圧縮機運転周波数を調整して回転速度を可変することにより、運転点1233がサージ領域に進入することを防止できる。
【0289】
図14は、本発明の一実施形態に係るターボチラーのサージ感知及びサージ回避制御動作の際、波形を示したものである。
【0290】
図14の(a)は、サージ感知タイマー及びサージ回避タイマーを示したものであって、所定周期の間にサージが感知されれば、累積カウンティングされながら上昇する途中、サージが感知されなければ初期化されながら0になる方式にてタイマーが動作して、0から上昇する途中、再度0に初期化される三角波形態を見せる。
【0291】
図14の(b)は、本実施形態において使用する温度情報のうち、冷水出口温度を例示したものである。
【0292】
図14の(c)は、DGR弁、図14の(d)は、圧縮機回転速度状態を示したものである。
【0293】
図14のデータサンプリング周期は、5[秒]毎に受信され、約200番目のデータ位置でターボチラーは起動を始めるようになる。起動後、ターボチラーのDGR弁開度は、100[%]開きを確認することができ、ソフトスタートに突入しながらDGR弁開度をロックするようになる。約250番目の位置で冷却水入口温度の変化は、0.3[度]以内、冷水出口目標温度と冷水出口実際温度との差は、0.3[度]以内、圧縮機回転速度と電流変動率とが2[%]以内を満たすようになり、サージ感知動作を行うようになる。300~450番目の区間は、サージ感知動作過程でDGR弁開度が変化する場合、サージ制御ロジックの動作可否を確認した区間である。DGR弁が動作する間、サージ感知ロジックは行わなかったし、DGR弁開度が閉じた後、ソフトスタートを経て正常運転に切り換えたことが確認できる。
【0294】
サージを発生させるために、冷却水入口温度を上昇する過程で580番目のデータからサージ感知を始めるようになる。4周期(160[秒])の間、サージを感知し続ければ、サージ回避動作を進行するようになる。サージ回避動作は、可変調節装置開度を100[%]に維持した状態でサージ回避タイマー(180[秒])の間、製品が安定するか確認する。
【0295】
図14では、約610番目の位置からサージ回避動作を行っており、サージ回避動作区間内の電流変動率と圧力比変動率とが全て2[%]以内に安定するならば、ソフトスタートを経て正常運転に回帰するが、電流変動率や圧力比変動率条件を1つでも満たすことができないならば、可変調節装置を100[%]開度された状態でターボチラーを停止するようになる。
【0296】
ターボチラーの圧縮機運転マップアップデートを適用する前、初期サージライン1210は、ターボチラーの全製品に同様に設定される。しかし、本発明の一実施形態によれば、製品が設けられた現場で実際発生するサージに対する自家学習を介してのサージラインアップデーツを適用する。ターボチラーは、運転中にサージ感知を介して自家学習を進行するようになり、実際サージラインにアップデートするようになる。
【0297】
ターボチラーのサージラインは、製品の冷凍能力によって変わるので、製品毎にサージラインを容易に定義することができない。製造社で各チラーモデルの圧縮機回転速度や入口調節装置を調節しながらサージラインを探すには多くの時間と費用が発生するようになる。
【0298】
図15図16は、本発明の一実施形態に係る圧縮機運転マップアップデートについての説明に参照される図である。
【0299】
図15は、本発明の一実施形態に係る自家学習を介しての圧縮機運転マップのサージラインアップデーツ過程を順次示したものである。
【0300】
図15の(a)に示すように、最初運転の際、上側のサージラインが設定される。下側のラインは、実際サージラインであって、圧縮機運転マップのサージラインを実際サージラインより高めた状態で最初のターボチラーの運転過程でサージ発生を介して圧縮機運転マップをアップデートするようになる。
【0301】
図12を参照して説明した過程を経て1回アップデートが行われる。従来のサージ制御アルゴリズムは、予め設定したサージラインでサージが発生する場合、全体サージラインを調整してサージ防止を実現しているが、本発明において提案した圧縮機運転マップアップデートは、N個の区域に回転速度区間を分けたので、サージラインを全体的に調整するものではない、部分的に調整が可能である。
【0302】
その後、サージが発生するにことにより、発生されたサージイベントが反映されて圧縮機運転マップをアップデートする。図15は、1回、4回、N回のアップデート過程を順次例示する。
【0303】
一方、長時間の使用により十分なアップデートが行われれば、最右側のグラフのように、圧縮機運転マップに設定されたサージラインは、実際サージラインと一致するようになる。
【0304】
図16に示すように、初期サージライン1610は、チラー全製品に同一値が設定される。本発明の一実施形態によれば、サージイベントの発生により、圧縮機運転マップはアップデートされ、サージライン1610は、次第に実際サージライン1620に近づく。制御部150は、アップデートされたサージライン1620に基づいてチラー11を制御できる。
【0305】
実施形態によって、サージを防止するための運転ラインとしてサージ防止制御ライン1630を設定できる。サージ防止制御ラインは、制御器で設定した仮想のサージラインであって、実際サージラインより低く設定して、常に安全領域で運転させる。サージ防止ラインは、マップサージライン(Map Surge Line)または運転ラインとも命名することができる。圧縮機運転マップのサージ防止ラインは、チラーがサージ発生をせずに正常運転区間で動作できるようにサージマージンを反映して設定した仮想のラインである。例えば、サージマージンは、現在回転速度でのサージ防止ラインの圧力比と実際圧力比との差を意味できる。
【0306】
制御部150は、サージ防止制御ライン1630に基づいてチラー11を制御できる。制御部150は、サージマージンが0より小さいながら、偏差(冷水出口目標温度-冷水出口現在温度)が0より大きい場合、現在運転点での圧力比に該当する安全周波数まで圧縮機回転速度をDGR弁開度と関係なく上昇させることができる。
【0307】
逆に、偏差が0より小さい場合、制御部150は、現在運転点での圧力比に該当する安全周波数と圧縮機回転速度とが同じ場合に、圧縮機回転速度を固定した後、DGR弁開度を増加させることができる。サージマージンが0より大きい場合、圧縮機回転速度を調整する制御を行うことができる。
【0308】
図17は、本発明の一実施形態に係るチラーに対する概略図であり、図18は、図17のエジェクタの内部構造を概略的に示した図である。
【0309】
図17に示すように、チラーシステム10は、圧縮機110、凝縮器120、膨脹機130、蒸発器140、及び/又はエジェクタ1700を備えることができる。
【0310】
圧縮機110は、冷媒を高温、高圧の気体冷媒で圧縮して吐出することができる。このとき、圧縮機110から吐出された高温、高圧の気体冷媒のうち、少なくとも一部は、凝縮器120に伝達されることができ、高温、高圧の気体冷媒のうち、凝縮器120に伝達されなかった残りの一部は、エジェクタ1700に伝達されることができる。
【0311】
凝縮器120は、圧縮機110から吐出された高温、高圧の気体冷媒と冷却水を熱交換させることができ、熱交換により凝縮された冷媒を膨脹機130に吐出することができる。
【0312】
膨脹機130は、凝縮器120で凝縮された冷媒を膨脹させることができ、低温の液体冷媒を蒸発器140に伝達することができる。
【0313】
蒸発器140は、膨脹機130から伝達された低温の液体冷媒と冷水を熱硬化させることができ、熱交換を介して低圧の気体冷媒を吐出できる。このとき、蒸発器140から吐出された低圧の気体冷媒のうち、少なくとも一部は、圧縮機110に伝達されることができ、圧縮機110に伝達されなかった残りの一部は、エジェクタ1700に伝達されることができる。
【0314】
エジェクタ1700は、第1の流入部1710、第2の流入部1720、及び吐出部1730を備えることができる。
【0315】
本発明の一実施形態に係るチラーシステム10は、エジェクタ1700の第1の流入部1710に連結された配管に配置されて、第1の流入部1710に流入する冷媒の流量を調節する入口調節弁1800をさらに備えることができる。入口調節弁1800は、DGR弁であることができる。入口調節弁1800の開度程度によって、エジェクタ1700に供給される高温、高圧の気体冷媒の流量が決定され得る。
【0316】
エジェクタ1700は、圧縮機110から吐出された高温、高圧の気体冷媒と、蒸発器140から吐出された低圧の気体冷媒とを混合した混合冷媒を吐出できる。エジェクタ1700と関連して、図18を参照して説明する。
【0317】
図18に示すように、圧縮機110から吐出された高温、高圧の気体冷媒は、第1の流入部1710を介してエジェクタ1700に流入してノズル部1741を高速で通過することができる。このとき、第1の流入部1710を介して流入した冷媒は、ノズル部1741を通過する間、流速は増加し、圧力は低下することができる。一方、ノズル部1741を通過する間に低下した冷媒の圧力によって、蒸発器140から吐出された低圧の気体冷媒のうち一部が圧力差により第2の流入部1720に流入することができる。
【0318】
ノズル部1741を通過して噴出された冷媒と、第2の流入部1720を介して流入した低圧の気体冷媒とは、ミキシング部1742で混合されることができ、ノズル部1741を通過して噴出された冷媒と第2の流入部1720を介して流入した冷媒とが混合された混合冷媒は、ディフューザ部1743を通過しながら流速は低下し、圧力は上昇して、吐出部1730を介してエジェクタ1700から吐出されることができる。
【0319】
エジェクタ1700から吐出された混合冷媒は、圧縮機110に伝達されることができる。例えば、エジェクタ1700から吐出された混合冷媒は、圧縮機110の冷媒吸入口を形成するハウジング1600に供給されることができる。
【0320】
一方、本発明の一実施形態に係るチラーシステム10は、エジェクタ1700の第1の流入部1710に連結された配管に配置されて、第1の流入部1710に流入する冷媒の流量を調節する入口調節弁1800をさらに備えることができる。入口調節弁1800は、電子式膨脹弁(Electronic Expansion Valve;EEV)であることができる。
【0321】
本発明の一実施形態に係るチラーシステム10は、前記圧縮機110から吐出された冷媒のうち一部と、前記蒸発器120から吐出された冷媒のうち一部とを混合して吐出するエジェクタ1700を備えることができる。前記エジェクタ1700は、前記圧縮機110から吐出された冷媒のうち一部が流入する第1の流入部1710と、前記蒸発器120から吐出された冷媒のうち一部が流入する第2の流入部1720とを備えることができる。このとき、入口調節弁1800は、前記第1の流入部1710に連結された配管に配置されて、前記第1の流入部1710に流入する冷媒の流量を調節できる。
【0322】
チラーシステム10がエジェクタ1700を備える場合、システムを循環した後、蒸発器140から吐出される低圧の冷媒が高圧の冷媒とともに流入するので、冷凍システムを循環する冷媒の流量が相対的に多くなり、チラーシステム10の冷凍システムの効率を上げることができる。
【0323】
本発明に係るチラーシステム及びその動作方法は、上記したように説明された実施形態等の構成と方法が限定して適用され得るものではなく、上記実施形態等は、様々な変形がなされ得るように、各実施形態の全部または一部が選択的に組み合わせられて構成されることもできる。
【0324】
また、以上では、本発明の望ましい実施形態について図示し、説明したが、本発明は、上述した特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者により様々な変形実施が可能であることはもちろんであり、このような変形実施等は、本発明の技術的思想や展望から個別的に理解されてはならないであろう。
【符号の説明】
【0325】
110 圧縮機
120 凝縮器
140 蒸発器
150 制御部
160 センサ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18